JPH06166722A - 結晶性オレフィン系ランダム共重合体 - Google Patents

結晶性オレフィン系ランダム共重合体

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JPH06166722A
JPH06166722A JP32299292A JP32299292A JPH06166722A JP H06166722 A JPH06166722 A JP H06166722A JP 32299292 A JP32299292 A JP 32299292A JP 32299292 A JP32299292 A JP 32299292A JP H06166722 A JPH06166722 A JP H06166722A
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JP
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olefin
pentafluorophenyl
borate
bis
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Application number
JP32299292A
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English (en)
Inventor
Toshinori Tazaki
稔典 田崎
Shuji Machida
修司 町田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着性に優れ、かつ強度が高い上、他樹脂と
の相溶性に優れたポリオレフィン材料を得ることが可能
な結晶性オレフィン系ランダム共重合体を提供するこ
と。 【構成】 C3 〜C12のα−オレフィンと、一般式 【化1】 (R1 〜R10はH、ハロゲン又はC1 〜C20の炭化水素
基、n≧0)で表される環状ポリエンとの共重合体であ
って、(a)反応性不飽和基を有する環状ポリエン単位
の含有量が0.001〜20モル%、(b)〔η〕が0.0
1〜20dl/g(135℃デカリン)で、GPCで測
定した分子量分布が3.5以下であり、かつ(c)135
℃デカリン不溶分を含まない結晶性オレフィン系ランダ
ム共重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な結晶性オレフィン
系ランダム共重合体に関し、さらに詳しくは、接着性に
優れ、かつ強度が高い上、他樹脂との相溶性に優れたポ
リオレフィン系材料を得ることが可能な、ポリオレフィ
ン鎖に反応性不飽和基を導入した結晶性オレフィン系ラ
ンダム共重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高密度ポリエチレン、アイソタク
チックポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレンなど
のオレフィン系重合体は、化学的安定性、良好な機械物
性、優れた加工特性などを有することから、種々の成形
体、フィルム、シート、繊維、合成紙などの素材として
多くの分野において幅広く用いられている。そして、こ
れらのオレフィン系重合体をさらに高度に利用するため
に、共重合反応によって高性能化する試みや、高分子反
応によって改質、あるいは機能性を付与する試みが長年
にわたり行われてきた。例えば、エチレンやプロピレン
などのα−オレフィンと分岐1,4−ジエンとの共重合
による方法が開示されている(特開昭56−30413
号公報、特開昭56−30414号公報)。この方法は
反応性の異なる2官能性オレフィンを用いることによっ
て、1,1−ジ置換オレフィンを側鎖に有する(すなわ
ち、ペンダントオレフィンを有する)共重合体の製造を
可能としている。しかしながら、ここで例示されている
分岐1,4−ジエンは、一般に非共役ジエンと呼ばれる
ものであり、オレフィンとの共重合性は高くなく、その
ために生産性上の問題があった。また、ペンダントオレ
フィンを高含量で有するオレフィン共重合体を得るため
にには、重合反応中に高濃度の非共役ジエンを投入しな
ければならず、重合触媒への配位による活性低下及び架
橋反応が避けられない状況にあった。また、該ペンダン
トオレフィンは、分岐構造のために化学反応の制約を受
けやすい欠点を有する。例えば極性モノマーやオレフィ
ンなどとのグラフト反応は極めて困難である。
【0003】さらに、「ポリマー・ブレタン(Poly
mer Bulletin)」第10巻、第109ペー
ジ(1983年)にも同様な共重合方法が記載されてい
る。しかしながら、この方法はゲル化反応を比較的起こ
しにくい長所を有しているものの、高濃度の不飽和基を
含む場合、実質的にゲル化が生成して好ましくない。ま
た、α−オレフィンとジビニルベンゼンとの共重合によ
る方法が開示されている(特開平1−118510号公
報、特開平1−123811号公報)。しかし、この方
法においては、該ジビニルベンゼンは反応性が同じ二重
結合を有するために、α−オレフィンとの共重合過程で
架橋反応を併発し、不溶不融になりやすいという欠点が
ある。そして、ジビニルベンゼンの共重合体への転化率
が低く、多くのジビニルベンゼンモノマーが共重合体に
残存するために、引きつづきグラフト反応や高分子反応
を行う場合、モノマー除去が必要となり、製造上問題を
有する。さらに、ペンダントオレフィンは、スチレン系
モノマーとなり、オレフィンなどのグラフト反応に制限
を受けるなどの欠点を有する。
【0004】ところで、一般に、チタン化合物やバナジ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物とを組み合わせた
チーグラー型触媒を用いて、エチレンとプロピレン又は
α−オレフィンと環状オレフィンとの三元共重合体が得
られることは、よく知られた公知の技術である。この例
としては数多くあるが、代表例としては、特開平3−2
8209号公報がある。これは、いわゆるEPDMの製
造、すなわち、ゴム状弾性体及びその製法に関したもの
であり、実質上非晶質な共重合体である。また、プロピ
レンに限定してみれば、特開平1−197511号公報
において、環状不飽和化合物とのオレフィン系ランダム
共重合体に関する記載がある。この発明は、透明性、耐
熱性や種々の機械的特性に優れたオレフィン系ランダム
共重合体を提供することを意図したもので、特に透明性
の高いポリオレフィン系材料の開発を主眼においたもの
である。このため、数多くの実施例を詳細に検討して
も、得られた共重合体中のプロピレン単位の含有量は7
0モル%以下であり、このような領域では、ポリプロピ
レン本来の特性、例えば結晶性は著しく阻害される。事
実、該公報には、結晶性や融点に関する記述は見あたら
ない。これは本発明の意図するところではない。さら
に、特開平3−290411号公報、同4−25514
号公報、同4−25515号公報、同4−258610
号公報において、内部オレフィンや環状オレフィンとプ
ロピレンとの共重合についての記載がある。しかしなが
ら、これらの公報においては、いずれもプロピレン連鎖
が実質的にシンジオタクト構造を示すものである。この
シンジオタクト構造を有するポリプロピレンは、ラセミ
ペンタッド分率が0.7を超える良好なタクティシティー
を示す合成例〔「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・
ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.So
c.)」第110巻、第6255〜6256ページ(1
988年)〕が報告されて以来、種々検討されてきた
が、すでに広く用いられているアイソタクチック構造の
ポリプロピレンと比較して融点、結晶化速度いずれもが
低く材料として必ずしも好適ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、接着性に優
れ、かつ強度が高い上に、他樹脂との相溶性に優れたポ
リオレフィン系材料を得ることが可能であり、しかも架
橋反応や環化反応を生じることがなく、したがってゲル
の発生を完全に抑制しうるとともに、効率よく製造する
ことのできる結晶性オレフィン系ランダム共重合体を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する結晶性オレフィン系ランダム共重合
体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、α−オレフィン
と特定の構造の環状ポリエンとの共重合体からなるもの
であって、該環状ポリエン単位が反応性不飽和基を有
し、かつその含有量が所定の範囲にある特定の物性を有
するオレフィン系共重合体により、その目的を達成しう
ることを見出した。本発明は、このような知見に基づい
て完成したものである。すなわち本発明は、炭素数3〜
12のα−オレフィンと、一般式(I)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1 〜R10は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示
し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、n
は0以上の整数である。)で表されるノルボルネン骨格
とシクロペンテン骨格とからなる環状ポリエンとの共重
合で得られる結晶性オレフィン系ランダム共重合体であ
って、(a)一般式(II)
【0009】
【化4】
【0010】(式中のR1 〜R10及びnは前記と同じで
ある。)で表される環状ポリエン単位の含有量が0.00
