JPH06159427A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH06159427A
JPH06159427A JP33560792A JP33560792A JPH06159427A JP H06159427 A JPH06159427 A JP H06159427A JP 33560792 A JP33560792 A JP 33560792A JP 33560792 A JP33560792 A JP 33560792A JP H06159427 A JPH06159427 A JP H06159427A
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JP
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orifice
piston rod
cylinder
metering pin
damping force
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JP33560792A
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Shinichi Kagawa
伸一 香川
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧緩衝器のピストンロッドの伸長時と縮小
時とで同一のストローク位置であっても異なる減衰力を
発生し、伸長側と縮小側とで異なる減衰力特性を持たせ
る。 【構成】 ピストンロッド3をロッド9と補助ロッド1
0とから構成し、補助ロッド10にピストン2をナット
14で締着する。ナット14内に切欠ディスク16とチ
ェックバルブ17とをカシメ固定し、切欠ディスク16
の中心部とメータリングピン5との間で縮小時に減衰力
を発生するオリフィス18を形成する。補助ロッド10
の上端内部にオリフィス板20をカシメ固定し、オリフ
ィス板20とメータリングピン5との間で伸長時に減衰
力を発生するオリフィス21を形成する。オリフィス板
20の下方には油路22が穿設され、油路22の段付穴
11側に一方向弁24が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は例えば車両等の振動を緩
衝するのに好適に用いられ、ピストンロッドのストロー
ク位置に応じて減衰力を可変に設定できるようにメータ
リングピンを用いた油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来技術】従来のメータリングピンを用いた油圧緩衝
器の主要部を図5に示して説明する。油液が封入された
シリンダ1内は、摺動可能に嵌挿されたピストン2によ
り2つの油室A、Bに画成されている。前記ピストン2
には、前記シリンダ1外に突出しているピストンロッド
3の一端が貫通され、有底筒状のナット4により固定さ
れている。該ナット4の底部には後述のメータリングピ
ン5との間に生じるクリアランス(絞り)により減衰力
を発生し、オリフィス部となる孔6が設けられいる。前
記ピストンロッド3内には、該ピストンロッド3の軸線
方向に向かって延び、一端が前記油室Bに開口し、他端
が閉塞された挿通孔7と、該挿通孔7と前記油室Aとを
連通する連通路8とが形成されている。前記シリンダ1
の下端には、メータリングピン5の一端が固定されてお
り、該メータリングピン5の他端側は前記ナット4の孔
6に対して遊嵌状態を持って前記挿通孔4に挿入され自
由端となっている。該メータリングピン5は、両端側に
大径部5A、5Aが形成され、該両大径部5A、5Aの
間にはテーパ部5B、5Bを介して小径部5Cが形成さ
れている。
【0003】このような構成により、車両の荷重変化等
によるピストンロッド2のストロークに応じて前記ナッ
ト4の孔6と対向するメータリングピンの位置が変位
し、メータリングピン2の径の変化に伴い発生する減衰
力が変化することになる。すなわち、ピストンロッド2
が基準長(孔6が小径部5Cに対抗する任意の位置)か
