JPH06157533A - 光学活性なヘテロ四環系化合物 - Google Patents

光学活性なヘテロ四環系化合物

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JPH06157533A
JPH06157533A JP5181199A JP18119993A JPH06157533A JP H06157533 A JPH06157533 A JP H06157533A JP 5181199 A JP5181199 A JP 5181199A JP 18119993 A JP18119993 A JP 18119993A JP H06157533 A JPH06157533 A JP H06157533A
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Mitsuo Sugiyama
充男 杉山
Yoshio Iizuka
義夫 飯塚
Takeshi Yamaguchi
武 山口
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化1】 [式中、R1 :−A−COOR4 (式中、A:酸素原子
で中断されていてもよいアルキレン基;R4 :水素原
子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基)]を有
する光学活性なカルボン酸アミド誘導体またはその薬理
上許容される塩。 【効果】本願の光学活性な誘導体又は塩は、抗アレルギ
ー作用及び抗喘息作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は抗アレルギー作用及び抗
喘息作用を有する、ヘテロ四環系化合物及びその薬理上
許容される塩に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、本願発明のヘテロ四環系化合物に
類似する化合物として、例えば、以下に示す化合物A,
B,C,D,E及びF等が知られており、これらが、抗
うつ作用、抗ヒスタミン作用等を有することが開示され
ている(特公昭53−15520号公報、特開昭51−
122099号公報、特開昭54−61199号公報、
国際公開88/079979号公報等)。
【0004】
【化2】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の抗アレルギー作用を有する化合物は、作用の強さ、中
枢神経に対する刺激、抑圧等の副作用等で必ずしも十分
なものとは言えず、優れた抗ヒスタミン作用、抗アレル
ギー作用及び抗喘息作用を有し、かつ中枢神経の刺激等
の副作用が少ない薬剤の開発が望まれている。
【0006】本発明者等は、抗アレルギー作用及び抗喘
息作用を有する誘導体の合成とその薬理活性について永
年に亘り鋭意研究を行なった結果、特異な置換基を有す
るヘテロ四環系化合物が、優れた抗ヒスタミン作用、抗
アレルギー作用及び抗喘息作用を有し、且つ、眠気など
の副作用が少なく、さらにSRS−A産生抑制作用をも
有することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【発明の構成】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の新規で、かつ、
光学活性なヘテロ四環系化合物は、一般式
【0009】
【化3】
【0010】[上記式中、R1 は、式−A−COOR4
を有する基(式中、Aは、酸素原子で中断されていても
よいC3 −C7 アルキレン基を示し、R4 は、水素原
子、C1 −C6 アルキル基、アリール基又はアラルキル
基を示す。)を示す。]を有する。
【0011】上記一般式(I)において、Aの定義にお
ける「酸素原子で中断されていてもよいC3 −C7 アル
キレン基」の「C3 −C7 アルキレン基」とは、例え
ば、プロピレン、イソプロピレン、トリメチレン、1−
メチルエチレン、2−メチルエチレン(プロピレン)、
テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又は
ヘプタメチレンのような直鎖状又は分枝鎖状のアルキレ
ン基であり得、好適には、直鎖状のC3 −C5 のアルキ
レン基であり、特に好適には、直鎖状のC3 又はC5
ルキレン基である。
【0012】又、「酸素原子で中断されたC3 −C7
ルキレン基」としては、例えば、式-CH2CH2-O-CH2-,-C
H2CH2-O-CH2CH2- ,-CH2CH2-O-CH2CH2CH2-,-CH2CH(C
H3)-O-CH2-,-CH2CH2CH2-O-CH2- ,-CH2CH2CH2CH2-O-CH
2-のような「酸素原子で中断されたC3 −C7 アルキレ
ン基」を有する基であり得、好適には、式-CH2CH2-O-CH
2-,-CH2CH2-O-CH2CH2- のような「酸素原子で中断され
たC3 −C4 アルキレン基」を有する基であり、特に好
適には、式-CH2CH2-O-CH2-を有する基である。
【0013】R4 の定義における「C1 −C6 アルキル
基」とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、te
rt−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペン
チル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルのよ
うな直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であり得、好適に
は炭素数1乃至4個のアルキル基である。
【0014】R4 の定義における「アリール基」とは、
置換基を1乃至3個有してもよい炭素数6乃至10個の
芳香族炭化水素基であり得、例えば、フェニル、ナフチ
ルのような基を挙げることができ、該置換基としては、
弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子のようなハロ
ゲン原子(好適には、弗素、塩素、臭素)、C1 −C4
アルキル基、C1 −C4 アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、tert−ブトキ
シ)をあげることができるが、好適には、ハロゲン原子
(特に、弗素、塩素原子)、C1 −C2 アルキル基(特
に、メチル基)又はC1 −C2 アルコキシ基(特に、メ
トキシ基)である。
【0015】R4 の定義における「アラルキル基」と
は、例えば、フェニル又はナフチルのようにアリール基
が1又は2個置換したC1 −C4 アルキル基であり得、
例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、ナ
フチルメチル、ナフチルエチル及びジナフチルメチル基
を挙げることができるが、好適には、ベンジル、ジフェ
ニルメチルである。該アリール基は置換基を1乃至3個
有してもよく、かかる置換基としては前述のアリール基
の置換基と同様のものを挙げることができる。
【0016】R1 基全体として、好適な基としては、例
えば、式-(CH2)3CO2H ,-(CH2)3CO2CH3 ,-(CH2)3CO2C2
H5,-(CH2)3CO2C3C7,-(CH2)3 CO2C4H9 ,-(CH2)3CO2-t
-C4H9 ,-(CH2)4CO2H ,-(CH2)4CO2CH3 ,-(CH2)4CO2C2
H5,-(CH2)4CO2C3H7,-(CH2)4CO2-i-C3H7 ,-(CH2)4CO2
C4H9,-(CH2)5CO2H ,-(CH2)5CO2CH3 ,-(CH2)5CO2C
2H5,-(CH2)6CO2CH3 ,-(CH2)6CO2C2H5,-(CH2)2OCH2CO
2H ,-(CH2)2OCH2CO2CH3 ,-(CH2)2OCH2CO2C2H5,-(C
H2)3OCH2CO2H ,-(CH2)3OCH2CO2CH3 ,-(CH2)3OCH2CO2C
2H5,-(CH2)4OCH2CO2C2H5,-(CH2)5OCH2CO2C2H5,-(C
H2)5OCH2CO2H ,-(CH2)6OCH2CO2H ,-(CH2)6OCH2CO2CH3
,-(CH2)6OCH2CO2C2H5,-(CH2)6OCH2CO2C3H7を挙げる
ことができる。
【0017】更に好適には、例えば、式-(CH2)3CO2H ,
-(CH2)3CO2CH3 ,-(CH2)3CO2C2H5,-(CH2)3CO2C3H7,-
(CH2)3CO2C4H9,-(CH2)3CO2-t-C4H9 ,-(CH2)4CO2H ,-
(CH2)4CO2CH3 ,-(CH2)4CO2C2H5,-(CH2)4CO2C3H7,-(C
H2)4CO2-i-C3H7 ,-(CH2)4CO2C4H9,-(CH2)5CO2CH3 ,-
(CH2)2OCH2CO2H ,-(CH2)2OCHCO2CH3,-(CH2)2OCH2CO2C
2H5,-(CH2)3OCH2CO2H ,-(CH2)3OCH2CO2CH3 ,-(CH2)3
OCH2CO2C2H5を挙げることができる。
【0018】前記一般式(I)を有する化合物は、必要
に応じて薬理上許容し得る塩にすることができる。その
ような塩としては、好適には弗化水素酸塩、塩酸塩、臭
化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸
塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、炭酸塩等の無機酸塩;メ
タンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、
エタンスルホン酸塩のような低級アルキルスルホン酸
塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩
のようなアリールスルホン酸塩、フマール酸塩、コハク
酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等
の有機酸塩及びグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のよ
うなアミノ酸塩等の有機酸の酸付加塩又はカルボン酸化
合物におけるナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、
マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩のようなカ
ルボン酸のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩
を挙げることができる。
【0019】前記一般式(I)において、好適には、
(1)R1 が、式−A−COOR4 を有する基(式中、
Aは、酸素原子で中断されていてもよいC3 −C6 アル
キレン基を示し、R4 は、水素原子又はC1 −C4 アル
キル基を示す。)である化合物、(2)R1 が、式−A
−COOR4 を有する基(式中、Aは、C3 −C6 アル
キレン基を示し、R4 は、水素原子又はC1 −C4 アル
キル基を示す。)である化合物、(3)R1 が、式−A
−COOR4 を有する基(式中、Aは、酸素原子で中断
されていてもよいC3 −C5 アルキレン基を示し、R4
は、水素原子又はC1 −C4 アルキル基を示す。)であ
る化合物、(4)R1 が、式−A−COOR4 を有する