1〜20モル%であること、(b)135℃デカリン中
で測定した極限粘度が0.01〜20デシリットル/gで
あり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C)で測定した分子量分布が3.5以下であること、及び
(c)135℃デカリン不溶分を含まないことを特徴と
する結晶性オレフィン系ランダム共重合体を提供するも
のである。
【0011】本発明の共重合体においては、原料モノマ
ーの一成分として炭素数3〜12のα−オレフィンが用
いられる。この炭素数3〜12のα−オレフィンとして
は、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4
−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセンなどの脂肪族オレフィン
が挙げられるが、これらの中で特にプロピレンが好適で
ある。これらのα−オレフィンは一種用いてもよく、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。また少量であれば
スチレン類を組合せてもよい。一方、原料モノマーの他
の成分(コモノマー)として用いられる環状ポリエンと
しては、一般式(I)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R1 〜R10及びnは前記と同であ
る。)で表されるノルボルネン骨格とシクロペンテン骨
格とからなるものが用いられる。該一般式(I)におい
て、R1 〜R10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子又は
炭素数1〜20の炭化水素基であり、ハロゲン原子とし
ては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子などが挙げられ
る。炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基及びこれらに対応するア
ルコキシル基などが挙げられる。またnは0または1以
上の整数である。該R1 〜R10は、たがいに同一であっ
てもよいし、異なっていてもよい。前記一般式(I)で
表される環状ポリエンの代表例としては、ジシクロペン
タジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、ジエチルジ
シクロペンタジエンなどが挙げられ、これらは一種用い
てもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】本発明の共重合体は、前記の炭素数3〜1
2のα−オレフィンと一般式(I)で表される環状ポリ
エンとを、重合触媒の存在下に共重合させることにより
得られる。該重合触媒としては、プロピレンの単独重合
において、1,2,4−トリクロロベンゼン溶液で測定
した13C−NMRにおいて、テトラメチルシランを基準
として19.5〜22.5ppmの間に観測されるプロピレ
ンのメチル基のピークで21.0〜22.0ppmの範囲で
観測されるピークのピーク面積が全メチル基のピーク面
積の60%以上のものを与える重合触媒であれば好適に
用いることができる。このような重合触媒としては、例
えば(A)遷移金属化合物及び(B)該(A)成分の遷
移金属化合物又はその派生物からカチオン種を形成する
ことができる化合物を主成分とするものを挙げることが
できる。
【0015】該(A)成分の遷移金属化合物としては、
周期律表3〜10族に属する金属又はランタノイド系列
の金属を含む遷移金属化合物を使用することができる。
上記遷移金属としては、具体的にはチタニウム,ジルコ
ニウム,ハフニウム,クロム,マンガン,ニッケル,パ
ラジウム又は白金などが好ましく、特にジルコニウム,
ハフニウム,チタン,ニッケル,パラジウムが好まし
い。このような遷移金属化合物としては、種々のものが
挙げられるが特に4族,8〜10族の遷移金属を含む化
合物、中でも周期律表の4族から選ばれる遷移金属、す
なわちチタニウム,ジルコニウム又はハフニウムを含有
する化合物を好適に用いることができる。特に、一般式 CpM111 a12 b13 c ・・・(III) Cp2111 a12 b ・・・(IV) (Cp−Ae −Cp)M111 a12 b ・・・(V) 又は一般式 M111 a12 b13 c14 d ・・・(VI) で示される化合物やその誘導体が好適である。
【0016】前記一般式(III)〜(VI)において、M1
はチタン,ジルコニウム又はハフニウムなどの周期律表
第4族遷移金属を示し、Cpはシクロペンタジエニル
基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換
インデニル基,テトラヒドロインデニル基,置換テトラ
ヒドロインデニル基,フルオレニル基又は置換フルオレ
ニル基などの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化
水素基を示す。R11,R 12,R13及びR14はそれぞれ独
立にσ結合性の配位子,キレート性の配位子,ルイス塩
基などの配位子を示し、σ結合性の配位子としては、具
体的には水素原子,酸素原子,ハロゲン原子,炭素数1
〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコキシ基、
炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基若し
くはアリールアルキル基、炭素数1〜20のアシルオキ
シ基,アリル基,置換アリル基,ケイ素原子を含む置換
基などを例示でき、またキレート性の配位子としては、
アセチルアセトナート基,置換アセチルアセトナート基
などを例示できる。Aは共有結合による架橋を示す。
a,b,c及びdはそれぞれ独立に0〜4の整数、eは
0〜6の整数を示す。R11,R12,R13及びR14はその
2以上が互いに結合して環を形成してもよい。上記Cp
が置換基を有する場合には、該置換基は炭素数1〜20
のアルキル基が好ましい。(IV)式及び(V)式におい
て、2つのCpは同一のものであってもよく、互いに異
なるものであってもよい。
【0017】上記(III)〜(V)式における置換シクロ
ペンタジエニル基としては、例えばメチルシクロペンタ
ジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基;イソプロ
ピルシクロペンタジエニル基;1,2−ジメチルシクロ
ペンタジエニル基;テトラメチルシクロペンタジエニル
基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,
2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基;1,2,
4−トリメチルシクロペンタジエニル基;ペンタメチル
シクロペンタジエニル基;トリメチルシリルシクロペン
タジエニル基などが挙げられる。また、上記(III)〜
(VI)式におけるR 11〜R14の具体例としては、例えば
ハロゲン原子としてフッ素原子,塩素原子,臭素原子,
ヨウ素原子、炭素数1〜20のアルキル基としてメチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−
ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基、炭素数
1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ
基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェノキシ基、炭素数
6〜20のアリール基,アルキルアリール基若しくはア
リールアルキル基としてフェニル基,トリル基,キシリ
ル基,ベンジル基、炭素数1〜20のアシルオキシ基と
してヘプタデシルカルボニルオキシ基、ケイ素原子を含
む置換基としてトリメチルシリル基、(トリメチルシリ
ル)メチル基、ルイス塩基としてジメチルエーテル,ジ
エチルエーテル,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、エ
チルベンゾエートなどのエステル類、アセトニトリル;
ベンゾニトリルなどのニトリル類、トリメチルアミン;
トリエチルアミン;トリブチルアミン;N,N−ジメチ
ルアニリン;ピリジン;2,2’−ビピリジン;フェナ
ントロリンなどのアミン類、トリエチルホスフィン;ト
リフェニルホスフィンなどのホスフィン類、鎖状不飽和
炭化水素として、エチレン;ブタジエン;1−ペンテ
ン;イソプレン;ペンタジエン;1−ヘキセン及びこれ
らの誘導体、環状不飽和炭化水素として、ベンゼン;ト
ルエン;キシレン;シクロヘプタトリエン;シクロオク
タジエン;シクロオクタトリエン;シクロオクタテトラ
エン及びこれらの誘導体などが挙げられる。また、上記
(V)式におけるAの共有結合による架橋としては、例
えば、メチレン架橋,ジメチルメチレン架橋,エチレン
架橋,1,1’−シクロヘキシレン架橋,ジメチルシリ
レン架橋,ジメチルゲルミレン架橋,ジメチルスタニレ
ン架橋などが挙げられる。
【0018】前記一般式(III)で表される化合物として
は、例えば、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ト
リメチルジルコニウム,(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)トリフェニルジルコニウム,(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウム,(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)トリクロロジルコニ
