JPH0617031A - 摩擦材 - Google Patents
摩擦材Info
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- JPH0617031A JPH0617031A JP17353392A JP17353392A JPH0617031A JP H0617031 A JPH0617031 A JP H0617031A JP 17353392 A JP17353392 A JP 17353392A JP 17353392 A JP17353392 A JP 17353392A JP H0617031 A JPH0617031 A JP H0617031A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 グラファイトの添加により耐摩耗性の向上を
図りつつ、摩擦係数を低下させるというグラファイトの
欠点を解消する。 【構成】 中心粒径1〜15μm、モース硬度6以上の
無機物粉末と、該無機物粉末の表面に被着されたグラフ
ァイトとを有する粒状減摩材が、摩擦材全体に3〜20
重量%含有されている。潤滑性に優れたグラファイトは
耐摩耗性の向上に貢献する。相手材表面に形成され、摩
擦係数を低下させるグラファイト被膜は、近接して存在
する無機物粉末により即座にかつ確実に除去される。
図りつつ、摩擦係数を低下させるというグラファイトの
欠点を解消する。 【構成】 中心粒径1〜15μm、モース硬度6以上の
無機物粉末と、該無機物粉末の表面に被着されたグラフ
ァイトとを有する粒状減摩材が、摩擦材全体に3〜20
重量%含有されている。潤滑性に優れたグラファイトは
耐摩耗性の向上に貢献する。相手材表面に形成され、摩
擦係数を低下させるグラファイト被膜は、近接して存在
する無機物粉末により即座にかつ確実に除去される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、産業用車両な
どのブレーキ、クラッチフェーシングに使用される摩擦
材に関する。
どのブレーキ、クラッチフェーシングに使用される摩擦
材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用のブレーキパッド等に使用
される摩擦材としては、摩擦係数が高くて制動力が大き
いこと、摩擦係数が安定していて制動力が安定している
こと、耐摩耗性が良好であること、相手攻撃性が小さい
こと、水や油等に侵されず材料強度が大きいことなどの
特性が求められている。
される摩擦材としては、摩擦係数が高くて制動力が大き
いこと、摩擦係数が安定していて制動力が安定している
こと、耐摩耗性が良好であること、相手攻撃性が小さい
こと、水や油等に侵されず材料強度が大きいことなどの
特性が求められている。
【0003】上記特性を比較的満足させる摩擦材とし
て、繊維基材、結合剤、固体潤滑剤や有機物、無機物の
添加剤とから構成されたものが一般的に使用されてい
る。そして、これらの摩擦材には、潤滑性に優れ、耐摩
耗性を向上させる摩擦調整剤としてのグラファイトが広
く用いられている。
て、繊維基材、結合剤、固体潤滑剤や有機物、無機物の
添加剤とから構成されたものが一般的に使用されてい
る。そして、これらの摩擦材には、潤滑性に優れ、耐摩
耗性を向上させる摩擦調整剤としてのグラファイトが広
く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記摩擦調整
剤としてのグラファイトは、相手材としてのロータ表面
に移着しやすい性質がある。このため、グラファイトを
含有した摩擦材は、特に軽負荷制動が繰り返し行われる
と、グラファイトの被膜がロータ表面に形成されて、摩
擦係数が低下するという欠点がある。
剤としてのグラファイトは、相手材としてのロータ表面
に移着しやすい性質がある。このため、グラファイトを
含有した摩擦材は、特に軽負荷制動が繰り返し行われる
と、グラファイトの被膜がロータ表面に形成されて、摩
擦係数が低下するという欠点がある。
【0005】これを解消する手段としては、硬度の高い
無機物粉末等のアブレッシブ剤を添加してグラファイト
被膜を取り除く手段が考えられる。しかし、この手段で
グラファイト被膜を確実に取り除くためには、多量のア
ブレッシブ剤を添加する必要があり、この場合相手攻撃
性が高まり相手材としてのロータを著しく摩耗させると
いう弊害がある。また、アブレッシブ剤としての無機物
粉末が摩擦材の表面から脱落して、摩擦材自身を摩耗さ
せるという弊害もある。
