JPH0617229A - 表面被覆サーメット製切削工具 - Google Patents
表面被覆サーメット製切削工具Info
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- JPH0617229A JPH0617229A JP19914892A JP19914892A JPH0617229A JP H0617229 A JPH0617229 A JP H0617229A JP 19914892 A JP19914892 A JP 19914892A JP 19914892 A JP19914892 A JP 19914892A JP H0617229 A JPH0617229 A JP H0617229A
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- cermet
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 表面被覆サーメット製切削工具を提供する。
【構成】 鉄族金属のうち1種または2種以上からなる
結合相形成成分と、残りが組成式:TiC、TiN、T
iCN、または(Ti、M)(CN)(ただし、Mは、
Ta、Nb、V、Zr、W、Mo、Crのうちの1種以
上)で表される硬質分散相形成成分からなる組成を有す
るサーメット基体表面に、平均層厚:0.5〜5μmの
TiC、TiN、TiCNの内の1種以上の硬質層を被
覆してなる表面被覆サーメット製切削工具において、前
記サーメット基体は、基体表面から5μmの深さ位置か
ら内部に向かって20μmに亘る表層部の硬質分散相形
成成分粒子の平均粒径が2〜5μmの範囲内にあり、そ
れより内部の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2μ
mよりも小さい組織を有する表面被覆サーメット製切削
工具。
結合相形成成分と、残りが組成式:TiC、TiN、T
iCN、または(Ti、M)(CN)(ただし、Mは、
Ta、Nb、V、Zr、W、Mo、Crのうちの1種以
上)で表される硬質分散相形成成分からなる組成を有す
るサーメット基体表面に、平均層厚:0.5〜5μmの
TiC、TiN、TiCNの内の1種以上の硬質層を被
覆してなる表面被覆サーメット製切削工具において、前
記サーメット基体は、基体表面から5μmの深さ位置か
ら内部に向かって20μmに亘る表層部の硬質分散相形
成成分粒子の平均粒径が2〜5μmの範囲内にあり、そ
れより内部の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2μ
mよりも小さい組織を有する表面被覆サーメット製切削
工具。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特に苛酷な条件下で
鋼などの断続切削や、高送りおよび高切込みの連続乾式
切削あるいは連続湿式切削に用いた場合に、優れた耐欠
損性を示し、かつ耐摩耗性にも一層優れている表面被覆
サーメット製切削工具に関するものである。
鋼などの断続切削や、高送りおよび高切込みの連続乾式
切削あるいは連続湿式切削に用いた場合に、優れた耐欠
損性を示し、かつ耐摩耗性にも一層優れている表面被覆
サーメット製切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、市販されている表面被覆サーメ
ット製切削工具は、サーメットを構成する硬質分散相形
成成分の結晶粒度が2μm以下の微粒であり、かつその
粒度分布の幅が狭い均一な粒で構成されているものが大
半を占めている。
ット製切削工具は、サーメットを構成する硬質分散相形
成成分の結晶粒度が2μm以下の微粒であり、かつその
粒度分布の幅が狭い均一な粒で構成されているものが大
半を占めている。
【0003】これは、サーメットの主成分であるTi
C、TiN、TiCNが超硬合金の主成分である炭化タ
ングステン(WC)に比べて著しく焼結性に劣るために
原料粉末の粒度を一層微細にすることに起因するもので
ある。。
C、TiN、TiCNが超硬合金の主成分である炭化タ
ングステン(WC)に比べて著しく焼結性に劣るために
原料粉末の粒度を一層微細にすることに起因するもので
ある。。
【0004】すなわち、超硬合金もしくはサーメットの
焼結工程において、鉄族の金属結合相形成成分が液相と
なる温度域でのWC−Co間の濡れ性に比べてTiC−
Co間の濡れ性が劣ることから、超硬合金よりもサーメ
ットの方が液相流動が起こりにくい傾向にあり、そのた
めサーメット原料が粗粒なほど得られたサーメット焼結