基(式中、Aは、C3 −C5 アルキレン基を示し、R4
は、水素原子又はC1 −C4 アルキル基を示す。)であ
る化合物、特に好適には、(5)R1 が、式−A−CO
OR4 を有する基(式中、Aは、酸素原子で中断されて
いてもよいC3 又はC5 アルキレン基を示し、R4 は、
水素原子又はC1 −C4 アルキル基を示す。)である化
合物、(6)R1 が、式−A−COOR4 を有する基
(式中、Aは、C3 又はC5 アルキレン基を示し、R4
は、水素原子又はC1 −C4 アルキル基を示す。)であ
る化合物、(7)R1 が、式-CH2CH2OCH2COOR4を有する
基(式中、R4 は、水素原子又はC1 −C4 アルキル基
を示す。)である化合物を挙げることができる。
【0020】本発明の代表的な化合物としては、例え
ば、表1に記載する化合物を挙げることができる。
【0021】
【表1】
【0022】
【化4】
【0023】 ─────────────────────────── 化合物番号 R1 ─────────────────────────── 1 -(CH2)3CO2H 2 -(CH2)4CO2H 3 -(CH2)5CO2H 4 -(CH2)6CO2H 5 -(CH2)3CO2CH3 6 -(CH2)4CO2CH3 7 -(CH2)5CO2CH3 8 -(CH2)6CO2CH3 9 -(CH2)3CO2C4H9 10 -(CH2)3CO2C2H5 11 -(CH2)4CO2C2H5 12 -(CH2)5CO2C2H5 13 -(CH2)6CO2C2H5 14 -(CH2)3CO2C3H7 15 -(CH2)3CO2-i-C3H7 16 -(CH2)4CO2C3H7 17 -(CH2)5CO2C3H7 18 -(CH2)3CO2C4H9 19 -(CH2)3CO2-i-C4H9 20 -(CH2)4CO2C4H9 21 -(CH2)5CO2C4H9 22 -(CH2)3OCH2CO2H 23 -(CH2)4OCH2CO2H 24 -(CH2)2OCH2CO2H 25 -(CH2)2OCH2CO2CH3 26 -(CH2)3OCH2CO2CH3 27 -(CH2)4OCH2CO2CH3 28 -(CH2)5OCH2CO2CH3 29 -(CH2)6OCH2CO2CH3 30 -(CH2)2OCH2CO2C2H5 31 -(CH2)3OCH2CO2C2H5 32 -(CH2)4OCH2CO2C2H5 33 -(CH2)5OCH2CO2C2H5 34 -(CH2)6OCH2CO2C2H5 35 -(CH2)2OCH2CO2C3H7 36 -(CH2)3OCH2CO2-i-C3H7 37 -(CH2)4OCH2CO2C3H7 38 -(CH2)2OCH2CO2C4H9 39 -(CH2)4OCH2CO2C4H9 ─────────────────────────── 本願発明の化合物(I)は、次に示す方法によって製造
することができる。
【0024】
【化5】
【0025】上記式中、R1 は、前述したものと同意義
を示し、Xは、ハロゲン原子(好適には、塩素、臭素、
沃素原子を示す。)を示す。
【0026】第1工程は、化合物(I)を製造する工程
で、一般式(II)を有する化合物を、不活性溶剤中、
塩基の存在下で、一般式(III)を有するハロゲン体
と反応させることによって達成される。使用される塩基
は、脱酸剤として作用するものであれば特に限定されな
いが、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリ
ン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジ
ン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)のような有
機アミン又は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化バリウムのようなアルカリを挙げ
ることができ、好適にはアルカリ金属炭酸塩又はアルカ
リ金属水酸化物である。使用される不活性溶剤は、反応
に関与しなければ特に限定されないが、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロピルアルコールのようなアルコ
ール類、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペ
ンタノンのようなケトン類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドのようなアミド類を挙げることがで
きるが、好適には、ケトン類である。反応温度は、通
常、0℃乃至150℃(好適には60℃乃至140℃)
であり、反応に要する時間は、反応温度等によって異な
るが通常、3時間乃至20時間である。
【0027】又、反応の際に触媒として、少量の沃化ナ
トリウム、沃化カリウムのような沃化アルカリ金属を用
いることもできる。
【0028】本工程で得られた目的化合物は、常法に従
って反応混合物から採取することができる。例えば、反
応混合物から溶剤を留去すること、又は、必要に応じて
反応混合物から溶剤を留去した後、反応混合物を水にあ
け、水不溶性有機溶剤で抽出し、抽出液から溶剤を留去
することによって得ることができる。更に、必要に応
じ、常法、例えば、再結晶、再沈殿又はクロマトグラフ
ィー等によって更に精製できる。
【0029】化合物(I)において、R1 が、式−A−
COOHを有する基(式中、Aは、前記と同意義を示
す。)である化合物(Ia)は、化合物(I)におい
て、R1が、式−A−COOR4 aを有する基(式中、A
は、前記と同意義を示し、R4 aは、C1 −C6 アルキル
基、アリール基又はアラルキル基を示す。)である化合
物(I’a)を加水分解しても製造される。加水分解
は、常法、例えば、不活性溶剤中、相当するエステル誘
導体と塩基を反応させることによって行なわれる。使用
される塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
のようなアルカリ金属炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムのような
アルカリ若しくはアルカリ土類金属水酸化物を挙げるこ
とができるが、好適には、水酸化ナトリウムのようなア
ルカリ金属水酸化物である。使用される不活性溶剤は、
反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、メ
タノール、エタノール、プロピルアルコールのようなア
ルコール類、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2
−ペンタノンのようなケトン類、ジオキサン、テトラヒ
ドロフランのようなエーテル類を挙げることができる
が、好適には、アルコール類である。反応温度は、通
常、0℃乃至120℃(好適には、0乃至80℃)であ
り、反応に要する時間は、反応温度等によって異なる
が、通常、1時間乃至10時間である。本反応で得られ
た目的化合物は、常法に従って反応混合物から採取する
ことができる。例えば、反応混合物から溶剤を留去する
こと又は、必要に応じて反応混合物から溶剤を留去した
後、反応混合物を水にあけ、水層を酸性にすること又は
水層を酸性にした後、水不活性有機溶剤で抽出し、抽出
液から溶剤を留去することによって得ることができる。
更に、必要に応じ、常法、例えば、再結晶、再沈殿又は
クロマトグラフィー等によって更に精製できる。
【0030】化合物(I)において、R1 が、式−A’
−COOR4 を有する基(式中、A’は、酸素原子で中
断されたC3 −C7 アルキレン基を示し、R4 は、前述
したものと同意義を示す。)である化合物(Ib)は、
化合物(I)において、R1 が、式−E−OHを有する
基(式中、Eは、C2 −C7 アルキレン基を示す。)で
ある化合物(I’b)を、不活性溶剤中、 一般式 X−G−COOR4 を有する化合物 (IV) (式中、R4 及びXは前述したものと同意義を示し、G
は、単結合又はC1 −C9 アルキレン基を示す。但し、
EとGを合わせた場合に、その炭素数は3乃至7であ
る。)と反応させることによっても製造される。反応
は、好適には、塩基の存在下に行なわれ、塩基として
は、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウムのよう
なアルカリ金属水素化物、メチルリチウム、ブチルリチ
ウムのようなアルキルリチウム化合物又はナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属
アルコキシドを挙げることができるが、好適には、アル
カリ金属水素化物である。使用される不活性溶剤は、反
応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
のような炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミドのようなアミド類、エーテル、テトラヒド
ロフランのようなエーテル類をあげることができるが、
好適には炭化水素類である。反応温度は、通常、0℃乃
至150℃(好適には、室温乃至100℃)であり、反
応に要する時間は、反応温度等によって異なるが通常、
3時間乃至20時間である。
【0031】本工程で得られる目的化合物は、常法に従
って反応混合物から採取することができる。例えば、反
応混合物から溶剤を留去すること又は、必要に応じて反
応混合物から溶剤を留去した後、反応混合物を水にあ
け、水不溶性有機溶剤で抽出し、抽出液から溶剤を留去
することによって得ることができる。更に、必要に応
じ、常法、例えば、再結晶、再沈殿又はクロマトグラフ
ィー等によって更に精製できる。
【0032】一般式(II)に相当するラセミの化合物
は公知であるか、あるいは公知の方法に類似した方法で
製造可能である。公知の方法としては、C.N.Filer 等に
よる方法(J.Org.Chem., 46, 3344 [1981]) 、C.A.A.va
n Boeckel 等による方法(Recl.Trdv.Chim.Pays-Bas, 10
4, 259 [1985])あるいはA.Org-Lee 等による方法(J.Het
erocyclic Chem., 20, 1565 [1983]) 等が知られてお
り、光学活性体である化合物(II)は、以下の方法に
よって製造される。
【0033】第1の方法は、化合物(II)をアシル化
して、アシル体を光学分割して、脱アシル化反応を行な
うことによって達成される。アシル化反応は、塩基の存
在下、不活性溶剤中、化合物(II)の相当するラセミ
体とアシル化剤を反応させることによって行なわれる。
アシル化剤として、カルボン酸のエステル(エステル残
基としては、アルキル基、アリール基又はアラルキル基
である。)を使用する場合には、本反応は、好適には、
不活性溶剤中で行われる。使用される不活性溶剤は、反
応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジク
ロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムのようなハ
ロゲン化炭化水素類、エーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサンのようなエーテル類、酢酸エチルのようなエ