無機物粉末等のアブレッシブ剤を添加してグラファイト
被膜を取り除く手段が考えられる。しかし、この手段で
グラファイト被膜を確実に取り除くためには、多量のア
ブレッシブ剤を添加する必要があり、この場合相手攻撃
性が高まり相手材としてのロータを著しく摩耗させると
いう弊害がある。また、アブレッシブ剤としての無機物
粉末が摩擦材の表面から脱落して、摩擦材自身を摩耗さ
せるという弊害もある。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、グラファイトの添加により耐摩耗性の向上を図り
つつ、摩擦係数を低下させるというグラファイトの欠点
を解消して、耐摩耗性に優れかつ摩擦係数の安定した摩
擦材を提供することを目的とする。
あり、グラファイトの添加により耐摩耗性の向上を図り
つつ、摩擦係数を低下させるというグラファイトの欠点
を解消して、耐摩耗性に優れかつ摩擦係数の安定した摩
擦材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の摩擦材は、中心粒径1〜15μm、モース硬度6以
上の無機物粉末と、該無機物粉末の表面に被着されたグ
ラファイトとを有する粒状減摩材が3〜20重量%含有
されていることを特徴とする。粒状減摩材は、ピッチ、
タール又はフェノール樹脂をバインダとして、無機物粉
末とグラファイト粉末とを均一に混合し、300〜35
0℃程度で焼成して固化させた後、粉砕して得ることが
できる。粒状減摩材の粒径は、無機物粉末の表面にグラ
ファイトが被着している状態が維持される程度の粗さと
することができ、50〜300μm程度とすることが好
ましい。
明の摩擦材は、中心粒径1〜15μm、モース硬度6以
上の無機物粉末と、該無機物粉末の表面に被着されたグ
ラファイトとを有する粒状減摩材が3〜20重量%含有
されていることを特徴とする。粒状減摩材は、ピッチ、
タール又はフェノール樹脂をバインダとして、無機物粉
末とグラファイト粉末とを均一に混合し、300〜35
0℃程度で焼成して固化させた後、粉砕して得ることが
できる。粒状減摩材の粒径は、無機物粉末の表面にグラ
ファイトが被着している状態が維持される程度の粗さと
することができ、50〜300μm程度とすることが好
ましい。
【0008】なお、上記無機物粉末と上記グラファイト
粉末との混合割合は、無機物粉末及びグラファイト粉末
全体に対して、無機物粉末を5〜20重量%とすること
が好ましい。無機物粉末の混合割合が5重量%より少な
いと、アブレッシブ作用が少なく、ロータ表面に形成し
たグラファイト被膜を除去できず、摩擦係数が低下す
る。また、無機物粉末の混合割合が20重量%より多い
と、相手攻撃性が高まり、ロータ表面を著しく摩耗させ
る。
粉末との混合割合は、無機物粉末及びグラファイト粉末
全体に対して、無機物粉末を5〜20重量%とすること
が好ましい。無機物粉末の混合割合が5重量%より少な
いと、アブレッシブ作用が少なく、ロータ表面に形成し
たグラファイト被膜を除去できず、摩擦係数が低下す
る。また、無機物粉末の混合割合が20重量%より多い
と、相手攻撃性が高まり、ロータ表面を著しく摩耗させ
る。
【0009】粒状減摩材を構成する無機物粉末として
は、中心粒径1〜15μm、モース硬度6以上のものが
用いられる。なお、中心粒径とは、所定の数の無機物粉
末中に、最も多く存在する粉末の粒径をいう。この無機
物粉末は、後述するように相手材表面に移着したグラフ
ァイト被膜を削除する働きを有する。このため、無機物
粉末の中心粒径が1μmより小さいと、相手材表面に移
着したグラファイト被膜を削除するという効果を十分に
発揮できない。また無機物粉末の中心粒径が15μmよ
り大きいと、相手攻撃性が高まり、相手材が著しく摩耗
するという弊害がある。これらの点より、無機物粉末の
中心粒径は1〜15μmとすることがより好ましい。
は、中心粒径1〜15μm、モース硬度6以上のものが
用いられる。なお、中心粒径とは、所定の数の無機物粉
末中に、最も多く存在する粉末の粒径をいう。この無機
物粉末は、後述するように相手材表面に移着したグラフ
ァイト被膜を削除する働きを有する。このため、無機物
粉末の中心粒径が1μmより小さいと、相手材表面に移
着したグラファイト被膜を削除するという効果を十分に
発揮できない。また無機物粉末の中心粒径が15μmよ
り大きいと、相手攻撃性が高まり、相手材が著しく摩耗
するという弊害がある。これらの点より、無機物粉末の
中心粒径は1〜15μmとすることがより好ましい。
【0010】また、無機物粉末の硬さについても、モー