体に小巣、結合金属相の凝集、分散不良などの欠陥が生
じやすくなり、かかる小巣、結合金属相の凝集、分散不
良などの欠陥を内蔵するサーメット焼結体を切削工具に
用いると、前記欠陥が破壊の起点となり、欠損が生じや
すくなる。
焼結工程において、鉄族の金属結合相形成成分が液相と
なる温度域でのWC−Co間の濡れ性に比べてTiC−
Co間の濡れ性が劣ることから、超硬合金よりもサーメ
ットの方が液相流動が起こりにくい傾向にあり、そのた
めサーメット原料が粗粒なほど得られたサーメット焼結
体に小巣、結合金属相の凝集、分散不良などの欠陥が生
じやすくなり、かかる小巣、結合金属相の凝集、分散不
良などの欠陥を内蔵するサーメット焼結体を切削工具に
用いると、前記欠陥が破壊の起点となり、欠損が生じや
すくなる。
【0005】したがって、前記欠陥の含まないサーメッ
ト焼結体を得るためには、製造時に用いる原料粉末に出
来るだけ微粒なものを選ぶ必要があり、結果的にサーメ
ット焼結体を構成する硬質分散相形成成分の粒度は細か
くならざるを得なかった。
ト焼結体を得るためには、製造時に用いる原料粉末に出
来るだけ微粒なものを選ぶ必要があり、結果的にサーメ
ット焼結体を構成する硬質分散相形成成分の粒度は細か
くならざるを得なかった。
【0006】これに対し、特開昭55−107753号
公報においては、平均粒径:1〜3μmをもった微粒サ
ーメットは、平均粒径:4〜6μmをもった粗粒サーメ
ットよりも抗折力が高く耐衝撃性に富むものの、耐摩耗
性に劣るとの観点から、平均粒径:7μm以上のTiC
あるいはその複合化合物を全体割合で、1〜30重量%
の範囲内で均一に分散させることにより抗折力および耐
衝撃性を低下させること無く耐摩耗性を向上させること
ができたことが開示されている。
公報においては、平均粒径:1〜3μmをもった微粒サ
ーメットは、平均粒径:4〜6μmをもった粗粒サーメ
ットよりも抗折力が高く耐衝撃性に富むものの、耐摩耗
性に劣るとの観点から、平均粒径:7μm以上のTiC
あるいはその複合化合物を全体割合で、1〜30重量%
の範囲内で均一に分散させることにより抗折力および耐
衝撃性を低下させること無く耐摩耗性を向上させること
ができたことが開示されている。
【0007】前記平均粒径:7μm以上の超粗粒のTi
Cの存在による耐摩耗性の向上は、TiCはWCに比し
て化学的に安定でしかも耐熱性に優れていることおよび
超粗粒になって始めて優れた化学的安定性および耐熱性
が発揮されるようになることなどがその理由として上げ
られている。
Cの存在による耐摩耗性の向上は、TiCはWCに比し
て化学的に安定でしかも耐熱性に優れていることおよび
超粗粒になって始めて優れた化学的安定性および耐熱性
が発揮されるようになることなどがその理由として上げ
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記平
均粒径:7μm以上の超粗粒を全体割合で、1〜30重
量%の範囲内で均一に分散させてなるサーメットは、こ
れを切削工具として用いた場合に耐摩耗性は向上する反
面、負荷のやや大きな断続切削に際して欠損を生じる場
合がしばしばあった。
均粒径:7μm以上の超粗粒を全体割合で、1〜30重
量%の範囲内で均一に分散させてなるサーメットは、こ
れを切削工具として用いた場合に耐摩耗性は向上する反
面、負荷のやや大きな断続切削に際して欠損を生じる場
合がしばしばあった。
【0009】これは、サーメットが原料配合段階に置い
て、平均粒径:7μm以上の超粗粒TiCを用いるた
め、その中に含まれる未粉砕の10μm以上のTiC超
粗粒子がサーメットに含まれることがあり、前記10μ
m以上のTiC超粗粒子を起点として欠損を起こしやす
くなることが分かってきたのである。
て、平均粒径:7μm以上の超粗粒TiCを用いるた
め、その中に含まれる未粉砕の10μm以上のTiC超
粗粒子がサーメットに含まれることがあり、前記10μ
m以上のTiC超粗粒子を起点として欠損を起こしやす
くなることが分かってきたのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
抗折力および耐衝撃性を低下させることなく従来よりも
耐摩耗性を大幅に向上させた表面被覆サーメット製切削
工具を得るべく研究を行った結果、基体表面から5μm
の深さ位置から内部に向かって20μmに亘る表層部の
硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2〜5μmの範囲
内にあり、それより内部の硬質分散相形成成分粒子の平
均粒径が2μmよりも小さい組織を有するサーメット基
