JPH06172383A - ペプチド置換ポルフィリンの製造方法 - Google Patents

ペプチド置換ポルフィリンの製造方法

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JPH06172383A
JPH06172383A JP8538492A JP8538492A JPH06172383A JP H06172383 A JPH06172383 A JP H06172383A JP 8538492 A JP8538492 A JP 8538492A JP 8538492 A JP8538492 A JP 8538492A JP H06172383 A JPH06172383 A JP H06172383A
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JP
Japan
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group
cysteine
cys
ome
boc
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JP8538492A
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English (en)
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Takeshi Yamamura
剛士 山村
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ICHIKAWA GOSEI KAGAKU KK
Original Assignee
ICHIKAWA GOSEI KAGAKU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 システイン含有ペプチド置換ポルフィリン類
の製造方法において、簡便かつ好収率な方法を得る。 【構成】 式(1)で表されるヘマトポルフィリンと、
式(2)で表されるプロトポルフィリンと、これらの混
合物とからなる群より選ばれた物質を臭化水素酸−超強
酸溶液中でシステイン含有ペプチドと反応させることに
より、式(3)(ただし、式中Rはアミノ基の遊離した
システインを含有するペプチドである)で表されるペプ
チド置換ポルフィリン類を得る。 【化9】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体内の金属タンパク
質の活性中心を有する人工金属タンパク質を形成するこ
とのできる、システイン含有ペプチドで置換されたポル
フィリン類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体内に存在するチトクロム類はヘムタ
ンパク質であり、中心金属である鉄の価数の可逆反応に
より、生体内での電子伝達系の構成成分をなしている。
このうち、Cタイプチトクロムはポルフィリン骨格であ
るヘムとタンパク質の結合部分にCys−X−Y−Cy
s−His(XおよびYはアミノ酸残基、Cysはシス
テイン基、Hisはヒスチジン基を表す)のアミノ酸配
列が普遍的に存在し、システインの硫黄原子とメソポル
フィリンのメチレン側鎖のα炭素がチオエーテル結合を
介して連結していることが知られている(Z. R. Korzum
等、Proc. Natl.Sci. USA., 74, 5246 (1977). )。こ
のようなCタイプチトクロムの機能と性質を解明するた
めに様々な研究がなされており、これらの化合物の合成
研究は機能解明のために重要な意味を有している。現
在、チトクロム全体を合成することは困難であるが、活
性中心を合成し、この機能を解明することは可能である
と本発明者は考えた。
【0003】Cタイプチトクロムコアの合成は従来から
試みられてきた。しかしながら、ポルフィリンとシステ
イン含有ペプチドの硫黄原子のカップリングに関しては
好収率で簡便な方法は未だ見出されていない。これまで
Cタイプチトクロムコアの合成法として、ポルフィリノ
ーゲンをナトリウムアマルガムで処理した後、水素化ホ
ウ素ナトリウムと反応させ、ついで液体アンモニアで処
理し、ついでシステインあるいはシステイン含有ペプチ
ドと反応させる方法が知られている(Sano andGranick,
J. Biol. Chem., 236, 1173 (1961); Goff and Morga
n, Inorg. Chem., 15, 2062 (1976); Sano 等、Bioche
m. Biophis. Res. Commun., 15, 284 (1964). )。しか
しながら、これらの方法は、不安定なポルフィリノーゲ
ンを使用すること、多量のナトリウムアマルガムを使用
すること、ペプチドを大過剰に使用すること等の欠点を
有している。また、ポルフィリンとシステインのカップ