ス硬度が6未満のものでは相手材表面に移着したグラフ
ァイト被膜を削除するという効果を十分に発揮できな
い。なお、モース硬度の上限は、無機物粉末の粒径にも
関与されるが、相手攻撃性を考慮して9以下とすること
が好ましい。モース硬度6以上の無機物粉末としては、
アルミナ(Al2 O3 、モース硬度9)、チタニア(T
iO2 、モース硬度6)、シリカ(SiO2 、モース硬
度7)、炭化珪素(SiC、モース硬度9)等を挙げる
ことができる。
ス硬度が6未満のものでは相手材表面に移着したグラフ
ァイト被膜を削除するという効果を十分に発揮できな
い。なお、モース硬度の上限は、無機物粉末の粒径にも
関与されるが、相手攻撃性を考慮して9以下とすること
が好ましい。モース硬度6以上の無機物粉末としては、
アルミナ(Al2 O3 、モース硬度9)、チタニア(T
iO2 、モース硬度6)、シリカ(SiO2 、モース硬
度7)、炭化珪素(SiC、モース硬度9)等を挙げる
ことができる。
【0011】粒状減摩材を構成するグラファイトとして
は、特に限定されず、天然の鱗状黒鉛、土状黒鉛や、人
造グラファイトとすることができる。本発明の摩擦材
は、繊維基材に結合剤と上記粒状減摩材や他の添加剤と
が混合され、成形されて形成されている。そして各種の
添加剤が繊維基材中に分散保持され結合剤で硬化されて
一体化した成形体として構成されている。
は、特に限定されず、天然の鱗状黒鉛、土状黒鉛や、人
造グラファイトとすることができる。本発明の摩擦材
は、繊維基材に結合剤と上記粒状減摩材や他の添加剤と
が混合され、成形されて形成されている。そして各種の
添加剤が繊維基材中に分散保持され結合剤で硬化されて
一体化した成形体として構成されている。
【0012】繊維基材としては、アラミド繊維、ナイロ
ン繊維、レーヨン繊維、フェノール繊維などの有機繊維
や、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、チタン酸
カリウム繊維、ロックウールなどの無機繊維や、銅繊
維、スチール繊維などの金属繊維を用いることができ
る。これらの繊維は、1種又は2種以上用いることがで
きる。
ン繊維、レーヨン繊維、フェノール繊維などの有機繊維
や、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、チタン酸
カリウム繊維、ロックウールなどの無機繊維や、銅繊
維、スチール繊維などの金属繊維を用いることができ
る。これらの繊維は、1種又は2種以上用いることがで
きる。
【0013】結合剤としては、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることが
できる。これらの熱硬化性樹脂は、1種又は2種以上を
用いることができる。添加剤としては、カシューダス
ト、二硫化モリブデン、硫酸バリウム、銅粉、消石灰、
ラバーダスト、珪藻土、ドロマイト、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム、ケイ酸カルシウム等を用いることができる。
ン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることが
できる。これらの熱硬化性樹脂は、1種又は2種以上を
用いることができる。添加剤としては、カシューダス
ト、二硫化モリブデン、硫酸バリウム、銅粉、消石灰、
ラバーダスト、珪藻土、ドロマイト、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム、ケイ酸カルシウム等を用いることができる。
【0014】本発明の摩擦材は、上記の繊維基材、結合
剤、粒状減摩材やその他の添加剤の所定量の混合物を、
バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダある
いはV型ブレンダーなどで充分均一に混合し、この混合
物を型内に充填、押圧して予備成形を行い、予備成形体
を加熱加圧して結合剤を硬化させた後、熱処理する通常
の方法で成形して形成することができる。
剤、粒状減摩材やその他の添加剤の所定量の混合物を、
バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ニーダある
いはV型ブレンダーなどで充分均一に混合し、この混合
物を型内に充填、押圧して予備成形を行い、予備成形体
を加熱加圧して結合剤を硬化させた後、熱処理する通常
の方法で成形して形成することができる。
【0015】