体は、内部組織の平均粒径が2μmよりも小さい硬質分
散相形成成分粒子からなるために抗折力および耐衝撃性
が優れ、かつ表層領域は平均粒径が2〜5μmの大きな
硬質分散相形成成分粒子からなるために耐摩耗性を大幅
に向上させることができ、さらにそのサーメット基体表
面に平均層厚:0.5〜5μmの炭化チタン、窒化チタ
ン、炭窒化チタンの内の1種の単層または2種以上の複
数層からなる硬質層を被覆してなる表面被覆サーメット
製切削工具は、さらに一層優れた切削性能を示すという
知見を得たのである。
抗折力および耐衝撃性を低下させることなく従来よりも
耐摩耗性を大幅に向上させた表面被覆サーメット製切削
工具を得るべく研究を行った結果、基体表面から5μm
の深さ位置から内部に向かって20μmに亘る表層部の
硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2〜5μmの範囲
内にあり、それより内部の硬質分散相形成成分粒子の平
均粒径が2μmよりも小さい組織を有するサーメット基
体は、内部組織の平均粒径が2μmよりも小さい硬質分
散相形成成分粒子からなるために抗折力および耐衝撃性
が優れ、かつ表層領域は平均粒径が2〜5μmの大きな
硬質分散相形成成分粒子からなるために耐摩耗性を大幅
に向上させることができ、さらにそのサーメット基体表
面に平均層厚:0.5〜5μmの炭化チタン、窒化チタ
ン、炭窒化チタンの内の1種の単層または2種以上の複
数層からなる硬質層を被覆してなる表面被覆サーメット
製切削工具は、さらに一層優れた切削性能を示すという
知見を得たのである。
【0011】この発明は、かかる知見に基づいてなされ
たものであって、鉄族金属のうち1種または2種以上か
らなる結合相形成成分:1〜30重量%と、残りが組成
式:TiC、TiN、TiCN、または(Ti、M)
(CN)(ただし、Mは、Ta、Nb、V、Zr、W、
Mo、Crのうちの1種または2種以上)で表される炭
化物、窒化物、炭窒化物および複合炭窒化物のうちの1
種または2種以上からなる硬質分散相形成成分(以下、
単に硬質分散相形成成分という)からなる組成を有する
サーメット基体表面に、平均層厚:0.5〜5μmの炭
化チタン、窒化チタン、炭窒化チタンの内の1種の単層
または2種以上の複数層からなる硬質層を被覆してなる
表面被覆サーメット製切削工具において、前記サーメッ
ト基体は、基体表面から5μmの深さ位置から内部に向
かって20μmに亘る表層部の硬質分散相形成成分粒子
の平均粒径が2〜5μmの範囲内にあり、それより内部
の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2μmよりも小
さい組織を有する表面被覆サーメット製切削工具に特徴
を有するものである。
たものであって、鉄族金属のうち1種または2種以上か
らなる結合相形成成分:1〜30重量%と、残りが組成
式:TiC、TiN、TiCN、または(Ti、M)
(CN)(ただし、Mは、Ta、Nb、V、Zr、W、
Mo、Crのうちの1種または2種以上)で表される炭
化物、窒化物、炭窒化物および複合炭窒化物のうちの1
種または2種以上からなる硬質分散相形成成分(以下、
単に硬質分散相形成成分という)からなる組成を有する
サーメット基体表面に、平均層厚:0.5〜5μmの炭
化チタン、窒化チタン、炭窒化チタンの内の1種の単層
または2種以上の複数層からなる硬質層を被覆してなる
表面被覆サーメット製切削工具において、前記サーメッ
ト基体は、基体表面から5μmの深さ位置から内部に向
かって20μmに亘る表層部の硬質分散相形成成分粒子
の平均粒径が2〜5μmの範囲内にあり、それより内部
の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2μmよりも小
さい組織を有する表面被覆サーメット製切削工具に特徴
を有するものである。
【0012】前記表面被覆サーメット製切削工具の基体
表面から5μmの深さ位置から内部に向かって20μm
に亘る表層領域の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径を
2〜5μmに限定した理由は、表層部の硬質分散相形成
成分粒子の平均粒径が2μm未満であると、基体内部の
硬質分散相形成成分粒子の平均粒径の差が小さく、切削
時の化学的安定性および耐熱性を得ることができず、耐
摩耗性の改善は見られなくなるからであり、逆に表層部
の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が5μmを越える
