JPH06179155A - 複合材料の研磨方法及び研磨定盤 - Google Patents

複合材料の研磨方法及び研磨定盤

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JPH06179155A
JPH06179155A JP4352999A JP35299992A JPH06179155A JP H06179155 A JPH06179155 A JP H06179155A JP 4352999 A JP4352999 A JP 4352999A JP 35299992 A JP35299992 A JP 35299992A JP H06179155 A JPH06179155 A JP H06179155A
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JP
Japan
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polishing
polished
abrasive grains
composite material
platen
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Mikio Okumura
実紀雄 奥村
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合材料の研磨方法において、固定砥粒によ
る塑性流動的引っ掻きによる除去機構による研磨加工を
できるようし、それにより、段差量の小さい即ち平坦
な、かつ表面粗さの小さい即ち平滑な研磨面を形成でき
る複合材料の研磨方法を提供する。 【構成】 研磨定盤2の面上に配置した研磨されるべき
面が少なくとも2種類の材料から構成された複合材料に
対して、回転駆動される前記研磨定盤2と砥粒13とを
用いる複合材料の研磨方法において、前記研磨定盤2の
研磨に使用される面の表面に前記研磨定盤2の回転駆動
軸に対してスパイラル状に配置される溝を形成し、前記
研磨定盤2の研磨に使用される面の表面に前記砥粒13
を埋込んでおき、前記複合材料の研磨時に、この複合材
料の研磨されるべき面に潤滑液6を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合材料の研磨方法と
この研磨方法において使用される研磨定盤とに係わり、
特に、高密度磁気記録再生装置に使用される、複合材料
より構成される磁気ヘッド材料の研磨方法及びこの研磨
方法において使用される研磨定盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置においては、磁気ヘッ
ドとして例えば浮上型薄膜磁気ヘッドが使用されてい
る。この浮上型薄膜磁気ヘッドは、スライダ部と電磁変
換部とから構成されている。スライダ部にはABS(A
ir Bearing Surface)部があり、A
BS部の一部に、電磁変換部が配置されている。ABS
部の大部分は非磁性材料より構成され、一方、電磁変換
部は磁性材料より構成されており、すなわち、ABS部
は複合材料より構成されている。ABS部の表面は平坦
である事が要求されるため、このABS部を形成するの
には、研磨工程が必要である。
【0003】以下、添付図面を参照して、この従来の技
術を説明する。まず、従来の研磨装置の基本構成を、図
13及び図14に従って説明する。図13は、従来の複
合材料の研磨方法の一例を説明するための研磨装置の上
面図である。図14は、従来の複合材料の研磨方法の一
例を説明するための研磨装置の部分断面図である。図1
3及び図14において、11は、研磨装置を、3は、試
料ホルダを、4は、回転軸を、5は、ロ−ラ保持器を、
7は、被研磨試料を、9は、角溝を、12は、研磨定盤
を、16は、研磨液を、17は、試料ホルダ固定ロ−ラ
を、18は、供給パイプをそれぞれ示す。
【0004】研磨定盤12は、ここでは図示されていな
