JPH06167586A - 核融合装置 - Google Patents

核融合装置

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JPH06167586A
JPH06167586A JP4341153A JP34115392A JPH06167586A JP H06167586 A JPH06167586 A JP H06167586A JP 4341153 A JP4341153 A JP 4341153A JP 34115392 A JP34115392 A JP 34115392A JP H06167586 A JPH06167586 A JP H06167586A
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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  • Particle Accelerators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直流で加速した高密度、高エネルギーの荷
電粒子パルスを衝突させる核融合装置の性能向上を主目
的とする。 【構成】 核融合物質ペレットを入れた導電性リボン
を高圧直流電源につなぎ、モーターで回転する絶縁体製
ドラムに付けた多数の帯状金属電極に強誘電体薄層を隔
てた対電極との間に多量の帯電をさせ、他へ運び、高電
圧を得、導電性リボンに加え、高圧ガスボンベに連なる
ノズル先端を磁歪材料または電歪材料から成る円柱形弁
体の平面でふさいだガスフラッシュバルブから噴出させ
たガスフラッシュを直流高電圧で加速して導電性リボン
に衝突させて目的を達する。高圧ボンベには、ガスをつ
めた際、各層の内周の伸び率が材料の抗張力と安全率の
積になるようにサイズを設定した多層ボンベを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は核融合装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】 特願昭58ー161022号「荷
電粒子パルス集中装置」(発明者藤村明宏)は高圧ガス
ボンベから電磁弁を介して多数のイオンガン中に、ごく
短時間、核融合物質のガスを粉出させ、陽イオン化し、
高圧電極で加速し、反応容器の中心部でイオン同しを比
較的高密度で衝突させ、核融合を起こさせる事を中心と
したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は上記の装
置を改良するものであるが、上記の装置の問題点や改良
する必要のある点を次に記す。 陽イオンビーム同しを衝突させる場合、原子核密度
が小さく、核融合の起こる確率が小さい。 陽イオンビームは重水素と三重水素の核反応では1
00KeV程度等、最適速度に加速しなければ、エネル
ギー効率が下がるが、もし、加速電圧を10倍にすれ
ば、イオン密度を1/10にしても、総エネルギー量は
変わらない事になる。従って、高電圧でイオンビームを
加速し、核融合物質のペレット(ターゲット)に衝突さ
せれば、イオンビームの密度を小さくし、加速時や衝突
時の電気的な斥力によるビームの広がりや反発を小さく
できる事になる。従来からも、このようなターゲットに
イオンビームを照射する事は行なわれていたが、本発明
ではターゲットへの通電を確実に行なわせ、イオンの集
積によるターゲットの陽荷電を押さえ、また、1回のイ
オンビーム照射で、1個のペレットが消失しても、次の
ペレットを容易に供給し得るようにする。
【0004】 入力パルス電流に対する応答速度が速
く、急速に開閉するガスフラッシュバルブを得る。 加速に用いる5MV程度の直流高電圧を効率よく、
比較的簡単な装置で得る。 イオンビームパルスのパルス幅はなるべく小さい事
が望ましく、ガスフラッシュバルブの開閉時間を小さく
しなければならない。1μs程度、あるいは、それ以下
の短時間に比較的多量(1mg以上)のガスを放出させ
るには、ガス圧を数千・数万気圧にも高める事が望まし
い。このような高圧ガスを安全に収納し得るガスボンベ
を得る。
【0005】
【課題を解決するための手段】 多数の核融合物質ペ
レットを導電性リボンに1個ずつ取り付け、リボンを駆
動装置で動かし、真空反応容器の中心に1個のペレット
を位置させ、そのペレットの周囲のリボンを高電圧電源
の一極に連なる分厚い電極で挟み、ペレットに陽イオン
または電子のパルスを衝突させて加熱し、核融合を起こ
させ、リボンを挟む電極をゆるめて、リボンを駆動し、
次の1個のペレットを反応容器の中心に送り、再び荷電
粒子パルスを衝突させる事を反復する等により、上記
〜の課題を解決する。
【0006】
【実施例】 図1は本発明を実施した核融合実験装置
の正面図。図2はその中央部の左方の拡大縦断正面図。
図3は中央部の拡大左側面図である。1は絶縁体製反応
容器。2はその上に取り付けたリボン送り出し装置。
3、4は左右に取り付けた絶縁体製円筒管から成る荷電
粒子銃。5は容器1の下に取り付けた内部を高真空にす
るか、フロンガス等の絶縁破壊電圧の高いガスをつめ
た、絶縁体製高電圧発生装置容器。6はその左側面に取
り付けたモーター。7はその下の床上に置くための金属
製固定台。8、9はその上に取り付けた導電性のよい金
属で造った1千気圧程度のキセノンガスをつめたボン
ベ。10、11はボンベから伸びた、外面に銅管を巻く
等して導電性を高めた金属管から成る、送気・導電管。
12は高圧コンデンサーの陰極の周囲を覆う、台7上に
