JPH06154001A - 蒸れ防止用靴 - Google Patents

蒸れ防止用靴

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JPH06154001A
JPH06154001A JP4307297A JP30729792A JPH06154001A JP H06154001 A JPH06154001 A JP H06154001A JP 4307297 A JP4307297 A JP 4307297A JP 30729792 A JP30729792 A JP 30729792A JP H06154001 A JPH06154001 A JP H06154001A
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JP
Japan
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shoe
shoes
cloth material
hollow fiber
insole
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JP4307297A
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Inventor
Shigeo Aoyanagi
重郎 青柳
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KOKI BUSSAN KK
NIPPON HEALTH SUPPLY KK
Original Assignee
KOKI BUSSAN KK
NIPPON HEALTH SUPPLY KK
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多量の発汗成分による靴内部の蒸れを防止で
き、かつ悪臭を予防できる蒸れ防止用靴を提供する。 【構成】 蒸れ防止用靴1は、靴外底部材4、該靴外底
部材4の上面に全面接着された靴中底部材5、該靴中底
部材5の上面に当る靴内面部に接合された靴中底部用布
材2、靴甲被部材6及び該靴甲被部材6の靴内面部に接
合された靴甲被部用布材3からなり、上記布材2接合済
み靴中底部材4と上記布材3接合済み靴甲被部材6は靴
中底周縁部7で縫着され、靴の足挿入開口部8及び靴中
底周縁部7に上記布材2及び3を構成する発散、放出さ
れる発汗成分が通過できる微細孔を多数有する高分子膜
製中空糸の端部開口部が位置する構造である。 【効果】 通気性の悪い靴でも十分に発汗成分による靴
内部の蒸れを防止でき、かつ悪臭を予防することがで
き、皮膚病の予防になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な換気のできる蒸
れ防止用靴に関する。
【0002】また本発明は、一般に通気性のよくない材
料により外装が作られた靴において換気のできる蒸れ防
止用靴に関する。
【0003】
【従来の技術】日常生活において最も一般に使用されて
いる靴として革靴(牛皮、羊皮、鰐皮等の動物の皮革ま
たは合成皮革により作られたものをいう)があるが、通
常一日中履いたままの状態におかれることが多く、夏な
どの気温の高いときあるいは頻繁に動くときには、身体
より多量の発汗をともなうが足とて例外ではなく、これ
により通常の状態で革靴を履いているときに蒸れたりし
なくとも、上記のような場合には個人差はあるものの多
くの場合、靴内が多量の発汗、発熱により高温多湿な、
いわゆる蒸れる状態になる。これにより、足のおかれる
環境は極めて悪くなり、靴を履く現代人の社会病といわ
れる水虫等の皮膚病の原因となる病原菌類の好む環境下
に長時間おかれている状態となるため環境衛生上の面か
ら見てあまり好ましくないものである。さらに靴内部に
発散、放出された発汗成分がやがて靴内面に付着、吸収
され、そのまま放置していると靴内部の悪臭の原因にも
なる等の欠点を有していた。
【0004】こうした靴内部の蒸れひいては悪臭を除去
する方法として、靴内部に、活性炭等の吸着剤を含有し
た中敷きを挿入して、発汗成分を活性炭等の吸着剤に吸
着させることで除湿ならびに消臭効果を得ようとするも
のである。しかしながら、こうした中敷きは靴内底部に
敷くものであり足の裏側よりの発汗成分は吸着できて
も、足の甲側からの発汗成分の吸着までは行えなかっ
