JPH06173852A - 揺動斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

揺動斜板式可変容量圧縮機

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JPH06173852A
JPH06173852A JP4332048A JP33204892A JPH06173852A JP H06173852 A JPH06173852 A JP H06173852A JP 4332048 A JP4332048 A JP 4332048A JP 33204892 A JP33204892 A JP 33204892A JP H06173852 A JPH06173852 A JP H06173852A
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pressure
chamber
passage
valve body
discharge
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Masaki Ota
太田  雅樹
Michiko Takeda
美千子 竹田
Yasunori Makino
泰憲 牧野
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Toyota Industries Corp
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低吐出圧領域における蒸発器の凍結防止を確
実に行い、圧力制御弁の構成を簡素化する。 【構成】 吐出室4bとクランク室2aを給気通路20
により連通し、クランク室2aと吸入室4aとを抽気通
路21により連通する。前記抽気通路21には吸入室4
aの圧力Psを感知する第1感圧室35の圧力変動によ
り動作されるダイヤフラム28に連動して抽気通路21
の開度を調整する第1弁体25を設ける。前記給気通路
20の途中には吐出圧力Pdを感知する第2感圧室38
の圧力変動により往復動作される作動ロッド37を設
け、該作動ロッド37の往復動作を前記第1弁体25に
伝達可能とする。前記作動ロッド37には給気通路20
の一部となる連通路37aを設けるとともに、低冷房負
荷時に前記第2感圧室38内の吐出圧力Pdが設定値以
下になった場合に前記連通路37aを開放する第2弁体
36を設け、作動ロッド37をバネ40により開放方向
に付勢する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は主として車輌空調装置
の冷媒ガスの圧縮等に用いられる揺動斜板式可変容量圧
縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、揺動斜板が収容されたクランク室
内の圧力を調整して該揺動斜板の傾斜角を変化させるこ
とにより、吐出容量を可変するように構成した揺動斜板
式可変容量圧縮機として、例えば特開昭62−2947
81号公報に示すものがある。
【0003】この種の圧縮機におけるそのクランク室内
の圧力形成は、シリンダ内周面とピストン外周面との間
から漏れる圧力、即ちブローバイガス圧力により行われ
るため、クランク室内の圧力は低圧側である吸入圧力よ
りも高くなる。又、高負荷状態、即ち吸入圧力が所定設
定値以上になると、クランク室と吸入室との間の抽気通
路に介装された圧力制御弁が開弁して、クランク室内の
圧力(ブローバイガス)が吸入室内に流出する。このた
めクランク室内の圧力は低下し、これに伴って揺動斜板
の傾斜角が大きくなってピストンのストロークが大きく
なり吐出容量が増加する。一方、熱負荷が減少し(中負
荷状態)、吸入圧力が低下すると、該吸入圧力の低下に
伴って前記圧力制御弁の開弁度が小さくなり、これによ
りクランク室内の圧力が吸入室内に流出する量が減少す
る。このため、クランク室内の圧力が上昇し、これに伴
って揺動斜板の傾斜角が小さくなってピストンのストロ
ークが小さくなり吐出容量が減少する。このような動作
により吐出容量が変化するものである。
【0004】一方、低負荷状態になって熱負荷が低いに
もかかわらず一定の冷媒を流し続けると、低圧側である
吸入圧力が低下し過ぎて冷媒の蒸発温度が低下し、蒸発
器が凍結してしまう。
【0005】上記蒸発器の凍結を防止するため、特開昭