取り付けた、耐電圧6MV程度の分厚いチタン酸バリウ
ム等の強誘電体層。13、14は銃3、4の周囲に巻い
た収束コイルである。
【0007】15、16は容器1中の分厚いタングステ
ンその他の金属板製の陰極。17、18はその中央に開
けられた円錐台形の貫通孔。19は強誘電体層12中の
コンデンサーの陰極板。20はそれと陰極15をつなぐ
金属棒。21は陰極16を左右に動かす駆動装置。22
は厚さ0.1mm程度のボロン、重水素化ボロン、ダイ
アモンド膜、銅、銀メッキをしたリチウム、アルミニウ
ム、ウラン、タングステン、パラジウム、その他の長い
リボンを接着、溶接等の方法で一体化した導電性リボ
ン。23はその中に設けた直径1・2mmの多数の球形
空洞中につめこんだ高圧の重水素と三重水素の混合気そ
の他から成る核融合物質ペレット。このリボンはリボン
送り装置2からくり出し、陰極15と16の間に設けた
浅い凹みに入り、下端のペレットは貫通孔17、18中
に入る。
【0008】24は台7上に取り付けた上面が円筒面を
なす固定電極。25はその上面を覆う強誘電体層で、中
央部で厚さは(例えば)10μm、それより前後による
ほど分厚くなっている。26はその上面中央部に潤滑油
または1μm程度の空気層を隔てて接触している絶縁体
製で、直径が1m程度の回転ドラム。27はその外周面
のくぼみ中に埋め込まれた、幅1cm、長さ1m程度
の、1cm程度の間隔を置いて、ドラムの円筒軸と平行
に配置した多数の帯状の金属電極。28はドラムを回す
セラミック製の軸で、モーター6につながっている。2
9は数100Vの直流電源で、その陽極端子は陽極24
につながり、陰極端子は金属細線の束から成るブラシ3
0につながる。31は外面が金属棒32を経て、金属棒
20につながる電気カップ。33は電気カップの内面か
ら突出した金属ブラシである。
【0009】34は荷電粒子銃3中の金属製のイオンフ
ラッシュバルブで、35は送気・導電管8の上端に連な
り、バルブ内に先端が突出しているノズル。36は直径
5mm程度の円柱形で、上端がバルブ内に固着し、下端
がノズルの上端に接し、ニッケルその他の磁歪材料から
成る弁体。37はその周囲を囲むコイル。38は銃3の
内面に固着したタングステンネット等から成るイオン化
電極。39はその左面に固着した円垂形の金属塊から成
るイオン化電極で、イオンフラッシュバルブの右方の円
垂形の空洞との間に、0.5mm程度の間隙40が存在
する。
【0010】なお、荷電粒子銃3と4はその左右が逆転
したのみの同構造である。次にこの動作について説明す
る。図示しない真空ポンプにより、反応容器1と荷電粒
子銃3、4の中は常に高真空に保たれる。モーター6が
常に回転し、軸28、ドラム26、帯状金属電極27等
等が一方向に回転する。
【0011】固定電極24には数100Vの正電圧がか
かり、厚さ10μm、誘電率1600の誘電体層25を
隔てた帯状金属電極27の一つには負電圧がかかる。一
般に、静電容量Cは電極の対向面積をS、誘電体の比誘
電率をε、誘電体の厚さをdとすれば、次式で表され
る。 C=8.9×102−14×εS/d εを1600、Sを100cm2、dを0.001cm
(10μm)とすれば、Cは1.424×102−5
(14.24μF)となる。
【0012】コンデンサーに蓄えられる電気量Q、電極
間の電位差V、電気容量Cとには、 Q=VC の関係があるから、固定電極24とそれに対向する一つ
の帯状金属電極27とに500Vの電圧がかかるとすれ
ば、両電極は正と負の0.00712Qの電荷がそれぞ
れ蓄積され、ドラム26の回転に伴って、帯状電極27
がブラシ30から離れる際、誘電体層25の厚さはほぼ
同じであり、その電荷を帯電したまま、その電極27は
固定電極24から遠ざかって行く。遠ざかるほど、電極
24間との静電容量は減り、電位差は増すが、誘電体層
25の厚さが漸増するので、電極間の電圧も漸増し、絶
縁破壊が防止される。(誘電体層25の前後の肉厚漸増
部を除去したり、同じ肉厚にしたりすると、誘電率の小
さい気体が突然、電極間に入り、容量が急減し、電位差
が急増し、放電が起こり易い。)ドラム26の回転に伴
い、ブラシ30に電極27が次々と接触し、帯電し、電
荷を運び上げ、ブラシ33に接触し、電気カップ31に
電荷を移し、帯電を大部分失い、再びブラシ30に接触
し、帯電を回復し、ブラシ33に電荷を移す事をくりか
えす。(その際、各電極27間には電極幅と同程度の空
白部があり、その合成距離が大きいため、ブラシ30か
ら遠ざかるほど、電極27の電位が増しても、容気5内
の気体等の絶縁破壊を起こし、放電が起こる事はない。
【0013】電気カップ31に移った負電荷は高圧コン
デンサーの陰極板19に蓄えられる。当然、誘電体層1
2を隔てた固定台7の対向面には同量の陽電荷がたま
る。やがて、両者の電位差は5MV程度に達する。ドラ
ム26の周囲に合計150の帯状電極27があり、ドラ
ムが毎秒10回転するとすれば、最大、毎秒10.68
Qの電荷が運ばれ、10.68Aの電流が得られる事に
なる。
【0014】電極24と固定台7の正電荷と、電極27
の負電荷の間に働く引力に抗し、モーター6がエネルギ
ーを消費して回転し、仕事をし、直流電源29の低電圧
を高電圧に高める事ができるのである。ここでは、従来
の静電高圧発生装置(ファンデグラフ起電機等)に比較
して、強誘電体薄層25、帯状金属電極27、その他を
用いる事により、従来の静電高圧発生装置より、はるか
に多量の電荷を、軸28とドラム26と電極27の周囲
に接する軸受、気体、潤滑油、ブラシ30、33等との
