JPH06153996A - ポリヌクレオチド検出法 - Google Patents
ポリヌクレオチド検出法Info
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- JPH06153996A JPH06153996A JP30903792A JP30903792A JPH06153996A JP H06153996 A JPH06153996 A JP H06153996A JP 30903792 A JP30903792 A JP 30903792A JP 30903792 A JP30903792 A JP 30903792A JP H06153996 A JPH06153996 A JP H06153996A
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- JP
- Japan
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- polynucleotide
- ribosome
- carrier
- target
- rna
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- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 標的RNAを標識物で標識すると共に、リボ
ソームを固定した担体を用い該標的RNAを捕捉するこ
とを特徴とするRNA検出方法。標的DNAを標識物で
標識し該標的DNAを、担体に固定したリボソーム及び
リンカーポリヌクレオチドのうちのリンカーポリヌクレ
オチド部位にハイブリダイズさせてリボソームを固定し
た担体に捕捉することを特徴とする標的DNAの検出方
法。上記検出方法に用いる蛍光検出装置。 【効果】 本発明により、放射性同位元素を用いずに試
料中のウイルスなどの被測定ポリムクレオチドを感度よ
く定量測定することが可能となる。さらに,本発明で
は,ランダムアクセスが可能な自動化に適した標的ポリ
ヌクレオチド測定法が提供される。
ソームを固定した担体を用い該標的RNAを捕捉するこ
とを特徴とするRNA検出方法。標的DNAを標識物で
標識し該標的DNAを、担体に固定したリボソーム及び
リンカーポリヌクレオチドのうちのリンカーポリヌクレ
オチド部位にハイブリダイズさせてリボソームを固定し
た担体に捕捉することを特徴とする標的DNAの検出方
法。上記検出方法に用いる蛍光検出装置。 【効果】 本発明により、放射性同位元素を用いずに試
料中のウイルスなどの被測定ポリムクレオチドを感度よ
く定量測定することが可能となる。さらに,本発明で
は,ランダムアクセスが可能な自動化に適した標的ポリ
ヌクレオチド測定法が提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、疾病の原因となるウィ
ルス、リケッチャ、細菌等の外来性ポリヌクイレオチ
ド、あるいは、細胞中の遺伝子発現を担うmRNA、並
びに特定の遺伝子部位の検出方法並び該検出方法に用い
る蛍光検出装置に関する。
ルス、リケッチャ、細菌等の外来性ポリヌクイレオチ
ド、あるいは、細胞中の遺伝子発現を担うmRNA、並
びに特定の遺伝子部位の検出方法並び該検出方法に用い
る蛍光検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】標的となるポリヌクレオチド(DNAま
たはRNA)試料を固相に捕捉する方法、並びに、血液
や排泄物等の試料中の細菌やウィルス等の外来性の標的
ポリヌクレオチドを検出する方法が、特開昭58−31
998に開示されている。この方法では、試料中のポリ
ヌクレオチドを加熱等により変性させて一本鎖とした
後、これを、ニトロセルロース膜に固定する。次に、検
査したい細菌やウィルスのポリヌクレオチドと相補的な
塩基配列を持つ放射性同位元素標識されたポリヌクレオ
チドプローブを反応させた後、この膜を洗浄する。も
し、試料中に細菌やウィルスのポリヌクレオチドが含ま
れていれば、これに標識ポリヌクレオチドプローブがハ
イブリダイゼーション反応により会合して膜上に残る。
これをオートラジオグラフィーにより検出することで標
的ポリヌクレオチドの有無を判定できる。
たはRNA)試料を固相に捕捉する方法、並びに、血液
や排泄物等の試料中の細菌やウィルス等の外来性の標的
ポリヌクレオチドを検出する方法が、特開昭58−31
998に開示されている。この方法では、試料中のポリ
ヌクレオチドを加熱等により変性させて一本鎖とした
後、これを、ニトロセルロース膜に固定する。次に、検
査したい細菌やウィルスのポリヌクレオチドと相補的な
塩基配列を持つ放射性同位元素標識されたポリヌクレオ
チドプローブを反応させた後、この膜を洗浄する。も
し、試料中に細菌やウィルスのポリヌクレオチドが含ま
れていれば、これに標識ポリヌクレオチドプローブがハ
イブリダイゼーション反応により会合して膜上に残る。
これをオートラジオグラフィーにより検出することで標
的ポリヌクレオチドの有無を判定できる。
【0003】標的となるポリヌクレオチド(DNAまた
はRNA)試料を固相に捕捉する他の方法は、アナリテ
ィカル バイオケミストリー 198巻(1991
年)、138頁から142頁(Sφren Richa
rd Rasmussen etal,Analiti
cal Biochemistry 198,128〜
142(1991))にエス.アール.ラスムッセンら
の方法が記載されている。この方法では、ポリヌクレオ
チドの5’末端のリン酸基を1−メチルイミダゾールと
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カ
ルボジイミドを用いて活性化し、表面に2級アミンを導
入したポリスチレンマイクロプレートに固定する。この
方法では2級アミンと活性化した5’末端のリン酸基が
反応するのでポリヌクレオチドの5’末端側がマイクロ
プレート表面に共有結合で固定される。この例では、固
定化されたポリヌクレオチドを用いて試料中の標的オリ
ゴヌクレオチドを捕捉することをできる。いずれの方法
でも、32P等で標識したプローブを用いて特定のオリゴ
ヌクレオチドを検出することができる。
はRNA)試料を固相に捕捉する他の方法は、アナリテ
ィカル バイオケミストリー 198巻(1991
年)、138頁から142頁(Sφren Richa
rd Rasmussen etal,Analiti
cal Biochemistry 198,128〜
142(1991))にエス.アール.ラスムッセンら
の方法が記載されている。この方法では、ポリヌクレオ
チドの5’末端のリン酸基を1−メチルイミダゾールと
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カ
ルボジイミドを用いて活性化し、表面に2級アミンを導
入したポリスチレンマイクロプレートに固定する。この
方法では2級アミンと活性化した5’末端のリン酸基が
反応するのでポリヌクレオチドの5’末端側がマイクロ
プレート表面に共有結合で固定される。この例では、固
定化されたポリヌクレオチドを用いて試料中の標的オリ
ゴヌクレオチドを捕捉することをできる。いずれの方法
でも、32P等で標識したプローブを用いて特定のオリゴ
ヌクレオチドを検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58−3199
8記載のポリヌクレオチド検出法では、標的ポリヌクレ
オチドをニトロセルロースやナイロン等の担体膜に物理
吸着により固定している。担体膜上の単位面積当りの吸
着席は限られているので、試料溶液中にタンパク質や目
的外のポリヌクレオチド等の夾雑物が多量に含まれると
相対的に標的ポリヌクレオチドの固定量が低下する問題
点がある。また、ナイロン担体膜等のような布状物質を
水溶液中で扱うことは自動化が困難である上、オートラ
ジオグラフィーを用いるため標的ポリヌクレオチドの有
無の判定かせいぜいフィルムの黒化度から半定量測定が
行われるにすぎない。アナリティカル バイオケミスト
リー198巻(1991年)、138頁から142頁
(Sφren Richard Rasmussen
et al,Analitical Biochemi
stry 198,128〜142(1991))記載
のポリヌクレオチド検出法では、標的ポリヌクレオチド
に相補的なオリゴヌクレオチドを化学的に固定したマイ
クロプレート担体を用いる。この方法では標的ポリヌク
レオチドを特異的に捕捉できるので、上記吸着席の問題
は回避できる。また、マイクロプレートを担体として用
いるため装置化に際しても対応できる。しかし、測定対
象となる標的ポリヌクレオチド毎に相補的なオリゴヌク
レオチドを合成し、担体毎に固定する必要があるので、
