JPH06172214A - 麻疹ウイルス核蛋白質の抗原性を有する蛋白質の製造 法及び抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体の検出試薬 - Google Patents

麻疹ウイルス核蛋白質の抗原性を有する蛋白質の製造 法及び抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体の検出試薬

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JPH06172214A
JPH06172214A JP35240392A JP35240392A JPH06172214A JP H06172214 A JPH06172214 A JP H06172214A JP 35240392 A JP35240392 A JP 35240392A JP 35240392 A JP35240392 A JP 35240392A JP H06172214 A JPH06172214 A JP H06172214A
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virus
measles
cells
nucleoprotein
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Shigetoshi Okubo
重敏 大久保
Kazuya Yamauchi
一也 山内
Zenji Matsuura
善治 松浦
Katsuhiro Komase
勝啓 駒瀬
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 麻疹ウイルス核蛋白質の抗原性を有する蛋白
質、及び該蛋白質を抗原とする麻疹診断試薬を提供す
る。 【構成】 亜急性硬化性全脳炎ウイルス(subacute scle
rosing panencephalitisvirus) 構造遺伝子領域の核蛋
白質をコ−ドするcDNA断片を挿入した組換えバキュ
ロウイルスを昆虫細胞(Spodoptera frugiperda) に感染
させ、該核蛋白質を該昆虫細胞内に発現させ、該核蛋白
質を採取することを特徴とする麻疹ウイルス核蛋白質の
抗原性を有する蛋白質の製造法、及びこの蛋白質を抗原
とする抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体検出試薬。 【効果】 抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体に対して強い抗
原性を有する蛋白質、及び該蛋白質を担体に感作させた
試薬が得られ、この試薬は、熟練技術者を必要とするこ
となく、少量の検体で麻疹感染の有無、及びワクチン接
種時期とその効果の判定を簡便、迅速に行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、麻疹ウイルス感染の診
断に有効な麻疹ウイルス核蛋白質の抗原性を有する蛋白
質の製造法、及び該蛋白質を抗原とする抗麻疹ウイルス
核蛋白質抗体検出試薬に関するものであり、更に詳しく
は、本発明は、亜急性硬化性全脳炎ウイルス(subacute
sclerosing panencephalitis virus 、以下SSPEウ
イルスと記載することがある)構造遺伝子領域の核蛋白
質をコードするcDNA断片を挿入した組換えバキュロ
ウイルスを昆虫細胞(Spodoptera frugiperda) に感染さ
せ、該核蛋白質を該昆虫細胞内に発現させ、該核蛋白質
を採取することを特徴とする麻疹ウイルス核蛋白質の抗
原性を有する蛋白質の製造法、及び該蛋白質を抗原とす
る抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体検出試薬に関するもので
ある。
【0002】本明細書及び添付図面において、次の記号
が次に記載する意味で用いられる。 AcNPV: 夜盗蛾核多角体病ウイルス (Autograp
ha californica NuclearPolyhedorosis Virus) SSPE: 亜急性硬化性全脳炎(Subacute Sclero
sing Panencephalitis) MV: 麻疹ウイルス (Measles Virus) NP: 核蛋白質 (Nuclear Protein) Sf cell:昆虫(Spodoptera frugiperda) 細胞 また、本明細書において「亜急性硬化性全脳炎ウイルス
又は麻疹ウイルスの核蛋白質」は、該ウイルス粒子中の
核酸(RNA)に結合している「蛋白質」自体を意味
し、核酸と蛋白質との複合体を意味するものではない。
【0003】
【従来の技術】麻疹は、牛疫ウイルス、犬ジステンパー
ウイルス等と同じパラミクソウイルス科モルビリウイル
ス属に属する麻疹ウイルスによって惹起されるヒトの伝
染病の一つである。麻疹は、伝染力が非常に強く、10
〜12日の潜伏期の後、発熱、鼻汁、咳、発疹等の症状
を呈し、中耳炎、肺炎、脳炎、血小板減少性紫斑病、S
SPE、等を併発する場合がある。
【0004】最近、わが国を含めた世界各国で麻疹の発
生が報告され、患者数は、約7000万人にも達するも
のと推定されている。現在、麻疹は、熱帯的気候の多く
の国々において小児の死亡の主要な原因の一つとなって
いるので、麻疹は、全世界の重大な感染症であり、その
予防及び早期診断は世界的な重要課題となっている。
【0005】麻疹ウイルスは、パラミクソウイルス科モ
ルビリウイルス属に分類されるマイナス鎖RNAウイル
スであり、6種類の蛋白質から構成され、その中でも核
蛋白質の占める割合が最も大きく、かつ抗原性の変異が
少なく、ウイルス株間で高い交差反応性を示すことが知
られている。
【0006】近年、該ウイルスの実験室株の一つである
エドモンストン株のNPをコードする遺伝子の全塩基配
列が明らかにされ[第7回インターナショナル・コング
レス・オブ・ウイロロジー(VII International Congres
s of Virology), 第 193ページ,1987年]、麻疹ウイル
スの変異株の一つと推測されているSSPEウイルス山
形1株のNPをコードする遺伝子の全塩基配列も解明さ
れた[ウイルス・ジーンズ(Virus Genes) , 第 4巻, 第
2号, 第 137ページ, 1990年]。これらの報告によれ
ば、麻疹ウイルスエドモンストン株とSSPEウイルス
山形1株のNPをコードする遺伝子の相同性は97.4
%であり、SSPEウイルスのNPを用いた抗麻疹ウイ
ルスNP抗体検出の可能性が推測された。
【0007】一方、麻疹の診断方法としては、感染者の
組織及び体液からのウイルス粒子の確認(国立予防衛生
研究所学友会編,「ウイルス実験学各論」,第 357ペー
ジ,丸善,1964年)が知られている。この方法は、検体
中のウイルス力価の高い感染初期に検体を採取して直ち
に検査を行うことが必要であるが、ウイルスを分離同定
できる施設が限定され、分離効率も低く、検体の保存及
び運搬が必要となり、特殊な機器及び技術を要し、しか
も、結果の判定に長時間を要すること等から、正確な検