少量の摩擦による損失だけで、高電圧に引き上げる事が
できる。
【0015】従って、核融合により発生した熱で水蒸気
を発生させ、その蒸気で発電し、その電力でドラム26
を回したり、蒸気タービンでドラム26を回したりすれ
ば、効率よく、核融合用の高電圧を得る事ができる事に
なる。このようにして得られたコンデンサーの電極19
の5MV程度の負電圧は、金属棒20→陰極15→陰極
16→等を経て、導電性リボン22に加わる。
【0016】図示しないが、始動スイッチを押すと、荷
電粒子銃3、4中のコイル37に1μs程度の短時間の
パルス通電が1回行なわれ、弁体36はほぼ通電に伴う
磁気変化に同調し、磁歪効果により伸縮し、その下端が
数μm上下し、ノズル35の上端との間にできた透き間
からボンベ8、9内の高圧キセノンガスを数mg噴出す
る。
【0017】固定台7にボンベ8、9、管10、11を
経て連なるバルブ34には、陰極15、16に対して、
5MVの正電圧がかかるが、それを0Vとする。図示し
ないが、イオン生成用の独立の大容量コンデンサー付の
直流電源により、イオン化電極38と39には+100
0V程度の電圧が常にかかっているため、バルブ34か
ら噴出したキセノンガスが間隙40に入ると、大電流が
流れ、ガスは高温になり、真空中で急膨脹し、同時にプ
ラズマ化し、多量の陽イオンを生じ、電極38の網目を
通り抜け、円筒形のイオンビームになり、陰極15、1
6に引かれて最終的には5MeVに加速される。その途
中、収束コイル13、14で軌道を曲げられ、貫通孔1
7、18内に入り、ペレット23の表面のリボン22の
半球形の部分に衝突し、その材料を超高温に加熱する。
リボンの材料はプラズマになり、内外にその原子やイオ
ンが飛散するが、比較的高密度で1μsほどの間に次々
と押しよせてくるキセノンイオンの衝突を受け、大部分
の粒子はペレット23の中心部にキセノン原子等と共に
向かう。中心部には爆縮の効果が起こり、周囲より高
圧、かつ、高温になり、核融合が高い確率で起こる。ど
の程度、核融合が起こったかは、容器1外に置いた中性
子検出器、X線検出器、その他により測定する。
【0018】キセノンの陽イオンが多量にリボン22に
衝突しても、コンデンサーの電極19から多量の電子が
補給され、陽イオンは直ちに中性原子になる等し、この
付近に生ずるプラズマは5MVの負電位を保持し、後続
のキセノン陽イオンを加速する力は衰えない。(ペレッ
トのみのターゲットを用いた場合には、ある程度陽イオ
ンがぶつかると強い陽荷電を起こし、後続の陽イオンが
衝突しにくくなる。)ペレット23の前後上下のリボン
22は1回のバルブ34の開閉で蒸発してしまうが、電
極15、16は耐熱性、低抵抗のタングステン等を用い
た分厚い物なので、ほとんど変化しない。そこで、駆動
装置21を働かせ、陰極16を右によせ、リボン送り出
し装置2を働かせ、実際にはリールに巻かれているリボ
ン22の端を下方に送り、次のペレット23を貫通孔1
7、18の位置に運び、駆動装置21を働かせ、陰極1
6を左によせ、リボン22を陰極15と16の間に挟
む。
【0019】前回のコイル37への通電後、1秒程度経
過すれば、コンデンサーの電極19の再充電も完了して
おり、再び、コイル37に通電すれば、前と同様の動作
が起こる。ボンベ8、9につめるガスは水素、重水素と
三重水素の混合気、ヘリウム3、ヘリウム4、アルゴ
ン、6弗化ウラン、その他任意のガスを用いてよいが、
キセノン等の重粒子を用いれば、リボン22やペレット
23の原子の外方への飛散が少なくなる。
【0020】陰極15、16に5MV程度の直流高電圧
をかければ、前述のように、比較的存失少なく、その高
電圧を造る事ができ、バルブ34から放出するガスの量
が少なくても、ペレット23に与えるエネルギーを大き
くする事ができる。ノズル35の口径が2mmで、ボン
ベ8の内圧が1000気圧とすれば、弁体36の下面に
は、31.4Kgの圧力がかかるが、弁体36は変形し
にくい円柱体であり、充分その圧力に耐え、かつ、急速
な伸縮をする事ができる。
【0021】電源29の極性を切り替えると、帯状電極
27は静電荷を運び、けっきょく、リボン22には5M
Vの静電圧がかかる。イオン化電極38、39には10
00Vの負電圧をかけ、バルブ34を開閉すれば、キセ
ノン原子の多くは陰イオンになり、リボン22とペレッ
ト23に衝突する。その際、キセノン原子の陰イオンの
ほか、原子には結びつかない単独の電子もキセノンガス
及びイオン化電極38、39から飛び出し、リボン22
に衝突し、リボン22等を加熱する。
【0022】電子による加熱を重視する場合には、水
素、その他の電子を放出しやすいガスを用いればよい。
あるいは、ガスフラッシュバルブを用いず、サイラトロ
ンその他のスイッチング装置を用い、固定台7と電極3
8、39との電気的な接続を開閉し、電子流パルスをリ
ボン22に衝突させてもよい。この場合、電極38、3
9を熱陰極にしてもよい。
【0023】上記の実施例は種々の設計変更が可能であ
る。以下その概要を記す。荷電粒子銃3、4の上下前後
等に45°程度に傾斜した荷電粒子銃を付け加え、同じ
ペレット23に同時に荷電粒子パルスを打ち込んでもよ
い。銃を3、4のみにする場合、リボン22の半球形変
形部の周辺ほど多量の荷電粒子があたるようにし、均一
ビームなら、周辺部ほど、照射密度が小さくなる弊害を
避けてもよい。
【0024】あるいは、ペレット23の形を、左右から
加圧して、やや扁平化した形、その他にし、上下左右の
周辺部の受けるエネルギー密度は小さくても、中心部か
ら見た前周囲の平均エネルギー密度は、いずれの方向で
