JPH06158192A - 精製マグネシウム材とその製法 - Google Patents

精製マグネシウム材とその製法

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JPH06158192A
JPH06158192A JP22561793A JP22561793A JPH06158192A JP H06158192 A JPH06158192 A JP H06158192A JP 22561793 A JP22561793 A JP 22561793A JP 22561793 A JP22561793 A JP 22561793A JP H06158192 A JPH06158192 A JP H06158192A
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melt
magnesium
dross
porosity
gas
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JP22561793A
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Tadayoshi Nakamura
忠義 中村
Kazumi Tanaka
和美 田中
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Daihatsu Motor Co Ltd
Nippon Kinzoku Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Nippon Kinzoku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃化した実質的にポロシティのない精製マ
グネシウム材及びその方法を提供すること。 【構成】 本発明はマグネシウム材の精製方法と精製マ
グネシウム材であって、マグネシウム融体はアルカリ土
類金属の添加により難燃化され、縦渦流によりドロス形
成雰囲気に接触させて薄膜状ドロスを融体表面に形成す
る。この薄膜状ドロスは、上記縦渦流により浮上してき
た不純物を包み込むように凝着させる。このドロスをる
つぼの片隅に集積し、不純物の再拡散を防止する。上記
融体に対し縦渦流を形成し続けることにより、マグネシ
ウム融体の清浄度が向上し、精製されることになる。
又、該融体を冷却、凝固すると、アルカリ土類金属添加
に特有なポロシティーが著しく低減出来た鋳造用インゴ
ットが供給出来、更に該インゴットを溶解し鋳造品を鋳
造した場合にも、品質良好な製品をうることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、輸送機械や家電製品な
どの部品や各種ケース類などに使用される精製マグネシ
ウム材とその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のオイルパンやミッションケースな
どのケース類にはアルミニウム合金が多く使用されてい
るが、アルミニウム合金より更に比重の小さいマグネシ
ウム又はマグネシウム合金はより軽量化が可能であるこ
とから注目されている。マグネシウムやマグネシウム合
金に強化材などの異種材料を添加した複合マグネシウム
材も検討されている。本発明はマグネシウム、各種マグ
ネシウム合金及び複合マグネシウム材をすべて対象と
し、以下総称してマグネシウム材と称する。
【0003】一般にマグネシウム材の融体は空気に触れ
ると燃焼しやすいため、アルミニウム材溶湯に比べ、取
り扱いに大きな制約がある。 (1)ダイキャストやスクイズキャストではSF6又は
SF6とCO2の混合ガスなどでシールし、またグラビテ
ィ鋳造では硫黄を主成分とする防燃フラックスでシール
する必要がある。しかし、SF6などのシールガスは高価
であるので製造コストが高くなる問題があり、グラビテ
ィ鋳造では硫黄粉末に起因するSO2ガスが発生し、作
業環境を劣悪なものとする問題がある。 (2)返り材(リターン材)は融体の燃焼防止のために再
度精錬が必要である。一般にはフラックス剤で再生精錬
が行なわれるので、コスト高となるとともに、耐食性が
低下する問題もある。 (3)鋳造に関してもアルミニウム材の設備や工法をそ
のまま適用できない。例えば、ホットチャンバー方式では
専用ダイキャストマシンが必要であり、また、コールド
チャンバー方式では防災上作業者による監視が必要であ
り、自動化が極めて困難である。また、ロストフォームな
どの適用も難しい。 これらはすべてマグネシウム融体が燃焼し易いというマ
グネシウム材固有の特性に起因しており、安全性の確保
の難しさやコストアップの要因となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者の一
部である中村忠義らは、マグネシウム材にカルシウムな
どのアルカリ土類金属を添加して融体に難燃性をもたせ
ること、及び難燃性の目的で添加したアルカリ土類金属
