JPH06165130A - 信号処理回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＭＵＳＥ方式の信号の静止画用の信号処理を
サブサンプル位相信号に基づいて行なう信号処理回路に
おいて、伝送されてくるＭＵＳＥ方式の信号より誤った
サブサンプル位相信号が取り出された際に、大幅な画質
劣化が生じないようにする。 【構成】 伝送されてくるＭＵＳＥ方式の信号よりコン
トロール信号としての輝度信号用サブサンプル位相信号
を取り出すコントロール信号検出回路８と、このコント
ロール信号検出回路８にて取り出された輝度信号用サブ
サンプル位相信号の位相が２フィールド毎に反転してい
るか否かを検出して非反転の時には静止画用の信号処理
を禁止してすべて動画用の信号処理にするエラー検出回
路９とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＭＵＳＥ方式の信号を
デコードする簡易型ＭＵＳＥデコーダや、ＭＵＳＥ方式
の信号を現行のＮＴＳＣ方式の信号に変換するＭＵＳＥ
−ＮＴＳＣコンバータ等に用いられる信号処理回路に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＭＵＳＥ方式は動き適応処理、サ
ブサンプリング等の技術を用いて、輝度信号が２２ＭＨ
ｚ、２つの色差信号が各７ＭＨｚの合計３６ＭＨｚのベ
ースバンド信号帯域幅のハイビジョン（高品位テレビジ
ョン）信号を約８ＭＨｚの信号に帯域圧縮し、周波数変
調により衛星放送の１チャンネル（２７ＭＨｚ）で伝送
するために開発された方式で、人の視覚特性を利用して
静止画領域、動画領域に夫々適した帯域圧縮を行なって
いる。

【０００３】即ち、動画領域では人の視覚特性で動く物
体に対して解像度が低下することを利用して、ライン間
オフセットサブサンプリングによる間引き処理にて帯域
圧縮を行なっており、静止画領域では人の視覚特性で斜
め方向の解像度が低下しても画質劣化を左程感じないこ
とを利用して、フィールド間、フレーム間オフセットサ
ブサンプリングによる間引き処理にて帯域圧縮を行なっ
ている。

【０００４】そのため、伝送されてくるこのようなＭＵ
ＳＥ方式の信号を例えばハイビジョン対応のテレビジョ
ン受像機で受信する場合には、ＭＵＳＥデコーダを設け
てＭＵＳＥ方式の信号から元のハイビジョン信号を夫々
動画用、静止画用信号処理等により復元する必要があ
り、例えば動画領域においては空間内挿であるフィール
ド内内挿処理を行ない、静止画領域においては時間内挿
であるフレーム間内挿とフィールド間内挿処理を行なう
ことで、原信号を復元するようにしている。

【０００５】ところが、このような動画用、静止画用信
号処理を施す信号処理回路は複雑でコストが高くなるた
め、このような静止画用の信号処理（フレーム間、フィ
ールド間内挿処理）は行なわないで、例えばすべて動画
用の信号処理を施すようにしたり、或いはそのフレーム
間内挿処理のみ行なってフィールド間内挿処理の替わり
にその２次元周波数特性の垂直方向の周波数帯域制限
（垂直フィルタリング）を行なわせるようにした簡易型
ＭＵＳＥデコーダが提案されている。

【０００６】そして、後者の処理方法の簡易型ＭＵＳＥ
デコーダでは、そのフレーム間内挿処理を、伝送されて
くるＭＵＳＥ方式の信号より取り出されるコントロール
信号としてのサブサンプル位相信号に基づいて行なわせ
ている。例えば、輝度信号（Ｙ）のフレーム間内挿は、
フレーム毎にもライン毎にもサンプリング位相が反転し
て伝送されてくる輝度信号のサンプル値間に、１フレー
ム前の輝度信号のサンプル値を内挿処理するために、フ
レーム毎、ライン毎に位相が反転した１水平周期の輝度
信号用サブサンプル位相信号を取り出し、この輝度信号
用サブサンプル位相信号に基づいて内挿時の位相を決定
するようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
簡易型の信号処理回路では、その静止画用信号処理であ
るフレーム間内挿に必要なサブサンプル位相信号とし
て、映像信号の垂直ブランキング期間に誤り訂正等の処
理を施さずにそのまま多重されている簡易用のものを用
いているため、伝送上でのバーストノイズやベースバン
ド信号の振幅変動等により誤ったサブサンプル位相信号
が取り出される虞れがあり、その場合正常なフレーム間
内挿処理が行なえず、その静止画部分で著しい画質劣化
を生じると云った問題があった。