と、耐摩耗性は得られるものの負荷の高い断続切削を行
う際に表層部の粗大粒子を起点として欠損を誘発しやす
くなるので好ましくないことによるものである。
表面から5μmの深さ位置から内部に向かって20μm
に亘る表層領域の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径を
2〜5μmに限定した理由は、表層部の硬質分散相形成
成分粒子の平均粒径が2μm未満であると、基体内部の
硬質分散相形成成分粒子の平均粒径の差が小さく、切削
時の化学的安定性および耐熱性を得ることができず、耐
摩耗性の改善は見られなくなるからであり、逆に表層部
の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が5μmを越える
と、耐摩耗性は得られるものの負荷の高い断続切削を行
う際に表層部の粗大粒子を起点として欠損を誘発しやす
くなるので好ましくないことによるものである。
【0013】また、表面被覆サーメット製切削工具の基
体表面から20μmより内部の硬質分散相形成成分粒子
の平均粒径を2μm以下に限定した理由は、切削時の刃
先部分を支える基盤として強度を向上させるためであ
り、内部の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2μm
より大きくなるに従い、耐欠損性が低下することによる
ものである。
体表面から20μmより内部の硬質分散相形成成分粒子
の平均粒径を2μm以下に限定した理由は、切削時の刃
先部分を支える基盤として強度を向上させるためであ
り、内部の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2μm
より大きくなるに従い、耐欠損性が低下することによる
ものである。
【0014】さらに、表層部の硬質分散相形成成分粒子
の平均粒径:2〜5μmを表面被覆サーメット製切削工
具の基体表面から5μmの深さ位置から内部に向かって
20μmに亘る範囲に限定した理由は、その領域が切削
工具の耐摩耗性に最も寄与する領域とされているからで
ある。
の平均粒径:2〜5μmを表面被覆サーメット製切削工
具の基体表面から5μmの深さ位置から内部に向かって
20μmに亘る範囲に限定した理由は、その領域が切削
工具の耐摩耗性に最も寄与する領域とされているからで
ある。
【0015】この発明の表面被覆サーメット製切削工具
の基体サーメットを製造するには、平均粒径が2μmよ
りも小さい原料粉末を配合し、混合し、プレス成形して
所定の配合組成を有する圧粉体とし、この圧粉体を焼結
炉に挿入し、この焼結炉内を真空あるいは不活性ガス雰
囲気中、原料粉末のTiNあるいはTiCNが分解し窒
素ガスの発生を開始する温度(以下、脱窒開始温度とい
う)以上で液相出現温度以下の所定温度になるまで加熱
し、この脱窒開始温度以上で液相出現温度以下の所定温
度に至った時点で窒素ガスを導入させることにより窒素
ガス雰囲気もしくは窒素ガスおよび不活性ガスの混合ガ
ス雰囲気としてさらに昇温を続け、焼結温度に達するま
での期間および焼結期間は常に炉内全圧に対する窒素分
圧を焼結体中の窒素の平行解離圧以下(好ましくは、2
0torr〜200torr)となるように圧力調整を行い、引
き続いて焼結終了後の冷却過程において、炉内全圧に対
する窒素分圧を1torr以下に保つことでサーメット基体
表層部の炭窒化物の分解を促し、硬質分散相形成成分の
粒成長をさせることにより表層部の硬質分散相形成成分
粒子を平均粒径:2〜5μmの範囲内に制御することに
より製造することができる。
の基体サーメットを製造するには、平均粒径が2μmよ
りも小さい原料粉末を配合し、混合し、プレス成形して
所定の配合組成を有する圧粉体とし、この圧粉体を焼結
炉に挿入し、この焼結炉内を真空あるいは不活性ガス雰
囲気中、原料粉末のTiNあるいはTiCNが分解し窒
素ガスの発生を開始する温度(以下、脱窒開始温度とい
う)以上で液相出現温度以下の所定温度になるまで加熱
し、この脱窒開始温度以上で液相出現温度以下の所定温
度に至った時点で窒素ガスを導入させることにより窒素
ガス雰囲気もしくは窒素ガスおよび不活性ガスの混合ガ
ス雰囲気としてさらに昇温を続け、焼結温度に達するま
での期間および焼結期間は常に炉内全圧に対する窒素分
圧を焼結体中の窒素の平行解離圧以下(好ましくは、2
0torr〜200torr)となるように圧力調整を行い、引
き続いて焼結終了後の冷却過程において、炉内全圧に対
する窒素分圧を1torr以下に保つことでサーメット基体
表層部の炭窒化物の分解を促し、硬質分散相形成成分の