【発明の作用及び効果】本発明の摩擦材は、特定の粒径
及び硬度をもつ無機物粉末の周囲にグラファイトが被着
されてなる粒状減摩材が特定量含有されている。この粒
状減摩材を構成するグラファイトは、潤滑性が良好なの
で、摩擦材の耐摩耗性の向上に貢献する。一方で、グラ
ファイトは相手材表面に移着してグラファイト被膜を形
成しやすい。しかし、アブレッシブ剤としての特定の粒
径及び硬度をもつ無機物粉末がグラファイトに近接して
存在するため、生成したグラファイト被膜を即座にかつ
確実に除去することができる。このため、グラファイト
被膜に起因して摩擦材の摩擦係数が低下することを、無
機物粉末の働きにより効果的に抑えることが可能とな
る。
及び硬度をもつ無機物粉末の周囲にグラファイトが被着
されてなる粒状減摩材が特定量含有されている。この粒
状減摩材を構成するグラファイトは、潤滑性が良好なの
で、摩擦材の耐摩耗性の向上に貢献する。一方で、グラ
ファイトは相手材表面に移着してグラファイト被膜を形
成しやすい。しかし、アブレッシブ剤としての特定の粒
径及び硬度をもつ無機物粉末がグラファイトに近接して
存在するため、生成したグラファイト被膜を即座にかつ
確実に除去することができる。このため、グラファイト
被膜に起因して摩擦材の摩擦係数が低下することを、無
機物粉末の働きにより効果的に抑えることが可能とな
る。
【0016】また、グラファイトにより被覆された無機
物粉末は、摩擦材表面から脱落しにくくなり、摩擦材表
面から脱落した無機物粉末による摩擦材自身の摩耗も効
果的に抑えることができる。したがって、本発明によれ
ば、グラファイトの添加により耐摩耗性の向上を図りつ
つ、摩擦係数を低下させるというグラファイトの欠点を
解消することが可能となり、本発明の摩擦材は、耐摩耗
性に優れ、かつ摩擦係数の安定性に優れたものとなる。
物粉末は、摩擦材表面から脱落しにくくなり、摩擦材表
面から脱落した無機物粉末による摩擦材自身の摩耗も効
果的に抑えることができる。したがって、本発明によれ
ば、グラファイトの添加により耐摩耗性の向上を図りつ
つ、摩擦係数を低下させるというグラファイトの欠点を
解消することが可能となり、本発明の摩擦材は、耐摩耗
性に優れ、かつ摩擦係数の安定性に優れたものとなる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。本実
施例はブレーキパッドに本発明を適用したものである。 (実施例1)表1にも示すように、グラファイト粉末9
0重量%、及び無機物粉末として中心粒径2μm、モー
ス硬度9のアルミナ粉末10重量%の混合粉末全体に対
して、バインダとしてのピッチを15重量%加えて均一
に混合し、300℃で30分間焼成して固化させた後、
中心粒径約200μmに粉砕して粒状減摩材(A)を得
た。
施例はブレーキパッドに本発明を適用したものである。 (実施例1)表1にも示すように、グラファイト粉末9
0重量%、及び無機物粉末として中心粒径2μm、モー
ス硬度9のアルミナ粉末10重量%の混合粉末全体に対
して、バインダとしてのピッチを15重量%加えて均一
に混合し、300℃で30分間焼成して固化させた後、
中心粒径約200μmに粉砕して粒状減摩材(A)を得
た。
【0018】
【表1】 そして、表2にも示すようにこの粒状減摩材(A)3重
量%、アラミド繊維10重量%、スチール繊維5重量
%、チタン酸カリウム繊維8重量%、銅繊維3重量%、
結合剤としてフェノール樹脂10重量%、カシューダス
ト8重量%、二硫化モリブデン3重量%、及び硫酸バリ
ウム50重量%の組成の混合物をV型ブレンダーで均一
に混合した。
量%、アラミド繊維10重量%、スチール繊維5重量
%、チタン酸カリウム繊維8重量%、銅繊維3重量%、
結合剤としてフェノール樹脂10重量%、カシューダス
ト8重量%、二硫化モリブデン3重量%、及び硫酸バリ
ウム50重量%の組成の混合物をV型ブレンダーで均一
に混合した。
【0019】この混合物を加圧して予備成形した後、金
型中で160℃で400kg/cm 2 の圧力で10分間
熱成形し、250℃で120分の熱処理をおこなって摩
擦材とした。 (実施例2)無機物粉末として中心粒径12μm、モー
ス硬度9のアルミナ粉末を用いること以外は上記実施例
1と同様にして粒状減摩材(B)を得た。
型中で160℃で400kg/cm 2 の圧力で10分間
熱成形し、250℃で120分の熱処理をおこなって摩
擦材とした。 (実施例2)無機物粉末として中心粒径12μm、モー
ス硬度9のアルミナ粉末を用いること以外は上記実施例