62−294781号公報においては、クランク室と吸
入室とを連通する抽気通路に介装した圧力制御弁を次の
ように構成している。即ち、この圧力制御弁は吸入圧力
に応じて伸縮する第1ベローズの一端に取り付けられ、
該吸入圧力が所定設定値以上のとき前記抽気通路を開放
し、かつ前記吸入圧力が所定設定値以下のとき前記抽気
通路を閉塞する弁体を備えている。又、この圧力制御弁
は前記第1ベローズの他端に取り付けられた第1可動体
と、該第1可動体と前記弁体との間に介装され、かつ前
記弁体を閉弁側に押圧する第1バネとを備えている。
又、この圧力制御弁は吐出圧力に応じて伸縮する第2ベ
ローズの一端に取り付けられ、かつ吐出圧力を受ける受
圧部を有するとともに、前記第1可動体に接離する第2
可動体と、前記第2ベローズの他端に取り付けられたバ
ネ座とを備えている。さらに、この圧力制御弁は前記バ
ネ座と前記第2可動体との間に介装され、かつ吐出圧力
が所定設定値以下のとき該吐出圧力に抗して前記第2可
動体、第1可動体、第1バネ及び第1ベローズを介して
前記弁体を閉弁側に押圧する第2バネを備えている。
【0006】従って、上記可変容量圧縮機においては、
吐出圧力が所定設定値以下に下がって蒸発器が凍結域に
なった場合、第2バネにより、弁体が閉弁方向に対して
より強く押圧されてその閉弁圧が高まることにより、ク
ランク室内の圧力は高められて、揺動斜板の傾斜角度は
より小さくなって吐出容量が減少し、蒸発器を通る冷媒
量が減少するので、該蒸発器の凍結が防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
可変容量圧縮機においては、圧力制御弁が、第1ベロー
ズ、第2ベローズ、第1可動体、第2可動体、第1バネ
及び第2バネ等により構成されていたので、弁構造が非
常に複雑になり製造、及び組み付け作業が面倒であると
いう問題があった。
【0008】ところで、一般に冷房システムでは、圧縮
機の吸入側と蒸発器の出口側とは吸入配管等で連結され
ており、従って、吸入配管等において流体の圧力損失が
生じる。この圧力損失は流量が多い場合(高流量時)約
0.5Kg/cm2 程度と大きくなる。一方、低流量時
には圧力損失は0.1Kg/cm2 以下となる。そし
て、圧縮機の吸入圧力を一定値、例えば2Kg/cm2
Gに設定しても蒸発器出口圧力は冷房負荷に応じて2〜
2.5Kg/cm2 Gに変化する。従って、高冷房負荷
時に冷媒ガスの流量が増大し、吸入配管での圧力損失が
増大するので、蒸発器の圧力上昇が生じて冷房能力が不
足し、冷房フィーリングを低下するという問題があっ
た。
【0009】上記問題を解決するため、従来、特開平1
−142276号公報に示す可変容量圧縮機が提案され
ている。上記圧縮機においてはクランク室と吸入室とを
連通する抽気通路と、前記クランク室と吸入室との前記
抽気通路を介した連通を制御する制御装置を備えてい
る。この制御装置は、吸入室の圧力又はクランク室の圧
力を検知して前記抽気通路を開閉する開閉弁を備えてい
る。さらに、前記吐出室の圧力によって生じた荷重を前
記開閉弁に与えて前記開閉弁の開閉作動点を移動させる
作動点制御手段とを有するものである。さらに、前記作
動点制御手段は吐出室に連通する弁シリンダと、該弁シ
リンダ内に摺動自在に挿入されたアクチュエーティング
ロッドとを有し、該ロッドによって開閉弁に吐出室の圧
力によって生じた荷重を伝達するようになっている。
【0010】上記従来の圧縮機によれば吸入室又はクラ
ンク室の圧力の変動に応じてこれらの間の抽気通路が開
閉弁によって開閉される。開閉弁の作動点は作動点制御
手段によって吐出圧力に応じて変異する。この結果、ク
ランク室の圧力の調整は吐出室の圧力に応じても行わ
れ、前述した吸入配管での圧力損失を解消し、適正な冷
房を行うことが可能となる。
【0011】ところが、上記従来の圧縮機の容量制御
は、低吐出圧時にはブローバイガスが少なく、クランク
室圧力が上昇しにくい。その結果吸入圧力が上昇せず、
前述した蒸発器の凍結防止を行うことができないという
問題があった。又、吐出室から絞りを介してクランク室
に常時ガスを洩らす手段も公知ではあるが、逆に高吐出
時に漏れが多く、能力が低下する問題があった。
【0012】仮に、前述した二つの従来例の容量制御装
置をそれぞれ組み込むとすれば、低冷房負荷状態での蒸
発器の凍結防止と、高冷房負荷状態での吸入配管の圧力