た。
【0005】こうした問題を解決する方法としては、足
の甲にあたる靴の部分に換気できるように細孔を設け、
該細孔より発汗成分を直接靴の外部に排出することで通
気性を改善しようとするものであり、該方法と上記中敷
きとを組合わせることにより靴内部全体の蒸れひいては
悪臭をある程度は除去できるものである。しかしなが
ら、通気性が改善できるものの、細孔を設けるにも限度
があり完全に発汗成分を直接靴の外部に排出することこ
とはできず、また雨天の際には、靴の外部表面に付着し
た水が該細孔より靴内部に容易に入り込んで漏れてしま
う等の問題がある。
【0006】また、革靴としては、上記の日常使われて
いる革靴以外にも、たとえば安全作業靴または防寒用靴
(主にブーツ)等があるが、こうした革靴においても上
記と同様の問題を有している。さらに湿度の大きい場所
や温度の高い場所での作業等の際に使用する作業靴に
は、革靴以外にゴム靴があるが、該ゴム靴においても革
靴以上に蒸れの問題を有しており、上記革靴において用
いられている蒸れ防止方法以外には特に優れた解決方法
はなく、こうした蒸れ防止靴の出現が望まれている。
【0007】また、上述のような革靴やゴム靴とは別
に、スポーツシューズのように始めから多量に発汗する
ような場合には、天然または合成繊維材料等より集合ま
たは束ねた糸を必要に応じて加工し織編した布材を用い
ることで通気性にすぐれた靴が得られる。こうした靴に
おいてさらに通気性を良くするために上記革靴と同様に
靴の上部に細孔を付したものも実用化されてきている。
しかしながら、同時にこうした布製の靴は吸湿性も有し
ており発汗成分の一部は布材織編の目の隙間より外部に
排出されるが、中には繊維材中に取り入れられ外部に排
出されずそのまま吸湿されてしまい、革靴同様に該吸着
された発汗成分により悪臭の原因となる問題が尚残され
ている。
【0008】したがって、こうした靴内部の蒸れひいて
は悪臭を完全に除去ないしは防止してなる靴は今だ得ら
れていないのが現状である。
【0009】一方、微細孔を多数有する高分子膜よりな
る中空糸を利用した研究開発は現在広い分野で盛んに行
われており、現在までにこうした研究開発の中から多く
の製品が生み出されている。たとえば、医療分野、特に
人工臓器用素材として用いるものとして、人工心肺、人
工腎臓等の透析機に利用する例が数多く報告され、それ
らの一部はすでに実用化されている。さらに、IC等の
電子部品の洗浄に用いられる純水または超純水の精製の
ために不純物を濾過するための濾過用素材として用いた
ものとして濾過機に利用する例も数多く報告され、それ
らの一部はすでに実用化されている。
【0010】こうした中空糸の利用は、いずれも所望物
質と不純物との粒子等の大きさの違いに着目し、所望物
質と不純物との大きさの中間の孔径を有する多孔性高分
子膜よりなる中空糸を用いて所望物質と不純物とを分
離、濾過するものであった。
【0011】しかしながら、本発明は、こうした微細孔
を多数有する高分子膜よりなる中空糸を従来の分離、濾
過材に利用するのではなく、発汗成分を除去するための
蒸れ防止用の布材として靴に利用するものであり、今日
までに当該利用分野での利用に関して報告された例はな
かった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多量
の発汗成分による靴内部の蒸れを防止でき、かつ悪臭を
予防できる蒸れ防止用靴を提供することにある。
【0013】さらに本発明の他の目的は、靴の外部表面
に防水処理あるいは光沢処理等を施して通気性の悪い
靴、さらにはほとんど通気性のないゴム靴等でも十分に
発汗成分による靴内部の蒸れを防止でき、かつ悪臭を予
防できる蒸れ防止用靴を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、靴内部の
蒸れ防止および悪臭予防できる靴に関して鋭意検討した
結果、微細孔を多数有する高分子膜よりなる中空糸を用
いて形成した糸ないしは布材を用い、これを靴内面に装
着することで、靴内の発汗成分は中空糸の微細孔より中
空糸の内部空間部に取り込まれ、さらに中空糸内部の空
間経路に沿って靴の足挿入開口および/または靴中底部
材の周縁部に配置された中空糸の端部開口部より靴外部
に排出される、特に靴中底部材に装着された該布材で
は、歩行中に靴が地面に接地している場合には、足に体
重が加わるために、靴中底部材に装着された該布材中の
