JPH06176810A - 端子台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 端子台にあって、左右の接続座に配設された
導電板への電線接続を、導電板相互が電気的に切断され
た状態で行ない得るようにすると共に、接続時を除い
て、前記接続座を外部から遮蔽し得る構成を提供するこ
と。 【構成】 主杆部４１の下端に接離板４３を備え、かつ
該主杆部４１の両側面から、可撓性舌片４４，４４を垂
設してなる操作ノブ４０を、接続座５，５上に形成した
操作口２０，２０の案内溝３１，３１に可撓性舌片４
４，４４を摺動可能に挿入し、かつ接離板４３を接続座
５，５に設けた導電板対６，６の隣接縁８，８上に差渡
し状に対置し、該操作ノブ４０の押込み状態で、前記可
撓性舌片４４，４４により操作口２０，２０が遮蔽され
ると共に、接離板４３が前記導電板６，６対の隣接縁
８，８に差渡し状に接触するようにした。また、操作ノ
ブ４０の引張操作により、操作口２０，２０の開放と、
導電板６，６相互の電気的切断が同時的に施されるよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電線の末端処理として
各電線間の接続を施す端子台に関し、詳しくは各接続座
の接離機能を備えた端子台の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は簡易構造からなるこの種の端子台
の一例を示し、ポリカーボネイト等絶縁性樹脂材によっ
て形成された基板ａの一面から突出する底板ｂ、該底板
ｂの両端から上方に延びる支持部ｃ，ｃ、左右部を分離
する隔壁ｄ等の肉厚部を一体的に突成し、前記支持部
ｃ，ｃの上端に隔壁ｄを横断して導電板ｅを左右方向に
乗載し、前記隔壁ｄによって区分けされた導電板ｅ上の
左右部を接続座ｆ，ｆとしている。前記接続座ｆ，ｆに
は導電板ｅの挿通孔を跨いで導線５０，５０の先端に固
定した環形等の形状をした圧着端子５１，５１を夫々載
置し、固着用ボルトｇを螺着して該圧着端子５１を固定
している。そしてこれにより端子台の左右の接続座ｆ，
ｆにおいて固着用ボルトｇによって固着された導線５
０，５０相互を該導電板ｅを介して電気的に接続してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる構成にあって、
前記端子台は前後に多数連結され、その端子台列上に各
基板ａの上縁に嵌着して保護カバーｈが付装される。こ
の保護カバーｈは、導電板ｅを遮蔽して、電気的事故を
防止するようにしている。

【０００４】ところで、係る構成にあっては、圧着端子
ｍの接続作業の際には、保護カバーｈを除去しなければ
らず面倒であった。また保護カバーの付け忘れによる短
絡事故も起こりかねないものであつた。

【０００５】さらには、前記端子板に接続作業を行なう
際には、通常、主装置で電流を遮断してから施すが、不
注意で主装置の電流遮断をせずに行なう場合があり、強
電流の場合には感電事故につながる。

【０００６】このように、保護カバーｈの装着による接
続座の保護手段にあっては、電気的事故を充分に防ぐこ
とができない不完全なものといえる。

【０００７】本発明は、かかる従来構成の問題点を除去
し得る構成を備えた端子台を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁性樹脂材
によって形成された基板に、夫々導電板が配設された左
右の接続座を設け、各接続座の上部に操作口を形成し
て、該操作口の周囲に左右方向の案内溝を形成すると共
に、前記各接続座に配設された両導電板の間に上方へ開
放された昇降路を設け、さらに主杆部の下端に接離板を
備え、かつ該主杆部の両側面から、可撓性舌片を垂設し
てなる操作ノブを、前記可撓性舌片を内側から、前記操
作口の案内溝に摺動可能に挿入し、かつ主杆部を前記昇
降路内に昇降可能に挿通して、接離板を前記導電板対の
隣接縁上に差渡し状に対置し、該操作ノブの押込み状態
で、前記可撓性舌片により操作口が遮蔽されると共に、
接離板が前記導電板対の隣接縁に差渡し状に接触して両
導電板対を電気的に接続するようにしたことを特徴とす
るものである。

【０００９】

【作用】接続座の中間部に配設された操作ノブを上方へ
引張すると、主杆部の上昇に伴って、可撓性舌片が操作
口の案内溝を摺動して内側へ移動し、前記操作口を開放
する。そしてこの時、主杆部の下端に保持した接離板が
上昇して、前記導電板対は電気的に切断された状態とな
る。そしてこの状態で、前記操作口を利用して、各接続
座の導電板に電線の接続作業を行なう。次に操作ノブを
下方へ押込むと、前記接離板は両導電板の隣接縁に差し
渡し状に接触して、両導電板は電気的に接続された状態
となると共に、前記操作口は可撓性舌片により遮断さ
れ、該接続座が保護されることとなる。すなわち、この
構成にあっては、操作口の開放と、導電板対の電気的分
離とが同期して行なわれ、配線作業中では、導電板相互
は無負荷の状態となり、該接続作業の安全性が確保され
る。