1と同様にして粒状減摩材(B)を得た。
【0020】そして、上記粒状減摩材(A)の代わりに
この粒状減摩材(B)を用いるとともに粒状減摩材
(B)の添加量を20重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を33重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。 (実施例3)無機物粉末として中心粒径10μm、モー
ス硬度6のチタニア粉末を用いること以外は上記実施例
1と同様にして粒状減摩材(C)を得た。
この粒状減摩材(B)を用いるとともに粒状減摩材
(B)の添加量を20重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を33重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。 (実施例3)無機物粉末として中心粒径10μm、モー
ス硬度6のチタニア粉末を用いること以外は上記実施例
1と同様にして粒状減摩材(C)を得た。
【0021】そして、上記粒状減摩材(A)の代わりに
この粒状減摩材(C)を用いるとともに粒状減摩材
(C)の添加量を12重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を41重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。 (実施例4)グラファイト粉末の添加量を95重量%と
し、かつ無機物粉末として中心粒径5μm、モース硬度
9のアルミナ粉末5重量%とすること以外は上記実施例
1と同様にして粒状減摩材(D)を得た。
この粒状減摩材(C)を用いるとともに粒状減摩材
(C)の添加量を12重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を41重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。 (実施例4)グラファイト粉末の添加量を95重量%と
し、かつ無機物粉末として中心粒径5μm、モース硬度
9のアルミナ粉末5重量%とすること以外は上記実施例
1と同様にして粒状減摩材(D)を得た。
【0022】そして、上記粒状減摩材(A)の代わりに
この粒状減摩材(D)を用いるとともに粒状減摩材
(D)の添加量を12重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を41重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。 (実施例5)グラファイト粉末の添加量を80重量%と
し、かつ無機物粉末として中心粒径5μm、モース硬度
9のアルミナ粉末20重量%とすること以外は上記実施
例1と同様にして粒状減摩材(E)を得た。
この粒状減摩材(D)を用いるとともに粒状減摩材
(D)の添加量を12重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を41重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。 (実施例5)グラファイト粉末の添加量を80重量%と
し、かつ無機物粉末として中心粒径5μm、モース硬度
9のアルミナ粉末20重量%とすること以外は上記実施
例1と同様にして粒状減摩材(E)を得た。
【0023】そして、上記粒状減摩材(A)の代わりに
この粒状減摩材(E)を用いるとともに粒状減摩材
(E)の添加量を12重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を41重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。 (比較例1)粒状減摩材の代わりに、アブレッシブ剤と
してのアルミナ粉末(中心粒径5μm)2.4重量%及
び摩擦調整剤としてのグラファイト粉末9.6重量%を
用い、かつ硫酸バリウムの添加量を41重量%とするこ
と以外は、上記実施例1と同様にして摩擦材を得た。
この粒状減摩材(E)を用いるとともに粒状減摩材
(E)の添加量を12重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を41重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。 (比較例1)粒状減摩材の代わりに、アブレッシブ剤と
してのアルミナ粉末(中心粒径5μm)2.4重量%及