ら端部方向に変化し、孔6がメータリングピン5の大径
部5Aに対向する位置に変位すると孔6とメータリング
ピン5との間のクリアランスが小さくなり、減衰力が高
くなる。このようにメータリングピンを用いた油圧緩衝
器においては車両の荷重変化等によるストローク位置の
変位に応じてオリフィスの面積を変化させることによ
り、減衰力を変化させることができる。
【0004】このことから、上記の油圧緩衝器を車両に
用いた場合には、車両の荷重変化や、車両の姿勢変化、
例えば、車両走行時のノーズダイブ(ブレーキングによ
る車体の前のめり)やボトミング(悪路走行時の車体の
突き上げ)等を抑えることが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
メータリングピンを用いた油圧緩衝器においては、一つ
のオリフィス部で伸長側と縮小側の減衰力を発生させて
いるので、ピストンロッドの伸長側と縮小側とで同一の
ストローク位置であるとき、伸長側と縮小側とで同一の
オリフィス特性による減衰力特性になっていた。
【0006】本発明の請求項1における発明の目的は、
ピストンロッドの伸長時と縮小時とで同一のストローク
位置であっても伸長側と縮小側とでオリフィス特性によ
る減衰力特性が異なる油圧緩衝器を提供することであ
る。
【0007】また、本発明の請求項2における発明の目
的は、一方向の変位時にのみ減衰力を発生する第1のオ
リフィス部と、他方向の変位時にのみ減衰力を発生する
第2のオリフィス部とにより、ピストンロッドの伸長時
と縮小時とで任意のオリフィス特性による減衰力特性を
持つ油圧緩衝器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シリ
ンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌挿され、該シリン
ダ内を2つの油室に画成するピストンと、一端側が該ピ
ストンに固着され、他端側が前記シリンダの一方の油室
を介してシリンダの一端から突出したピストンロッド
と、該ピストンロッド内に軸方向に延びて穿設され、一
端が前記シリンダの他方の油室に開口し他端が閉塞され
た挿通孔と、前記挿通孔と前記シリンダの一方の油室と
を連通する連通路と、一端側が前記シリンダの他端側に
支持され、他端側が前記挿通孔内に挿入されて、軸方向
の異なる位置で異なる断面積を有するメータリングピン
とからなる油圧緩衝器において、前記挿通孔の開口部と
前記連通路との間に設けられ、前記メータリングピンと
の間で減衰力を発生する第1のオリフィス部と、前記挿
通孔の開口部と前記連通路との間に前記第1のオリフィ
ス部から軸方向に離間して設けられ、前記メータリング
ピンとの間で減衰力を発生する第2のオリフィス部と、
前記第1のオリフィス部をバイパスして前記第2のオリ
フィス部と連通するバイパス通路と、該バイパス通路に
設けられ、前記ピストンロッドが一方向に変位するとき
のみバイパス通路の流れを許す一方向弁とからなること
を特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、シリンダと、該シリン
ダ内に摺動可能に嵌挿され、該シリンダ内を2つの油室
に画成するピストンと、一端側が該ピストンに固着さ
れ、他端側が前記シリンダの一方の油室を介してシリン
ダの一端から突出したピストンロッドと、該ピストンロ
ッド内に軸方向に延びて穿設され、一端が前記シリンダ
の他方の油室に開口し他端が閉塞された挿通孔と、前記
挿通孔と前記シリンダの一方の油室とを連通する連通路
と、一端側が前記シリンダの他端側に支持され、他端側
が前記挿通孔内に挿入されて、軸方向の異なる位置で異
なる断面積を有するメータリングピンとからなる油圧緩
衝器において、前記挿通孔の開口部と前記連通路との間
に設けられ、前記メータリングピンとの間で減衰力を発
生する第1のオリフィス部と、前記挿通孔の前記開口部
と前記連通路との間に前記第1のオリフィス部から軸方
向に離間して設けられ、前記メータリングピンとの間で
減衰力を発生する第2のオリフィス部と、前記第1のオ
リフィス部をバイパスして第2のオリフィス部と連通す