粒成長をさせることにより表層部の硬質分散相形成成分
粒子を平均粒径:2〜5μmの範囲内に制御することに
より製造することができる。
【0016】
【実施例】つぎに、この発明を実施例に基づいて具体的
に説明する。原料粉末として、平均粒径:1.4μmの
TiCN(TiC/TiN=50/50)粉末、平均粒
径:1.5μmのTiC粉末、平均粒径:1.0μmの
TiN粉末、平均粒径:1.2μmの(Ta,Nb)C
粉末(TaC/NbC:9/1)、平均粒径:1.2μ
mのTaN粉末、平均粒径:1.0μmのWC粉末、平
均粒径:1.5μmのMo2 C粉末、平均粒径:2.0
μmのVC粉末、平均粒径:1.5μmのZrC粉末、
平均粒径:2.0μmのCr3 C2 粉末、平均粒径:
1.2μmのCo粉末、平均粒径:1.0μmのNi粉
末、並びに平均粒径:1.0μmのグラファイト粉末を
用意し、これら原料粉末をそれぞれ表1に示される配合
組成になるように配合し、ボールミルにて湿式混合し、
乾燥した後、1.5ton/cm2 の圧力でプレス成形す
ることにより圧粉体A〜Eを作製した。
に説明する。原料粉末として、平均粒径:1.4μmの
TiCN(TiC/TiN=50/50)粉末、平均粒
径:1.5μmのTiC粉末、平均粒径:1.0μmの
TiN粉末、平均粒径:1.2μmの(Ta,Nb)C
粉末(TaC/NbC:9/1)、平均粒径:1.2μ
mのTaN粉末、平均粒径:1.0μmのWC粉末、平
均粒径:1.5μmのMo2 C粉末、平均粒径:2.0
μmのVC粉末、平均粒径:1.5μmのZrC粉末、
平均粒径:2.0μmのCr3 C2 粉末、平均粒径:
1.2μmのCo粉末、平均粒径:1.0μmのNi粉
末、並びに平均粒径:1.0μmのグラファイト粉末を
用意し、これら原料粉末をそれぞれ表1に示される配合
組成になるように配合し、ボールミルにて湿式混合し、
乾燥した後、1.5ton/cm2 の圧力でプレス成形す
ることにより圧粉体A〜Eを作製した。
【0017】
【表1】
【0018】ついで、これら表1に示される圧粉体A〜
Eを焼結炉に装入し、この焼結炉内を表2に示される種
類の不活性ガス雰囲気に保持して昇温し、原料粉末のT
iNが分解し窒素ガスの発生を開始する温度あるいはT
iCNが分解し窒素ガスの発生を開始する温度以上で液
相出現温度以下の表2に示される温度(以下、窒素導入
温度という)になるまで加熱した時点で窒素ガスを導入
し、焼結炉内を表2に示される窒素分圧の窒素ガスおよ
び不活性ガスの混合ガス雰囲とし、さらに昇温を続け、
表2に示される焼結温度に達するまでの期間および焼結
期間を前記窒素分圧の窒素ガスおよび不活性ガスの混合
ガス雰囲気に保持し、引き続いて焼結終了後の冷却過程
において、表2に示される1torr以下の低い窒素分圧に
保つことで、表2に示される表面から5μmの深さ位置
から内部に向かって20μmに亘る表層部および20μ
mより深い内部の平均粒径の硬質分散相形成成分からな
るISO規格CNMG120408の形状を有する本発
明サーメット基体1〜5を製造した。
Eを焼結炉に装入し、この焼結炉内を表2に示される種
類の不活性ガス雰囲気に保持して昇温し、原料粉末のT
iNが分解し窒素ガスの発生を開始する温度あるいはT
iCNが分解し窒素ガスの発生を開始する温度以上で液
相出現温度以下の表2に示される温度(以下、窒素導入
温度という)になるまで加熱した時点で窒素ガスを導入
し、焼結炉内を表2に示される窒素分圧の窒素ガスおよ
び不活性ガスの混合ガス雰囲とし、さらに昇温を続け、
表2に示される焼結温度に達するまでの期間および焼結
期間を前記窒素分圧の窒素ガスおよび不活性ガスの混合
ガス雰囲気に保持し、引き続いて焼結終了後の冷却過程
において、表2に示される1torr以下の低い窒素分圧に
保つことで、表2に示される表面から5μmの深さ位置
から内部に向かって20μmに亘る表層部および20μ
mより深い内部の平均粒径の硬質分散相形成成分からな
るISO規格CNMG120408の形状を有する本発
明サーメット基体1〜5を製造した。
【0019】このようにして製造された本発明サーメッ
ト基体1〜5の逃げ面を2mm以上研削除去して断面を
出し、その断面を鏡面研磨して鏡面とし、電子顕微鏡に
より得られた組織画像を基にFullmanの式{必要
ならば、R.L.Fullman:J.Metls,5
(1953)P447}により本発明サーメット基体1
〜5の表層部および内部の硬質分散相形成成分粒子の平
均粒径を算出し、それらの結果を表2に示した。
ト基体1〜5の逃げ面を2mm以上研削除去して断面を
出し、その断面を鏡面研磨して鏡面とし、電子顕微鏡に
