JPH06172768A - 塑性加工用磁性体潤滑剤 - Google Patents
塑性加工用磁性体潤滑剤Info
- Publication number
- JPH06172768A JPH06172768A JP32530992A JP32530992A JPH06172768A JP H06172768 A JPH06172768 A JP H06172768A JP 32530992 A JP32530992 A JP 32530992A JP 32530992 A JP32530992 A JP 32530992A JP H06172768 A JPH06172768 A JP H06172768A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lubricant
- plastic working
- magnetic powder
- workpiece
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は塑性加工用潤滑剤に関するものであ
り、その目的とするところは、作業環境を害することな
く、容易に潤滑皮膜処理ができることを可能にすること
である。 【構成】 直径が０．５〜５０μｍの多孔質状の磁粉体
をリンん酸塩浴及びステアリン酸からなる潤滑剤の中に
随時浸し、多孔質状磁粉体の表面あるいは内部に化学反
応からできた金属石鹸を付着あるいは含浸させることに
より製作した。この塑性加工用潤滑剤中に磁化した被加
工物を入れることにより、潤滑剤を被加工物表面に均一
に付着させることができ、作業環境を害することなく、
容易に潤滑皮膜処理を可能した。
り、その目的とするところは、作業環境を害することな
く、容易に潤滑皮膜処理ができることを可能にすること
である。 【構成】 直径が０．５〜５０μｍの多孔質状の磁粉体
をリンん酸塩浴及びステアリン酸からなる潤滑剤の中に
随時浸し、多孔質状磁粉体の表面あるいは内部に化学反
応からできた金属石鹸を付着あるいは含浸させることに
より製作した。この塑性加工用潤滑剤中に磁化した被加
工物を入れることにより、潤滑剤を被加工物表面に均一
に付着させることができ、作業環境を害することなく、
容易に潤滑皮膜処理を可能した。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は例えば冷鍛塑性加工に供
される被加工物の表面に形成させる塑性加工用磁性体潤
滑剤に関するものである。
される被加工物の表面に形成させる塑性加工用磁性体潤
滑剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】金属材料特に鉄鋼材料の塑性加工に用い
る潤滑剤には、リン酸塩とステアリン酸等を化学反応さ
せてできた金属石鹸被膜が多く使用されている。かかる
潤滑剤を被加工物の表面に皮膜処理するには、メッキ処
理と同じように前処理工程に硫酸・塩酸等の薬品を使用
する。このため作業環境が悪く、処理後の薬品の廃液処
理を完全に行い無公害化する必要があることから廃液処
理設備を設けなければならない。これらの問題を解決す
べく容易に皮膜処理できる潤滑剤の開発が強く望まれて
いる。
る潤滑剤には、リン酸塩とステアリン酸等を化学反応さ
せてできた金属石鹸被膜が多く使用されている。かかる
潤滑剤を被加工物の表面に皮膜処理するには、メッキ処
理と同じように前処理工程に硫酸・塩酸等の薬品を使用
する。このため作業環境が悪く、処理後の薬品の廃液処
理を完全に行い無公害化する必要があることから廃液処
理設備を設けなければならない。これらの問題を解決す
べく容易に皮膜処理できる潤滑剤の開発が強く望まれて
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】冷鍛塑性加工用潤滑剤
として多く利用されているリン酸塩と金属石鹸被膜は、
上記の如く、前処理工程に利用する薬品による作業環境
の問題、また被加工物に被膜を形成させる場合数段階に
及ぶ処理工程がなされるため、多くの作業時間と多大の
設備を要する等の問題があった。本発明の目的は、作業
環境を害することなく、容易に皮膜処理ができる塑性加
工用潤滑剤を提供することである。
として多く利用されているリン酸塩と金属石鹸被膜は、
上記の如く、前処理工程に利用する薬品による作業環境
の問題、また被加工物に被膜を形成させる場合数段階に
及ぶ処理工程がなされるため、多くの作業時間と多大の
設備を要する等の問題があった。本発明の目的は、作業
環境を害することなく、容易に皮膜処理ができる塑性加
工用潤滑剤を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる従来の欠
点を解消すべくなされたもので、これを解決する手段と