によって低下する耐食性を回復させるためにさらに亜鉛
などの防錆向上性金属を添加することを提案している
(特願平4−54394号)。
【0005】しかし、アルカリ土類金属を添加し融体を
難然化しても、難然性の程度が充分でなく、発火燃焼点
が発生し、その発火燃焼点が自己消火する場合もある
が、時には、燃焼拡大し防燃用SF6ガスを導入し、鎮
火ないし消火させる必要があった。また、難燃化の目的
でアルカリ土類金属を添加した融体を冷却凝固した場
合、ポロシティ(ここでは、鋳造品の切断面に最大長約2
mm以下の点状としてあらわれ、凹状を呈した異常点群
を指す)の生成を伴い、しかもこのポロシティの除去が困
難であるという問題点がある。
【0006】そこで、本発明の第1の目的は、かかる不
十分な難燃性の程度を、より向上させ、安全にして取り
扱いの容易なマグネシウム材融体を得るための精製方
法、即ち、発火燃焼点発生の抑制方法を提供することで
ある。更に、本発明の第2の目的はアルカリ土類金属を
添加して難燃化した融体を冷却凝固した場合に発生しや
すいポロシティを極度に抑制したマグネシウム材を提供
することである。
【0007】現在、マグネシウム材の精錬方法として特
開平3−291350号が提案されている。ここではア
ルミニウムの精錬方法と同様にバブリングを行うことに
より気泡に不純物を付着させて融体表面に浮遊させる方
法を採用しており、融体表面の不純物を融体内部に巻き
込ませないためにバブリングの気泡が融体表面をできる
だけ乱さないように静かに満遍なく放出される。また、
同様の理由から融体内部に対流が生じないように下方向
きの流れより浮上する気泡のスピードを早くし、しかも
融体表面での酸化が余り起きないように工夫している。
しかしながら、この方法では融体表面を乱さないように
することは難しいことではないにしても、気泡速度を早
めて対流を生じさせないようにすること、あるいは融体
表面の酸化が起こらないようにするという制約条件を実
現することは現実的には中々難しく、敢えてかかる制約
条件を満足させようとすれば、厄介であるだけでなく、
精製能率を低下させる原因となる。
【0008】また、不純物の除去技術としてリターン材
の再生精錬(2次精練)がある。これらはダウケミカル
製の溶解用フラックス例えば#230や精練用フラック
ス#310など塩化カリウムや塩化マグネシウムを主成
分とするフラックスを用いて精製するものである。しか
しながら、溶解用フラックスは燃焼防止のために添加す
るもので、融体全表面をおおうように添加されており、
融体中にフラックスの一部が残留し、機械的特性や防錆
性の低下が見られる。いずれにしろ、上記従来の精製技
術では発火燃焼点の発生抑制や凝固合金中のポロシティ
の抑制は不可能である。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意研究の結果、特開平3−291350号とは全く相異
して、全面がドロスでおおわれている融体に、縦渦流を
与えると融体表面が露出し、該融体表面を雰囲気ガスに
積極的に接触させることにより、融体表面にドロス薄膜
が形成されると共に該薄膜状ドロスが、発火燃焼原因物
質等(以下不純物と表現する)を包み込むように不純物
が凝着し、凝着した状態で融体の縦渦流により、るつぼ
の片隅に集積され、不純物が再拡散しないことと、この
縦渦流を継続すると、融体の露出、薄膜ドロスの形成、
不純物の包み込み、薄膜ドロスのるつぼ片隅への集積、
不純物の再拡散防止がくりかえされ、融体の精製、清浄
化が簡単に効率より実施されること、および該融体を冷
却凝固すると、ポロシティが著しく低減されているとい
う新たな事実を見出した。更に、アルカリ土類金属を添
加すると、外力を受けていない融体の粘性は高く、外力
を受けるとアルカリ土類を添加していないマグネシウム
材融体とほぼ同じ粘性を示すことを新たに見出し、その
結果、縦渦流が起こるように外力を加えることにより、
低粘度化し不純物の浮上が容易となり、本法が効果的に
作用することを見出した。
【0010】本発明はかかる着眼点に基づいて完成した
もので、マグネシウムもしくはマグネシウム合金にカル
シウム、バリウムまたはストロンチウムから選ばれる少
なくとも1種のアルカリ土類金属を添加してマグネシウ
ム材の融体を難燃化し、該融体が縦渦流となるように撹
拌し、該融体表面を大気または他のドロス形成雰囲気に
積極的に接触させてドロス薄膜を形成させる一方、上記
融体とともに上昇する不純物を融体表面に形成されるド
ロス薄膜に凝着させ、再拡散しないように集積させるこ
とを特徴とするマグネシウム材の精製方法である。
【0011】これにより、アルカリ土類金属を単に添加
して融体を難燃化させただけでは、これを実際に鋳造す
ると、原因は不明だが融体表面に散在的(例えば約50
00cm2の融体面に1〜3個所)に発火する点が生じ
るに対し、精製した融体は鋳造時にかかる発火点の抑制
が可能で、より安全となり、アルミニウム合金と同様な
鋳造の自動化も容易となる。また、驚くべきことに、精
製を行わないマグネシウム材は0.5mm以上のポロシ