ウム,(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメト
キシジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリメチ
ルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリフェニ
ルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリベンジ
ルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリクロロ
ジルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリメトキシ
ジルコニウム,(シクロペンタジエニル)ジメチル(メ
トキシ)ジルコニウム,(メチルシクロペンタジエニ
ル)トリメチルジルコニウム,(メチルシクロペンタジ
エニル)トリフェニルジルコニウム,(メチルシクロペ
ンタジエニル)トリベンジルジルコニウム,(メチルシ
クロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム,(メチ
ルシクロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコ
ニウム,(ジメチルシクロペンタジエニル)トリクロロ
ジルコニウム,(トリメチルシクロペンタジエニル)ト
リクロロジルコニウム,(トリメチルシクロペンタジエ
ニル)トリメチルジルコニウム,(テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)トリクロロジルコニウムなど、さらに
はこれらにおいて、ジルコニウムをチタン又はハフニウ
ムに置換した化合物が挙げられる。
【0019】前記一般式(IV)で表される化合物として
は、例えばビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジル
コニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジ
ルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジ
ルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジル
ジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキ
シジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジヒド
リドジルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)モノ
クロロモノヒドリドジルコニウム,ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ビス(メチル
シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム,ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウ
ム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)ジクロロジルコニウム,ビス(ペンタメチルシク
ロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム,ビス(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)クロロメチルジルコ
ニウム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヒ
ドリドメチルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコ
ニウムなど、さらにはこれらにおいて、ジルコニウムを
チタン又はハフニウムに置換した化合物が挙げられる。
【0020】また、前記一般式(V)で表される化合物
としては、例えばエチレンビス(インデニル)ジメチル
ジルコニウム,エチレンビス(インデニル)ジクロロジ
ルコニウム,エチレンビス(テトラヒドロインデニル)
ジメチルジルコニウム,エチレンビス(テトラヒドロイ
ンデニル)ジクロロジルコニウム,ジメチルシリレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジクロロ
ジルコニウム,イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(9−フルオレニル)ジメチルジルコニウム,イソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレ
ニル)ジクロロジルコニウム,〔フェニル(メチル)メ
チレン〕(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム,ジフェニルメチレン(シク
ロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジメチルジル
コニウム,エチレン(9−フルオレニル)(シクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウム,シクロヘキサリデ
ン(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム,シクロペンチリデン(9−フルオレ
ニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム,シクロブチリデン(9−フルオレニル)(シクロペ
ンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ジメチルシリレ
ン(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム,ジメチルシリレンビス(2,3,5
−トリメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニ
ウム,ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチル
シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ジメチ
ルシリレンスビス(インデニル)ジクロロジルコニウム
などが、さらには、これらにおいて、ジルコニウムをチ
タン又はハフニウムに置換して化合物が挙げられる。
【0021】さらに、前記一般式(VI)で表される化合
物としては、例えばテトラメチルジルコニウム,テトラ
ベンジルジルコニウム,テトラメトキシジルコニウム,
テトラエトキシジルコニウム,テトラブトキシジルコニ
ウム,テトラクロロジルコニウム,テトラブロモジルコ
ニウム,ブトキシトリクロロジルコニウム,ジブトキシ
ジクロロジルコニウム,ビス(2,5−ジ−t−ブチル
フェノキシ)ジメチルジルコニウム,ビス(2,5−ジ
−t−ブチルフェノキシ)ジクロロジルコニウム,ジル
コニウムビス(アセチルアセトナート)など、さらに
は、これらにおいて、ジルコニウムをチタン又はハフニ
ウムに置換した化合物が挙げられる。
【0022】さらに、(A)成分として、前記一般式
(V)の中で、置換若しくは無置換の2個の共役シクロ
ペンタジエニル基(但し、少なくとも1個は置換シクロ
ペンタジエニル基である)が周期律表の14族から選ば
れる元素を介して互いに結合した多重配位性化合物を配
位子とする4族遷移金属化合物を好適に用いることがで
きる。このような化合物としては、例えば一般式(VII)
【0023】
【化6】
【0024】で表される化合物又はその誘導体を挙げる
ことができる。前記一般式(VII)中のY1は炭素,ケイ
素,ゲルマニウム又はスズ原子,R15 t −C5 4-t
びR15 u −C5 4-u はそれぞれ置換シクロペンタジエ
ニル基、t及びuは1〜4の整数を示す。ここで、R15
は水素原子,シリル基又は炭化水素基を示し、互いに同
一であっても異なっていてもよい。また、少なくとも片
方のシクロペンタジエニル基には、Y1に結合している
炭素の隣の少なくとも片方の炭素上にR15が存在する。
16は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素
数6〜20のアリール基、アルキルアリール基若しくは
アリールアルキル基を示す。M2 はチタン、ジルコニウ
ム又はハフニウム原子を示し、X1 は水素原子,ハロゲ
ン原子,炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基、アルキルアリール基若しくはアリールア
ルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。X
1 は互いに同一であっても異なっていてもよく、R16
互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0025】上記一般式(VII)における置換シクロペン
タジエニル基としては、例えばメチルシクロペンタジエ
ニル基;エチルシクロペンタジエニル基;イソプロピル
シクロペンタジエニル基;1,2−ジメチルシクロペン
タジエニル基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル
基;1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基;
1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基などが