担体調製に手間がかかる問題点がある。また、あらかじ
めオリゴヌクレオチドを固定したマイクロプレートを準
備する都合上、複数の測定対象物に対してランダムアク
セスすることが難しい。ランダムアクセス機構は検体ご
とに異なる検査項目を処理する上で特に臨床フィールド
では重要である。加えて上記測定方法では標識に放射性
同位元素を使用するために、作業者の放射線被爆を考慮
する必要があり、臨床フィールドで使用するには不都合
な面が指摘されている。本発明は、定量的な測定が可能
で、かつ臨床フィールドで複数種の標的ポリヌクレオチ
ドをランダムアクセスが可能で、スループットの高い自
動化装置の構築が可能な手法を提供することにある。加
えて,本発明では,従来法には無い機能として,転写活
性を持つRNAを選択的に検出できる手段を提供するこ
とにある。
8記載のポリヌクレオチド検出法では、標的ポリヌクレ
オチドをニトロセルロースやナイロン等の担体膜に物理
吸着により固定している。担体膜上の単位面積当りの吸
着席は限られているので、試料溶液中にタンパク質や目
的外のポリヌクレオチド等の夾雑物が多量に含まれると
相対的に標的ポリヌクレオチドの固定量が低下する問題
点がある。また、ナイロン担体膜等のような布状物質を
水溶液中で扱うことは自動化が困難である上、オートラ
ジオグラフィーを用いるため標的ポリヌクレオチドの有
無の判定かせいぜいフィルムの黒化度から半定量測定が
行われるにすぎない。アナリティカル バイオケミスト
リー198巻(1991年)、138頁から142頁
(Sφren Richard Rasmussen
et al,Analitical Biochemi
stry 198,128〜142(1991))記載
のポリヌクレオチド検出法では、標的ポリヌクレオチド
に相補的なオリゴヌクレオチドを化学的に固定したマイ
クロプレート担体を用いる。この方法では標的ポリヌク
レオチドを特異的に捕捉できるので、上記吸着席の問題
は回避できる。また、マイクロプレートを担体として用
いるため装置化に際しても対応できる。しかし、測定対
象となる標的ポリヌクレオチド毎に相補的なオリゴヌク
レオチドを合成し、担体毎に固定する必要があるので、
担体調製に手間がかかる問題点がある。また、あらかじ
めオリゴヌクレオチドを固定したマイクロプレートを準
備する都合上、複数の測定対象物に対してランダムアク
セスすることが難しい。ランダムアクセス機構は検体ご
とに異なる検査項目を処理する上で特に臨床フィールド
では重要である。加えて上記測定方法では標識に放射性
同位元素を使用するために、作業者の放射線被爆を考慮
する必要があり、臨床フィールドで使用するには不都合
な面が指摘されている。本発明は、定量的な測定が可能
で、かつ臨床フィールドで複数種の標的ポリヌクレオチ
ドをランダムアクセスが可能で、スループットの高い自
動化装置の構築が可能な手法を提供することにある。加
えて,本発明では,従来法には無い機能として,転写活
性を持つRNAを選択的に検出できる手段を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、標的ポ
リヌクレオチドがRNAであって、該標的RNAを標識
物で標識するとともに担体に固定して標的RNAを検出
する方法において、リボソームを固定した担体を用い該
標的RNAを捕捉することを特徴とするポリヌクレオチ
ド検出方法にある。ここで、標的RNAの標識は予め標
識しておいてもよく、またリボソームを固定した担体に
捕捉した後に標識してもよい。
リヌクレオチドがRNAであって、該標的RNAを標識
物で標識するとともに担体に固定して標的RNAを検出
する方法において、リボソームを固定した担体を用い該
標的RNAを捕捉することを特徴とするポリヌクレオチ
ド検出方法にある。ここで、標的RNAの標識は予め標
識しておいてもよく、またリボソームを固定した担体に
捕捉した後に標識してもよい。
【0006】さらに、本発明は、標的ポリヌクレオチド
がDNAであって、該標的DNAを標識物で標識し担体
に捕捉して検出する方法において、リボソームを固定し
た担体を用いるとともに該リボソームに、該リボソーム
と結合しうるRNA配列及び前記標的DNAに相補的な
リンカーポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを結
合し、かつ前記リンカーポリヌクレオチドと前記標的D
NAとをハイブリダイズさせてポリヌクレオチド会合体
を形成させることにより、標的DNAを捕捉することを
特徴とする標的ポリヌクレオチドの検出方法にある。こ
こで、標的DNAの標識は予め標識しておいてもよく、
またリボソームを固定した担体に捕捉した後に標識して
もよい。
がDNAであって、該標的DNAを標識物で標識し担体
に捕捉して検出する方法において、リボソームを固定し
た担体を用いるとともに該リボソームに、該リボソーム
と結合しうるRNA配列及び前記標的DNAに相補的な
リンカーポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを結
合し、かつ前記リンカーポリヌクレオチドと前記標的D
NAとをハイブリダイズさせてポリヌクレオチド会合体
を形成させることにより、標的DNAを捕捉することを
特徴とする標的ポリヌクレオチドの検出方法にある。こ
こで、標的DNAの標識は予め標識しておいてもよく、
またリボソームを固定した担体に捕捉した後に標識して
もよい。
【0007】上記RNAとしてはRNAウィルス、mR
NAが挙げられ、リボソームとしては真核生物のリボソ
ームあるいは原核生物のリボソームが挙げられる。ま
た、標識物としては、蛍光体があげられる。さらに、本
発明は、少なくとも一種以上の励起光を発射する光源、
該光源から発射された励起光のビーム径を拡大するビー
ムエクスパンダー、ビーム径が拡大された励起光を一定
方向に曲折させるとともに反応担体が発する蛍光を透過
させることのできる鏡、当該鏡により曲折させた励起光
を架台上に載置した反応担体上に照射するための集光レ
ンズ、反応担体が発する蛍光を検出する蛍光検出機構、
反応担体の下部に該反応担体を透過した励起光を受ける
フォトダイオード、前記フォトダイオードの信号が最大
となるように反応担体を載置した架台を一定方向に駆動
する駆動機構、前記蛍光検出機構からの信号をフォトダ
イオードからの位置情報と同期させて計数する装置から
なることを特徴とする蛍光検出装置にある。
NAが挙げられ、リボソームとしては真核生物のリボソ
ームあるいは原核生物のリボソームが挙げられる。ま
た、標識物としては、蛍光体があげられる。さらに、本
発明は、少なくとも一種以上の励起光を発射する光源、
該光源から発射された励起光のビーム径を拡大するビー
ムエクスパンダー、ビーム径が拡大された励起光を一定
方向に曲折させるとともに反応担体が発する蛍光を透過
させることのできる鏡、当該鏡により曲折させた励起光
を架台上に載置した反応担体上に照射するための集光レ
ンズ、反応担体が発する蛍光を検出する蛍光検出機構、
反応担体の下部に該反応担体を透過した励起光を受ける
フォトダイオード、前記フォトダイオードの信号が最大
となるように反応担体を載置した架台を一定方向に駆動
する駆動機構、前記蛍光検出機構からの信号をフォトダ
イオードからの位置情報と同期させて計数する装置から
なることを特徴とする蛍光検出装置にある。
【0008】先ず、本発明のポリヌクレオチド検出法が
RNAウィルス由来のRNAやmRNAに対して適応さ
れる場合について説明する。その試料調製法としては、
具体的被測定対象の種類に応じ田公知の方法を用いるこ
とができる。これらRNAは1本鎖であることが多く、
多くの場合その5’末端あるいはその近傍にリボソーム
結合部位を含む。例えば、真核生物のmRNAは5’末
端にキャップ構造を有しこれがリボソームと結合しう
る。もちろんこれにはキャップ結合タンパク質とよばれ
る一群の因子が必要である。あるいは、RNAウィルス
の1種であるC型肝炎ウィルスでは5’末端近傍の約3
30塩基のノンコーディング部位の一部がリボソームと
結合しうる。このように5’末端キャップ構造ではなく
5’末端近傍のノンコーディング部位がリボソームと結
合する他の例としては、ピコナウィルスが知られてい
る。そこで、適当な方法で担体上に固定したリボソーム
を用意することができれば、これらRNAを捕捉するこ
とができる。リボソームを固定した担体の調製法として
は、例えば担体としてガラス、光学的に透明なプラスチ
ック、シリコンウエファース、セルロース膜等を用い、
表面にシランカップリング反応を用いて官能基を導入し
リボソームの官能基との間で架橋することで得られる。
例えばアミノ基を導入したガラスとリボソームのアミノ
基のあいだをグルタルアルデヒドで架橋することで調製
することができる。 本発明のポリヌクレオチド検出法
がDNA等で直接リボソームと結合できないものに対し
