JPH06158955A - 可変ガラスを使用した窓 - Google Patents
可変ガラスを使用した窓Info
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- JPH06158955A JPH06158955A JP12534692A JP12534692A JPH06158955A JP H06158955 A JPH06158955 A JP H06158955A JP 12534692 A JP12534692 A JP 12534692A JP 12534692 A JP12534692 A JP 12534692A JP H06158955 A JPH06158955 A JP H06158955A
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- aqueous solution
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Abstract
(57)【要約】
[目的] 可逆的に低温で完全な透明状態の窓を示しか
つ高温で均一に白濁化して十分な不透明状態を維持でき
る窓をえる点にある。 [構成] 2重量%水溶液の粘土が20℃で3CPS以
上の値をもつヒドロキシプロピルセルロースを25重量
%から50重量%未満の濃度で溶解してなる水溶液と少
なくとも一方に熱素子をもつ透明体からなる積層体を白
濁開始温度プラス25℃以下の温度に保持して使用する
ことを特徴とする窓。
つ高温で均一に白濁化して十分な不透明状態を維持でき
る窓をえる点にある。 [構成] 2重量%水溶液の粘土が20℃で3CPS以
上の値をもつヒドロキシプロピルセルロースを25重量
%から50重量%未満の濃度で溶解してなる水溶液と少
なくとも一方に熱素子をもつ透明体からなる積層体を白
濁開始温度プラス25℃以下の温度に保持して使用する
ことを特徴とする窓。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光線の侵入を制御
する快適空間、プライバシーの確保、間仕切り、カバー
等ができる優れた窓に関するものである。
する快適空間、プライバシーの確保、間仕切り、カバー
等ができる優れた窓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽光線の制御やプライバシーの
確保のためにカーテン、ブラインド等が広く利用されて
きた。これらは機械的な方法により可逆的に制御するも
のであり、適度に光線を制御するのに不便である。
確保のためにカーテン、ブラインド等が広く利用されて
きた。これらは機械的な方法により可逆的に制御するも
のであり、適度に光線を制御するのに不便である。
【0003】近年、機械的な方法に代えて機能性材料を
組み込んだ複合ガラスを物理化学的に光線を可逆的に制
御する方法が提案されている。例えば、ホトクロミック
ガラス、エレクトロミックガラス、電界で制御する液晶
ガラス板等がある。ホトクロミックガラスは熱作用によ
り可逆性が悪くなると共に光遮蔽力が弱い、エレクトロ
ミックガラスは、紫外線に弱く光遮蔽力も弱い、また1
平方メートル以上の大面積板をむらなく均一に作成する
ことは困難といわれている。偏光版を使用しない散乱型
の液晶ガラス板は液晶とマトリックスの屈折率差を利用
するため透明状態で本質的に薄く霧がかった状態になり
特に斜め光に対しては不適であり、そのため特に曲面ガ
ラスに不向きである。偏光版を使用した液晶ガラス板は
偏光板のために非常に暗くなり、また偏光版の耐候性に
も問題がある。さらに液晶化合物の毒性も民生用に広く
利用するには問題がある。
組み込んだ複合ガラスを物理化学的に光線を可逆的に制
御する方法が提案されている。例えば、ホトクロミック
ガラス、エレクトロミックガラス、電界で制御する液晶
ガラス板等がある。ホトクロミックガラスは熱作用によ
り可逆性が悪くなると共に光遮蔽力が弱い、エレクトロ
ミックガラスは、紫外線に弱く光遮蔽力も弱い、また1
平方メートル以上の大面積板をむらなく均一に作成する
ことは困難といわれている。偏光版を使用しない散乱型
の液晶ガラス板は液晶とマトリックスの屈折率差を利用
するため透明状態で本質的に薄く霧がかった状態になり