る第1のバイパス通路と、前記第2のオリフィス部をバ
イパスして第1のオリフィス部と連通する第2のバイパ
ス通路と、前記第1のバイパス通路に設けられ、前記ピ
ストンロッドが一方向に変位するときのみ前記第1のバ
イパス通路の流れを許す第1の一方向弁と、前記第2の
バイパス通路に設けられ、前記ピストンロッドが他方向
に変位するときのみ前記第2のバイパス通路の流れを許
す第2の一方向弁とからなることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の請求項1の構成により、ピストンロッ
ドが一方向に変位すると、油液は前記パイパス通路と第
2のオリフィス部とを流れるので、第2のオリフィス部
で減衰力が発生する。また、ピストンロッドが他方向に
変位すると、油液は一方向弁の作用により前記バイパス
通路を流れないため、第1のオリフィス部と第2のオリ
フィス部との双方を流れ、第1のオリフィス部と第2の
オリフィス部とで減衰力が発生することになり、ピスト
ンロッドが一方向に変位するときに発生する減衰力とは
異なる減衰力が発生する。
【0011】本発明の請求項2の構成により、ピストン
ロッドが一方向に変位すると、油液は第1の一方向弁の
作用により前記第1のパイパス通路と第2のオリフィス
部とを流れるので、第2のオリフィス部で減衰力が発生
する。また、ピストンロッドが他方向に変位すると、油
液は第2の一方向弁の作用により前記第2のパイパス通
路と第1のオリフィス部とを流れるので、第1のオリフ
ィス部で減衰力が発生する。
【0012】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1及び図3に示し
て説明する。なお、本実施例では前述した図5に示す従
来技術と同一のものについては同一の符号を付す。
【0013】図1は第1の実施例における油圧緩衝器の
主要部の断面図である。ピストンロッド3はロッド9と
補助ロッド10とから構成されている。該ロッド9の上
端側がシリンダ1の一端から突出しており、該ロッド9
には、軸方向にメータリングピン挿通孔7と、該メータ
リングピン挿通孔7の下方に位置して大径に形成された
長尺の段付穴11とが設けられ、該段付穴11は、ロッ
ド9の径方向に穿設された連通路8を介して油室Aと連
通するようになっている。
【0014】前記段付穴11内部には前記補助ロッド1
0の上端側が挿入され、該補助ロッド10の軸方向中間
部で螺合されており、該補助ロッド10内には前記メー
タリングピン挿通孔7とともに本発明の挿通孔を構成す
る軸孔12を有している。前記補助ロッド10の下端側
外径部には、その軸方向下向きに延びる小径部13が形
成され、該小径部13の下端側には、筒状のナット14
が螺設されており、該ナット14は前記補助ロッド10
にピストン2等を締着している。
【0015】前記ナット14の下端側には、カシメ部1
5が形成されており、該カシメ部15には、図2(A)
に示す環状の切欠ディスク16と図2(B)に示す環状
のチェックバルブ17とがそれぞれの外周をクランプさ
れて設けられている。前記切欠ディスク16の中心部に
は、メータリングピン5との間で、本発明の第1のオリ
フィス部を形成するオリフィス18が設けられ、外周側
には油液の流通が可能な本発明の第1のオリフィス部を
バイパスするバイパス通路としての切り欠き部19が形
成されている。前記チェックバルブ17は、常時には前
記切欠ディスク16の前記切り欠き部19を塞ぐように
前記切欠ディスク16の下部に設けられ、内周が撓むこ
とにより軸穴12から油室Bへ油液の流れを許し、本発
明の一方の油室から他方の油室への流れを許す一方向弁
を構成している。
【0016】前記補助ロッド10の軸孔12内部の上端
側には、環状のオリフィス板20がカシメ固定されてお
り、該オリフィス板20の内周には、メータリングピン
5との間で本発明の第2のオリフィス部を形成するオリ
フィス21が設けられている。該オリフィス21と前記
オリフィス18とは同一の開口面積でもよいが、本実施
例においてはオリフィス21の方がオリフィス18より