【０００８】更に、簡易型の信号処理回路では、パンニ
ング等のような画面全体の動きに対して行なう動き補正
処理を通常省いており、その場合サブサンプル位相信号
は動き補正処理に応じた位相にて送信側から伝送されて
くるため、それをそのままフレーム間内挿に用いると、
誤ったフレーム間内挿が施されて静止画部分で著しい画
質劣化を生じることになる。

【０００９】例えば、正しいサブサンプル位相信号によ
るフレーム間内挿が行なわれた際には、図６のような白
地に２サンプル値分の黒の縦線が入った本来の画像が再
生されるとした場合に、誤った（この場合、位相が逆に
なった）サブサンプル位相信号によるフレーム間内挿処
理が行なわれた際には、図７のように２サンプル値分の
縦線が１サンプル値づつの２本の縦線に変化して再生さ
れることになり、本来の画像を認めることができないほ
ど画質が劣化することになる。ここで、図６、７におけ
る白丸、白四角は現フレームの奇数フィールド、偶数フ
ィールドのサンプリング点を示し、黒丸、黒四角は夫々
その１フレーム前のフィールドのサンプリング点を示し
ている。

【００１０】本発明はこのような点に鑑み成されたもの
であって、伝送されてくるＭＵＳＥ方式の信号より誤っ
たサブサンプル位相信号が取り出されても、大幅な画質
劣化が生じないようにした信号処理回路を提供すること
を目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため本発明では、伝送されてくるＭＵＳＥ方式の信号よ
りコントロール信号としてのサブサンプル位相信号を取
り出し、この取り出したサブサンプル位相信号に基づい
て静止画用の信号処理を行なう信号処理回路において、
誤ったサブサンプル位相信号が取り出された際には、静
止画用の信号処理を禁止する手段を設けたものである。

【００１２】具体的に、前記手段は、伝送されてくるＭ
ＵＳＥ方式の信号よりコントロール信号としての輝度信
号用サブサンプル位相信号を取り出すコントロール信号
検出回路と、このコントロール信号検出回路にて取り出
された輝度信号用サブサンプル位相信号の位相が２フィ
ールド毎に反転しているか否かを検出して非反転の時に
は静止画用の信号処理を禁止してすべて動画用の信号処
理にするエラー検出回路とを含んでいるものである。

【００１３】

【作用】このような構成によると、誤ったサブサンプル
位相信号が取り出された際には、そのサブサンプル位相
信号に基づく静止画用の信号処理が禁止されてすべて動
画用の信号処理がなされることになり、正常でない静止
画用信号処理によって生じる大幅な画質の劣化が改善さ
れることになる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の一実施例としてその静止画用
信号処理を垂直フィルタリングとフレーム間内挿とで行
なう簡易型ＭＵＳＥデコーダについて図面と共に説明す
る。本実施例では、誤ったサブサンプル位相信号が取り
出された際には、静止画用の信号処理を禁止してすべて
動画用の信号処理を行なわせるようにしたものである。

