JPH0616606A - 新規キレート化剤、該キレート化剤と金属原子との錯化合物及びそれを含む診断剤 - Google Patents

新規キレート化剤、該キレート化剤と金属原子との錯化合物及びそれを含む診断剤

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JPH0616606A
JPH0616606A JP4200513A JP20051392A JPH0616606A JP H0616606 A JPH0616606 A JP H0616606A JP 4200513 A JP4200513 A JP 4200513A JP 20051392 A JP20051392 A JP 20051392A JP H0616606 A JPH0616606 A JP H0616606A
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Kazuki Murakami
和樹 村上
Masakazu Niitome
正和 新留
Hiromichi Mukai
裕通 向井
Ikuko Miyagi
育子 宮城
Takashi Imagawa
昂 今川
Shiyougen Kin
尚元 金
Taro Marukawa
太▲朗▼ 丸川
Takahiro Kozuka
▲隆▼弘 小塚
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 臨床診断に使用される画像診断法で有用なキ
レート化剤、当該キレート化剤と金属原子との錯化合物
及びそれを用いた診断剤を提供する。 【構成】 下記一般式からなるキレート化剤。 (mは1から3の整数、R1及びR2は水素原子又は低級
アルキル基、COR3、COR4、COR5及びCOR6
カルボキシ基、アミド化されたカルボキシ基又はエステ
ル化されたカルボキシ基を示す。)上記一般式の化合物
の具体例にはN−[2−(1,3−ジステアロイルオキ
シ)プロポキシカルボニルメチル]ジエチレントリアミ
ン−N,N′,N″,N″−テトラ酢酸がある。上記の
化合物と金属原子とからなる錯化合物は、画像診断法の
造影剤等として優れた特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キレート化剤、該キレ
ート化剤と金属原子との錯化合物及びそれを含む診断剤
に関する。より詳細には、本発明は、金属原子と錯体を
形成しうる新規な金属キレート化剤、該キレート化剤と
金属原子とからなる医療診断に有用な錯化合物、及び該
錯化合物を含む診断剤に関する。
【0002】
【従来の技術】病変に関する情報を画像として描写し、
診断する画像診断法は臨床診断上必要不可欠な検査法で
ある。現在、X線CTは広く用いられている画像診断法
の一つであるが、更にここ十数年に核磁気共鳴映像(Mag
netic Resonance Imaging, MRI)等の新しく傑出した画
像診断技術が開発されており、これらの新技術は画像診
断分野の発展に大きく寄与している。
【0003】MRIは近年医療分野に導入され、以来急
速に進歩、普及している。MRIは従来のX線CTと異
なり、放射線を必要としないことから被爆の問題がない
こと、任意の断面を映像化できること、また骨による妨
害のないことなどを特徴とする。MRIは体内物質の核
磁気共鳴現象[通常は水素原子核の緩和時間(T1
2)など]の違いを信号強度の差として映像化する。
常磁性体はプロトン(水のプロトン)の緩和現象を促進
する緩和効果を有し、映像のコントラストを増強させる
造影剤となる。なかでも希土類金属のGd(3価)は4
f軌道に7個の不対電子を有し、かつ配位座の数(9も
しくは10)が多いため強い緩和効果を持ち有力な造影
物質となる[R. B. Lauffer, Chem. Rev., 87,901 (198
7)]。しかし、Gd(3価)は体外へ排出されず毒性が
問題となる。このため、実際は、公知のキレート化剤で
あるDTPA(diethylenetriamine-pentaacetic acid)
との錯化合物(Gd−DTPA)として投与される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】Gd−DTPAは臨床
診断上での有用性が確認されている。しかしながら、こ
の薬物自身には血中半減期が短く、組織選択性能が乏し
い点、また生理条件下で2価のアニオン錯体として存在
するために高い浸透圧を示す点などの改善すべき点を有
している。これらの問題点を解決すべくキレート化剤に
ついて様々なアプローチがなされているが(特開昭63
−93758号、特開平1−1395号等)、十分に満
足な成果を得るには至っていない。従って、新しい錯化