特に斜め光に対しては不適であり、そのため特に曲面ガ
ラスに不向きである。偏光版を使用した液晶ガラス板は
偏光板のために非常に暗くなり、また偏光版の耐候性に
も問題がある。さらに液晶化合物の毒性も民生用に広く
利用するには問題がある。
【0004】そこで本発明者らは、本目的の快適空間の
構築のためにサーモクロミックガラスに注目した。本発
明は、サーモクロミック材料のうち可逆的に低温で完全
な透明状態を示し高温で白濁化して不透明状態をとるヒ
ドロキシプロピルセルロースの水溶液を熱素子を少なく
とも一方にもつ透明体により積層してなる積層体を使用
した窓に関する。
構築のためにサーモクロミックガラスに注目した。本発
明は、サーモクロミック材料のうち可逆的に低温で完全
な透明状態を示し高温で白濁化して不透明状態をとるヒ
ドロキシプロピルセルロースの水溶液を熱素子を少なく
とも一方にもつ透明体により積層してなる積層体を使用
した窓に関する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、可逆的に低温で完全な透明状態の窓を示しかつ高
温で均一に白濁化して十分な不透明状態を維持できる窓
をえる点にある。
点は、可逆的に低温で完全な透明状態の窓を示しかつ高
温で均一に白濁化して十分な不透明状態を維持できる窓
をえる点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決するためになされたものであり、ヒドロキシプロ
ピルセルロースの水溶液を深く追求した結果、ヒドロキ
シプロピルセルロース水溶液と一対の透明体からなる積
層体を使用した窓において、2重量%水溶液の粘土が2
0℃で3CPS以上の値をもつヒドロキシプロピルセル
ロースを25重量%から50重量%未満の濃度で溶解し
てなる水溶液と少なくとも一方に熱素子をもつ透明体か
らなる積層体を白濁開始温度プラス25℃以下の温度に
保持して使用することを特徴とする窓を提供するもので
ある。
を解決するためになされたものであり、ヒドロキシプロ
ピルセルロースの水溶液を深く追求した結果、ヒドロキ
シプロピルセルロース水溶液と一対の透明体からなる積
層体を使用した窓において、2重量%水溶液の粘土が2
0℃で3CPS以上の値をもつヒドロキシプロピルセル
ロースを25重量%から50重量%未満の濃度で溶解し
てなる水溶液と少なくとも一方に熱素子をもつ透明体か
らなる積層体を白濁開始温度プラス25℃以下の温度に
保持して使用することを特徴とする窓を提供するもので
ある。
【0007】本発明は、ヒドロキシプロピルセルロース
の平均重合度(本発明では粘土で規定した)と濃度を特
定した水溶液を透明体にサンドイッチ状態に積層して積
層体とする。この時に少なくとも一方の透明体に熱素子
を設けて加温制御できるようにして窓に使用する。この
熱素子の加温程度によりこの特定した水溶液が完全な透
明状態から白濁半透明状態、白濁不透明状態に可逆的に
可変できる。この結果、電子制御により太陽光線の制御
やプライバシーの確保を可能にする可変ガラスを使用し
た窓となる。この可変ガラスは、温度作用によるヒドロ
キシプロピルセルロース高分子の凝集による光散乱効果
を利用しているため前記したような液晶による欠点なな
く、完全な透明状態、中間の白濁半透明状態、十分な白
濁不透明状態が得られる。さらにヒドロキシプロピルセ
ルロースは、耐候性、耐熱性ともにあり従来不可能であ
った直射日光が直接あたる窓にも使用可能である。加え
るにネマッチク液晶のような毒性は全くなく破損や処理
時の問題もなく広く民生用に利用可能である。
の平均重合度(本発明では粘土で規定した)と濃度を特
定した水溶液を透明体にサンドイッチ状態に積層して積
層体とする。この時に少なくとも一方の透明体に熱素子
を設けて加温制御できるようにして窓に使用する。この
熱素子の加温程度によりこの特定した水溶液が完全な透
明状態から白濁半透明状態、白濁不透明状態に可逆的に
可変できる。この結果、電子制御により太陽光線の制御
やプライバシーの確保を可能にする可変ガラスを使用し
た窓となる。この可変ガラスは、温度作用によるヒドロ
キシプロピルセルロース高分子の凝集による光散乱効果
を利用しているため前記したような液晶による欠点なな
く、完全な透明状態、中間の白濁半透明状態、十分な白