損失を補償して適正な冷房を行うことが可能となるが、
構造が極めて複雑となり、製造及び組み付けがさらに面
倒になる。
【0013】この発明の目的は上記従来技術に存する問
題点を解消して、吐出圧力が高くなった場合に吸入圧力
を低下して蒸発器から圧縮機に至る吸入配管の圧力損失
を補償して蒸発器の圧力をほぼ一定に保持することがで
きるとともに、低吐出圧領域における蒸発器の凍結防止
を確実に行うことができ、さらに圧力制御弁の構成を簡
素化して、製造及び組み付けを容易に行うことができる
揺動斜板式可変容量圧縮機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、揺動斜板式可変容量圧縮機において、前記
吐出室とクランク室を給気通路により連通するととも
に、クランク室と吸入室とを抽気通路により連通し、前
記抽気通路には吸入室の圧力を感知する第1感圧室の圧
力変動により動作される感圧部材に連動して該抽気通路
の開度を調整する第1弁体を設け、前記給気通路の途中
には吐出圧力を感知する第2感圧室の圧力変動により往
復動作される作動ロッドを設け、該作動ロッドを前記第
1弁体に対して押圧可能に作動連結し、さらに前記作動
ロッドには給気通路の一部となる連通路を設けるととも
に、低冷房負荷時に前記第2感圧室内の吐出圧力が所定
設定値以下になった場合に前記連通路を開放する第2弁
体を設けるという手段をとっている。
【0015】
【作用】この発明は冷房負荷が低下して第1感圧室に作
用する吸入室の圧力が低下すると、感圧部材により第1
弁体が抽気通路の弁開度を減少する方向に移動される。
このためクランク室から吸入室へ供給される冷媒ガスの
流量が減少して、クランク室圧力がシリンダボア内作動
室からクランク室へブローバイされるガスにより増大さ
れ、クランク室圧力と吸入圧力との差圧が増大して揺動
斜板の傾斜角が減少してピストンのストロークが減少
し、吐出容量が低減される。反対に、冷房負荷が増大す
ると、上述の作用と逆に抽気通路の第1弁体の開度が増
大され、このためクランク室から吸入室へ供給される冷
媒ガスの流量が増大して、前記差圧が増大して揺動斜板
の傾斜角が増大してピストンのストロークが増大し、吐
出容量が増大される。
【0016】又、冷房負荷が増大して吐出室の圧力が増
大する比例して、第2感圧室の圧力が増大して作動ロッ
ドが前記第1弁体を開弁方向に押動するので、前記第1
弁体は、抽気通路をより開放する方向に押動される。こ
のため、クランク室から抽気通路を通して吸入室へ供給
される冷媒ガスが増大され、前記差圧が減少して揺動斜
板の傾斜角が増大されてピストンのストロークが増大さ
れ、吐出冷媒ガス量が増大される。従って、冷房負荷が
増大するほど吸入圧力が低下し、蒸発器から圧縮機に至
る吸入配管での圧力損失が補償され、蒸発器の蒸発圧力
はほぼ一定に保持され、冷房能力が確保される。
【0017】一方、冷房負荷が低下して、吐出圧力が所
定設定値以下になった場合には、作動ロッドに設けた第
2弁体がバネの付勢力により解放されて吐出室からクラ
ンク室へ冷媒ガスが供給され、このためクランク室と吸
入室の差圧が増大し、揺動斜板の傾斜角が減少して吐出
冷媒ガスが減少し、低負荷状態での蒸発器の凍結が防止
される。
【0018】この発明は第1弁体と連動する作動ロッド
に吐出室からクランク室へ至る給気通路となる連通路を
形成し、該作動ロッドに蒸発器の凍結を防止する第2弁
体を設けたことにより、圧力制御弁の構成を簡素化する
ことができる。
【0019】又、この発明は第2弁体を付勢するバネの
付勢力を調整することにより、第2弁体の開閉時期の調
整を容易に行うことができる。
【0020】
【実施例】以下、この発明を具体化した第1実施例を図
1〜図5に基づいて説明する。図3に示すようにシリン
ダブロック1の前端部にはフロントハウジング2が接合
固定され、後端面にはバルブプレート3を介して吸入室
4a及び吐出室4bを形成するリヤハウジング4が接合
固定されている。前記バルブプレート3には吸入室4a
からシリンダブロック1に形成したシリンダボア1a内
作動室Rに冷媒ガスを吸入し得る吸入弁機構5が設けら
れ、前記作動室Rで圧縮された冷媒ガスを吐出室4bに
吐出し得る吐出弁機構6が設けられている。
【0021】前記シリンダブロック1及びフロントハウ
ジング2の中心部には回転軸7がラジアルベアリング8
により支持されている。この回転軸7の中間部にはラグ