て適応される場合について説明する。その試料調製法と
しては、具体的被測定対象の種類に応じた公知の方法を
用いることができる。
RNAウィルス由来のRNAやmRNAに対して適応さ
れる場合について説明する。その試料調製法としては、
具体的被測定対象の種類に応じ田公知の方法を用いるこ
とができる。これらRNAは1本鎖であることが多く、
多くの場合その5’末端あるいはその近傍にリボソーム
結合部位を含む。例えば、真核生物のmRNAは5’末
端にキャップ構造を有しこれがリボソームと結合しう
る。もちろんこれにはキャップ結合タンパク質とよばれ
る一群の因子が必要である。あるいは、RNAウィルス
の1種であるC型肝炎ウィルスでは5’末端近傍の約3
30塩基のノンコーディング部位の一部がリボソームと
結合しうる。このように5’末端キャップ構造ではなく
5’末端近傍のノンコーディング部位がリボソームと結
合する他の例としては、ピコナウィルスが知られてい
る。そこで、適当な方法で担体上に固定したリボソーム
を用意することができれば、これらRNAを捕捉するこ
とができる。リボソームを固定した担体の調製法として
は、例えば担体としてガラス、光学的に透明なプラスチ
ック、シリコンウエファース、セルロース膜等を用い、
表面にシランカップリング反応を用いて官能基を導入し
リボソームの官能基との間で架橋することで得られる。
例えばアミノ基を導入したガラスとリボソームのアミノ
基のあいだをグルタルアルデヒドで架橋することで調製
することができる。 本発明のポリヌクレオチド検出法
がDNA等で直接リボソームと結合できないものに対し
て適応される場合について説明する。その試料調製法と
しては、具体的被測定対象の種類に応じた公知の方法を
用いることができる。
【0009】DNA等ではリボソームと結合できるよう
にする必要がある。あらかじめリボソームと結合しうる
RNA配列を含みかつ該標的ポリヌクレオチドに相補的
なリンカーポリヌクレオチドを用意し、これを標的ポリ
ヌクレオチドとハイブリダイズさせ標的ポリヌクレオチ
ド会合体を形成させることで標的ポリヌクレオチドにリ
ボソームに結合できる部位を導入する。これにより標的
ポリヌクレオチドをリボソームを固定した担体で捕捉で
きるようになる。
にする必要がある。あらかじめリボソームと結合しうる
RNA配列を含みかつ該標的ポリヌクレオチドに相補的
なリンカーポリヌクレオチドを用意し、これを標的ポリ
ヌクレオチドとハイブリダイズさせ標的ポリヌクレオチ
ド会合体を形成させることで標的ポリヌクレオチドにリ
ボソームに結合できる部位を導入する。これにより標的
ポリヌクレオチドをリボソームを固定した担体で捕捉で
きるようになる。
【0010】本発明で用いられるリボソームは前述のと
おり、真核生物のリボソームあるいは原核生物のリボソ
ームであるが、このリボソームには精製されたものの他
リボソームを含む動物或いは植物の器官の抽出物も含ま
れる。このリボソームとして、具体的には小麦胚芽抽出
物、肝細胞抽出物、うさぎ等の網状赤血球抽出物、大腸
菌抽出物等が用いられる。
おり、真核生物のリボソームあるいは原核生物のリボソ
ームであるが、このリボソームには精製されたものの他
リボソームを含む動物或いは植物の器官の抽出物も含ま
れる。このリボソームとして、具体的には小麦胚芽抽出
物、肝細胞抽出物、うさぎ等の網状赤血球抽出物、大腸
菌抽出物等が用いられる。
【0011】リボソームを固定した担体に捕捉した標的
ポリヌクレオチドを検出するには、蛍光体を用いて標的
ポリヌクレオチドを標識する。標的ポリヌクレオチドの
標識は、標的ポリヌクレオチドをリボソームを固定した
担体に捕捉する前でも後でも良い。標識法としては、標
的ポリヌクレオチドに相補的な合成オリゴヌクレオチド
に蛍光体を導入したものを用意し、これを標的ポリヌク
レオチドにハイブリダイゼーション反応により結合させ
る方法や、標的ポリヌクレオチドが2本鎖の場合、リガ
ーゼ反応を用いて蛍光標識プライマーを導入する方法、
ポリメラーゼを用いて蛍光標識ジデオキシリボヌクレオ
チドを導入する方法などが可能である。
ポリヌクレオチドを検出するには、蛍光体を用いて標的
ポリヌクレオチドを標識する。標的ポリヌクレオチドの
標識は、標的ポリヌクレオチドをリボソームを固定した
担体に捕捉する前でも後でも良い。標識法としては、標
的ポリヌクレオチドに相補的な合成オリゴヌクレオチド
に蛍光体を導入したものを用意し、これを標的ポリヌク
レオチドにハイブリダイゼーション反応により結合させ
る方法や、標的ポリヌクレオチドが2本鎖の場合、リガ
ーゼ反応を用いて蛍光標識プライマーを導入する方法、
ポリメラーゼを用いて蛍光標識ジデオキシリボヌクレオ
チドを導入する方法などが可能である。
【0012】
【作用】標的ポリヌクレオチドがmRNAやウィルスD
NAではそれ自体がリボソームと結合できるので、これ
ら標的ポリヌクレオチドをリボソーム固定担体で捕捉す
ることができる。標的ポリヌクレオチドがDNAなどの
リボソームと直接結合できないものでは、リボソームと
結合しうる配列のポリヌクレオチドをあらかじめ標的ポ
リヌクレオチドに結合させることでリボソーム固定担体
で捕捉することができる。標的ポリヌクレオチドに標識
体を結合させておけば、標的ポリヌクレオチドを中心と
したリボソームと標識体のサンドイッチハイブリッドが
形成される。この時、リボソームは担体に固定されてい
るので、標識体は標的ポリヌクレオチドの量に相関のあ
る値として担体表面に固定される。よって、担体表面に
残存する標識体量を調べることで試料中の標的ポリヌク
レオチドの量がわかる。
NAではそれ自体がリボソームと結合できるので、これ
ら標的ポリヌクレオチドをリボソーム固定担体で捕捉す
ることができる。標的ポリヌクレオチドがDNAなどの
リボソームと直接結合できないものでは、リボソームと
結合しうる配列のポリヌクレオチドをあらかじめ標的ポ
リヌクレオチドに結合させることでリボソーム固定担体
で捕捉することができる。標的ポリヌクレオチドに標識
体を結合させておけば、標的ポリヌクレオチドを中心と
したリボソームと標識体のサンドイッチハイブリッドが
形成される。この時、リボソームは担体に固定されてい
るので、標識体は標的ポリヌクレオチドの量に相関のあ
る値として担体表面に固定される。よって、担体表面に
残存する標識体量を調べることで試料中の標的ポリヌク
レオチドの量がわかる。
【0013】標識体としては蛍光体、酵素、化学発光物
質、アイソトープ等が利用できる。標識用の蛍光体とし
ては、B−フィコエリスリンやR−フィコエリスリン等
のフィコビリプロテイン、ローダミン、フルオレッセイ
ン、4−ニトロベンゾ−2−オキサ−1、3−ジアゾー
ル、フタロシアニン等とこれらの誘導体、ならびにこれ
ら蛍光体を含むポリマーを用いることができる。ただ
し、フィコビリプロテインは熱安定性や変性剤に対する
安定性に問題があるため、あらかじめ標的ポリヌクレオ
チドに会合したプローブにビオチン−アビジンあるい
は、ハプテン−抗−ハプテン抗体等を用いて標識する必
要がある。また、フルオレッセイン等の短波長蛍光体は
散乱光や背景光の影響を受けやすいので、かかる蛍光体
としてはローダミン系のスルホローダミン101がよ
い。これら蛍光体のポリヌクレオチドへの結合方法は特
に限定されるものではない。例えば、標識プローブを標
的ポリヌクレオチドにハイブリダイズさせて標識するに
は、標識プローブを用意する必要がある。標識プローブ
の調製法としてはアミノ基導入試薬で5’末端に蛍光体
を標識する方法や、Proc. Natl. Aca
d. Sci.USA 82,968−972(198
5)記載のアミノ化チミジンを用いて任意のチミン位置
に蛍光体を導入する方法、あるいは特開昭61−443
53号開示の方法、即ちポリヌクレオチドのリン酸基を
官能機を有するスルホン酸基に置き換え、この官能基に
蛍光体を結合させることにより蛍光標識プローブを調製
し、標的ポリヌクレオチドの任意の位置に標識体を導入
することができる。
質、アイソトープ等が利用できる。標識用の蛍光体とし
ては、B−フィコエリスリンやR−フィコエリスリン等
のフィコビリプロテイン、ローダミン、フルオレッセイ
ン、4−ニトロベンゾ−2−オキサ−1、3−ジアゾー
ル、フタロシアニン等とこれらの誘導体、ならびにこれ
ら蛍光体を含むポリマーを用いることができる。ただ
し、フィコビリプロテインは熱安定性や変性剤に対する
安定性に問題があるため、あらかじめ標的ポリヌクレオ
チドに会合したプローブにビオチン−アビジンあるい
は、ハプテン−抗−ハプテン抗体等を用いて標識する必
要がある。また、フルオレッセイン等の短波長蛍光体は
散乱光や背景光の影響を受けやすいので、かかる蛍光体
としてはローダミン系のスルホローダミン101がよ
い。これら蛍光体のポリヌクレオチドへの結合方法は特
に限定されるものではない。例えば、標識プローブを標