濁不透明状態が得られる。さらにヒドロキシプロピルセ
ルロースは、耐候性、耐熱性ともにあり従来不可能であ
った直射日光が直接あたる窓にも使用可能である。加え
るにネマッチク液晶のような毒性は全くなく破損や処理
時の問題もなく広く民生用に利用可能である。
【0008】この窓としては、通常の建物の窓、自動
車、鉄道車両等の車両、船舶、航空機等の輸送機の窓等
がある。もちろん、この窓は広い意味であり、窓の付い
たドア、間仕切り等をはじめ、全面が透明なガラスド
ア、衝立、壁のようなものも含まれる。加えるに、文字
盤、広告版等の表面をマスクする遮蔽窓のようなものも
含まれる。
車、鉄道車両等の車両、船舶、航空機等の輸送機の窓等
がある。もちろん、この窓は広い意味であり、窓の付い
たドア、間仕切り等をはじめ、全面が透明なガラスド
ア、衝立、壁のようなものも含まれる。加えるに、文字
盤、広告版等の表面をマスクする遮蔽窓のようなものも
含まれる。
【0009】この窓に使用する積層体の基本構造は、少
なくとも一方に熱素子をもつ透明体の間に2重量%水溶
液の粘土が20℃で3CPS以上の値をもつヒドロキシ
プロピルセルロースを25重量%から50重量%未満の
濃度で溶解してなる水溶液を特に限定されるものではな
いが0.01mmから2mm程度の厚さに積層し、外周
をシールしてなる積層体である。またこの水溶液を一対
の透明フィルムの中間にサンドイッチしたフィルム体と
し、このフィルム体を密着剤又は接着剤を介して一対の
透明体の間にはさんでなる積層体でもよい。さらに一枚
の透明フィルムと透明体とでこの水溶液を積層後、密着
剤又は接着剤を介してもう一枚の透明体を積層して積層
体としてもよい。特に、フィルム体のサイズを透明体よ
り小さくすると密着剤又は接着剤がフィルム体の全体を
包み込み水の蒸発を防止するシール剤にもなる。
なくとも一方に熱素子をもつ透明体の間に2重量%水溶
液の粘土が20℃で3CPS以上の値をもつヒドロキシ
プロピルセルロースを25重量%から50重量%未満の
濃度で溶解してなる水溶液を特に限定されるものではな
いが0.01mmから2mm程度の厚さに積層し、外周
をシールしてなる積層体である。またこの水溶液を一対
の透明フィルムの中間にサンドイッチしたフィルム体と
し、このフィルム体を密着剤又は接着剤を介して一対の
透明体の間にはさんでなる積層体でもよい。さらに一枚
の透明フィルムと透明体とでこの水溶液を積層後、密着
剤又は接着剤を介してもう一枚の透明体を積層して積層
体としてもよい。特に、フィルム体のサイズを透明体よ
り小さくすると密着剤又は接着剤がフィルム体の全体を
包み込み水の蒸発を防止するシール剤にもなる。
【0010】本発明に使用する水溶液は、セルロースに
酸化プロピレンを反応させて得られるヒドロキシプロピ
ルセルロースと水からなる。本発明者らは、この水溶液
を鋭意検討して本発明の窓に使用するにはヒドロキシプ
ロピルセルロースの条件とその濃度が非常に重要である
ことを突き止めた。
酸化プロピレンを反応させて得られるヒドロキシプロピ
ルセルロースと水からなる。本発明者らは、この水溶液
を鋭意検討して本発明の窓に使用するにはヒドロキシプ
ロピルセルロースの条件とその濃度が非常に重要である
ことを突き止めた。
【0011】窓に使用するには、透明状態では一枚の透
明板ガラスのように曇りもなく均一に透明な状態を示
し、半透明状態や不透明状態でも均一に白濁散乱して遮
光することが、視覚特性の面から非常に重要である。そ
こで、本発明の窓の主眼は、透明時は一般の透明ガラス
のように完全に透明状態を維持でき、不透明時は一般の
白紙のように均一かつ完全に白濁不透明状態を維持でき
る点にある。このような窓は、従来まだ見られないほぼ
理想に近い電子制御された窓を提供するものである。
明板ガラスのように曇りもなく均一に透明な状態を示
し、半透明状態や不透明状態でも均一に白濁散乱して遮
光することが、視覚特性の面から非常に重要である。そ
こで、本発明の窓の主眼は、透明時は一般の透明ガラス
のように完全に透明状態を維持でき、不透明時は一般の
白紙のように均一かつ完全に白濁不透明状態を維持でき
る点にある。このような窓は、従来まだ見られないほぼ
理想に近い電子制御された窓を提供するものである。
【0012】このような窓を提供するために、水に完全