ティに限っても、断面積当たり平均20個/40cm2
であるのに対し、かかる精製により実質的にポロシティ
のないインゴットを得ることができる。通常、最大長さ
で0.5mm以上のポロシティが、多くても、断面積当
たり平均で5個/40cm2以下であり、更に0.5m
m以下のポロシティについても市販合金インゴットと同
等レベルのマグネシウム材の凝固合金の提供ができる。
例えば市販合金AZ91のポロシティを調べた結果、
0.5mm以上のポロシティは多い場合で10個/40
cm2、0.5mm以下のポロシティは多い場合で50
〜100個/40cm2である。本法でも0.5mm以
下のポロシティは多くて、100個/40cm2であ
る。
【0012】特に、0.5mm以上のポロシティは、そ
れ以下のポロシティに比して鋳造品を得た場合に、ポロ
シティによる機械的特性やシール性に影響が大きい。こ
のように大きなポロシティは後に述べるように、条件を
最適に設定すれば市販合金インゴットと同様なレベルの
ポロシティ含有率となりうる。なお、大きな、例えば
0.5mm以上のポロシティの存否は湿式切断機、例え
ば湿式精密切断機、或は、湿式ベルダー、湿式回転研磨
機等によりカット面或は研磨面に斑点状として、肉眼で
見出すことが出来る。又、0.5mm以下のポロシティ
はアルミニウム合金鋳造品や鋳物のワレを調べる方法と
して、汎用化されているカラーチェックにより、存在数
をカウントすることが出来る。
【0013】本発明において、アルカリ土類金属の添加
量は多い方が難燃性が大きくなるが、耐食性が低下する
ので、それを回復させるための防錆向上性金属も添加す
るのがよい。添加するアルカリ土類金属はCa、Ba又
はSrであるが、入手のしやすさからCaが最も望まし
い。アルカリ土類金属の含有量は、防食性の要求がそれ
ほど強くない用途で、単に融体の難燃性を期待する場合
には、全体の0.1重量%以上5重量%以下、好ましく
は0.4重量%以上3重量%以下である。耐食性の要求
の強い用途の場合、融体の難燃性を達成するためのアル
カリ土類金属とともに防錆向上性金属も添加する。防錆
向上性金属を添加すればアルカリ土類金属の含有率が上
昇しても耐食性低下の影響が少なくなる。この場合には
アルカリ土類金属は0.1重量%以上10重量%以下、
好ましくは8重量%以下、特に好ましくは5重量%以下
である。10重量%以上を添加する必要はない。コスト
や元のマグネシウムやマグネシウム合金から特性をでき
るだけ変化させないためにもアルカリ土類金属の添加量
は少ない方が望ましい。
【0014】上記防錆向上性金属としては、Zn、C
d、Pb、Sn、Si、Mn、及びZrを選定できる。
これらの金属の1種又は2種以上をアルカリ土類金属と
ともにマグネシウム又はマグネシウム合金に添加する。
このうち、コスト的に安く、取り扱いの容易なZnが最
も望ましい。防錆力向上性元素の添加量は用いる元素に
より差があるとともに、用いるマグネシウム又はマグネ
シウム合金の腐食促進元素の含有率によっても差がある
ので一概に決定することはできないが、防錆力向上性元
素の含有率は全体のほぼ10重量%以下、好ましくは8
重量%以下である。防錆力向上性元素を添加し過ぎると
逆に耐食性が低下する場合もあり、また元のマグネシウ
ム又はマグネシウム合金の特性と大幅に差を生じること
を避ける意味でも10重量%以下が望ましい。防錆力向
上性元素の添加量は、例えば塩水噴霧テストの結果によ
り適宜決定することができる。
【0015】本発明方法における撹拌方法は、融体に対
して剪断力を与えて不純物の浮上に必要な粘度低下を実
現し、融体表面にドロスが順次形成されるように融体表
面の少なくとも1部が大気と接触する縦渦流を形成する
ように撹拌する必要がある。融体の粘性はアルカリ土類
金属を添加し、外力がはたらいていない静的な状体では
高くなる。これに対し、外力を加えると粘性が低下する
が、到達粘度はアルカリ土類金属を添加しない、即ちベ
ース合金の融体と同じかそれよりややアップした程度
で、静的な場合に比べ格段の粘度低下がみとめられる。
【0016】撹拌手段として、大別して希ガスの吹込み
による方法と機械的に融体を圧送循環するなどの方法が
ある。いずれの方法も縦渦流がおこるようにすればよ
い。仮に横渦流となるようならば融体の流れに一定の角
度で邪魔板を設け上昇対流が起こるようにすればよい。
【0017】上記バブリング法において使用する希ガス
はヘリウム、ネオン、アルゴン又はキセノンである。希
ガスは市販の工業的純度のものを使用すればよい。希ガ
スを単独で吹き込んでもよく、混合ガスとして吹き込ん
でもよい。希ガスは、マグネシウム材を溶解し、それに
添加剤を添加した後、その融体を保持しているときや、
難燃性マグネシウム材のインゴットを溶解したときや、
融体にインゴットやリターン材、および切粉などをを投
入して融体量を増やした場合に吹き込む。希ガスを融体
に吹き込むには、加圧ガスを細孔から気泡として吹き込
めばよい。希ガスを融体に吹き出させるには、図1のよ
うなT字形をしたパイプの水平バー部分に直径2〜3m
mの孔を5mm程度の間隔で長さ方向の列状に3〜5列