も開口面積が若干大きくなっている。前記オリフィス板
20の下方には補助ロッド10の径方向に穿設された本
発明の第2のオリフィス部をバイパスするバイパス通路
としての油路22があり、前記軸孔12と前記段付穴1
1とを連通している。該油路22の段付穴11側の開口
部23には、本発明の他方の油室から一方の油室への流
れを許す一方向弁として、軸孔12から段付穴11への
油液の流れのみを許すゴム製の一方向弁24が設けられ
ている。
【0017】前記メータリングピンは、両端に大径部5
Aを、中間部に小径部5Cを有し、前記切欠ディスク1
6のオリフィス18(第1のオリフィス部)がメータリ
ングピン5の大径部5Aに位置するとき(ピストンロッ
ドが所定長以下であるとき)にオリフィス板20のオリ
フィス21(第2のオリフィス部)がメータリングピン
5の小径部5Cに位置し、かつ、オリフィス板20のオ
リフィス21がメータリングピン5の大径部5Aに位置
するとき(ピストンロッドが所定長以上であるとき)に
切欠ディスク16のオリフィス18がメータリングピン
5の小径部5Cに位置するような形状となっている。
【0018】第1の実施例による油圧緩衝器は上述のよ
うな構成を有するものであり、次にその作動を説明す
る。ピストンロッド3の縮小時にシリンダ1の油室B内
にある油液は、切り欠き部19がチェックバルブ17に
より閉塞されているため、オリフィス18を通って軸孔
12内に流入し、補助ロッド10の油路22を介して一
方向弁24を押し開け、ピストンロッド3の連通路8を
介して油室Aに流入する。このピストンロッド3の縮小
時において、減衰力はオリフィス18で発生するのでピ
ストンロッド3の縮小に伴って、オリフィス18がメー
タリングピン5の小径部5Cの位置から下方側の大径部
5Aの位置に変位すると(ピストンロッドが所定長以下
になると)、前記オリフィス18の流路面積が小さくな
り、該オリフィス18で発生する減衰力が高くなる。
【0019】また、ピストンロッド3の伸長時にシリン
ダ1の油室Aにある油液は、ピスロンロッド3の連通路
8を介して補助ロッド10の油路22が一方向弁24に
より閉塞されているためオリフィス21を通って軸孔1
2に流入し、切欠ディスク16の切り欠き部19を通っ
てチェックバルブ17を押し開けて油室Bに流入する。
このピストンロッド3の伸長時において、減衰力が前記
オリフィス21で発生するので、ピストンロッド3の伸
長に伴って、オリフィス板20がメータリングピン5の
小径部5Cの位置から上方側の大径部5Aに変位すると
(ピストンロッドが所定長以上になると)、前記オリフ
ィス21の流路面積が小さくなり、該オリフィス21で
発生する減衰力が高くなる。
【0020】よって、ピストンロッド3が所定長以下の
状態で、該ピストンロッド3のストロークが縮小方向か
ら伸長方向に変わったとき、オリフィス21はメータリ
ングピン5の小径部5Cに位置するので、ストローク変
化後には発生する減衰力が低くなり、ピストンロッド3
は伸長方向にストロークし易くなる。
【0021】また、ピストンロッド3が所定長以上の状
態で、ピストンロッド3のストロークが伸長方向から縮
小方向に変わったとき、オリフィス18はメータリング
ピン5の小径部5Cに位置ので、ストローク変化後には
発生する減衰力が低くなり、ピストンロッド3は縮小方
向にストロークし易くなる。
【0022】よって、本第1の実施例における油圧緩衝
器を単振動させたときのオリフィス特性による減衰力特
性を、横軸がストローク位置、縦軸が減衰力としてグラ
フ化すると、図3で示す特性線のようになり、ピストン
ロッド3の縮小時から伸長時、及び、伸長時から縮小時
のようなストローク方向の変化により、高い減衰力から
低い減衰力へと変化する。
【0023】なお、本第1の実施例においては、切り欠
き部19と油路22の2つのバイパス通路を設ける構成
としたが、切り欠き部19のみ、または、油路22のみ
としてバイパス通路が一つの構成としても良い。そこ
で、第1の実施例においてバイパス通路を切り欠き部1
9のみ、すなわち、第1の実施例の油圧緩衝器から油路
22と一方向弁24とを除く構成にした場合の作動につ
いて説明する。
