JPH0617693U - 折り畳み式物干し台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物干し台の安定性を高め、枠体上部に掛け渡
した物干し竿に干すものよりも大型のものを干すことが
できるようにする。 【構成】 側枠２及び背面枠３を屏風状に折り畳み可能
に接続し、その脚用パイプ３ａの下端部に対して安定脚
６を水平方向に回動可能に、かつ、物干し台１を平面形
状コ字形に展開した場合において背面側に展開可能にし
て取り付け、さらに、脚用パイプ２ｄの上端部に対し
て、背面側上方に張り出し可能な竿受けパイプ７ｃを備
えた延長パイプ７ａを水平方向に回動可能に接続した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、折り畳み式物干し台に関し、詳しくは、パイプなどにより組み立て られてなる物干し台であって、適宜、展開して使用され、不使用時には折り畳ん で収納することのできる折り畳み式物干し台（以下、単に物干し台ともいう）に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の物干し台２０は、例えば、図９及び図１０に示すように、パイプ等を 略矩形に接続して枠体２１とし、これを複数、相互に隣合わせてヒンジ構造で接 続し、使用時には平面形状コ字形に展開し、その上部の竿受け２２に物干し竿２ ３を掛け渡すこと等で構成される。そして、使用後には、竿２３を取り外し、枠 体２１を屏風状に折り畳んで適所に収納するのである。

【０００３】 つまり、この物干し台２０は折り畳み可能なので、室内やベランダ等でもスペ ースにあわせて展開できるし、手軽に移動することもできる上、収納スペースが 小さくて済むため、集合住宅のようにスペースが比較的制限されたところで使用 する場合に重宝されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、物干し台２１自体は自在に展開できるとはいえ、実際には使用時に倒 れないようにバランスを確保した展開状態でしか使用できなかった。例えば、複 数の枠体２１（本例では４枚）を屏風状に接続した物干し台２０の場合、一般的 には平面形状コ字形（図１０参照）に展開して使用されており、それ以外の展開 状態（図１１に例示する平面形状Ｗ字形の展開状態等）ではバランスが崩れるの で使用できなかった。

【０００５】 また、図９及び図１０に示すように、脚用パイプ２４に対して同パイプ２４の 軸線の回りに回転可能なハンガー掛け２５を設けた場合、ハンガー掛け２５を展 開し得る範囲は、せいぜい物干し台２１の斜め側方までであって（図１０Ａ、な お、同図左右を側方、下側を背面側とする）、物干し台２１から背面側に突出さ せて（同図Ｂ）使用することはできなかった。

【０００６】 そこで、スペースの都合等から、バランスを崩すような展開状態としたときに は、物干し台２１の下部に錘を載せたりする必要があり、煩わしく、室内で使用 する場合にはその美観を損ねていた。

【０００７】 また、従来の物干し台２０では、物干し竿２３の位置が低く（枠体２１の上部 、通常、衣類等を干すのに適した高さ）、シーツのように大型のものは二、三重 に折って干さなければならなかった。これに対し、シーツ等は乾燥を速めるため 広げたまま干したいとの要請があったが、平面形状コ字形に展開するタイプの物 干し台２０ではこの要請に応え得るものはなかった。何故ならば、従来の構成で は、物干し竿を、高く、かつ、他の干し物と干渉しない位置（すなわち、枠体２ １から離れた高い位置）に配置することは、バランス上難しかったからである。

【０００８】 本考案は、従来の物干し台の持つこうした問題点に鑑みて案出されたものであ って、高い安定性を備え、干し物や使用場所のスペース等に応じて枠体の展開状 態を任意に設定できる物干し台を提供することを目的とする。 さらに、枠体よりも高い位置に物干し竿を備え、枠体上部に掛け渡した物干し 竿に干すものよりも大型のものを干せる安定性の高い物干し台を提供することを 目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案では、複数の枠体が接続されて折り畳み可能 に構成されてなる物干し台において、その枠体に対して、枠体とは別に、物干し 台の安定を保持するための安定保持部材を、その先端部の下端面が前記枠体の下 端面とほぼ同一レベルとして水平方向に回動可能にして取り付けたことを特徴と する。