査が実施できない不都合があり、この傾向は、特に発展
途上国において顕著である。
【0008】更に、麻疹を血清学的に診断する方法とし
ては、従来から、ウイルス中和試験法、赤血球凝集抑制
試験法、補体結合試験法、蛍光抗体試験法(国立予防衛
生研究所学友会編,ウイルス実験学各論,第 352ペー
ジ, 丸善, 1964年)等が知られている。
【0009】ウイルス中和試験法は、被検血清を力価が
既知の麻疹ウイルス液と反応させて中和し、麻疹ウイル
スに感受性を有するVero細胞(アフリカミドリザル
由来株化細胞)又はB95a細胞(マーモセット由来株
化細胞)と反応させ、細胞変性効果及びプラーク形成等
を観察して中和の程度を試験する。赤血球凝集抑制試験
は、麻疹ウイルスに感染したVero又はB95a細胞
を抗原として用い、公知の方法により検体中の抗麻疹ウ
イルス抗体との反応性を試験する。補体結合試験は、既
知の麻疹ウイルス抗原を用いて、これに反応できる補体
結合性の抗体を検出する。蛍光抗体法は、検体中の抗原
性物質を、蛍光標識した抗体と結合させて蛍光顕微鏡下
で検出する。
【0010】これらの方法は、いずれも操作が標準化さ
れておらず煩雑で熟練を要すること、結果判定に長時間
を要すること、感度及び特異性が低いこと、特別な機器
を必要とすること等から、実用性に乏しい欠点があっ
た。
【0011】一方、麻疹ウイルスに対する抗体を感度良
く測定する方法として、酵素免疫測定法[ブリティッシ
ュ・ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・パソロジ
ー(British Journal of Experimental Pathology ),
第57巻, 第 243ページ, 1976年]が知られている。しか
し、抗原として麻疹ウイルスに感染した培養細胞又は培
養細胞から精製したウイルス粒子を用いているために、
細胞当たりに占める抗原蛋白質の割合が少なかったり、
抗原の調製に多くの労力を必要としたり、検出感度、測
定精度、再現性、非特異反応及び試薬の安定性等の面に
問題が生じる場合もあり、更に優れた抗体価測定方法、
又は測定試薬が待望されていた。
【0012】従来の麻疹診断方法には前記のような欠点
があるので、特に麻疹の発生が深刻な問題となっている
諸国においては、麻疹の正確な診断ができず、流行の防
止が非常に困難であった。また、ワクチン接種における
接種時期の決定及び接種後の抗体獲得調査の目的にも、
簡易で迅速に診断可能な試薬の開発が望まれている。そ
のためには、抗麻疹ウイルス抗体に対して抗原性を有す
る物質を効率よく製造する必要があった。
【0013】前記目的を達成する一つの方法として、バ
キュロウイルスAcNPV DNAの多角体蛋白質構造
遺伝子部分を、有用物質である蛋白質の構造遺伝子に組
換えた組換えウイルスの、Sf細胞中における増殖方法
及び選択された遺伝子の発現方法が、提案されている
(特開昭60-37988号公報、以下先願と記載する)。
【0014】しかしながら、該先願には前記のSSPE
ウイルスを構成する蛋白質であるSSPE−NPの発現
方法に対して前記の方法を適用することに関しては、何
ら具体的な記載がなされていない。即ち、前記の方法に
よってSSPE−NPを発現させるには、SSPE−N
Pの構造遺伝子のいかなる部分によってAcNPVDN
Aの多角体蛋白質構造遺伝子を組換えるか、それにより
SSPE−NPの産生が可能であるか、更には、蛋白質
が得られた場合、これがMV−NPとしての抗原性を有
するか、そして検体中の抗MV−NP抗体に対して反応
性を有するか、あるいは従来の試験方法と相関性を有し
ているか否か等、不明な点が多々あり、更に多くの研究
が必要であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
実状に鑑みて、本発明の課題は、麻疹を迅速、かつ正確
に診断するために、麻疹ウイルス核蛋白質の抗原性を有
する分子量約60キロダルトンの蛋白質を製造する方
法、及び該蛋白質を抗原とする麻疹診断試薬を提供する
ことにある。
【0016】本発明は、麻疹ウイルスに対する抗体(以
下麻疹ウイルス抗体と記載することがある)測定に使用
し、測定精度、検出感度、再現性に優れた麻疹診断試薬
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体に対して
抗原性を有する蛋白質の有効な製造方法、及び該蛋白質
を抗原として用いる診断試薬を開発すべく鋭意研究を重
ねた。その結果、AcNPVの多角体遺伝子をSSPE
−NP遺伝子によって組換えた組換えウイルスをSf細
胞内で増殖させることにより、本来のSSPE−NPに
極めて類似する分子量約60キロダルトンの蛋白質が産
生されること、及び該蛋白質を抗原としたとき、抗麻疹
ウイルス核蛋白質抗体と特異的に反応することを見いだ
し、本発明を完成した。
【0018】前記課題を解決する本発明の第1の発明
は、亜急性硬化性全脳炎ウイルス(subacute sclerosing
panencephalitis virus) 構造遺伝子領域の核蛋白質を
コードするcDNA断片を挿入した組換えバキュロウイ
ルスを昆虫細胞(Spodoptera frugiperda) に感染させ、
該核蛋白質を該昆虫細胞内に発現させ、該核蛋白質を採
取することを特徴とする麻疹ウイルス核蛋白質の抗原性
を有する蛋白質の製造法、である。
【0019】前記課題を解決する本発明の第2の発明
は、亜急性硬化性全脳炎ウイルス(subacute sclerosing
panencephalitis virus) 構造遺伝子領域の核蛋白質を
コードするcDNA断片を挿入した組換えバキュロウイ
ルスを昆虫細胞(Spodoptera frugiperda) に感染させて
該核蛋白質を該昆虫細胞内に発現させて得られた麻疹ウ
イルス核蛋白質の抗原性を有する蛋白質を、抗原とする
抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体検出試薬、である。
【0020】更に、本発明においては、亜急性硬化性全
脳炎ウイルス構造遺伝子領域の核蛋白質をコードするc
DNA断片が、遺伝子の翻訳開始コドンの5´側上流の
非翻訳領域の12塩基を含むDNA断片であることを、
望ましい態様としてもいる。
【0021】次に本発明について詳述する。本発明にお
いて、SSPE−NPの発現に必要な組換えウイルスの
製造方法は、公知の方法に準じて行われるものであり、
以下に代表的な製造方法を例示するが、以下の方法に限
定されるものではない。
【0022】先ず、公知の方法によりSSPEウイルス
(例えば、山形1株)から、SSPE−NPをコードす
る遺伝子RNAに相補的なDNAを調製し、そのDNA
の翻訳開始コドンの5´側上流の非翻訳領域の12塩基
を含むDNA断片を調製し、得られたDNA断片を、公
知のバキュロウイルス転移ベクター(pAcYM1ベク
ター)〔ジャーナル・オブ・ジェネラル・ウイロロジー
(Journal of GeneralVirology) , 第68巻, 第1233ペー
ジ, 1987年]のクローニング部位に挿入し、組換えベク
ターを作出する。