リングの例としては、 (i) 式(1)で示されるヘマトポルフィリンの臭素
置換、あるいは式(2)で示されるプロトポルフィリン
の臭化水素付加によって製造が可能な、式(5)で示さ
れる2α,4α−ジブロモメソポルフィリンを中間体と
し、ついで、システインを反応させる方法(Neilands a
nd Tuppy, Biochim. biophys. acta, 38,351 (196
0))、および
【0004】
【化2】
【0005】(ii) 式(1)で示されるヘマトポルフ
ィリンを臭化水素−酢酸中でシステインと反応させる方
法(Scourides 等、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 19
86, 1817)が知られている。このうち、(i)の方法は
高純度のジブロモポルフィリン(5)を得るのが困難で
あること、反応時間が長い、収率が低い等の問題があっ
た。
【0006】(ii)の方法は、比較的入手の容易なヘマ
トポルフィリンを原料として用い、簡便に高収率で所望
のシステイン置換ポルフィリンが得られるものであり、
優れた方法である。
【0007】以上のように、ポルフィリンへのシステイ
ンの導入については有効な方法が見出されてはいるもの
の、生体機能により近いと思われる、システイン含有ペ
プチドを連結したポルフィリンコアの満足できる製造方
法は、これまで知られていなかった。
【0008】また、ポルフィリンとシステイン含有ペプ
チドとのカップリングを用いず、天然型チトクロムCの
加水分解による、式(4)(式中、Mは鉄原子であり、
RはVal−Glu−Lys−Cys−Ala−Glu
−Cys−His−Thr−Val−Gluで示される
ペプチド1分子がそれぞれのシステイン基で架橋されて
いる。ただし、Valはバリン基、Gluはグルタミン
酸基、Lysはリジン基、Alaはアラニン基、His
はヒスチジン基、Thrはチロシン基を表す)で示され
るヘムウンデカペプチド(MP−11)の単離が報告され
ている(Mazumder等、Inorg. Chem., 30, 700 (199
1))。
【0009】
【化3】
【0010】しかしながら、天然物を原料とするこの方
法は、十分な物質量が得られない欠点があった。
【0011】このため、きわめて興味ある機能が期待さ
れるにもかかわらず、チトクロムCの研究は停滞せざる
を得なかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然型チト
クロムCの活性中心を有する人工金属タンパク質を形成
することのできるシステイン含有ペプチド置換ポルフィ
リン類を経済的かつ簡便に製造する方法を提供すること
を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の要望
を満たすシステイン含有ペプチド置換ポルフィリン類を
製造するにあたり、鋭意研究を進めた結果、本発明を完
成するに至った。すなわち、式(1)で示されるヘマト
ポルフィリン、あるいは式(2)で示されるプロトポル
フィリンあるいはそれらの混合物を臭化水素−超強酸溶
液中でシステイン含有ペプチドと反応させることによ
り、所望のシステイン含有ペプチド置換ポルフィリンを
簡便に、好収率で製造できることを見出した。以下に本
発明を詳細に説明する。
【0014】本発明者は、最初に前述のスクーライズ(S
courides) 等の方法(臭化水素−酢酸法)をシステイン
含有ペプチドとのカップリングに適用してみた。すなわ
ち、市販のヘマトポルフィリン(通常、式(1)で示さ
れるヘマトポルフィリンと式(2)で示されるプロトポ
ルフィリンの混合物である)をシステイン含有ペプチド
である、Boc−Cys−His−OMe(ただし、B
ocはタ−シャリブチルオキシカルボニル基、Cysは
システイン基、Hisはヒスチジン基、OMeはメトキ
シ基を表す)と共に30%臭化水素酢酸溶液中で処理した
が、反応は十分に進行しなかった(スキ−ム1)。
【0015】
【化4】
【0016】次に、前述のニーランズ(Neilands)とタピ
ー(Tuppy) の方法を参考にして、式(2)で示されるプ
ロトポルフィリンに30%臭化水素−酢酸溶液を反応させ
て式(5)で示される粗製の2α,4α−ジブロモメソ
ポルフィリンを合成し、これとBoc−Cys−His
−OMeの銀塩を反応させた。機器分析の結果、目的物
を含有しているものと推定されたが分離が困難であり、
単離はできなかった(スキ−ム2)。
【0017】
【化5】
【0018】本発明者は、スクーライズ等の方法で良好
な結果が得られなかったものの、より強いブロム化条件
および酸性条件を作り出すことにより反応が可能ではな
いかと考え、さらに研究を進めた。その結果、臭化水素
−超強酸条件下において、市販のヘマトポルフィリン
(ヘマトポルフィリンとプロトポルフィリンの混合物)
とBoc−Cys−His−OMeを反応させたとこ
ろ、反応は円滑に進行し目的とする、式(3)(式中、