【００１０】 また、複数の枠体が屏風状に接続されて折り畳み可能に構成されてなる物干し 台において、その枠体に対して、枠体とは別に、物干し台の安定を保持するため の安定保持部材を、その先端部の下端面が前記枠体の下端面とほぼ同一レベルと して水平方向に回動可能に、かつ、枠体を平面形状コ字形に展開した場合におい て背面側に展開可能にして取り付け、さらに、枠体に対して、枠体の背面側上方 に張り出し可能な竿受け部を備えた略逆Ｌ字形の竿受け部材を水平方向に回動可 能に設けたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】

上記のように構成された本考案に係る物干し台では、枠体を任意の状態に展開 できるとともに、安定保持部材を回動操作して枠体の展開状態に応じた使用位置 に展開することができる。このとき安定保持部材の先端部の下端面が枠体の下端 面と同一面に接地し、物干し台の安定を保持する。 また、収納時には、安定保持部材を収納位置に回動操作し、枠体とともに折り 畳んで収納することができる。

【００１２】 さらに、竿受け部材を設けた物干し台では、平面形状コ字形に展開した場合、 竿受け部材を回動操作して竿受け部を枠体の背面側上方に張り出させ、竿受け部 に竿を掛け渡すと、その竿には枠体上部に掛け渡した物干し竿に干すものより大 型のものを干すことができる。その際、安定保持部材を回動操作して背面側に展 開すると、安定保持部材が物干し台の安定を保持し、物干し台が背面側へ倒れる ことがない。 また、収納時には、竿受け部材及び安定保持部材をそれぞれ回動操作し、枠体 とともに折り畳むことができる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案に係る物干し台を具体化した一実施例について、図１ないし図６ を参照して詳細に説明する。なお、本明細書中、物干し台を平面形状コ字形に展 開した場合、図１において、右奥を正面側、また、左手前を背面側とする。 本例の物干し台１は、アルミ製のパイプを次に詳述するよう種々の継手を介し て構成されてなるものであって、図１，４，５においては平面形状コ字形に展開 されている。

【００１４】 物干し台１の両側には、Ｔ字継手によりパイプを接続してなる一対の枠体とし ての側枠２，２が配置され、その上部のパイプ２ａには竿受け２ｂが設けられて いる。また、背面には、Ｔ字継手及び９０度エルボによりパイプを接続してなる 一対の枠体としての背面枠３，３が配置され、両背面枠３，３は上下２つの接続 部材４により接続されている。 なお、接続部材４は、左右２つの貫通孔を有する略直方体に構成され、同貫通 孔に背面枠３，３中央側の脚用パイプ３ａ，３ａがそれぞれ回転可能に挿通され ている。さらに、各両接続部材４の中央の孔には、両接続部材４，４間に配置さ れる支持パイプ５の各端部がそれぞれ圧入により固着され、両接続部材４，４の 上下間隔及び姿勢を規制している。

【００１５】 側枠２，２及び背面枠３，３は、Ｔ字継手２ｃを介して互いに脚用パイプ２ｄ の軸線の回りに回転可能に接続されている。ただし、その接続は、背面枠３，３ の上下の各パイプ３ｂ，３ｃの端部にＴ字継手２ｃを圧入により固着し、そのＴ 字継手２ｃの上下のストレート貫通部に脚用パイプ２ｄを遊嵌状に挿通させてい る。

【００１６】 一方の背面枠３の中央側の脚用パイプ３ａの下端部には、Ｔ字継手３ｄを介し て安定保持部材としての安定脚６が、脚用パイプ３ａの軸線の回りに水平方向に 回動可能に枢着されている。安定脚６の先端部には屈曲部６ａが設けられ、その 下端面６ｂは側枠２，２及び背面枠３，３の下端面２ｅ，３ｅと同一レベルに設 定され、同一面に接地するようになっている。また、図２に示すように、安定脚 ６の長さは背面枠３の下側のパイプ３ｃより若干短くされ、収納時には背面枠３ の下部のパイプ３ｃに沿って収納されるようになっている。