いモ−タに連結されている回転軸4に取り付けられてい
る。研磨定盤12は、Snや繊維質系パッド材などから
構成されており、その上面には、幅2mm深さ2mm程
度の角溝9が、10mm程度のピッチで同心円状に付け
られており、またその上面の表面は平坦に加工されてい
る。研磨定盤12の上方には、供給パイプ18が配置さ
れており、この供給パイプ18は、ここには図示されて
いない研磨液供給装置に接続されており、一定流量の研
磨液16が、ノズルになっている供給パイプ18の先端
より、研磨定盤12の上面の表面に噴霧される。
【0005】被研磨試料7は、円盤状の試料ホルダ3に
接着されており、試料ホルダ3は、被研磨試料7の被研
磨面が研磨定盤12の上面の表面に向き合うように研磨
定盤12上に配置されている。研磨装置11には、ロ−
ラ保持器5が取り付けられており、さらに、このロ−ラ
保持器5には、回転できる2個の試料ホルダ固定ロ−ラ
17が取り付けられている。研磨定盤12が回転する
と、この研磨定盤12の上面に配置された試料ホルダ3
は、研磨定盤12と接触する部分でそれぞれ研磨定盤1
2の線速度が異なるため、研磨定盤12から回転力と研
磨定盤12の外側へ向かう力とを受けるが、この力に抗
して、試料ホルダ3を一定の位置に保てるように試料ホ
ルダ固定ロ−ラ17が配置されている。以上が。研磨装
置11の基本構成である。
【0006】次ぎに、被研磨試料7の構成及び製法の概
要を、図6、図7、図8及び図9に従って説明する。図
6は、本発明の複合材料の研磨方法の一実施例と従来の
複合材料の研磨方法の一例を説明するための被研磨材料
である磁気ディスク用磁気ヘッドスライダの斜視図であ
る。図7は、図6のD部で示される、本発明の複合材料
の研磨方法の一実施例と従来の複合材料の研磨方法の一
例を説明するための被研磨材料である磁気ディスク用磁
気ヘッドスライダの部分拡大斜視図である。図8は、図
7のE部で示される、本発明の複合材料の研磨方法の一
実施例と従来の複合材料の研磨方法の一例を説明するた
めの被研磨材料である磁気ディスク用磁気ヘッドスライ
ダの部分拡大斜視図である。図9は、図8のF−F´断
面を示し、本発明の複合材料の研磨方法の一実施例と従
来の複合材料の研磨方法の一例を説明するための被研磨
材料である磁気ディスク用磁気ヘッドスライダの部分拡
大断面図である。
【0007】図6、図7、図8及び図9において、20
は、薄膜磁気ヘッドスライダを、21は、ABS部を、
22は磁気コアをそれぞれ示す。14は、Al2 3
TiCを、15は、TiO2 を、19は、Co系磁性膜
をそれぞれ示す。被研磨試料7は、薄膜磁気ヘッドスラ
イダ20であり、Al2 3 −TiC14上に、順次、
磁性膜の保護膜となるTiO2 15を厚さ4μm、Co
系磁性膜19を厚さ2.5μm、図示されていない磁気
ギャップ部となる絶縁膜を厚さ0.5μm、Co系磁性
膜19を厚さ2.5μmおよびTiO2 15を厚さ4μ
mに形成する。その後、Al2 3 −TiC14のブロ
ックを所定の形状に加工後、縦2mm、横4mm及び高
さ1.1mmの形状に切断分離する。図8に示すよう
に、ABS部21の同一平面上に、Al2 3 −TiC
14、TiO2 15、Co系磁性膜19及び図示されて
いない磁気ギャップ部となる絶縁膜が露出する。このA
BS部21は、研磨加工によって、平滑かつ平坦に仕上
げられる。
【0008】次ぎに、従来の研磨方法の一例を、図6、
図7、図8、図9、図13及び図14にしたがって説明
する。基本形状に加工された薄膜磁気ヘッドスライダ2
0のABS部21に研磨加工を行う。図9に示されるS
は、段差量を表すが、研磨加工前の状態では、ABS部
21は平坦であり、Sは表面粗さの変動内で検出できな
い。表面粗さは、ダイヤモンド触針式表面粗さ計を用い
て測定された。この測定の分解能は、20オングストロ
−ムである。
【0009】被研磨試料7である基本形状に加工された
薄膜磁気ヘッドスライダ20を、φ100の円盤状試料
ホルダ3の上面にエレクトロンワックス(日化精工