ステル類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香
族炭化水素類をあげることができるが、好適には、芳香
族炭化水素類、テトラヒドロフランのようなエーテル類
である。反応温度は、通常、−10℃乃至150℃(好
適には、0℃乃至50℃)であり、反応に要する時間
は、反応温度等によって異なるが通常、5分間乃至20
時間(好適には、30分間乃至10時間)である。
【0034】アシル化剤として、カルボン酸自体を使用
する場合には、本反応は、不活性溶剤中、縮合剤の存在
下に行われる。使用される縮合剤は、カルボン酸とアミ
ンからアミド結合を製造させるものなら特に限定されな
いが、好適には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)、シアノリン酸ジエチル(DEPC)−トリエチ
ルアミン、カルボニルジイミダゾール、ジフェニルホス
ホリルアジド(DPPA)−トリエチルアミン又はジエ
チルアゾジカルボキシレート−トリフェニルホスフィン
である。使用される不活性溶媒は、反応に関与しなけれ
ばとくに限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロ
リド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;酢
酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;エーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘ
キサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;又は
ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類を挙げる
ことができるが、好適には、エーテル類(特に、テトラ
ヒドロフラン)、ハロゲン化炭化水素類(特に、メチレ
ンクロリド)、アミド類(特に、ジメチルホルムアミ
ド)、エステル類(特に、酢酸エチル)である。反応温
度は、通常、0℃乃至150℃(好適には、0℃乃至5
0℃)であり、反応に要する時間は、反応温度等によっ
て異なるが、通常、3時間乃至20時間である。
【0035】また、アシル化剤として、カルボン酸自体
を使用する場合には、カルボン酸を反応性誘導体にした
後に、ラセミ体(II)と反応させることによっても製
造される。カルボン酸の反応性誘導体は、例えば、酸ク
ロリド、酸ブロミドのような酸ハライド;酸アジド;N
−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスク
シイミド等との活性エステル;使用されるカルボン酸の
酸無水物;又はモノメチル炭酸エステル、モノエチル炭
酸エステル、モノイソブチル炭酸エステルのようなモノ
−C1 −C4 アルキル炭酸エステルもしくはモノフェニ
ル炭酸エステル、モノトリル炭酸エステルのようなモノ
アリール炭酸エステルとの混合酸無水物をあげることが
できるが、好適には、アルキル炭酸エステル類との混合
酸無水物である。そして、酸ハライド、酸無水物のよう
なカルボン酸の反応性誘導体は、常法、例えば、カルボ
ン酸を、不活性溶剤中(例えば、メチレンクロリド、ベ
ンゼン、ストラヒドロフラン等)、必要に応じて塩基の
存在下(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチ
ルアニリン等)、相当するハライド(例えば、チオニル
クロライド、チオニルブロマイド、目的とするカルボン
酸の酸クロライド若しくは酸ブロマイド、メチル クロ
ル炭酸エステル、エチル クロル炭酸エステル、イソブ
チル クロル炭酸エステル、フェニル クロル炭酸エス
テル、トリル クロル炭酸エステル等)と、20℃乃至
100℃で、1時間乃至20時間反応させることによっ
て行われる。又、酸アミド、活性エステルのようなカル
ボン酸の反応性誘導体は、カルボン酸を、相当する化合
物(例えば、アジ化水素、N−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール、N−ヒドロキシスクシイミド等)と、前述のカ
ルボン酸とラセミ体(II)からアミド結合を製造させ
る反応と同様に反応させて製造することができる。
【0036】尚、本反応に使用されるアシル化剤は、例
えば、(+)−又は(−)−α−メトキシ−α−トリフ
ルオロメチル−フェニル酢酸、(+)−又は(−)−α
−メトキシ−α−メチル−フェニル酢酸、(+)−又は
(−)−フェニルエタンスルホン酸、(+)−又は
(−)−シス−2−ベンツアミドシクロヘキサンカルボ
ン酸、(+)−又は(−)−2,2′−(1,1′−ビ
ナフチル)リン酸、及びこれら酸の酸クロリドあるいは
(+)−又は(−)−トランス−1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸無水物であり得、好適には、(+)−又
は(−)−α−メトキシ−α−トリフルオロメチル−フ
ェニル酢酸クロリドあるいは(+)−又は(−)−α−
メトキシ−α−メチル−フェニル酢酸クロリドである。
【0037】化合物(II)のアシル体を光学分割する
工程は、常法、例えば、再結晶、カラムクロマトグラフ
ィー(好適には、再結晶)を用いて行なわれる。
【0038】光学活性なアシル体を脱アシル化する反応
はアシル体を加水分解又は還元することによって達成さ
れる。
【0039】加水分解は、前記、化合物(I)におい
て、R1 が、式−A−COOR4 aを有する基(式中、A
及びR4 aは、前記と同意義を示す。)である化合物
(I’a)の加水分解と同様に行なわれる。
【0040】還元反応は、アシル体を不活性溶剤中、還
元剤と接触することによって行なわれる。使用される還
元剤は、例えば、リチウムアルミニウムヒドリド、ジイ
ソブチルアルミニウムヒドリド、リチウムトリ−t−ブ
トキシアルミニウムヒドリドであり得、好適には、ジイ
ソブチルアルミニウムヒドリドである。使用される不活
性溶剤は、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンのような炭化水素類、エーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類であり得、好適には、炭化水素類である。反応温度
は、通常、−110℃乃至−30℃(好適には、−78
℃乃至−50℃)であり、反応に要する時間は、反応温
度等によって異なるが、30分間乃至10時間(好適に
は、1時間乃至5時間)である。
【0041】第2の方法は、化合物Aのラセミ体を光学
分割して、脱メチル化する方法である。
【0042】化合物Aのラセミ体を光学分割する工程
は、不活性溶剤中、化合物Aのラセミ体を光学活性なカ
ルボン酸と処理して、ジアステレオマーの塩を製造し、
それを分離し、アルカリで処理することによって達成さ
れる。
【0043】ジアステレオマーの塩を製造する際に、使
用される光学活性なカルボン酸は、例えば、(+)−酒
石酸、(−)−ジベンゾイル酒石酸、(−)−ジトルオ
イル酒石酸、(−)−ジアセチル酒石酸、(−)−リン
ゴ酸、(+)−10−カンファースルホン酸、(+)−
カンファー酸、(−)−ピログルタミン酸、(+)−ア
スパラギン酸、(+)−フェニルエタンスルホン酸、
(+)−マンデル酸、(+)−シス−2−ベンズアミド
シクロヘキサンカルボン酸、(+)−2,2′−(1,
1′−ビナフチル)リン酸又はこれら酸の光学異性体で
あり得、好適には、(−)−ジベンゾイル酒石酸、
(−)−ジトルオイル酒石酸、(−)−ジアセチル酒石
酸又は(−)−リンゴ酸である。使用される不活性溶剤
は、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノールのようなアルコール類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン
のようなケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミドのようなアミド類、又はこれら溶剤の混合物
であり得、好適には、アルコール類である。化合物(I
I)の相当するラセミ体と酸の処理温度は、通常、室温
付近であり、処理時間は、10分間乃至2時間である。
【0044】ジアステレオマーの塩の分離は、常法、例
えば、ロ過、再結晶を用いて行なわれる。
【0045】光学活性な塩のアルカリ処理は、相当する
塩を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウムのようなアルカリの水溶液に溶解し、水不溶性の有
機溶剤で抽出し、溶剤を留去することによって行なわれ
る。
【0046】光学活性な化合物(II)の脱メチル化反
応は、公知の方法(例えば、Recl.Trav.Chim.Pays-Bas,
104, 259 (1985)等)と同様の方法に従って行なわれ
る。
【0047】また、化合物(II)の光学分割は、化合
物Aの光学分割と同様の方法によって行なわれ得る。
【0048】
【発明の効果】本発明のヘテロ四環系化合物は優れた、
抗ヒスタミン作用、抗アレルギー作用及び抗喘息作用を
有し、またSRS−A産生抑制作用をも有し、アレルギ
ー疾患又は喘息の予防、治療剤として有用である。
【0049】本発明の化合物(I)の投与形態として
は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくは
シロップ剤等による経口投与又は注射剤、噴霧剤、点眼
剤、貼付剤若しくは坐剤等による非経口投与を挙げるこ
とができる。これらの製剤は、賦形剤、結合剤、崩壊
剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等の添加剤を用いて周
知の方法で製造される。その使用量は、症状、年齢等に
より異なるが、1日0.01mg〜100mg(好まし
くは、0.1〜50mg)を成人に対して、1日1回又
は数回に分けて投与することができる。
【0050】以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明
を更に具体的に説明する。
【0051】
【実施例1】(R)−2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,
2−a]アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸エチル 以下のように、参考例65次いで参考例8と同様に反応
させ、目的化合物及びそのフマル酸塩を得た。
【0052】即ち、(R)−1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,
2−a]アゼピン0.987g、エチル(2−クロルエ
トキシ)酢酸エステル0.985g、炭酸ナトリウム
1.259g及び沃化ナトリウム0.035gを、4−
メチル−2−ペンタノン10ml中に加え、16時間加
熱還流した。濾過後、減圧濃縮して得られる残渣を、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル
−ヘキサン(2:1)で溶出して、目的化合物を淡黄色
液体として、1.365g(収率91%)を得た。 IRスペクトル,νmax cm-1(CHCl3) :1495, 1600, 17