に溶解するヒドロキシプロピルセルロースの平均重合度
(本発明では粘土で規定した)が非常に重要である。5
0重量%未満の各種濃度でテストした結果、2重量%水
溶液の粘土が20℃で3CPS以上(平均重合度は約1
00以上)の値を持たないと白濁開始温度は高温になり
かつ白濁遮光の程度も小さく、さらに白濁状態で凝集む
らをどうしても伴い安定した均一な白濁不透明状態を維
持できなかった。つぎに濃度に関しては、低温状態でも
50重量%以上のヒドロキシプロピルセルロース水溶液
は密度の粗密により屈折が発生し微小模様の型板ガラス
のようになり透明板ガラスの状態をとれなかった。よっ
て低温で完全に透明状態をとるには50重量%以下であ
り、好ましくは45重量%以下のヒドロキシプロピルセ
ルロース水溶液である。しかしまたこの濃度が低すぎる
と、加温されて高温になると白濁不透明状態を初期的に
はとるが時間がたつにつれて白濁した凝集体が沈降分離
した。その結果、透明な水層と白濁した凝集体層に層分
離が発生し均一かつ完全に白濁不透明状態をした窓を維
持することができなかった。そこで、2重量%水溶液の
粘土が20℃で3CPS以上(平均重合度は約100以
上)の各種ヒドロキシプロピルセルロースの濃度を変え
てテストした結果、25重量%以上が必要であり好まし
くは30重量%以上の濃度において適温のもとに均一か
つ完全に白濁不透明状態を維持できえる窓をえた。その
結果、25重量%以上から50重量%未満の濃度で溶解
してなる2重量%水溶液の粘土が20℃で3CPS以上
(平均重合度は約100以上)のヒドロキシプロピルセ
ルロース水溶液により、透明時は一般の透明ガラスのよ
うに完全に透明状態を維持でき、不透明時は一般の白紙
のように均一かつ完全に白濁不透明状態を維持できる窓
をえた。
に溶解するヒドロキシプロピルセルロースの平均重合度
(本発明では粘土で規定した)が非常に重要である。5
0重量%未満の各種濃度でテストした結果、2重量%水
溶液の粘土が20℃で3CPS以上(平均重合度は約1
00以上)の値を持たないと白濁開始温度は高温になり
かつ白濁遮光の程度も小さく、さらに白濁状態で凝集む
らをどうしても伴い安定した均一な白濁不透明状態を維
持できなかった。つぎに濃度に関しては、低温状態でも
50重量%以上のヒドロキシプロピルセルロース水溶液
は密度の粗密により屈折が発生し微小模様の型板ガラス
のようになり透明板ガラスの状態をとれなかった。よっ
て低温で完全に透明状態をとるには50重量%以下であ
り、好ましくは45重量%以下のヒドロキシプロピルセ
ルロース水溶液である。しかしまたこの濃度が低すぎる
と、加温されて高温になると白濁不透明状態を初期的に
はとるが時間がたつにつれて白濁した凝集体が沈降分離
した。その結果、透明な水層と白濁した凝集体層に層分
離が発生し均一かつ完全に白濁不透明状態をした窓を維
持することができなかった。そこで、2重量%水溶液の
粘土が20℃で3CPS以上(平均重合度は約100以
上)の各種ヒドロキシプロピルセルロースの濃度を変え
てテストした結果、25重量%以上が必要であり好まし
くは30重量%以上の濃度において適温のもとに均一か
つ完全に白濁不透明状態を維持できえる窓をえた。その
結果、25重量%以上から50重量%未満の濃度で溶解
してなる2重量%水溶液の粘土が20℃で3CPS以上
(平均重合度は約100以上)のヒドロキシプロピルセ
ルロース水溶液により、透明時は一般の透明ガラスのよ
うに完全に透明状態を維持でき、不透明時は一般の白紙
のように均一かつ完全に白濁不透明状態を維持できる窓
をえた。
【0013】つぎに、均一かつ完全に白濁不透明状態を
維持させるためには、適温以上の温度に放置しておくと
ヒドロキシプロピルセルロース高分子の凝集が強まり層
分離等のむらが発生し問題となる。そこで本発明者ら
は、各種テストした結果白濁開始温度プラス25℃以
下、好ましくは20℃以下に保持する必要があることを
見出した。この温度は、あくまでも定常的に保持すると
きの温度であり、例えば加温制御のスイッチ切り替えに
おけるオーバーヒート等短時間の過熱は特に問題でな
い。より具体的には、約10℃オーバーで10分間程度
加熱されても特に問題はない。すなわち、加温は環境温
度を考慮してある操作板目盛を選択するようにすればよ
い。なおこの白濁開始温度とは、低温から高温に加温し