プレート9が嵌合固定され、その外周にはヒンジ機構を
構成する支持アーム10が一体に突出形成されている。
又、該アーム10に形成した長孔10aには同じくヒン
ジ機構を構成する連結ピン11を介して揺動斜板として
の回転斜板12が前後方向の揺動可能に、かつ回転軸7
と同期回転可能に支持されている。この回転斜板12の
ボス部12aには揺動板13が相対回転可能に、かつシ
リンダブロック1及びフロントハウジング2に固定した
回転防止ロッド14により定位置において前後方向への
傾動のみ可能に支持されている。
【0022】前記回転軸7上にはスライダー15が軸線
方向の往復動可能に支持され、該スライダー15は連結
ピン16により前記回転斜板12のボス部12aに連結
されている。前記スライダー15は回転軸7上に装設し
たバネ17により常には揺動板13及び回転斜板12を
傾斜角が最大となる位置に付勢されている。前記揺動板
13は前記シリンダボア1a内に収容した複数のピスト
ン18とピストンロッド19を介してそれぞれ連節され
ている。
【0023】従って、エンジンの動力により回転軸7が
回転されてラグプレート9、連結ピン11及び回転斜板
12が一体となって回転されると、揺動板13が非回転
状態で前後方向に揺動され、ピストンロッド19を介し
てピストン18がシリンダボア1a内で往復動される。
このため吸入室4aから作動室Rに吸入された冷媒ガス
が、該作動室R内で圧縮された後、吐出室4bへ吐出さ
れる。この圧縮時にはピストン18の外周面からのブロ
ーバイガスによりクランク室2a内の圧力Pcが増大す
るが、これは次に述べる容量制御装置によって調整され
る。
【0024】そこで、この容量制御装置について説明す
ると、前記シリンダブロック1、バルブプレート3及び
リヤハウジング4には、図1,4に示すように前記吐出
室4bとクランク室2aを連通する給気通路20が形成
され、クランク室2aと吸入室4aを連通する抽気通路
21が形成されている。なお、作動室Rからピストン1
8外周の隙間を通してブローバイされるガスによっても
クランク室2aの圧力Pcは上昇する。前記給気通路2
0及び抽気通路21の途中には圧力制御弁22が介在さ
れている。
【0025】この圧力制御弁22について図1を中心に
説明すると、弁収納ケース23の内部には弁室24が形
成され、該弁室24内においてケース23に形成した弁
座23a、つまり抽気通路21を開閉する球状の第1弁
体25が収容されている。この第1弁体25はケース2
3の内壁に設けたストッパ26との間に介在したバネ2
7により前記抽気通路21を解放する方向に付勢されて
いる。又、前記第1弁体25の下方には感圧部材として
のダイヤフラム28が収納ケース29により取着され、
ダイヤフラム28と第1弁体25との間にはスペーサ3
0が介在されている。さらに、前記収納ケース29の下
部にはバネ収納ケース31が取り付けられ、その内部に
収容したバネ32はバネ受け33,34によって前記ダ
イヤフラム28を上方、つまり第1弁体25を閉路する
方向に付勢している。前記ダイヤフラム28の上側には
第1感圧室35が形成され、該感圧室35には第1弁体
25下流側の抽気通路21を通して作用する吸入圧力P
sを感知する。そして、該吸入圧力Psが高い場合には
第1弁体25が開放方向に、圧力Psが低い場合には第
1弁体25が閉鎖方向に作動される。
【0026】又、前記弁収納ケース23の上部には挿通
孔23bが形成され、該挿通孔23bには給気通路20
を開閉する第2弁体36を一体に形成した作動ロッド3
7が上下方向の往復摺動可能に挿通支持されている。こ
の作動ロッド37には給気通路20の一部となる連通路
37aが形成されている。該連通路37aの上端は前記
第2弁体36の絞りを有する弁孔36aを通してケース
23の上部に形成された第2感圧室38に連通されてい
る。又、前記連通路37aの下部は前記挿通孔23b下
方の給気通路20又は抽気通路21の一部となるバネ収
容室23cと連通されている。又、前記ケース23の上
端部には前記第2感圧室38を区画形成するキャップ3
9が嵌合され、該キャップ39に透設した通路39aに
より第2感圧室38は、第2弁体36上流側の給気通路
20を通して吐出室4bと連通されている。前記ストッ
パ26と作動ロッド37の外周に設けたフランジ部37
bとの間には第2弁体36を開放方向に付勢するための
バネ40が介在されている。そして、第2感圧室38内
