JPH0615502U - 換気性を有する靴底構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 靴内部の換気を図って、足むれや水虫の発生
を未然に防ぐ。 【構成】 本底１のうち、かかと部10外面の中央部に突
起部11を形成し、また、本底１内部に空隙12を形成し、
さらにその空隙12に連通する溝13を本底１上面に形成す
る。中底２には、前記溝13に対応する位置に複数の孔20
を穿設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、靴内部の換気を可能とした靴底構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に革靴などは通気性が悪いため、長時間歩行すると発汗等により靴内に熱 気や湿気がこもって不快感を生じ、さらには水虫の発生や悪臭の原因となる等の 問題がある。

【０００３】 このため、通気性を図った構造の靴が従来より種々提案されている。たとえば 、靴外部に連がるパイプ孔を設けて外気と換気させる構造や靴内部のかかとに当 接する箇所に中底を介してポンプ体を配置してそのポンプ体からの空気により循 環させる構造の靴などである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前者のパイプ孔を設けた構造では雨天時等に使用するとそのパ イプ孔から水が侵入し、靴内部がぬれてしまうという問題があり、後者のポンプ 体を配置した構造では、歩く度に中底が上下して歩行者に違和感を与えるととも に、使用耐性も良好でなく、実用としては極めて不向きであるという問題があっ た。

【０００５】 この考案は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、より簡易な構造でか つ靴内部の換気性を図った靴底構造を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案に係る換気性を有する靴底構造は、本底のうち、かかと部外 面の中央部をその周辺部より突出せしめるとともに、前記かかと部内部に空隙を 形成せしめ、かつ該空隙に連通するような溝を、本底上面に形成せしめ、さらに 中底のうち、前記溝に対応する位置に複数の孔を穿設せしめることを特徴とする ものである。

【０００７】

【作用】

歩行の際、着地時には歩行者の荷重がかかとにかかり、本底かかと部の外面中 央部が押されて、かかと内部の空隙が圧縮され、その中の空気が本底上面の溝へ 逃げる。溝へ逃げた空気は、さらに中底の孔を通って靴内部側に押され、最終的 には靴内と足との間から空気が逃げる。

【０００８】 一方、足を上げた時には、本底かかと部の外面中央部が弾力復元し、かかと内 部の空隙が復元することになって、上記と逆の空気の流れが生じ、最終的に靴と 足の間から空気が取り入れられることになる。

【０００９】 このように、本底かかと部は歩行動作にともなってポンプの役目を果たし、そ れにより靴内の換気を図るものとなっている。

【００１０】

【実施例】

本考案の具体的実施例を図面に基づき説明する。なお、本考案は以下の実施例 に何ら限定されるものではない。

【００１１】 本実施例の靴底は、かかと部10を備える本底１と、それに積層する中底２とか らなっている。

【００１２】 本底１は、そのかかと部10外面の中央部に突起部11が形成され、外面周部より 突出するものとなっている。また、本底１かかと部10内には空隙12が形成される 。この空隙12は、後述する中底２を積層した際閉塞されることになる。前記突起 部11の突起の高さは、高ければ高いほど、本実施例の作用で説明するように空隙 12の圧縮効率はよいが、一方はき心地や外観上からあまりに高すぎるのも問題が あり、好ましくは周辺部と比べて略4.5〜5mm高い例が好ましい。さらに、本底１ 上面には前記空隙12に連通する溝13がつま先側に向って形成されている。なお、 本実施例では、前記空隙12内に弾性スポンジ材３を介挿し、かかと部10を補強す るとともに、空隙12の復元弾性力を補っている。本底１は一般に弾性のある部材 が用いられ、本実施例ではウレタン材が用いられる。

【００１３】 中底２は前記本底１の上面に積層されるが、その際前記本底１の溝13に対応す る位置に複数の孔20が穿設されている。中底２は、パルプ材が用いられている。

【００１４】 以上よりなる本実施例を用いた靴の歩行時における空気の流れを以下説明する 。

【００１５】 歩行の着地の際、歩行者の荷重がかかとにかかり、本底１かかと部10の突起部 11が押潰されて、かかと10内部の空隙12が圧縮され、その中の空気が本底１上面 の溝13へ逃げる。溝13へ逃げた空気は、さらに中底２の孔20を通って靴内部側に 押され、最終的に靴と足との間から空気が逃げることになる。

【００１６】 一方、足をあげた時には本底１かかと部10の突起部11が弾力復元し、かかと10 内部の空隙12が復元する。この際、空隙12内には弾性スポンジ材３が介挿されて いるため、その復元を補うものとなっている。この空隙12が復元することにより 、上記と逆に靴と足の間から空気が取り入れられることになる。

【００１７】 すなわち、本実施例の靴底構造によればその歩行にともない換気が行われるこ とになり、足のむれや水むし等が予防できるものとなる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る靴底構造によれば、歩行にともなって靴内 部の換気が図れるため、足むれや水むし等が防げるとともに、極めて簡易な構造 であるためコスト的にもメリットが大きいものとなっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る靴構造を説明する図であり、(a)
は本底を上面から見た斜視図、(b)は中底を上面から見
た斜視図である。

【図２】図１(a)に示す本底を外面から見た斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 本底 ２ 中底 ３ 弾性スポンジ材 10 かかと部 11 突起部 12 空隙 13 溝 20 孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本底のうち、かかと部外面の中央部をそ
   の周辺部より突出せしめるとともに、前記かかと部内部
   に空隙を形成せしめ、かつ該空隙に連通するような溝
   を、本底上面に形成せしめ、さらに中底のうち、前記溝
   に対応する位置に複数の孔を穿設せしめることを特徴と
   する換気性を有する靴底構造。