も、ほぼ同じになり、慣性閉じ込めの壁の加圧力が中心
部において、あらゆる方向に均等に働くようにしてもよ
い。
【0025】ペレット23がリチウム、重水素化リチウ
ム、ボロン、重水素と三重水素の混合物の凍結体等の固
体である場合、リボン22に開けた穴にはめこんで固定
し、表面にリボン22の材料による被覆をしなくてもよ
い。あるいは、1μm程度の厚さのカプセルで被覆して
もよい。(ペレットが非導電性物質でも、荷電粒子の初
期衝突でプラズマ化し、導電性が得られる。)リボン2
2の層を1・2mmの厚さにし、それに開けた円柱形の
穴に表面を導電層で被覆する等したペレットをはめこん
でもよい。その場合、ペレットの周辺のみ、リボンを肉
薄にしてもよい。
【0026】この穴に何も入れず、銃3、4から飛んで
きた粒子が、その中に溜り、高密度化するようにしても
よい。電極15、16の下半部を削り、リボン22の下
端を露出させた状態でイオンを衝突させてもよい。半球
形リチウムを平面形リボンの両面に取り付けてもよい。
【0027】電極15、16内に冷却液を循環させても
よい。PZT等の電歪材料で厚さ1mm、直径5mm程
度の円盤を造り、その両平面に電極を焼付け、それを1
枚または数枚重ねて一体化し、円柱形の弁体36として
用い、電極にパルス電圧をかけ、上下方向に伸縮させ、
ノズル35を開閉してもよい。
【0028】弁体36の直径を大きくし、下端も硬質材
料製の円錐台形片を取り付け、ノズル35をふさいでも
よい。ノズル35も磁歪材料製にし、コイルをかぶせ、
弁体36と同時に短縮させてもよい。ロの字形の枠の上
辺に弁体36を取り付け、下辺にノズル35を取り付け
てもよい。
【0029】弁体36をネジで上下に動かし得るように
し、ノズル35に対する加圧力を変え、閉鎖時のガスも
れを防いでもよい。あるいは、ガスもれ検知器を設け、
閉鎖時にガスもれが検出されれば、コイル37に逆方向
漸増直流が流れ、弁体36を下方に伸ばし、ガスもれが
止まった状態で、バイアス電流が保持されるようにフィ
ードバック系を構成してもよい。あるいは、ノズル35
と弁体36を保持するフレームを、それらと熱膨脹率が
同じ材料で造り、不必要なガスもれが生じないように製
造してもよい。
【0030】ガスフラッシュバルブ34を省略し、その
位置に、リチウム、重水素化リチウム、ボロン、重水素
化ボロン、重水素と三重水素の凍結塊、その他の核融合
物質、鉄、タングステン、ウラン、鉛、その他の重元素
等の細線、または小塊を、電極間に挟み、大電流パルス
を流し、短時間に蒸発させて気化し、イオン化電極でイ
オン化し、リボン22に衝突させてもよい。
【0031】帯状金属電極27の前後幅を1mm以下に
し、相互間隔も同程度取り、電極24を直径10cm〜
1m程度の回転軸付のドラム形にし、その全表面を厚さ
10μm程度の強誘電体層25で覆い、ドラム26の下
縁に接触し、接触部が同方向に同速度で動くようにし、
両者の滑り摩擦が起こらないようにしてもよい。その場
合、両ドラムの接触部の前後の間隙の形に適合する強誘
電体製の突起を、容器5の前後壁から突出させてもよ
い。
【0032】電気カップ31とブラシ33をドラム26
の右上方によせ、ブラシ30と33の接触部以外の帯状
電極27の表面を強誘電体の薄層で被覆してもよい。ブ
ラシ30と33をローラー形の電極にしたり、カーボン
ブラシを用いる等してもよい。固定電極24を10cm
程度前方によせ、その上端に、厚さ0.5mm、前後幅
20cm程度の、表面を強誘電体薄層で被覆し、前方に
突出した金属板製電極を取り付け、ドラム26が強誘電
体層に軽く接触しながら、回転するようにしてもよい。
この場合、金属板を横幅1cm程度のリードの連続にな
るように、切り込みを入れてもよい。
【0033】電気カップ31を省略し、ブラシ33を金
属棒32に直結してもよい。なお、帯状金属電極27の
帯電量は大きいほどよいが、その単位面積あたりの値を
Q(クーロン)誘電体層の比誘電率をε、厚さをd(c
m)、電極間にかけうる最大電圧をV(ボルト)、誘電
体の単位厚さあたりの耐電圧(比耐電圧・絶縁破壊電
圧)をρとすれば、 Q=8.9×102−14εV/d=8.9×102−1
4ερ/d2 従って、チタン酸バリウムのように、εが1600程
度、ρが50000V/cm程度(厚さにより変わ
る)、厚さも、かなり薄くし得る材料を用いれば、Qを
非常に大きくする事ができる。(誘電体層を高圧のフロ
ンガス等に置き換えてもよいが、εとρの積がチタン酸
バリウム等より、ずっと小さくなる。)補助電源とし
て、次のものを用いてもよい。
【0034】外端がふさがった多数の管を容器1に開け
た多数の穴に取り付け、各管の根本に、管と垂直な磁場
をかけ、ペレット23の加熱に伴って周囲に高速度で飛
散するプラズマ中の陽イオンと陰イオンの進路を互いに
逆方向に屈折させ、両イオンの到達点にそれぞれ電気カ
ップを置いて集電し、各電気カップを固定台7と、コン
デンサーの電極19につなぎ、高電圧の電荷を得る。
【0035】この場合、中性原子は磁場を素通りするの
で、磁場の手前に設けたイオン化電極の網目を通してイ
オン化するか、最初の磁場の後に設けたイオン化電極で
イオン化し、第2の磁場で陽イオンと陰イオンに分け、
前記の電気カップに送り込んでもよい。導電性リボン2
2を厚さ1mm程度の、パラジウム、鉄、ニッケル、そ
の他の常温核融合の場となり得る金属板製にし、ペレッ
ト23は省略し、荷電粒子銃3、4から重水素等のイオ
ンをリボンの材料が蒸発しない程度のエネルギー密度で
(加速電圧を下げ、照射面積を広げる等して、断続的、