(株))を用いて接着する。この時、被研磨面がABS
部21になるように配置する。研磨装置11には、φ3
00の円盤状のSn製の研磨定盤12をセットする。こ
の研磨定盤12上に、被研磨試料7の被研磨面を下にし
て試料ホルダ3を試料ホルダ固定ロ−ラ17に突き当て
てセットする。被研磨面に100g/cm2 の圧力が加
わるように、試料ホルダに印加する荷重を調整する。
【0010】図示されていない研磨液供給装置に、研磨
液16を充填する。研磨液16は、水溶性の分散剤に平
均粒径0.5μmのダイヤモンド砥粒を0.1wt%分
散させたものである。研磨液供給装置を動作させて、供
給パイプ18のノズルより研磨定盤12上面上に噴霧状
の研磨液16を供給する。この状態で、研磨定盤12を
回転させて、研磨を行う。研磨液16は、間断なく被研
磨試料7の被研磨面に供給され、研磨に使用された研磨
液16は、順次角溝9に排出される。20分後、研磨定
盤12の回転を停止し、研磨液16の供給も停止する。
【0011】以上により、薄膜磁気ヘッドスライダ20
のABS部21は、2μm研磨され、ABS部21は鏡
面に仕上がる。しかし、図9に示すようにABS部21
の平坦度は悪くなり、Al2 3 −TiC14とTiO
2 15との間、TiO2 15とCo系磁性膜19との間
に、段差が発生する。段差量Sは、1000オングスト
ロ−ムとなる。この理由は、被研磨材料の研磨される速
度は、その材料の硬度に依存し、Al2 3 −TiC1
4が最も硬く、TiO2 15、Co系磁性膜19の順序
で柔らかくなり、Al2 3 −TiC14が最も研磨さ
れる速度が小さく、Co系磁性膜19が最も研磨される
速度が大きいからである。以上が、従来の研磨方法の一
例である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、薄膜磁気ヘ
ッドスライダのABS部において、電磁変換部と残りの
部分との間に段差が生ずると、すなわち電磁変換部が陥
没した状態になると、実効的な浮上量が大きくなる。段
差量Sは0であることが最良であるが、100オングス
トロ−ム以下であれば、現在の浮上量においては、実効
的な浮上量の増加の影響は少ない。
【0013】まず、研磨機構を考察する。上述のよう
に、従来の研磨方法は、研磨されるべき面と研磨定盤の
間に砥粒を含む研磨液を流し込み、この砥粒と研磨され
るべき面とを接触させて相対運動させることにより、研
磨を行う。これは、遊離砥粒による研磨方法である。こ
の研磨定盤と遊離砥粒を用いた研磨方法においては、被
加工物の除去機構は2種類混在している。一つは、研磨
定盤上に噴霧された研磨液中の砥粒の一部が、研磨定盤
の移動により被加工物と研磨定盤の間隙を通過する時、
被加工物に加えられている圧力により、研磨定盤表面に
埋め込まれ固定されるが、この固定砥粒による引っ掻き
による塑性流動的除去であり、もう一つは研磨定盤と被
加工物との間に浮遊した砥粒による砥粒転動による除去
である。この砥粒転動による除去機構により研磨される
場合、被研磨試料の材質が異なると、研磨される速度が
異なる。これが、複合材料の研磨において、段差量Sを
大きくする要因である。
【0014】初めに、段差量Sの研磨量すなわち研磨時
間による変化を、図11に示す。被研磨試料は、平均粒
径3μmの砥粒により前処理の研磨を行い、1800オ
ングストロ−ムの段差を前もって形成した後、その後上
述の従来例に示す研磨条件で研磨を行った。図11は、
本発明の複合材料の研磨方法の一実施例と従来の複合材
料の研磨方法の一例とにおいて、被研磨材料に発生する
段差量の研磨時間依存性を示すグラフ図である。図11
によれば、研磨時間の増加と共に、段差量は減少する
が、200オングストロ−ム以下にはならない。これ
は、この研磨条件に固有な段差量である。
【0015】次ぎに、段差量Sの研磨圧力依存性を示
す。図10は、従来の複合材料の研磨方法の一例におい
て、被研磨材料に発生する段差量の研磨圧力依存性を示
すグラフ図である。図10によれば、研磨圧力を増加す