【００１５】具体的には、図１に示すように構成してお
り、１はＭＵＳＥ方式対応のＢＳ（衛星方送受信用）チ
ューナ、２はローパスフィルタ３を介したＢＳチューナ
１からのＭＵＳＥ方式の信号を１６．２ＭＨｚのサンプ
リング周波数で再サンプリングしてデジタルにするＡ／
Ｄ変換器、４はＡ／Ｄ変換器２により再サンプリングさ
れたＭＵＳＥ方式の信号の垂直ブランキング期間に多重
されたＤＰＣＭ（準瞬時圧伸ＤＰＣＭ）方式の音声信号
を分離する音声分離回路、５は音声分離回路４にて取り
出した音声信号に３値−２値変換や時間伸長等の処理を
施して元に戻す音声処理回路である。

【００１６】６はＡ／Ｄ変換器２により再サンプリング
されたＭＵＳＥ方式の信号からフレームパルスや水平同
期信号等を検出して、それら信号を基に同期したシステ
ムクロックをＰＬＬ回路等を用いて再生するクロック再
生回路で、再生したシステムクロックは音声処理回路５
や後述する映像処理回路等に供給されることになる。７
はＡ／Ｄ変換器２により再サンプリングされたＭＵＳＥ
方式の信号の映像信号に静止画用、動画用信号処理を施
す映像処理回路で、その静止画用信号処理は垂直フィル
タリングとフレーム間内挿等で行ない、その動画用信号
処理はフィールド内内挿等で行なっている。

【００１７】そして、８はＡ／Ｄ変換器２からのＭＵＳ
Ｅ方式の信号の垂直ブランキング期間に多重されて簡易
用のコントロール信号、即ちＦＭ／ＡＭ識別信号と色差
信号用、輝度信号用サブサンプル位相信号を取り出すコ
ントロール信号検出回路で、それらコントロール信号は
３ビットの２値信号として表わされ、例えばＦＭ／ＡＭ
識別信号の場合ＦＭ変調された衛星放送の時には「０」
として、逆にＡＭ変調された地上放送のときには「１」
として送信側から伝送されてくるようになっている。

【００１８】図２は伝送されてくるＭＵＳＥ方式の信号
の１フレーム分の具体的な構成を示し、コントロール信
号は図示のように映像信号のブランキング期間に多重し
てフィールド単位で伝送されてきている。

【００１９】そして、図３はそれを更に詳細に表わした
もので、通常のＭＵＳＥデコーダで用いられるコントロ
ール信号は符号長８ビットで情報ビット４ビットの
（８、４）拡大ハミング符号を使用して３２ビット／フ
ィールドを「１」〜「８」ブロックに分けて３連送され
ている。そのため、この３連送のハミング符号を多数決
処理して取り込み各ブロックごとに復号すると、誤り訂
正されたコントロール信号（例えば、動きベクトルやサ
ブサンプル位相信号等）が得られることになる。

【００２０】そして、図３の「Ｅ」のブロックには誤り
訂正等の処理を施さずにそのまま図４のように割り当て
られた簡易用のコントロール信号が伝送されてきてお
り、コントロール信号検出回路８でこのコントロール信
号を取り込むことになる。

【００２１】そして、９はこのコントロール信号検出回
路８にて取り出された輝度信号用サブサンプル位相信号
の位相が正常な場合フレーム（２フィールド）毎、ライ
ン毎に反転していることから、その位相が２フィールド
毎に反転しているか否かを検出するエラー検出回路で、
該エラー検出回路９は反転している場合に「Ｈ」を、非
反転の場合に「Ｌ」を映像処理回路７に出力して、非反
転の時には映像処理回路７での静止画用信号処理を禁止
してすべて動画用の信号処理にするようになっている。

【００２２】従って、ＭＵＳＥ方式の信号を正常に受信
している状態、即ちＭＵＳＥ方式の信号から取り出した
水平同期信号とシステムクロックの位相同期が確立され
ている状態で、誤ったサブサンプル位相信号が取り出さ
れた場合、映像処理回路７ですべて動画用信号処理が施
されることになるので、多少の画質劣化は生じるものの
比較的良好な画像が得られることになる。