設けれた器具を用いたり、又はアルミニウム合金の融体
の脱ガスと酸化物除去に用いられている回転ディスク
(例えば昭和アルミニウム株式会社製のGBFや神戸製
鋼株式会社製のバブクリーンなど)を用いて吹き出させ
ればよい。ガス圧の調節には特別な設備を設ける必要は
なく、通常のガスボンベを用い、0.5〜4kg/cm2
に圧力を低下させて吹き出させればよい。希ガスの流量
はバブリングする融体量によっても変わり得るが、融体
の発火燃焼点の発生の有無や凝固合金のポロシティの量
や大きさで決定すればよい。概略的には融体100〜3
00リットル当たり10〜30リットル/分で、ほぼ良
好な結果が得られる。これより少ないと、タテ渦流を形
成する撹拌が弱く、所望の結果が得られにくい。又、こ
れより多いと融体が突沸状となり危険であると共に稀ガ
スやドロス形成による融体のロスが大きい。尚、稀ガス
吹込み中は橙赤色のガス体が融体面より少し上の位置で
燃焼し続けるが、これが融体の引火源となることはな
い。吹き込み時間はガス流量や溶解炉の大きさにより変
化するが、2〜40分程度、好ましくは4〜20分であ
る。融体のある間中、常に希ガスを吹き込む必要はな
く、このように限られた時間だけ吹き込んでも、その後
の融体にも効果が持続する。希ガスを吹き込む位置は融
体の底部に近い方がよく、またその場所は固定せずに移
動させた方が効果的である。
【0018】機械的に渦流を生じさせる方法としては、
マグネシウム材を鋳造する際に、現在用いられている電
磁給湯ポンプや羽根式給湯ポンプを用いて、縦渦流が生
じるように、くみ出した溶湯を融体面に垂直に融体中に
給湯すればよい。又、主として横渦流を起こさせる撹拌
機を用いた場合縦渦流が起こるように邪魔板を設置すれ
ば良い。かかる機械的方式を稼働させるタイミングや効
果の永続性は希ガス吹込みの場合と同じである。設備的
には希ガス吹込みの方が、機械式よりもメンテナンスや
費用から見ても、より簡便に使用出来る。
【0019】また、縦渦流により融体が露出している割
合はるつぼ全表面積の3/4程度を目安に、縦対流が生
じるように、希ガス吹込み強さや、機械式給湯量を設定
すればよい。いずれにしろ、るつぼの形状、大きさ、添
加したアルカリ土類金属の量などから発火燃焼点の生成
数頻度、凝固合金中のポロシティの量などから最適な方
法と条件を見出せばよく、かかる作業は容易である。
【0020】難燃性のマグネシウム又はマグネシウム合
金の融体を形成するには、例えば必要量のCa、又はC
aとZnなどの防錆向上性金属を添加した後、直ちに、
又はしばらく放置して添加物が溶解してから撹拌棒で撹
拌し、均一に溶解させることが望ましい。撹拌時間は坩
堝の大きさと撹拌能力によって異なるが、5〜60分で
ほぼ均一に溶解する。添加物が均一に溶解するまでは、
SF6、CO2、N2、Arガスなどの不燃性ガスシール
することが望ましい。均一に溶解する撹拌後期にはこの
ようなガスでシールしなくても、すなわち大気に開放し
て撹拌しても融体は市販合金融体に比べ、工業的に十分
とはいえないまでも、発火燃焼は著しく抑制されている
ので、大火災につながることはない。
【0021】マグネシウム融体形成後の雰囲気ガスとし
ては、融体と接触してドロスを形成することができるも
のであればよく、溶解工程で用いたSF6ガス、CO2
スなどの不燃性ガスをそのまま使用してもよいが大気中
に開放されていてもよい。雰囲気ガスは対流する融体と
接触して硫化物、硫酸塩、フッ化物、炭酸塩、酸化物な
どの薄膜ドロスを形成し、融体表面の片隅に押し寄せら
れ、集積する。雰囲気ガスは露出したマグネシウム融体
と反応し、ドロスを形成する結果、生成ドロス膜が厚く
なるような雰囲気ガス濃度では、融体のロスが大きくな
るので好ましくない。したがって、発火燃焼点の発火状
況やポロシティの量、融体のロス量から極力薄膜状ドロ
スが形成されるようにガスの種類や濃度を実験的に設定
することができる。雰囲気ガスとしては大気がコスト的
にも安く、薄膜状ドロスの形成に適切である。この場
合、5000cm2のるつぼ表面に対し大気開放できる
面積は約1000〜1500cm2が適当である。
【0022】なお、本発明において対象とするマグネシ
ウム又はマグネシウム合金は腐食促進元素である鉄、ニ
ッケル、銅の含有量のできるだけ低いものが好ましく、
例えばアルミニウムを9重量%(以下、特に断わらない
限り%は全て重量%である)、亜鉛を1%含むマグネシ
ウム合金AZ91では不純物濃度の低いAZ91DやA
Z91Eが好ましい。代表的な合金としてAZ91やA
M60がある。
【0023】また、本発明においては、マグネシウム又
はマグネシウム合金に異種材料の粒子や短繊維を添加し
て複合材とすることができる。添加する短繊維類として
はシリカ、アルミナ、アルミナシリカ、SiC、カーボ
ン繊維などの無機繊維、又はこれらのウィスカーを用い
ることができる。そのサイズは長さ1cm以下、好まし
くは0.5cm以下であり、短い方はサブミクロンまで
なら問題はない。長さが1cm以上になると分散は可能
であるが絡みつきによる粘度上昇が大きくなって、鋳造
