JPH06166627A - 漢方薬剤の水性製剤 - Google Patents

漢方薬剤の水性製剤

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JPH06166627A
JPH06166627A JP5177361A JP17736193A JPH06166627A JP H06166627 A JPH06166627 A JP H06166627A JP 5177361 A JP5177361 A JP 5177361A JP 17736193 A JP17736193 A JP 17736193A JP H06166627 A JPH06166627 A JP H06166627A
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Yuji Nitta
新田祐司
Tomofuyu Oda
織田知那
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 漢方薬剤エキスの水性製剤につき、新規な形
態の製剤、及びその改良された構成を提供することにあ
る。 【構成】 漢方薬剤エキスの水性液を主成分とする原液
を人体には無害な圧縮性ガスと共に、エアゾール容器内
に充填することによってなることを特徴とする。また、
上記した原液には消泡剤を5,000ppm以下の濃度で含有さ
せることができる。 【効果】 漢方薬剤エキスを長期に亘り安定保存でき、
またその保存状態を維持して継続的に使用できる。また
服用操作自体が容易であると共に、その苦味を緩和し、
またその特有の香りを有効に再現できる。また服用量に
つき定量性を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、漢方薬剤の新規な利用
形態に関するもので、具体的には、漢方薬剤エキスの水
性液を起泡状態で得ることができる構成、及びその噴出
時の定量性の確保のための改良構成に関する。
【0002】
【従来の技術】古来より、漢方薬剤は生薬と称せられる
天然植物の薬効部分を利用したものであり、薬効の内容
はその材種、処方などにより様々であるが、主として人
体の体質を改善する点にある。またこの薬効は例えば煎
液上に生じる芳香によっても発揮される。
【0003】この漢方薬剤の従来の用法は、天然植物の
薬用部分を粗切し、これに水を注加して加熱し、その溶
液を服用する方法、つまり、いわゆる煎じて服用する方
法が一般的であった。
【0004】また、近年、漢方薬剤として、その抽出エ
キスを粉末化し、これを粉体化、細粒化、顆粒化、錠剤
化、或いはカプセル化したものが現在のところ主流とな
っている。なお、これらの剤型のものについては、適当
量の冷水又は湯水により服用されのるが通例である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の服用方
法において、煎じて服用する方法の場合、煎じるのに手
間が要り、また家庭的な用法では必ずしも一定濃度の煎
液が得られるとは限らずまた分服のためには煎液を一定
条件下に保存しなくてはならないなど困難な問題があ
る。
【0006】前記した漢方薬剤エキスの粉体化等による
固型剤は、上記した問題点を解消するものとして提供さ
れたものであり、現在のところ主流品となっている。
【0007】しかし、この漢方薬剤の固型製剤は、その
製造において、抽出エキスの濃縮、乾燥、賦形剤、崩壊
剤、滑沢剤等の混合、粒状化若しくは、打錠など多岐に
亘る過程が必要となり、またその薬剤成分の変質を防止
し長期間に亘る保存に耐え得るように、その製剤に対し
てはヒートシール包装、PTP包装など比較的に堅牢な
状態で密封される。
【0008】このため、薬剤の服用に際し、その包装の
堅牢さゆえにその包装の開封に困難を伴い、また特に、
細粒剤又は顆粒剤が収容されている場合には、開封時に
その薬剤の一部がこぼれ落ちる危険性もある。
【0009】また、漢方薬剤には特有の苦みが生じるも
のが多い。このため、水で薄めるにしても直接的に服用
するときには、一種の苦痛を伴うことになる。また、製
剤化に際しても、その苦味を減らすための特別な組成、
構成が必要となる。
【0010】また、前記したように、例えば、生姜、桂
枝、ハッカなど漢方薬剤に特有な香りが薬理的作用する
ものもある。しかし、前記のように固型製剤化するに際
して、その香りが消失してしまうか、少なくとも当初の
状態で香りが再現されることはない。
【0011】また、エアゾール容器から噴出される原料
液によっては生じる起泡が安定し、消泡し難いか、又
は、消泡に至るまでに長時間を要するような場合には、