的ポリヌクレオチドにハイブリダイズさせて標識するに
は、標識プローブを用意する必要がある。標識プローブ
の調製法としてはアミノ基導入試薬で5’末端に蛍光体
を標識する方法や、Proc. Natl. Aca
d. Sci.USA 82,968−972(198
5)記載のアミノ化チミジンを用いて任意のチミン位置
に蛍光体を導入する方法、あるいは特開昭61−443
53号開示の方法、即ちポリヌクレオチドのリン酸基を
官能機を有するスルホン酸基に置き換え、この官能基に
蛍光体を結合させることにより蛍光標識プローブを調製
し、標的ポリヌクレオチドの任意の位置に標識体を導入
することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、これら実施例は本発明の技術的範囲を限定
するものではない。 (実施例1)リボソーム固定担体の調製 本発明のリボソーム固定担体の一調製法を示す。 使用
するリボソームは小麦胚芽抽出物として用いる。この小
麦胚芽抽出物はmRNAの情報からペプチドを合成する
能力があり(Alexander S.Spirin
et al,Science,vol.242,116
2−1164(1988))、真核生物由来のmRNA
や真核生物に感染するRNAウィルスを捕捉するのに適
している。ここでは市販のタンパク質無細胞合成系小麦
胚芽抽出物を各0.1μg/mlのアプロチニン、ペプ
スタチン、ロイペプチンと112mM酢酸カリウム、
1.9mM酢酸マグネシウム、2%グリセリン等を含む
40mMリン酸緩衝液(pH7.6)で希釈透析して用
いる。抽出物の濃度は約10μg/mlである。
る。ただし、これら実施例は本発明の技術的範囲を限定
するものではない。 (実施例1)リボソーム固定担体の調製 本発明のリボソーム固定担体の一調製法を示す。 使用
するリボソームは小麦胚芽抽出物として用いる。この小
麦胚芽抽出物はmRNAの情報からペプチドを合成する
能力があり(Alexander S.Spirin
et al,Science,vol.242,116
2−1164(1988))、真核生物由来のmRNA
や真核生物に感染するRNAウィルスを捕捉するのに適
している。ここでは市販のタンパク質無細胞合成系小麦
胚芽抽出物を各0.1μg/mlのアプロチニン、ペプ
スタチン、ロイペプチンと112mM酢酸カリウム、
1.9mM酢酸マグネシウム、2%グリセリン等を含む
40mMリン酸緩衝液(pH7.6)で希釈透析して用
いる。抽出物の濃度は約10μg/mlである。
【0015】これとは別に、リボソーム固定用担体を用
意する。図1は反応担体の一実施形態である。担体上
に、直径2mmの反応部2が設けられ周囲のフッ化エチ
レン樹脂でできた堤1で溶液を保持する構造となってい
る。かかる反応担体の素材は、リボソームを固定する適
当な反応残基が容易に導入可能で、標識物からの信号を
検出可能な限りにおいて特に限定されるものではない。
例えば、ガラス、シリコンウェハー、光学的に平坦な構
造を有するプラスチックを用いるのが好ましい。
意する。図1は反応担体の一実施形態である。担体上
に、直径2mmの反応部2が設けられ周囲のフッ化エチ
レン樹脂でできた堤1で溶液を保持する構造となってい
る。かかる反応担体の素材は、リボソームを固定する適
当な反応残基が容易に導入可能で、標識物からの信号を
検出可能な限りにおいて特に限定されるものではない。
例えば、ガラス、シリコンウェハー、光学的に平坦な構
造を有するプラスチックを用いるのが好ましい。
【0016】本実施例では担体として無蛍光ガラスを用
いる例について説明する。先ずガラス担体表面を十分に
洗浄し、36mMの3−(2アミノエチルアミノプロピ
ル)トリメトキシシラン水溶液中で30分間処理し、水
洗後105℃で1時間風乾する。次に2.5%グルタル
アルデヒド水溶液50mlで6時間処理し表面を活性化した
無蛍光ガラスを得る。 次に、前記したリボソーム混合
液10μlを添加し2時間反応させる。各0.1μg/
mlのアプロチニン、ペプスタチン、ロイペプチンと1
12mM酢酸カリウム、1.9mM酢酸マグネシウム、
0.25mMスペルミジン、6mMジチオスレイトー
ル、2%グリセリンを含む40mMヘペス緩衝液(pH
7.6)で洗浄する。以上の操作でリボソームを含むS
30抽出物を固定した無蛍光ガラス担体を得る。 ここ
では担体にアミノ基を導入した無蛍光ガラスを用いた
が、リボソームを固定できる残基を持つものであれば特
に限定する必要はないことは前にも述べた。具体的に
は、表面にアミノ基を持つマイクロプレート(例えば、
住友ベークライト株式会社製、アミノプレート)をグル
タルアルデヒドで活性化して用いても同様にリボソーム
を固定した担体を得ることができる。表面を酸化したシ
リコンウェハーをシランカップリング処理してアミノ基
を導入し、グルタルアルデヒドで活性化して用いてもよ
い。カルボキシル基を持つマイクロプレート(例えば、
住友ベークライト株式会社製、カルボプレート)を0.
2M 1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミドのpH5〜6の水溶液で活性化した後、水
洗し、該リボソームを固定しても良い。 (実施例2)リボソーム結合性の特異的RNAの検出 ここでは肝細胞由来のリボソームを実施例1の方法に従
い固定したマイクロプレートを用いてC型肝炎ウィルス
のRNAを定量検出する例を示す。
いる例について説明する。先ずガラス担体表面を十分に
洗浄し、36mMの3−(2アミノエチルアミノプロピ
ル)トリメトキシシラン水溶液中で30分間処理し、水
洗後105℃で1時間風乾する。次に2.5%グルタル
アルデヒド水溶液50mlで6時間処理し表面を活性化した
無蛍光ガラスを得る。 次に、前記したリボソーム混合
液10μlを添加し2時間反応させる。各0.1μg/
mlのアプロチニン、ペプスタチン、ロイペプチンと1
12mM酢酸カリウム、1.9mM酢酸マグネシウム、
0.25mMスペルミジン、6mMジチオスレイトー
ル、2%グリセリンを含む40mMヘペス緩衝液(pH
7.6)で洗浄する。以上の操作でリボソームを含むS
30抽出物を固定した無蛍光ガラス担体を得る。 ここ
では担体にアミノ基を導入した無蛍光ガラスを用いた
が、リボソームを固定できる残基を持つものであれば特
に限定する必要はないことは前にも述べた。具体的に
は、表面にアミノ基を持つマイクロプレート(例えば、
住友ベークライト株式会社製、アミノプレート)をグル
タルアルデヒドで活性化して用いても同様にリボソーム
を固定した担体を得ることができる。表面を酸化したシ
リコンウェハーをシランカップリング処理してアミノ基
を導入し、グルタルアルデヒドで活性化して用いてもよ
い。カルボキシル基を持つマイクロプレート(例えば、
住友ベークライト株式会社製、カルボプレート)を0.
2M 1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミドのpH5〜6の水溶液で活性化した後、水
洗し、該リボソームを固定しても良い。 (実施例2)リボソーム結合性の特異的RNAの検出 ここでは肝細胞由来のリボソームを実施例1の方法に従
い固定したマイクロプレートを用いてC型肝炎ウィルス
のRNAを定量検出する例を示す。
【0017】C型肝炎ウィルスのRNAには5’末端近
傍に約350塩基長からなるタンパク質非翻訳部位があ
り、該非翻訳部位をリボソームが認識することが知られ
ている(小原恭子、実験医学vol.9(増刊)133
−138(1991))。試料は濃度既知のC型肝炎ウ
ィルスのRNAを、5mg/ml牛血清アルブミン、5
0%ホルムアミド、0.1%SDS(ドデシル硫酸ナト
リウム)、100μg/mlキャリヤーDNA(変性サ
ケDNA)、0.5M NaCl、を含むpH7の50
mMハイブリダイゼージョン用バッファーで順次希釈し
調製したものである。
傍に約350塩基長からなるタンパク質非翻訳部位があ
り、該非翻訳部位をリボソームが認識することが知られ
ている(小原恭子、実験医学vol.9(増刊)133
−138(1991))。試料は濃度既知のC型肝炎ウ
ィルスのRNAを、5mg/ml牛血清アルブミン、5
0%ホルムアミド、0.1%SDS(ドデシル硫酸ナト
リウム)、100μg/mlキャリヤーDNA(変性サ
ケDNA)、0.5M NaCl、を含むpH7の50
mMハイブリダイゼージョン用バッファーで順次希釈し
調製したものである。
【0018】検出に使用する蛍光標識プローブは、配列
番号1記載のポリヌクレオチドにスルホローダミン10
1蛍光体を結合させて用いる。配列番号1のポリヌクレ
オチドは標的C型肝炎ウィルスのRNAの3’近傍に相
補的に結合する。以下該蛍光標識プローブの調製法を説
明する。配列番号1の構造の51塩基のポリヌクレオチ
ドをホスホアミダイト法(Mc Bride,L.J.