挙げられる。X1の具体例としては、ハロゲン原子とし
てF,Cl,Br,I、炭素数1〜20のアルキル基と
してメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピ
ル基,n−ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル
基、炭素数1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,
エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェノキシ
基、炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基
若しくはアリールアルキル基としてフェニル基,トリル
基,キシリル基、ベンジル基などが挙げられる。R16
具体例としてはメチル基,エチル基,フェニル基,トリ
ル基,キシリル基、ベンジル基などが挙げられる。この
ような一般式(VII)の化合物としては、例えばジメチル
シリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、及びこれらのジルコ
ニウムをチタン又はハフニウムに置換した化合物を挙げ
ることができる。さらに、一般式(VIII)
【0026】
【化7】
【0027】で表される化合物も包含する。該一般式
(VIII) の化合物において、Cpはシクロペンタジエニ
ル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置
換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テト
ラヒドロインデニル基、フルオレニル基又は置換フルオ
レニル基などの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭
化水素基を示す。M3はチタン、ジルコニウム又はハフ
ニウム原子を示し、X2は水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基又
は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。ZはSiR17
2 ,CR17 2 ,SiR17 2 SiR17 2 ,CR17 2 CR17
2 ,CR17 2 CR17 2 CR17 2 ,CR17=CR17,CR
17 2 SiR17 2又はGeR17 2 を示し、Y2 は−N(R
18) −,−O−,−S−又は−P(R18)−を示す。上
記R17は水素原子又は20個までの非水素原子をもつア
ルキル,アリール,シリル,ハロゲン化アルキル,ハロ
ゲン化アリール基及びそれらの組合せから選ばれた基で
あり、R18は炭素数1〜10のアルキル若しくは炭素数
6〜10のアリール基であるか、又は1個若しくはそれ
以上のR17と30個までの非水素原子の縮合環系を形成
してもよい。wは1又は2を示す。
【0028】また、5族〜10族の遷移金属を含む遷移
金属化合物としては特に制限はなく、クロム化合物の具
体例としては、テトラメチルクロム、テトラ(t−ブト
キシ)クロム、ビス(シクロペンタジエニル)クロム、
ヒドリドトリカルボニル(シクロペンタジエニル)クロ
ム、ヘキサカルボニル(シクロペンタジエニル)クロ
ム、ビス(ベンゼン)クロム、トリカルボニルトリス
(ホスホン酸トリフェニル)クロム、トリス(アリル)
クロム、トリフェニルトリス(テトラヒドロフラン)ク
ロム、クロムトリス(アセチルアセトナート)などが挙
げられる。マンガン化合物の具体例としては、トリカル
ボニル(シクロペンタジエニル)マンガン、ペンタカル
ボニルメチルマンガン、ビス(シクロペンタジエニル)
マンガン、マンガンビス(アセチルアセトナート)など
が挙げられる。ニッケル化合物の具体例としては、ジカ
ルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジ
ブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、二窒
素ビス〔ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケ
ル〕、クロロヒドリドビス(トリシクロヘキシルホスフ
ィン)ニッケル、クロロ(フェニル)ビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル、ジメチルビス(トリメチルホ
スフィン)ニッケル、ジエチル(2,2’−ビピリジ
ル)ニッケル、ビス(アリル)ニッケル、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ニッケル、ビス(メチルシクロペンタ
ジエニル)ニッケル、ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ニッケル、アリル(シクロペンタジエニル)
ニッケル、(シクロペンタジエニル)(シクロオクタジ
エン)ニッケルテトラフルオロ硼酸塩、ビス(シクロオ
クタジエン)ニッケル、ニッケルビスアセチルアセトナ
ート、アリルニッケルクロライド、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)ニッケル、塩化ニッケル、式(C6
5)Ni〔OC(C6 5)CH=P(C6 5)2 〕〔P
(C6 5)3 〕、(C6 5)Ni〔OC(C6 5)C
(SO3 Na)=P(C6 5)2 〕〔P(C 6 5)3
で表される化合物などが挙げられる。
【0029】パラジウム化合物の具体例としては、ジク
ロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カルボニルト
リス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ
ビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ビス(イソ
シアン化−t−ブチル)パラジウム、パラジウムビス
(アセチルアセトナート)、ジクロロ(テトラフェニル
シクロブタジエン)パラジウム、ジクロロ(1,5−シ
クロオクタジエン)パラジウム、アリル(シクロペンタ
ジエニル)パラジウム、ビス(アリル)パラジウム、ア
リル(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムテトラ
フルオロ硼酸塩、(アセチルアセトナート)(1,5−
シクロオクタジエン)パラジウムテトラフルオロ硼酸
塩、テトラキス(アセトニトリル)パラジウムニテトラ
フルオロ硼酸塩などが挙げられる。本発明で用いる重合
触媒においては、前記(A)成分の遷移金属化合物は一
種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0030】一方、該重合触媒において、(B)成分と
して用いられる、前記(A)成分の遷移金属化合物又は
その派生物からカオチン種を形成することができる化合
物としては、(B−1)該(A)成分の遷移金属化合物
と反応してイオン性の錯体を形成する化合物と、(B−
2)アルミノキサンを例示することができる。該(B−
1)成分の化合物としては、前記(A)成分の遷移金属
化合物と反応してイオン性の錯体を形成しうるものであ
ればいずれのものでも使用できるが、カチオンと複数の
基が元素に結合したアニオンとからなる化合物、特にカ
チオンと複数の基が元素に結合したアニオンとからなる
配位錯化合物を好適に使用することできる。このような
カチオンと複数の基が元素に結合したアニオンとからな
る化合物としては、一般式 (〔L1 −R19k+p (〔M4 1 2 ・・Zn (h-g)-q ・・・(IX) 又は (〔L2 k+p (〔M5 1 2 ・・Zn (h-g)-q ・・・(X) (但し、L2 はM6 ,R20217 ,R22 3 C又はR23
7 である) 〔式中、L1 はルイス塩基、M4 及びM5 はそれぞれ周
期律表の5族,6族,7族,8〜10族,11族,12
族,13族,14族及び15族から選ばれる元素、好ま
しくは13族,14族及び15族から選ばれる元素、M
6 及びM7 はそれぞれ周期律表の3族,4族,5族,6
族,7族,8〜10族,1族,11族,2族,12族及
び17族から選ばれる元素、Z1 〜Zn はそれぞれ水素
原子,ジアルキルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキ
シ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜
20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,アル
キルアリール基,アリールアルキル基、炭素数1〜20
のハロゲン置換炭化水素基、炭素数1〜20のアシルオ
キシ基、有機メタロイド基又はハロゲン原子を示し、Z
1 〜Zn はその2以上が互いに結合して環を形成してい
てもよい。R19は水素原子、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基
又はアリールアルキル基を示し、R20及びR21はそれぞ
れシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル
基,インデニル基又はフルオレニル基、R22は炭素数1
〜20のアルキル基、アリール基,アルキルアリール基
又はアリールアルキル基を示す。R23はテトラフェニル
ポルフィリン,フタロシアニンなどの大環状配位子を示
す。gはM4 ,M5 の原子価で1〜7の整数、hは2〜
8の整数、kは〔L1 −R19〕,〔L2 〕のイオン価数
で1〜7の整数、pは1以上の整数、q=(p×k)/