または連続的に打ち込み、リボンの材質中で常温核融合
を起こさせてもよい。その場合、リボンを直径1m程度
の円盤にし、モーターで回転させ、照射部位を絶えず移
動させ、高温化を防いでもよい。
【0036】通常のリボン22に衝突させるイオンパル
スはなるべく高密度のものを短時間に衝突させる事が望
ましい。そのためには、上記のような応答速度を速くし
得るガスフラッシュバルブを用い、次に述べるような耐
圧ボンベに収めた数千気圧以上のガスをごく短時間、噴
出させる事が望ましい。図4は高圧ガスボンベの断面構
造を示す。図5は管壁(器壁)に加わる応力について説
明するための管の断面を示す。
【0037】41はバナジウム鋼等、高圧に耐え、か
つ、高抗張力の材料から成る、高圧ガスボンベの最内層
(第1層)。42、43はその外を覆う層で、内部にガ
スをつめない状態では、外の物ほど強く引き伸ばされ、
弾性変形した状態で、かぶせられている。44は1本の
管の管壁の左半部。45は右半部である。
【0038】一般に細長いボンベは管と見なし、その内
圧が管壁の円周方向におよぼす応力を求める事ができ
る。図5に示す管の内径が5cm、外半径6cm、管壁
の厚みを0.5cmとし、それを前後幅1cmの輪切り
にし、前後上下の内面が平らなシリンダー内に入れ、管
44と45の管空に100気圧のガスをつめた場合、ガ
ス圧はピストンに相当する管の左半部、並びに右半部
を、それぞれ500Kgの力で左右に押す。その結果、
左半部と右半部の上下の境界面には、それぞれ250K
gの応力が生じ、1cm2あたりの応力は500Kgに
なる。
【0039】この応力は管壁の左半部と右半部の境界面
のほか、上半部と下半部の境〓面その他、あらゆる部分
で同じ値になり、材質の抗張力(引っ張り強さ)が10
0Kg/cm2であれば、200気圧弱までのガス圧に
耐えうる事になる。しかし、安全率を0.25に取れ
ば、500気圧までにとどめて用いる事になる。すなわ
ち、基本的には、管の最小厚みをt(cm)、最大使用
内圧をp(Kg/cm2)、内半径をr(cm)、材料
の抗張力をσ(Kg/cm2)、安全率をαとすれば、 t=pr/(σα) となる。(実用機の設計には、温度による抗張力の低
下、くされしろ、その他の要素も盛り込まれている。)
せい書には、厚肉管の設計用の公式として、次式が記さ
れている。
【0040】 t=r[√{(σα+p)/(σα−p)}−1] しかし、この式のσに高抗張力鋼の20000Kg/c
2を入れ、αに0.25を入れ、pを5000気圧に
取れば、 (σα+p)/(σα−p)=10000/0=∞ となる等、その式が非常に高い圧力には適用できない事
が分かる。
【0041】数10万気圧の圧縮力(半径方向の応力)
に耐えうるバナジウム鋼その他の材料を用い、肉厚を充
分大きくしても、この式に従うかぎり、数10万気圧に
耐える管は得られない。その理由を次に記す。今、管の
内圧が0の場合の内半径をr、内周をa、外半径をs、
外周をb、厚みをt、管壁中の任意の半径kの位置にお
ける円周をl、ガスをつめた場合の内半径をR、内周を
A、外半径をS、外周をB、厚みをT、材料の体積変化
率(外方ほど影響が小さくなるガス圧や内接層からの圧
迫と、外接層からの圧迫等による圧縮、ポアソン比に逆
相関する材料の弾性特性、その他に支配される)をβ、
lの部分の変位した半径をL、内周の伸び(歪み)率を
x、外周の伸び率をy、lがLに伸びた伸び率をzとす
れば、次の各関係式が成り立つ。
【0042】 a=2πr r=a/2π t=s−r A=2πR R=A/2π T=S−R l=2πk L=2πK x=(A−a)/a=(R−r)/r (1) 管壁の断面積は、 πs2−πr2=(πS2−πR2)/βπ(b/2π)2−π(a/2π)2={ π(b/2π)2−π(A/2π)2}/β s=√{(S2−R2)/β+r2} (2) S=√{(s2−r2)β+R2} (3) b=√{(B2−A2)/β+a2} (4) B=√{(b2−a2)β+A2} (5) y=(S−s)/s =[√{(s2−r2)β+R2}−s]/s (6.1) y=(B−b)/b =[√{(b2−a2)β+A2}−b]/b (6.2) kより内方と、Kより内方の各管壁の断面積の関係は、 πk2−πr2=(πK2−πR2)/β k=√{(K2−R2)/β+r2} (7) K=√{(k2−r2)β+k2} (8) l=2πk=2πR{(K2−R2)/β+r2) (9) L=2πK=2π√{(k2−r2)β+R2} (10) z=(L−l)/l=(2πK−2πk)/2πk =(K−k)/k (11.1) z=[√{(k2−r2)β+R2}−k]/k (11.2) 今、引っ張れば応力に比例した伸び(歪み)率を示し、
体積変化は起こらず、(β=1、ポアソン比0.5)、
2倍の長さを越えれば、突然切れる弾性ゴムを用いたと
して、その内半径rが10cm、外半径sが20cm、
厚みtが10cm、内周aが62.8cm、外周bが1
25.6cmのゴム管を作り、内空にガスをつめ、内半
径を20cmに拡大した場合、式(1)と(6.1)ま
たは(6.2)を用いて計算すれば、その内周Aはaの
2倍になり、その伸び率xは1(100%)になり、最
大の応力を示す。しかし、外半径は26.4cmに増
し、外周Bは166.1cmになり、伸び率yは0.3
2(32%)に過ぎず、伸び率にほぼ比例する応力は、
内周の1/3程度にしかならず、材料の性能が不完全に
しか発揮されない。
【0043】内周に近いほど、伸び率は大きく、それか
ら遠ざかるほど、伸び率は小さくなるが、式(11.