び摩擦調整剤としてのグラファイト粉末9.6重量%を
用い、かつ硫酸バリウムの添加量を41重量%とするこ
と以外は、上記実施例1と同様にして摩擦材を得た。
【0024】(比較例2)上記粒状減摩材(A)の添加
量を1重量%とし、かつ硫酸バリウムの添加量を52重
量%とすること以外は、上記実施例1と同様にして摩擦
材を得た。 (比較例3)上記粒状減摩材(A)の代わりに、実施例
2で得た粒状減摩材(B)を用いるとともに粒状減摩材
(B)の添加量を30重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を23重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。
量を1重量%とし、かつ硫酸バリウムの添加量を52重
量%とすること以外は、上記実施例1と同様にして摩擦
材を得た。 (比較例3)上記粒状減摩材(A)の代わりに、実施例
2で得た粒状減摩材(B)を用いるとともに粒状減摩材
(B)の添加量を30重量%とし、かつ硫酸バリウムの
添加量を23重量%とすること以外は、上記実施例1と
同様にして摩擦材を得た。
【0025】(摩擦係数、摩耗率の測定)上記実施例1
〜5の摩擦材及び比較例1〜3の摩擦材について、摩擦
係数及びパッド摩耗率を測定した。これは、キャリパ型
式:PD51s、ロータ:18mmベンチレーテドタイ
プ、イナーシャ:3.5kgfms2 、制動初速度:5
0km/h、減速度:0.1G、摩擦材温度:100
℃、制動回数:2000回の条件で試験を行い、制動回
数100回での摩擦材の摩擦係数と、制動回数2000
回での摩擦材の摩擦係数及び摩耗率を測定した。これら
の結果を表2に併せて示す。
〜5の摩擦材及び比較例1〜3の摩擦材について、摩擦
係数及びパッド摩耗率を測定した。これは、キャリパ型
式:PD51s、ロータ:18mmベンチレーテドタイ
プ、イナーシャ:3.5kgfms2 、制動初速度:5
0km/h、減速度:0.1G、摩擦材温度:100
℃、制動回数:2000回の条件で試験を行い、制動回
数100回での摩擦材の摩擦係数と、制動回数2000
回での摩擦材の摩擦係数及び摩耗率を測定した。これら
の結果を表2に併せて示す。
【0026】
【表2】 表2からも明らかなように、本実施例1〜5の摩擦材
は、いずれも摩擦係数が安定しており、かつ耐摩耗性も
良好だった。
は、いずれも摩擦係数が安定しており、かつ耐摩耗性も
良好だった。
【0027】これに対して、本発明に係る粒状減摩材を
用いずに、アルミナ粉末、グラファイト粉末をそれぞれ
単独で添加した比較例1の摩擦材は、摩擦係数の低下が
著しかった。これはグラファイトが相手材表面に移着し
たグラファイト被膜に起因していると考えられる。ま
た、本発明に係る粒状減摩材の添加量が少な過ぎる比較
例2の摩擦材は、摩擦係数は安定していたが、耐摩耗性
が著しく劣っていた。これは、摩擦材中のグラファイト
量が少なく耐摩耗性に劣るとともに、相手材へのグラフ
ァイトの移着が少なかったためと考えられる。
用いずに、アルミナ粉末、グラファイト粉末をそれぞれ
単独で添加した比較例1の摩擦材は、摩擦係数の低下が
著しかった。これはグラファイトが相手材表面に移着し
たグラファイト被膜に起因していると考えられる。ま
た、本発明に係る粒状減摩材の添加量が少な過ぎる比較
例2の摩擦材は、摩擦係数は安定していたが、耐摩耗性
が著しく劣っていた。これは、摩擦材中のグラファイト
量が少なく耐摩耗性に劣るとともに、相手材へのグラフ
ァイトの移着が少なかったためと考えられる。
【0028】また、本発明に係る粒状減摩材の添加量が
多過ぎる比較例3の摩擦材は、耐摩耗性は良好だった
が、摩擦係数が低下していた。これは、相手材へのグラ
ファイト移着量が多過ぎて十分に除去できなかったため
と考えられる。
多過ぎる比較例3の摩擦材は、耐摩耗性は良好だった
が、摩擦係数が低下していた。これは、相手材へのグラ
ファイト移着量が多過ぎて十分に除去できなかったため
と考えられる。
Claims (1)
- 【請求項1】 中心粒径1〜15μm、モース硬度6以
上の無機物粉末と、該無機物粉末の表面に被着されたグ
ラファイトとを有する粒状減摩材が3〜20重量%含有
されていることを特徴とする摩擦材。
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Family Applications (1)
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