ると、段差量Sは減少する。しかしながら、従来例にお
ける研磨圧力100g/cm2 に対し、研磨圧力130
0g/cm2 に増加しても、段差量Sを100オングス
トロ−ム以下にすることができない。これは、従来の複
合材料の研磨方法である遊離砥粒による研磨方法におい
ては、研磨加工時に被研磨試料に加える研磨圧力を増加
しても、研磨定盤と被加工物との間に浮遊した砥粒によ
る砥粒転動による除去機構を取り除くことが出来ないか
らである。
【0016】そこで、本発明は、複合材料の研磨におい
て、固定砥粒による塑性流動的引っ掻きによる除去機構
による研磨加工をできるようし、それにより、段差量S
の小さい即ち平坦な、かつ表面粗さの小さい即ち平滑な
研磨面を形成できる複合材料の研磨方法を提供する事を
目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の複合材料の研磨
方法は、研磨定盤の研磨に使用される面上に配置した研
磨されるべき面が少なくとも2種類の材料から構成され
た複合材料に対して、回転駆動される前記研磨定盤と砥
粒とを用いる複合材料の研磨方法において、前記研磨定
盤の研磨に使用される面の表面に前記研磨定盤の回転駆
動軸に対して同心円状もしくはスパイラル状に配置され
る溝を形成し、前記研磨定盤の研磨に使用される面の表
面に前記砥粒を埋込んでおき、前記複合材料の研磨時
に、この複合材料の研磨されるべき面に潤滑液を供給し
たことにより、上述の目的を達成するものである。
【0018】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の一実施例
を説明する。まず、本発明の複合材料の研磨方法の一実
施例を説明するための研磨装置の基本構成を、図1、図
2、図3、図4及び図5に従って説明する。図1は、本
発明の複合材料の研磨方法の一実施例を説明するための
研磨装置の上面図である。図2は、本発明の複合材料の
研磨方法の一実施例を説明するための研磨装置の部分断
面図である。図3は、図2のA部で示される、本発明の
複合材料の研磨方法の一実施例を説明するための研磨装
置を構成する研磨定盤の部分拡大断面図である。図4
は、図3のB部で示される、本発明の複合材料の研磨方
法の一実施例を説明するための研磨装置を構成する研磨
定盤のV溝部の部分拡大斜視図である。図5は、図4の
C部で示される、本発明の複合材料の研磨方法の一実施
例を説明するための研磨装置を構成する研磨定盤のV溝
部の部分拡大断面図である。
【0019】符号は、前述の従来例の場合と共通のもの
は、同一符号を付けてその説明を省略する。図1、図
2、図3、図4及び図5において、1は、研磨装置、2
は、研磨定盤、6は、潤滑液、8は、V溝、13は、砥
粒をそれぞれ示す。θは、V溝の開き角、Lは、V溝の
深さをそれぞれ示す。
【0020】研磨定盤2は、ここでは図示されていない
モ−タに連結されている回転軸4に取り付けられてい
る。研磨定盤2は、Snから構成されており、その上面
には、幅2mm深さ2mm程度の角溝9が、10mm程
度のピッチで同心円状に付けられている。また、この研
磨定盤2の上面の表面全面に、θが60°でありLが8
0μmであるV溝8が、100μmピッチでスパイラル
状に形成されている。さらに、この研磨定盤2の上面の
表面全面の平坦部には、図5に示すように、平均粒径が
0.5μmのダイヤモンド砥粒13が埋め込まれてい
る。研磨定盤2の上方には、供給パイプ18が配置され
ており、この供給パイプ18は、ここには図示されてい
ない潤滑液供給装置に接続されており、一定流量の潤滑
液6が、ノズルになっている供給パイプ18の先端よ
り、研磨定盤2の上面の表面に噴霧される。
【0021】被研磨試料7は、円盤状の試料ホルダ3に
接着されており、試料ホルダ3は、被研磨試料7の被研
磨面が研磨定盤2の上面の表面に向き合うように研磨定
盤2上に配置されている。研磨装置1には、ロ−ラ保持
器5が取り付けられており、さらに、このロ−ラ保持器