【0024】ピストンロッド3の縮小時にシリンダ1の
油室B内にある油液は、切り欠き部19がチェックバル
ブ17により閉塞されているため、オリフィス18を通
って軸孔12内に流入し、該軸穴12からオリフィス2
1と連通路8とを介して油室Aに流入する。このピスト
ンロッド3の縮小時において、減衰力はオリフィス18
とオリフィス21との双方で発生することとなる。ここ
で、オリフィス18とオリフィス21との流路面積がほ
ぼ同一のときには、オリフィス18とオリフィス21と
の両方で減衰力を発生する。また、オリフィス18の流
路面積とオリフィス21の流路面積とが大きく異なると
きには、流路面積の大きいオリフィスで発生する減衰力
は流路面積の小さいオリフィスで発生する減衰力より無
視できるほど小さくなり、流路面積の小さいオリフィス
のみで発生する減衰力とほぼ同様の減衰力を発生する。
よって、ピストンロッド3の縮小に伴って、前記オリフ
ィス18がメータリングピン5の小径部5Cの位置から
下方側の大径部5Aに変位すると(ピストンロッド3が
所定長以下になると)、前記オリフィス18の流路面積
がオリフィス21の流路面積より小さくなり、オリフィ
ス18で高い減衰力が発生する。
【0025】つぎに、ピストンロッド3の伸長時にシリ
ンダ1の油室Aにある油液は、ロッド9の連通路8とオ
リフィス21とを介して、軸孔12に流入してから、切
欠ディスク16の切り欠き部19を通ってチェックバル
ブ17を押し開けて油室Bに流入する。このピストンロ
ッド3の伸長時において、オリフィス18は切り欠き部
19によりバイパスされるため減衰力が発生せず、減衰
力はオリフィス21で発生する。よって、ピストンロッ
ド3が所定長以下の状態で、ピストンロッド3のストロ
ークが縮小方向から伸長方向に変わったとき、オリフィ
ス21はメータリングピン5の小径部5Cに位置するの
で、ストローク変化後に減衰力が低くなり、ピストンロ
ッド3は伸長方向に変位し易くなる。
【0026】さらに、前記ピストンロッド3が伸長し、
オリフィス21がメータリングピン5の小径部5Cの位
置から上方側の大径部5Aの位置に変位すると(所定長
以上になると)、前記オリフィス21の流路面積が小さ
くなり、該オリフィス21で高い減衰力が発生する。ま
た、ピストンロッド3が所定長以上の状態で、ピストン
ロッド3のストロークが伸長方向から縮小方向に変わっ
たときに、オリフィス18はメータリングピン5の小径
部5Cに位置するが、オリフィス21の流路面積がオリ
フィス18の流路面積よりも小さいので、ストローク変
化後にも前記オリフィス21が小径部5Cに位置するま
で高い減衰力がオリフィス21で発生することになる。
【0027】なお、上記の変形例とは逆に、第1の実施
例においてバイパス通路を油路22のみ、すなわち、第
1の実施例の油圧緩衝器から切り欠き部19とチェック
バルブ17とを除く構成にした場合でも、伸長方向と縮
小方向とで逆の特性となるが、その作動は上記変形例と
同様であるのでその説明は省略する。また、上記実施例
でバイパス通路を切り欠き部19のみとした場合には、
メータリングピン5の上方側の大径部5Aを小径部5C
と同様の小径とすることもでき、逆に上記実施例でバイ
パス通路を油路22のみとした場合には、メータリング
ピン5の下方側の大径部5Aを小径部5Cと同様の小径
とすることもできる。
【0028】次に、本発明における第2の実施例を図4
に示して説明する。なお、本第2の実施例では前述した
図1に示す第1の実施例及び図5に示す従来技術と同一
のものについては同一の符号を付し、その説明を省略す
る。
【0029】図4は第2の実施例における主要部の断面
図であり、25は本第2の実施例における補助ロッドで
ある。該補助ロッド25にはその軸方向に沿って軸孔2
6が設けられており、該軸孔26の上端部には該軸孔2
6よりも大径の段部28が形成されている。前記補助ロ
ッド25下端側外径部には、その軸方向下向きに延びる
小径部27が形成され、該小径部27にはナット14が
螺設されており、該ナット14は前記補助ロッド25に
ピストン2等を締着している。
【0030】該ナット14のカシメ部15には切欠ディ
