JPH06155489A - プラスチックレンズ製造方法およびプラスチックレンズ製造用鋳型のスペーサ - Google Patents

プラスチックレンズ製造方法およびプラスチックレンズ製造用鋳型のスペーサ

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JPH06155489A
JPH06155489A JP4315579A JP31557992A JPH06155489A JP H06155489 A JPH06155489 A JP H06155489A JP 4315579 A JP4315579 A JP 4315579A JP 31557992 A JP31557992 A JP 31557992A JP H06155489 A JPH06155489 A JP H06155489A
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liquid curable
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Yoshihiro Miura
義広 三浦
Kazuya Taki
和也 瀧
Hiroshi Niikura
宏 新倉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 白濁や脈理のない優れた光学性能と良好なレ
ンズ形状を有する眼鏡用プラスチックレンズの製造方法
及びプラスチックレンズ製造用鋳型のスペーサを得る。 【構成】 プラスチックレンズ成形材料である液状硬化
性化合物を、一対の成形用型とスペーサからなる鋳型内
に、スペーサの液状硬化性化合物との接液部を、ポリエ
チレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、のうちの少なくとも1種の高分子化合物を含む
面とした状態で注入して重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡用プラスチックレ
ンズの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、液状硬化性化合物を鋳型内に注入
して重合させる注型重合によって眼鏡用のプラスチック
レンズを製造する場合には、液状硬化性化合物として、
アリルジグリコールカーボネート(以下、ADCと記
す)が広く使用されている。
【0003】このようなADCの注型重合には、従来、
図2示すようにガラスで作られた一対の成形型12と、
エチレン−ビニルアセテート樹脂(EVA)やエチレン
−エチルアクリレート樹脂(EEA)の軟質樹脂から作
られたスペーサ11とで構成された鋳型を用いる方法が
一般的であった。
【0004】ADCからなるレンズは、軽量で耐衝撃性
が良く、安全性が高いということや、染色が容易である
ためファッション性が高い等の理由でかなり普及してい
る。しかしADCは、その屈折率が約1.50でありガ
ラスレンズの屈折率約1.52に比べて低いことから、
近視用レンズとした場合には縁の厚さが、老視用レンズ
とした場合には中心部がガラスレンズの場合より非常に
厚くなるという欠点がある。
【0005】そこで、高屈折率のプラスチックレンズの
開発が進められている。例えば、特開昭55−1374
7号、特開昭56−166214号、特開昭57−23
611号、特開昭57−54901号、特開平2−23
2602号、特開平2−3808201号など、種々の
液状硬化性化合物からなるプラスチックレンズが提案さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き液状硬化性化合物を用いて注型重合を行う際に、従
来使用されているEVA樹脂やEEV樹脂からなるスペ
ーサを用いた場合、スペーサの材料自体やそれに含有さ
れている可塑材が重合過程で溶け出し、製造されたプラ
スチックレンズに白濁や脈理が生じてしまうという問題
があった。また、上記のような溶け出しに加え膨潤によ
る変形などによってシール性が劣化し、液漏れが生じて
所望の形状、精度のプラスチックレンズ成形品を得るこ
とができなかった。
【0007】このように、従来のスペーサを用いたプラ
スチックレンズの製造方法では、優れた光学性能及び良
好なレンズ形状を有する眼鏡用プラスチックレンズを得
るのは困難であった。
【0008】本発明は、上記問題を解消し、優れた光学
性能と良好なレンズ形状を有する眼鏡用プラスチックレ
ンズ製造方法及びプラスチックレンズ製造用鋳型のスペ
ーサを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係るプラスチックレンズ製
造方法では、プラスチックレンズ成形材料である液状硬
化性化合物を、一対の成形用型とスペーサからなる鋳型