(h−g)である。〕で表される化合物である。
【0031】ここで、上記L1 で示されるルイス塩基の
具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリ
ン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニ
リン,ジフェニルアミン,トリメチルアミン,トリエチ
ルアミン,トリ−n−ブチルアミン,N,N−ジメチル
アニリン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブ
ロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N
−ジメチルアニリンなどのアミン類、トリエチルフォス
フィン,トリフェニルフォスフィン,ジフェニルフォス
フィンなどのフォスフィン類、ジメチルエーテル,ジエ
チルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどの
エーテル類、ジエチルチオエーテル,テトラヒドロチオ
フェンなどのチオエーテル類、エチルベンゾエートなど
のエステル類などが挙げられる。
【0032】また、M4 及びM5 の具体例としては、
B,Al,Si,P,As,Sbなど、好ましくはB又
はP,M6 の具体例としては、Li,Na,Ag,C
u,Br,Iなど、M7 の具体例としては、Mn,F
e,Co,Ni,Znなどが挙げられる。Z1 〜Zn
具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基としてジ
メチルアミノ基;ジエチルアミノ基、炭素数1〜20の
アルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブト
キシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基としてフェ
ノキシ基;2,6−ジメチルフェノキシ基;ナフチルオ
キシ基、炭素数1〜20のアルキル基としてメチル基;
エチル基;n−プロピル基;イソプロピル基;n−ブチ
ル基;n−オクチル基;2−エチルヘキシル基、炭素数
6〜20のアリール基;アルキルアリール基若しくはア
リールアルキル基としてフェニル基;p−トリル基;ベ
ンジル基;4−t−ブチルフェニル基;2,6−ジメチ
ルフェニル基;3,5−ジメチルフェニル基;2,4−
ジメチルフェニル基;2,3−ジメチルフェニル基、炭
素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基としてp−フル
オロフェニル基;3,5−ジフルオロフェニル基;ペン
タクロロフェニル基;3,4,5−トリフルオロフェニ
ル基;ペンタフルオロフェニル基;3,5−ジ(トリフ
ルオロメチル)フェニル基、ハロゲン原子としてF,C
l,Br,I、有機メタロイド基として五メチルアンチ
モン基,トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,
ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン
基,ジフェニル硼素基が挙げられる。R19,R22の具体
例としては先に挙げたものと同様なものが挙げられる。
20及びR21の置換シクロペンタジエニル基の具体例と
しては、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロ
ペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル
基などのアルキル基で置換されたものが挙げられる。こ
こで、アルキル基は通常炭素数が1〜6であり、置換さ
れたアルキル基の数は1〜5の整数である。
【0033】上記一般式(IX),(X)の化合物の中で
は、M4 ,M5 が硼素であるものが好ましい。一般式
(IX),(X)の化合物の中で、具体的には、下記のも
のが特に好適に使用できる。例えば、一般式(IX)の化
合物としては、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニ
ウム,テトラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テ
トラフェニル硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラフ
ェニル硼酸メチルトリ(n−ブチル)アンモニウム,テ
トラフェニル硼酸ベンジルトリ(n−ブチル)アンモニ
ウム,テトラフェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニ
ウム,テトラフェニル硼酸メチルトリフェニルアンモニ
ウム,テトラフェニル硼酸トリメチルアニリニウム,テ
トラフェニル硼酸メチルピリジニウム,テトラフェニル
硼酸ベンジルピリジニウム,テトラフェニル硼酸メチル
(2−シアノピリジニウム),テトラフェニル硼酸トリ
メチルスルホニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルメチ
ルスルホニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリエチルアンモニウム,テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフ
ェニルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸テトラブチルアンモニウム,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸〔メチ
ルトリ(n−ブチル)アンモニウム〕,テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸〔ベンジルトリ(n−ブチ
ル)アンモニウム〕,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルトリフェニルア
ンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸ジメチルジフェニルアンモニウム,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸アニリニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルア
ニリニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリメチルアニリニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ジメチル(m−ニトロアニリニウ
ム),テトラキス(ペンタフルオロフェニルメチル)硼
酸ジメチル(p−ブロモアニリニウム),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ピリジニウム,テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(p−シアノピリ
ジニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸(N−メチルピリジニウム),テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(N−ベンジルピリジニウム),
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(O−シア
ノ−N−メチルピリジニウム),テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(p−シアノ−N−メチルピリジ
ニウム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(p−シアノ−N−ベンジルピリジニウム),テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルスルホニ
ウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベン
ジルジメチルスルホニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸テトラフェルホスホニウム,テトラキ
ス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)硼酸ジメ
チルアニリウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)
(p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル)硼
酸ジメチルアニリニウム,トリス(ペンタフルオロフェ
ニル)(p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニ
ル)硼酸トリエチルアンモニウム,トリス(ペンタフル
オロフェニル)(p−トリフルオロメチルテトラフルオ
ロフェニル)硼酸ピリジニウム,トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)(p−トリフルオロメチルテトラフルオロ
フェニル)硼酸(N−メチルピリジニウム),トリス
(ペンタフルオロフェニル)(p−トリフルオロメチル
テトラフルオロフェニル)硼酸(O−シアノ−N−メチ
ルピリジニウム),トリス(ペンタフルオロフェニル)
(p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル)硼
酸(p−シアノ−N−ベンジルピリジニウム),トリス