合物の開発研究、中でもキレート化剤の開発研究の意義
は大きい。
【0005】本発明の目的は、優れたコントラスト増強
能、組織選択性能、安定性、血中での持続性を示し、高
浸透圧を示さない等の特性を有する錯化合物を形成し得
る新規なキレート化剤、該キレート化剤と金属原子との
錯化合物、及び該錯化合物を含む診断剤を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべ
く、本発明者等はキレート化剤等について種々研究を重
ねてきたところ、下記式[I]で表される化合物と金属原
子とからなる錯化合物が優れたコントラスト増強能、組
織選択性能、安定性、血中での持続性を示し、高浸透圧
を示さない等の特性を有することを見出し、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明は、下記一般式[I]で表
される化合物(キレート化剤)、該キレート化剤と金属
原子とからなる錯化合物及び該錯化合物を含む診断剤で
ある。
【0007】 [式中、mは1から3の整数、R1及びR2は、同一又は
異なって、水素原子又は低級アルキル基、R3、R4、R
5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又は基: (式中、A及びBは、同一又は異なって、炭素数6以上
の脂肪酸残基又はアルキル基を意味する。X及びYは、
同一又は異なって、O又はNHを意味する。nは0から
6の整数であり、n=0のときはYはないものとす
る。)を示す。但し、R3、R4、R5及びR6のうち、水
酸基は2又は3個であり、水酸基が2個の場合にはR3
及びR5が共に水酸基であるもの並びにR4及びR6が共
に水酸基であるものを除く。]
【0008】上記一般式[I]で表される化合物におい
て、低級アルキル基は直鎖又は分枝鎖状のいずれでもよ
く、炭素数1〜4のもの、具体的にはメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブ
チル、tert-ブチル等が例示される。A及びBは炭素数
6以上の脂肪酸残基(アシル基)であるが、かかる脂肪
酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、アラキド
ン酸等の飽和又は不飽和の高級脂肪酸が例示される。炭
素数6以上のアルキル基としては、直鎖又は分枝鎖状の
いずれでもよく、飽和又は不飽和のいずれでもよい。例
えば、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラ
デシル、ヘキサデシル、オクタデシル等が例示される。
【0009】本発明化合物は種々の方法で製造すること
ができ、例えば、下記の反応工程式に示される方法で得
ることができる。 (式中、m、n、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
A及びBは前記と同じ、X1は−NH2又は−OHを示
す。)
【0010】上記の反応工程において、酸無水物である
化合物[III]は、化合物[II]を、例えば、無水酢酸、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド、1,1'-カルボニルジイ
ミダゾール等を用いた公知の脱水反応に付すことより取
得できる。この反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒
中、50〜100℃程度にて3時間〜3日間程度反応さ
せることにより行うことができる。化合物[I]は化合物
[III]と化合物[IV]とを反応させることにより得られ
る。化合物[IV]は慣用の方法にて調製できる。例えば、
nが0の場合は、L.D. Bergelson著、"Lipid Biochemic
al Preparations" 1980 ELSEVIER/NORTH-HOLLAND BIOME
DICAL PRESS p115〜122に記載の方法に準じればよい。
また、nが0でない場合は、上記n=0の場合に調製し
た化合物[IV]を、慣用の方法にて末端に水酸基又はアミ
ノ基を有するアルキル化剤と反応させることにより得ら
れる。化合物[III]と化合物[IV]との反応は、酸無水物
とアミノ化合物又はヒドロキシ化合物とを反応させる慣
用の方法に準じて行うことができ、例えば化合物[III]
をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒に溶解
した溶液に、化合物[IV]を必要なら塩化メチレン、クロ
ロホルム等の有機溶媒に溶解して加え、室温〜90℃程
度にて30分〜5日間程度反応させることにより行うこ
とができる。この反応に際して、塩基性化合物、例えば
ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリンな
どを添加してもよい。
【0011】この反応において、化合物[I]のR3〜R6
中、水酸基が2個の化合物を調製する場合、化合物[IV]
は化合物[III]に対して2.0から2.3当量用いる。また、
水酸基が3個の化合物を調製する場合、化合物[IV]は化
合物[III]に対して1.0〜1.3当量用いる。この水酸基が
3個の場合、反応後、水約1.0当量を加え、前記反応条
件にて反応を行うことにより、反応しなかった無水カル
ボン酸部分に水を付加し、化合物[I]に導く。この無水
カルボン酸部分への水の付加反応は、化合物[III]と[I
V]の反応に先立って、化合物[III]に対して行ってもよ
い。化合物[I]の塩は、常法に準じて調製することが
できる。かくして得られた化合物[I]及びその塩は、
例えば再結晶、再沈殿、カラムクロマトグラフィー等の
慣用の方法で、単離、精製することができる。なお、本
発明のキレート化剤が分子内に不斉炭素を有する場合、
当該不斉炭素に基づく光学異性体及びそれらの混合物の
全ては本発明に包含される。
【0012】本発明の錯化合物は上記化合物[I]と金
属原子とからなり、当該錯化合物の調製は当該分野で公
知の方法により行うことができる。例えば、金属のオキ
シド又はハライド化合物を水に加え、等モル量の化合物
[I]又はその塩で処理すればよい。化合物[I]及び
その塩は水溶液で加えることができるが、水への溶解度
が危惧される場合にはメタノール、エタノール、アセト
ン、ジメチルスルフォキシド等の有機溶媒を添加しても
よい。また必要に応じて希酸または希塩基を加えること
により、pHの制御が可能である。錯化合物の調製の際
の加熱、冷却は適宜行えばよい。本発明の錯化合物の医
薬的に許容される塩は、前記の調製法において、錯化合
物が依然として溶解状態にある間に、酸(例えば有機
酸、無機酸等)や塩基(例えばアルカリ金属水酸化物、
塩基性アミノ酸等)を用いて錯化合物を中和することに
より製造することができる。
【0013】本発明の診断剤は上記の錯化合物又はその
塩からなり、錯化合物の金属原子を適宜選択することに
より、MRI診断剤、X線診断剤、核医学診断剤、超音
波診断剤等として使用できる。中でも好ましいのは、M
RI診断剤としてである。この場合、錯化合物のための
金属原子として好ましいものは、原子番号21〜29、
42、44、57〜70の元素である。錯化合物の中心
金属イオンは常磁性であることが必要であり、前記金属
原子の二価及び三価イオンが適当である。適当なイオン
としては、例えばクロム(III)、マンガン(II)、鉄(II
I)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、プラセオジ
ム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、テルビウ
ム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、エ
ルビウム(III)及びイツテルビウム(III)イオンが挙げら
れる。特にガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジス
プロシウム(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)
及び鉄(III)イオンが好ましい。
【0014】核医学診断剤として使用する場合には、錯
化合物の金属原子は放射性であることが必要であり、例
えばガリウム、テクネシウム、インジウム、イットリウ
ム等の元素の放射性同位体が用いられる。X線診断剤と
して使用する場合には、錯化合物の金属原子はX線を吸
収する必要があり、例えばランタニド列の金属、タンタ
ル等が用いられる。また、これらの錯化合物は超音波診
断剤としても使用できる。
【0015】本発明の診断剤は、水溶液剤、乳剤、リポ
ソーム製剤、これらの凍結乾燥製剤などの形態で提供さ
れ、これらの製剤は前記の錯化合物水溶液を用いて、製
剤上の慣用手段により調製することができる。凍結乾燥
製剤は使用時に適当な希釈剤に溶解・分散して用いられ
る。本発明の診断剤には、生理的に許容しうる緩衝液
[例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等]
や他の生理的に許容しうる添加物(例えばパラベン類な
どの安定剤等)を添加してもよい。本発明の診断剤は、
従来の診断剤と同様にして使用でき、例えば液剤をヒト
をはじめとする哺乳動物に対して経口的・非経口的に投
与して使用される。投与量も従来の診断剤と実質的に同
様であり、0.001〜5mmol/Kg程度、通常0.005〜0.5mmol/