の吐出圧力Pdが所定設定値以下になった場合に、前記
バネ40により作動ロッド37が最上端に移動保持さ
れ、前記弁孔36a及び前記連通路37aにより第2感
圧室38とバネ収容室23cが連通され、吐出室4bか
ら給気通路20を通してクランク室2aに冷媒ガスを供
給するようにしている。反対に、前記第2感圧室38に
作用する吐出室4bの圧力Pdが設定圧力以上になって
バネ40の付勢力に抗して作動ロッド37が下方に移動
されると、第2弁体36の弁孔36aが挿通孔23bの
上部内周壁によって閉鎖されて給気通路20が閉鎖され
るとともに、作動ロッド37の下端面37cが前記第1
弁体25の上面に当接して、第2感圧室38の吐出圧力
Pdの変動を該作動ロッド37を介して第1弁体25に
作用させ、抽気通路21の弁開度を調整するようにして
いる。
【0027】次に、前記のように構成した揺動板式可変
容量圧縮機について、その作用を説明する。圧縮機の停
止状態においては、吐出室4b内の圧力Pd、クランク
室2a内の圧力Pc、及び吸入室4a内の圧力Psがほ
ぼ同圧力となっている。このため、図1に示すように圧
力制御弁22の第1弁体25はバネ32の付勢力により
弁座23aに当接して抽気通路21を閉鎖するととも
に、作動ロッド37がバネ40により上方に持ち上げら
れ、第2弁体36の弁孔36aが給気通路20を解放す
る位置に保持されている。
【0028】車室内の温度が高く冷房負荷が高い状態
で、エンジンにより図3に示す圧縮機の回転軸7が回転
されると、ラグプレート9及び連結ピン11を介して回
転斜板12が回転され、これにより揺動板13が前後方
向に揺動され、この揺動運動によりロッド19を介して
ピストン18がシリンダボア1a内で往復動される。こ
のため、吸入室4aからシリンダボア1a内作動室Rに
冷媒ガスが吸入され、圧縮されたガスは吐出室4bに吐
出される。そして、吐出室4b内の圧力Pdが上昇し、
この圧力Pdが給気通路20を通して第2感圧室38に
作用する。この圧力Pdが所定設定値以上になると作動
ロッド37がバネ40の付勢力に抗して下方への押圧力
を受け、該作動ロッド37は図1において下方、つまり
第2弁体36の弁孔36aを閉鎖して、給気通路20を
閉鎖する方向へ移動される。そして図2に示すように作
動ロッド37の下端面37cが第1弁体25の上面に接
触し、該第1弁体25は吐出圧力Pdの変動の影響を受
けつつ、第1感圧室35の吸入圧力Ps及びバネ27,
32の付勢力、バネ収容室23c内のクランク室圧力P
cのバランスする位置への弁開度制御が次のようにして
行われる。
【0029】圧縮機が起動されて暫くの間は、シリンダ
ボア1a内作動室Rからピストン18の外周面とボア内
周面との隙間を通してクランク室2aにブローバイされ
る冷媒ガスによりクランク室2a内の圧力Pcが上昇す
る。このクランク室圧力Pcは車室内の冷房負荷が大き
くて、吸入圧力Psが高い場合には、第1感圧室35の
圧力Psも高いので、第1弁体25が抽気通路21を開
放する方向に移動され、第1弁体25が図2に示すよう
に開放され抽気通路21が解放されれたままとなる。こ
のため、クランク室2aから吸入室4aに前述したブロ
ーバイ分に相当する冷媒ガスが環流し、クランク室圧力
Pcの上昇が抑制される。従って、ピストン18の背面
及び作動面に作用するクランク室圧力Pcと吸入圧力P
sとの差圧ΔPcsが変化することはなく、圧縮機は大
容量状態で運転される。
【0030】そして、圧縮機の運転が継続され、車室内
の冷房負荷が低下し、吸入圧力Psが低下すると、第1
感圧室35がそれを感知して図2においてダイヤフラム
28が上方に変位されるので、第1弁体25が抽気通路
21を閉鎖する方向に押圧され、クランク室2aから吸
入室4aへの冷媒ガスの排出量が抑制される。このた
め、ピストン18の背面に作用するクランク室圧力Pc
がブローバイガスにより増大して、前記差圧ΔPcsが
増大し、揺動板13の傾斜角が減少し、吐出容量が冷房
負荷の低減に応じて減少される。
【0031】ところで、前記第1弁体25は第2感圧室
38及び作動ロッド37により吐出圧力Pdの影響を受
ける。この吐出圧力Pdが図5において増大するに伴っ
て、第2感圧室38の圧力が増大すると、図2において
作動ロッド37が第1弁体25を開放する方向により強
く押圧されることになる。このため、クランク室2aか
ら吸入室4aへの冷媒ガスの排出量が増大して、前記差