スク16とチェックバルブ17とがそれぞれの外周をク
ランプされて設けられている。該切欠ディスク16の中
心部には、後述のメータリングピン34との間で、本発
明における第2のオリフィス部を形成するオリフィス1
8が設けられ、外周側には、本発明における油液の流通
が可能な第2のオリフィス部をバイパスするバイパス通
路としての切り欠き部19が形成されている。前記チェ
ックバルブ17は、常時には前記切欠ディスク16の切
り欠き部19を塞ぐように前記切欠ディスク16の上部
に設けられ、該チェックバルブ17は本発明における他
方の油室から一方の油室への流れを許す一方向弁を構成
している。
【0031】前記段部28内の上端側には、環状のオリ
フィス板29の外周側がカシメ固定されており、該オリ
フィス板29の中心部には、後述のメータリングピン3
4との間で、本発明における第1のオリフィス部を形成
するオリフィス30が設けられている。前記オリフィス
板29の下部には、補助ロッド25の径方向に本発明に
おける油液の流通が可能な第1のオリフィス部をバイパ
スするバイパス通路としての油路31が穿設されてい
る。該油路31の段部28側の開口部32には、本発明
における一方の油室から他方の油室への流れを許す一方
向弁として、段付穴11から段部28への油液の流れの
みを許すゴム製の一方向弁33が着設されている。
【0032】前記補助ロッド25の軸孔26内には、メ
ータリングピン34が挿入されており、該メータリング
ピン34は下端側がシリンダ1の底部で固着され(図示
せず)、上端側が前記ロッド9のメータリングピン挿通
孔8内に延びて自由端となっている。該メータリングピ
ン34は、両端に小径部34Aを、中間部に大径部34
Cを有し、前記オリフィス板29のオリフィス30(第
1のオリフィス部)がメータリングピン34の大径部3
4Cに位置するとき(ピストンロッドが所定長以下であ
るとき)に切欠ディスク16のオリフィス18(第2の
オリフィス部)がメータリングピン34の小径部34A
に位置し、かつ、切欠ディスク16のオリフィス18が
メータリングピン34の大径部34Cに位置するとき
(ピストンロッドが所定長以上であるとき)にオリフィ
ス板29のオリフィス30がメータリングピン34の小
径部34Aに位置するような形状となっている。
【0033】第2の実施例における油圧緩衝器は上述し
たような構成を有するものであり、次にその作動につい
て説明する。ピストンロッド3の縮小時にシリンダ1の
油室B内にある油液は、切欠ディスク16の切り欠き部
19を通ってチェックバルブ17を押し開けて軸孔26
に流入してから、補助ロッド25の油路31が一方向弁
33により閉塞されているため、オリフィス30と連通
路8を介して油室Aに流入する。このピストンロッド3
の縮小時において、減衰力がオリフィス30で発生する
ので、ピストンロッド3が縮小に伴って、オリフィス3
0がメータリングピン34の小径部34Aの位置から下
方側の大径部34Cに変位すると(ピストンロッドが所
定長以上になると)、前記オリフィス30の流路面積が
小さくなり、該オリフィス30で発生する減衰力が高く
なる。
【0034】また、ピストンロッド3の伸長時にシリン
ダ1の油室Aにある油液は、ピスロンロッド3の連通路
8を介して、補助ロッド25の油路31を通って一方向
弁33を押し開け、軸孔26内に流入し、切り欠き部1
9がチェックバルブ17により閉塞されているため、オ
リフィス18を通って油室Bに流入する。このピストン
ロッド3の伸長時において、減衰力がオリフィス18に
より発生するので、ピストンロッド3が伸長に伴って、
オリフィス18がメータリングピン34の小径部34A
の位置から上方側の大径部34Cの位置に変位すると
(ピストンロッドが所定長以下になると)、前記オリフ
ィス18の流路面積が小さくなり、該オリフィス18で
発生する減衰力が高くなる。
【0035】よって、ピストンロッド3が所定長以下の
状態で、ピストンロッド3のストロークが縮小方向から
伸長方向に変わったとき、オリフィス18はメータリン
グピン34の小径部34Aに位置するので、ストローク
変化後には減衰力が低くなり、ピストンロッド3は伸長