andCaruthers,M.H.,Tetrah
edron Letters,vol.24,245−
348(1983)に従い合成する。この際、合成の最
終段において、N−モノメトキシトリチルアミノヘキサ
−6−オキシ−β−シアノエチル−N,N−ジイソプロ
ピルアミノホスホアミダイトを反応させてアミノ基を
5’末端に導入する。また、12番、25番、39番、
51番、のチミン残基には、ウリジンの5位にアミノ基
を導入した式1記載の
番号1記載のポリヌクレオチドにスルホローダミン10
1蛍光体を結合させて用いる。配列番号1のポリヌクレ
オチドは標的C型肝炎ウィルスのRNAの3’近傍に相
補的に結合する。以下該蛍光標識プローブの調製法を説
明する。配列番号1の構造の51塩基のポリヌクレオチ
ドをホスホアミダイト法(Mc Bride,L.J.
andCaruthers,M.H.,Tetrah
edron Letters,vol.24,245−
348(1983)に従い合成する。この際、合成の最
終段において、N−モノメトキシトリチルアミノヘキサ
−6−オキシ−β−シアノエチル−N,N−ジイソプロ
ピルアミノホスホアミダイトを反応させてアミノ基を
5’末端に導入する。また、12番、25番、39番、
51番、のチミン残基には、ウリジンの5位にアミノ基
を導入した式1記載の
【0019】
【化1】
【0020】アミノ化チミジンの5’水酸基を4、4’
−ジメトキシトリチル基保護したものを用いる。この構
造のアミノ化チミジンはGeoffrey B. et
al,Proc. Natl. Acad. Sc
i.USA 82,968−972(1985)の方法
に従い調製する。遊離のアミノ基をトリフルオロアセチ
ル化し、3’水酸基をクロロ−N,N−ジイソプロピル
アミノメトキシホスフィンで活性化して用いる。次に、
上記手法により合成した組成ポリヌクレオチドは30%
アンモニア水に溶解している。氷冷下酢酸で中和した後
2.5倍容量のエタノールを加え合成ポリヌクレオチド
を回収する。沈殿を1M NaClに溶解し再度2.5
倍容量のエタノールで沈殿させる。この操作をさらに2
回繰り返すことにより、アンモニアや未反応ヌクレオチ
ド等の低分子の反応夾雑物が除かれる。次に合成ポリヌ
クレオチドを0.5M 炭酸緩衝液(pH9)に溶解
し、250倍molのスルホローダミン101酸クロラ
イドを添加する。スルホローダミン101酸クロライド
はあらかじめアセトニトリルに溶解して使用するが、ア
セトニトリルは反応時に20%前後になることが重要で
ある。アセトニトリル濃度が高すぎるとポリヌクレオチ
ドが沈殿しやすく、低すぎるとスルホローダミン101
酸クロライドが沈殿しやすくなる。遮光下16時間室温
で反応させた後、塩酸で中和し、2.5倍容量のエタノ
ールを加え沈殿を回収する。沈殿を1M NaClに溶
解し再度2.5倍容量のエタノールで沈殿させる。この
ようにして調製した粗製のスルホローダミン101標識
プローブを50%ホルムアミド共存下で熱変性した後、
7M尿素を含む19%ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により精製する。このようにして調製した標識プローブ
は電気泳動的に単一バンドの純品である。
−ジメトキシトリチル基保護したものを用いる。この構
造のアミノ化チミジンはGeoffrey B. et
al,Proc. Natl. Acad. Sc
i.USA 82,968−972(1985)の方法
に従い調製する。遊離のアミノ基をトリフルオロアセチ
ル化し、3’水酸基をクロロ−N,N−ジイソプロピル
アミノメトキシホスフィンで活性化して用いる。次に、
上記手法により合成した組成ポリヌクレオチドは30%
アンモニア水に溶解している。氷冷下酢酸で中和した後
2.5倍容量のエタノールを加え合成ポリヌクレオチド
を回収する。沈殿を1M NaClに溶解し再度2.5
倍容量のエタノールで沈殿させる。この操作をさらに2
回繰り返すことにより、アンモニアや未反応ヌクレオチ
ド等の低分子の反応夾雑物が除かれる。次に合成ポリヌ
クレオチドを0.5M 炭酸緩衝液(pH9)に溶解
し、250倍molのスルホローダミン101酸クロラ
イドを添加する。スルホローダミン101酸クロライド
はあらかじめアセトニトリルに溶解して使用するが、ア
セトニトリルは反応時に20%前後になることが重要で
ある。アセトニトリル濃度が高すぎるとポリヌクレオチ
ドが沈殿しやすく、低すぎるとスルホローダミン101
酸クロライドが沈殿しやすくなる。遮光下16時間室温
で反応させた後、塩酸で中和し、2.5倍容量のエタノ
ールを加え沈殿を回収する。沈殿を1M NaClに溶
解し再度2.5倍容量のエタノールで沈殿させる。この
ようにして調製した粗製のスルホローダミン101標識
プローブを50%ホルムアミド共存下で熱変性した後、
7M尿素を含む19%ポリアクリルアミドゲル電気泳動
により精製する。このようにして調製した標識プローブ
は電気泳動的に単一バンドの純品である。
【0021】実際のC型肝炎ウィルスのRNAの測定手
順について説明する。濃度既知のC型肝炎ウィルスのR
NAを含む試料溶液10μlに上記手法により調製した
スルホローダミン101標識プローブ1pmolを添加
し熱変性後ハイブリダイゼーション条件下で30分間放
置する。5mg/ml牛血清アルブミン、各0.1μg
/mlのアプロチニン、ペプスタチン、ロイペプチンと
112mM酢酸カリウム、0.5M NaCl、1.9
mM酢酸マグネシウム、0.25mMスペルミジン、6
mMジチオスレイトール、2%グリセリンを含む40m
Mヘペス緩衝液(pH7.6)90μlで希釈し、実施
例1記載のリボソーム固定無蛍光ガラス担体に添加す
る。4時間攪拌した後に、5mg/ml牛血清アルブミ
ン、0.05%のTween20、112mM酢酸カリ
ウム、0.5M NaCl、1.9mM酢酸マグネシウ
ム、0.25mMスペルミジン、2%グリセリンを含む
40mMヘペス緩衝液(pH7.6)で洗浄する。 反
応の終了した反応担体上の蛍光標識プローブの結合部を
検出するには、He/Neレーザー(594nm)(あ
るいはNaランプなど)と光電子増倍管(あるいは高感
度半導体センサー)を用いて反応担体反応部から発する
蛍光を測定する。もちろん他の光源と蛍光体の組みあわ
せを用いてもよい。本実施例では担体に無蛍光ガラスを
用いている。図2に記載のような反射型の蛍光測定装置
を用いて反応担体上方から測定すると励起光除去が容易
なので高感度な測定系が得られる。
順について説明する。濃度既知のC型肝炎ウィルスのR
NAを含む試料溶液10μlに上記手法により調製した
スルホローダミン101標識プローブ1pmolを添加
し熱変性後ハイブリダイゼーション条件下で30分間放
置する。5mg/ml牛血清アルブミン、各0.1μg
/mlのアプロチニン、ペプスタチン、ロイペプチンと
112mM酢酸カリウム、0.5M NaCl、1.9
mM酢酸マグネシウム、0.25mMスペルミジン、6
mMジチオスレイトール、2%グリセリンを含む40m
Mヘペス緩衝液(pH7.6)90μlで希釈し、実施
例1記載のリボソーム固定無蛍光ガラス担体に添加す
る。4時間攪拌した後に、5mg/ml牛血清アルブミ
ン、0.05%のTween20、112mM酢酸カリ
ウム、0.5M NaCl、1.9mM酢酸マグネシウ
ム、0.25mMスペルミジン、2%グリセリンを含む
40mMヘペス緩衝液(pH7.6)で洗浄する。 反
応の終了した反応担体上の蛍光標識プローブの結合部を
検出するには、He/Neレーザー(594nm)(あ
るいはNaランプなど)と光電子増倍管(あるいは高感
度半導体センサー)を用いて反応担体反応部から発する
蛍光を測定する。もちろん他の光源と蛍光体の組みあわ
せを用いてもよい。本実施例では担体に無蛍光ガラスを
用いている。図2に記載のような反射型の蛍光測定装置
を用いて反応担体上方から測定すると励起光除去が容易
なので高感度な測定系が得られる。
【0022】図3に各種濃度のC型肝炎ウィルスRNA
の測定結果を実線で示す。なお従来用いられているナイ
ロン膜にC型肝炎ウィルスRNAを直接固定し、本発明
で用いたのと同じ蛍光標識プローブを用いて測定を行っ
た結果を破線で示す。従来法でも図2記載の装置を用い
て蛍光測定を行ったが、試料反応部を自動的に検出する
ことはできないのでマニュアル操作で測定した。その結
果本発明によれば従来法に比べ約1桁高感度に定量測定
できることがわかる。測定のダイナミックレンジは4桁
以上を確保でき従来法の蛍光法(図3破線)やオートラ
ジオグラフィーを用いた検出法に比べ1桁ないし2桁広
い。これらの効果は,主にリボソームを固定する担体に
背景光の低いガラスを用いたことによる。また、従来法
ではナイロンやニトロセルロース製のメンブレンを担体
として使用するため、機械強度が弱く取扱が不便であっ
たが、本発明ではガラスやシリコンウェハー等でできた
担体を用いるため自動化に適している。また,本方法
が,転写活性のあるポリヌクレオチドのみを選択的に測
定できる利点があることを示すために,同様の実験をM
13由来のDNAとこれに相補的に結合する蛍光標識プ
ローブを用いて行った。その結果,M13由来のDNA
を検出することはできなかった。M13由来のDNAそ
れ自体は転写活性を持たないので,リボソーム固定担体