中空糸が押し潰され、該中空糸内部空間部に取り込まれ
た発汗成分が靴中底部材の周縁部の端部開口部より、外
部に排気される。逆に足が上がっている場合には、靴中
底部には圧力が加わらないため、押し潰されていた靴中
底部材に装着された該布材中の中空糸は、元の状態に戻
るために、この際に靴内の発汗成分が効率よく中空糸の
微細孔より中空糸の内部空間部に取り込まれ、あるいは
外気の一部が靴中底部材の周縁部の端部開口部より中空
糸内部に取り込まれる。こうした排気操作がスムーズに
繰り返されることで、発汗成分を外部に効率よく排気で
きることから、靴内部全体を容易に換気できることを見
出だし、これにより上記目的が達成できることを知り、
この知見に基づき本発明を完成させるに至った。
【0015】すなわち、本発明は、発散、放出される発
汗成分が通過できる微細孔を多数有する高分子膜よりな
る中空糸を少なくとも1部に用いて構成された布材が靴
内面の少なくとも一部分に装着され、該布材の中空糸の
端部開口面が靴の足挿入開口部および/または靴中底部
材の周縁部になるように装着されていることを特徴とす
る蒸れ防止用靴により達成することができる。
【0016】
【作用】以下、本発明を詳しく説明する。
【0017】まず、本発明に用いられる微細孔を多数有
する高分子膜よりなる中空糸は、靴内面に用いられるた
め耐磨耗性、機械的強度、引っ張り強さ等を有している
ことが必要であり、後述する中空糸の材質、製造方法、
中空糸の微細孔の孔径、中空糸の微細孔の開孔率、中空
糸の外径、中空糸の膜厚に関してはいずれも上記要件を
満足してなる範囲のものである。さらに、ここで「糸」
とは織物、編物等に適するように繊維を引揃えるか、ま
たは繊維を集合させ、よりを加え長い繊維の束としたも
ので、ほぼ平均の太さと、必要程度の強さと伸びを持
ち、工学的には無限の長さを有するものである。したが
って本発明の中空糸は、1本では無限に長い長繊維(フ
ィラメント)であり、これを何本か集合または束ねるこ
とで長繊維糸(フィラメント糸)に加工したものも含
む。
【0018】まず、本発明に用いられる前記中空糸の材
質としては、上記要件を有していれば特に限定されるも
のではなく、例えば、アクリルニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合樹脂、アクリルニトリル−スチレン共重
合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン−テレ
フタレート、ポリブチレン−テレフタレート、メタアク
リル樹脂、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、酢酸セルロース、
ポリジメチルシキロサン−ポリカーボネートブロック共
重合体、アクリロニトリル共重合体、再生セルロース、
ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ
サルフォン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリフッ化エチレン、ポリ
尿素等が挙げられる。
【0019】次に、本発明に用いられる微細孔を多数有
する高分子膜よりなる中空糸において、該微細孔を多数
有する高分子膜の製造方法としては、例えば、(1)延
伸法:上記材料を用いてなる高分子膜からなる中空糸を
高温で熱処理後延伸し、さらに熱処理することで、微細
孔を多数有する膜とする方法、または(2)溶剤抽出
法:上記材料を用いてなる高分子膜からなる中空糸を成
形するめ充填剤を含有させて成形し、成形後に該充填剤
等のみを溶解しうる溶剤等を用いて抽出分離することに
より微細孔を多数有する膜とする方法等が挙げられ、該
方法により、後述する孔径の微細孔を多数有する高分子
膜を任意に製造できるものである。
【0020】本発明に用いられる前記中空糸の該微細孔
の孔径は、発散、放出される発汗成分分子を通過させる
ことのできる大きさを有する必要があることから、通常
0.05〜30μm、好ましくは0.1〜25μm、さ
らに好ましくは0.3〜20μmである。また、開孔率
は、10〜90%、好ましくは、20〜85%である。
ここで開孔率とは、前記高分子膜表面の単位面積当りの
全体の表面積に対する微細孔の面積の占める割合(百分
率、%)をいうものである。
【0021】また、本発明に用いられる前記中空糸の外