して被加工物を磁化すれば磁粉体は被加工物の表面に容
易に付着することに着目した。すなわち、磁粉の表面に
潤滑剤を塗布あるいは含浸した磁性体潤滑剤の中に磁化
した被加工物を入れば、従来と同じよう潤滑皮膜処理が
でき、潤滑剤として十分な性能が得られる。また、磁粉
と潤滑剤との密着性が少ないと、加工中に潤滑剤が磁粉
から剥離し、金型と被加工物の焼き付き等の原因とな
る。そこで磁粉と潤滑剤との密着性を高めるためには表
面積の大きい多孔質状の磁粉体を用いれば良いことに着
目し、直径が０．５〜５０μｍの多孔質状の磁粉体の表
面または内部に潤滑剤を付着または含浸させる等の工夫
をしたものである。前記潤滑剤としては従来のリン酸塩
とステアリン酸塩を化学反応させた金属石鹸を利用す
る。従来のように、被加工物に金属石鹸皮膜を形成させ
る場合は、付着性を増すために前処理工程にアルカリ脱
脂、酸洗い等を必要とした。しかし、多孔質状の磁粉体
に金属石鹸皮膜を形成させる場合は、毛細管現象により
リン酸塩が磁粉体の孔の中に侵入していく。その部分に
ステアリン酸が浸透していき、金属石鹸皮膜が良好に磁
粉体の表面あるいは内部に、付着あるいは含浸すること
になる。
点を解消すべくなされたもので、これを解決する手段と
して被加工物を磁化すれば磁粉体は被加工物の表面に容
易に付着することに着目した。すなわち、磁粉の表面に
潤滑剤を塗布あるいは含浸した磁性体潤滑剤の中に磁化
した被加工物を入れば、従来と同じよう潤滑皮膜処理が
でき、潤滑剤として十分な性能が得られる。また、磁粉
と潤滑剤との密着性が少ないと、加工中に潤滑剤が磁粉
から剥離し、金型と被加工物の焼き付き等の原因とな
る。そこで磁粉と潤滑剤との密着性を高めるためには表
面積の大きい多孔質状の磁粉体を用いれば良いことに着
目し、直径が０．５〜５０μｍの多孔質状の磁粉体の表
面または内部に潤滑剤を付着または含浸させる等の工夫
をしたものである。前記潤滑剤としては従来のリン酸塩
とステアリン酸塩を化学反応させた金属石鹸を利用す
る。従来のように、被加工物に金属石鹸皮膜を形成させ
る場合は、付着性を増すために前処理工程にアルカリ脱
脂、酸洗い等を必要とした。しかし、多孔質状の磁粉体
に金属石鹸皮膜を形成させる場合は、毛細管現象により
リン酸塩が磁粉体の孔の中に侵入していく。その部分に
ステアリン酸が浸透していき、金属石鹸皮膜が良好に磁
粉体の表面あるいは内部に、付着あるいは含浸すること
になる。
【０００５】
【作用】本発明において被加工物を磁化させるのは磁性
体潤滑剤を被加工物の表面に付着させるためである。ま
た、磁性体に多孔質状の磁粉体を用いたのは密着性を高
めるためである。
体潤滑剤を被加工物の表面に付着させるためである。ま
た、磁性体に多孔質状の磁粉体を用いたのは密着性を高
めるためである。
【０００６】
【実施例】以下本発明を実施例図面を参照して説明す
る。本発明塑性加工用磁性体潤滑剤の製作は、図１に示
す如く、直径０．５〜５０μｍの多孔質状の磁粉体１を
リン酸塩浴及びステアリン酸からなる潤滑剤の中に随時
浸し、多孔質状磁粉体１の表面あるいは内部に化学反応
からできたリン酸塩皮膜２及び金属石鹸皮膜３を付着あ
るいは含浸させる。このようにしてできた塑性加工用磁
粉体潤滑剤を、図２に示すように被加工物４の表面に形
成させる。すなわち、被加工物４を磁化コイル５中を通
過させて磁化させる。次に磁化された被加工物４を塑性
加工用磁性体潤滑剤６の中に入れ、被加工物４の表面に
均一に潤滑剤を付着させる。
る。本発明塑性加工用磁性体潤滑剤の製作は、図１に示
す如く、直径０．５〜５０μｍの多孔質状の磁粉体１を
リン酸塩浴及びステアリン酸からなる潤滑剤の中に随時
浸し、多孔質状磁粉体１の表面あるいは内部に化学反応
からできたリン酸塩皮膜２及び金属石鹸皮膜３を付着あ
るいは含浸させる。このようにしてできた塑性加工用磁
粉体潤滑剤を、図２に示すように被加工物４の表面に形
成させる。すなわち、被加工物４を磁化コイル５中を通
過させて磁化させる。次に磁化された被加工物４を塑性
加工用磁性体潤滑剤６の中に入れ、被加工物４の表面に
均一に潤滑剤を付着させる。
【０００７】次に、この被加工物４を６００トンプレス
により常温で両端面自由拘束のリング圧縮鍛造試験を行
った。被加工物４はＪＩＳ規格ＳＮＣＭ４２０相当の材
料を使用し、φ１５（内径）×φ３０（外径）×４０ｍ
ｍのリング状に加工した。ここで、従来の被加工物４に
化学反応により皮膜を形成させた場合と、本発明の塑性
加工用磁粉体潤滑剤を使用した場合の摩擦係数を測定し
た結果を図３に示す。摩擦係数は「リング圧縮試験によ
る変形抵抗測定法」（日本機械学会論文集Ｃ編５５−５
１６（１９８９）８、２２１３）により求めた。その結
果、従来品と発明品ではほぼ変わらない摩擦係数となっ
ていることが分かる。