RはCys−His−OMeを表す)で示されるPor
(Cys−His−OMe)2 を製造できた(スキ−ム
3)。
【0019】
【化6】
【0020】そして、この方法はBoc−Cys−Hi
s−OMe以外のシステイン含有ペプチドを用いた場合
にも有効であることが認められた。
【0021】超強酸としては、トリフルオロ酢酸等のト
リフルオロメチル基を有するカルボン酸、無水トリフル
オロ酢酸等のトリフルオロメチル基を有するカルボン酸
無水物、トリフルオロメチルスルホン酸等のトリフルオ
ロメチル基を有するスルホン酸が使用できる。トリフル
オロメチルスルホン酸は、特に好適である。これらの超
強酸中にガス状の臭化水素を溶解して用いるか、酢酸等
の極性溶媒に臭化水素を溶解させ、超強酸と組み合わせ
て使用してもよい。特に、30%臭化水素酢酸溶液:トリ
フルオロメタンスルホン酸=50:50(容積比)は良好な
結果を与える。反応は室温で進行し、スルフィド結合の
生成と同時にシステインのアミノ保護基であるBoc基
の脱保護が生じ、アミノ基が遊離する。本発明の製造方
法で得られた粗製物は、類縁物質の含有が少なく比較的
容易に精製できる。また、本法を用いることにより、シ
ステインそのものとポルフィリンのカップリングも可能
である。さらに、他のシステイン含有ペプチドとポルフ
ィリンとのカップリングによるチトクロムCタイプのポ
ルフィリン類の製造が可能である。
【0022】また、本発明者は、ペプチド置換ポルフィ
リンの原料であるシステイン含有ペプチドの1つである
Boc−Cys−His−OMeを製造する際に、先駆
体として有用である新規なペプチド塩、Boc−Cys
(SAg)−His−OMe(ただし、SAgはシステ
インのSH基が銀塩であることを示す)を見出した。こ
のペプチド塩に硫化水素を混合して硫化銀を形成し、こ
の硫化銀を除去することにより、Boc−Cys−Hi
s−OMeで表されるシステイン含有ペプチドを容易に
製造することができる。
【0023】本発明の製造法で製造されたシステイン含
有ペプチド置換ポルフィリンは、公知の方法(前出のMo
rganの文献)で金属を配位させることにより、式(4)
(式中、Mは鉄原子、Rはシステイン含有ペプチドを表
す)で示される金属錯体を生成させることが可能であ
る。例えば、式(3)(式中、Rはシステイン含有ペプ
チドを表す)で示される置換ポルフィリンを硫酸鉄(I
I)で処理した後、空気酸化し、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム塩(以下、EDTAと略す)で処理して
過剰の鉄−EDTAを除去することにより、式(4)で
示される、システイン含有ペプチド置換ポルフィリンの
鉄錯体が得られる。
【0024】
【化7】
【0025】本発明の方法で製造されたシステイン含有
ペプチドで置換されたポルフィリンは、種々の物性の測
定の結果、生体内に存在するチトクロムCおよびチトク
ロムCに最も近いモデルであるヘムウンデカペプチド
(MP−11)ときわめて類似した性質を示すことが見出
された。すなわち、本発明の製造方法によって得られた
ペプチド置換ポルフィリンの金属錯体は人工金属タンパ
クでありながら天然型チトクロムCと類似の酸化還元反
応を呈することから、人工補酵素、人工血液等の医薬、
酸化還元触媒、分子素子や超小型電池等への応用が可能
であり、先端技術としてきわめて有用性が高い。
【0026】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0027】試験例1 Boc−Cys(Acm)−H
is−OMeの合成 Boc−Cys(Acm)−OH 6.1382g(純度91.7
%、20.07mmol 、ただし、Bocはタ−シャリブチルオ
キシカルボニル基、Cysはシステイン基、Acmはア
セトアミドメチル基、OHはシステインのカルボキシ基
が遊離であることを表す)とH−His−OMe(純度
99.7%、20.08mmol 、ただし、Hはヒスチジンのアミノ
基が遊離であること、Hisはヒスチジン基、OMeは
メトキシ基を表す)をアセトニトリル40mlに溶解させ
た。塩氷浴で冷却しつつ、トリエチルアミン4.0896g、
40.42mmol )、ジシクロヘキシルカルボジイミド5.16g
(24.0mmol)を加えて3時間かき混ぜ、さらに室温で30
分かき混ぜた。不溶物を濾過した後、アセトニトリルを
留去すると淡黄色アモルファス状物が得られた。これを
5%炭酸水素ナトリウム水溶液300ml に溶解させ、クロ
ロホルム200ml で3回抽出した。有機層をエバポレート
し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製す
ると、白色アモルファスのBoc−Cys(Acm)−
His−OMe(ただし、Bocはタ−シャリブチルオ
キシカルボニル基、Cysはシステイン基、Acmはア
セトアミドメチル基、Hisはヒスチジン基、OMeは