径は、前記要件以外にも多孔質の孔径および開孔率によ
って支配される発汗成分の透過量に対応し得る必要上か
ら、通常1〜800μm、好ましくは50〜750μ
m、さらに好ましくは200〜500μmである。
【0022】同様に、前記中空糸の膜厚は、通常10〜
300μm、好ましくは15〜250μm、さらに好ま
しくは20〜200μmである。
【0023】さらに本発明に用いられる前記中空糸を用
いて構成される布材または該中空糸と中実糸により構成
される布材としては、例えば、単一の中空糸によって作
られた単糸または単一の中空糸と他の種類の糸(主に中
実糸)または太さの異なる中空糸または中実糸とをより
合わせて作った交撚糸等が挙げられ、これらに必要に応
じて各種の加工、たとえば、加ネン−熱固定−解ネン法
により伸縮性と嵩高性を付与したり、あるいは得られた
中空糸または交撚糸を丸編または平編しメリヤス布の状
態で熱固定を行った後、編糸をほぐして、クリンプまた
はかさばり性を付与してなる加工糸等が挙げられる。
【0024】さらにこうして得られた中空糸、交撚糸ま
たは加工糸等を直接靴本体に装着(たとえば、樹脂接着
固定、縫い合わせ結合等)してもよいが、好ましくは、
得られた中空糸、中実糸、交撚糸または加工糸等を用い
て織編した布材を装着してもよく、該布材としては、例
えば、平織、シュス織、斜文織等を用いた織布、パール
編み、平編み等を用いた編布、組物布、レースなどのよ
うな織編布等に加工したもの、さらに必要に応じてこれ
らを立体的に積層または多重に織編した布材であっても
よく、これらを任意に組合わせて織編した布材であって
もよい。特に、靴中底部に設けられる場合には、立体的
に積層または多重に織編した布材とすることで、クッシ
ョン性を向上することができると共に、以下に詳述する
発汗成分の排気機構上から見てもより多くの発汗成分を
短時間で靴外部に排気できることから、好ましいもので
ある。
【0025】すなわち、上記中空糸を含む各種の糸ない
しは布材を用い、これを靴内面に装着する際に、靴の足
挿入開口部および/または靴中底部材の周縁部に中空糸
の端部開口部が位置するように取付けるものである。該
構成にすることで、靴内の発汗成分は中空糸表面の微細
孔より中空糸の内部空間部に取り込まれ、さらに中空糸
内部の空間経路に沿って靴の足挿入開口および/または
靴中底部材の周縁部に配置された中空糸の端部開口部よ
り靴外部に排出される。
【0026】特に靴中底部材に装着された該布材等で
は、歩行中に靴が地面に接地している場合には、足に体
重が加わるために、靴中底部材に装着された該布材中の
中空糸が押し潰され、該中空糸内部空間部に取り込まれ
た発汗成分が靴中底部材の周縁部の端部開口部より、外
部に排気される。逆に足が上がっている場合には、靴中
底部には、ほとんど圧力が加わらないため、押し潰され
ていた靴中底部材に装着された該布材中の中空糸は、元
の状態に戻るために、この際に靴内の発汗成分が効率よ
く中空糸の微細孔より中空糸の内部空間部に取り込ま
れ、あるいは外気の一部が靴中底部材の周縁部の端部開
口部より中空糸内部に取り込まれる。こうした排気操作
がスムーズに繰り返されることで、発汗成分を外部に効
率よく排気できることから、靴内部全体を容易に換気で
きるものである。
【0027】また、本発明に用いられる中空糸と中実糸
を用いて構成された布材における該中空糸の構成比率
は、5〜95%とすることが好ましい。
【0028】こうして得られた布材は、あらかじめ靴本
体に適する内面形状および大きさに合わせて織編加工さ
れるものであるが、その際には靴の足挿入開口部および
/または靴中底部材の周縁部に中空糸の端部開口部が位
置するように取付けられたものであるが、こうしたもの
以外にも、靴中底部にのみ適用され、靴中底部材の周縁
部に中空糸の端部開口部が位置するように装着されてな
る靴中底部用布材、靴甲被部のみに適用され、靴の足挿
入開口部および靴中底部材の周縁部に中空糸の端部開口
部が位置するように取付けられてなる靴甲被部用布材、
靴本体の内面全体に適用され、靴の足挿入開口部に中空
糸の端部開口部が位置するように取付けらてなる靴中底
部と靴甲被部が一体の袋状布材等が挙げられる。
【0029】本発明に用いられる靴本体としては、特に
限定されないが、各種革靴(牛皮、羊皮、鰐皮等の動物
の皮革または合成皮革により作られたものをいう)、ゴ
ム靴、布靴等の換気の良くない靴が挙げられ、これらの