【００１０】

【実施例】添付図面について本発明の一実施例を説明す
る。図１は、本発明の一実施例の端子台１を示し、ポリ
カーボネイト等絶縁性樹脂材によって形成された基板２
の一面に、左右部を分離する隔壁３，３、底板４等の肉
厚部を一体的に形成すると共に、その底板４の両端から
上方に延びる左右の乗載部１０，１０の上端に導電板
６，６を乗載し、導電板６，６上を接続座５，５として
いる。前記導電板６，６は、その内端を上方へ直角に屈
曲させて、隣接縁８，８とし、該隣接縁８，８に咬着溝
９を形成している（図３参照）。また該導電板６，６の
主板面には雌螺子７が形成される。

【００１１】前記乗載部１０，１０は、左右の隔壁板１
１，１２の上端縁によって構成され、該隔壁板１１，１
２間に作動空隙１３を形成している。また該作動空隙１
３には、発条１４と、コ字形昇降片１５の下端部が装着
され、該発条１４の付勢力を昇降片１５の下辺部に作用
させて、該昇降片１５を上方付勢している。また昇降片
１５はその上辺部に形成した透孔に端子螺子１８を挿通
して支持している。該端子螺子１８は、雌螺子７と上下
で一致する。

【００１２】また隔壁３，３及び左右の隔壁板１２，１
２間には上方へ開放する昇降路１９が形成されている。

【００１３】一方、前記導電板６，６上には上方へ開放
する操作口２０，２０が設けられている。この操作口２
０，２０は周部の肉厚部に囲繞されて形成される。すな
わち、前記隔壁３，３の上方には中心に昇降路１９の上
部を構成する上下の摺動孔２５が形成された嘴状立上部
２４が形成され、かつ操作口２０，２０の側傍に肉厚縁
部２７が形成され、該嘴状立上部２４の基端部と肉厚縁
部２７で操作口２０，２０を囲繞している。

【００１４】また、前記隔壁３，３の上端と嘴状立上部
２４の基端部間には上方へ拡口する作動間隙２８を形成
し、かつ操作口２０，２０の側傍位置の基板２に摺動溝
２９を形成し、前記肉厚縁部２７の内側に支持溝３０を
形成している。そして前記操作口２０，２０の周縁で作
動間隙２８，摺動溝２９，支持溝３０を左右方向に連続
させて、これにより案内溝を形成している。

【００１５】また前記乗載部１０，１０と肉厚縁部２
７，２７間に側方へ開放される接続口３２，３２が形成
され、前記接続座５，５での電線５０，５０の電気的接
続を可能としている。

【００１６】さらには前記嘴状立上部２４の摺動孔２５
の上端部には節度用係止溝２６が形成されている。また
前記嘴状立上部２４の両側面には記名板３３，３３が嵌
着する上下の係止溝面３６，３６が形成されている。こ
の記名板３３，３３により、接続座５，５の電気的役割
等が示される。

【００１７】前記昇降路１９には、合成樹脂材料からな
る操作ノブ４０が装着される。この操作ノブ４０は上端
に操作部４２が形成された主杆部４１を主体として形成
され、前記主杆部４１の下端には左右方向へ貫通させて
導電性金属材料からなる接離板４３が保持されている。
また前記主杆部４１の両側からは、可撓性舌片４４，４
４が垂設される。可撓性舌片４４，４４の先端には、支
持溝３０に嵌着する節度隆部４５が形成されている。さ
らには前記主杆部４１の両側面に前記係止溝２６に嵌着
して、操作ノブ４０を開放位置と遮蔽位置とに夫々係止
する節度突起４６，４７が形成されている。

【００１８】前記操作ノブ４０は、支持溝３０に主杆部
４１を嵌装し、かつ案内溝３１，３１に可撓性舌片４
４，４４を摺動可能に装着して、前記操作部４２を嘴状
立上部２４から突出させている。そして前記接離板４３
を導電板６，６の隣接縁８，８の咬着溝９と上下で差し
渡し状に対設している。

【００１９】かかる構成にあって、その作動を説明す
る。前記操作部４２を引張して、図２で示すように操作
ノブ４０を上昇位置とすると、下部の節度突起４７が係
止溝２６に嵌着して、開放位置に保持されると共に、前
記可撓性舌片４４，４４が案内溝３１，３１を摺動して
操作口２０，２０が開放され、さらに前記接離板４３が
隣接縁８，８上に位置して、導電板６，６対相互が電気
的に切断される。そして、前記操作口２０，２０からド
ライバーを操作して端子螺子１８を雌螺子７から外す
と、発条１４の付勢力により、昇降片１５が上昇し、導
電板６，６と乗載部１０，１０との間に挿入間隙を生じ
る。然る後に、前記接続口３２，３２から電線５０の先
端に固着された環状又はフォーク状等の圧着端子５１を
挿通し、再びドライバーを操作口２０，２０から挿入し
て、前記発条１４に抗して昇降片１５を押し下げ、端子
螺子１８を導電板６，６の雌螺子７に螺合して、圧着端
子５１を導電板６，６及び昇降片１５の上辺部１６間で
挟持して電気的接続を施す。