メトキシ基を表す)が得られた。収量3.2229g、収率3
6.2%。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によ
る純度97.1%。
【0028】1 H−NMR(DMSO−d6 )270MHz δ(ppm)=1.38 (s,9H,Boc t
Bu) 1.86 (s,3H,Acm CH3 ) 2.50 (DMSO) 2.89〜2.83 (d,2H,Cys β−H) 3.37 (d,2H,His β−H) 3.58 (s,3H,OCH3 ) 4.12〜4.24 (m,2H,Acm CH2 ) 4.27〜4.40 (m,1H,His α−H) 4.42〜4.54 (m,1H,Cys α−H) 6.84 (s,1H,His ring) 6.95〜6.98 (d,1H,Cys NH) 7.52 (s,1H,His ring) 8.12〜8.15 (s,1H,His NH) 8.55 (t,1H,Acm NH) 実施例1 Boc−Cys(SAg)−His−OMe
の合成 Boc−Cys(Acm)−His−OMe 2.3701g
(5.344mmol) とトリフルオロ酢酸銀1.2052g(5.456mmo
l) をメタノールに加え、2日間室温でかき混ぜた。生
成した無色ゲル状物質をエバポレートした後、エタノー
ル50mlを加えて遠心分離し、エタノールをデカントして
除いた。この操作を3回繰り返した後白色沈澱を集めて
真空乾燥すると、新規なペプチド塩である白色固体のB
oc−Cys(SAg)−His−OMe(ただし、S
AgはシステインのSH基が銀塩であることを表す)が
得られた。収量2.05g。収率80.01 %。
【0029】1 H−NMR(DMSO−d6 )270MHz δ(ppm)=1.3 (s,9H,Boc t
Bu) 2.5 (DMSO) 2.8 〜3.1 (2H,Cys α−H) 3.2 (2H,His α−H) 3.7 (s,3H,OCH3 ) 4.2 (1H,His β−H) 4.6 (1H,Cys β−H) 6.9 〜7.1 (1H,His ringおよび1H,
Cys NH) 7.8 (1H,His ring) 8.2 (1H,His NH) 12.8 (1H,His ring−NH) 実施例2 Boc−Cys−His−OMeの合成 以下の操作はすべてアルゴン雰囲気下で行い、溶媒はア
ルゴン雰囲気下で蒸留したものを脱気して用いた。
【0030】Boc−Cys(SAg)−His−OM
e 2.05g(4.276mmol) をメタノール50mlに溶解した。
ついで硫化水素を3時間バブルすると硫化銀が沈澱し、
懸濁液となった。グローボックス内で黒色の硫化銀を濾
過し、メタノールを留去した。白色アモルファスのBo
c−Cys−His−OMeが得られた。収量1.24g。
収率77.85 %。HPLCによる純度94.4%。
【0031】1 H−NMR(DMSO−d6 ) δ(ppm)=1.35 (s,9H,Boc t
Bu) 2.50 (DMSO) 2.52〜2.77 (m,2H,Cys β−H) 2.97〜3.14 (m,2H,His β−H) 3.61 (s,3H,OCH3 ) 3.96〜4.07 (m,1H,His α−H) 4.54〜4.65 (m,1H,Cys α−H) 6.92〜6.95 (d,1H,Cys NH) 7.23 (s,1H,His ring) 8.41〜8.44 (s,1H,His NH) 8.70 (s,1H,His ring) 実施例3 Boc−Cys−His−OMeと市販ヘマ
トポルフィリンのカップリングによる置換ポルフィリ
ン、Por(Cys−His−OMe)2 の合成 [臭化水素−トリフルオロメタンスルホン酸法]溶媒留
去までの操作はすべてアルゴン雰囲気下で行った。
【0032】Boc−Cys−His−OMe 0.2982
g (0.8005mmol) と市販ヘマトポルフィリン 0.1012g
(ヘマトポルフィリン基準で0.169mmol )に30%臭化水
素酢酸溶液1.0ml を加え、溶解させた。紫色の粘性の高
い溶液となった。これに水冷下でトリフルオロメタンス
ルホン酸1.0ml を加えた。反応液は発熱し、ガスが発生
した。密封して室温で24時間かき混ぜた。真空で臭化水
素、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸の一部を留去
すると水飴状の粗生成物が得られた。ごく少量のアセト
ニトリルを加えて溶解し、約50mlのジエチルエーテルを
加えて再沈澱させ、デカントによりジエチルエーテルを
除いた。この操作を2回繰り返した後、結晶を真空乾燥
すると黒紫アモルファスの粗生成物を得た。これを酢酸
50mlに溶かし、蒸留水で500ml に希釈した。これをイオ
ン交換カラム、セファデックスカラムで順次精製すると
光沢のある紫黒色のPor(Cys−His−OMe)
2 が得られた。
【0033】収率:市販ヘマトポルフィリンから46.3
%、ペプチドから19.5%。