で捕捉することができない。よって,本発明は,試料中
の転写活性のあるポリヌクレオチド,即ち,RNAウイ
ルスやmRNA等を選択的に選別測定できる利点がある
ことが示された。
の測定結果を実線で示す。なお従来用いられているナイ
ロン膜にC型肝炎ウィルスRNAを直接固定し、本発明
で用いたのと同じ蛍光標識プローブを用いて測定を行っ
た結果を破線で示す。従来法でも図2記載の装置を用い
て蛍光測定を行ったが、試料反応部を自動的に検出する
ことはできないのでマニュアル操作で測定した。その結
果本発明によれば従来法に比べ約1桁高感度に定量測定
できることがわかる。測定のダイナミックレンジは4桁
以上を確保でき従来法の蛍光法(図3破線)やオートラ
ジオグラフィーを用いた検出法に比べ1桁ないし2桁広
い。これらの効果は,主にリボソームを固定する担体に
背景光の低いガラスを用いたことによる。また、従来法
ではナイロンやニトロセルロース製のメンブレンを担体
として使用するため、機械強度が弱く取扱が不便であっ
たが、本発明ではガラスやシリコンウェハー等でできた
担体を用いるため自動化に適している。また,本方法
が,転写活性のあるポリヌクレオチドのみを選択的に測
定できる利点があることを示すために,同様の実験をM
13由来のDNAとこれに相補的に結合する蛍光標識プ
ローブを用いて行った。その結果,M13由来のDNA
を検出することはできなかった。M13由来のDNAそ
れ自体は転写活性を持たないので,リボソーム固定担体
で捕捉することができない。よって,本発明は,試料中
の転写活性のあるポリヌクレオチド,即ち,RNAウイ
ルスやmRNA等を選択的に選別測定できる利点がある
ことが示された。
【0023】(実施例3)本発明のポリヌクレオチドノ
検出方法に使用する蛍光検出装置 本発明のポリヌクレオチドの検出方法に使用する蛍光測
定装置の一例を図2により説明する。レーザー光源10
1の光は、ビームエキスパンダー102でビーム径を拡
張し、ダイクロイックミラー103で反射される。ダイ
クロイックミラー103は594nmの光を反射し、6
10nm以上の光を80%以上透過するものを使用す
る。ダイクロイックミラー103で反射された光は、ス
リット109を通過した後、集光レンズ108で集光さ
れ、反応担体100の反応部の直径2mmの範囲を照射
する。反応部に蛍光体が存在する部位にレーザースポッ
トがあたると蛍光が発生する。蛍光は集光レンズ108
を通り、ダイクロイックミラー103を通過する。バン
ドパスフィルター110を通過した後、光電子増倍管1
11で検出される。これとは別に反応担体の下部にはフ
ォトダイオード120が配置されている。反応担体の反
応部ではレーザー光が反応担体を透過しフォトダイオー
ドに達するが、フッ化エチレン樹脂堤の部分は光の透過
率が低下する。フォトダイオード120の信号が最大に
なるように駆動機構132を用いて反応担体の反応部を
自動的に検索できる。光電子増倍管111検出された信
号は、マイクロプロセッサー151に取り込まれ、フォ
トダイオードからの位置情報と同期させて処理すること
で、各反応部における蛍光強度を算出する。この方法
で、反応部毎の蛍光強度を測定できる。
検出方法に使用する蛍光検出装置 本発明のポリヌクレオチドの検出方法に使用する蛍光測
定装置の一例を図2により説明する。レーザー光源10
1の光は、ビームエキスパンダー102でビーム径を拡
張し、ダイクロイックミラー103で反射される。ダイ
クロイックミラー103は594nmの光を反射し、6
10nm以上の光を80%以上透過するものを使用す
る。ダイクロイックミラー103で反射された光は、ス
リット109を通過した後、集光レンズ108で集光さ
れ、反応担体100の反応部の直径2mmの範囲を照射
する。反応部に蛍光体が存在する部位にレーザースポッ
トがあたると蛍光が発生する。蛍光は集光レンズ108
を通り、ダイクロイックミラー103を通過する。バン
ドパスフィルター110を通過した後、光電子増倍管1
11で検出される。これとは別に反応担体の下部にはフ
ォトダイオード120が配置されている。反応担体の反
応部ではレーザー光が反応担体を透過しフォトダイオー
ドに達するが、フッ化エチレン樹脂堤の部分は光の透過
率が低下する。フォトダイオード120の信号が最大に
なるように駆動機構132を用いて反応担体の反応部を
自動的に検索できる。光電子増倍管111検出された信
号は、マイクロプロセッサー151に取り込まれ、フォ
トダイオードからの位置情報と同期させて処理すること
で、各反応部における蛍光強度を算出する。この方法
で、反応部毎の蛍光強度を測定できる。
【0024】(実施例4)特異的DNAの検出 ここでは実施例2記載のリボソーム固定無蛍光ガラス担
体を用いて直接リボソームと結合することのできないD
NAを検出する例を示す。標的DNAは2本鎖のM13
mp18とバクテリオファージλのEcoRI分解物で
ある。両者は本方法のランダムアクセス性を示すために
同一反応担体上の異なる反応部で同時に測定を行う。
体を用いて直接リボソームと結合することのできないD
NAを検出する例を示す。標的DNAは2本鎖のM13
mp18とバクテリオファージλのEcoRI分解物で
ある。両者は本方法のランダムアクセス性を示すために
同一反応担体上の異なる反応部で同時に測定を行う。
【0025】M13mp18やバクテリオファージλは
DNAであるので、C型肝炎ウィルスのRNAのような
リボソームとの結合部位をもたない。そこでリボソーム
との結合部位を導入する必要がある。そこでこれら標的
DNAとリボソームに結合しうるリンカーポリヌクレオ
チドを用いる。M13mp18用のリンカーポリヌクレ
エオチドは配列番号2の構造の物で、ホスホアミダイト
法(Mc Bride,L.J. and Carut
hers,M.H.,TetrahedronLett
ers,vol.24,245−348(1983)に
従い合成する。もちろん目的のリンカーが得られる限り
において合成法は限定されるものではない。リンカーポ
リヌクレオチドの5’末端から350番目の塩基までは
C型肝炎ウィルスRNAの5’末端の非翻訳領域であ
る。357番目から3’末端側の37塩基はM13mp
18に相補的な配列である。351番目から356番目
の配列はAAGCTTで制限酵素Hind IIIの切
断部位で、必要に応じて標的となるポリヌクレオチドに
相補的な他のプローブを導入できる構造となっている。
バクテリオファージλのEcoR I分解物に相補的な
リンカーポリヌクレオチドは、上記C型肝炎ウィルスR
NAの5’末端の非翻訳領域に配列番号3記載のオリゴ
ヌクレオチドを結合したものである。配列番号3記載の
オリゴヌクレオチドは5’末端に制限酵素Hind I
II切断部位を含み、バクテリオファージλのEcoR
I分解物に相補的な配列のポリヌクレオチドである。
DNAであるので、C型肝炎ウィルスのRNAのような
リボソームとの結合部位をもたない。そこでリボソーム
との結合部位を導入する必要がある。そこでこれら標的
DNAとリボソームに結合しうるリンカーポリヌクレオ
チドを用いる。M13mp18用のリンカーポリヌクレ
エオチドは配列番号2の構造の物で、ホスホアミダイト
法(Mc Bride,L.J. and Carut
hers,M.H.,TetrahedronLett
ers,vol.24,245−348(1983)に
従い合成する。もちろん目的のリンカーが得られる限り
において合成法は限定されるものではない。リンカーポ
リヌクレオチドの5’末端から350番目の塩基までは
C型肝炎ウィルスRNAの5’末端の非翻訳領域であ
る。357番目から3’末端側の37塩基はM13mp
18に相補的な配列である。351番目から356番目
の配列はAAGCTTで制限酵素Hind IIIの切
断部位で、必要に応じて標的となるポリヌクレオチドに
相補的な他のプローブを導入できる構造となっている。
バクテリオファージλのEcoR I分解物に相補的な
リンカーポリヌクレオチドは、上記C型肝炎ウィルスR
NAの5’末端の非翻訳領域に配列番号3記載のオリゴ
ヌクレオチドを結合したものである。配列番号3記載の
オリゴヌクレオチドは5’末端に制限酵素Hind I
II切断部位を含み、バクテリオファージλのEcoR
I分解物に相補的な配列のポリヌクレオチドである。
【0026】標的ポリヌクレオチドであるM13mp1
8やバクテリオファージλのEcoRI分解物はあらか
じめ蛍光標識して用いる。目的とするM13mp18と
バクテリオファージλをEcoR Iで切断し、切断部
に蛍光体を導入する。蛍光体導入法には蛍光標識ヌクレ
オチドモノマーをDNAポリメラーゼで導入する方法、
蛍光標識付きオリゴヌクレオチドをライゲーション反応
でつける方法、あるいは全DNA鎖にビオチンを導入し
蛍光標識アビジン等を結合させる方法やエテノ化反応に
よりDNA自身を蛍光性に変換する方法があるが、ここ
ではライゲーションによる蛍光標識オリゴマーの導入を
行う。ここで使用する螢光標識オリゴマーは配列番号4
記載の構造の2本鎖DNAで、3’末端は制限酵素Ec
oR Iの切断部位に一致する。5’末端と5’末端か
ら12塩基目、24塩基目にはスルホローダミン101
蛍光体が結合している。スルホローダミン101の標識
法は前記実施例1における標的C型肝炎ウィルスのRN
Aの3’近傍に相補的に結合する該蛍光標識プライマー