時に流動性が悪くなり、実質的に強化材を多く含有させ
ることができなくなる。繊維状強化材を多く含有させた
いときは、プリホームを先に形成し、スクイズで含浸さ
せる方法が一般的である。粒状粉末としてはアルミナ、
SiC、アルミナシリカ、窒化アルミニウム、窒化硼
素、炭化タングステン、スピネルなどを用いることがで
きる。粒子の大きさは0.1μm〜3000μmの範囲
のものが適当であり、0.1μmより微粉末になってく
ると一部浮上するおそれがあり、また、粘性が上昇して
鋳造性が劣るようになる。3000μmより大きくなる
と複合材料の均一性に問題が生じてくる。これらの異種
材料の中にはマグネシウムと反応するものがあるが、そ
の場合には融体にカルシウムを数%添加すればよい。こ
れらの異種材料の含有率は35体積%が最大であり、こ
れ以上は充填が困難である。なお、セラミックスなどの
異種材料を一度アルコールなどの溶媒に浸漬させると、
嵩高性が減少するとともに、融体との濡れや分散性がよ
くなる傾向にある。分散させる異種材料の種類や大き
さ、量、濡れ改良剤の種類などの選定や効果の程度は、
融体の状態を目で見て簡単に判断できるので、予備評価
が可能であり、その結果から適用範囲を決定することが
できる。
【0024】
【作用】本発明によれば、マグネシウム融体にアルカリ
土類金属を添加して難燃化を図ったので、激しく縦渦流
を形成するように撹拌を行っても融体表面に発火点が発
生しても、格別危険ではない。他方、アルカリ土類金属
の添加により融体の静的粘性は上昇するが、融体を激し
く対流撹拌すると、融体に剪断力がかかり、低粘度化が
進行し、不純物の浮上に効果的な対流状態となる。しか
も融体はその表面において雰囲気ガスなど接触反応して
薄膜状ドロスを形成し、不純物が包まれるように、凝着
された薄膜状ドロスとなって融体表面の片隅に押し寄せ
られ、集積して不純物の再度の拡散を起こさせない。こ
のようにして、得られた融体は発火燃焼点の発生を極度
に抑制すると共に、該融体を凝固させた合金中に、ポロ
シティが少ない。条件を最適にコントロールすると、市
販インゴットと比較しても同等のポロシティーの少ない
インゴットが得られる。ポロシティが多いインゴットを
用いて鋳造した場合、鋳造過程でもポロシティは消滅せ
ずそのまま、鋳造品に受けつがれる。最も多く利用され
ている鋳造方法としてダイキャストがあるが、ダイキャ
ストはポロシティの全くないインゴットを使用しても製
品にボイドが多く発生する特性から、ポロシティの少な
いインゴットを得ることは、製品の品質確保の点から重
要である。ボイドが製品に存在すると、薄肉鋳造品では
機械的特性の低下の他、油、水、空気洩れ等、気密性に
問題があり、加工面にあってもシール洩れが発生する恐
れがある。したがって、どうのような鋳造方法であって
もポロシティの少ないインゴットを得ることは重要かつ
必要なことである。
【0025】したがって、従来のバブリングにより不純
物を気泡に付着させて上昇させるとする精製方法とは、
気泡に不純物が付着しない速度で融体が激しく縦渦流を
形成するように撹拌されること、積極的に雰囲気ガスと
接触させてドロス薄膜を形成すると、該ドロスが不純物
を包み込むように凝着し、融体中に再度拡散しないよう
に機能すること、従来のバブリングの程度を越えて激し
くバブリングして融体に剪断力を作用させると、動的粘
性は不純物の浮上が効果的に行われる粘性まで低下する
こと、このようにして浮上させた不純物は上記ドロス薄
膜に接触して凝着除去されることが本質的差異として挙
げられ、両者を区別することができる。
【0026】加えて、従来の方法では単なる酸化物等の
不純物を除去するに対し、本発明ではアルカリ土類金属
を添加し、難燃化した融体の表面に発生する発火燃焼点
の生成を抑制するという従来にない新規な効果を発揮す
ると共に、アルカリ土類金属の添加により、従来、除去
が困難とされている凝固合金のポロシティを市販合金並
のレベルにまで低減し得るという新規な効果を発揮し得
た。かかる効果の発現は従来の清浄精製のレベルを大幅
に超えた効率的効果的な精錬技術に起因すると考えられ
る。
【0027】
【発明の効果】このようにして難燃化され、不純物を除
去して精製されたマグネシウム融体はアルカリ土類金属
を単に添加して難燃化した融体よりも難燃性に優れ、そ
のままあるいは一旦インゴットとした場合は再度溶融し
て大気中でアルミニウム融体と同様にして既存のアルミ
ニウム鋳造・加工技術を適用することができる。しか
も、その設備を使用して鋳造・加工を自動化することが
でき、製造コストを著しく低下させることができる。
【0028】マグネシウム融体は不純物の除去により発
火燃焼点の発生を著しく抑制出来、難燃性が一段と向上
するので、高価なアルカリ土類金属の添加量も少なくて
すみ、それに伴い亜鉛等の防錆向上性金属の添加量も少
なくてよいので、材料コストが低減する。それだけでな
く、ポロシティが市販合金のインゴット並に削減でき、
ポロシティによる機械的特性の低下を防止し、かつ添加
材により特性が乖離しないマグネシウム材を提供するこ