その原料液の噴出量に大きなバラツキ生じ定量性に欠け
ることがある。
【0012】そこで、本発明は、第一に、即時かつ極め
て簡単な操作で容易に服用でき、服用に際し漢方薬剤に
特有の苦みを緩和すると共にその特有の香りを有効に再
現でき、しかも有効成分を長期間に亙って安定的に保存
するのに適した形態で得ることができる漢方薬剤の新規
な剤型について、その定量性を向上させる改良された組
成乃至構成を提供することを目的とした。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明では、漢方薬剤の新規な剤型につき次のよ
うに構成した。即ち、漢方薬剤エキスの水性液を主成分
とする原液を人体には無害な圧縮ガスと共にエアゾール
容器内に充填することによってなることを特徴とする。
【0014】上記した本発明の構成において、漢方薬剤
としては、既知の処方の薬剤、例えば、葛根湯、独活葛
根湯、小柴胡湯、桂枝湯、十全大補湯、小建中湯、麻黄
湯、半夏厚朴湯、芍薬甘草湯、人参養栄湯などを適用す
ることができる。
【0015】また、漢方薬剤エキスの水溶液としては、
漢方薬剤の水抽出液、その濃縮液のほか、水抽出若しく
はアルコール抽出によって得た漢方薬剤の抽出液につ
き、その抽出成分を一旦固体化(粉末化)し、これを再
度水溶液として調製したものが含まれる。なお、この水
性液は水不溶性の固形分を含有するものであってもよ
い。
【0016】また、漢方薬剤エキスの水性液が濃縮液で
ある場合、その水抽出原液に対する濃縮度合は、その薬
剤原料の種類によって異なり、前記した本発明の作用、
即ち原料液が起泡を伴って得られる程度の粘性を有して
いること及びその生じる起泡の完了に至るまでの時間が
短い等が基準となる。例えば、葛根湯の水抽出液につい
てはそのエキス粉末重量比で10〜40重量%の濃度範
囲で濃縮するのが好ましい。
【0017】また、圧縮ガスとしては、人体に無害な炭
酸ガス、チッ素ガスなどの圧縮ガスのほか、液化プロパ
ンガス(LPG)及びこのLPGとジメチルエーテル
(DME)との混合物などの液化ガスが含まれ、これら
のガス物質は、常温下に圧縮状態で利用することができ
る。
【0018】この場合、この圧縮ガスに基づくエアゾー
ル容器内の内圧は、ガス物質の種類によっても異なる
が、例えば、炭酸ガスを用いる場合、6.0〜7.0kg/cm2
内圧に調整するのが好ましい。
【0019】なお、本発明に必要に応じて、他機能成分
として、エリモント剤、防腐剤、その他の医薬品添加物
も添加することができる。
【0020】なお、本発明の製剤について、その噴出す
る原料液の定量性の向上のための改良構成は、第一に、
漢方薬剤エキス原料に加水する組成、また第二に、噴出
液についての起泡の消泡時間の短縮に適した圧縮ガス
(例えば、チッ素ガス)を選択する構成、また第三に、
原料液中に消泡剤を適宜に添加する組成の採用による。
この場合の消泡剤としては例えば、ジメチルポリシロキ
サンを主成分とするものを用いることができる。
【0021】
【作用】本発明においては次のような作用が生じる。先
ず、原液原料としての漢方薬剤エキスの水性液は、エア
ゾール容器内に完全に密封された状態にある。またこの
状態は使用途中にあっても同様である。従って、その原
料成分の保存状態は極めて良好であり、使用前及び使用
途中にあっても長期間に亘ってその有効成分は安定的に
保存される。
【0022】また、エアゾール容器内から噴出される原
料液には圧縮ガスの気化に伴って、気泡を生じる。この
気泡は原料液に含まれる苦味成分を分解してその苦味作
用を緩和し、同時にそれに含まれる香り成分の発香を促
すように作用する。
【0023】また、原料液に含まれる成分の種類及びそ
の粘度によって、その噴出液に含まれる起泡の消泡時間
に差異が生じるが、原料液への加水によって粘度の低下
が生じ、これによって消泡時間の短縮化が図られる。
【0024】また、圧縮性ガスとして、チッ素ガスが選
択される場合、他の例えば炭素ガスに比して上記した消
泡時間の短縮化作用が生じる。
【0025】また、原料液中への消泡剤の添加は、噴出
液についての起泡の発生を抑制し、かつ生じた起泡の消
泡時間の短縮化、及びその消泡完了に至るまでの時間の
調整を図ることが可能となる。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)先ず、葛根湯の次の原材料をそれぞれ粗切
又は粉砕機にかけて粗砕し、葛根8重量部、麻黄4重量
部、タイソウ4重量部、桂枝3重量部、芍薬3重量部、
甘草2重量部及び生姜1重量部の割合で混合した。次い
で、この1000gに水を10000mlを加えて、これを90〜98.5
℃の条件下に1時間に亘って加熱した。次いで、こを遠