1)(11.2)で求めた、その有様を次表に記す。ガ
スを入れない際の半径k、その位置の円周l、ガスをつ
めた際の、kに対応する部分の半径K、その円周L、l
からLに伸びる事による伸び率zの順に記す。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 半径と伸び率の関係 (内半径が10cm→20cmに伸びた場合) k l K L z 10 62.8 20.5 125.6 1.00 11 69.0 20.5 128.8 0.86 12 75.3 21.0 132.3 0.75 13 81.6 21.6 136.0 0.66 14 87.9 22.2 139.8 0.59 15 94.2 22.9 143.8 0.52 16 100.4 23.5 148.0 0.47 17 106.7 24.2 152.4 0.42 18 113.0 24.9 156.8 0.38 19 119.3 25.7 161.4 0.35 20 125.6 26.4 166.1 0.32 cm cm cm cm ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 内周が2倍に伸びたこのゴム管に、もう少しガスをつめ
こめば、内周のゴムが裂け、ガスはその亀裂を広げ、た
ちまち、外周にまで亀裂が成長し、管は裂けてしまう。
【0044】従って、この管は内周の伸びが、その材料
の抗張力(最大応力)を示す値に到れば、それより外の
部分の余力が生かされないまま、破壊に到るのである。
(現実の材料を用いても、原理的にはこれに近い事が起
こる。)この関係は金属管の場合でも同様である。次の
表は上例と同サイズの金属管の内周aを10cmから、
A=10.1cm、x=0.01(1%)歪ませた場合
の、それより外の伸び率の変化を記したものである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 半径と伸び率の関係 (内半径が10cm→10.1cmに伸びた場合) k l K L z 10 62.80 10.10 63.43 0.0100 11 69.08 11.09 69.65 0.0083 12 75.36 12.08 75.88 0.0070 13 81.64 13.08 82.12 0.0059 14 87.92 14.07 88.37 0.0051 15 94.20 15.07 94.62 0.0045 16 100.48 16.06 100.87 0.0039 17 106.76 17.06 107.13 0.0035 18 113.04 18.06 113.39 0.0031 19 119.32 19.05 119.65 0.0028 20 125.60 20.05 125.92 0.0025 cm cm cm cm ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー このように厚肉の単層の管では、外部の材料の機能を不
充分にしか出せない。しかし、最内部から最外部に到る
全体をほぼ同様の伸び(歪み)率で使用できれば、原理
的には無限に大きな圧力に耐える容器ができる事にな
る。
【0045】このような目的を達するには、管壁を、薄
層を多数重ねた重層構造にする。内半径rに比べて管壁
の厚みが小さく、内半径rと外半径sの差の、rに対す
る比率(s−r)/rが0.1程度であれば、伸び率の
内外差も上記の表や式から求められるように、20%以
下で、材料の耐圧性能は、ほぼ充分に発揮される。(更
に薄くてもよい。y/x比が1に近ずく事が望まし
い。)重層構造にする場合、最外層の物まで、充分にそ
の性能を発揮するように設計しなければならない。それ
は、管内に最高ガス圧がかかった時、全層がほぼ同じ伸
び率に引き伸ばされるようにする事である。
【0046】次にこのような考え方にもとずく設計法の
概要を記す。まず、第1層41の内半径rを定め、その
厚みtをrの10%以下に取る。式(1)(6.2)か
ら知られるように、ガスをつめた場合の外周bの伸び率
yは、内周aの伸び率xより大きいので、内周部に着目
し、そこでの許容最大応力を定める。その値は材料の抗
張力σに安全率αをかけた値になる。
【0047】材料のヤング率(Kg/cm2)をε、内
周の許容最大伸び率をcとすれば、 c=σα/ε (12) このcはガスをつめて内半径rがRになった際の拡大率
でもあり、次の関係が成り立つ。
【0048】 R=r+cr (13) A=2πR=2π(r+cr) (14) ガスをつめて内半径rを許容最大伸び率cだけ拡大さ
せ、Rにした際の外半径Sを特にU、外周BをDと定め
れば、式(12)〜(14)を式(3)と(5)に代入
し、次の式が得られる。
【0049】 U=√{(s2−r2)β+(r+cr)2} =√{(s2−r2)β+(r+σαr/ε)2} (15) D=√{(b2−a2)β+(a+ca)2} =√{(b2−a2)β+(a+σαa/ε)2} (16) 第2層42の内半径の自由長(第1層が入っていない際
の長さ)vと、内周eは、ガスをつめた際の第1層41
の外半径Uまたは外周Dを、許容最大伸び率cだけ縮め
た値にしなければならない。その値は次式のようにな
る。(r、sその他は第1層の値) v=U/(1+c)=√{(s2−r2)β+(r+σαr/ε)2}/(1+ σα/ε) (17) e=D/(1+c)=√{(b2−a2)β+(a+σαa/ε)2}/(1+ σα/ε) (18) 第2層42の内半径の自由長vが定まれば、その10
%、あるいは、第1層の内半径rの10%程度の厚みを
取り、第2層の外半径を定める。
【0050】ついで、第2層の内半径をr、外半径をs
とし、式(17)を用い、第3層43の内半径の自由長
v及び、その10%増し程度の外半径の値を定める。も
し、第4層、第5層、それ以上の層を用いる場合には、
第2層、第3層と同様、式(17)のrに内接層の内半
径、sに外半径の各自由長を入れ、その材料のσ、α、
ε、βを入れ、求める層の内半径の自由長vを得る事を
反復すればよい。
【0051】上記の式では、各層を同じ材質で造る事を
前提にしているが、内接層の各値を上記の通りとし、求
める層(外接層)の許容最大伸び率をC、材質の抗張力
をΣ、安全率をΑ、ヤング率をΕとすれば、求める層の
内半径の自由長wは、 w=U/(1+C)=√{(s2−r2)β+(r+σαr/ε)2}/(1+ ΣΑ/Ε) (19) 次にrをRにした場合の各層の円周方向に働く応力につ
いて考察する。
【0052】材料内の任意の半径kにおける伸び(歪
み)率z、応力f(Kg/cm2)、ヤング率εとの関
係は式(11.2)(15)等より、 f=zε=[√{(k2−r2)β+(r+σαr/ε)2}−k]/kε (20) となり、一つの層の全応力F(Kg)は、上式をr〜s
の範囲で定積分する次式により求められる。
【0053】 F=∫r\s [√{(k2−r2)β+(σαr/ε)2}−k]/kεdk G=−βr2+(r+σαr/ε)2 g=√G H=√(βs2+a) h=√(βr2+a) とおけば、 F=[H+g/2×log{(H−g)/(H+g)}−s] −[h+g/2×log{(h−g)/(h+g)}−r] (21) 半径に対して肉厚を比較的小さく取るため、r〜sの伸
び率の変化は、ほぼ直線的になるので、次の近似式でF
を求めてもよい。ただし、xとyは式(1)と(6.