【００２３】尚、水平同期信号とシステムクロックの位
相同期がとれなくなって、誤ったサブサンプル位相信号
が取り出された場合には、通常水平同期信号が劣化、或
いは無い状態（正常でない受信状態）であるため、この
ような場合では画面全体の同期が乱れてしまい、すべて
を動画用信号処理しても無意味になるため、映像ミュー
トを掛けるものとする。

【００２４】次に、図５はエラー検出回路９の具体的な
構成例を示し、１０はコントロール信号検出回路８で取
り出された輝度信号用サブサンプル位相信号が入力され
る入力端子、１１はクロック再生回路６からの垂直同期
信号ＶＤが入力されるクロック端子、１２は入力端子１
０からの輝度信号用サブサンプル位相信号を垂直同期信
号のタイミングでラッチして１フィールド遅延する第１
ラッチ回路（この場合、Ｄフリップフロップ回路を用い
ている）である。ここで、第１ラッチ回路１２はコント
ロール信号検出回路８で取り出されたサブサンプル位相
信号等のコントロール信号が次フィールドのためのもの
であるため、その差分を吸収するのに用いられている。

【００２５】そして、１３は第１ラッチ回路１２からの
出力を更に１フィールド遅延する第２ラッチ回路、１４
はその第２ラッチ回路１３の出力を更に１フィールド遅
延する第３ラッチ回路、１５は第１ラッチ回路１２の出
力とその２フィールド前である第３ラッチ回路１４の出
力とを入力とする排他的ＯＲ回路で、該排他的ＯＲ回路
１５は入力されるラッチ出力が２フィールド毎に反転し
ていなければ「Ｌ」出力を出力端子１６から映像処理回
路７に出力するようになっている。以上、本実施例では
輝度信号用サブサンプル位相信号の位相を検出するよう
にしたが、色差信号用サブサンプル位相信号の位相を検
出して静止画用信号処理を禁止するか否かを制御するよ
うにしても良い。

【００２６】

【発明の効果】上述した如く本発明によれば、伝送上で
のバーストノイズ等により静止画用の信号処理に必要な
サブサンプル位相信号が誤って取り出された場合には、
その静止画用信号処理を禁止してサブサンプル位相信号
を用いない動画用信号処理を施すようにしているので、
多少の画質劣化は生じるもののこのような場合において
も比較的良好な画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を実現する回路構成例を示す図。

【図２】 その伝送されてくるＭＵＳＥ方式の信号の１
フレーム分の構成を示す図。

【図３】 そのコントロール信号部分を詳細に示す図。

【図４】 その簡易用のコントロール信号部分を詳細に
示す図。

【図５】 そのエラー検出回路の具体的な構成例を示す
図。

【図６】 正常なフレーム間内挿後のサンプリング点の
位置関係を示す図。

【図７】 誤ったフレーム間内挿後のサンプリング点の
位置関係を示す図。

【符号の説明】

６ クロック再生回路 ７ 映像処理回路 ８ コントロール信号検出回路 ９ エラー検出回路 １２、１３、１４ 第１、第２、第３ラッチ回路 １５ 排他的ＯＲ回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 伝送されてくるＭＵＳＥ方式の信号より
   コントロール信号としてのサブサンプル位相信号を取り
   出し、この取り出したサブサンプル位相信号に基づいて
   静止画用の信号処理を行なう信号処理回路において、誤
   ったサブサンプル位相信号が取り出された際には、静止
   画用の信号処理を禁止する手段を設けたことを特徴とす
   る信号処理回路。
2. 【請求項２】 前記手段は、伝送されてくるＭＵＳＥ方
   式の信号よりコントロール信号としての輝度信号用サブ
   サンプル位相信号を取り出すコントロール信号検出回路
   と、このコントロール信号検出回路にて取り出された輝
   度信号用サブサンプル位相信号の位相が２フィールド毎
   に反転しているか否かを検出して、非反転の時には静止
   画用の信号処理を禁止してすべて動画用の信号処理にす
   るエラー検出回路とを含んでいることを特徴とする請求
   項１に記載の信号処理回路。