ていき400nmから700nmの透過可視光線が10
%カットされた温度と定義する。また白濁状態(高温)
から透明状態(低温)にもどるときは、ヒステリシス特
性をとり白濁開始温度より低い温度で透明な状態にもど
った。
維持させるためには、適温以上の温度に放置しておくと
ヒドロキシプロピルセルロース高分子の凝集が強まり層
分離等のむらが発生し問題となる。そこで本発明者ら
は、各種テストした結果白濁開始温度プラス25℃以
下、好ましくは20℃以下に保持する必要があることを
見出した。この温度は、あくまでも定常的に保持すると
きの温度であり、例えば加温制御のスイッチ切り替えに
おけるオーバーヒート等短時間の過熱は特に問題でな
い。より具体的には、約10℃オーバーで10分間程度
加熱されても特に問題はない。すなわち、加温は環境温
度を考慮してある操作板目盛を選択するようにすればよ
い。なおこの白濁開始温度とは、低温から高温に加温し
ていき400nmから700nmの透過可視光線が10
%カットされた温度と定義する。また白濁状態(高温)
から透明状態(低温)にもどるときは、ヒステリシス特
性をとり白濁開始温度より低い温度で透明な状態にもど
った。
【0014】さらに、透明導電膜等の熱素子により加温
制御するにあたり環境温度依存による過熱状態になるの
を積極的に防止するためには、この積層体に温度センサ
ーを付加してその温度を白濁開始温度プラス25℃以下
に保持すればよい。温度センサーは、接触型(例えば、
熱電対、PTC等)、非接触型(例えば、非接触温度計
等)どちらでもよく、またその数、場所は特に限定され
ることなくセットでる。この調節方式には、リレー用の
オンオフパルス式、サイリスター用の電流出力式、ソリ
ッドステイトリレー用のSSR駆動パルス式等がある。
なお制御系自身は、本発明の主体でないので詳細は省略
する。また説明するまでもなく白濁開始温度とその温度
プラス25℃の範囲内に温度を保持することにより遮光
程度がいろいろ異なる均一な半白濁状態をとれる。
制御するにあたり環境温度依存による過熱状態になるの
を積極的に防止するためには、この積層体に温度センサ
ーを付加してその温度を白濁開始温度プラス25℃以下
に保持すればよい。温度センサーは、接触型(例えば、
熱電対、PTC等)、非接触型(例えば、非接触温度計
等)どちらでもよく、またその数、場所は特に限定され
ることなくセットでる。この調節方式には、リレー用の
オンオフパルス式、サイリスター用の電流出力式、ソリ
ッドステイトリレー用のSSR駆動パルス式等がある。
なお制御系自身は、本発明の主体でないので詳細は省略
する。また説明するまでもなく白濁開始温度とその温度
プラス25℃の範囲内に温度を保持することにより遮光
程度がいろいろ異なる均一な半白濁状態をとれる。
【0015】さらに、この白濁開始温度をシフトさせる
には、電解質(例えば、塩化ナトリュウム、酢酸ナトリ
ュウム、塩化アンモニュウム等)を0.1重量%から5
重量%添加する方法、水溶性ポリアルキレングリコール
を0.1重量%から10重量%添加する方法、この両者
を共に添加する方法、100℃以上の沸点をもつ水溶性
溶媒(例えば、プロピレングリコール、エチレングリコ
ール、グリセリン等)を0.1重量%から10重量%添
加する方法がある。水溶性ポリアルキレングリコールの
例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレ
ン)グリコール、さらにプロピレンオキサイドまたは、
プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの誘導体
(例えば、三洋化成の商品名ニューポール、PP、G
P、TP、GL、GEP、SP、TL、50HB、75
H等)などがある。この温度シフト域は、添加量に依存
して大きくなり、とくに電解質の添加により20、30
℃も白濁開始温度を低くでき、室温域で白濁状態をとれ
ることになる。また高温域にシフトさせるには、水溶性
溶媒を添加すればよい。水溶性ポリアルキレングリコー
ルは、狭い範囲のシフトに有効である。
には、電解質(例えば、塩化ナトリュウム、酢酸ナトリ
ュウム、塩化アンモニュウム等)を0.1重量%から5
重量%添加する方法、水溶性ポリアルキレングリコール