5には、回転できる2個の試料ホルダ固定ロ−ラ17が
取り付けられている。研磨定盤2が回転すると、この研
磨定盤2の上面に配置された試料ホルダ3は、研磨定盤
2と接触する部分でそれぞれ研磨定盤2の線速度が異な
るため、研磨定盤2より回転力と研磨定盤2の外側へ向
かう力を受けるが、この力に抗して、試料ホルダ3を一
定の位置に保てるように試料ホルダ固定ロ−ラ17が配
置されている。以上が、研磨装置1の基本構成である。
【0022】また、本発明の複合材料の研磨方法の一実
施例において使用した被研磨試料7は、従来例において
使用したものと同種のものであるので、説明を省略す
る。
【0023】次ぎに、本発明の一実施例である複合材料
の研磨方法について説明する。被研磨試料7である、基
本形状に加工された薄膜磁気ヘッドスライダ20のAB
S部21に研磨加工を行う。図9に示されるABS部2
1は、Al2 3 −TiC14と、TiO2 15と、C
o系磁性膜19とから構成されている。Co系磁性膜1
9内には、ここでは図示されていない磁気ギャップがあ
る。Sは、段差量を表すが、研磨加工前の状態では、A
BS部21は平坦であり、Sは表面粗さの変動内で検出
できない。表面粗さは、ダイヤモンド触針式表面粗さ計
を用いて、測定された。この測定の分解能は、20オン
グストロ−ムである。
【0024】基本形状に加工された薄膜磁気ヘッドスラ
イダ20を、φ100の円盤状試料ホルダ3の上面にエ
レクトロンワックスを用いて接着する。この時、被研磨
面がABS部21になるように配置する。研磨装置1に
は、φ300の円盤状のSn製の研磨定盤2をセットす
る。この研磨定盤2上に、薄膜磁気ヘッドスライダ20
の被研磨面を下にして試料ホルダ3を試料ホルダ固定ロ
−ラ17に突き当ててセットする。被研磨面に1000
g/cm2 の圧力が加わるように、試料ホルダ3に印加
する荷重を調整する。
【0024】図示されていない潤滑液供給装置に、潤滑
液6を充填する。潤滑液供給装置を動作させて、供給パ
イプ18のノズルより研磨定盤2の上面上に噴霧状の潤
滑液6を供給する。この状態で、研磨定盤2を回転させ
て、研磨を行う。20分後、研磨定盤の回転を停止し、
潤滑液2の供給も停止する。以上により、薄膜磁気ヘッ
ドスライダ20のABS部21は、2μm研磨され、A
BS部21は鏡面に仕上がる。一方、図9に示す段差量
Sは、50オングストロ−ムとなる。
【0025】次ぎに、本発明の一実施例である複合材料
の研磨方法により、研磨されるべき研磨面に最初から段
差がある被研磨試料7を研磨加工した結果を説明する。
被研磨試料7は、従来例で使用したと同様の薄膜磁気ヘ
ッドスライダ20を使用した。この試料に、予め従来の
遊離砥粒による研磨方法により、ABS部21に段差を
つけた。段差量Sは1800オングストロ−ムであっ
た。次ぎに、本発明の一実施例である複合材料の研磨方
法により、研磨加工した。この結果は、上述の図11に
示されている。図11によれば、研磨時間が60sec
に達すると、すなわち研磨量が2000オングストロ−
ムに達すると、段差量Sは100オングストロ−ム以下
になり、研磨時間の増加と共に漸減する。この飽和値
は、この研磨条件で得られる固有の段差量を示してい
る。
【0026】さらに、研磨定盤2の上面に形成するV溝
8の効果を示す。上述の本実施例の研磨装置1と被研磨
試料7を用いて、潤滑液6の粘度10cp、研磨定盤2
の回転数60rpm,研磨圧力1000g/cm2 の条
件で研磨加工した。図12は、本発明の複合材料の研磨
方法において、研磨定盤のV溝のピッチを変えた時の被
研磨材料の研磨量の研磨時間依存性を示すグラフ図であ
る。図12において、Pは、V溝8のピッチを、θは、
V溝8の開き角を示す。開き角θを60°一定とし、そ
れぞれに、深さLが80μmで100μmピッチ、深さ
Lが160μmで200μmピッチ及び深さLが400
μmで500μmピッチであるV溝8をスパイラル状に
形成しダイヤモンド砥粒13を表面に埋込んである研磨