(ペンタフルオロフェニル)(p−トリフルオロメチル
テトラフルオロフェニル)硼酸トリフェニルホスホニウ
ム,トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,3,5,
6−テトラフルオロピリジニル)硼酸ジメチルアニリニ
ウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,3,
5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸トリエチルア
ンモニウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,
3,5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸ピリジニ
ウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,3,
5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸(N−メチル
ピリジニウム),トリス(ペンタフルオロフェニル)
(2,3,5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸
(O−シアノ−N−メチルピリジニウム),トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)(2,3,5,6−テトラフル
オロピリジニル)硼酸(p−シアノ−N−ベンジルピリ
ジニウム),トリス(ペンタフルオロフェニル)(2,
3,5,6−テトラフルオロピリジニル)硼酸トリフェ
ニルホスホニウム,トリス(ペンタフルオロフェニル)
(フェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,トリス(ペン
タフルオロフェニル)〔3,5−ジ(トリフルオロメチ
ル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニウム,トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)(4−トリフルオロメチルフェ
ニル)硼酸ジメチルアニリニウム,トリフェニル(ペン
タフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,ヘキ
サフルオロ砒素酸トリエチルアンモニウムなどが挙げら
れる。
【0034】一方、一般式(X)の化合物としては、テ
トラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼酸
銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェニル硼酸
(テトラフェニルポルフィリンマンガン),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−ジ
メチルフェロセニウム),テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチルフェロセニウ
ム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホルミ
ルフェロセニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸シアノフェロセニウム,テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸銀,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリチル,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸リチウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸ナトリウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸(テトラフェニルポルフィリンマンガ
ン),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テ
トラフェニルポルフィリン鉄クロライド),テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テトラフェニルポル
フィリン亜鉛),テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフルオ
ロ砒素酸銀,ヘキサフルオロアンチモン酸銀などが挙げ
られる。また、前記一般式(IX) ,(X)以外の化合物
としては、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸,トリス〔3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェ
ニル〕硼酸,トリフェニル硼酸なども使用することがで
きる。
【0035】この(B−1)成分である、該(A)成分
の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する
化合物は一種用いてもよく、また二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。一方,(B−2)成分のアルミノキサ
ンとしては、一般式(XI)
【0036】
【化8】
【0037】(式中、R24は炭素数1〜20、好ましく
は1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,
アリールアルキル基などの炭化水素基、sは重合度を示
し、通常3〜50、好ましくは7〜40の整数であ
る。)で表される鎖状アルミノキサン、及び一般式(XI
I)
【0038】
【化9】
【0039】(式中、R24及びsは前記と同じであ
る。)で表される環状アルミノキサンを挙げることがで
きる。
【0040】前記一般式(XI) 及び(XII)の化合物の中
で好ましいのは、重合度7以上のアルミノキサンであ
る。この重合度7以上のアルミノキサン又はこれらの混
合物を用いた場合には高い活性を得ることができる。ま
た、一般式(XI) 及び(XII)で示されるアルミノキサン
を水などの活性水素をもつ化合物で変性した通常の溶剤
に不溶な変性アルミノキサンも好適に使用することがで
きる。
【0041】前記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方
法が挙げられるが、その手段については特に制限はな
く、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば有
機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これ
を水と接触させる方法、重合時に当初有機アルミニウ
ム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、金属
塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸
着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、テ
トラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニ
ウムを反応させ、さらに水を反応させる方法などがあ
る。これらのアルミノキサンは一種用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、
該(B)触媒成分として、前記(B−1)成分のみを用
いてもよいし、(B−2)成分のみを用いてもよく、ま
た(B−1)成分と(B−2)成分とを併用してもよ
い。
【0042】本発明で用いられる重合触媒においては、
所望により、(C)成分として、一般式(XIII) R24 r AlQ3-r ・・・(XIII) 〔式中、R24は前記と同じであり、Qは水素原子、炭素
数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子を示し、r
は1〜3の数である。〕で表される有機アルミニウム化
合物を用いることができる。特に、(B)成分として
(B−1)として示した(A)成分の遷移金属化合物と
反応してイオン性の錯体を形成する化合物を用いる場合
に、(C)有機アルミニウム化合物を併用することによ
って高い活性を得ることができる。前記一般式(XIII)
で表される化合物の具体例としては、トリメチルアルミ
ニウム, トリエチルアルミニウム, トリイソプロピルア
ルミニウム, トリイソブチルアルミニウム, ジメチルア
ルミニウムクロリド, ジエチルアルミニウムクロリド,
メチルアルミニウムジクロリド, エチルアルミニウムジ
クロリド, ジメチルアルミニウムフルオリド, ジイソブ
チルアルミニウムハイドライド, ジエチルアルミニウム
ハイドライド, エチルアルミニウムセスキクロリドなど
が挙げられる。
【0043】次に、本発明においては、前記(A)、
(B)及び所望に応じて用いられる(C)触媒成分の少
なくとも一種を適当な担体に担持して用いることができ
る。該担体の種類については特に制限はなく、無機酸化
物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用
いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ
以外の無機担体が好ましい。無機酸化物担体としては、
具体的には、SiO2 ,Al2 3 ,MgO,Zr
2 ,TiO2 ,Fe2 3 ,B2 3 ,CaO,Zn