50, 2820, 2950 〔α〕D 25 −303°(c=1.0,メタノール)フマル酸塩 上記、得られた化合物をエタノールに溶解し、当モルの
フマル酸のエタノール溶液を加え、減圧濃縮後、酢酸エ
チルを加えて、目的化合物のフマル酸塩を得た。 融点:128−130℃ 〔α〕D 25 −241°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド)。
【0053】(R)−1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−
a]アゼピンと相当するブロモエチルエステルを用い
て、実施例1と同様に反応して、実施例2及び3の化合
物を得た。
【0054】
【実施例2】(R)−4−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,
2−a]アゼピン−2−イル)ブタン酸エチル 収率:99% IRスペクトル,νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1600, 17
30, 2830, 2960 〔α〕D 25 −296°(c=1.0,メタノール)フマル酸塩 融点:139−141℃ 〔α〕D 25 −216°(c=1.0,メタノール)
【0055】
【実施例3】(R)−6−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,
2−a]アゼピン−2−イル)ヘキサン酸エチル 収率:98% IRスペクトル,νmax cm-1(CHCl3) :1495, 1600, 17
30, 2840, 2955 〔α〕D 25 −283°(c=1.0,メタノール)
【0056】
【実施例4】(R)−2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,
2−a]アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸 (R)−2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサ
ヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]アゼ
ピン−2−イル)エトキシ酢酸エチルを用いて、参考例
66と同様に反応して、目的化合物の1水和物を88%
の収率で得た。 融点:104−107℃ 〔α〕D 25 −322°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド) 実施例1の後段又は参考例24の方法に従って以下の塩
を得た。フマル酸塩 融点:154−156℃ 〔α〕D 25 −207°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド)塩酸塩 融点:209−211℃ 〔α〕D 25 −225°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド)。
【0057】相当するエステルを用いて、参考例66次
いで参考例24と同様にして、実施例5の化合物を得
た。
【0058】
【実施例5】(R)−6−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,
2−a]アゼピン−2−イル)ヘキサン酸・塩酸塩 収率:92% 融点:243−250℃(分解) 〔α〕D 25 −254°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド)
【0059】
【参考例1】エチル(2−クロルエトキシ)酢酸エステ
ジメチルホルムアミド350mlに、2−クロロエタノー
ル50g及びブロモ酢酸エチル104gを加え、−50
℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%油性)25.
0gをジメチルホルムアミド100mlに懸濁させた混合
物を、−45°〜−40℃で滴下した。同温度で1時間
攪拌し、−30°〜−25℃で2時間次いで−5〜+5
℃で1時間攪拌した。室温で2時間攪拌後、減圧濃縮
し、残留物にトルエン1lを加え水洗した。溶媒留去
後、減圧蒸留して無色液体の目的化合物77.6g(収
率75%)を得た。 沸点:57−58°/2.5mmHg NMRスペクトル δppm (CDCl3) :1.30(3H,t,J=7.0H
z), 3.70(2H,t,J=4.5Hz), 3.84(2H,t,J=4.5Hz), 4.15(2
H,s), 4.22(2H,q,J=7.0Hz)
【0060】
【参考例2】エチル(2−クロルエトキシ)酢酸エステ
アセトン1050mlとジョーンズ試薬(濃硫酸115ml
と水を加え、無水クロム酸133.5gを溶解し、全量
を500mlに調整した溶液)240mlを混合し、−5℃
に冷却した。2−(2−クロルエトキシ)エタノール3
0gのアセトン300ml溶液を、−5〜0℃で滴下し
た。同温度で30分間攪拌後、イソプロピルアルコール
150mlを加え、室温で1時間攪拌した。濾過し、母液
を濃縮した後、重曹水を加えて、pH3に調整し、酢酸エ
チルで抽出し、溶剤を留去して、(2−クロルエトキ
シ)酢酸を淡緑色液体として、24.9g(収率75
%)得た。(2−クロルエトキシ)酢酸24.9gを2
50mlのエタノールに溶解し、塩酸ガスを導入して3時
間加熱還流した。濃縮し、溶媒を留去後、蒸留して、沸
点96℃/14mmHgを有する目的物を無色液体とし
て、29.2g(収率95%)得た。
【0061】
【参考例3】(R)−1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−
a]アゼピン 3(a) エチル (R)−(1,2,3,4,10,14b−ヘ
キサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]
アゼピン−2−イル)カルボキシレート (R)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ
−2−メチルジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−
a]アゼピンを用いて、参考例69(a)と同様に反応
して、目的化合物を収率98%で得た。 IRスペクトル,νmax cm-1(CHCl3) :1240, 1435, 14
95, 1600, 1690, 3010 〔α〕D 25 −255°(c=1.0,メタノール)3(b) (R)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ
ジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]アゼピン エチル (R)−(1,2,3,4,10,14b−ヘ
キサヒドロベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]ア
ゼピン−2−イル)カルボキシレートを用いて、参考例
69(b)と同様に反応して、目的化合物を収率95%
で得た。 融点:122−124℃ 〔α〕D 25 −486°(c=1.0,メタノール)
【0062】
【参考例4】(R)−1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン 1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン10.81
g及びトリエチルアミン8.77gをクロロホルム90
mlに溶解させ、α−メトキシ−α−(トリフルオロメ
チル)フェニル酢酸クロリド12.01gを、氷冷下撹
拌しながら、15分間で滴下し、0〜5℃で1時間撹拌
した。水を加えて、クロロホルムで抽出し、溶剤を留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出溶剤:酢酸エチル/ヘキサン=1/19)で精製し
て、極性の低い物質を無色針状晶として8.39g〔収
率42%、融点159−161℃、〔α〕D 25+171
°(C=1.0,ジメチルホルムアミド)〕及び極性の
高い物質を無色プリズム晶として9.06g〔収率45
%,融点224−227℃、〔α〕D 25−211°(C
=1.0,ジメチルホルムアミド)〕を得た。ジイソブ
チルアルミニウムヒドリドの1.5Mトルエン溶液2
3.7mlを、−60℃で、上記極性の高い物質9.0
0gのトルエン140ml溶液中に40分間で滴下し
た。同温度で1.5時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム
水溶液を滴下し、室温にまで昇温した。不溶物を濾過
し、母液をトルエンで抽出し、溶剤を留去して、得られ
る残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、メタ
ノール−メチレンクロライドで(1:19)溶出して、
(R)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ
ジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン
3.12g(収率65%)を得た。 融点:129−131℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1489, 2791, 289
8, 3189 〔α〕D 25−483°(C=1.0,ジメチルホルムア
ミド)
【0063】
【参考例5】(R)−1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロ−2−メチルベンゾ[c,f]ピラジノ
[1,2−a]アゼピン 1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−2−メ
チルジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]アゼピ
ン15gをメタノール180mlに溶解し、ジベンゾイル
−L−酒石酸10.8gのメタノール20ml溶液を加え
た。析出する結晶を濾過、乾燥して塩を得た[融点:1
86℃(分解)、〔α〕D 25 −266°(c=1.0,
ジメチルホルムアミド)]。この塩を、10%炭酸カリ
ウム水溶液に懸濁し、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留
去して、(R)−1,2,3,4,10,14b−ヘキ
サヒドロ−2−メチルジベンゾ[c,f]ピラジノ
[1,2−a]アゼピン4.62g(収率31%)を得
た[〔α〕D 25 −457°(c=1.0,メタノー
ル)]。
【0064】
【参考例6】(R)−1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロ−2−メチルジベンゾ[c,f]ピラジノ
[1,2−a]アゼピン 1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
[c,f]ピラジノ[1,2−a]アゼピン5.0g
を、エタノール180mlに溶解し、ジアセチル−L−酒
石酸2.66gのエタノール20ml溶液を加えた。析出
した結晶を濾取し、乾燥して塩を得た[融点:188−
189℃(分解)、〔α〕D 25 +274°(c=1.