内に注入して重合させる工程を含む眼鏡用プラスチック
レンズの製造方法であって、前記スペーサの前記液状硬
化性化合物との接液部を、ポリエチレン、ポリアセター
ル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、のうちの少な
くとも1種の高分子化合物を含む面とした状態で前記液
状硬化性化合物を前記鋳型内に注入するものである。
【0010】また、請求項2に記載の発明に係るプラス
チックレンズ製造方法では、請求項1に記載のプラスチ
ックレンズ製造方法において、前記スペーサとして、エ
ラストマーからなるスペーサを使用した。
【0011】また、請求項3に記載の発明の係るプラス
チックレンズ製造方法では、請求項1に記載プラスチッ
クレンズ製造方法において、前記液状硬化性化合物とし
て、主鎖および/または側鎖にベンゼン環、ナフタレン
環、カーボネート結合、エステル結合、ウレタン結合、
のいずれか1種もしくは2種以上を有する化合物を用い
るものである。
【0012】また、請求項4に記載の発明に係るプラス
チックレンズ製造用鋳型のスペーサでは、プラスチック
レンズ成形材料である液状硬化性化合物を、一対の成形
用型とスペーサからなる鋳型内に注入して重合させる工
程を含む眼鏡用プラスチックレンズの製造に用いるスペ
ーサであって、前記液状硬化性化合物との接液部が、ポ
リエチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、のうちの少なくとも1種の高分子化合物を
含む面で構成されているものである。
【0013】また、請求項5に記載の発明に係るプラス
チックレンズ製造用鋳型のスペーサでは、請求項4に記
載のプラスチックレンズ製造用鋳型のスペーサにおい
て、前記スペーサをエラストマーからなるものとした。
【0014】
【作用】本発明においては、プラスチックレンズ成形材
料である液状硬化性化合物を、一対の成形用型とスペー
サからなる鋳型内に注入して重合させる工程を含む眼鏡
用プラスチックレンズの製造方法であって、スペーサの
液状硬化性化合物との接液部を、ポリエチレン、ポリア
セタール、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、のうち
の少なくとも1種の高分子化合物からなる面とした状態
で液状硬化性化合物を鋳型内に注入するものであるた
め、従来のようにスペーサの材料自体やそれに含有され
ている可塑材等の重合過程での溶出が防止され、プラス
チックレンズ成形品に白濁や脈理が生じる恐れがない。
【0015】さらに本発明は、液状硬化性化合物との接
液部が、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリアミド、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリテ
トラフルオロエチレン、のうちの少なくとも1種の高分
子化合物を含む面で構成されているエラストマー製のス
ペーサを使用するものであるため、スペーサの溶け出し
や膨潤による変形などによってシール性が劣化し、液漏
れが生じてプラスチックレンズ成形品に所望の形状、精
度が失われることがなく、優れた光学性能及び良好なレ
ンズ形状を有するプラスチックレンズの成形品を得るこ
とができる。
【0016】本発明は、どのようなプラスチックレンズ
の成形材料である液状硬化性化合物にも使用可能である
が、特に主鎖および/または側鎖にベンゼン環、ナフタ
レン環、カーボネート結合、エステル結合、ウレタン結
合、のいずれか1種もしくは2種以上を有する化合物を
用いるものに対して使用すると大きな効果を生じる。上
記の官能基を有する化合物を例示すると、スチレン、α
−メチルスチレン、クロロスチレン、フェニル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニル
ナフタレン、ナフチル(メタ)アクリレート、テトラブ
ロモビスフェノールA誘導体(ジ)(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼン、テトラブロモビスフェノールA
誘導体のジアリルカーボネート、メチルメタアクリレー
ト、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト。または2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2,3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
のヒドロキシ(メタ)アクリレートと、ヘキサメチレン