により常温で両端面自由拘束のリング圧縮鍛造試験を行
った。被加工物４はＪＩＳ規格ＳＮＣＭ４２０相当の材
料を使用し、φ１５（内径）×φ３０（外径）×４０ｍ
ｍのリング状に加工した。ここで、従来の被加工物４に
化学反応により皮膜を形成させた場合と、本発明の塑性
加工用磁粉体潤滑剤を使用した場合の摩擦係数を測定し
た結果を図３に示す。摩擦係数は「リング圧縮試験によ
る変形抵抗測定法」（日本機械学会論文集Ｃ編５５−５
１６（１９８９）８、２２１３）により求めた。その結
果、従来品と発明品ではほぼ変わらない摩擦係数となっ
ていることが分かる。
【０００８】次に実機による評価を行った。
【０００９】６００トンプレスにて電動工具のハンマ部
品の冷間鍛造を行い、焼き付性の有無、寸法精度、作業
性等の評価を行った。その結果図４に示すように従来の
化学反応による皮膜とほぼ同レベルの潤滑性能を発揮す
ることが分かり、更に従来より作業性が改善されたこと
が確認された。
品の冷間鍛造を行い、焼き付性の有無、寸法精度、作業
性等の評価を行った。その結果図４に示すように従来の
化学反応による皮膜とほぼ同レベルの潤滑性能を発揮す
ることが分かり、更に従来より作業性が改善されたこと
が確認された。
【００１０】
【発明の効果】本発明品を塑性加工用潤滑剤として使用
した結果、従来の被加工物に直接金属石鹸皮膜を形成さ
せた場合と同じように均一に、被加工物の表面あるいは
内部に付着あるいは含浸し、潤滑性能も従来とほぼ同等
であることが分かった。この結果、大がかりの設備が不
要になり、作業環境が改善され、更に作業時間が短縮さ
れる等の作用効果が得ることができた。
した結果、従来の被加工物に直接金属石鹸皮膜を形成さ
せた場合と同じように均一に、被加工物の表面あるいは
内部に付着あるいは含浸し、潤滑性能も従来とほぼ同等
であることが分かった。この結果、大がかりの設備が不
要になり、作業環境が改善され、更に作業時間が短縮さ
れる等の作用効果が得ることができた。
【図１】 本発明潤滑剤を示す断面図。
【図２】 潤滑剤を被加工物に被膜する工程を示す説明
図。
図。
【図３】 リング圧縮鍛造試験による摩擦係数測定結果
を示す表。
を示す表。
【図４】 実機による塑性加工評価試験結果を示す表。
１は磁粉体、２はリン酸塩皮膜、３は金属石鹸被膜、４
は被加工物、５は直流あるいは交流磁化コイル、６は磁
性体潤滑剤、７は脱磁コイルである。
は被加工物、５は直流あるいは交流磁化コイル、６は磁
性体潤滑剤、７は脱磁コイルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１０Ｎ 20:06 Ｚ 8217−4Ｈ 30:06 40:24 Ｚ 8217−4Ｈ
Claims (3)
- 【請求項１】 多孔質状の磁粉体の表面または内部に潤
滑剤を付着または含浸させたことを特徴とする塑性加工
用磁性体潤滑剤。 - 【請求項２】 前記潤滑剤を、リン酸塩と金属石鹸とし
たことを特徴とする請求項１記載の塑性加工用磁性体潤
滑剤。 - 【請求項３】 前記磁粉体の直径を０．５〜５０μｍと
したことを特徴とする請求項１記載の塑性加工用磁性体
潤滑剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32530992A JPH06172768A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 塑性加工用磁性体潤滑剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32530992A JPH06172768A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 塑性加工用磁性体潤滑剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06172768A true JPH06172768A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18175383
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32530992A Withdrawn JPH06172768A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | 塑性加工用磁性体潤滑剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06172768A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11869686B2 (en) | 2020-03-24 | 2024-01-09 | Tdk Corporation | Fluidizing particle and magnetic core |