方向にストロークし易くなる。
【0036】また、ピストンロッド3が所定長以下の状
態で、ピストンロッド3のストロークが縮小方向に変わ
ったとき、オリフィス30はメータリングピン34の小
径部34Aに位置するので、ストローク変化後の減衰力
は低くなり、ピストンロッド3は縮小方向にストローク
し易くなる。
【0037】なお、本第2の実施例において、切り欠き
部19と油路31との2つのバイパス通路を設ける構成
としたが、第1の実施例と同様に、切り欠き部19の
み、または、油路31のみのバイパス通路が一つの構成
としても良い。
【0038】また、本第1及び第2の実施例において、
メータリングピン5、34を大径部と小径部とからなる
二段の形状としたが、これに限らず、大径部、中径部、
小径部等からなる多段形状や、全長においてテーパ形状
となっているもののほか、メータリングピンの形状は軸
方向の異なる位置で異なる断面積となるように形成され
ていればどのようなものでも良い。特に、一方のオリフ
ィスが減衰力を発生する作動域と、他方のオリフィスが
減衰力を発生する作動域とが交差しない場合、例えば、
第1の実施例においては縮小側で減衰力を発生するオリ
フィス18の作動域と、伸長側で減衰力を発生するオリ
フィス21の作動域が交差しない場合に、それぞれの作
動域でのメータリングピンの形状を任意に設定すること
により、ピストンロッド3の伸長時と縮小時とで任意の
オリフィス特性による減衰力特性を持たせることができ
る。
【0039】また、第1及び第2の実施例においてはバ
イパス通路を切り欠き部19、油路22、31により構
成したが、これに限らず、本発明のバイパス通路は一方
向にオリフィスを作用させず、他方向に変位するときに
オリフィスを作用させる構成であれば、どのような構成
としても良い。
【0040】かくして、本第1及び第2の実施例におけ
る油圧緩衝器を車両等に用いれば、ピストンロッド3の
ストローク位置及びその時のストローク方向に応じて発
生減衰力を高くまたは低くすることが可能となるので、
車両姿勢が安定状態から傾いて行こうとするときには、
高い減衰力が発生して車両の傾きを抑え、かつ、傾き状
態から戻ろうとするときには、発生減衰力が低くなり、
速やかに車両姿勢を安定状態に回復させることが可能と
なる。
【0041】
【発明の効果】本請求項1の発明によれば、油圧緩衝器
にピストンロッドの伸長時と縮小時とで同一のストロー
ク位置であっても、伸長側と縮小側とでオリフィス特性
による減衰力特性を異ならせることが可能となる。
【0042】また、本請求項2の発明によれば、ピスト
ンロッドの一方向の変位時のみに減衰力を発生する第1
のオリフィス部と、ピストンロッドの他方向の変位時の
みに減衰力を発生する第2のオリフィス部とにより、油
圧緩衝器に伸長時と縮小時とで任意のオリフィス特性に
よる減衰力特性を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における油圧緩衝器の主
要部の断面図である。
【図2】本発明の第1及び第2の実施例における切欠デ
ィスク16及びチェックバルブ17の上面図である。
【図3】ストローク位置と発生減衰力との関係を示す特
性図である。
【図4】本発明の第2の実施例における油圧緩衝器の主
要部の断面図である。
【図5】従来技術における油圧緩衝器の主要部の断面図
である。
【符号の説明】
1 ・・・シリンダ 2 ・・・ピストン 3 ・・・ピストンロッド 5,34 ・・・メータリングピン 5A,34C ・・・大径部 5B,34B ・・・テーパ部 5C,34A ・・・小径部 7 ・・・メータリングピン挿通孔 8 ・・・連通路 9 ・・・ロッド 10,25 ・・・補助ロッド 11 ・・・段付穴 12 ,26・・・軸孔 13 ,27・・・小径部 14 ・・・ナット 15 ・・・オリフィス板カシメ部 16 ・・・切欠ディスク 17 ・・・チェックバルブ(第1の一方向弁) 18 ・・・オリフィス(第1のオリフィス部) 19 ・・・切り欠き部(第1のバイパス通路) 20,29 ・・・オリフィス板 21 ,30 ・・・オリフィス(第2のオリフィス部) 22,31 ・・・油路(第2のバイパス通路) 23,32 ・・・開口部 24,33 ・・・一方向弁(第2の一方向弁) 28 ・・・段部 A ・・・油室 B ・・・油室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に