【0023】次に、得られた組換えベクターを用いてS
SPE−NPの構造遺伝子領域に相当するDNA断片を
AcNPVの多角体蛋白質構造遺伝子の一部と組換える
ことにより組換えウイルスAcSSPENPV1を作出
する。得られた組換えウイルスをSf9細胞に感染さ
せ、該細胞中において組換えられた外来遺伝子を発現さ
せて抗MV−NP抗体に対して抗原性を有する分子量約
60キロダルトンの蛋白質を産生させ、この蛋白質を公
知の方法により採取する。産生させた蛋白質を担体に感
作させ、抗麻疹ウイルス抗体検出試薬を得ることができ
る。
【0024】前記本発明を図2及び図3に基づいて詳述
すれば次のとおりである。図2は、pAcYM1の制限
酵素地図であり、pAcYM1は、約9200塩基であ
り、内部にアンピシリン耐性遺伝子を有し、クローニン
グサイトとしてBamHI及びSmaIサイトが存在す
る。図3は、本発明の組換えウイルスの作出方法の概略
図であり、図中(a)は、SSPEウイルス山形1株蛋
白質をコードする遺伝子の全配列を含むクローンA2
5、(b)は、クローンA25の5´側非翻訳領域の1
2塩基を含む断片、(c)は、トランスファーベクター
pAcYM1、(d)は、pAcYM1にcDNA断片
(b)を挿入した組換えトランスファーベクターpAc
YM1−SSPE−NP、をそれぞれ示す。
【0025】1)AcNPV 本発明において用いられるAcNPVは、バキュロウイ
ルス発現系において一般的に用いられている市販ウイル
スであり、例えば、インビトロジェン社から容易に入手
し得る。また、AcNPVに感染したSf細胞培養液よ
り公知の方法により単離することもできる。
【0026】2)SSPE−NPをコードするDNA SSPEウイルスは、パラミクソウイルス科モルビリウ
イルス属に属するRNA(−)鎖ウイルスであり、その
ウイルス粒子の構成蛋白質のSSPE−NPをコードす
る遺伝子の塩基配列は、本発明の発明者の一人である駒
瀬等により発表されている[ウイルス・ジーンズ(Virus
Genes) ,第 4巻, 第 2号, 第 137ページ, 1990年]。
SSPE−NPをコードするDNAは、公知の方法によ
って取得でき、例えば、山形1株から次の方法により取
得することもできるが、次の方法に限定されるものでは
ない。
【0027】MVに感染したVero細胞の懸濁液を超
遠心分離し、得られた上清をオリゴ(dT)セルロース
を用いたカラムクロマトグラフィーにより処理して、ポ
リアデニル酸(dA)を有するmRNAを回収する。回
収されたmRNAからオカヤマ・バーグ法でcDNAラ
イブラリーを作製する[モレキュラー・アンド・セルラ
ー・バイオロジー(Molecular and Cellular Biology),
第 3巻, 第 280ページ, 1983年]。
【0028】得られたcDNAライブラリーからSSP
E−NPに相当するcDNAをコロニーハイブリダイゼ
ーション法によって選択し、SSPE−NPをコードす
るDNAクローンA25[図3の(a)]を得る[ウイ
ロロジー(Virology),第 160巻, 第48ページ, 1987
年]。得られたクローンA25が約1.7Kbであるこ
と、及びリン酸カルシウム法によりCos7細胞中にお
いてSSPE−NPが産生されることを、抗原認識部位
の異なる6種類のモノクローナル抗体を用いた間接蛍光
抗体法で確認することによって、該cDNAがSSPE
−NPをコードする遺伝子(RNA)に相補的な完全な
DNA配列を有することが確認できる。
【0029】3)cDNAからのDNA断片の切り出し クローンA25を制限酵素XhoIで処理し、翻訳開始
コドンの5´側上流の非翻訳領域の12塩基を含むSS
PE−NPをコードするDNAの断片[図3の(b)]
を得る。
【0030】4)pAcYM1 AcNPVのゲノムDNAは130Kbもあり、そのプ
ロモーターの下流に発現を目的とする遺伝子(例えば、
上記DNA断片)を直接挿入することが不可能である。
従って、本発明においては転移ベクター、pAcYM1
[図2、図3の(c)]を用いる。
【0031】転移ベクタ−pAcYM1は、多角体遺伝
子を含むAcNPVゲノムDNAをEcoRIで切断し
たDNA断片を、アンピシリン耐性を有するプラスミド
pUC8にクローニングした後、プロモーター下流のリ
ーダー配列の全てと、翻訳開始コドン(ATG)のAま
でを残し、多角体蛋白質をコードする全配列を除去した
ものである(図2)。pAcYM1の発現量に関する考
察は、本発明者の一人である松浦等により行われてお
り、pAcYM1は、松浦等の方法により作出すること
ができる[ジャーナル・オブ・ジェネラル・ウイロロジ
ー(Journal of General Virology) ,第68巻,第1233ペ
ージ,1987年]。
【0032】5)pAcYM1へのDNAの挿入、及び
確認 pAcYM1のクローニング部位に存在する制限酵素切
断部位(図2参照)を、公知の方法で切断する。本発明
においては、制限酵素SmaIを用いて切断し、その多
角体プロモーターに関して上記DNA断片をその読みと
り方向に配向して挿入して組換えベクターを作製する
[図3の(d)]。
【0033】この挿入部位と、挿入されたDNA断片の
配向とが正しく挿入されたことを公知の方法で確認す
る。例えば、該組換えベクターの懸濁液を任意の制限酵
素で切断した後、アガロースゲル電気泳動にかけ、エチ
ジウムブロマイドで染色する。使用した制限酵素により
それぞれの断片の分子量は塩基配列(挿入部位と挿入方
向とが正しい場合の)から予想できるので、予想される
各位置に各バンドが出現するか否かを確認すればよい。
【0034】かくして、得られたアンピシリン耐性組換
えベクターは、アンピシリン含有LB培地(バクト社
製)に接種し、37℃で12〜24時間振とう培養する
ことによって量産することができる。得られた組換えベ
クターは、前記と同様の方法で、再度挿入部位と挿入の
方向とを確認することが望ましい。前記の方法は、挿入
と、確認の方法の例示であり、前記の方法に限定される
ものではない。
【0035】6)組換えウイルスの取得 かくして得られた組換えベクターpAcYM1−SSP
E−NP[図3の(d)]と、AcNPVの多角体蛋白
質構造遺伝子の一部とを、Sf9細胞内で相同組換えに
よって組換えて、組換えウイルスAcSSPENPV1
が得られる。ここで使用されるpAcYM1ベクター
は、そのクローニングサイトの両側において、AcNP
VのゲノムDNAと同一の塩基配列を有しているので、
相同組換えウイルスを作出することができる。
【0036】AcNPVのDNAと、前記の組換えベク
ター液とを、リン酸カルシウム法を用いてSf9細胞に
コトランスフェクションし、組換えベクターとAcNP
VのDNAとの間で対立遺伝子を置き換えることにより
多角体蛋白質構造遺伝子の一部がSSPE−NPの遺伝
子に相補的なDNAの配列の一部で置換された組換えウ
イルスAcSSPENPV1を取得することができる。
具体的な方法を例示すれば、次のとおりである。
【0037】1mMリン酸水素ナトリウム、5mM塩化
カリウム、140mM塩化ナトリウム、及び10mMグ
ルコースを含む20mMのHEPES緩衝液(pH7.