靴本体の内面の少なくとも一部、好ましくは全体にわた
って上記中空糸製の糸ないしは布材を内面に装着(たと
えば、樹脂接着固定、縫い合わせ結合等)することので
きる靴であればよい。
【0030】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明は、これら実施例のみに限定されるもので
ない事は言うまでもない。
【0031】実施例1 孔径0.3〜0.33μmで開孔率が80〜81%とす
る微細孔を有するポリプロピレン製の高分子膜よりなる
外径200〜203μm、膜厚20〜21μmの中空糸
をポリアミド系合成繊維より作られた中実糸と撚り合わ
せて作った交撚糸(中空糸の使用率50%)にし、これ
を加ネン−熱固定−解ネン法により伸縮性と嵩高性を付
与した伸縮糸のトルク加工糸とし、得られた加工糸を用
いて牛革製の靴本体の内部挿入木型の形状に沿って布材
に加工する際、靴本体の内面全体に適用され、靴の足挿
入開口部および靴中底部材の周縁部に中空糸の端部開口
部がくるように靴中底部用布材および靴甲被部用布材を
製作した。なお靴中底部用布材は、立体的に多重積層さ
れた布材を用いた。
【0032】次に、図1に本実施例1で作製された蒸れ
防止用靴の要部側断面概略図を、また図2に図1のA−
A線に沿った要部後断面概略図を示す。なお、以下の蒸
れ防止用靴を表わす図面の説明として、特にとこわらな
い限り、同一部材には同じ符号を用いた。
【0033】図1および図2より、本発明の蒸れ防止用
靴1は、靴中底部用布材2および靴甲被部用布材3を牛
革製の靴本体を作製する際に靴本体内面に沿うようにポ
リアミド系合成繊維より作られた糸(図示せず)を用い
て縫い合わせ、かつ該布材の中空糸の細孔部全体を塞ぎ
通気性機能を損なわないように、靴中底部用布材2で
は、さらに糊着し、靴を履く時や脱ぐ時に加わる摩擦な
どの力によりほつれやよれが生じないように十分な接合
強度を有するように取付けることにより蒸れ防止用靴1
を作製したものである。すなわち蒸れ防止用靴1は、靴
外底部材4、該靴外底部材4の上面に全面接着された靴
中底部材5、該靴中底部材5の上面に当る靴内面部に接
合されてなる靴中底部用布材2、靴甲被部材6および該
靴甲被部材6の靴内面部に接合されてなる靴甲被部用布
材3からなり、上記布材2接合済み靴中底部材4と上記
布材3接合済み靴甲被部材6は靴中底周縁部7で縫着さ
れ、靴の足挿入開口部8および靴中底周縁部7に上記布
材2および3の中空糸の端部開口部が位置する構造とな
っている。なお該牛革製の靴甲被部材5の外表面には光
沢性(および防水性)向上の目的でエナメル処理が施さ
れた通気性の良くないものを使用した。
【0034】得られた蒸れ防止用靴の評価試験として、
該蒸れ防止用靴を使用して1時間、時速20kmで自転
車に乗り、使用中の蒸れ状態をサーモグラフィックメー
ターで観測し、足の甲の表面温度および足の裏の表面温
度を測定した。また使用前後の該蒸れ防止用靴の重量変
化を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0035】実施例2 靴中底部用布材を使用しなかった以外は、実施例1と同
様にして蒸れ防止用靴を作製した。続いて実施例1と同
様の操作により得られた蒸れ防止用靴の評価試験を行な
った。得られた結果を表1に示す。
【0036】実施例3 靴甲被部用布材を使用しなかった以外は、実施例1と同
様にして蒸れ防止用靴を作製した。続いて実施例1と同
様の操作により得られた蒸れ防止用靴の評価試験を行な
った。得られた結果を表1に示す。
【0037】実施例4 得られた加工糸を用いて牛革製の靴本体の内部挿入木型
の形状に沿って布材に加工する際、靴本体の内面全体に
適用され、靴の足挿入開口部および靴中底部材の周縁部
に中空糸の端部開口部がくるように靴中底部用布材およ
び靴甲被部用布材を製作する替わりに靴本体の内面全体
に適用され、靴の足挿入開口部に中空糸の端部開口部が
位置するように取付けらてなる靴中底部と靴甲被部が一
体の袋状布材を用いた以外は、実施例1と同様にして蒸
れ防止用靴を作製した。続いて実施例1と同様の操作に
より得られた蒸れ防止用靴の評価試験を行なった。得ら
れた結果を表1に示す。
【0038】比較例1 靴中底部用布材および靴甲被部用布材を使用しなかった
以外は、実施例1と同様にして靴を作製した。続いて実
施例1と同様の操作により得られた靴の評価試験を行な