の調製法に従う。即ち、該螢光標識部位の塩基としてア
ミノ化チミジンを用いてオリゴマーを合成し、該アミノ
基にスルホローダミン101酸クロライドで修飾した物
である。 実際のM13mp18とバクテリオファージ
λのEcoR I分解物の測定手順について説明する。
スルホローダミン101標識した濃度既知のM13mp
18とバクテリオファージλを含む試料溶液10μlに
上記手法により調製したリンカーポリヌクレオチド1p
mol(1μl)を添加し56℃ハイブリダイゼーショ
ン条件下で6時間放置する。5mg/ml牛血清アルブ
ミン、各0.1μg/mlのアプロチニン、ペプスタチ
ン、ロイペプチンと112mM酢酸カリウム、0.5M
NaCl、1.9mM酢酸マグネシウム、0.25m
Mスペルミジン、6mMジチオスレイトール、2%グリ
セリンを含む40mMヘペス緩衝液(pH7.6)90
μlで希釈し、実施例1記載のリボソーム固定無蛍光ガ
ラス担体に添加する。4時間反応させた後に、5mg/
ml牛血清アルブミン、0.05%のTween20、
112mM酢酸カリウム、0.5M NaCl、1.9
mM酢酸マグネシウム、0.25mMスペルミジン、2
%グリセリンを含む40mMヘペス緩衝液(pH7.
6)で洗浄する。
8やバクテリオファージλのEcoRI分解物はあらか
じめ蛍光標識して用いる。目的とするM13mp18と
バクテリオファージλをEcoR Iで切断し、切断部
に蛍光体を導入する。蛍光体導入法には蛍光標識ヌクレ
オチドモノマーをDNAポリメラーゼで導入する方法、
蛍光標識付きオリゴヌクレオチドをライゲーション反応
でつける方法、あるいは全DNA鎖にビオチンを導入し
蛍光標識アビジン等を結合させる方法やエテノ化反応に
よりDNA自身を蛍光性に変換する方法があるが、ここ
ではライゲーションによる蛍光標識オリゴマーの導入を
行う。ここで使用する螢光標識オリゴマーは配列番号4
記載の構造の2本鎖DNAで、3’末端は制限酵素Ec
oR Iの切断部位に一致する。5’末端と5’末端か
ら12塩基目、24塩基目にはスルホローダミン101
蛍光体が結合している。スルホローダミン101の標識
法は前記実施例1における標的C型肝炎ウィルスのRN
Aの3’近傍に相補的に結合する該蛍光標識プライマー
の調製法に従う。即ち、該螢光標識部位の塩基としてア
ミノ化チミジンを用いてオリゴマーを合成し、該アミノ
基にスルホローダミン101酸クロライドで修飾した物
である。 実際のM13mp18とバクテリオファージ
λのEcoR I分解物の測定手順について説明する。
スルホローダミン101標識した濃度既知のM13mp
18とバクテリオファージλを含む試料溶液10μlに
上記手法により調製したリンカーポリヌクレオチド1p
mol(1μl)を添加し56℃ハイブリダイゼーショ
ン条件下で6時間放置する。5mg/ml牛血清アルブ
ミン、各0.1μg/mlのアプロチニン、ペプスタチ
ン、ロイペプチンと112mM酢酸カリウム、0.5M
NaCl、1.9mM酢酸マグネシウム、0.25m
Mスペルミジン、6mMジチオスレイトール、2%グリ
セリンを含む40mMヘペス緩衝液(pH7.6)90
μlで希釈し、実施例1記載のリボソーム固定無蛍光ガ
ラス担体に添加する。4時間反応させた後に、5mg/
ml牛血清アルブミン、0.05%のTween20、
112mM酢酸カリウム、0.5M NaCl、1.9
mM酢酸マグネシウム、0.25mMスペルミジン、2
%グリセリンを含む40mMヘペス緩衝液(pH7.
6)で洗浄する。
【0027】反応の終了した反応担体上の蛍光標識プロ
ーブの結合部を検出するには、実施例2と同様にHe/
Neレーザー(594nm)(あるいはNaランプな
ど)と光電子増倍管(あるいは高感度半導体センサー)
を用いて図2に記載の反射型の蛍光測定装置を用いて反
応担体反応部から発する蛍光を測定する。図4に各種濃
度のM13mp18とバクテリオファージλのEcoR
I分解物の測定結果を示す。その結果本発明によれば、
M13mp18とバクテリオファージλのEcoRI分
解物を定量的に測定できる。また、螢光が検出された反
応部を加熱し、遊離して来るポリヌクレオチドを螢光式
電気泳動で分析したところ、M13mp18を反応させ
た反応部からはM13mp18由来の約7200塩基長
の螢光標識ポリヌクレオチドが検出された。また、バク
テリオファージλのEcoRI分解物を反応させた反応
部からは、バクテリオファージλのEcoRI分解物由
来の約7400塩基長の螢光標識ポリヌクレオチドが検
出された。このように、リボソームに直接結合しないよ
うなDNA等でも本発明のリンカーポリヌクレオチドを
用いることで捕捉できるようになるので、任意のDNA
等をリボソーム固定担体を用いて測定できる。また、任
意の測定対象物を同一担体上で測定出来るので異なる測
定対象物にたいしてランダムアクセス出来る利点がある
ので,本リボソーム固定担体を用いる方法は自動化に適
している。
ーブの結合部を検出するには、実施例2と同様にHe/
Neレーザー(594nm)(あるいはNaランプな
ど)と光電子増倍管(あるいは高感度半導体センサー)
を用いて図2に記載の反射型の蛍光測定装置を用いて反
応担体反応部から発する蛍光を測定する。図4に各種濃
度のM13mp18とバクテリオファージλのEcoR
I分解物の測定結果を示す。その結果本発明によれば、
M13mp18とバクテリオファージλのEcoRI分
解物を定量的に測定できる。また、螢光が検出された反
応部を加熱し、遊離して来るポリヌクレオチドを螢光式
電気泳動で分析したところ、M13mp18を反応させ
た反応部からはM13mp18由来の約7200塩基長
の螢光標識ポリヌクレオチドが検出された。また、バク
テリオファージλのEcoRI分解物を反応させた反応
部からは、バクテリオファージλのEcoRI分解物由
来の約7400塩基長の螢光標識ポリヌクレオチドが検
出された。このように、リボソームに直接結合しないよ
うなDNA等でも本発明のリンカーポリヌクレオチドを
用いることで捕捉できるようになるので、任意のDNA
等をリボソーム固定担体を用いて測定できる。また、任
意の測定対象物を同一担体上で測定出来るので異なる測
定対象物にたいしてランダムアクセス出来る利点がある
ので,本リボソーム固定担体を用いる方法は自動化に適
している。
【0028】また、本発明ではガラスやシリコンウェハ
ー等でできた担体を用いるため自動化に適している。
ー等でできた担体を用いるため自動化に適している。
【0029】
【発明の効果】本発明により、放射性同位元素を用いず
に試料中のウイルスなどの被測定ポリムクレオチドを感
度よく定量測定することが可能となる。さらに,本発明
では,任意の試料ポリヌクレオチドを単一の試料捕捉用
担体で共通に測定可能である利点があるので,ランダム
アクセスが可能な自動化に適した標的ポリヌクレオチド
測定法が提供される。また,本発明では,転写活性のあ
るRNAを選択的に捕捉検出できる利点がある。
に試料中のウイルスなどの被測定ポリムクレオチドを感
度よく定量測定することが可能となる。さらに,本発明
では,任意の試料ポリヌクレオチドを単一の試料捕捉用
担体で共通に測定可能である利点があるので,ランダム
アクセスが可能な自動化に適した標的ポリヌクレオチド
測定法が提供される。また,本発明では,転写活性のあ
るRNAを選択的に捕捉検出できる利点がある。
【0030】
配列番号 :1 配列の長さ:51 配列の型 :核酸 鎖の数 :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:標識物を含む合成ポリヌクレオチド 配列 : GCCTATTGGCCTGGAGTGTTTATCTCCCCGTTCATCGGTTGGGGAGCAGGT 配列番号 :2 配列の長さ:393 配列の型 :核酸 鎖の数 :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成ポリヌクレオチド 配列 : CGAUUGGGGGCGACACUCCACCAUAGAUCACUCCCC 36 UGUGAGGAACUACUGUCUUCACGCAGAAAGCGUCUA 72 GCCAUGGCGUUAGUAUGAGUGUCGUGCAGCCUCCAG 108 GACCCCCCCUCCCGGGAGAGCCAUAGUGGUCUGCGG 144 AACCGGUGAGUACACCGGAAUUGCCAGGACGACCGG 180 GUCCUUUCUUGGAUCAACCCGCUCAAUGCCUGGAGA 216 UUUGGGCGUGCCCCCGCGAGACUGCUAGCCGAGUAG 252 UGUUGGGUCGCGAAAGGCCUUGUGGUACUGCCUGAU 288 AGGGUGCUUGCGAGUGCCCCGGGAGGUCUCGUAGAC 324 CGUGCACCAUGAGCACGAAUCCUAAAAAGCTTGTTT 360 TCCCAGTCACGACGTTGTAAAACGACGGCCAGT 393 配列番号 :3 配列の長さ:43 配列の型 :核酸 鎖の数 :1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成ポリヌクレオチド 配列 : AAGCTTATTGCATAATCTTTCAGGGTTATGCGTTGTTCCATAC 配列番号 :4 配列の長さ:32 配列の型 :核酸 鎖の数 :1本鎖を含む2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:標識物を含む合成ポリヌクレオチド 配列 : AAACAGATCACTCGCTGAGCGGGTTATGGTTG TTTGTCTAGTGAGCGACTCGCCCAATACCAACTTAAG