より得られた組織画像を基にFullmanの式{必要
ならば、R.L.Fullman:J.Metls,5
(1953)P447}により本発明サーメット基体1
〜5の表層部および内部の硬質分散相形成成分粒子の平
均粒径を算出し、それらの結果を表2に示した。
【0020】さらに、比較のために、前記圧粉体A〜E
を焼結炉に挿入し、この焼結炉内を表2に示される真空
雰囲気に保持して表2に示される焼結温度まで昇温し、
この真空雰囲気にて焼結し、同じ真空雰囲気にて冷却す
る通常の条件にて焼結し、従来サーメット基体1〜5を
製造した。このようにして製造された従来サーメット基
体1〜5を同様にして表層部および内部の硬質分散相形
成成分粒子の平均粒径を算出し、それらの結果も表2に
示した。
を焼結炉に挿入し、この焼結炉内を表2に示される真空
雰囲気に保持して表2に示される焼結温度まで昇温し、
この真空雰囲気にて焼結し、同じ真空雰囲気にて冷却す
る通常の条件にて焼結し、従来サーメット基体1〜5を
製造した。このようにして製造された従来サーメット基
体1〜5を同様にして表層部および内部の硬質分散相形
成成分粒子の平均粒径を算出し、それらの結果も表2に
示した。
【0021】
【表2】
【0022】表2に示される本発明サーメット基体1〜
5および従来サーメット基体1〜5の表面に、通常の物
理蒸着装置を用い、通常の物理蒸着条件により表3に示
される硬質層をそれぞれ被覆し、本発明表面被覆サーメ
ット製切削工具1〜5および従来表面被覆サーメット製
切削工具1〜5を作製した。
5および従来サーメット基体1〜5の表面に、通常の物
理蒸着装置を用い、通常の物理蒸着条件により表3に示
される硬質層をそれぞれ被覆し、本発明表面被覆サーメ
ット製切削工具1〜5および従来表面被覆サーメット製
切削工具1〜5を作製した。
【0023】これら本発明表面被覆サーメット製切削工
具1〜5および従来表面被覆サーメット製切削工具1〜
5を用い、 被削材:SNCM439、 切削速度:250m/min.、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:2mm、 切削時間:30min.、 の条件で高速連続切削を行い、切刃の逃げ面摩耗幅を測
定し、耐摩耗性を調べたのち、さらに、 被削材:SNCM439(4条の溝入り材)、 切削速度:200m/min.、 送り:0.2mm/rev.、 切込み:2mm、 切削時間:5min.、 の条件で高速断続切削を行い、10個の切刃のうち欠損
した切刃の個数を欠損割合いとして測定し、耐欠損性を
調べ、それらの結果を表3に示した。
具1〜5および従来表面被覆サーメット製切削工具1〜
5を用い、 被削材:SNCM439、 切削速度:250m/min.、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:2mm、 切削時間:30min.、 の条件で高速連続切削を行い、切刃の逃げ面摩耗幅を測
定し、耐摩耗性を調べたのち、さらに、 被削材:SNCM439(4条の溝入り材)、 切削速度:200m/min.、 送り:0.2mm/rev.、 切込み:2mm、 切削時間:5min.、 の条件で高速断続切削を行い、10個の切刃のうち欠損
した切刃の個数を欠損割合いとして測定し、耐欠損性を
調べ、それらの結果を表3に示した。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】表1〜3に示された結果から、表層部の
硬質分散相形成成分粒子の平均粒径を内部の硬質分散相
形成成分粒子の平均粒径より大きくした本発明サーメッ
ト基体の表面に硬質層を被覆した本発明表面被覆サーメ
ット製切削工具1〜5は、表層部の硬質分散相形成成分
粒子の平均粒径を内部の硬質分散相形成成分粒子の平均
粒径とほぼ同じ従来サーメット基体の表面に硬質層を被
覆した従来表面被覆サーメット製切削工具1〜5に比べ
て耐欠損性および耐摩耗性は大幅に向上していることが
分かる。
硬質分散相形成成分粒子の平均粒径を内部の硬質分散相
形成成分粒子の平均粒径より大きくした本発明サーメッ
ト基体の表面に硬質層を被覆した本発明表面被覆サーメ
ット製切削工具1〜5は、表層部の硬質分散相形成成分
粒子の平均粒径を内部の硬質分散相形成成分粒子の平均
粒径とほぼ同じ従来サーメット基体の表面に硬質層を被
覆した従来表面被覆サーメット製切削工具1〜5に比べ
て耐欠損性および耐摩耗性は大幅に向上していることが
分かる。
【0026】したがって、この発明の表面被覆サーメッ
ト製切削工具は、抗折力および耐衝撃性を低下させるこ
となく従来よりも耐摩耗性を大幅に向上させた表面被覆