1)にも示す内周と外周の伸び率である。
【0054】 F≒(s−r)ε(x+y)/2≒(s−r)ε[{(r+σαr/ε)−r }/r+[√{(s2−r2)β+(r+σαr/ε)2}−s]/s]/2 ≒(s−r)ε[σαr/ε/r+[√{(s2−r2)β+(r+σαr/ε )2}−s]/s]/2 (22) また、この層で負担する内圧p(気圧)は、 p≒(s−r)ε[σαr/ε/r+[√{(s2−r2)β+(r+σαr/ ε)2}−s]/s]/2r (23) 上記の式(19)に具体的な数値を代入し、図4に記す
ボンベの設計例を次に記す。
【0055】第1層41の内半径rを5cm、外半径s
を5.5cm、材料の抗張力σを20000Kg/cm
2、安全率αを0.25、体積変化率βを1(体積変化
無し)、ヤング率εを2500000Kg/cm2
し、第2層42の材料の抗張力Σを10000Kg/c
2、安全率Αを0.25、ヤング率Εを200000
0Kg/cm2とすれば、第2層の内半径の自由長w
は、 w=√{(5.52−52)×1+(5+20000×0.25×5/2500 000)2}/(1+10000×0.25/2000000)=5.5022 (cm) 第2層の内半径はこのように5.5022cmにし、そ
の外半径の自由長を6cmにし、第2層と同材質を用
い、第3層の内半径を式(19)で求めると、 w=√{(62−5.50222)×1+(5.5022+10000×0.2 5×5.5022/2000000)2 }/(1+10000×0.25/2000000)=5.9913(cm) 従って、第3層の内半径と外半径の自由長は5.991
3cmと、6.5cmにすればよい。
【0056】この例では、β=1として計算している
が、個々のケースに応じたβの値を代入して求める事が
望ましい。βは材質が異なれば変わり、温度(体積・ヤ
ング率・抗張力等の変化)、内径、外径、厚み、内圧、
外圧等、諸条件の影響を受け、単純には定められない。
そこで、管の材質、内径、外径、内圧、外圧、温度、そ
の他の条件をさまざまに変え、体積変化を実測し、帰納
的にβを求める関係式を得てもよい。
【0057】なお、横幅の広い金属平板を上下に引っ張
り、弾性限度内での上下方向の伸びに対し、面の厚み
が、どう変わるかを実測し、特殊なポアソン比を得、体
積(上下長と厚みの積)変化に関するデータを求め、あ
るいは、面の表理面を加圧しつつ、上下に引っ張り、ポ
アソン比や、体積変化率を求め、βの値の算出に用い得
るようにする事が望ましい。
【0058】上例の数値を式(22)に代入し、第1層
の管壁の安全使用時に出し得る最大応力Fを求めると、 F≒(5.5−5)×2500000×[20000×0.25×5/250 0000/5+[√{30.25−25)×1+(5+20000×0.25× 5/2500000)2}−5.5]/5.5]/2≒2283(Kg) となり、それが安全に負担し得る内圧pは式(23)に
より、約457気圧となる。
【0059】図4に示すボンベを造る際、まず第1層4
1を造る。ついで、上記のような設計法で内半径と外半
径を設定した金属管を、左端のふさがった試験管形にし
て成る第2層42の半製品を造り、常温または数100
℃に加熱し、真空中で第1層にかぶせ、右端をしぼり加
工で第1層にかぶせる。同様の方法で第3層43を第2
層にかぶせる。(内方の層ほど、外接層から大きな外圧
を受け、強く圧縮される。)あるいは、第1層41を常
温または液体窒素等で冷却しておき、その外面に溶融し
たアモルファス金属の溶融物を薄く巻き付け、アモルフ
ァス金属層を形成させ、それを適温に冷却し、更にアモ
ルファス層の巻き付けを反復し、各層が結果的に前記の
設計値になるようにしてもよい。
【0060】なお、従来の大砲の砲身や高圧プレスのシ
リンダー等で、内接層の外径より小さな内径の外接層を
焼きばめ等でかぶせる事は行なわれているが、原理的に
は無限に大きな圧力のガスをも収め得る物が得られる、
上記のような設計法は示されていない。このようにして
得られた高圧用ボンベは、前記のボンベ8、9等として
用いるほか、人工ダイアモンドの合成用容器、その他種
々の用途に用いる事ができる。特願平1ー203566
号「核融合の実験装置」(出願人藤村明宏)中に、高圧
容器中に、常温核融合の実験に用いられているパラジウ
ムを微粒子にし、焼結した物と、高圧重水素とをつめ、
常温核融合を行なわせたり、容器に数万気圧の重水素を
つめ、線状の紫外線ビームパルスを重水素中に通し、そ
のビーム中に高圧放電させ、核融合を行させる事等が記
されているが、このような装置の高圧容器に上記のボン
ベを用いてもよい。
【0061】常温核融合の実験によく用いられるパラジ
ウム、鉄・ニッケル・チタン・その他、高圧下で水素を
急増する単体、合金等を、粒度10μm以下の微粉に
し、そのまま、あるいはパラジウムメッキをして焼結す
るか、鉄等の焼結体にパラジウムメッキ液を通しながら
通電する等してメッキし、半径1cm程度の長い半円柱
形にする。それを常温核融合(物理)触媒とよぶ事にす
る。
【0062】この触媒を内半径1cmの上記のような高
圧ボンベ内の上半部に取り付け、核融合用の重水素(ま
たは重水素と3重水素の混合気等)と、高比重で、核融
合を起こさず、化学的にも不活性なキセノン、クリプト
ン、その他の核融合反応制御ガス(中性子の発生する反
応では、中性子を吸収しにくいと言う条件を加えてもよ
い)とを同容積、ボンベ内が数万気圧になるように押し
込み、ボンベの口を閉じる。
【0063】重水素は触媒の気孔中と、それより数mm
下方の範囲に主に存在し、制御ガスは更に下方に溜ま
る。相表面積が非常に大きい触媒の表面に、高圧、高密