定盤2と、V溝8のない平滑な表面にダイヤモンド砥粒
13を埋込んである研磨定盤とにおける、研磨能率の比
較を示す。
【0027】図12によれば、V溝8のピッチの小さい
研磨定盤2において、研磨能率が大きい。これは、被研
磨試料の研磨の際に作用するダイヤモンド砥粒数の違い
による。V溝8のピッチが小さい研磨定盤2の方が、ダ
イヤモンド砥粒13の埋込まれた表面の面積が広いから
である。しかし、これによれば、V溝8のない平滑面を
持つ研磨定盤の場合、作用する砥粒数が最大であるか
ら、研磨能率も最大になるはずであるが、結果は零に近
かった。これは、V溝8がないため、被研磨試料と研磨
定盤との間にある潤滑液の逃げ場がなく、この時の研磨
圧力1000g/cm2 では、潤滑液を剪断して被研磨
面をダイヤモンド砥粒13に接触させる事ができないか
らである。すなわち、V溝8がないと研磨できないこと
を示している。
【0029】なお、上述の本発明の実施例では、砥粒と
してダイヤモンド砥粒を埋込んだ研磨定盤の結果につい
て述べたが、被研磨材を構成する複合材料の材質に応じ
て、Al2 3 砥粒、SiO2 砥粒、MgO砥粒、Cr
2 3 砥粒、CeO2 砥粒又はSiC砥粒を埋め込んだ
研磨定盤についても同様の結果が得られる事は言うまで
もない。一方、上述の本発明の実施例では、研磨定盤の
材質をSnとしたときの結果について述べたが、研磨定
盤の材質はSnに限定されるものではなく、砥粒を埋め
込むことの出来るSn,Cu,Pb又はそれらの少なく
とも一つを含む合金から研磨定盤を構成しても同様の結
果が得られる事は言うまでもない。また、上述の本発明
の実施例では、開き角θが60°のV溝の結果について
述べたが、図5に示すように研磨定盤の研磨に使用する
面の一部に砥粒を埋め込んで、他を溝として除けば良い
ので、V溝の開き角θが60°に限定されるものではな
く、一方、溝の形状はV型に限定されるものではないこ
とは、言うまでもない。さらに、上述の本発明の実施例
では、浮上型薄膜磁気ヘッドのABS部の研磨加工の結
果について述べたが、浮上型薄膜磁気ヘッドのABS部
の研磨加工に限定されるものではなく、金属材料を磁気
コアとして構成した積層型磁気ヘッドのギャップ形成面
の研磨加工、垂直磁気記録用単極磁気ヘッドまたは磁気
抵抗効果型のMRヘッドの媒体摺接面の研磨加工及び硬
度の異なる複数の材料から構成される面の研磨加工に適
用することができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明の複合材料の
研磨方法によれば、研磨定盤の研磨に使用される面上に
配置した研磨されるべき面が少なくとも2種類の材料か
ら構成された複合材料に対して、回転駆動される前記研
磨定盤と砥粒とを用いる複合材料の研磨方法において、
前記研磨定盤の研磨に使用される面の表面に前記研磨定
盤の回転駆動軸に対して同心円状もしくはスパイラル状
に配置される溝を形成し、前記研磨定盤の研磨に使用さ
れる面の表面に前記砥粒を埋込んでおき、前記複合材料
の研磨時に、この複合材料の研磨されるべき面に潤滑液
を供給することにより、複合材料の研磨において、固定
砥粒による塑性流動的引っ掻きによる除去機構による研
磨加工をできるようし、それにより、段差量Sの小さい
即ち平坦な、かつ表面粗さの小さい即ち平滑な研磨面を
形成できる複合材料の研磨方法を提供することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合材料の研磨方法の一実施例を説明
するための研磨装置の上面図である。
【図2】本発明の複合材料の研磨方法の一実施例を説明
するための研磨装置の部分断面図である。
【図3】図2のA部で示される、本発明の複合材料の研
磨方法の一実施例を説明するための研磨装置を構成する
研磨定盤の部分拡大断面図である。
【図4】図3のB部で示される、本発明の複合材料の研
磨方法の一実施例を説明するための研磨装置を構成する
研磨定盤のV溝部の部分拡大斜視図である。
【図5】図4のC部で示される、本発明の複合材料の研