【0034】HPLC純度:100 %。
【0035】1) 元素分析 Por(Cys−His−OMe)2 ・6H2 O、 C547812182 分子量1245.51 としての 計算値:C 53.36 %,H 6.48%,N 13.83 %,S
5.27% 分析値:C 53.41 %,H 7.43%,N 13.36 %,S
5.85% 2) 1 H−NMR(DMSO−d6 )270MHz δ(ppm)=2.35 (−CH(SR)C
3 ) 3.21 (Por, B CH2 ) 3.72 (His, OMe) 3.83 (Por, 1,3,5,8−Me) 4.42 (Por, A CH2 ) 5.91〜6.18 (2H,−C(SR)−CH3 ) 6.64〜6.96 (2H,His ring) 7.35〜7.74 (2H,His ring) 8.13〜8.60 (2H,His NH) 10.17〜10.72 (4H,Por,Meso) なお、A、Bは下式に示す部位である(以下、同じ)。
【0036】
【化8】
【0037】3) 1 H−NMR(D2 O) 270MHz (ポルフィリンの会合を抑えるため微量のトリフルオロ
メタンスルホン酸を添加) δ(ppm)=2.18 (−CH(SR)−C
3 ) 3.66 (His OCH3 ) 3.77 (Por, 1,3,5,8−Me) 4.32 (Cys α−H) 4.47 (Por, A CH2 ) 4.86 (His α−H) 5.91 (2H,−C(SR)−CH3 ) 7.23 (2H,His ring) 8.56 (2H,His ring) 10.97, 11.20 (m,4H,Por Meso) 4) 吸収スペクトル 試料2.5mg をメスフラスコに採取し、蒸留水で10mlに希
釈した。この約1mlを1mmセルに採取し、吸収スペクト
ルを測定した。ε値は、試料がPor(Cys−His
−OMe)2 ・6H2 Oとして、ランバート・ベーアの
法則より算出した。その結果は以下の通りである。
【0038】
【表1】
【0039】吸収スペクトルには、金属フリーのポルフ
ィリンに特徴的な4つのピークが現れており、一般にエ
チオ(etio)型と呼ばれるタイプである。
【0040】実施例4 Boc−Cys−His−OM
eと市販ヘマトポルフィリンのカップリングによる置換
ポルフィリン、Por(Cys−His−OMe)2
合成 [臭化水素−トリフルオロ酢酸法]溶媒留去までの操作
は、すべてアルゴン雰囲気下で行った。
【0041】市販ヘマトポルフィリン0.1022g(ヘマト
ポルフィリン基準で0.1707mmol)、Boc−Cys−H
is−OMe 0.2966g(0.7962mmol)をシュレンクに採
取し、30%臭化水素酢酸溶液1.0ml を加えると、発泡し
ながら溶解し、紫色溶液となった。トリフルオロ酢酸1.
0ml を加え、室温で24時間かき混ぜた。溶媒を真空留去
し、実施例3と同様に処理すると、Por(Cys−H
is−OMe)2 を得た。収量0.0808g。
【0042】比較例1 Boc−Cys−His−OM
eと市販ヘマトポルフィリンのカップリングによる置換
ポルフィリン、Por(Cys−His−OMe)2
合成 [臭化水素−酢酸法(i)]以下の操作は、すべてアル
ゴン雰囲気下で行った。
【0043】シュレンクに市販ヘマトポルフィリン50m
g、Boc−Cys−His−OMe100mg を採取し、3
0%臭化水素酢酸溶液1.0ml を加えると発泡しつつ溶解
し、粘性のある濃紫溶液となった。室温で3時間かき混
ぜた後、酢酸および臭化水素を真空留去すると紫色アモ
ルファス状の固体が得られた。1N水酸化ナトリウム4
mlを加えて溶解し、5N塩酸を沈澱が生じるまで加え
た。沈澱を濾過して結晶(A)と濾液(B)に分離し
た。結晶部7.8mg 。
【0044】結晶部(A)を蒸留水10ml、メタノール10
mlで洗浄し真空乾燥した。この結晶をDMSO−d6
溶媒として1 H−NMR測定したところ、δ=10.2ppm
付近にポルフィリンメソプロトンが観測されるものの、
δ=4〜5ppm 付近にはペプチド由来のαプロトンが観
測されなかった。この結果から、この粗生成物中にはカ
ップリング生成物が含まれていないことが認められた。
【0045】濾液部(B)は、溶媒を留去後クロロホル
ム10mlで2回洗浄し、溶媒を真空留去した。茶褐色のア
モルファスが得られた。収量63.8mg。この粗生成物をD
MSO−d6 を溶媒として1 H−NMR測定したとこ
ろ、δ=6ppm 付近のポルフィリンとペプチドのカップ
リングを示すプロトンは観測されなかった。さらにδ=
10ppm 付近のポルフィリンのメソプロトンも観測されな
かった。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って
目的物の単離を試みたが、得られなかった。
【0046】比較例2 市販ヘマトポルフィリンとBo
c−Cys−His−OMeのカップリングによる置換