度の重水素が押し付けられ、それが触媒材料中に吸蔵さ
れ、更に圧力を増し、水素原子同しが接近し、核融合を
起こすものも生じてくる。(この場合、ボンベ内にガス
を押し込むのにエネルギーを要するが、その後はエネル
ギーを加えなくてよい利点がある。)このようなボンベ
を多数ボイラー等の大容器中に入れ、ボイラー内の水等
を加熱すればよい。各ボンベにはリング状の歯車をは
め、上下に長い2本のラック間に歯車を挟み、各ラック
対に数個ずつのボンベを固定させる。
【0064】一つのラックを上下に動かせば、ボンベは
回転し、その回転角の程度により、触媒の一部または全
部が制御ガス中に入り、重水素の一部または全部が触媒
外に排除され、発熱量の制御が起こなわれる。なお、安
価で、効率の高い核融合触媒の探索が今後必要である。
触媒とボンベとの接合に、温度が一定値に達すれば解
け、触媒を制御ガス中に落としてしまう結合材を用いた
り、両者をバイメタルでつなぎ、温度上昇に伴い、触媒
が下がるようにし、安全性を高めてもよい。
【0065】触媒入りのボンベ中に重水をつめ、高圧下
では水より比重が大きくなる。不活性ガスを押し込んで
内圧を数千気圧にし、ボンベ内の下半部に入れた陽極と
触媒間に通電し、重水素ガスを電気分解で発生させ、内
圧を高め、核融合を起こさせる場合には、通電量を加減
し、核融合の量を制御する事ができる。ボンベの内径を
数mm以下にしてもよい。内圧も任意に上げ下げしても
よい。ボンベを上下方向に立て、上半部に円柱形触媒を
収め、水平軸の周囲にボンベを回転させ、反応量の制御
を行なってもよい。
【0066】その他種々の設計変更が可能である。
【0067】
【発明の効果】 本発明を実施すれば、比較的構造が
簡単で、安価に製作でき、高いエネルギー効率で、核融
合物質を高密度に集中させ得る、核融合装置が得られる
利点が生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した核融合実験装置の正面図。
【図2】 その中央部と左方の拡大縦断正面図。
【図3】 中央部の拡大左側面図。
【図4】 高圧ガスボンベの断面構造図。
【図5】 管壁に加わる応力について説明するための管
の断面図。
【符号の説明】
1 反応容器。 2 リボン送り出し装置。 3 荷電粒子銃。 4 荷電粒子銃。 5 高電圧発生装置容器。 6 モーター。 7 固定台。 8 ボンベ。 9 ボンベ。 10 送気・導電管。 11 送気・導電管。 12 強誘電体層。 13 収束コイル。 14 収束コイル 15 陰極。 16 陰極。 19 コンデンサーの陰極板。 21 陰極16の駆動装置。 22 導電性リボン。 23 核融合物質ペレット。 24 固定電極。 25 強誘電体層。 26 絶縁体製回転ドラム。 27 多数の帯状金属電極。 28 回転軸。 29 数100vの直流電源。 30 金属ブラシ。 31 電気カップ。 33 金属ブラシ。 34 イオンフラッシュバルブ。 35 ノズル。 36 磁歪材料製円柱形弁体。 37 その周囲を囲むコイル。 38 イオン化電極。 39 イオン化電極。 40 間隙。 41 高圧ボンベの第1層。 42 第2層。 43 第3層。 44 管壁の左半部。 45 同じ管壁の右半部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動装置から送り出される多数の核融
    合物質ペレットを取り付けた導電性リボンの真空容器中
    に突出した端の表裏面を、高圧直流電源の一極に連なる
    分厚い電極板で挟み、このペレット及びリボンの対向電
    極である網状電極の遠隔側に開口を持つ弁箱と、コの弁
    箱中に高圧ガスボンベに連なるノズルを開口させ、一端
    がそのノズル口に接し、他端が弁箱内面に固着する、周
    囲にコイルを巻いた円柱形磁歪材料、または、表裏面に
    電極を取り付けた圧電材料製円盤の積層体から成る円柱
    形弁体とより成るガスフラッシュバルブを設け、モータ
    ーに連なる水平な回転軸の周囲に絶縁ドラムを取り付
    け、その円筒面に軸に平行な多数の帯状金属電極を電極
    幅と同程度の間隔を置いて取り付け、ドラムの下縁の帯
    状電極に接する強誘電体薄層で被覆された固定電極を設
    け、直流低電圧電源の一極を固定電極につなぎ、多極を
    電気ブラシを介して固定電極に対向する帯状電極に接続
    し、固定電極を高圧電源コンデンサーの一極につなぎ、
    ドラムの上縁の帯状電極に接し、電気カップの内面に連
    なる電気ブラシを設け、電気カップの外面を高圧電源コ
    ンデンサーの他極につなぎ、かつ、高圧電源コンデンサ
    ーの一極を導電性リボンを挟む電極につなぎ、他極をリ
    ボンの対向電極につないでなる、核融合装置。
  2. 【請求項2】 内部に収納した最大使用ガス圧力によ
    り、容器壁を構成する各層の円周方向における応力が、
    各層の材料の抗張力をほぼ一定の安全率で除した値にな
    るよう、製造時の各層のサイズを設定した多層壁から成
    る高圧ガスボンベを用いた事を特徴とする、請求項1に
    記載の核融合装置。
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KR20190069447A (ko) * 2016-11-21 2019-06-19 스테이트 에토믹 에너지 코퍼레이션 “로사톰”온 비핼프 오브 더 러시안 페더레이션 핵융합 반응기

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