圧ΔPcsが減少する傾向となり、揺動板13の傾斜角
が増大して、吐出容量が漸増される。従って、吐出圧力
Pdの上昇に伴って吸入圧力Psが低下するので、蒸発
器から圧縮機に吸入される配管内の冷媒ガスの圧力損失
が吐出圧力Pdの上昇に伴って増大しても蒸発器の蒸発
圧力Peは前記圧力損失を補償して、ほぼ一定に保持さ
れ、このため高負荷時の冷房能力が確保される。
【0032】一方、車室内の冷房負荷が低下して、圧縮
機が小容量域で運転されている場合には、吐出圧力Pd
も低下する。この圧力Pdが所定設定値以下になると、
第2感圧室38の圧力も低下し、作動ロッド37がバネ
40により第1弁体25から離隔し、該弁体25は第1
感圧室35内の圧力Psの低下により抽気通路21を閉
鎖する位置に移動される。又、作動ロッド37に設けた
第2弁体36の弁孔36aが図1に示すように給気通路
20を開放する位置に変位する。このため吐出室4bか
ら給気通路20を通して冷媒ガスがクランク室2aに供
給され、クランク室2a内の圧力Pcがさらに上昇し、
揺動板13の傾斜角が減少して、吐出容量が低下する。
この結果、蒸発器の蒸発圧力が低下し、蒸発器の凍結が
防止される。
【0033】さて、この発明の第1実施例においては、
第1弁体25に吐出圧力Pdの影響を付与する作動ロッ
ド37に対し、蒸発器の凍結を防止するための第2弁体
36を一体に形成したので、弁構造を簡素化して製造及
び組み付けを容易に行い、制御弁のコストダウンを図る
ことができる。
【0034】又、吐出圧力Pdが所定設定値以下になっ
た場合の第2弁体36の開閉作動点の調整をバネ40の
付勢力の変更により容易に行うことができる。次に、こ
の発明の第2実施例を図6に基づいて説明する。
【0035】この第2実施例においては、第1弁体41
の上部に連通路42aを有する円筒状の作動ロッド42
を一体に形成し、該ロッド42の上端部には給気通路2
0となる連通路42aを開閉するための第2弁体43を
支持している。又、この第2弁体43はバネ44により
連通路42a、つまり給気通路20を開放する方向に付
勢されている。前記第2弁体43はバネ44の付勢力に
より前記挿通孔23bの上部に設けた通路45aを有す
るストッパ45の下面に当接される。
【0036】従って、この第2実施例においては吐出圧
力Pdが所定値以上の状態においては、第2弁体43が
連通路42a、つまり給気通路20を閉鎖した状態で、
吐出圧力Pdの圧力変動を作動ロッド42を介して第1
弁体41に伝達する。このため、吐出圧力Pdの上昇に
比例して吸入圧力Psが低下し、蒸発器の圧力Peをほ
ぼ一定に保持して第1実施例と同様の容量制御特性を得
ることができる。
【0037】又、冷房負荷が低下した状態で吐出圧力P
dが所定設定値以下になった場合には、第2弁体43が
バネ44の付勢力により作動ロッド42の上端面から離
隔するので、給気通路20が解放されて吐出室4bから
クランク室2aに冷媒ガスが供給される。このため、揺
動板13の傾斜角が減少してピストン18のストローク
が減少し圧縮機の吐出容量が低減され、蒸発器の凍結が
防止される。
【0038】この第2実施例においても、第1弁体41
の上部に作動ロッド42を形成し、該作動ロッド42の
上端部に第2弁体43をバネ44により支持するように
したので、圧力制御弁の構成を簡素化することができ
る。又、この第2実施例は、吐出圧力Pdが所定設定値
以下になったときの第2弁体43の給気通路20の開閉
作動点の設定をバネ44の付勢力の調整により容易に行
うことができる。
【0039】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、次のように具体化することもできる。 (1)図7に示すように、弁体25又は41に連結され
る作動ロッド46の外周面に給気通路20となる絞りを
有する連通溝46aを形成し、ケース23には同じく給
気通路20となる連通路47を形成する。そして、吐出
圧力Pdが所定設定値以下になって作動ロッド46が上
方へ移動されると、第2感圧室38と前記連通路47が
連通溝46aにより連通され、吐出室4bからクランク
室2aに冷媒ガスが供給されるようにしてもよい。
【0040】(2)前記ダイヤフラム28に代えてベロ
ーズ(図示略)を使用すること。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は吐出圧