05)とAcNPVのDNA液及び組換えプラスミドD
NA液を混合し、該混合液をSf9細胞懸濁液に添加し
てコトランスフェクションを行う。ここで得られたSf
9細胞は、組換えウイルスAcSSPENPV1及び/
又はAcNPVを含む細胞の混合物である。コトランス
フェクション後、組換えウイルスを含む反応液は、27
℃で4〜5日間培養し、培養液を回収して遠心分離し、
その上清から組換えウイルスを公知の方法(望ましくは
プラークアッセイ法)で選択する。
【0038】コトランスフェクションして得られた培養
上清の遠心上清を適当な倍率で希釈し、該ウイルス希釈
液とSf9細胞とを混合し、室温で1時間感染させる。
その後、寒天培地を重層し、27℃で3〜4日間培養
し、ニュートラルレッドを加えて細胞を鏡検し、プラー
クの特徴により組換えウイルスの存否を確認する。尚、
組換えウイルスは多角体を産生しないので透明なプラー
クを形成し、一方、非組換えウイルスは、多角体を産生
するので透明な白色のプラークを形成する。組換えウイ
ルスの存在するプラークを回収し、更に純化するために
プラークアッセイを反復し、純粋な組換えウイルスを得
ることができる。
【0039】7)Sf細胞 前記組換えウイルスの取得及び該ウイルスの遺伝子の発
現(後記)に用いられるSf細胞は、その中でAcNP
Vが増殖できるSf細胞であればいかなる細胞であって
もよい。このようなSf細胞として、Sf9、Sf21
AE等の株化細胞が知られており、Sf9細胞は、AT
CC(American Type Culture Collection)からATCC
CRL1711として容易に入手できる。また、Sf
細胞の培養条件は公知であるが、例えば、27℃、pH
6.1であり、使用培地としては仔ウシ血清を10%添
加したTC−100培地(シグマ社製)が例示できる
が、培養条件及び培地は前記のものに限定されない。
【0040】8)SSPE−NP遺伝子の発現 得られた組換えウイルスAcSSPENPV1を、Sf
9細胞に感染させ、増殖させることにより、SSPE−
NP遺伝子が発現される。組換えウイルスのSf9細胞
への感染方法は公知の方法であってもよい。一典型例で
は、準備したSf細胞の培養液を容器に入れ、該細胞を
容器の底面に付着させ、細胞が剥がれないように培養液
を除去し、付着した細胞に組換えウイルス懸濁液を滴下
する。
【0041】感染させたSf9細胞を27℃で3〜4日
間培養して、組換えウイルスAcSSPENPV1を増
殖させる。培養後の培養液中には組換えウイルスが含ま
れているので、その培養上清は、組換えウイルス液とし
て使用できる。一方、組換えウイルスに感染したSf9
細胞は、ラバーポリスマンで培養容器底面から剥離し、
遠心分離し、細胞を沈澱させて回収する。得られた細胞
は、後述の蛋白質の産生の確認、抗原性の確認及び細胞
中における該蛋白質の部分精製に用いることができる。
【0042】9)蛋白質の部分精製 産生させた蛋白質を担体に感作させる場合には、細胞中
に存在する他の不溶性蛋白質を除去することが望まし
い。例えば、組換えウイルスに感染したSf9細胞の懸
濁液に28kHzの超音波を5分間照射し、次に、遠心
分離によって上清を回収することによって行うことがで
きる。
【0043】10)SSPE−NPの担体への感作 得られた蛋白質は、物理的吸着法又は化学的結合(共有
結合)法により、担体の表面に結合させる。これらの感
作方法は当該技術分野における公知の方法により実施す
ることができる。担体には、合成樹脂ラテックス、赤血
球、マイクロタイトレーションプレート、メンブレンフ
ィルター等が用いられるが、これらに限定されない。以
上のようにして、抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体検出試薬
が得られる。
【0044】次に、試験例を示して本発明を詳述する。 (試験例1) 1.SSPE−NP遺伝子由来のDNAの取得 SSPE山形1株に感染したVero細胞のmRNAか
ら逆転写酵素を用いて作製したcDNAライブラリー
[ウイルス・ジーンズ(Virus Genes) ,第 5巻,第 1号,
第 5ページ, 1991年]から、麻疹ウイルスNP遺伝子
をプローブとしてクロスハイブリダイゼーションにより
スクリーニングを行い、SSPE−NP遺伝子に相補的
なcDNAのクローンを得た。該クローンは、約1.7
Kbのサイズであり、リン酸カルシウム法[ウイロロジ
ー(Virology),第52巻,第 456ページ, 1973年]を用い
たトランスフェクションにより、Cos7細胞中におい
て蛋白質を産生した。該蛋白質は、抗原認識部位の異な
る6種類のモノクローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法
でその反応性を確認した。
【0045】該cDNAの核酸塩基配列をデオキシ法
[プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステ
ーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National A
cademy of Sciences of the United States of Americ
a) , 第74巻, 第5463ページ, 1977年]により決定し、
アミノ酸配列を推定した。これらの結果は、図1(配列
表の配列番号1)及び図6(配列表の配列番号2)に示
すとおりである。
【0046】図1は、SSPEウイルス山形1株のNP
遺伝子に相補的なDNAの塩基配列を示す。NPのコー
ド領域は、図1の53のATGから1628のTAGま
でであり、開始コドンと終止コドンを、それぞれ、アン
ダーラインを付して表示してある。図6は、図1に示す
SSPEウイルス山形1株のNP遺伝子に相補的なDN
Aの塩基配列から推定されるアミノ酸配列を示す。図1
及び図6から明らかなように、該クロ−ンのcDNA
は、1683塩基からなり、525のアミノ酸をコード
しているものと推定される。本発明者らは、このクロー
ンをA25と命名した。
【0047】2.組換えウイルスの作出 オカヤマ・バーグ・ベクター[モレキュラー・アンド・
セルラー・バイオロジー (Molecular and Cellular Bio
logy) , 第 3巻, 第 280ページ, 1983年]から制限酵素
XhoI処理により分離したSSPE−NP遺伝子と相
補的なDNAの翻訳開始コドンの5´側非翻訳領域の1
2塩基を含む断片を制限酵素処理、及びライゲーション
処理により図2に示すpAcYM1ベクターに挿入し、