ポルフィリン、Por(Cys−His−OMe)2
合成 [臭化水素−酢酸法(ii)]以下の操作はすべてアルゴ
ン雰囲気下で行った。
【0047】シュレンクに市販ヘマトポルフィリン75.1
mg(ヘマトポルフィリン基準で0.1254mmol)、Boc−
Cys−His−OMe 130mg(0.3490mmol) を採取
し、30%臭化水素酢酸溶液2.0ml を加えると、発泡し、
粘性のある黒紫溶液となった。室温で4日間かき混ぜた
後、溶媒および臭化水素を真空留去した。黒紫アモルフ
ァスの粗生成物を得た。これを酢酸50mlに溶かし、蒸留
水を加えて500ml とし、イオン交換カラムで精製した。
溶離液を集め、真空留去し、1 H−NMR(DMSO−
6 )測定すると、組成物であることが認められ、δ=
6ppm 付近にはポルフィリンとペプチドのシステイン基
のカップリングを示すピークは観測されなかった。
【0048】比較例1および2の結果から、モーガン(M
organ)がシステインとポルフィリンのカップリングにお
いて成功している臭化水素−酢酸法はシステイン含有ペ
プチドとポルフィリンのカップリングには不適であるこ
とがわかった。
【0049】比較例3 Boc−Cys(SAg)−H
is−OMeと2α,4α−ジブロモメソポルフィリン
(5)のカップリングによる置換ポルフィリン、Por
(Cys−His−OMe)2 の合成 (a) 2α,4α−ジブロモメソポルフィリン(5)
の合成 プロトポルフィリン(2) 0.1026g(0.1782mmol)に30
%臭化水素酢酸溶液2.0ml を加え、2日間40℃でかき混
ぜた。臭化水素、酢酸を真空留去し、約2mlの酢酸を加
え、さらに真空留去した。この操作を3回繰り返して粗
2α,4α−ジブロモメソポルフィリンを得た。収量10
7.9mg 。収率83.6%。
【0050】(b) カップリング (a)の粗ジブロムポルフィリンをジメチルフォルムア
ミド(DMF)1mlに溶かすと茶褐色溶液となった。不
溶物を濾別後、濾液にBoc−Cys(SAg)−Hi
s−OMe 30mg(62.6 μmol)を加え、室温で2日間か
き混ぜた。反応混合物は茶褐色溶液であり、反応中の色
相の変化や沈澱の生成は認められなかった。DMFを真
空留去し、粗生成物をセファデックスカラムを通して精
製を試みたが、単離はできなかった。混合物の1 H−N
MR(DMSO−d6 )を測定した。δ=6.0ppmにシス
テインの硫黄原子と結合するメソポルフィリン側鎖のプ
ロトンと推察されるピーク、δ=7.3 〜9.3ppmにヒスチ
ジンのアミドプロトンとイミダゾ−ルリングのプロトン
と推察されるピーク、δ=10.3〜10.7ppm にポルフィリ
ンのメソプロトンが確認されたが積分比は一致しなかっ
た。一部カップリング反応が進行しているとも考えられ
るが、純粋な試料が得られないため、目的物が生成して
いる確認はできなかった。
【0051】試験例2 Por(Cys−His−OM
e)2 の鉄錯体であるHeme(Cys−His−OM
e)2 の合成 空気酸化まではアルゴン雰囲気下で行い、溶媒はすべて
脱気して用いた。
【0052】Por(Cys−His−OMe)2 1
9.4mg(17.5 μmol)に酢酸5mlを加え、攪拌し、溶解さ
せた。これに硫酸鉄(II)と塩化ナトリウムの混合水溶
液0.6ml [硫酸鉄(II)63.7mg(229.1μmol)、塩化ナト
リウム4.2mg(71.86 μmol)を含む]を加えた。こうして
得た混合溶液を60℃で2時間かき混ぜた。室温まで放冷
後、反応混合物をビーカーに注ぎ、1時間空気酸化し
た。蒸留水100ml を加え、エチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウム塩(EDTA)78.9mg(212.0μmol)を加え、溶
解させた。これをイオン交換カラムに通じ、10%酢酸で
過剰のEDTA−鉄錯体を溶離後、蒸留水100ml で洗
浄、2Mアンモニア水で溶離した。溶離液を真空留去し
て目的物である、Heme(Cys−His−OMe)
2 を得た。収率73.14 %。
【0053】試験例3 Heme(Cys−His−O
Me)2 の物性測定 (a) 吸収スペクトル(pH=7) イオン交換カラムで精製直後の吸収スペクトルを測定し
た。
【0054】試料3.0mg を10mlのメスフラスコに採取
し、蒸留水で10mlにメスアップした(pH=7.0 )。この
溶液約1.0ml を1mmのセルに採取し、吸収スペクトルを
測定した。ソ−レ帯の吸収極大が404.4nm に、Q帯の吸
収極大が522.4nm に観測された。
【0055】(b) 吸収スペクトル(pH依存性、pH=
1およびpH=10) pH=10およびpH=1で、さらにpH=1をpH=10とした溶
液について吸収スペクトルを測定した。
【0056】試料1.5mg を採取し、10mlメスフラスコ中
で蒸留水で10mlに希釈した。これをホ−ルピペットで1