【００１７】 両側枠２，２の背面側上部に位置するＴ字継手２ｆには、延長パイプ７ａがそ の軸線の回りに回動可能に接続されている。ただし、その接続は図３に示すよう に、Ｔ字継手２ｆの長辺側の一端部に設けられた取り付け孔２ｇに延長パイプ７ ａを回動可能に挿入し、同孔内に貫通する留めねじ２ｈでその回動を規制するよ うになっている。延長パイプ７ａの上端には９０度エルボ７ｂを介して竿受け部 としての竿受けパイプ７ｃが接続されている。これら延長パイプ７ａ及び竿受け パイプ７ｃによって略逆Ｌ字状の竿受け部材７が構成され、延長パイプ７ａの回 動操作によって竿受けパイプ７ｃが水平方向に回動して背面枠３，３の背面側上 方に張り出すようになっている。なお、７ｄは竿受けであり、また、物干し竿８ は二重のパイプによって構成され、伸縮可能になっている。

【００１８】 次に、本例の物干し台１の作用効果について説明する。 使用時には、図１及び４に示すように、まず側枠２，２及び背面枠３，３を平 面形状コ字形に展開し、安定脚６を背面側に展開する。このとき、安定脚６は各 枠２，３とは別部材なので、その展開角度は各枠２，３の展開状態によって規制 されることなく任意に設定でき、一方、各枠２，３の展開状態が安定脚６の展開 角度によって規制されることもない。次に、両側枠２，２の竿受け２ｂに物干し 竿９を掛け渡し、同竿９に衣類等の干し物を掛ける。また、延長パイプ７ａを回 動操作して竿受けパイプ７ｃを背面側上方に張り出させて留めねじ２ｈを締め、 両パイプ７ｃ，７ｃ間に物干し竿８を掛け渡す。

【００１９】 この物干し竿８には、側枠２，２上部に掛け渡した物干し竿９に干した衣類等 よりも大型のシーツ等を広げたまま干すことができ、シーツ等の乾燥を速めるこ とができる。しかも、このシーツ等は背面枠３，３の背面側に位置するので、正 面側に掛けた衣類等と干渉し合うこともなく、同時に多数のものを干すことがで きる。また、シーツ等を干すと重心が高くなるとともに背面側に偏るので物干し 台１は倒れやすくなるが、本例では安定脚６によって安定が保持されるので倒れ ることはない。 さらに、背面側の脚用パイプ２ｄに対してハンガー掛け１０を同パイプ２ｄの 軸線の回りに回動可能に取り付けてもよく、ハンガー掛け１０は物干し台１の転 倒を心配することなく任意の角度に展開して使用することができる。

【００２０】 また、図５に示すように、上下の物干し竿９，１０のうち一方のみを使用する 場合には、竿受けパイプ７ｃを正面側に向けて使用する。この場合、必ずしも安 定脚６を使用する必要はないが、もし使用すれば重量物を干した場合等の物干し 台１の安定を保持し、その転倒を防止することができる。

【００２１】 収納時には、側枠２，２及び背面枠３，３を順に屏風状に折り畳んで収納する 。この際、竿受けパイプ７ｃは正面側に向けて側枠２，２等とともに折り畳んで もよいし、延長パイプ７ａとともに取り外してもよい。また、安定脚６は背面枠 ３，３の下側のパイプ３ｃに沿うように折り畳む（図２参照）。従って、収納ス ペースが小さくて済み、集合住宅のように比較的スペースが制限された場所でも 使用することができる。しかも、折り畳み作業は容易なので、家庭の主婦等の使 用にも適している。