【図1】 本発明に使用するリボソーム固定担体を示す
図である。
図である。
【図2】 本発明での蛍光測定装置を示す図である。
【図3】 C型肝炎ウイルスの測定結果を示す図であ
る。
る。
【図4】 M13mp18とバクテリオファージλのE
coRI分解物の測定結果を示す図である。
coRI分解物の測定結果を示す図である。
1…フッ化エチレン樹脂堤、2…反応部、100…反応
担体、101…He/Neレーザー、102…ビームエ
キスパンダー、103…ダイクロイックミラー、108
…集光レンズ、109…スリット、110…バンドパス
フィルター、111…光電子増倍管、120…フォトダ
イオード、131…架台、132…駆動機構、151…
マイクロプロセッサー
担体、101…He/Neレーザー、102…ビームエ
キスパンダー、103…ダイクロイックミラー、108
…集光レンズ、109…スリット、110…バンドパス
フィルター、111…光電子増倍管、120…フォトダ
イオード、131…架台、132…駆動機構、151…
マイクロプロセッサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 啓一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 神原 秀記 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 杉浦 正彦 東京都杉並区高円寺南1丁目34番5号 株 式会社ビー・エム・エル内 (72)発明者 片山 和彦 東京都杉並区高円寺南1丁目34番5号 株 式会社ビー・エム・エル内
Claims (8)
- 【請求項1】 標的ポリヌクレオチドがRNAであっ
て、該標的RNAを標識物で標識するとともに担体に固
定して標的RNAを検出する方法において、リボソーム
を固定した担体を用い該標的RNAを捕捉することを特
徴とするポリヌクレオチド検出方法。 - 【請求項2】 標的ポリヌクレオチドがDNAであっ
て、該標的DNAを標識物で標識し担体に捕捉して検出
する方法において、リボソームを固定した担体を用いる
とともに該リボソームに、該リボソームと結合しうるR
NA配列及び前記標的DNAに相補的なリンカーポリヌ
クレオチドを含むポリヌクレオチドを結合し、かつ前記
リンカーポリヌクレオチドと前記標的DNAとをハイブ
リダイズさせてポリヌクレオチド会合体を形成させるこ
とにより、標的DNAを捕捉することを特徴とする標的
ポリヌクレオチドの検出方法。 - 【請求項3】 RNAがRNAウィルスであることを特
徴とする特許請求範囲1記載のポリヌクレオチド検出方
法。 - 【請求項4】 リボソームが真核生物のリボソームある
いは原核生物のリボソームであることを特徴とする請求
項1記載のポリヌクレオチドの検出方法。 - 【請求項5】 リボソームが真核生物のリボソームある
いは原核生物のリボソームであることを特徴とする請求
項2記載のポリヌクレオチドの検出方法。 - 【請求項6】 標識物がが蛍光体であることを特徴とす
る請求項1記載のポリヌクレオチドの検出方法。 - 【請求項7】 標識物がが蛍光体であることを特徴とす
る請求項2記載のポリヌクレオチドの検出方法。 - 【請求項8】 少なくとも一種以上の励起光を発射する
光源、該光源から発射された励起光のビーム径を拡大す
るビームエクスパンダー、ビーム径が拡大された励起光
を一定方向に曲折させるとともに反応担体が発する蛍光
を透過させることのできる鏡、当該鏡により曲折させた
励起光を架台上に載置した反応担体上に照射するための
集光レンズ、反応担体が発する蛍光を検出する蛍光検出
機構、反応担体の下部に該反応担体を透過した励起光を
受けるフォトダイオード、前記フォトダイオードの信号
が最大となるように反応担体を載置した架台を一定方向
に駆動する駆動機構、前記蛍光検出機構からの信号をフ
ォトダイオードからの位置情報と同期させて計数する装
置からなることを特徴とする蛍光検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30903792A JPH06153996A (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | ポリヌクレオチド検出法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30903792A JPH06153996A (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | ポリヌクレオチド検出法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06153996A true JPH06153996A (ja) | 1994-06-03 |
Family
ID=17988124
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30903792A Pending JPH06153996A (ja) | 1992-11-18 | 1992-11-18 | ポリヌクレオチド検出法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06153996A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001069249A1 (fr) * | 2000-03-17 | 2001-09-20 | Unitec Co., Ltd. | Unite de support pour substance a detecter, son procede et dispositif de traitement et procede et dispositif de fabrication |
WO2003046562A1 (fr) * | 2001-11-27 | 2003-06-05 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | Substrat plastique pour microcircuits |
US7014814B2 (en) | 2000-03-27 | 2006-03-21 | Bio Strand, Inc. | Support for substances for detection, apparatus for processing same, method of processing same, apparatus for making same, and method of making same |
JP4829460B2 (ja) * | 2000-03-21 | 2011-12-07 | ヒタチ ケミカル ダイアグノスティクス インコーポレーテッド | 密閉容器およびスクリーニング方法 |
-
1992
- 1992-11-18 JP JP30903792A patent/JPH06153996A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001069249A1 (fr) * | 2000-03-17 | 2001-09-20 | Unitec Co., Ltd. | Unite de support pour substance a detecter, son procede et dispositif de traitement et procede et dispositif de fabrication |
JP4814472B2 (ja) * | 2000-03-17 | 2011-11-16 | バイオストランド,インク. | 検出用物質支持体、その処理装置、その処理方法、その製造装置およびその製造方法 |
JP4829460B2 (ja) * | 2000-03-21 | 2011-12-07 | ヒタチ ケミカル ダイアグノスティクス インコーポレーテッド | 密閉容器およびスクリーニング方法 |
US7014814B2 (en) | 2000-03-27 | 2006-03-21 | Bio Strand, Inc. | Support for substances for detection, apparatus for processing same, method of processing same, apparatus for making same, and method of making same |
WO2003046562A1 (fr) * | 2001-11-27 | 2003-06-05 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | Substrat plastique pour microcircuits |
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