心分離操作により約9200mlのろ液(なお、固形分1〜4
重量%含む。)を得た。次いで、このろ液を減圧濃縮塔
により、50℃の条件下に約4倍に濃縮した。
【0027】この濃縮原料を既知のエアゾール容器内に
収容するが、圧縮ガスである噴射剤の種類に応じ、噴射
剤が炭酸ガスである場合を試料No.1、LPGである
場合を試料No.2 、LPGとDME(ジメチルエー
テル)との80対20の混合ガスである場合を試料N
o.3として、表1の仕様により構成した。
【表1】 なお、利用したエアゾール容器は既知のものであるが、
試料No.1で用いたエアゾール容器1については図1
に示した。
【0028】このエアゾール容器1は、その容器本体2
の上部に弁機構部3を備える。この弁機構部3は、容器
本体2内に及ぶ導入管4と外部に露出している噴射管5
とが連通し得る状態で固定部6を介して設けられてい
る。また固定部6に対してはその周面部に密接する状態
で支筒部8が嵌設され、この支筒部8はその上面部が開
放されていて、そこから噴射管5の端部が露出してい
る。
【0029】また、支筒部8上には、その外周面に内接
する操作頭部9がその流通孔11端内に噴射菅5の露出端
部を嵌入した状態で備えられている。また、この流通孔
11端を形成する壁面部上には噴射菅5の外周面中部に固
設された突環7面上にある。
【0030】このエアゾール容器内1内には、炭酸ガス
13は濃縮原液12中に溶解状態で封入される。そこで、操
作頭部9を下方に向けて挿入すると、突環7を介して噴
射管5を押入状態にすることができるが、この際、原液
12は炭酸ガス13による内圧に応じ、噴射菅5を介して
ノズル部から噴出される。
【0031】この試料にNo.1ついて、常温(25℃)
下に噴出された原液は多数の細い起泡を伴なったもので
あった。図2及び図3には、この場合に生じた起泡15の
状態を図示した。この起泡15 は、計量カップ17内にお
いて、噴出液16の上層部に位置する。
【0032】また、試料No.2及び試料No.3で用
いたエアゾール容器については図示していないが、既存
の圧縮ガス分離タイプのものを用いた。この試料No.
2及び試料No.3について、常温(25℃)下に噴出さ
れた原液はいずれもが多数の細い起泡を伴なったもので
あった。
【0033】図4及び図5には、この場合に生じた起泡
18の状態を示した。図示したように、この場合には、噴
出液の大部分は起泡18部に含まれて嵩高い状態となり、
噴出液19の部分は極めて少ない。
【0034】(実施例2)実施例1において、噴出剤が
炭酸ガスである場合について、さらに、表2の試料N
o.4の仕様により実施した場合においても、噴出液に
ついて生じた起泡の状態は図2及び図3に図示するもの
と同様であるが、この場合の起泡の消泡時間をも表2に
掲げた。
【表2】
【0035】試料No.4について、完全に消泡してし
まうまでに約6分間ほどの時間が必要であることを確認
することができる。
【0036】しかし、この消泡完了に至るまでの時間は
定量カップを利用する噴出液量の定量性に大きく影響す
る。つまり、噴出液について生じる起泡面を基準とする
場合には、噴出液量についてバラツキが大きくなり、こ
のことが医薬品の服用につき極めて不都合となるからで
ある。そこで、噴出液量について、その液面を基準にす
ることを容易にすべく、可能な限り生じる起泡の消泡時
間の短縮するための手段を次のように講じた。
【0037】このため、試料No.5及び試料No.6
には濃縮原液を精製水で表2で示したように希釈したも
のを原液水性液とした。この場合、起泡の消泡時間の短
縮化を図り得ることを確認できる。即ち、濃縮原液を5
7.1%濃度となるように希釈した場合、完全消泡時間が
約3分間となって実用的であることが判る。
【0038】(実施例3)しかし、濃縮原液を希釈する
場合には、エアゾール容器単位について、漢方薬剤エキ
スの収容量を減量することになり、また噴出回数によっ
て生じる起泡量が増大する傾向に十分に対応させること
ができない場合がある。そこで、原料原液についてさら
に改良した組成を表3に示した。
【表3】
【0039】この改良組成原液を試料No.8〜試料N
o.14の仕様により構成した。即ち、前記実施例1の
葛根湯の濃縮原液中にジメチルポリシロキサン30重量
%ソルビタン脂肪酸エステル4重量%、グリセリン脂肪
酸エステル2重量%及びカルボキシメチルセルロースカ
ルシウム0.3重量%からなる消泡剤を50ppm〜5,000pp
mの濃縮範囲で添加したものを原液としたものである。
なお、試料No.7のものは消泡剤の添加が無のブラン
クの場合である。
【0040】また、これらの試料No.7〜試料No.