組換えベクターpAcYM1−SSPE−NPを作出し
た。得られた組換えベクターとAcNPVのDNAとを
Sf9細胞内でリン酸カルシウム法によりコトランスフ
ェクトし、相同組換えを行った。
【0048】得られた組換えウイルスのクローンのう
ち、図3には、クローン、AcSSPENPV1、Ac
SSPENPV2、AcSSPENPV3、及びAcS
SPENPV4が示されている。これらの内、発現させ
た蛋白質が抗モルビリウイルス核蛋白質モノクローナル
抗体に対して良好な反応性を示したクローンはAcSS
PENPV1であった。
【0049】図2は、バキュロウイルス転移ベクターp
AcYM1の制限酵素地図である。該ベクターは、約
9.2Kbであり、アンピシリン耐性遺伝子及び多角体
プロモーターを含んでいる。
【0050】図3は、組換えウイルスの作出手順を示
す。図中(a)、(b)、(c)、及び(d)は、それ
ぞれ、SSPEウイルス山形1株感染Vero細胞を用
いて作出したcDNAのクローンA25、該クローンの
SSPE−NP遺伝子に相補的なDNA配列から翻訳開
始コドンの5´側非翻訳領域の12塩基対を含むSSP
E−NPをコードするDNA断片、バキュロウイルス転
移ベクターpAcYM1、及び(c)に(d)を挿入し
た組換え転移ベクターpAcYM1−SSPE−NPを
示す。
【0051】3.蛋白質の製造 前記1で得られたウイルスを含む液(5×107 pfu
/ml)6mlを、3×107 個のSf9細胞に加え、
室温で1時間感染させた後、27℃で3〜4日培養し、
培養物を回収して遠心分離し(1000rpm、5分
間)、沈澱物を無血清TC−100培地で洗浄し、pH
9.6の炭酸緩衝液1mlに懸濁する。次いで、該懸濁
液に28KHzの超音波を5分間照射して細胞を破壊
し、遠心分離し(15000rpmで15分間)、上清
の蛋白質含量をBCAプロテインアッセイキット(ピア
ス社製)により測定した結果、約1mgであった。La
emmliの方法[ネイチャー(Nature),第 227巻, 第
680ページ, 1970年]により、該上清に処理液500μ
lを添加して懸濁し、煮沸し、SDS−PAGEの試料
とした。
【0052】SDS−PAGEの結果、試料中にはSS
PE−NPのアミノ酸配列から予想される分子量に相当
する約60Kdの位置に、図4に示すようなバンドが検
出された。図4は、Sf9細胞懸濁液のSDS−PAG
E及びウエスタンブロット像である。図4において、レ
ーン1は、組換えウイルス感染Sf9細胞、レーン2
は、AcNPV感染Sf9細胞、レーン3は、ウイルス
非感染Sf9細胞のSDS−PAGE像である。
【0053】一次抗体として、杉山等の方法により調製
した抗モルビリウイルス−NPモノクローナル抗体[ジ
ャーナル・オブ・ジェネラル・ウイロロジー(Journal o
f General Virology) , 第70巻, 第2605ページ, 1989
年]を1000倍に希釈し、二次抗体としてHRP標識
抗マウスIgG抗体(カペル社製)を1000倍に希釈
したウエスタンブロット試験により、60Kdの蛋白質
が少なくともSSPE−NPあるいはMV−NP類似の
抗原性を有する蛋白質であることが、図4のレーン4に
示すとおり確認された。
【0054】尚、図4のレーン1及びレーン4は、組換
えウイルスAcSSPENPV1に感染したSf9細胞
の遠心上清を、図4のレーン2及びレーン5は、対照の
AcNPV感染Sf9細胞の遠心上清を、図4のレーン
3及びレ−ン6は、ウイルス非感染細胞の遠心上清を、
それぞれ、SDS−PAGE及びウエスタンブロットで
解析したものであり、SSPE−Ya−NP及びポリヘ
ドリンの泳動位置を矢印で示し、図の左側にマーカー蛋
白質の分子量を示した。
【0055】(試験例2)過去に麻疹に感染した経歴を
有する健常人血清9例について、本発明の試薬による試
験を行った。実施例2と同一の方法により製造した本発
明の試薬を用い、次のように酵素免疫法により麻疹に感
染した経歴を有する健常人血清との反応性を試験した。
【0056】実施例2で作製したマイクロタイトレーシ
ョンプレートの各ウエルに、実施例2の希釈液で希釈し
た検体溶液を0.1ml加え、37℃で反応させ、反応
終了後、実施例2の洗浄液で3回洗浄し、次いで、実施
例2の2次抗体溶液を添加し、37℃で反応させた。反
応終了後、洗浄液で6回洗浄し、実施例2の酵素基質溶
液を添加し、室温で15分間反応させ、最後に実施例2
の反応停止溶液を添加し、492nmにおける吸光度を
マイクロプレートリーダー(バイオラッド社製)で測定
し、次のように測定値を算出して試験した。
【0057】即ち、組換えウイルスに感染した細胞破砕
物の遠心上清を固層化したウエルの吸光度(表1のN
P)から、野生型ウイルスに感染した細胞破砕物の遠心
上清を固層化したウエルの吸光度(表1の対照)を引い
た値を測定値とした。
【0058】また、対照として通常のウサギ血清、麻疹
ウイルスと同じ属に属する牛疫ウイルスのみに特異的に
反応するモノクローナル抗体[ジャーナル・オブ・ジェ
ネラル・ウイロロジー(Journal of General Virology)
, 第70巻,第2605ページ, 1989年]及び希釈液も同様
に試験した.尚、各検体について、従来法による赤血球
凝集抑制試験法、補体結合試験法、ウイルス中和試験
法、ウイルス粒子を抗原とする酵素免疫測定試験法でも
測定を行った。
【0059】この試験の結果は、表1に示したとおりで
ある。表1から明らかなように、本発明のSSPE−N
Pは、すべての検体に対して反応し、ウサギ通常血清、
抗牛疫ウイルスモノクロナール抗体および検体希釈液と
はまったく反応しなかった。また、対照では、すべての
検体において反応性は認められなかった。
【0060】更に、本発明の試薬を用いた値と従来法と
の相関を相関係数で表示すれば、赤血球凝集抑制試験法
とは0.55、補体結合試験法とは0.92、ウイルス
中和試験法とは0.64、ウイルス粒子を抗原とする酵
素免疫測定試験法とは0.80であり、本発明の試薬
は、従来法と良好な相関性を有することが判明した。し
かも、試験のために必要とする血清が極めて少量であ
り、数時間で測定が可能であり、本発明の試薬は麻疹感
染の診断及びワクチン接種効果を判定可能である試薬で
あることが明らかとなった。
【0061】
【表1】
【0062】(試験例3)試験例2の検体1〜9につい
て、各6回、試験例2と同一の方法を反復して同時再現
性を試験し、吸光度の分布、平均値、標準偏差及び変動
係数を求めた。その結果は、表2に示すとおりであり、
全検体において、標準偏差及び変動係数が小さい値であ
り、本発明の試薬による試験は、極めて良好な同時再現