力が高くなった場合に吸入圧力を低下して蒸発器から圧
縮機に至る吸入配管の圧力損失を補償して蒸発器の圧力
をほぼ一定に保持することができるとともに、低吐出圧
領域における蒸発器の凍結防止を確実に行うことがで
き、さらに圧力制御弁の構成を簡素化して、製造及び組
み付けを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した揺動板式可変容量圧縮機
の圧力制御弁を示す停止状態の縦断面図である。
【図2】圧力制御弁の作動状態を示す縦断面図である。
【図3】可変容量圧縮機の断面図である。
【図4】吐出室、クランク室及び吸入室と圧力制御弁の
関係を示す回路図である。
【図5】吐出圧力と吸入圧力との関係を示すグラフであ
る。
【図6】この発明の別の実施例を示す圧力制御弁の縦断
面図である。
【図7】この発明の別の実施例を示す圧力制御弁の部分
縦断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック、2 フロントハウジング、2a
クランク室、4 リヤハウジング、4a 吸入室、4
b 吐出室、7 回転軸、9 ラグプレート、10 ヒ
ンジ機構を構成する支持アーム、11 ヒンジ機構を構
成する連結ピン、12 揺動斜板としての回転斜板、1
3 揺動板、18 ピストン、20 給気通路、21
抽気通路、22 圧力制御弁、23 弁収納ケース、2
3a 弁座、25,41 第1弁体、27,32,44
バネ、28 感圧部材としてのダイヤフラム、35
第1感圧室、36,43 第2弁体、36a 弁孔、3
7,42,46 作動ロッド、37a,42a,47
連通路、46a 連通溝、38 第2感圧室。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入室と吐出室及びクランク室とを備
    え、回転軸に対してピストンを往復動させるための揺動
    斜板をヒンジ機構により傾動可能に装着し、クランク室
    圧力と吸入圧力との差圧に応じて前記揺動斜板の傾斜角
    が変化して、ピストンのストロークが変化し、吐出容量
    を制御するようにした揺動斜板式可変容量圧縮機におい
    て、 前記吐出室とクランク室を給気通路により連通するとと
    もに、クランク室と吸入室とを抽気通路により連通し、
    前記抽気通路には吸入室の圧力を感知する第1感圧室の
    圧力変動により動作される感圧部材に連動して該抽気通
    路の開度を調整する第1弁体を設け、前記給気通路の途
    中には吐出圧力を感知する第2感圧室の圧力変動により
    往復動作される作動ロッドを設け、該作動ロッドを前記
    第1弁体に対して押圧可能に作動連結し、さらに前記作
    動ロッドには給気通路の一部となる連通路を設けるとと
    もに、低冷房負荷時に前記第2感圧室内の吐出圧力が所
    定設定値以下になった場合に前記連通路を開放する第2
    弁体を設けた揺動斜板式可変容量圧縮機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6105380A (en) * 1998-04-16 2000-08-22 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Refrigerating system and method of operating the same
US6260369B1 (en) 1998-04-16 2001-07-17 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Flow control valve for a variable displacement refrigerant compressor
US6746214B2 (en) * 2001-03-01 2004-06-08 Pacific Industrial Co., Ltd. Control valve for compressors and manufacturing method thereof
KR100517823B1 (ko) * 2002-02-28 2005-09-30 태평양공업 주식회사 가역용량형 압축기의 제어밸브 및 그 제조방법

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