を0.1重量%から10重量%添加する方法、この両者
を共に添加する方法、100℃以上の沸点をもつ水溶性
溶媒(例えば、プロピレングリコール、エチレングリコ
ール、グリセリン等)を0.1重量%から10重量%添
加する方法がある。水溶性ポリアルキレングリコールの
例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレ
ン)グリコール、さらにプロピレンオキサイドまたは、
プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの誘導体
(例えば、三洋化成の商品名ニューポール、PP、G
P、TP、GL、GEP、SP、TL、50HB、75
H等)などがある。この温度シフト域は、添加量に依存
して大きくなり、とくに電解質の添加により20、30
℃も白濁開始温度を低くでき、室温域で白濁状態をとれ
ることになる。また高温域にシフトさせるには、水溶性
溶媒を添加すればよい。水溶性ポリアルキレングリコー
ルは、狭い範囲のシフトに有効である。
【0016】この透明体としては、ガラス、プラスチッ
ク等があり、熱線反射、熱線吸収等の処理されていた
り、強化処理されていたりしてもよい。熱素子には、透
明導電膜(酸化スズ膜、ITO膜等)や発熱ペースト、
発熱ワイヤー等を当間隔に配置してもよい。また、当然
この熱素子をパターン化して、この白濁変化を画像化さ
せてもよい。
ク等があり、熱線反射、熱線吸収等の処理されていた
り、強化処理されていたりしてもよい。熱素子には、透
明導電膜(酸化スズ膜、ITO膜等)や発熱ペースト、
発熱ワイヤー等を当間隔に配置してもよい。また、当然
この熱素子をパターン化して、この白濁変化を画像化さ
せてもよい。
【0017】
【作用】ヒドロキシプロピルセルロース水溶液が加温さ
れてある温度以上になるとヒドロキシプロピルセルロー
スの凝集が起り可視光線が散乱されて白濁状態になる。
完全な透明状態と白濁状態を維持するためには、分子量
と濃度依存性がある。また、温度が高過ぎると層分離を
引きおこし均一な白濁状態を維持できなくなる。
れてある温度以上になるとヒドロキシプロピルセルロー
スの凝集が起り可視光線が散乱されて白濁状態になる。
完全な透明状態と白濁状態を維持するためには、分子量
と濃度依存性がある。また、温度が高過ぎると層分離を
引きおこし均一な白濁状態を維持できなくなる。
【0018】
実施例1 ヒドロキシプロピルセルロース(平均重合度が175、
2%水溶液の20℃における粘度が8.5cps、ヒド
ロキシプロピル基が62.4%)50重量部に水80重
量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解して水溶液とし
た。この水溶液を20cm角の3mm厚板ガラスと酸化
スズ膜の透明発熱体をコートした20cm×22cm角
の3mm厚板ガラスの間に0.3mm厚で積層シールし
た。室温で完全に透明なこの積層体を両端部から通電し
て徐々に温度をあげていくと、48℃で白濁開始温度と
なり52℃を超えると遮光性が急に強まり57℃では反
対側の景色は視認できず、電子カーテンとなった。この
温度で垂直状態で一昼夜放置したが特に変化なく均一な
白濁状態を示した。また、白濁状態から透明状態にもど
るときは、ヒステリシス特性をとり44℃で透明な状態
にもどった。
2%水溶液の20℃における粘度が8.5cps、ヒド
ロキシプロピル基が62.4%)50重量部に水80重
量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解して水溶液とし
た。この水溶液を20cm角の3mm厚板ガラスと酸化
スズ膜の透明発熱体をコートした20cm×22cm角
の3mm厚板ガラスの間に0.3mm厚で積層シールし
た。室温で完全に透明なこの積層体を両端部から通電し
て徐々に温度をあげていくと、48℃で白濁開始温度と
なり52℃を超えると遮光性が急に強まり57℃では反
対側の景色は視認できず、電子カーテンとなった。この
温度で垂直状態で一昼夜放置したが特に変化なく均一な
白濁状態を示した。また、白濁状態から透明状態にもど
るときは、ヒステリシス特性をとり44℃で透明な状態
にもどった。
【0019】実施例2 ヒドロキシプロピルセルロース(平均重合度が143、