0,ジメチルホルムアミド)]。この塩をメタノールか
ら再結晶した後、10%炭酸カリウム水溶液に懸濁し、
酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去して(R)−1,
2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−2−メチル
ジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]アゼピン
1.5g(収率30%)を得た。 〔α〕D 25 +477°(c=1.0,メタノール) 上記メタノール再結晶後の母液を濃縮し、得られた油状
物を上記と同様に炭酸カリウムと処理し、(R)−及び
(S)−体の混合物2.73gを得た。
【0065】
【参考例7】(R)−1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−
a]アゼピン 1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
[c,f]ピラジノ[1,2−a]アゼピンのラセミ体
100.0gを、メタノール2.0 lに溶解し、60
°に加温し、攪拌しながら、ジベンゾイル−L−酒石酸
71.7gのメタノール500ml溶液を加えた。冷却
後、析出した結晶を濾取し、乾燥して60.0gの塩を
得た[融点:180℃(分解),〔α〕D 25 +185°
(c=1.0,ジメチルホルムアミド)]。
【0066】この塩を、10%炭酸水素ナトリウム水溶
液に懸濁させ、60℃に加温し、トルエンで抽出した。
溶媒を留去して、(S)−1,2,3,4,10,14
b−ヘキサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2
−a]アゼピンの粗製結晶37.0g(収率37%)を
得た[〔α〕D 25 +478°(c=1.0,ジメチルホ
ルムアミド)]。
【0067】得られた結晶37.0gを、再度ジベンゾ
イルL−酒石酸48.0gを用いて塩を得、上記と同様
に処理し、(S)−1,2,3,4,10,14b−ヘ
キサヒドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]
アゼピン23.0gを得た。 収率:23% 融点:130.0℃ 〔α〕D 25 +520°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド) 塩を採取した濾液を合わせて、溶媒を留去した後、残留
物にトルエンと10%炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、加温してトルエンで抽出した。溶媒留去して得た油
状物を、メタノール1.5 lに溶解し、60℃に加温
し、攪拌しながら、ジベンゾイル−D−酒石酸71.7
gのメタノール500ml溶液を加えた。冷却後、析出し
た結晶を濾取し、乾燥して塩64.6gを得た。 融点:161℃(分解) 得られた塩を、10%炭酸水素ナトリウム水溶液に懸濁
させ、60℃に加温し、トルエンで抽出した。溶媒を留
去して、(R)−1,2,3,4,10,14b−ヘキ
サヒドロベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]アゼ
ピンの粗製結晶37.3gを得た。 〔α〕D 25 −265°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド) 得られた粗製結晶37.3gをメタノール740mlに溶
解し、60℃に加温し、攪拌しながら、ジベンゾイル−
D−酒石酸40.0gのメタノール180ml溶液を加え
た。冷却後、析出した結晶を濾取し、乾燥して塩を得
た。 融点:187.0℃(分解) 〔α〕D 25 −260°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド) ここで得られた塩を10%炭酸水素ナトリウム水溶液に
懸濁させ、60℃に加温し、トルエンで抽出した。溶媒
を留去して、結晶26.0gを得た。 収率:26% 融点:128.0℃ 〔α〕D 25 −510°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド) 得られた結晶を、再度、上記と同様の処理を行ない、酢
酸エチルを用いて晶析させて、光学純度100%ee
の、(R)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒ
ドロジベンゾ[c,f]ピラジノ[1,2−a]アゼピ
ンの結晶を得た。 融点:130.5℃ 〔α〕D 25 −523°(c=1.0,ジメチルホルムア
ミド)
【0068】
【参考例8】2−(1,2,3,4,10,14b−ヘ
キサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕
アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸エチル 4−メチル−2−ペンタノン80ml中に、1,2,
3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,
f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン2.5g、2−ク
ロルエトキシ酢酸エチル2.4g、炭酸ナトリウム3.
82g及びヨウ化ナトリウム0.14gを加え、18時
間加熱還流した。濾過後、溶媒を留去して得られる残留
物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル
で溶出して淡褐色油状物3.2g(収率84%)を得
た。 スペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1750, 2830,
2950 標記化合物のエタノール溶液に当モルの蓚酸を加え、室
温で30分間撹拌した。溶剤を減圧で留去して、エタノ
ールより再結晶して、蓚酸塩を得た。 融点:141−144℃
【0069】
【参考例9】2−(1,2,3,4,10,14b−ヘ
キサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕
アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸 エタノール20ml中に、2−(1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸エチ
ル3.2gを溶解し、10%水酸化ナトリウム7mlと
水10mlとを加えて室温で1時間撹拌した。容量が約
1/2になるまで濃縮し、pH4.0に調整した。クロ
ロホルムで抽出して泡状物2.96g(収率:定量的)
を得た。水から再結晶して無色針状晶を得た。 融点:135℃(分解) IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1426, 1450, 149
1, 1602, 2820, 2940 参考例8と同様にして、下記の塩を合成した。 ナトリウム塩 融点:140−145℃(分解) フマル酸塩 融点:187−188℃(分解) 蓚 酸 塩 融点:184−186℃(分解)
【0070】
【参考例10】2−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸メチル 10(a) 2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジ
ベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2
−イル)エタノール エタノール30ml中に、1,2,3,4,10,14
b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2
−a〕アゼピン2g、2−クロロエタノール0.84
g、炭酸カリウム3.09g及びヨウ化ナトリウム0.
13gを加え、16時間加熱還流した。濾過後、溶媒を
留去して目的物を1.81g(収率77%)を得た。 融点:123−125℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1446, 1491, 281
0, 3300, 3380 参考例24と同様にして、塩酸塩を得た。 融点:252−254℃(分解)10(b) 1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イル
酢酸エチル 4−メチル−2−ペンタノン20ml中に、1,2,
3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,
f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン0.546g、ブ
ロモ酢酸エチル0.437g、炭酸ナトリウム0.69
2g及びヨウ化ナトリウム0.016gを加え、16時
間加熱還流した。水を加え酢酸エチルで抽出して得られ
た残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン−酢酸エチル(4:1)で溶出して淡黄色液体0.