14について、その噴出液を定量カップの40mlの目盛線
上に生じた起泡面があるように定量し、その生じた起泡
の消泡完了時までの時間を次表4に各噴射回数ごとに示
した。
【表4】 また、これに対応した噴出液量を表5に示した。
【表5】
【0041】表4及び表5の結果から、原液における消
泡剤添加は、起泡作用を保持しながら、かつ消泡時間の
短縮には有効であることを確認することができる。特に
750ppm以上の添加の場合には消泡時間の短縮及び定量性
の点で有効であると考えらる。
【0042】(実施例4)先ず、小柴胡湯の次の原材料
をそれぞれ粗切又は粉砕機にかけて粗砕し、柴胡7重量
部、半夏5重量部、生姜1重量部、オウゴン3重量部、
タイソウ3重量部、人参3重量部及び甘草2重量部の割
合で混合した。次いでこの422.4gに水 4224mlを加え
て、これを90〜98.5℃の条件下に1時間に亘って加熱し
た。次いで、これを遠心分離操作により約1943mlのろ液
を得た。次いで、このろ液を減圧濃縮塔により50℃の条
件下に、約10倍に濃縮した。
【0043】この濃縮原液を図1に示したエアゾール容
器1内に収容した。この場合の仕様を表6の試料No.
15〜試料No.18に示した。
【表6】 試料No.15の原液は、上記した濃縮原液を収容した
場合である。この場合、この原液の粘度が過大であるた
めその噴出には不適当であった。
【0044】そこで、試料No.16〜試料No.18
については、精製水で希釈したものを原液とした。この
小柴胡湯の希釈原液については、試料No.17での50
%以上に希釈した場合に、良好な噴射液が、有効な起泡
を生じて得られたことを確認した。
【0045】(実施例5)実施例1で得た葛根湯の遠心
分離後のろ液を約10倍又は約4倍に濃縮して原液と
し、この原液を表7の試料No.19、試料No.20
の仕様によりチッ素ガスと共に既知のエアゾール容器内
に収容した。
【表7】
【0046】試料No.19による噴射液は、噴射直後
にキメ粗い起泡が生じて消泡し難い状態にあり、また起
泡は一部残留した。この場合の起泡の経時的な変化を噴
出直後について図6に、また約10分経過後の状態を図
7に示した。なお、20は起泡、21は液面である。
【0047】また、これらの試料No.19及び試料N
o.20についての噴出液量の定量性試験の結果を表8
に示した。
【表8】 なお、この定量性試験は、噴出液についてその起泡面が
定量カップの40mlの目盛位置にまで及ぶように噴出さ
せ、静置状態で消泡させ、その原液中に含まれるグリチ
ルリチン含量を測定した。また、上記した測定は数回に
亘って順次噴射させたものについて行い、その測定値に
ついての偏差値をも表8中に併記した。
【0048】この表8の結果から、試料No.19、試
料No.20によれば、指標成分としたグリチチルリチ
ンについてバラツキが比較的大きく、定量性については
問題のあるところである。
【0049】そこで、実施例1で得た葛根湯の遠心分離
後のろ液を約4倍濃縮した原液を用いて、表7の試料N
o.21の仕様により構成した。
【0050】この試料No.21による噴射液について
生じた起泡は、数秒以内にほぼ消泡完了状態となった。
この状態を図8に示した。なお、22は起泡、23は液
面である。
【0051】次に、この試料No.21について、定量
性試験を前記同様行った。なお、指標成分としてはグリ
チルリチンのほか、エフェドリン及びペオニフロリンを
もその対象とした。この定量性試験の結果を、この場合
の定量性について、比較的に熟練した技術を有する者に
よる場合をを図9に、また一般人による場合を図10、
図11及び図12にそれぞれ偏差値をもって示した。こ
れらの図9〜図12の結果によれば、いずれの者による
場合も、その偏差値が10%以内の範囲内にあって、定量
性について、極めて良好な結果が得られた。
【0052】また、この試料No.21について、長期
間保存の適応性についても試験として表9に掲げた。
【表9】
【0053】なお、この保存試験は、40℃、75%R.