O,BaO,ThO2 やこれらの混合物、例えばシリカ
アルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバー
などが挙げられる。これらの中では、特にSiO2 ,A
2 3 が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少
量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを含有してもよい。一
方、上記以外の無機担体として、MgCl2 ,Mg(O
2 5)2 などのマグネシウム化合物やその錯塩、ある
いはMgR25 X 3 y で表される有機マグネシウム化合
物などを挙げることができる。ここで、R25は炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又
は炭素数6〜20のアリール基、X3はハロゲン原子又
は炭素数1〜20のアルキル基を示し、xは0〜2、y
は0〜2である。
【0044】また、有機担体としては、ポリスチレン,
ポリエチレン,ポリプロピレン,置換ポリスチレン,ポ
リアリレートなどの重合体やスターチ,カーボンなどを
挙げることができる。ここで、用いられる担体の性状
は、その種類及び製法により異なるが、平均粒径は通常
1〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好
ましくは20〜100μmである。粒径が小さいと重合
体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合体中の粗大粒
子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰まりの原因にな
る。また、担体の比表面積は、通常1〜1000m2
g、好ましくは50〜500m2 /g、細孔容積は通常
0.1〜5cm3 /g、好ましくは0.3〜3cm3 /gで
ある。比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範囲を逸
脱すると、触媒活性が低下することがある。なお、比表
面積及び細孔容積は、例えばBET法に従って吸着され
た窒素ガスの体積から求めることができる(ジャーナル
・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサィエティ,第60
巻,第309ページ(1983年)参照)。さらに、上
記担体は、通常150〜1000℃、好ましくは200
〜800℃で焼成して用いることが望ましい。担体に担
持させる方法については特に制限はなく、従来慣用され
ている方法を用いることができる。
【0045】次に、本発明における各触媒成分の使用割
合について説明する。触媒成分として(1)(A)成分
と(B−1)成分とを用いる場合には、(A)成分/
(B−1)成分モル比が1/0.1〜1/100、好まし
くは1/0.5〜1/10、より好ましくは1/1〜1/
5の範囲にあるように両成分を用いるのが望ましい。
(2)(A)成分と(B−1)成分と(C)成分とを用
いる場合には、(A)成分/(B−1)成分モル比は前
記(1)の場合と同様であるが、(A)成分/(C)成
分モル比は1/2000〜1/1、好ましくは1/10
00〜1/5、より好ましくは1/500〜1/10の
範囲にあるのが望ましい。
【0046】また、(3)(A)成分と(B−2)成分
とを用いる場合には、(A)成分/(B−2)成分モル
比が1/20〜1/10000、好ましくは1/100
〜1/2000の範囲にあるように両成分を用いるのが
望ましい。(4)(A)成分と(B−2)成分と(C)
成分とを用いる場合には、(A)成分/(B−2)成分
モル比は前記(3)の場合と同様であるが、(A)成分
/(C)成分モル比は1/2000〜1/1、好ましく
は1/1000〜1/5、より好ましくは1/500〜
1/10の範囲にあるのが望ましい。この重合反応にお
いては、前記環状ポリエンは重合開始時に仕込んでおい
てもよいし、重合の途中に添加してもよく、添加方法に
ついては特に制限はなく、一括添加又は分割添加あるい
は連続添加のいずれでもよい。
【0047】また、重合方法については特に制限はな
く、不活性炭化水素などを用いる溶媒重合法(懸濁重
合,溶液重合)又は実質上不活性炭化水素溶媒の存在し
ない条件で重合する塊状重合法、気相重合法も利用でき
る。共重合に際して使用される炭化水素系溶媒として
は、例えばブタン,ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オ
クタン,ノナン,デカン,シクロペンタン,シクロヘキ
サンなどの飽和炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシレ
ンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタ
ン,二塩化エチレン,クロロベンゼンなどの塩素含有溶
媒などが挙げられる。重合温度としては、−100〜2
00℃、重合圧力としては常圧〜100kg/cm2
行うのが一般的であるが、好ましくは−50〜100
℃、常圧〜50kg/cm2 、さらに好ましくは0〜1
00℃、常圧〜20kg/cm2 の範囲である。本発明
の共重合体は水素や第三成分の添加及び重合温度などの
公知技術の組合せで調節できる。同様に本発明の条件を
満足する範囲で、オレフィン(特に好ましくはプロピレ
ン)と環状ポリエンとの共重合反応終了後、連続して他
のオレフィン(好ましくはエチレン)を引き続いて導入
し、重合を行っても良い。即ちプロピレンと環状ポリエ
ンからなる連鎖とプロピレンとエチレンとのランダム共
重合からなる連鎖とが組み合わされた重合体であっても
差し支えない。
【0048】本発明の結晶性オレフィン系ランダム共重
合体は、前記一般式(I)で表される環状ポリエン由来
の単位を0.001〜20モル%、好ましくは0.001〜
15モル%、より好ましくは0.001〜12モル%の割
合で含有することが必要である。また、135℃デカリ
ン溶液中で測定した極限粘度〔η〕の値としては0.01
〜20デシリットル/g、好ましくは0.05〜10デシ
リットル/gである。また、この結晶性オレフィン系ラ
ンダム共重合体の分子量については特に制限はないが、
1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として用い、1
35℃においてゲルパーミエーションクロマトグラフィ
(GPC)で求めた分子量(ポリエチレン換算)が、重
量平均分子量(Mw)で1,000〜2,000,000、好
ましくは5,000〜1,000,000の範囲にあり、かつ
数平均分子量(Mn)で500〜1,000,000の範囲
にあるのが望ましい。さらに、分子量分布(Mw/M
n)が3.5以下、好ましくは3.2以下であることが必要
である。この分子量分布が3.5を超えると低分子量体の
含有量が多くなり、成形品にした場合、べたつきの原因
となることがある。
【0049】本発明の共重合体においては、前記一般式
(I)で表される環状ポリエンは、一般式(II)
【0050】
【化10】
【0051】(式中、R1 〜R10及びnは前記と同じで
ある。)で表される構造を有する単位を形成しているこ
とがIRや 1H−NMRの測定で明らかである〔「工業
化学雑誌」第67巻,第11号,第256ページ(19
64年)、及び同第69巻,第4号,第120ページ
(1966年)の報告を参考にした。〕。またこの共重
合体は135℃のデカリン中に不溶分が認められないこ
とから、ゲル成分を有しないことが明らかである。
【0052】本発明の結晶性オレフィン系ランダム共重
合体は、X線回折法(粉末法)で測定された結晶化度が
通常5%以上、好ましくは10〜65%、より好ましく
は15〜65%の範囲のものである。この結晶化度は、
X線回折装置(理学電機社製)により、2θ:4〜30
°までのX線回折図を求め、作図法により結晶部と非結
晶部とを分離し、全X線強度と結晶部のX線強度の比か
ら求めた値である。
【0053】本発明の結晶性オレフィン系ランダム共重
合体は、α−オレフィンとしてプロピレンを用いた場
合、次の特徴を有している。すなわち、(イ)13C−N
MR測定において、1,2,4−トリクロロベンゼン溶
液中、テトラメチルシランを基準としてプロピレンのメ
チル基のピークで19.5〜22.5ppmの間で観測され
るもののうち、21.0〜22.0ppmの間で観測される
ピークのピーク面積が全体の60%以上であり、(ロ)
示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が1
00℃以上で、結晶化エンタルピー(ΔH)が25J/
g以上である。該Tmが100℃未満では実質的に非晶
質の共重合体と同等であり、本発明の意図するところで
はない。ここで、DSCの測定条件については、パーキ
ンエルマー社製DSC−7型装置を用い、全系窒素ガス
雰囲気下において、室温から20℃/分の速度で190
℃まで昇温して3分間維持したのち、20℃/分の速度
で室温まで温度を下げて5分間維持し、次いで20℃/
分の速度で昇温を行い、この過程でTm及びΔHを測定
した。
【0054】さらに、(ハ)上述のX線回析法(粉末
法)による測定によって求めた結晶化度が5%以上、好
ましくは8%以上、より好ましくは10%以上を示す。
【0055】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 製造例1 メチルアルミノキサン(MAO)の製造 アルゴン置換した内容積500ミリリットルのガラス製
容器に、トルエン200ミリリットル,硫酸銅5水塩
(CuSO4 ・5H2 O)17.8g(71ミリモル)お