602g(収率82%)を得た。参考例24と同様にし
て、塩酸塩を合成した。 融点:187−190℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1450, 1550, 160
0, 1745, 2870, 295010(c) 2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジ
ベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2
−イル)エタノール テトラヒドロフラン15ml中に、1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル酢酸エチル2.22
gを溶解し、氷冷却下、テトラヒドロフラン20mlに
水素化アルミニウムリチウム0.251gを懸濁した液
を窒素気流下10分間で加えた。0℃で30分間撹拌
後、室温で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水2
mlを加え濾過後、酢酸エチルで抽出後、水洗し溶媒留
去して目的物1.65g(収率85%)を得た。 融点:123−125℃10(d) 1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イ
ル)エトキシ酢酸メチル 2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジ
ベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2
−イル)エタノール1.5gを窒素気流中でトルエン2
0mlに溶解し、55%水素化ナトリウム0.478g
を加え40℃で2時間撹拌した。氷冷却しブロモ酢酸メ
チル0.924gを追加後、40℃で4時間撹拌した。
濾過し母液を濃縮して得られる残留物をシリカゲルクロ
マトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(1:
1)で溶出して油状物0.58g(収率31%)を得
た。 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 1755, 2820, 2950,3000 参考例8と同様にして、フマル酸塩を合成した。 融点:135℃(分解)
【0071】
【参考例11】2−(8−クロロ−1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕−アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸エ
チル 8−クロロ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒ
ドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕−アゼ
ピンを使用する他、参考例8と同様にして、目的化合物
を52%の収率で得た。 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1490, 1600, 17
45, 2820, 2950 参考例8と同様にして、蓚酸塩を得た。 融点:191−192℃(分解)
【0072】
【参考例12】2−(8−ブロモ−1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸メチ
8−ブロモ−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒ
ドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピ
ン及び2−クロロエトキシ酢酸メチルを使用する他、参
考例8と同様にして、目的化合物を38%の収率で得
た。 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1455, 1490, 17
15, 1760, 2850, 2975 参考例8と同様にして、蓚酸塩を得た。 融点:183−185℃(分解)
【0073】
【参考例13】2−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)
エチル〕−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒド
ロジベンゾ〔c,f〕−ピラジノ〔1,2−a〕アゼピ
2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルクロリドを使用
する他、参考例8と同様にして、目的化合物を65%の
収率で得た。 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1455, 1500, 16
00, 2850, 2960 参考例8と同様にして、フマル酸塩を得た。 融点:145−159℃(分解)
【0074】
【参考例14】2−{2−〔2−(2−ヒドロキシエト
キシ)エトキシ〕エチル}−1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン 2−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕エチ
ルクロリドを使用する他、参考例8と同様にして、目的
化合物を83%の収率で得た。参考例8と同様にして、
蓚酸塩を得た。 融点:82−85℃(分解)
【0075】
【参考例15】2−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロベンゾ〔c〕ピラジノ〔1,2−a〕ピリ
ド〔5,6−c〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸メ
チル 1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロベンゾ
〔c〕ピラジノ〔1,2−a〕ピリド〔5,6−c〕ア
ゼピンと2−クロロエトキシ酢酸メチルを使用する他、
参考例8と同様にして、目的化合物を67%の収率で得
た。 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1455, 1595, 17
55, 2970 参考例8と同様にして、蓚酸塩を得た。 融点:130−132℃(分解)。
【0076】参考例11,12及び15の化合物を用い
て、参考例9と同様にして、参考例16−18の化合物
を製造した。
【0077】
【参考例16】2−(8−クロロ−1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸 収率:94% IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1488, 1586, 236
0, 2480, 2840, 2900, 2950蓚酸塩 融点:167−169℃(分解)
【0078】
【参考例17】2−(8−ブロモ−1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸 収率:定量的 IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1426, 1450, 149
0, 1600, 2830, 2940蓚酸塩 融点:177−178℃(分解)
【0079】
【参考例18】2−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロベンゾ〔c〕ピラジノ〔1,2−a〕ピリ
ド〔5,6−c〕−アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸 収率:72% IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1445, 1500, 160
0, 2460, 2970蓚酸塩 融点:197−198℃(分解)。
【0080】参考例13及び14の化合物を用いて、参
考例10(d)と同様にして、参考例19−20の化合
物を得た。
【0081】
【参考例19】2−〔2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕エトキシ酢酸
エチル 収率:35% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1600, 17
50, 2825, 2950, 3010 マススペクトル(m/z):424(56,M+), 263(100)
【0082】
【参考例20】2−{2−〔2−(1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕エトキ
シ}エトキシ酢酸エチル 収率:24% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1490, 16
00, 1750, 2820 マススペクトル(m/z):468(29,M+), 263(100)。
【0083】参考例19及び20の化合物を用いて、参
考例9と同様にして、参考例21−22の化合物を得
た。
【0084】
【参考例21】2−〔2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕エトキシ酢酸 収率:定量的 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1455, 1500, 16
00, 1740, 2460, 2980フマル酸塩 融点:169−172℃(分解)
【0085】
【参考例22】2−{2−〔2−(1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕エトキ
シ}エトキシ酢酸 収率:97% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1455, 1495, 16
00, 2810, 2960, 3010塩酸塩 融点:130−133℃(分解)
【0086】
【参考例23】3−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)プロパノール エタノール30ml中に1,2,3,4,10,14b
−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン1.5g、3−クロロプロパノール0.7
4g、炭酸カリウム2.32g及びヨウ化ナトリウム
0.10gを加え、20時間加熱還流した。濾過後、溶
媒を留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、5%エタノール−クロロホルムで
溶出して得られる結晶を酢酸エチルで再結晶して、目的
物1.28g(収率69%)を得た。 融点:127−128℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1448, 1492, 282
1, 2895, 2956, 3194
【0087】
【参考例24】4−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ブタノール 4−クロロブタノールを使用する他、参考例23と同様
にして、目的化合物を51%の収率で得た。 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 2830, 2950 標記化合物の酢酸エチル溶液に、4規定の塩酸の酢酸エ
チル溶液を加え、溶剤を減圧で留去して、塩酸塩を得
た。 融点:233−235℃(分解)
【0088】
【参考例25】6−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ヘキサノール 6−クロロヘキサノールを使用する他、参考例23と同
様にして、目的化合物を34%の収率で得た。 IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1440, 1494, 159
0, 2813, 2837, 2944, 3204 参考例24と同様にして、塩酸塩を得た。 融点:192−193℃(分解)。
【0089】相当するブロモエチルエステルを用いて、
参考例10(b)と同様にして、参考例26−28の化
合物を得た。
【0090】
【参考例26】エチル 4−(1,2,3,4,10,
14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)ブタノエート 収率:94% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1500, 16
00, 1735, 2840, 2960参考例8と同様にして、フマル酢
酸を得た。 融点:139−140℃
【0091】
【参考例27】エチル 5−(1,2,3,4,10,
14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)ペンタノエート 収率:97% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 1730, 2820, 2950 参考例24と同様にして、塩酸塩を得た。 融点:167−169℃
【0092】
【参考例28】エチル 6−(1,2,3,4,10,
14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エキサノエート 収率:99% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 1730, 2800, 2950 参考例8と同様にして、塩酸塩を得た。 融点:150−152℃。
【0093】参考例26,27及び28の化合物を使用
して、参考例9及び参考例24と同様に反応を行い、参
考例29−31の化合物を得た。
【0094】
【参考例29】4−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ブタン酸 収率:63%塩酸塩 融点:188−189℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1447, 1492, 159
5, 1729, 2362, 2949, 2981
【0095】
【参考例30】5−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ペンタン酸 収率:54% 融点:240−243℃(分解) IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1445, 1492, 174
4, 2596, 2683, 2939, 3020
【0096】
【参考例31】6−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ヘキサン酸 収率:定量的 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1500, 16
00, 1720, 2450, 2970塩酸塩 融点:193−195℃(分解)
【0097】
【参考例32】6−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ヘキシルオキシ酢酸エチル 6−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジ
ベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2
−イル)ヘキサノール0.40gを窒素気流中でトルエ
ン10mlに溶解し、55%水素化ナトリウム0.06
0gを加え、40℃で2時間撹拌した。氷冷却し、ブロ
モ酢酸メチル0.229gを添加後、40℃で4時間撹
拌した。濾過し、母液を濃縮して得られる残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−
ヘキサン(1:1)で溶出して、目的の油状物90mg
(収率18%)を得た。 NMRスペクトル δppm (CDCl3) :1.26(3H,t), 1.53
-1.72(8H,m), 2.31-2.45(4H,m), 2.94(2H,d,d), 3.26-
3.37(3H,m), 3.56-3.63(2H,m), 4.06-4.25(4H,m),4.82