-
1992
- 1992-12-04 JP JP32530992A patent/JPH06172768A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11869686B2 (en) | 2020-03-24 | 2024-01-09 | Tdk Corporation | Fluidizing particle and magnetic core |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US3568486A (en) | Preparation of metal for deforming operations | |
| KR101330987B1 (ko) | 비스무트 피막 부착 금속재료 및 그의 제조방법, 그것에 사용하는 표면처리액 및 양이온 전착도장 금속재료 및 그의 제조방법 | |
| CA1198655A (en) | Process for the cold forming of iron and steel | |
| JP5735363B2 (ja) | 燐酸塩皮膜冷間圧造用のステンレス鋼線及びそれを利用した直結ネジ | |
| US2798509A (en) | Metallized-galvanized electrical conduit and method of making same | |
| US20060286400A1 (en) | Substrate with alloy finish and method of making | |
| JPH0355204B2 (ja) | ||
| Khaleghi et al. | Characteristics of manganese phosphate coatings for wear-resistance applications | |
| JPH06172768A (ja) | 塑性加工用磁性体潤滑剤 | |
| JPS6099200A (ja) | 金属の潤滑処理方法 | |
| JP6231720B2 (ja) | 冷間圧造用塑性加工金属材料の非リン皮膜処理方法 | |
| SE517530C2 (sv) | Metod för elektrokemisk fosfatering av metallytor, särskilt rostfritt stål och användning av en vattenhaltig fosfateringslösning vid en sådan metod | |
| US3808057A (en) | Method of applying protective coatings to metal articles | |
| JP2000064057A (ja) | マグネシウム材またはマグネシウム合金材の表面処理方法 | |
| US5795661A (en) | Zinc coated steel sheet and strip having improved formability and surface quality and method thereof | |
| US2293779A (en) | Metal coating method and article produced thereby | |
| JP3133607B2 (ja) | プレス成形性に優れた電気、電子機器成形部品用樹脂被覆アルミニウム板 | |
| JP3155184B2 (ja) | 高炭素鋼線材の表面処理および伸線加工方法 | |
| JP3462632B2 (ja) | 金属材料の塑性加工用水系潤滑剤組成物及びその表面処理方法 | |
| Raghavan et al. | Sheet steel surface treatments for enhanced formability | |
| JP3267185B2 (ja) | 冷間引き抜き加工法 | |
| JP3816986B2 (ja) | 潤滑性に優れた複合皮膜被覆アルミニウム材またはアルミニウム合金材およびその製造方法 | |
| JPH08166338A (ja) | 表面処理鋼板の耐食性試験方法 | |
| RU2013163C1 (ru) | Способ вытяжки деталей из листового материала | |
| CN116164616B (zh) | 一种镜面拉深电机外壳的产品质量关键指标体系检测方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000307 |