よびトリメチルアルミニウム24ミリリットル(250
ミリモル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その
後、固体成分を除去して得られた溶液から、更にトルエ
ンを減圧留去して触媒生成物(メチルアルミノキサン)
6.7gを得た。このものの凝固点降下法により測定した
分子量は610であった。また、特開昭62−3253
91号公報に基づく 1H−NMR測定による高磁場成
分、すなわち室温下トルエン溶液中でそのプロトン核磁
気共鳴スペクトルを観測すると「Al−CH3 」結合に
基づくメチルプロトンシグナルは、テトラメチルシラン
基準において1.0〜−0.5ppmの範囲みられる。テト
ラメチルシランのプロトンシグナル(0ppm)が「A
l−CH3 」結合に基づくメチルプロトンに基づく観測
領域にあるため、この「Al−CH3 」結合に基づくメ
チルプロトンシグナルをテトラメチルシラン基準におけ
るトルエンのメチルプロトンシグナル2.35ppmを基
準にして測定し、高磁場成分(即ち、−0.1〜−0.5p
pm)と他の磁場成分(即ち1.0〜−0.1ppm)とに
分けたときに、該高磁場成分が全体の43%であった。
【0056】製造例2 テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルア
ニリニウムの製造 ブロモペンタフルオロベンゼン(152ミリモル)とブ
チルリチウム(152ミリモル)より調製したペンタフ
ルオロフェニルリチウムと三塩化硼素45ミリモルとを
ヘキサン中で反応させて、トリス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼素を白色固体として得た。このトリス(ペンタ
フルオロフェニル)硼素41ミリモルとペンタフルオロ
フェニルリチウム41ミリモルとを反応させ、リチウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸を白色固体
として得た。次いで、リチウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸16ミリモルとジメチルアニリン塩
酸塩16ミリモルとを水中で反応させることにより、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニ
リニウム〔〔PhMe2 NH〕〔B(C6 5)4 〕〕を
白色固体として11.4ミリモルを得た。生成物が目的物
であることは、 1H−NMR、13C−NMRで確認し
た。
【0057】製造例3 遷移金属化合物の製造 常法に従って製造し、 1H−NMRにより目的の化合物
であることを確認した。 ビス(インデニル)ビス(ジメチルシリル)ジルコニウ
ムジクロリド(触媒1) インデニル(シクロペンタジエニル)(ジメチルシリ
ル)ジルコニウムジクロリド(触媒2) ジメチルシリルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド(触媒3)
【0058】実施例1 内容積1000ミリリットルの攪拌機付反応器に、トル
エン400ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム
1.0ミリモルを入れ、さらに製造例1のメチルアルミノ
キサン(MAO)5ミリモルを入れて50℃に加熱し、
攪拌を開始した。これに、ビス(インデニル)ビス(ジ
メチルシリル)ジルコニウムジクロリド0.01ミリモル
とジシクロペンタジエン100ミリモルを、それぞれト
ルエン溶液にして加え、プロピレンを6.0kg/cm2
・Gで2時間重合した。反応終了後、未反応ガスを除去
し、重合体を酸性メタノールで洗浄して触媒成分を脱灰
し、さらにメタノールで充分に洗浄したのち、真空乾燥
し、共重合体68.6gを得た。GPC(装置;ウォータ
ーズALC/GPC 150C、カラム;東ソ−製TS
K HM+GMH6×2、流量1.0ミリリットル/分、
ポリエチレン換算)測定結果はMw=105800、M
n=36400、Mw/Mn=2.91であり、Tm=1
32.0℃、ΔH=55.8J/g、X線回析法による結晶
化度は22.7%であった。また、190℃でプレスした
フィルムのIR測定により、940cm-1、1610c
-1にジシクロペンタジエン単位に由来するピークを観
測した。ジシクロペンタジエン単位の含有量は7.63モ
ル%であった。さらに、極限粘度〔η〕は1.05デシリ
ットル/g、13C−NMRのピークより求めた19.5〜
22.5ppmの間で観測されるプロピレンのメチル基の
ピークのピーク21.0〜22.0ppmに存在する面積比
は68.7%であった。得られた共重合体のGPC溶出曲
線を図1に、IR分析チャートを図2に示す。
【0059】実施例2 実施例1において、触媒種をインデニル(シクロペンタ
ジエニル)(ジメチルシリル)ジルコニウムジクロリド
0.02ミリモルに、ジシクロペンタジエンの量を60ミ
リモルに変更して、かつ重合温度を40℃にした以外
は、実施例1と同様な操作を行い、共重合体63.5gを
得た。この共重合体は、GPCによりMw=2740
0、Mn=8600、Mw/Mn=3.19であり、Tm
=141.7℃、ΔH=65.3J/g、結晶化度=26.6
%、ジシクロペンタジエン単位含有量=2.49モル%で
あった。
【0060】実施例3〜7 第1表に示す条件で共重合体を製造した。それぞれの共
重合体の収量及び物性を第1表に示す。なお、実施例1
及び2の条件及び得られた共重合体の収量,物性も第1
表に併記した。
【0061】比較例1 実施例1において、触媒系としてジエトキシマグネシウ
ム担持の四塩化チタニウム0.016ミリモルとトリエチ
ルアルミニウム10ミリモルとの組合せを用い、かつ重
合温度を60℃とした以外は、同様な操作により、共重
合体48.6gを得た。この共重合体は、GPCによりM
w=147200、Mn=32700、Mw/Mn=4.
5であり、Tm=160℃、ΔH=99.7J/g、結晶
化度=44.1%であった。また、IRの測定結果、ジシ
クロペンタジエン単位に由来すると思われる940cm
-1、1610cm-1のピークは確認できなかった。重合
条件及び共重合体の収量、物性を第1表に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】(注) 触媒1:ビス(インデニル)ビス(ジメチルシリル)ジ
ルコニウムジクロリド 触媒2:インデニル(シクロペンタジエニル)(ジメチ
ルシリル)ジルコニウムジクロリド 触媒3:ジメチルシリルビス(2,4−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド *:トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモルを併用す
る。 重合条件:プロピレン圧6.0kg/cm2 ・G、重合時
間2時間
【0067】
【発明の効果】本発明の結晶性オレフィン系ランダム共
重合体は、ポリオレフィン鎖に反応性不飽和基を導入し
たものであって、接着性に優れ、かつ強度が高い上に、
他樹脂との相溶性に優れたポリオレフィン系材料を得る
ことが可能であり、しかも架橋反応や環化反応を生じる
ことがなく、したがってゲルの発生を完全に抑制しうる
とともに、効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた共重合体のGPC溶出曲線
である。
【図2】実施例1で得られた共重合体のIR分析チャー
トである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数3〜12のα−オレフィンと、一
    般式(I) 【化1】 (式中、R1 〜R10は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
    子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはた
    がいに同一でも異なっていてもよく、nは0以上の整数
    である。)で表されるノルボルネン骨格とシクロペンテ
    ン骨格とからなる環状ポリエンとの共重合で得られる結
    晶性オレフィン系ランダム共重合体であって、(a)一
    般式(II) 【化2】 (式中、R1 〜R10及びnは前記と同じである。)で表
    される環状ポリエン単位の含有量が0.001〜20モル
    %であること、(b)135℃デカリン中で測定した極
    限粘度が0.01〜20デシリットル/gであり、ゲルパ
    ーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した
    分子量分布が3.5以下であること、及び(c)135℃
    デカリン不溶分を含まないことを特徴とする結晶性オレ
    フィン系ランダム共重合体。
  2. 【請求項2】 α−オレフィンがプロピレンであり、か
    つ(イ)13C−NMR測定において、1,2,4−トリ
    クロロベンゼン溶液中、テトラメチルシランを基準とし
    てプロピレンのメチル基のピークで19.5〜22.5pp
    mの間で観測されるもののうち、21.0〜22.0ppm
    の間で観測されるピークのピーク面積が全体の60%以
    上であり、(ロ)示差走査熱量計(DSC)で測定した
    融点(Tm)が100℃以上、結晶化エンタルピー(Δ
    H)が25J/g以上である条件を満たし、かつ(ハ)
    X線回折法による測定により求めた結晶化度が5%以上
    である請求項1記載の結晶性オレフィン系ランダム共重
    合体。
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