Kg程度で投与される。
【0016】
【発明の効果】本発明の化合物と金属原子との錯化合物
は、優れたコントラスト増強能、組織選択性能、安定
性、血中での持続性を示し、高浸透圧を示さない等の特
性を有し、医療診断、特にMRI診断上で有用である。
本発明の錯化合物は肝臓、脾臓等の各種臓器、腫瘍部、
血管等の造影に対して有利である。また、本発明の化合
物は、適度の脂溶性を有していることから、脂質との親
和性がある。従って、本発明の錯化合物は、脂肪乳剤
化、リポソーム化が公知の方法にて容易に行え、更なる
組織選択性の向上が可能である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 参考例11,3−O−ジステアロイルグリセロールの合成 1,3−O−ジ(ステアロイルオキシ)アセトン 1,3−ジハイドロキシアセトンダイマー4.64g
(25mmol)及びステアリン酸28.4g(100
mmol)をピリジン150mlに溶解し、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド25.0g(120mmol)を
クロロホルム150mlに溶解した溶液を加え、室温に
て91時間撹拌した。アセトン再結晶により目的化合物
を15.6g(収率50%)得た。 1,3−O−ジステアロイルグリセロール 1,3−ジ(ステアロイルオキシ)アセトン12.5g
(20mmol)をテトラヒドロフラン200mlに懸
濁し、氷冷下、BH3の1Mテトラヒドロフラン溶液を
25.5ml(26mmol)滴下した後、室温にて2
2時間撹拌した。アセトン再結晶により、無色針状結晶
の目的化合物を8.5g(収率67%)得た。
【0018】参考例22−O−(2−アミノエチル)−1,3−O−ジラウリ
ルグリセロールの合成 1,3−O−ジラウリルグリセロール ラウリルアルコール27.0ml(118.8mmo
l)及び水素化ナトリウム5.27g(131.6mm
ol)を無水ジオキサン60mlに加えて90℃にて3
0分撹拌した後、氷冷下、エピクロロヒドリン3.1m
l(39.6mmol)を加え4時間加熱還流を行い、
1,3−O−ジラウリルグリセロール及び1,2−O−
ジラウリルグリセロールの混合物を得た。 2−O−カルバモイルメチル−1,3−O−ジラウリ
ルグリセロール 水素化カリウム0.79g(6.9mmol)を無水テ
トラヒドロフラン50mlに懸濁し、1,3−O−及び
1,2−O−ジラウリルグリセロールの混合物2.15
g(5.0mmol)を無水テトラヒドロフラン12m
lに溶解した溶液を加え1時間加熱還流した後、室温
下、ヨード酢酸アミド2.82g(15.3mmol)
を無水テトラヒドロフラン10mlに溶解した溶液を加
え2時間加熱還流を行った。カラムクロマトグラム法
(溶出液:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製を行い、白
色結晶の2−O−カルバモイルメチル−1,3−O−ジ
ラウリルグリセロールを得た。 2−O−(2−アミノエチル)−1,3−O−ジラウ
リルグリセロール 2−O−カルバモイルメチル−1,3−O−ジラウリル
グリセロール3.34g(7.0mmol)を無水テト
ラヒドロフラン14mlに溶解し、氷冷下にて、10M
のBH3・Me2S錯体3.5ml(35.0mmol)
を加え、3時間加熱還流を行った。カラムクロマトグラ
ム法(溶出液:ジクロロメタン−メタノール)にて精製
を行い、無色油状の目的化合物を2.16g(収率6
4.3%)得た。
【0019】実施例1N−[2−(1,3−ジステアロイルオキシ)プロポキ
シカルボニルメチル]ジエチレントリアミン−N,
N’,N”,N”−テトラ酢酸(以下、化合物1とい
う)の合成 75℃にてジエチレントリアミンペンタ酢酸二無水物
3.00g(8.4mmol)を無水DMF45mlに
溶解し、水0.15ml(8.3mmol)を滴下した
後、前記温度にて1時間撹拌しジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸一無水物を生成させる。この溶液に、1,3−
O−ジステアロイルグリセロール5.25g(8.4m
mol)を加え、更に16時間前記温度にて撹拌する。
再結晶(クロロホルム−メタノール)にて精製を行い、
目的化合物(無色アモルファス、mp188.0〜190.0℃)を
4.16g(収率50.0%)得た。1 H−NMR(CD3OD+CF3COOD)δ:0.88(6
H,t,J=6.7Hz),1.1-1.5(56H,m),1.5-1.8(4H,
m),2.41(4H,t,J=7.6Hz),3.2-3.6(4H,m),3.6
-4(6H,m),4-4.5(10H,m),4.5-4.6(2H,m),5.