    嵌挿され、該シリンダ内を2つの油室に画成するピスト
    ンと、一端側が該ピストンに固着され、他端側が前記シ
    リンダの一方の油室を介してシリンダの一端から突出し
    たピストンロッドと、該ピストンロッド内に軸方向に延
    びて穿設され、一端が前記シリンダの他方の油室に開口
    し他端が閉塞された挿通孔と、前記挿通孔と前記シリン
    ダの一方の油室とを連通する連通路と、一端側が前記シ
    リンダの他端側に支持され、他端側が前記挿通孔内に挿
    入されて、軸方向の異なる位置で異なる断面積を有する
    メータリングピンとからなる油圧緩衝器において、 前記挿通孔の開口部と前記連通路との間に設けられ、前
    記メータリングピンとの間で減衰力を発生する第1のオ
    リフィス部と、前記挿通孔の開口部と前記連通路との間
    に前記第1のオリフィス部から軸方向に離間して設けら
    れ、前記メータリングピンとの間で減衰力を発生する第
    2のオリフィス部と、前記第1のオリフィス部をバイパ
    スして前記第2のオリフィス部と連通するバイパス通路
    と、該バイパス通路に設けられ、前記ピストンロッドが
    一方向に変位するときのみバイパス通路の流れを許す一
    方向弁とからなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 シリンダと、該シリンダ内に摺動可能に
    嵌挿され、該シリンダ内を2つの油室に画成するピスト
    ンと、一端側が該ピストンに固着され、他端側が前記シ
    リンダの一方の油室を介してシリンダの一端から突出し
    たピストンロッドと、該ピストンロッド内に軸方向に延
    びて穿設され、一端が前記シリンダの他方の油室に開口
    し他端が閉塞された挿通孔と、前記挿通孔と前記シリン
    ダの一方の油室とを連通する連通路と、一端側が前記シ
    リンダの他端側に支持され、他端側が前記挿通孔内に挿
    入されて、軸方向の異なる位置で異なる断面積を有する
    メータリングピンとからなる油圧緩衝器において、 前記挿通孔の開口部と前記連通路との間に設けられ、前
    記メータリングピンとの間で減衰力を発生する第1のオ
    リフィス部と、前記挿通孔の前記開口部と前記連通路と
    の間に前記第1のオリフィス部から軸方向に離間して設
    けられ、前記メータリングピンとの間で減衰力を発生す
    る第2のオリフィス部と、前記第1のオリフィス部をバ
    イパスして第2のオリフィス部と連通する第1のバイパ
    ス通路と、前記第2のオリフィス部をバイパスして第1
    のオリフィス部と連通する第2のバイパス通路と、前記
    第1のバイパス通路に設けられ、前記ピストンロッドが
    一方向に変位するときのみ前記第1のバイパス通路の流
    れを許す第1の一方向弁と、前記第2のバイパス通路に
    設けられ、前記ピストンロッドが他方向に変位するとき
    のみ前記第2のバイパス通路の流れを許す第2の一方向
    弁とからなることを特徴とする油圧緩衝器。 【0001】
JP33560792A 1992-11-20 1992-11-20 油圧緩衝器 Pending JPH06159427A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100482144B1 (ko) * 2002-11-28 2005-04-14 현대자동차주식회사 자동차의 쇽업소버
KR101383227B1 (ko) * 2012-07-11 2014-04-09 한국철도기술연구원 철도차량용 요댐퍼 구조

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