(1H,d), 6.86(1H,t), 7.01-7.20(8H,m) IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1445, 1490, 15
95, 1745, 2800, 2925
【0098】
【参考例33】2−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸アミド 2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジ
ベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2
−イル)エトキシ酢酸0.358gとトリエチルアミン
0.11gをテトラヒドロフラン15mlに加え、クロ
ルギ酸エチル0.11gのテトラヒドロフラン(2m
l)溶液を氷冷下滴下し、30分間撹拌した。氷冷下2
8%アンモニウム水溶液(2ml)を加え、室温で30
分間撹拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出し、濃
縮して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、5%メタノール−ジクロロメタン溶液で
溶出して、目的物0.29g(収率82%)を得た。 融点:65−68℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1450, 1492, 168
4, 2814, 2942, 3100,3276。
【0099】相当するアミンを用いて、参考例33と同
様に反応させ、参考例34〜36の化合物を得た。
【0100】
【参考例34】α−〔2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕−N,N−ジ
メチルアセトアミド 収率:79% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 1645, 2820, 2950,3005 参考例24と同様にして、塩酸塩を得た。 融点:80−82℃(分解)
【0101】
【参考例35】α−〔2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕−N−フェニ
ルアセトアミド 収率:74% 融点:132−133℃ IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1445, 1490, 15
30, 1600, 1680, 2820,2950, 3400
【0102】
【参考例36】N−ベンジル−α−〔2−(1,2,
3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,
f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エト
キシ〕アセトアミド 収率:74% 融点:92−93℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1453, 14
91, 1516, 1676, 2813, 293
【0103】
【参考例37】N−シクロヘキシル−2−(1,2,
3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,
f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エト
キシ酢酸アミド 2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジ
ベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2
−イル)エトキシ酢酸0.358g、シクロヘキシルア
ミン0.1g及びトリエチルアミン0.11gをテトラ
ヒドロフラン10ml中に加え、ジエチルシアノホスホ
ネート0.17gを氷冷下滴下した後、室温で5時間撹
拌した。水を加え、ジクロロメタンで抽出し、濃縮して
得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、10%エタノール−酢酸エチルで溶出して、目的
物0.4g(収率91%)を得た。 参考例24と同様にして、塩酸塩を得た。 融点:110−112℃(分解) IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1449, 1493, 15
37, 1663, 2853, 2931,3258。
【0104】相当するアミンを用いて、参考例37及び
参考例24と同様にして、参考例38−46の実施例の
化合物を得た。
【0105】
【参考例38】α−〔2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕−N,N−ジ
プロピルアセトアミド 収率:61% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1455, 1500, 16
45, 2845, 2900, 2980,3020塩酸塩 融点:82−84℃
【0106】
【参考例39】N−t−ブチル−α−〔2−(1,2,
3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,
f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エト
キシ〕アセトアミド 収率:53% 融点:115−116℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1449, 1491, 152
3, 1673, 2804, 2951, 2969, 3401
【0107】
【参考例40】N−シクロプロピル−α−〔2−(1,
2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イ
ル)エトキシ〕アセトアミド 収率:83% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 1670, 1720, 2830,3000, 3440
【0108】
【参考例41】N−シクロブチル−α−〔2−(1,
2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イ
ル)エトキシ〕アセトアミド 収率:88% 融点:113−115℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1445, 1491, 150
8, 1651, 2806, 2947, 3246
【0109】
【参考例42】N−シクロペンチル−α−〔2−(1,
2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イ
ル)エトキシ〕アセトアミド 収率:88% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 15
30, 1600, 1665, 2825,2960, 3220塩酸塩 融点:124−127℃(分解)
【0110】
【参考例43】N−シクロヘプチル−α−〔2−(1,
2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ
〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イ
ル)エトキシ〕アセトアミド 率:定量的 融点:97−99℃ IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 15
30, 1600, 1665, 2860,2945, 3330
【0111】
【参考例44】4−〔2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシアセチル〕モル
ホリン収率:84% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 1640, 1730, 2820,2860塩酸塩 融点:110−112℃(分解)
【0112】
【参考例45】N−(2−ジメチルアミノエチル)−α
−〔2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒド
ロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン
−2−イル)エトキシ〕アセトアミド 収率:84% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 15
30, 1600, 1670, 2840,2960, 34302塩酸塩 融点:133−135℃(分解)
【0113】
【参考例46】N−〔2−(4−p,p′−ジフルオロ
ベンツヒドリルピペラジン−1−イル)エチル〕−α−
〔2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ
ジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−
2−イル)エトキシ〕アセトアミド 収率:93% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 15
05, 1605, 1665, 2820,2950, 34103塩酸塩 融点:176−178℃(分解)
【0114】
【参考例47】2−(2,3−ジヒドロキシプロピル)
−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベン
ゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン エタノール2ml中に1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン1gを溶解し、氷冷下でグリシドール0.
41gの水0.9ml混合液を加えた。室温で5時間撹
拌後、濃縮して得られる残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、酢酸エチル−エタノール(1
0:1)で溶出して目的物の無色泡状物0.72g(5
6%)を得た。 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1455, 1
500, 1605, 1740, 2850, 29
80,3040 また、参考例24と同様にして、目的物の塩酸塩を得
た。 融点:205−207℃(分解)
【0115】
【参考例48】2−(3−クロル−2−ヒドロキシプロ
ピル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ
ジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン エタノール4.5mlに1,2,3,4,10,14b
−ヘキサヒドロベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン1.5gを加え、氷冷下、さらにエピクロ
ルヒドリン0.832gを加えた。室温で5時間撹拌
後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
しヘキサン−酢酸エチル(1:1)で溶出し、目的物の
無色泡状物1.56g(収率76%)を得た。 IRスペクトル νmax cm−1 (CHC
):1498, 1600, 3200 NMRスペクトル(CDCl3)δppm :2.30〜3.20(5H,m),
3.20〜3.50(3H,m), 3.50〜3.70(2H,d), 3.78〜4.25(2H,
m), 4.82(1H,d), 6.70〜7.40(9H,m)
【0116】
【参考例49】2−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノ
プロピル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒ
ドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピ
4−メチル−2−ペンタノン10ml中に2−(3−ク
ロル−2−ヒドロキシプロピル)−1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン0.5g、炭酸ナトリウム2.
7g、ヨウ化ナトリウム0.014g及びモルホリン
0.254gを加え2時間加熱還流した。濾過し、母液
を濃縮して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、酢酸エチルで溶出して目的物の無色
泡状物0.50g(収率87%)を得た。 IRスペクトル νmax cm-1 (Nujol):1454, 1491, 28
53, 2951, 3400 また、参考例24と同様にして、目的物の塩酸塩を得
た。 融点:223−226℃(分解)。
【0117】相当するアミンを用いて、参考例49次い
で参考例8若しくは参考例24と同様に反応を行い、参
考例50−53の化合物を得た。
【0118】
【参考例50】2−〔3−(4−p−クロロベンツヒド
リルピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロピ
ル〕−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジ
ベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン 収率:99% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1455, 1495, 16
00, 2830, 2950, 3400塩酸塩 融点:213−215℃(分解)
【0119】
【参考例51】2−(2−ヒドロキシ−3−シクロヘキ
シルアミノプロピル)−1,2,3,4,10,14b
−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン 収率:87% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 2850, 2940, 3400マレイン酸塩 融点:195−197℃(分解)
【0120】
【参考例52】2−(3−t−ブチルアミノ−2−ヒド
ロキシプロピル)−1,2,3,4,10,14b−ヘ
キサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕
アゼピン収率:64% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1450, 1495, 16
00, 2830, 2960, 3350マレイン酸塩 融点:171−173℃
【0121】
【参考例53】2−(2−ヒドロキシ−3−フェニルア
ミノプロピル)−1,2,3,4,10,14b−ヘキ
サヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕ア
ゼピン 収率:69%塩酸塩 融点:223−226℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1445, 1493, 160
3, 2608, 2712, 2969, 3319
【0122】
【参考例54】2−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸エチル 2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジ
ベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン−2
−イル)エトキシ酢酸0.5gを2%エタノール含有ク
ロロホルム10mlに加え、氷冷下クロル炭酸エチル
0.11gを追加し1時間撹拌した。水洗し溶媒留去し
て得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付
し酢酸エチルで溶出して、無色液体として0.25g得
た。生成物は参考例8で合成した化合物とIRスペクト
ルが一致した。参考例24と同様にして、目的物の塩酸