H.の条件下に、試験開始直後に3回連続して噴射液を
定量カップの40mlの目盛線まで定量し、その後、1ヶ
月、3ヶ月及び6ヶ月の期間が経過した後に、それぞれ
同様に操作した。
【0054】この表9の結果から、指標成分たるグリチ
ルリチン、エフェドリン及びペオニフロリンについて、
過酷な条件下にあっても、その定量性についてほとんど
変動しないことが確認される。
【0055】また、表9には、同時に菌の発生試験の結
果を掲げた。この結果から、無菌状態で長期間に亘って
保持し得ることを確認することができる。
【0056】(実施例6)先ず、十全大補湯の次の原材
料をそれぞれ粗切又は粉砕機にかけて粗砕し、ニンジ
ン、オウギ、ビャクジュワ、ブクリョウ、トウキ、シャ
クヤク、ジオウ、センキュウ、及び桂皮をそれぞれ2重
量部と、甘草1重量部の割合で混合した。次いで、この
1056gに水を10000ml加えて、これを90〜98.5℃の条件下
に1時間に亘って加熱した。次いで、これを遠心分離操
作により約9200mlの原液を得た。この原液を減圧濃縮塔
により、50℃の条件下に約10倍に濃縮した。
【0057】この濃縮原料を既知のエアゾール容器内に
チッ素ガスと共に、表10の試料No.22の仕様で収
容した。
【表10】 この試料No.22による噴出液はキメ粗い起泡を伴な
ったものであった。
【0058】(実施例7)先ず、小建中湯の次の原材料
をそれぞれ粗切又はの粉砕機にかけて、粗砕し、桂皮4
重量部、ショウキョウ1重量部、タイソウ4重量部、シ
ャクヤク6重量部、甘草2重量部及び滋養糖20重量部
の割合で混合した。次いで、この925gに水を10000ml加
えて、これを90〜98.5℃の条件下に1時間に亘って加熱
した。次いで、これを遠心分離操作により約9200mlのろ
液を得た。このろ液を減圧濃縮塔により50℃以上の条件
下に約6.7倍に濃縮した。
【0059】この濃縮原液を既知のエアゾール容器内に
チッ素ガスと共に前記した表10の試料No.23の仕
様で収容した。この試料No.23による噴出液はキメ
粗い起泡を伴なったものであった。
【0060】(実施例8)実施例7で得た小建中湯の濃
縮原液を既知のエアゾール容器内に、LPGと共に前記
した表10の試料No.24の仕様で収容した。この試
料No.24による噴出液はキメ細い起泡を伴なったも
のであった。
【0061】(実施例9)先ず、人参養栄湯の原材料を
粗切し又は粉砕機にかけて粗砕し、人参3重量部、当帰
4重量部、シャクヤク4重量部、地黄4重量部、ビャク
ジュツ4重量部、ブクリョウ4重量部、桂皮2.5重量
部、オウギノ1.5重量部、チンピ1.5重量部、遠志
2重量部、五味子1重量部及び甘草1重量部の割合で混
合し、次いで、この980gに水を10000ml加えてこれを90
〜98.5℃の条件下に1時間に亘って加熱した。次いで、
これを遠心分離操作により約9200mlのろ液を得た。この
ろ液を減圧濃縮塔により約50℃の条件下に濃縮した。
【0062】この濃縮原液を既知のエアゾール容器内に
チッ素ガスと共に表10の試料No.25の仕様で収容し
た。この試料No.25の噴出液はキメ粗い起泡を伴な
ったものであった。
【0063】実施例6〜8の試料No.22〜試料N
o.24による噴出液はいずれも前記したような起泡を
伴って、十全大補湯は小建中湯若しくは人参養栄湯特有
の芳香をその抽出操作時と同様を生じ、またその服用の
苦味も緩和され、その薬効も、十分に発揮された。また
その噴出液の定量性についても消泡剤を50〜5,000ppm、
好ましくは、500〜1,000ppmの濃度範囲で添加すること
により前記実施例3の場合と同様に有効に解消し得るこ
とを確認した。
【0064】
【発明の効果】上述したように構成されるから、本発明
においては、次のような効果が発揮される。先ず、漢方
薬剤エキスの水溶液はエアゾール容器内に完全密封状態
で保存されることから、3年以上の長期に亘って安定保
存が可能である。またこの保存性能は何度か液噴射させ
た後の使用途中においても同様であるから、長期間に亘