性が得られた。
【0063】
【表2】
【0064】(試験例4)試験例2の検体1〜9につい
て、1週間後に、試験例2と同一の方法により日差再現
性を試験した。その結果は、表3に示すとおりであり、
試験日の間の相関係数が0.99であり、本発明の試薬
による試験は、極めて良好な日差再現性が得られた。前
記試験例2、試験例3及びこの試験の結果から、本発明
の試薬は、検体の抗麻疹ウイルスNP抗体を再現性よく
検出することが可能であり、従来法との相関性も極めて
良好であることが判明した。
【0065】
【表3】
【0066】(試験例5)この試験は、本発明の試薬に
より検体の抗麻疹ウイルスNP抗体を検出する可能性を
調べるために行った。試験例1と同一の検体1〜9につ
いて、次の方法により試験した。
【0067】実施例2の希釈液で希釈した検体溶液を、
実施例3で作製したメンブレン上に滴下し、37℃で反
応させ、反応終了後、メンブレンを実施例3の洗浄液で
3回洗浄し、メンブレンを実施例2の2次抗体溶液中に
浸漬し、37℃で1時間反応させた。反応終了後、メン
ブレンを洗浄液で洗浄し、実施例3の酵素基質溶液中に
浸漬し、特異的な発色が現れるまで反応させた。
【0068】検体番号1の試験結果を、図5に例示し
た。図5は、Sf9細胞懸濁液とヒト血清とのイムノブ
ロット像であり、図中の(a)は、組換えウイルスAc
SSPENV1に感染したSf9細胞の懸濁液、(b)
は、AcNPVに感染したSf9細胞の懸濁液であり、
左上、左下、右上及び右下は、それぞれ、250倍、5
00倍、1000倍及び2000倍の検体希釈倍率を示
す。
【0069】組換えウイルスに感染した細胞破砕物の遠
心上清を吸着させたメンブレン[図5(a)]におい
て、検体の濃度に依存した特異的なブロット像が観察さ
れた。これに対して、野生型ウイルスAcNPVに感染
した細胞破砕物の遠心上清を吸着させたメンブレン[図
5(b)]では、ブロット像は認められなかった。他の
すべての検体について、前記と検体番号1の検体と同様
な結果が得られた。また、対照として試験例2で用いた
通常のウサギ血清、抗牛疫ウイルスモノクローナル抗
体、及び希釈液を試験した時には、特異的な発色は全く
認められなかった。尚、試験終了後のメンブレンは、長
期間の保存が可能である.
【0070】
【実施例】以下に本発明の実施例を示して、本発明を更
に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。また、以下の実施例は、実用可能な量産方
法である。
【0071】実施例1 (1)SSPE−NP遺伝子由来のDNAの取得 SSPEウイルス山形1株に感染したVero細胞のm
RNAより作成したcDNAライブラリー[ウイルス・
ジーンズ(Virus Genes) , 第 5巻, 第 1号, 第5ページ,
1991年]から、麻疹ウイルスNP遺伝子をプローブと
して公知の方法でクロスハイブリダイゼーションを行
い、クローンを得た。
【0072】(2)組換えウイルスの作出 オカヤマ・バーグ・ベクター[モレキュラー・アンド・
セルラー・バイオロジー(Molecular and Cellular Biol
ogy), 第 3巻, 第 280ページ, 1983年]から制限酵素X
hoI処理により分離したSSPE−NP遺伝子と相補
的なDNAの翻訳開始コドンの5´側非翻訳領域の12
塩基を含む断片を制限酵素処理、及びライゲーション処
理により図2に示すpAcYM1ベクターに挿入し、組
換えベクターpAcYM1−SSPE−NPを作出し
た。得られた組換えベクターとAcNPVのDNAとを
Sf9細胞内でリン酸カルシウム法によりコトランスフ
ェクトし、相同組換えを行った。得られたクローンのう
ち、抗モルビリウイルス−NPモノクローナル抗体に対
して良好な反応性を示したクローンAcSSPENPV
1を得た。
【0073】(3)蛋白質の製造 前記2で得た組換えウイルス液(5×107 pfu/m
l)6mlを、3×107 個のSf9細胞に加え、室温
で1時間感染させた後、27℃で3〜4日間培養し、培
養物を回収して遠心分離し(1000rpmで5分
間)、沈澱したウイルス感染細胞を無血清TC−100
培地(シグマ社製)で洗浄し、炭酸緩衝液1mlに懸濁
し、超音波処理により細胞を破壊し、遠心分離し(15
000rpmで15分間)、麻疹ウイルス核蛋白質の抗
原性を有する蛋白質を含有する上清を得た。
【0074】実施例2 (1)SSPE−NPを固層化したマイクロタイトレー
ションプレートの作製 実施例1で得られた組換えウイルスAcSSPENPV
1に感染した細胞破砕物の遠心上清を、炭酸緩衝液(p
H9.6)で3μg/mlに希釈し、この溶液を96ウ
エルのマイクロタイトレーションプレート(ヌンク社
製)の各ウエルに加え、4℃にて一晩放置し、ウエル内
部の液を除去し、Tween−20(バイオラッド社
製)を添加したPBS緩衝液(以後洗浄液と記載する)
でウエル内部を満たした後、除去してウエル内部を洗浄
した。次いで、ゼラチン(メルク社製)を添加したPB
S緩衝液を各ウエルに分注し、37℃で反応させ、反応
終了後、各ウエルを前記と同様の方法で洗浄し、SSP
E−NPを固層化した本発明の試薬(マイクロタイトレ
ーションプレート)を作製した。
【0075】(2)2次抗体溶液の作製 パーオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体(カペル社製)
を、Tween−20及びウシ血清アルブミンを添加し
たPBS緩衝液(以後希釈液と記載する)で1000倍
に希釈して2次抗体液とした。
【0076】(3)酵素基質溶液の作製 オルトフェニレンジアミン(シグマ社製)20mgを過
ホウ酸ナトリウム含有リン酸クエン酸緩衝液(シグマ社
製)50mlに溶解し、酵素基質溶液とした。
【0077】(4)反応停止溶液の作製 硫酸を2Mの濃度に調整し、反応停止溶液を調製した。
尚、前記(2)〜(4)は、本発明の試薬により試験を
実施するための付属的試薬である。
【0078】実施例3 (1)SSPE−NPを吸着したメンブレンフィルター
の作製 実施例1で得られた組換えウイルスAcSSPENPV
1に感染した細胞破砕物の遠心上清を、炭酸緩衝液(p
H9.6)で、300μg/mlに希釈し、この溶液を
ポリビニリデンジフルオライドメンブレン(ミリポア社
製)上に滴下し、37℃で静置した後、ウシ血清アルブ
ミンを添加したPBS緩衝液(以後洗浄液と記載する)
に浸漬させ、室温で5分間振盪した。この操作を計3回
反復し、SSPE−NPを吸着した本発明の試薬(メン
ブレンフィルター)を作製した.