とをできる。
【0029】
【実施例】
(実施例1)図1は実施例1で用いるマグネシウム融体
10を収容する溶解坩堝2と希ガス吹込み管4を示した
ものである。坩堝2には希ガスHeをバブリングするT
字形をした吹込み管4が、その水平バー部分6を坩堝の
底部近くになるように設置される。水平バー6の両端は
閉じられており、その側面には図2に拡大断面図として
示されるように、直径2mmの孔8が長手方向に沿って
10mm間隔で350cmの長さにわたって列状にあけ
られたものが、4列配列されている。尚、坩堝には蓋が
あり、その蓋には更に40cm×40cmの開口部があ
り、その開口部には扉があって不必要な場合は、閉じる
ことが可能な構造になっている。
【0030】図1の装置を用いて融体を作成し、鋳造を
行なった例を示す。AZ91合金(ダウケミカル社の製
品)400kgを坩堝2に入れて溶解し、650〜75
0℃の融体とし、これにカルシウムと亜鉛をそれぞれ
0.5%ずつ添加し、溶解させた。カルシウムの比重は
AZ91合金融体の比重より軽いので、鉄製の杓にカル
シウムを入れ、これをステンレス金網で覆い、時折その
杓を引き上げて溶解状態をチェックしながら溶解させ
た。溶解時間は約8分であった。亜鉛は極めて容易に溶
解した。この溶解作業中はSF6/CO2ガスを流して融
体表面が空気と接触しないようにシールした。
【0031】杓で約10分間融体を掻き混ぜ、カルシウ
ムと亜鉛が均一になるようにし、次いでヘリウムガスを
吹き込んだ。ガス圧は1kg/cm2で、吹込み量は2
0リットル/分で10分間吹き込んだ。吹き込み前はド
ロスは融体全面に拡がっていたが、ヘリウムをバブリン
グすることにより、ドロスは坩堝の端の方に追いやら
れ、バブリングの勢いが強いため、ドロスは皺を呈して
いた。最終的には全面積のほぼ1/4であった。残りの
3/4は金属の融体のみで、波立っていた。バブリング
を中止しても、直ちにドロスは拡がらず、ドロスの除去
は簡単であった。その後、融体が大気に接触した状態で
約4時間かけて手汲みで5kg塊のインゴット395k
gを作成した。
【0032】空気が入ってくるため、融体の表面には徐
々に酸化物が形成されてくる。これらの酸化物の生成当
初は発火現象はないが、これらの酸化物が厚くなってく
ると、酸化物の隙間を通って融体が毛管現象で吸いださ
れ、酸化物のドロス表面上で発火現象が見られる場合が
あり、時折、形成された酸化物層を取り除いた。この原
因については難燃剤であるアルカリ土類金属の含有率が
少ないため、極めて薄い融体となると、アルカリ土類金
属自体が存在していないことによると推定される。従っ
て、このような理由から、融体自体の発火燃焼と関係が
ないと考えられるため、形成された酸化物層を取り除き
ながら、融体を汲み出すことにより、坩堝内壁と熱電対
の保護管にわずかに付着した何かが部分的に発火したこ
とを除き、融体自体の表面から発火点の発生は認められ
なかった。
【0033】最大の断面積が40cm2の5Kg塊イン
ゴットを任意の7つの位置で長さ方向に垂直に湿式高速
切断機で切断した。更に、この切断面をWingo社製
トライマイト(Tri−M−ite)ペーパー#180
で自動水研した。この切断面における最大長さ0.5m
m以上のポロシティの数は次のようであった。 第1切断面 0ケ 第2切断面 1ケ 第3切断面 3ケ 第4切断面 0ケ 第5切断面 1ケ 第6切断面 0ケ 第7切断面 0ケ 平均して切断面40cm2当たり1ケ弱であった。尚、
高速切断機によるポロシティもほぼ同様であった。
【0034】次に、上記で作成したインゴットを1カ月
間保管した後、コールドチャンバタイプのダイキャスト
を行なった。その鋳造に当り、インゴットの溶解はイン
ゴット作成と同様に溶解するまではSF6/CO2ガスで
シールし、再びヘリウムガスを上記の条件で10分間吹
き込んだ後、鋳造時は大気に開放状態として手杓で必要
量を汲み出した。上記と同様に酸化物層を時折取り除き
ながら用いたインゴットの半量を鋳造し、残りは坩堝内
で固化させた。翌日、再度溶解し、バリやランナーも含
めた鋳造品を順次融体に投入して50%のリターン材含
有率として同様にヘリウムガスを吹き込んでダイキャス
ト鋳造を行なった。鋳造品の重量はバリなどを含んで1
個当り0.75kgであった。この2回のダイキャスト
鋳造テストで、ダイキャストマシーンの注湯口に湯を注
ぎ込んだ後に、手杓に付着したマグネシウム材の薄膜の
燃焼も認められなかった。
【0035】3個の鋳造品からそれぞれ2個の試験片を
切り出し、合計6個の試験片について測定を行なった結
果、引張強さは19.9kg/mm2、0.2%耐力は1
4.2kg/mm2、伸びは3.3%であった。この結果
はリターン材の有無によらなかった。また、耐食性を見
るために、240時間の塩水噴霧テストを実施したとこ
ろ、60%が金属のままであった。さらに比較のため
に、ベース合金であるAZ91のダイキャスト品の特性
を示すと、機械特性としては引張強さが21.6kg/
mm2、0.2%耐力は13.0kg/mm2、伸びは3.