磨方法の一実施例を説明するための研磨装置を構成する
研磨定盤のV溝部の部分拡大断面図である。
【図6】本発明の複合材料の研磨方法の一実施例と従来
の複合材料の研磨方法の一例とを説明するための被研磨
材料である磁気ディスク用磁気ヘッドスライダの斜視図
である。
【図7】図6のD部で示される、本発明の複合材料の研
磨方法の一実施例と従来の複合材料の研磨方法の一例と
を説明するための被研磨材料である磁気ディスク用磁気
ヘッドスライダの部分拡大斜視図である。
【図8】図7のE部で示される、本発明の複合材料の研
磨方法の一実施例と従来の複合材料の研磨方法の一例と
を説明するための被研磨材料である磁気ディスク用磁気
ヘッドスライダの部分拡大斜視図である。
【図9】図8のF−F´断面を示し、本発明の複合材料
の研磨方法の一実施例と従来の複合材料の研磨方法の一
例とを説明するための被研磨材料である磁気ディスク用
磁気ヘッドスライダの部分拡大断面図である。
【図10】本発明の複合材料の研磨方法の一実施例にお
いて、被研磨材料に発生する段差量の研磨圧力依存性を
示すグラフ図である。
【図11】本発明の複合材料の研磨方法の一実施例と従
来の複合材料の研磨方法の一例とにおいて、被研磨材料
に発生する段差量の研磨時間依存性を示すグラフ図であ
る。
【図12】本発明の複合材料の研磨方法において、研磨
定盤のV溝のピッチを変えた時の被研磨材料の研磨量の
研磨時間依存性を示すグラフ図である。
【図13】従来の複合材料の研磨方法の一例を説明する
ための研磨装置の上面図である。
【図14】従来の複合材料の研磨方法の一例を説明する
ための研磨装置の部分断面図である。
【符号の説明】
2 研磨定盤 6 潤滑液 13 砥粒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研磨定盤の研磨に使用される面上に配置
    した研磨されるべき面が少なくとも2種類の材料から構
    成された複合材料に対して、回転駆動される前記研磨定
    盤と砥粒とを用いる複合材料の研磨方法において、前記
    研磨定盤の研磨に使用される面の表面に前記研磨定盤の
    回転駆動軸に対して同心円状もしくはスパイラル状に配
    置される溝を形成し、前記研磨定盤の研磨に使用される
    面の表面に前記砥粒を埋込んでおき、前記複合材料の研
    磨時に、この複合材料の研磨されるべき面に潤滑液を供
    給することを特徴とする複合材料の研磨方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合材料の研磨方法に
    使用する研磨定盤であって、この研磨定盤の材質をS
    n、Cu,Pb又はそれらの少なくとも一つを含む合金
    とし、前記研磨定盤の研磨に使用される面の表面に前記
    研磨定盤の回転駆動軸に対して同心円状もしくはスパイ
    ラル状に配置される溝を形成したことを特徴とする研磨
    定盤。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の研磨定盤において、こ
    の研磨定盤の研磨に使用される面の表面にダイヤモンド
    砥粒、Al2 3 砥粒、SiO2 砥粒、MgO砥粒、C
    2 3 砥粒、CeO2 砥粒又はSiC砥粒を埋め込ん
    だことを特徴とする研磨定盤組立体。
JP4352999A 1992-12-11 1992-12-11 複合材料の研磨方法及び研磨定盤 Pending JPH06179155A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4100106C1 (ja) * 1991-01-04 1992-05-27 Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart, De

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