2-5.4(1H,m) IR(KBr):3400,1730,1620cm-1
【0020】実施例2N−[2−(1,3−ジラウロイルオキシ)プロポキシ
カルボニルメチル]ジエチレントリアミン−N,N’,
N”,N”−テトラ酢酸(以下、化合物2という)の合
75℃にてジエチレントリアミンペンタ酢酸二無水物
3.00g(8.4mmol)を無水DMF45mlに
溶解し、水0.15ml(8.3mmol)を滴下した
後、前記温度にて1時間撹拌しジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸一無水物を生成させる。この溶液に、1,3−
O−ジラウロイルグリセロール(参考例1に準じて合
成)3.84g(8.4mmol)を加え、更に18時
間前記温度にて撹拌する。カラムクロマトグラム法(溶
出液:メタノール)及び再結晶(クロロホルム−メタノ
ール)にて精製を行い、目的化合物(無色アモルファ
ス、mp 182.0〜184.0℃)を2.47g(収率35.0
%)得た。1 H−NMR(CD3OD+CF3COOD)δ:0.87(6
H,t,J=6.3Hz),1.1-1.5(32H,m),1.5-1.8(4H,
m),2.38(4H,t,J=7.3Hz),3-3.5(4H,m),3.5-4
(6H,m),4-4.8(12H,m),5.2-5.4(1H,m) IR(KBr):3400,1720,1620cm-1
【0021】実施例3N,N”−ビス[2−(1,3−ジラウロイルオキシ)
プロポキシカルボニルメチル]ジエチレントリアミン−
N,N’,N”−トリ酢酸(以下、化合物3という)の
合成 ジエチレントリアミンペンタ酢酸二無水物1.00g
(2.8mmol)を無水DMF25mlに溶解する。
この溶液に、1,3−O−ジラウロイルグリセロール
2.56g(5.6mmol)を加え、80℃にて21
時間撹拌する。フラッシュカラムクロマトグラム法(溶
出液:クロロホルム−メタノール)、クロマトグラム法
(溶出液:メタノール)にて生成を行い、目的化合物
(黄色アモルファス、mp 55.0〜56.0℃)を1.30g
(収率36.0%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:0.88(12H,t,J=6H
z),1.1-1.5(64H,m),1.5-1.9(8H,m),2.32(8
H,t,J=7Hz),3-3.4(4H,m),3.4-3.9(12H,m),
4-4.6(10H,m),5.1-5.4(2H,m) IR(CHCl3):3450,1735,1630cm-1
【0022】実施例4N−[2−(1,3−ジラウリルオキシプロパン)−2
−イルオキシ)エチルカルバモイルエチル]ジエチレン
トリアミン−N,N’,N”,N”−テトラ酢酸(以
下、化合物4という)の合成 80℃にてジエチレントリアミンペンタ酢酸二無水物
0.30g(0.8mmol)を無水DMF60mlに
溶解し、水0.015ml(0.8mmol)を滴下し
た後、前記温度にて1.5時間撹拌しジエチレントリア
ミンペンタ酢酸一無水物を生成させる。この溶液に、2
−O−(2−アミノエチル)−1,3−O−ジラウリル
グリセロール(参考例2に準じて合成)0.40g
(0.8mmol)を加え、さらに1.5時間前記温度
にて撹拌する。カラムクロマトグラム法(溶出液:メタ
ノール)にて精製を行い、目的化合物(白色アモルファ
ス、mp 180〜184.0℃)を0.31g(収率58.5
%)得た。1 H−NMR(MeOH−d4)δ:0.90(6H,t,J=6.4
Hz),1.2-1.4(36H,m),1.5-1.7(4H,m),3.10-3.