った。得られた結果を表1に示す。
【0039】実施例5 牛革製の靴の替わりにゴム製の靴を使用した以外は、実
施例1と同様にして蒸れ防止用靴を作製した。続いて実
施例1と同様の操作により得られた蒸れ防止用靴の評価
試験を行なった。得られた結果を表1に示す。
【0040】実施例6 靴中底部用布材を使用しなかった以外は、実施例5と同
様にして蒸れ防止用靴を作製した。続いて実施例5と同
様の操作により得られた蒸れ防止用靴の評価試験を行な
った。得られた結果を表1に示す。
【0041】実施例7 靴甲被部用布材を使用しなかった以外は、実施例5と同
様にして蒸れ防止用靴を作製した。続いて実施例5と同
様の操作により得られた蒸れ防止用靴の評価試験を行な
った。得られた結果を表1に示す。
【0042】実施例8 得られた加工糸を用いて牛革製の靴本体の内部挿入木型
の形状に沿って布材に加工する際、靴本体の内面全体に
適用され、靴の足挿入開口部および靴中底部材の周縁部
に中空糸の端部開口部がくるように靴中底部用布材およ
び靴甲被部用布材を製作する替わりに靴本体の内面全体
に適用され、靴の足挿入開口部に中空糸の端部開口部が
位置するように取付けらてなる靴中底部と靴甲被部が一
体の袋状布材を用いた以外は、実施例5と同様にして蒸
れ防止用靴を作製した。続いて実施例5と同様の操作に
より得られた蒸れ防止用靴の評価試験を行なった。得ら
れた結果を表1に示す。
【0043】比較例2 靴中底部用布材および靴甲被部用布材を使用しなかった
以外は、実施例5と同様にして靴を作製した。続いて実
施例5と同様の操作により得られた靴の評価試験を行な
った。得られた結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例9 実施例1の右足用の片足の蒸れ防止用靴と比較例1の左
足用の片足の靴とで1足として、これを用いて6か月
間、隔日ごとに8時間づつ日常生活に使用した後、靴の
臭いを嗅いでみたところ、蒸れ防止用靴の方が蒸れ防止
されていない靴に比べて異臭性は低く、連続して使用し
ても臭気成分は付着しにくいことが確認された。また、
靴内面の一部を切り取り、顕微鏡により皮膚病の原因と
なる細菌類を観察した結果、蒸れ防止用靴の方が蒸れ防
止されていない靴に比べて、遥かに細菌類の単位面積中
の数が少ないことも確認された。
【0046】
【発明の効果】本発明により、多量の発汗成分による靴
内部の蒸れを防止でき、かつ悪臭を予防できる。
【0047】また、本発明により、靴の外部表面に防水
処理あるいは光沢処理等を施して通気性の悪い靴、さら
にはほとんど通気性のないゴム靴等でも十分に発汗成分
による靴内部の蒸れを防止でき、かつ悪臭を予防するこ
とができ、ひいては皮膚病の予防にもつながる。
【0048】さらに、立体的に積層または多重に織編し
た布材を靴中底部に設ける場合、クッション性を向上す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で作製された蒸れ防止用靴の要
部側断面概略図である。
【図2】図1のA−A線に沿った要部後断面概略図であ
る。
【符号の説明】
1…蒸れ防止用靴 2…靴中底部用
布材 3…靴甲被部用布材 4…靴外底部材 5…靴中底部材 6…靴甲被部材 7…靴中底周縁部 8…足挿入開口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発散、放出される発汗成分が通過できる
    微細孔を多数有する高分子膜よりなる中空糸を少なくと
    も一部に用いて構成された布材が靴内面の少なくとも一
    部分に装着され、該布材の中空糸の端部開口面が靴の足
    挿入開口部および/または靴中底部材の周縁部になるよ
    うに装着されていることを特徴とする蒸れ防止用靴。
  2. 【請求項2】 前記微細孔の孔径が0.05〜30μm
    の範囲である請求項1記載の蒸れ防止用靴。
  3. 【請求項3】 前記中空糸の外径が1〜800μmの範
    囲である請求項1記載の蒸れ防止用靴。
  4. 【請求項4】 前記中空糸の膜厚が10〜300μmの
    範囲である請求項1記載の蒸れ防止用靴。
  5. 【請求項5】 前記中空糸の微細孔の開孔率が10〜9
    0%の範囲である請求項1記載の蒸れ防止用靴。
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