ジイソシアネートの環状三量体、キシリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソサネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネートなどの多官能(ポリ)イソシアネートの
反応物。ジ(2−メエルカプトエチル)エーテル、1,
2−エタンジオール、ジ(2−メルカプトエチル)スル
フィド、2−メルカプトエタノール、ペンタエリストー
ルテトラキス−3−メルカプトプロピオネート、4−メ
ルカプトメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジ
オールなどのチオール化合物と多官能(ポリ)イソシア
ネートの反応物等およびこれらの混合物がある。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって説明する。
本実施例では、液状硬化性化合物との接液部をポリエチ
レン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチ
レン、等の高分子化合物からなる面とした状態で注型重
合によってプラスチックレンズを製造する方法の一つと
して、液状硬化性化合物との接液部に上記の高分子化合
物の被覆層を有するエラストマー製スペーサとレンズ成
形用型とからなる鋳型を用いる場合を示す。
【0018】まず、第1の実施例として、インサート成
形によってエラストマーにポリプロピレン層を被覆して
なるスペーサを作製し、これを用いた鋳型でプラスチッ
クレンズの製造を行った場合を以下に示す。
【0019】実施例1 図1(a)に示すように、スペーサ成形用金型5のキャ
ビティ面5’に厚さ20μmのポリプロピレン2のフィ
ルムを予め配しておき、この状態でJISゴム硬度55
度のオレフィン系エラストマーを用い、190℃、射出
圧力500kgf/cm2 で射出成形を行い、液状硬化
性化合物との接液部に相当する位置にポリプロピレン2
の被膜層を備えた所定形状のスペーサを作製した。
【0020】なお、ポリプロピレンフィルムが成形中に
金型内の定位置に保たれない恐れがある場合には、予め
該フィルムを金型内に配する際に、例えば、接着剤等で
フィルムをキャビティ面に接着したり、インサートピン
を使用するなどの手段を用いればよい。
【0021】以上の操作によって得られたスペーサ1と
ガラス製レンズ成形用型3から鋳型を構成し、この鋳型
内4に2,2’−ビス(4−メタクリロキシエトキシー
3,5−ジブロモフェニル)プロパン50部、スチレン
50部および開始剤としてジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート0.1部からなる液状硬化性化合物を注入
し、30℃から100℃まで40時間かけて昇温し、重
合を行った。
【0022】重合終了後、レンズ成形品を鋳型3から取
り出し、120℃で1時間加熱処理を行った。得られた
プラスチックレンズは、白濁、脈理は認められず、良好
なレンズ形状を保持し、良好な光学性能を有していた。
【0023】ここで、実施例1の比較例として、ポリプ
ロピレン等の高分子化合物層を設けないスペーサから構
成された鋳型を用いてプラスチックレンズを成形した場
合を示す。 比較例1 実施例1と同様のJISゴム強度55度のオレフィン系
エラストマーのみを用いて射出成形(190℃、射出圧
500kgf/cm2 )によりスペーサを作製した。
【0024】このスペーサとレンズ成形用型とから鋳型
を構成し、実施例1と同様に、鋳型内4に2,2’−ビ
ス(4−メタクリロキシエトキシー3,5−ジブロモフ
ェニル)プロパン50部、スチレン50部および開始剤
としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート0.1
部からなる液状硬化性化合物を注入し、30℃から10
0℃まで40時間かけて昇温し、重合を行った。得られ
たプラスチックレンズは白濁しており、レンズとして評
価できないものであった。
【0025】次に、第2の実施例として、エラストマー
製のスペーサにポリプロピレン層を融着したものを用い
てプラスチックレンズを製造した場合を示す。 実施例2 JISゴム硬度60のオレフィン系エラストマーを用
い、射出成形(190℃、射出圧500kgf/cm
2 )によって所定形状のスペーサを作製した。このエラ
ストマー製のスペーサの液状硬化性化合物との接液部に
相当する表面に、厚さ10μmのポリプロピレンフィル
ムを融着し被覆した。
【0026】このポリプロピレン被膜層を有するスペー
サとレンズ成形用型とから鋳型を構成し、この鋳型内に
ヘキサメチレンジイソシアネートの環状三量体30部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート19.8部、2−
メルカプトエタノール0.2部、α−メチルスチレン1
2部、スチレン10部、ジエチレングリクールジメタク