35(8H,m),3.35-3.55(12H,m),3.55-3.75(11H,
m) IR(KBr):3400,1720,1630cm-1
【0023】実施例5Gd・化合物2錯化合物の調製 化合物2 8.4gを蒸留水800mlに溶解した水溶
液に、0.05MのGdCl3溶液を200ml徐々に
加え、0.1N NaOH水溶液を加えることによりp
Hを7.0付近に保ちながら撹拌し、室温にて約1時間
反応させた。反応後、該反応液を凍結乾燥し、11.2
gのGd・化合物2錯化合物を得た。
【0024】実施例6Gd・化合物3錯化合物の調製 化合物2の代わりに化合物3を用い、実施例5と同様の
操作により、目的錯化合物を得た。
【0025】実施例7脂肪乳剤化錯化合物の調製 精製大豆油10gに精製卵黄リン脂質6g及びGd・化
合物2錯化合物4gを加えた後、混合し、これに175
mlの蒸留水及び2.0gのグリセリンを加え、ホモミ
キサーで均質化処理を行った。次にマントン−ガウリン
型高圧ホモジナイザーを用いて高圧乳化を行い、平均粒
子径が1μm以下の均質化された極めて微細なGd・化
合物2脂肪乳剤が得られた。得られたGd・化合物2脂
肪乳剤の生理食塩水に対する浸透圧比は約1.0であっ
た。
【0026】試験例1ラット臓器内分布の測定 実施例5で得られたGd・化合物2水溶液を尾静脈より
ボーラス投与した(投与量:0.02mmol/k
g)。投与後30分、1、2、4及び6時間して、動物
をCO2ガスで屠殺後、脱血し、各臓器(肝臓、腎臓及
び脾臓)を取り出した。各臓器をホモジナイズした後、
エタノールを加え、遠心分離を行って上清を得、高速液
体クロマトグラム法(65%メタノール、1%トリエチ
ルアミン、pH7.0、C18カラム)にて錯化合物量
を測定し、投与量に対する割合(%)を求めた。その結
果、肝臓への優れた集積性(投与後、2〜6時間で60
%の集積率)が明らかとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 237/10 7106−4H C07F 5/00 D 7457−4H C09K 3/00 108 8517−4H G01R 33/30 (72)発明者 新留 正和 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 向井 裕通 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 宮城 育子 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 今川 昂 枚方市招提大谷二丁目25番1号 株式会社 ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 金 尚元 吹田市五月ケ丘北18−1−301 (72)発明者 丸川 太▲朗▼ 名古屋市昭和区広路本町3−1 ピア3C −4 (72)発明者 小塚 ▲隆▼弘 神戸市須磨区関守町2−3−15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式: [式中、mは1から3の整数、 R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は低級ア
    ルキル基、 R3、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水酸基又
    は基: (式中、A及びBは、同一又は異なって、炭素数6以上
    の脂肪酸残基又はアルキル基を意味する。X及びYは、
    同一又は異なって、O又はNHを意味する。nは0から
    6の整数であり、n=0のときはYはないものとす
    る。)を示す。但し、R3、R4、R5及びR6のうち、水
    酸基は2又は3個であり、 水酸基が2個の場合にはR3及びR5が共に水酸基である
    もの並びにR4及びR6が共に水酸基であるものを除
    く。]で表される化合物又はその塩。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物と金属原子と
    の錯化合物又はその塩。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の錯化合物又はその塩
    を含むことを特徴とする診断剤。
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