る、薬剤の有効利用が可能である。
【0065】また、服用に際しても、薬液の噴出操作、
場合によってはその希釈操作をもって実行し得るから極
めて簡単で、かつ迅速な操作が可能である。
【0066】また、この際、本発明の改良構成、好まし
くは抽出原液を水で希釈し又はその濃縮原液若しくは水
希釈原液に適当な消泡剤を添加する構成によって、その
定量性についてもほぼ均一に確保することができる。従
って、常に一定濃度の薬剤の服用が可能であり、その服
用に際する安全性及び有効性も確保できる。
【0067】また、エアゾール容器からの噴出液は起泡
を伴うことから、その薬液が保有する香りを有効に発散
させることができる。従って、その特有の芳香を主体と
した薬効も十分に発揮させることができる。
【0068】また、この起泡は、薬液に含まれる特有の
苦味成分を液中に均一に分散させるから、服用の際の苦
味を緩和する効果がある。従って、他成分の添加を要す
ることなく服用を容易にする。なお、処方によっては、
他の医薬品添加物等も本発明の上記した効果に弊害のな
い程度に添加できる。このように、余分な添加物を必要
としないから、製造が容易となり、価格的にも従来品に
対しても変わりのないものとすることができる。
【0069】また、本発明において、エアゾール容器内
に充填する漢方薬剤エキスの水性原液は濃縮したものと
することができるから、比較的に容量の小さいエアゾー
ル容器(例えば、200ml容量)であっても、5回〜20
回の相当回数の使用が可能なものとして製品化すること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアゾール容器の縦断面正面図
【図2】定量カップ内の噴出液の平面図
【図3】同縦断面図
【図4】同平面図
【図5】同縦断面図
【図6】同平面図
【図7】同平面図
【図8】同平面図
【図9】指標成分の含量の偏差値を表わす図
【図10】同上
【図11】同上
【図12】同上
【符号の説明】
1 エアゾール容器 12 原液 13 溶解ガス 15,18,20,22 起泡 17 定量カップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 織田知那 奈良県大和高田市大字根成柿574番地大峰 堂薬品工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漢方薬剤エキスの水性液を主成分とする
    原液を人体には無害な圧縮性ガスと共にエアゾール容器
    内に充填することによってなることを特徴とする漢方薬
    剤の水性製剤。
  2. 【請求項2】 前記圧縮ガスが炭酸ガスであり、この炭
    酸ガスが前記漢方薬剤エキスの水性液中に溶解されてな
    ることを特徴とする請求項1の漢方薬剤の水性製剤。
  3. 【請求項3】 前記圧縮性ガスがチッ素ガスであり、こ
    のチッ素ガスが前記漢方薬剤エキスの水性液とは区分さ
    れた状態でエアゾール容器内に充填されてなることを特
    徴とする請求項1の漢方薬剤の水性製剤。
  4. 【請求項4】 前記圧縮ガスが液化ガスであり、この液
    化ガスが前記漢方薬剤エキスの水性液とは区分された状
    態でエアゾール容器内に充填されてなることを特徴とす
    る請求項1の漢方薬剤の水性製剤。
  5. 【請求項5】 前記液化ガスが液化プロパンガスである
    ことを特徴とする請求項4の漢方剤の水性製剤。
  6. 【請求項6】 前記液化ガスが液化プロパンガスとジメ
    チルエーテルとの混合物であることを特徴とする請求項
    4の漢方薬剤の水性製剤。
  7. 【請求項7】 前記漢方薬剤エキスの水性液中に消泡剤
    を含有せしめてなることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5又は6の漢方薬剤の水性製剤。
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