リレート12部、ポリエチレングリコール無水フタル酸
とアクリル酸との重縮合物16部、ジn−ブチルチンジ
ラウレート0.01部、および1,4−ジアザビシクロ
[2,2,2]オクタン0.01部を反応させて得た液
状単量体組成物と開始剤としてラウロイルパーオキサイ
ド1部からなる液状硬化性化合物を注入し、50℃から
110℃まで24時間かけて昇温し、重合を行った。
【0027】重合終了後、レンズを型から取り出し、1
20℃で1時間加熱処理を行った。得られたプラスチッ
クレンズは、白濁や脈理は認められず、良好なレンズ形
状を保持し、良好な光学性能を有していた。
【0028】ここで、実施例2の比較例として、ポリプ
ロピレン等の高分子化合物層を設けないスペーサから構
成された鋳型を用いて、実施例2と同様の操作でプラス
チックレンズを成形した場合を示す。 比較例2 実施例2と同様のJISゴム硬度60度のオレフィン系
エラストマーのみを用いて射出成形(190℃、射出圧
500kgf/cm2 )によってスペーサを作製した。
【0029】このスペーサとレンズ成形用型都から鋳型
を形成し、実施例2と同様の操作で、鋳型内にヘキサメ
チレンジイソシアネートの環状三量体30部、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート19.8部、2−メルカプ
トエタノール0.2部、α−メチルスチレン12部、ス
チレン10部、ジエチレングリクールジメタクリレート
12部、ポリエチレングリコール無水フタル酸とアクリ
ル酸との重縮合物16部、ジn−ブチルチンジラウレー
ト0.01部、および1,4−ジアザビシクロ[2,
2,2]オクタン0.01部を反応させて得た液状単量
体組成物と開始剤としてラウロイルパーオキサイド1部
からなる液状硬化性化合物を注入し、50℃から110
℃まで24時間かけて昇温し、重合を行った。得られた
レンズは、型ずれにより変形しており、またレンズ周辺
が白濁し、程度の悪い脈理も生じていた。
【0030】次に、第3の実施例としてエラストマー製
のスペーサにポリエチレンテレフタレートテープを貼り
付けたものを用いてプラスチックレンズの製造を行った
場合を示す。
【0031】JISゴム硬度70のオレフィン系エラス
トマーを射出成形(190℃、射出圧500kgf/c
2 )することによって所定形状のスペーサを作製し
た。このエラストマー製スペーサの液状硬化性化合物と
の接液部に相当する表面に、厚さ30μmのポリエチレ
ンテレフタレートテープを貼り付け、被覆した。
【0032】この、ポリエチレンテレフタレート被覆膜
を有するスペーサとレンズ成形用型とで鋳型を構成し、
この鋳型内に、m−キシリレンジイソシアネート52
部、4−メルカプト−3、6−ジチア−1、8−オクタ
ンジオール48部、および離型剤としてのリン酸ジ−n
−ブチル0.5部、触媒としてのジブチル錫ジクロライ
ド0.01部からなる液状硬化性化合物を注入し、室温
から120℃まで15時間かけて昇温し、重合を行っ
た。
【0033】重合終了後、レンズを型から取り出し、1
20℃で1時間加熱処理を行った。得られたプラスチッ
クレンズには、白濁及び脈理は見られず、良好なレンズ
形状を保持しており、良好な光学性能を有していた。
【0034】なお、上記実施例においては、液状硬化性
化合物との接液部にポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレートの高分子化合物の被覆層を有するスペーサを
用いているが、本発明は、このようなスペーサを用いる
方法に限るのものではない。例えば、スペーサそのもの
を上記高分子化合物を使用して作製するなど、液状硬化
性化合物との接液部を高分子化合物からなる面とした状
態で注型重合ができるものであれば良い。
【0035】また、高分子化合物はポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレートに限らずポリエチレン、ポリ
アセタール、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレ
ン、など重合過程で液状硬化性化合物への不純物の溶出
を防止できるような高分子化合物であれば使用可能であ
る。もちろん、これら高分子化合物は1種類のみを用い
るだけでなく、例えば複数種を積層した状態で用いても
かまわない。
【0036】さらに、実施例に示した用に、スペーサへ
の高分子化合物層の被覆を行う場合は、インサート成形
や二色成形等の射出成形を行う方法の他に、スペーサ本
体の射出成形後に適当な接着剤で接着したり融着を行う
など、適宜使用する高分子化合物の種類によって各々被
覆方法を選択すればよい。
【0037】また、スペーサの液状硬化性化合物との接
液部に高分子化合物を被覆する際、その被覆層の厚さ