サーメット製切削工具を得ることができ、工具寿命を大
幅に向上させることができ、産業上優れた効果を奏する
ものである。
ト製切削工具は、抗折力および耐衝撃性を低下させるこ
となく従来よりも耐摩耗性を大幅に向上させた表面被覆
サーメット製切削工具を得ることができ、工具寿命を大
幅に向上させることができ、産業上優れた効果を奏する
ものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 鉄族金属のうち1種または2種以上から
なる結合相形成成分:1〜30重量%と、残りが組成
式:TiC、TiN、TiCN、または(Ti、M)
(CN)(ただし、Mは、Ta、Nb、V、Zr、W、
Mo、Crのうちの1種または2種以上)で表される炭
化物、窒化物、炭窒化物および複合炭窒化物のうちの1
種または2種以上からなる硬質分散相形成成分(以下、
単に硬質分散相形成成分という)からなる組成を有する
サーメット基体表面に、平均層厚:0.5〜5μmの炭
化チタン、窒化チタンおよび炭窒化チタンの内の1種の
単層または2種以上の複数層からなる硬質層を被覆して
なる表面被覆サーメット製切削工具において、 前記サーメット基体は、基体表面から5μmの深さ位置
から内部に向かって20μmに亘る表層部の硬質分散相
形成成分粒子の平均粒径が2〜5μmの範囲内にあり、
それより内部の硬質分散相形成成分粒子の平均粒径が2
μmよりも小さい組織を有することを特徴とする表面被
覆サーメット製切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19914892A JPH0617229A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 表面被覆サーメット製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19914892A JPH0617229A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 表面被覆サーメット製切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0617229A true JPH0617229A (ja) | 1994-01-25 |
Family
ID=16402952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19914892A Pending JPH0617229A (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 表面被覆サーメット製切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0617229A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4891138A (en) * | 1986-12-25 | 1990-01-02 | Ebara Corporation | Method of separating and transferring ion-exchange resin |
US7413591B2 (en) | 2002-12-24 | 2008-08-19 | Kyocera Corporation | Throw-away tip and cutting tool |
-
1992
- 1992-07-02 JP JP19914892A patent/JPH0617229A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4891138A (en) * | 1986-12-25 | 1990-01-02 | Ebara Corporation | Method of separating and transferring ion-exchange resin |
US7413591B2 (en) | 2002-12-24 | 2008-08-19 | Kyocera Corporation | Throw-away tip and cutting tool |
DE10361321B4 (de) * | 2002-12-24 | 2011-02-24 | Kyocera Corp. | Wegwerfspitze und Verfahren zu deren Herstellung |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020402 |