【００２０】かかる作業を、両接続座５，５で行なって
から、前記操作ノブ４０の操作部４２を押し下げ、遮蔽
位置とする。これにより、前記可撓性舌片４４，４４が
案内溝３１，３１を摺動し、さらに節度突起４６が摺動
孔２５の係止溝２６に嵌着した位置で、可撓性舌片４
４，４４の節度突起４６が支持溝３０に嵌着した位置に
保持され、さらには、主杆部４１下端の接離板４３が導
電板６，６の隣接縁８，８に形成した咬着溝９に嵌入
し、而して、各接続座５，５の両導電板６，６が前記接
離板４３を介して電気的に接続されることとなる。

【００２１】そしてかかる状態では、操作口２０，２０
は、可撓性舌片４４，４４により遮断され、接続座５，
５は外部から遮蔽されて、人的感電事故や、螺子等が操
作口２０，２０から内部に落下して種々の電気的短絡が
生ずることが、防止される。

【００２２】このように、操作ノブ４０の押込み状態で
は、前記可撓性舌片４４，４４により操作口２０，２０
が遮蔽されると共に、接離板４３が前記導電板６，６対
の隣接縁８，８に差渡し状に接触して、電気的接続が確
保される。また、操作ノブ４０の引張操作により、操作
口２０，２０の開放と、導電板６，６相互の電気的切断
が同時的に施されることとなる。

【００２３】尚、かかる構成の端子台１は前後方向に複
数接続され、端子台１を構成することとなる。

【００２４】

【発明の効果】上述したように本発明は、主杆部４１の
下端に接離板４３を備え、かつ該主杆部４１の両側面か
ら、可撓性舌片４４，４４を垂設してなる操作ノブ４０
を、接続座５，５上に形成した操作口２０，２０の案内
溝３１，３１に可撓性舌片４４，４４を摺動可能に挿入
し、かつ接離板４３を接続座５，５に設けた導電板対
６，６の隣接縁８，８上に差渡し状に対置し、該操作ノ
ブ４０の押込み状態で、前記可撓性舌片４４，４４によ
り操作口２０，２０が遮蔽されると共に、接離板４３が
前記導電板６，６対の隣接縁８，８に差渡し状に接触す
るようにした。また、操作ノブ４０の引張操作により、
操作口２０，２０の開放と、導電板６，６相互の電気的
切断が同時的に施されるようにした。このため、電線５
０の接続作業時には、必ず、左右の導電板６，６相互の
電気的分離がなされているから、不注意による電気的事
故をなくすることができ、さらには、操作ノブ４０の押
込み操作により、接離板４３によって導電板６，６が簡
易に接続され、かつこの状態では、操作口２０，２０が
可撓性舌片４４，４４により確実に遮断され、操作口２
０，２０から、螺子等の落下による副次的事故も防止さ
れ、さらには該操作口２０，２０の開閉作業は操作ノブ
４０の昇降のみで簡易に行ない得る等の優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 操作ノブ４０の遮蔽位置を示す本発明の一実
施例の端子台１の正面図である。

【図２】 操作ノブ４０の開放位置を示す本発明の一実
施例の端子台１の正面図である。

【図３】 操作ノブ４０と導電板６，６の斜視図であ
る。

【図４】 従来構成の端子台を示す正面図である

【符号の説明】

１ 端子台 ２ 基板 ５，５ 接続座 ６，６ 導電板 ８，８ 隣接縁 １５ 昇降片 １８ 端子螺子 １９ 昇降路 ２０，２０ 操作口 ３１，３１ 案内溝 ４０ 操作ノブ ４１ 主杆部 ４３ 接離板 ４４，４４ 可撓性舌片 ４６ 節度突起 ５０ 電線 ５１ 圧着端子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】絶縁性樹脂材によって形成された基板に、
   夫々導電板が配設された左右の接続座を設け、各接続座
   の上部に操作口を形成して、該操作口の周囲に左右方向
   の案内溝を形成すると共に、 前記各接続座に配設された両導電板の間に上方へ開放さ
   れた昇降路を設け、 さらに主杆部の下端に接離板を備え、かつ該主杆部の両
   側面から、可撓性舌片を垂設してなる操作ノブを、前記
   可撓性舌片を内側から、前記操作口の案内溝に摺動可能
   に挿入し、かつ主杆部を前記昇降路内に昇降可能に挿通
   して、接離板を前記導電板対の隣接縁上に差渡し状に対
   置し、該操作ノブの押込み状態で、前記可撓性舌片によ
   り操作口が遮蔽されると共に、接離板が前記導電板対の
   隣接縁に差渡し状に接触して両導電板対を電気的に接続
   するようにしたことを特徴とする端子台。