【0079】(2)2次抗体溶液の作製 パーオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体(カペル社製)
を、Tween−20及びウシ血清アルブミンを添加し
たPBS緩衝液(以後希釈液と記載する)で1000倍
に希釈して2次抗体液とした。
【0080】(3)酵素基質溶液の作製 3−アミノ−9−エチルカルバゾール(シグマ社製)2
0mgを、ジメチルホルムアミド(シグマ社製)2.5
ml、酢酸緩衝液(PH5.0)47.5ml及び過酸
化水素水25μlに溶解し、0.22μmのフィルター
(ミリポア社製)で濾過し、酵素基質溶液とした。尚、
前記(2)及び(3)は、本発明の試薬により試験を実
施するための付属的試薬である。
【0081】
【発明の効果】本発明によって奏せられる効果は次のと
おりである。 (1)抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体に対して強い抗原性
を有する蛋白質、及び該蛋白質で適切な担体を感作した
麻疹診断試薬を量産、提供できる。
【0082】(2)本発明の麻疹診断試薬は、熟練技術
者を必要とすることなく、少量の検体で麻疹感染の有
無、及びワクチン接種時期とその効果の判定を簡便、迅
速に行うことができるので、利用価値が極めて大きい。 (以下余白)
【0083】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1,683 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:mRNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No フラグメント型:全フラグメント 起源 生物名:亜急性硬化性全脳炎ウイルス (subacute scler
osing encephalitisvirus) 株名:山形1株 セルライン:Vero細胞 直接の起源 クロ−ン名:A25 配列の特徴 特徴を表す記号:mRNA 存在位置:53..1628 特徴を決定した方法:E(塩基配列決定方法はM−13
−ジデオキシ法) 他の情報:亜急性硬化性全脳炎(以下SSPEと記載す
る)ウイルスと同一のパラミクソウイルス科モルビリウ
イルス属である牛疫ウイルスのL株(以下RPVと記載
する)、及びイヌジステンパーウイルスのオンデルシュ
テボート株(以下CDVと記載する)のNP遺伝子とS
SPEウイルス−NPの塩基配列を比較した。RPV−
NP及びCDV−NPとの比較では、それぞれ67%及
び77%の遺伝子が保存されていた。 配列 AGGATTCAAG ATACTATTAT CAGGGACAAG AGCAGGATTC GGGATATCCG AG ATG 55 GCC ACG CTT TTA AGG AGC TTA GCA TTG TTC AAA AGA AAC AAG GAC AAA 103 CCA CCC ATT ACA TCA GGA TCC GGT GGA GCC ATC AGA GGA ATC AAA CAC 151 ATT ATT ATA GTA CCA ATC CCT GGA GAC TCC TCA ATT ACT ACT CGA TCC 199 AGA CTT CTG GAC CGG TTG GTC AGG TTA ATT GGA AAC CCG GAT GTG AGC 247 GGG CCC AAA CTA ACA GGG GCA CTA ATA GGT ATA TTA TCC TTA TTT GTG 295 GAG TCT CCA GGT CAA TTG ATT CAG AGA ATC ACC GAT GAC CCT GAC GTT 343 AGC ATA AGG CTG TTA GAG GTT GTC CAG AGT GAC CAG TCA CAA TCT GGC 391 CTT ACC TTC GCA TCA AGA GGT ACC AAC ATG GAG GAT GAG GCG GAC CAA 439 TAC TTT TCA CAT GAT GAT CCA AGT AGT AGT GAT CAA CCC AGG TTC GGA 487 TGG TTC GAG AAC AAG GAA ATC TCA GAT ATT GAA GTG CAA GAC CCG GAG 535 GGA TTC AAC ATG ATT CTG GGT ACC ATC CTA GCC CAA ATT TGG GTC TTG 583 CTC GCA AAG GCG GTT ACG GCC CCA GAC ACG GCA GCT GAT TCG GAG CTA 631 AGA AGG TGG ATA AAG TAC ACC CAA CAA AGA AGA GTA GTT GGT GAA TTT 679 AGA TTG GAG AGA AAA TGG TTG GAT GTG GTG AGG AAC AGG ATT GCC GAG 727 GAC CTC TCC TTA CGC CGA TTC ATG GTC GCT CTA ATC CAG GAT ATC AAG 775 AGA ACA CCG GGA AAC AAA CCC AGG ATT GCT GAA ATG ATA TGT GAC ATT 823 GAT ACA TAT ATC GTA GAG GCA GGA TTA GCC AGT TTT ATC CTG ACT ATT 871 AAG TTT GGG ATA GAA ACT ATG TAT CCT GCT CTT GGA TTG CAT GAA TTT 919 GCT GGT GAG TTA TCC ACA CTT GAG TCC TTG ATG AAT CTT TAC CAG CAA 967 ATG GGG GAA ACT GCA CCC TAC ATG GTA ATC CTG GAG AAC TCA ATT CAG 1015 AAC AAG TTC AGT GCA GGA TCA TAC CCT CTG CTC TGG AGC TAT GCT ATG 1063 GGA GTA GGA GTT GAA CTT GAA AAC TCC ATG GGA GGT TTG AAC TTT GGC 1111 CGA TCT TAC TTT GAT CCA GCA TAT TTT AGA TTA GGG CAA GAG ATG GTA 1159 AGG AGG TCA GCT GGA AAG GTC AGC TCC ACA TTG GCA TCT GAA CTC GGT 1207 ATC ACT GCC GAG GAT GCA AGG CTT GTT TCA GAG ATT GCA ATG CAT ACT 1255 ACT GAG GAC AGG ATC AGT AGA GCG GTT GGA CCC AGA CAA GCC CAA GTG 1303 TCA TTT CTA CAC GGT GAT CAA AGT GAA AAT GAG CTA CCG AGA TGG GAG 1351 GGC AAG GAA GAT ATG AGG GTC AAA CAG AGT CGA GGA GAA GCC AGG GAG 1399 AGC TAC AGA GAA ACC GGG CCC AGT AGA GCA AGT GAT GCG AGA GCT GCC 1447 CAT CTT CCA ACC GAC ACA CCC CTA GAC ATT GAC ACT GCA TCG GAG CCC 1495 AGC CAA GAT CCG CAG GAC AGT CGA AGG TCA GCT GAA GCT CTG CTC AGG 1543 CTT CAA GCC ATG GCA GGA ATC TCG GAA GAA CAA GGC TCA GAC ACG GAC 1591 ACC CCT AGA GTG TAC AAT GAC AGA GAT CTT CTA GAA TAG GTGCGAGAGG 1640 CCGAGGACCA GAACACCATC CGCCTACCCT CCATCATTGT TAT 1683