9%である。
【0036】(比較例1)実施例1と同じマグネシウム
材を用い、ヘリウムガスを吹き込むことを除いて実施例
1と同じ条件で実験を行なった。その結果、インゴット
作成時及びダイキャスト時に、融体自体は燃焼しない
が、融体表面に散在的に発火点が発生し、発火点の消化
にはSF6/CO2ガスを30〜60分ごとに10分間導
入することが必要であった。ただし、発火点の発生があ
ってもその拡がりは遅く、仮りに拡がっても爆発火災に
は至らなかった。これはマグネシウム材自体がカルシウ
ムによって難燃化されているためである。ダイキャスト
時の手杓に付着したマグネシウム材の薄膜は30〜45
ショットごとに1回の割合で燃焼が発生したが、自然に
消火する自己消火性であった。
【0037】AZ91の耐食性をテストするための24
0時間の塩水噴霧テストを実施したところ、5%が金属
のままであるに過ぎなかった。実施例1と同様に測定し
たポロシティーの数は切断面当たり15〜23ケで平均
して20ケであった。
【0038】実施例1、比較例1及びAZ91の結果を
比較すると、本発明によりヘリウムガスを融体に吹き込
むことにより難燃性が強化されて向上していることが明
らかである。また、得られるマグネシウム材の特性もベ
ース合金と近似し、更にポロシティの数も大巾に削減出
来て実用上有効であることが理解できる。
【0039】(比較例2)実施例1と同じマグネシウム
材を用い、ヘリウムガスの吹き込み量を融体表面のドロ
スが全面に覆われている程度とし、対流も極力抑制し、
金属融体が観察できない程度としたこと以外は同じ条件
で、インゴット鋳造のみについて実験した。結果は比較
例1と同様であった。このことから、ドロスの薄膜によ
る融体内部の不純物の抱き込みや付着凝集が、ほとんど
おこっていないことを意味している。
【0040】(比較例3)純マグネシウム(宇部興産株
式会社製)約700gをフタつきるつぼで溶解し、つい
で、下記の金属を限定量添加溶解し、大気中で3分撹拌
し、フタをして酸素欠乏状態となし、5分静置後、断面
積が18cm2のインゴットを鋳造しポロシティの発生
状況をチェックした。 (1) Caの含有率が1,2,4%とした場合概ね5
〜10ケのポロシティが存在し (2) Alの含有率が3,6,9%とした場合ポロシ
ティはなかった。 (3) Zn含有率が3,6%とした場合ポロシティは
なかった。 (4) ブランクとして純マグネシウムでもポロシティ
はなかった。このようにCaを添加するとポロシティが
発生し易いことがわかる。
【0041】(実施例2)ガス吹込み時間を更に10分
延長し20分とした以外は実施例1と同様にして、イン
ゴットを鋳造した。この切断面に0.5mm以上のポロ
シティはなく、0.5mm以下のポロシティもほとんど
なくなった。
【0042】(実施例3)実施例2と比べて添加するカ
ルシウムと亜鉛の量をそれぞれ1%と増やし、融体に吹
き込む希ガスとしてヘリウムガスに代えてアルゴンガス
を用いた。難燃性に関してはアルゴンガスを吹き込んだ
場合と吹き込まなかった場合の比較は実施例2と比較例
1の比較結果とほぼ同様であった。ただし、希ガスを吹
き込まなくてもダイキャスト時の手杓に付着したマグネ
シウム材の薄膜の燃焼は起こらなかった。これはカルシ
ウム含有率が実施例2のものより高いことによるものと
考えられる。
【0043】実施例3での鋳造品の機械特性は、引っ張
り強度21.8kg/mm2、0.2%耐力は14.8kg
/mm2、伸び率は3.7%であった。耐食性として24
0時間の塩水噴霧テストを実施したところ、実施例2と
ほぼ同様の結果が得られた。残融体を用いて、5Kg塊
のインゴットを鋳造し実施例2と同様にポロシティを調
べたところ、実施例2と同様の結果を得た。実施例3の
結果によっても難燃性の向上とベース合金に近い特性が
得られ、又、ポロシティ含有率も問題のないレベルであ
ることがわかる。
【0044】(実施例4)特性をよりベース合金に近づ
けるために、マグネシウム材へのカルシウム添加量を
0.4%と減らし、耐食向上性金属の添加はしなかっ
た。希ガスとしてヘリウムガスを吹き込んだ。その結
果、難燃性の効果は実施例2とほぼ同様であったが、融
体面上の発火点の発生はやや見られた。実施例4の結果
もカルシウムを添加しないマグネシウム合金と比較する
と大気中で鋳造可能である点で大きく異なっている。機
械特性及び耐食性はAZ91とほぼ同じであった。
【0045】(実施例5)内径15cmのステンレス坩
堝を用いて、マグネシウム,AZ91,AM60を約
2.5〜3Kg溶解した。これにアルカリ土類金属や防
錆向上金属を下表のような割合で溶解、混合した。この
際、溶解も混合も大気中とした。但し、マグネシウム材
の溶解中は坩堝に蓋をし極力酸欠状態とした。混合は撹
拌機によった。混合後、表面に浮いているドロスを取り
除き、(表面に浮いているドロスを取り除いても酸化膜
はすぐに形成された)アルゴンガスを坩堝内に吹き込
み、浮上ドロスと金属融体が共存し対流がおこっている
ことを確認した。金属融体面の発火性はほとんどなく良
好であった。ポロシティも同様に少ないことを確認し