ml採取し、メスフラスコ中で蒸留水で10mlに希釈した。
この濃度で次の3つの条件で測定した。
【0057】1) 1M水酸化ナトリウム水溶液でpH=
10に調製し、吸収スペクトルを測定 2) 1M塩酸でpH=1に調製し、吸収スペクトルを測
定 3) 1M塩酸でpH=1に調製した後、1M水酸化ナト
リウム水溶液でpH=10として吸収スペクトルを測定 得られた吸収スペクトルを図1に示した。このスペクト
ルから、以下の知見が得られた。
【0058】イ) pH=10での吸収スペクトルは、ミト
ラ(Mitra) 等が報告している天然チトクロムCの加水分
解で得られたMP−11の低スピンモノヒドロキソモノヒ
スチジンタイプ(pH=9.8 )の吸収スペクトルと一致し
ている。
【0059】ロ) pH=1での吸収スペクトルは、MP
−11の高スピンモノアクアモノヒスチジンタイプ(pH=
4.6 )の吸収スペクトルと一致している。
【0060】ハ) pH=1からpH=10に変化させた際の
吸収スペクトルは完全な平衡を示さず、この点で非可逆
的である。
【0061】以上より、本発明の製造方法により得られ
たペプチド置換ポルフィリンは、天然型チトクロムCモ
デルときわめて類似した吸収スペクトルを示し、水分子
を介してアクアタイプとヒドロキソタイプの2つのタイ
プを取り得ることが示された。
【0062】(c) 吸収スペクトル(酸化還元による
スペクトルの変化) アルゴン雰囲気下、pH=10で試料をソジウムジチオナイ
トで還元して吸収スペクトルを測定した。また、一度還
元したものをフェリシアン化カリウムで酸化して吸収ス
ペクトルを測定した。
【0063】試料1.5mg をメスフラスコ中で蒸留水で10
mlに希釈した。これをホ−ルピペットで1ml採取し、メ
スフラスコ中で蒸留水で希釈して10mlとした。この溶液
の約4mlを10mmのセルに採取し、約10分間アルゴンガス
を通じ、すばやく少量のソジウムチオナイトを加えて密
封し、吸収スペクトルを測定した。測定終了後、0.01M
フェリシアン化カリウム数滴を加え、アルゴンを通じて
密封し、吸収スペクトルを測定した。
【0064】ソジウムチオナイト還元によって測定した
Fe(II)Heme(Cys−His−OMe)2 およ
び、これをフェリシアン化カリウム酸化して測定したF
e(III) Heme(Cys−His−OMe)2 の吸収
スペクトルを図2に示した。
【0065】アルゴン下でpH=10の高スピンヒドロキソ
Fe(III) Heme(Cys−His−OMe)2 を還
元すると、Q帯に特徴的な2つの極大(α,β)を有す
る、6配位低スピンタイプのFe(II)Heme(Cy
s−His−OMe)2 の吸収スペクトルを示した。さ
らに、この還元種を酸化したところ、酸化型6配位低ス
ピンタイプに特有のFe (III)Heme(Cys−Hi
s−OMe)2 の吸収スペクトルを示した。また、還元
型の吸収極大α,βは天然型チトクロムおよびMP−11
のそれぞれの吸収極大α(552nm) 、β(522nm)と一致し
た。これらの事実から、本発明の製造方法により得られ
たペプチド置換ポルフィリンは、天然型チトクロムCと
同様の酸化還元挙動を示し得ることが認められた。
【0066】(d) 酸化還元電位 Fe(II)Heme(Cys−His−OMe)2 のサ
イクリックボルタメトリ−(CV)および微分パルスポ
ーラログラフィー(DPP)を測定した。条件、方法は
以下の通りである。
【0067】(測定方法)小型電気化学用セルに、試料
0.1 gを採取し、水酸化ナトリウムでpH=10に調製した
0.1 Mテトラエチルアンモニウム過塩素酸塩(TEA
P)水溶液1mlを加え、30分間アルゴンを通じた。こ
れにソジウムチオナイト30mgを加え、さらに10分間アル
ゴンを通じた後CVおよびDDPを測定した。
【0068】(測定条件) 参照電極:Ag−AgCl 掃引速度:CV 50mV/sec、 DPP 5mV/sec 得られたCVおよびDPPを図3に示した。
【0069】図3に示したように、Fe(II)Heme
(Cys−His−OMe)2 のCVは、ほぼ可逆波で
あった。また、DPPでは掃引方向を逆にしても対応す
る同様のピークが観察された。これよりFe(II)/F
e(III) は可逆であることが確認された。その酸化還元
電位はvs.Ag−AgClで−0.353 V(標準水素電
極(NHE)換算で−0.154 V)であった。以上の事実
から、本発明の製造方法によって得られた化合物は天然
型チトクロムCと比較して酸化還元電位が若干高い(天
然型チトクロムCで−0.2 〜−0.3 V vs.NHEと
報告されている)ものの、類似の可逆的酸化還元能を有
することが示された。
【0070】
【発明の効果】本発明の製造方法は、所望のシステイン
含有ペプチド置換ポルフィリンを簡便に、好収率で製造
できるものであり、産業上、極めて有用なものである。
【0071】また、本発明の新規なペプチド塩であるB
oc−Cys(SAg)−His−OMeはシステイン