は、3〜50μmの範囲内とすることが好ましい。これ
は、3μm以下の厚さでは薄過ぎてスペーサへの被覆が
困難であり、50μm以上では鋳型のシール性が悪くな
り所望のレンズ形状が保持できなくなる恐れがあるため
である。
【0038】また、スペーサ自体の素材は限定するもの
ではないが、JISゴム硬度50〜80度のエラストマ
ーが望ましい。50度より柔らかいものでは形状保持が
困難であり、80以上の硬度のものではシール性が悪く
良好なレンズ形状が得られないためである。
【0039】さらに、液状硬化性化合物の重合過程にお
ける操作は、実施例に示したものに限らず、任意の精
度、形状、材質のプラスチックレンズを得るのに適した
方法が用いられる。例えば、液状硬化性化合物には触媒
や必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤等、各種添加剤
が添加されることがある。また、重合には、加熱以外に
も、紫外線照射を行うなど種々の方法がある。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、重合の際
に、スペーサからの成分溶出が防止されるため、得られ
る成形品に白濁や脈理が生じることがない。さらに、溶
出や膨潤等によってスペーサが変形せずシール性が劣化
することもないので、良好なレンズ形状が保持され、優
れた光学性能のプラスチックレンズを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるプラスチックレンズ製
造方法を示すものであり、(a)は用いる鋳型の概略構
成図であり、(b)は(a)の鋳型に用いるスペーサ1
の作製法を示す説明図である。
【図2】従来のプラスチックレンズの製造用鋳型の概略
構成図である。
【符号の説明】
1,11:スペーサ 2:高分子化合物 3,12:レンズ成形用型 5:スぺーサ成形用金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:32 B29L 11:00 4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックレンズ成形材料である液状
    硬化性化合物を、一対の成形用型とスペーサからなる鋳
    型内に注入して重合させる工程を含む眼鏡用プラスチッ
    クレンズの製造方法であって、 前記スペーサの前記液状硬化性化合物との接液部を、ポ
    リエチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレ
    ンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
    ロエチレン、のうちの少なくとも1種の高分子化合物を
    含む面とした状態で前記液状硬化性化合物を前記鋳型内
    に注入することを特徴とするプラスチックレンズ製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記スペーサとして、エラストマーから
    なるスペーサを使用することを特徴とする請求項1に記
    載のプラスチックレンズ製造方法。
  3. 【請求項3】 前記液状硬化性化合物として、主鎖およ
    び/または側鎖にベンゼン環、ナフタレン環、カーボネ
    ート結合、エステル結合、ウレタン結合、のいずれか1
    種もしくは2種以上を有する化合物を用いることを特徴
    とする請求項1に記載のプラスチックレンズ製造方法。
  4. 【請求項4】 プラスチックレンズ成形材料である液状
    硬化性化合物を、一対の成形用型とスペーサからなる鋳
    型内に注入して重合させる工程を含む眼鏡用プラスチッ
    クレンズの製造に用いるスペーサであって、 前記液状硬化性化合物との接液部が、ポリエチレン、ポ
    リアセタール、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
    ト、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、の
    うちの少なくとも1種の高分子化合物を含む面で構成さ
    れていることを特徴とするプラスチックレンズ製造用鋳
    型のスペーサ。
  5. 【請求項5】 前記スペーサが、エラストマーからなる
    ものであることを特徴とする請求項4に記載のプラスチ
    ックレンズ製造用鋳型のスぺーサ。
JP4315579A 1992-11-02 1992-11-02 プラスチックレンズ製造方法およびプラスチックレンズ製造用鋳型のスペーサ Pending JPH06155489A (ja)

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