た。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例6)実施例5と同じようにして、
1%のCaが含有したAZ91合金を作成した。つい
で、撹拌機により融体を撹拌した。但し、幅が坩堝の半
径の1/2である邪魔板を坩堝の内円周に沿って、45
度の角度で取り付け、融体の縦渦流が起こるようにし
た。回転数と時間はそれぞれ100rpmと10分であ
った。この処理後の融体面上の発火燃焼性はほとんどな
く、良好であった。得られたインゴットのポロシティー
も他の実施例と同様に少なかった。この実施例の妥当性
を目視で確認するために、ビーカーに水を入れ、マグネ
チックスターラーで、水を撹拌すると共に邪魔板を設置
して、その挙動を調べた、尚、不純物を想定し、水に濡
れ易い木片と濡れにくいポリプロピレンの直径4mmの
ペレットを別々に入れて、挙動を観察した。結果は次の
表になった。この結果から邪魔板を設置すると撹拌で
も、不純物が水面に上昇してくること、また、水との濡
れ性や比重差が関係ないことがわかる。マグネシウム材
の融体では、その活性のため、雰囲気ガスと反応し薄膜
状のドロスが出来、これに不純物がトラップされ除去が
進むものと理解される。
【0048】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で用いる溶解坩堝を希ガス吹
込み管とともに示す垂直断面図である。
【図2】 図1の希ガス吹込み管を示す部分斜視断面図
である。
【符号の説明】 2……溶解炉 4……希ガス吹込み管 6……水平バー部分 8……ガス吹出し口 10……溶湯

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムもしくはマグネシウム合金
    にカルシウム、バリウムまたはストロンチウムから選ば
    れる少なくとも1種のアルカリ土類金属を添加してマグ
    ネシウム材の融体を難燃化し、該融体を縦渦流が形成さ
    れるように撹拌し、融体表面を大気または他のドロス形
    成雰囲気に積極的に接触させてドロス薄膜を形成させる
    一方、上記融体とともに上昇する不純物を融体表面に形
    成されるドロス薄膜に凝着させて集積することを特徴と
    するマグネシウム材の精製方法。
  2. 【請求項2】 上記縦渦流を形成する撹拌を希ガスの融
    体内への吹き込みによって行う請求項1に記載のマグネ
    シウム材の精製方法。
  3. 【請求項3】 希ガスはヘリウムガス又はアルゴンガス
    である請求項2に記載のマグネシウム材の精製方法。
  4. 【請求項4】 前記マグネシウム材の融体にはさらに防
    錆向上性金属が添加されている請求項1に記載のマグネ
    シウム材の精錬方法。
  5. 【請求項5】 精製するマグネシウム材を不燃性ガスで
    大気と遮断しながら溶解して融体となす請求項1記載の
    精製方法。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜5のいずれかに記載の方
    法で精製したマグネシウム融体をそのまま鋳造する連続
    鋳造方法。
  7. 【請求項7】 上記請求項1〜5のいずれかに記載の方
    法で精製したマグネシウムインゴットを溶解し、鋳造す
    る鋳造方法。
  8. 【請求項8】 カルシウム、バリウム又はストロンチウ
    ムから選ばれる少なくとも1種以上のアルカリ土類金属
    10重量%以下、亜鉛、カドミウム、鉛、錫、ケイ素、
    マンガン又はジルコニウムからの選ばれる少なくとも1
    種以上の防錆向上性金属10重量%以下を含有し、実質
    的にポロシティを含まないことを特徴とする精製マグネ
    シウム材。
  9. 【請求項9】 カルシウム、バリウム又はストロンチウ
    ムから選ばれる少なくとも1種以上のアルカリ土類金属
    0.1〜5重量%を含有し、実質的にポロシティを含ま
    ないことを特徴とする精製マグネシウム材。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の実質的にポ
    ロシティを含まない、鋳造用精製マグネシウムインゴッ
    ト。
JP22561793A 1992-09-11 1993-09-10 精製マグネシウム材とその製法 Pending JPH06158192A (ja)

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JP4-269365 1992-09-11
JP26936592 1992-09-11
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103602841A (zh) * 2013-11-28 2014-02-26 广东鸿特精密技术股份有限公司 一种铝合金熔炼功能熔剂自动添加方法及其装置
JP2019098396A (ja) * 2017-12-01 2019-06-24 株式会社サタコ 噴流旋回方式脱ガス装置及びガスノズル

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