含有ペプチド置換ポルフィリンの原料となるシステイン
含有ペプチドBoc−Cys−His−OMeを容易か
つ効率的に製造するための先駆体となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られたペプチド置換
ポルフィリンの1例に由来する鉄錯体Heme(Cys
−His−OMe)2 の吸収スペクトルを示すグラフ
【図2】前記鉄錯体Heme(Cys−His−OM
e)2 の酸化型および還元型の吸収スペクトルを示すグ
ラフ
【図3】前記鉄錯体の1種であるFe(II)Heme(C
ys−His−OMe)2 のサイクリックボルタメトリ
ー(CV)および微分パルスポーラログラフィー(DP
P)を示すグラフ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表されるヘマトポルフィリン
    と、式(2)で表されるプロトポルフィンと、これらの
    混合物とからなる群より選ばれた物質を臭化水素酸−超
    強酸溶液中でシステイン含有ペプチドと反応させること
    からなる式(3)(ただし、式中Rはアミノ基の遊離し
    たシステインを含有するペプチドである)で表されるペ
    プチド置換ポルフィリンの製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記超強酸が、トリフルオロメチル基を
    有するカルボン酸と、トリフルオロメチル基を有するカ
    ルボン酸無水物と、トリフルオロメチル基を有するスル
    ホン酸とからなる群より選ばれたものであることを特徴
    とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記超強酸が、トリフルオロメタンスル
    ホン酸と、トリフルオロ酢酸と、トリフルオロ無水酢酸
    とからなる群より選ばれたものであることを特徴とする
    請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記システイン含有ペプチドがBoc−
    Cys−His−OMeで表されるものであり、前記ペ
    プチド置換ポルフィリンがPor(Cys−His−O
    Me)2 で表されるものであることを特徴とする請求項
    1記載の製造方法(ただし、Bocはターシャリブチル
    オキシカルボニル基、Cysはシステイン基、Hisは
    ヒスチジン基、OMeはメトキシ基、Porはポルフィ
    リン骨格を示す)。
  5. 【請求項5】 前記Boc−Cys−His−OMeで
    表されるシステイン含有ペプチドをBoc−Cys(S
    Ag)−His−OMeで表されるペプチド塩から製造
    することを特徴とする請求項4記載の製造方法(ただ
    し、Bocはターシャリブチルオキシカルボニル基、C
    ysはシステイン基、Hisはヒスチジン基、OMeは
    メトキシ基、SAgはシステインのSH基が銀塩である
    ことを示す)。
  6. 【請求項6】 Boc−Cys(SAg)−His−O
    Meで表されるペプチド塩に硫化水素を混合して硫化銀
    を形成し、この硫化銀を除去することからなるBoc−
    Cys−His−OMeで表されるシステイン含有ペプ
    チドの製造方法(ただし、Bocはターシャリブチルオ
    キシカルボニル基、Cysはシステイン基、Hisはヒ
    スチジン基、OMeはメトキシ基、SAgはシステイン
    のSH基が銀塩であることを示す)。
  7. 【請求項7】 Boc−Cys(SAg)−His−O
    Meで表されるペプチド塩(ただし、Bocはターシャ
    リブチルオキシカルボニル基、Cysはシステイン基、
    Hisはヒスチジン基、OMeはメトキシ基、SAgは
    システインのSH基が銀塩であることを示す)。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の製造方法により製造され
    たペプチド置換ポルフィリン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008050161A2 (en) * 2006-10-27 2008-05-02 Biostatin Gyógyszerkutató-Fejlesztö Kft. Peptides for activation of angiogenesis, pharmaceutical compounds containing same and use of these compounds
JP2013542949A (ja) * 2010-11-05 2013-11-28 インキディア エス.アール.エル. 高効率触媒、その調製および使用

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