2%水溶液の20℃における粘度が5.4cps、ヒド
ロキシプロピル基が62.6%)50重量部に水80重
量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解して水溶液とし
た。この水溶液を実施例1と同様に積層体としテストし
たところ、ほとんど同様な結果をえた。
2%水溶液の20℃における粘度が5.4cps、ヒド
ロキシプロピル基が62.6%)50重量部に水80重
量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解して水溶液とし
た。この水溶液を実施例1と同様に積層体としテストし
たところ、ほとんど同様な結果をえた。
【0020】実施例3 ヒドロキシプロピルセルロース(平均重合度が413、
2%水溶液の20℃における粘度が348cps、ヒド
ロキシプロピル基が62.7%)フィルム50重量部に
水80重量部を加えて積層体とし、放置して均一に溶解
後、実施例1と同様にテストしたところ、ほとんど同様
な結果をえた。
2%水溶液の20℃における粘度が348cps、ヒド
ロキシプロピル基が62.7%)フィルム50重量部に
水80重量部を加えて積層体とし、放置して均一に溶解
後、実施例1と同様にテストしたところ、ほとんど同様
な結果をえた。
【0021】実施例4 ヒドロキシプロピルセルロース(平均重合度が842、
2%水溶液の20℃における粘度が2390cps、ヒ
ドロキシプロピル基が62.2%)フィルム50重量部
に水80重量部を加えて積層体とし、放置して均一に溶
解後、実施例1と同様にテストしたところ、ほとんど同
様な結果をえた。
2%水溶液の20℃における粘度が2390cps、ヒ
ドロキシプロピル基が62.2%)フィルム50重量部
に水80重量部を加えて積層体とし、放置して均一に溶
解後、実施例1と同様にテストしたところ、ほとんど同
様な結果をえた。
【0022】実施例5 比較例として、ヒドロキシプロピルセルロース(平均重
合度が75、2%水溶液の20℃における粘度が2.5
cps、ヒドロキシプロピル基が62.0%)50重量
部に水80重量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解し
て水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様に積層体
としテストしたところ、白濁程度が弱くさらにむろの発
生が有り本目的には不十分であった。
合度が75、2%水溶液の20℃における粘度が2.5
cps、ヒドロキシプロピル基が62.0%)50重量
部に水80重量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解し
て水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様に積層体
としテストしたところ、白濁程度が弱くさらにむろの発
生が有り本目的には不十分であった。
【0023】実施例6 比較例として、ヒドロキシプロピルセルロース(平均重
合度が175、2%水溶液の20℃における粘度が8.
5cps、ヒドロキシプロピル基が62.4%)50重
量部に水50重量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解
して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様に積層
体としテストしたところ、室温の透明状態で白濁とは異
なる密度の粗密により透視視認が著しく悪く本目的には
不十分であった。
合度が175、2%水溶液の20℃における粘度が8.
5cps、ヒドロキシプロピル基が62.4%)50重
量部に水50重量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解
して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様に積層
体としテストしたところ、室温の透明状態で白濁とは異
なる密度の粗密により透視視認が著しく悪く本目的には
不十分であった。
【0024】実施例7 比較例として、ヒドロキシプロピルセルロース(平均重
合度が175、2%水溶液の20℃における粘度が8.