【００２２】 本考案は、さらに以下のように実施することも可能である。 上記例の物干し台１は、平面形状コ字形に展開して使用するだけでなく、図６ に示すように平面形状Ｗ字形に展開して使用することもできる。安定脚６を物干 し台１から離れる方向に展開すれば物干し台１の安定を保持でき、その転倒を心 配することなく使用することができる。

【００２３】 図７に示すように、安定脚６を１本だけでなく複数設ければ、物干し台１の安 定性をさらに高めることができる。 あるいは、安定脚を二重のパイプから構成して伸縮可能とすれば、枠体の展開 状態や使用場所のスペース等に応じて安定脚の長さを調節することができる。

【００２４】 延長パイプ７ａ及び脚用パイプ２ｄを一体とする。あるいは、延長パイプ７ａ 及び竿受けパイプ７ｃを一体とすることも可能である。 さらに、延長パイプ７ａを脚用パイプ２ｄ内にスライド式に内挿し、軸線方向 に伸縮可能とすれば、使用時には適切な高さに調節できるとともに、不使用時の 収納性を向上させることができる。

【００２５】 屏風状に構成された物干し台に対してだけでなく、図８に示すように扇状に構 成された物干し台１１に対して安定脚６を設けることもできる。この場合も物干 し台１１の安定性の向上を図ることができる。

【００２６】

【考案の効果】

以上詳説したように、本考案に係る物干し台は、高い安定性を備え、干し物や 使用場所のスペース等に応じて枠体の展開状態を任意に設定できる。しかも、安 定保持部材は枠体とは別の構成なので、両者の展開状態が互いに規制されること もない。 さらに、高い位置に物干し竿を備え、枠体上部に掛け渡した物干し竿に干すも のよりも大型のものを干すことができ、その際にも物干し台の安定を保持して転 倒することなく使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る物干し台の一実施例を示す斜視図
である。

【図２】同実施例において、収納時の安定脚の状態を示
す部分拡大図である。

【図３】同実施例において、延長パイプの接続状態を示
す拡大断面図である。

【図４】同実施例において、竿受けパイプ及び安定脚を
背面側に展開した状態を示す側面図である。

【図５】同実施例において、竿受けパイプを正面側に展
開した状態を示す側面図である。

【図６】同実施例の物干し台を平面形状Ｗ字形に展開し
た状態を示す概略平面図である。

【図７】他の実施例において、安定脚を複数設けた状態
を示す概略平面図である。

【図８】さらに他の実施例において、扇形に展開する物
干し台に安定脚を設けた状態を示す概略平面図である。

【図９】従来の物干し台の側面図である。

【図１０】従来の物干し台を平面形状コ字形に展開した
状態を示す概略平面図である。

【図１１】従来の物干し台を平面形状Ｗ字形に展開した
状態を示す概略平面図である。

【符号の説明】

１ 物干し台 ２ 側枠（枠体） ３ 背面枠（枠体） ６ 安定脚（安定保持部材） ７ 竿受け部材 ７ｃ 竿受けパイプ（竿受け部）

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の枠体が接続されて折り畳み可能に
   構成されてなる物干し台において、その枠体に対して、
   枠体とは別に、物干し台の安定を保持するための安定保
   持部材を、その先端部の下端面が前記枠体の下端面とほ
   ぼ同一レベルとして水平方向に回動可能にして取り付け
   たことを特徴とする折り畳み式物干し台。
2. 【請求項２】 複数の枠体が屏風状に接続されて折り畳
   み可能に構成されてなる物干し台において、その枠体に
   対して、枠体とは別に、物干し台の安定を保持するため
   の安定保持部材を、その先端部の下端面が前記枠体の下
   端面とほぼ同一レベルとして水平方向に回動可能に、か
   つ、枠体を平面形状コ字形に展開した場合において背面
   側に展開可能にして取り付け、さらに、枠体に対して、
   枠体の背面側上方に張り出し可能な竿受け部を備えた略
   逆Ｌ字形の竿受け部材を水平方向に回動可能に設けたこ
   とを特徴とする折り畳み式物干し台。