塩を合成した。 融点:170−171℃。
【0123】相当するクロロエトキシ化合物を用いて、
参考例15と同様に反応して、参考例55−56の化合
物を得た。
【0124】
【参考例55】2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル
−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロジベン
ゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕ピリド〔5,6−
c〕アゼピン 収率:84% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1440, 1590, 17
30, 2820, 2870, 2950,3300塩酸塩 融点:132−135℃(分解)
【0125】
【参考例56】2−{2−〔2−(2−ヒドロキシエト
キシ)エトキシ〕エチル}−1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c〕ピラジノ〔1,2−
a〕ピリド〔5,6−c〕アゼピン・2塩酸塩 収率:定量的 融点:102−104℃(分解) IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1440, 1590, 17
05, 2870, 2950, 3450
【0126】
【参考例57】3−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)プロピルカルバメート 塩化メチレン20ml中に3−(1,2,3,4,1
0,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)プロパノール40
0mgを溶解し、氷冷下でトリクロロアセチルイソシア
ネート0.2mlを加えた。室温で2時間撹拌後、濃縮
し、得られる残留物をメタノール22mlに溶解しシリ
カゲル9.0gを加えて室温で15時間撹拌した。セラ
イト濾過後、濃縮し得られる残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、酢酸エチルで溶出して得ら
れる結晶を酢酸エチルで再結晶して、目的物260mg
(収率59%)を得た。 融点:160−161℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1638, 17
22, 3119, 3313
【0127】
【参考例58】2−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)エチル カルバメート 相当するアルコールを用いて、参考例57と同様に反応
して、目的物を収率62%で得た。 融点:182−184℃(分解) IRスペクトル νmax cm−1 (KBr):16
11, 1695, 1723, 3278, 3396。
【0128】相当するクロロエステルを用い、参考例8
と同様にして、参考例59−64の化合物を得た。
【0129】
【参考例59】3−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)プロポキシ酢酸エチル 収率:46% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1600, 17
55, 2830, 2970蓚酸塩 融点:102−104℃
【0130】
【参考例60】4−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ブトキシ酢酸エチル 収率:50% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1500, 1600, 17
50, 2840, 2960蓚酸塩 融点:157−160℃
【0131】
【参考例61】6−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ヘキシルオキシ酢酸メチル 収率:72% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1600, 17
50, 2830, 2950蓚酸塩 融点:140−141℃
【0132】
【参考例62】6−(1,2,3,4,10,14b−
ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン−2−イル)ヘキシルオキシ酢酸エチル 収率:75%蓚酸塩 融点:115−120℃
【0133】
【参考例63】2−〔2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕プロピオン酸
エチル 収率:77% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1600, 17
40, 2840, 2960蓚酸塩 融点:160−162℃(分解)
【0134】
【参考例64】2−〔2−(1,2,3,4,10,1
4b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,
2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ〕ブタン酸エチ
収率:68% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1
750, 2830, 2950蓚酸塩 融点:160−162℃(分解)
【0135】
【参考例65】(S)−2−〔2−(1,2,3,4,
10,14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジ
ノ〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸
チル (S)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ
ジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン3
2.48g、2−クロルエトキシ酢酸エチル22.7
g、炭酸ナトリウム48.9g及びヨウ化ナトリウム
0.79gを4−メチル−2−ペンタノン340ml中
に加え、16時間加熱還流した。濾過後、溶媒を留去し
て得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し酢酸エチル−ヘキサン(1:1)で溶出して目
的物の淡黄色液体44.85(収率91%)を得た。 IRスペクトル νmax cm−1 (CHC
):1495, 1600, 1750, 2820, 2950 〔α〕D 25+275°(C=1.0,メタノール)
【0136】
【参考例66】(S)−2−(1,2,3,4,10,
14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)エトキシ酢酸 (S)−2−(1,2,3,4,10,14b−ヘキサ
ヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼ
ピン−2−イル)エトキシ酢酸エチル44.85gをエ
タノール450mlに溶解し、10%水酸化ナトリウム
水溶液65mlと水200mlとを加え、室温で2時間
撹拌した。濃塩酸を加え、pH4に調整し、濃縮した。
析出する結晶を濾取し、水から再結晶して目的物の1水
和物39.20g(収率90%)を得た。 融点:105−108℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1446, 1492, 159
8, 1633, 3404, 3449 〔α〕D 25+325°(C=1.0,ジメチルホルムア
ミド)塩酸塩 目的化合物をエタノールに溶解し、10%塩酸−エタノ
ールを加え、減圧濃縮し、得られた残留物を水から再結
晶して目的化合物の塩酸塩を得た。 融点:210−212℃ 〔α〕D 25+230°(C=1.0,ジメチルホルムア
ミド)フマル酸塩 目的化合物をエタノールに溶解し、等モルのフマル酸の
エタノール溶液を加え、減圧濃縮後、酢酸エチルを加え
て、目的物の1/2フマル酸塩を得た。 融点:161−163℃ 〔α〕D 25+265°(C=1.0,ジメチルホルムア
ミド)。
【0137】相当するブロモエチルエステルを用いて、
参考例65次いで参考例24と同様にして、参考例67
−68の化合物を得た。
【0138】
【参考例67】(S)−4−(1,2,3,4,10,
14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)ブタン酸エチル 収率:97% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1680, 17
30, 2830, 2960 〔α〕D 25+301°(C=1.0,メタノール)フマル酸塩 融点:139−141℃ 〔α〕D 25+215°(C=1.0,メタノール)
【0139】
【参考例68】(S)−6−(1,2,3,4,10,
14b−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ
〔1,2−a〕アゼピン−2−イル)ヘキサン酸エチル 収率:98% IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1495, 1600, 17
30, 2840, 2955 〔α〕D 25+284°(C=1.0,メタノール)
【0140】
【参考例69】(S)−1,2,3,4,10,14b
−ヘキサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−
a〕アゼピン 69(a) エチル (S)−(1,2,3,4,10,14b−ヘ
キサヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕
アゼピン−2−イル)カルボキシレート クロルギ酸エチル6.8gを、トルエン50mlに加
え、80℃に加温し、(S)−1,2,3,4,10,
14b−ヘキサヒドロ−2−メチルジベンゾ〔c,f〕
ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン5.52gのトルエン
30ml溶液を10分間で滴下した。3時間加熱還流
後、析出物を濾去し、濾液を水洗した。濾液から溶媒を
留去して、目的物を淡黄色油状物として、6.57g
(収率98%)得た。 IRスペクトル νmax cm-1 (CHCl3):1240, 1435, 14
95, 1600, 1690, 3010 〔α〕D 25−286°(C=1.0,メタノール)69(b) (S)−1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ
ジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕アゼピン エチル (S)−1,2,3,4,10,14b−ヘキ
サヒドロジベンゾ〔c,f〕ピラジノ〔1,2−a〕ア
ゼピン−2−イル)カルボキシレート6.54gに、エ
チレングリコール85mlと水酸化カリウム10.2g
を含む水溶液34mlを加え、16時間加熱還流した。
氷水中にあけ、酢酸エチルで抽出し、溶剤を留去して、
目的物を無色結晶として、4.71g(収率93%)を
得た。 融点:122−124℃ IRスペクトル νmax cm-1 (KBr):1489, 2791, 289
9, 3191 〔α〕D 25+488°(C=1.0,メタノール)
【0141】
【試験例1】ラットの受身皮膚アナフィラキシー(PCA)
抑制効果 I.Mota [Immunoligy, ,681-699(1964)]の方法に従
い、卵白アルブミンに対するラットの抗血清(PCA 力価
256倍)を作成し、これを生理食塩水で4倍に希釈
し、各群4匹の雄性SDラット(5週令)背部皮内に
0.05ml注射して感作した。48時間後に本発明化合
物を、0.5%トラガント水溶液に懸濁して経口投与
し、投与60分後に0.4%卵白アルブミンと 1.0%
のエバンスブルーを含む生理食塩水混合液5ml/kg体重
を尾静脈より注射し、30分後にラットを炭酸ガスを用
いて致死に至らしめ、背部皮内に漏出したエバンスブル
ーを、Harada等の方法[J.Pharm.Phamac. 23, 218-219
(1971)]で測定した。本発明化合物を含まない対照群の
平均色素漏出量と比較して、抑制率を計算した。抑制率
は次の計算式により算出した。
【0142】抑制率(%)=(1−B/A)×100 A:対照群の漏出色素量 B:検体投与群の漏出色素量
【0143】
【表2】 ──────────────────────────────────── 化合物番号 塩 投与量(経口,mg/kg ) 抑制率(%) ──────────────────────────────────── 実施例4 水和物 0.4 58 0.05 45 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 化合物D −−− 3.1 30 化合物F −−− 3.1 52 化合物G* Na 3.1 28 ──────────────────────────────────── *)1,3,4,14b−テトラヒドロ−2H,10H
−ピラジノ[1,2−a]ピロロ[2,1−c][1,
4]ベンゾジアゼピン−2−イル酢酸・ナトリウム
【0144】
【試験例2】モルモットの抗原吸入時の気道収縮に対す
る効果 H.R.Morris[Br.J.Pharmac., 67, 179-184(1979)]の方法
により、アレルギー性喘息モデルを作成した。ハートレ
イ系雄性モルモット(体重400−500g)の皮下及
び腹腔内に、生理食塩水にとかした卵白アルブミン(Si
gma 社、grade 5)50mg/ml 溶液を0.5mlずつ一群
5匹に注射し、70日後再び先と同量の卵白アルブミン
で追加免疫を施し、更に8日後に実験に用いた。能動的
に感作したモルモットは実験前日に絶食を行ない、抗原
水溶液(10mg/ml)を噴霧投与すると、6分以内に気道
収縮による呼吸困難の痙攣症状(喘息症状)が発現し
た。被検薬物を経口投与し、60分後に抗原吸収し、6
分間に喘息症状を発現しないモルモットを有効と判定
し、有効率を求め、表示した。
【0145】
【表3】 ──────────────────────────────────── 化合物番号 塩 投与量(経口,mg/kg ) 抑制率(%) ──────────────────────────────────── 実施例4 水和物 0.1 60 ────────────────────────────────────
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯塚 義夫 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 山口 武 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔上記式中、 R1 は、式−A−COOR4 を有する基(式中、 Aは、酸素原子で中断されていてもよいC3 −C7 アル
    キレン基を示し、 R4 は、水素原子、C1 −C6 アルキル基、アリール基
    又はアラルキル基を示す。)を示す。〕を有する光学活
    性なカルボン酸アミド誘導体またはその薬理上許容され
    る塩。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物を有効成分として
    含有することを特徴とする抗アレルギー剤。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の化合物を有効成分として
    含有することを特徴とする抗喘息薬。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の化合物を有効成分とし、
    他の異性体を含有しない抗アレルギー剤。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の化合物を有効成分とし、
    他の異性体を含有しない抗喘息薬。
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