5cps、ヒドロキシプロピル基が62.4%)50重
量部に水200重量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶
解して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様に積
層体としテストしたところ、57℃の一昼夜放置テスト
で層分離をおこし不均一状態になり本目的には不十分で
あった。
合度が175、2%水溶液の20℃における粘度が8.
5cps、ヒドロキシプロピル基が62.4%)50重
量部に水200重量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶
解して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様に積
層体としテストしたところ、57℃の一昼夜放置テスト
で層分離をおこし不均一状態になり本目的には不十分で
あった。
【0025】実施例8 比較例として、実施例1と同様な積層体を75℃の一昼
夜放置テストで層分離をおこし不均一状態になり本目的
には不十分であった。
夜放置テストで層分離をおこし不均一状態になり本目的
には不十分であった。
【0026】実施例9 検知温度60℃のPTCセンサー(例えば、PTH59
F形等)を実施例1と同じ積層体に密着固定してスイッ
チ回路に信号を送り温度制御した。0℃と35℃の環境
のもと、垂直状態で一昼夜放置したが特に変化なく均一
な白濁状態を示した。
F形等)を実施例1と同じ積層体に密着固定してスイッ
チ回路に信号を送り温度制御した。0℃と35℃の環境
のもと、垂直状態で一昼夜放置したが特に変化なく均一
な白濁状態を示した。
【0027】実施例10 ヒドロキシプロピルセルロース(平均重合度が175、
2%水溶液の20℃における粘度が8.5cps、ヒド
ロキシプロピル基が62.4%)50重量部に2%塩化
ナトリウム水溶液40重量部と3%75H(三洋化成の
ニューポール)水溶液40重量部を加え十分に攪拌混合
し均一に溶解して水溶液とした。この水溶液を実施例1
と同様に積層体とした。この積層体を徐々に加温したと
ころ、37℃で白濁開始温度となり46℃で反対側の景
色は視認できず、電子カーテンとなった。この温度で一
昼夜放置したが特に変化なく均一な白濁状態を示した。
また、放冷過程ではヒステリシス特性をとり34℃で透
明な状態にもどった。
2%水溶液の20℃における粘度が8.5cps、ヒド
ロキシプロピル基が62.4%)50重量部に2%塩化
ナトリウム水溶液40重量部と3%75H(三洋化成の
ニューポール)水溶液40重量部を加え十分に攪拌混合
し均一に溶解して水溶液とした。この水溶液を実施例1
と同様に積層体とした。この積層体を徐々に加温したと
ころ、37℃で白濁開始温度となり46℃で反対側の景
色は視認できず、電子カーテンとなった。この温度で一
昼夜放置したが特に変化なく均一な白濁状態を示した。
また、放冷過程ではヒステリシス特性をとり34℃で透
明な状態にもどった。
【0028】
【発明の効果】本発明の効果は、透明時は一般の透明ガ
ラスのように完全に透明状態を維持でき、不透明時は一
般の白紙のように均一かつ完全に白濁不透明状態を維持
できる点にある。このような窓は、従来まだ見られない
ほぼ理想に近い電子制御された窓を提供するものであ
る。
ラスのように完全に透明状態を維持でき、不透明時は一
般の白紙のように均一かつ完全に白濁不透明状態を維持
できる点にある。このような窓は、従来まだ見られない
ほぼ理想に近い電子制御された窓を提供するものであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ヒドロキシプロピルセルロース水溶液と
透明体からなる積層体を使用した窓において、2重量%
水溶液の粘土が20℃で3CPS以上の値をもつヒドロ
キシプロピルセルロースを25重量%から50重量%未
満の濃度で溶解してなる水溶液と少なくとも一方に熱素
子をもつ透明体からなる積層体を白濁開始温度プラス2
5℃以下の温度に保持して使用することを特徴とする
窓。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12534692A JPH06158955A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 可変ガラスを使用した窓 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12534692A JPH06158955A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 可変ガラスを使用した窓 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06158955A true JPH06158955A (ja) | 1994-06-07 |
Family
ID=14907846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12534692A Pending JPH06158955A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 可変ガラスを使用した窓 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06158955A (ja) |
-
1992
- 1992-04-20 JP JP12534692A patent/JPH06158955A/ja active Pending
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