【0084】配列番号:2 配列の長さ:525 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ala Thr Leu Leu Arg Ser Leu Ala Leu Phe Lys Arg Asn Lys Asp 1 5 10 15 Lys Pro Pro Ile Thr Ser Gly Ser Gly Gly Ala Ile Arg Gly Ile Lys 20 25 30 His Ile Ile Ile Val Pro Ile Pro Gly Asp Ser Ser Ile Thr Thr Arg 35 40 45 Ser Arg Leu Leu Asp Arg Leu Val Arg Leu Ile Gly Asn Pro Asp Val 50 55 60 Ser Gly Pro Lys Leu Thr Gly Ala Leu Ile Gly Ile Leu Ser Leu Phe 65 70 75 80 Val Glu Ser Pro Gly Gln Leu Ile Gln Arg Ile Thr Asp Asp Pro Asp 85 90 95 Val Ser Ile Arg Leu Leu Glu Val Val Gln Ser Asp Gln Ser Gln Ser 100 105 110 Gly Leu Thr Phe Ala Ser Arg Gly Thr Asn Met Glu Asp Glu Ala Asp 115 120 125 Gln Tyr Phe Ser His Asp Asp Pro Ser Ser Ser Asp Gln Pro Arg Phe 130 135 140 Gly Trp Phe Glu Asn Lys Glu Ile Ser Asp Ile Glu Val Gln Asp Pro 145 150 155 160 Glu Gly Phe Asn Met Ile Leu Gly Thr Ile Leu Ala Gln Ile Trp Val 165 170 175 Leu Leu Ala Lys Ala Val Thr Ala Pro Asp Thr Ala Ala Asp Ser Glu 180 185 190 Leu Arg Arg Trp Ile Lys Tyr Thr Gln Gln Arg Arg Val Val Gly Glu 195 200 205 Phe Arg Leu Glu Arg Lys Trp Leu Asp Val Val Arg Asn Arg Ile Ala 210 215 220 Glu Asp Leu Ser Leu Arg Arg Phe Met Val Ala Leu Ile Gln Asp Ile 225 230 235 240 Lys Arg Thr Pro Gly Asn Lys Pro Arg Ile Ala Glu Met Ile Cys Asp 245 250 255 Ile Asp Thr Tyr Ile Val Glu Ala Gly Leu Ala Ser Phe Ile Leu Thr 260 265 270 Ile Lys Phe Gly Ile Glu Thr Met Tyr Pro Ala Leu Gly Leu His Glu 275 280 285 Phe Ala Gly Glu Leu Ser Thr Leu Glu Ser Leu Met Asn Leu Tyr Gln 290 295 300 Gln Met Gly Glu Thr Ala Pro Tyr Met Val Ile Leu Glu Asn Ser Ile 305 310 315 320 Gln Asn Lys Phe Ser Ala Gly Ser Tyr Pro Leu Leu Trp Ser Tyr Ala 325 330 335 Met Gly Val Gly Val Glu Leu Glu Asn Ser Met Gly Gly Leu Asn Phe 340 345 350 Gly Arg Ser Tyr Phe Asp Pro Ala Tyr Phe Arg Leu Gly Gln Glu Met 355 360 365 Val Arg Arg Ser Ala Gly Lys Val Ser Ser Thr Leu Ala Ser Glu Leu 370 375 380 Gly Ile Thr Ala Glu Asp Ala Arg Leu Val Ser Glu Ile Ala Met His 385 390 395 400 Thr Thr Glu Asp Arg Ile Ser Arg Ala Val Gly Pro Arg Gln Ala Gln 405 410 415 Val Ser Phe Leu His Gly Asp Gln Ser Glu Asn Glu Leu Pro Arg Trp 420 425 430 Glu Gly Lys Glu Asp Met Arg Val Lys Gln Ser Arg Gly Glu Ala Arg 435 440 445 Glu Ser Tyr Arg Glu Thr Gly Pro Ser Arg Ala Ser Asp Ala Arg Ala 450 455 460 Ala His Leu Pro Thr Asp Thr Pro Leu Asp Ile Asp Thr Ala Ser Glu 465 470 475 480 Pro Ser Gln Asp Pro Gln Asp Ser Arg Arg Ser Ala Glu Ala Leu Leu 485 490 495 Arg Leu Gln Ala Met Ala Gly Ile Ser Glu Glu Gln Gly Ser Asp Thr 500 505 510 Asp Thr Pro Arg Val Tyr Asn Asp Arg Asp Leu Leu Glu 515 520 525
【図面の簡単な説明】
【図1】SSPE−NP遺伝子に相補的なDNAの塩基
配列を示す。
【図2】pAcYM1ベクタ−の制限酵素地図である。
【図3】組換えウイルス作出方法の概略を示す。
【図4】Sf9細胞内でのSSPE−NPの発現を示す
SDS−PAGE及びウエスタンブロット像である。
【図5】発現させたSSPE−NPとヒト血清との反応
性を示すイムノブロット像である。
【図6】図1のSSPE−NP遺伝子に相補的なDNA
の塩基配列から推定されるアミノ酸配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C 8214−4B G01N 33/53 D 8310−2J 33/569 L 9015−2J //(C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜急性硬化性全脳炎ウイルス(subacute
    sclerosing panencephalitis virus) 構造遺伝子領域の
    核蛋白質をコードするcDNA断片を挿入した組換えバ
    キュロウイルスを昆虫細胞(Spodoptera frugiperda) に
    感染させ、該核蛋白質を該昆虫細胞内に発現させ、該核
    蛋白質を採取することを特徴とする麻疹ウイルス核蛋白
    質の抗原性を有する蛋白質の製造法。
  2. 【請求項2】 亜急性硬化性全脳炎ウイルス構造遺伝子
    領域の核蛋白質をコードするcDNA断片が、遺伝子の
    翻訳開始コドンの5´側上流の非翻訳領域の12塩基を
    含むDNA断片である請求項1に記載の麻疹ウイルス核
    蛋白質の抗原性を有する蛋白質の製造法。
  3. 【請求項3】 亜急性硬化性全脳炎ウイルス(subacute
    sclerosing panencephalitis virus) 構造遺伝子領域の
    核蛋白質をコードするcDNA断片を挿入した組換えバ
    キュロウイルスを昆虫細胞(Spodoptera frugiperda) に
    感染させて該核蛋白質を該昆虫細胞内に発現させて得ら
    れた麻疹ウイルス核蛋白質の抗原性を有する蛋白質を、
    抗原とする抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体検出試薬。
  4. 【請求項4】 亜急性硬化性全脳炎ウイルス構造遺伝子
    領域の核蛋白質をコードするcDNA断片が、遺伝子の
    翻訳開始コドンの5´側上流の非翻訳領域の12塩基を
    含むDNA断片である請求項3に記載の抗麻疹ウイルス
    核蛋白質抗体検出試薬。
JP35240392A 1992-12-11 1992-12-11 麻疹ウイルス核蛋白質の抗原性を有する蛋白質の製造 法及び抗麻疹ウイルス核蛋白質抗体の検出試薬 Pending JPH06172214A (ja)

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