JPH0615044B2 - 多孔質炭化珪素焼結体からなる触媒担体 - Google Patents

多孔質炭化珪素焼結体からなる触媒担体

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JPH0615044B2
JPH0615044B2 JP60102298A JP10229885A JPH0615044B2 JP H0615044 B2 JPH0615044 B2 JP H0615044B2 JP 60102298 A JP60102298 A JP 60102298A JP 10229885 A JP10229885 A JP 10229885A JP H0615044 B2 JPH0615044 B2 JP H0615044B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は触媒担体に関し、特に高い強度ならびに優れた
通気性を有する多孔質炭化珪素焼結体からなる触媒担体
に関するものである。
(従来の技術) 化学反応を制御する触媒は、それ単体で使用されること
もあるが、通常は反応物質との接触面積を増大させて反
応効率を高めるために、この触媒を何かに担持させるこ
とがよく行なわれている。
ところで、酸化反応等の発熱反応を伴なう化学反応にあ
っては、触媒担体が高温に曝されるため耐熱性が要求さ
れる。このような発熱反応を伴なう化学反応としては、
内燃機関、特にディーゼルエンジンの排気ガスを浄化す
る場合の反応があげられる。触媒を使用してこのような
排気ガスの浄化を行なう場合には、その温度は相当高い
ものになる。従って、排気ガスの浄化に使用される触媒
担体は、少なくともその高温に耐え得るものでなくては
ならない。
ところで、従来の触媒担体としては、Al23及びSi
2等を主成分とする高い比表面積を有する多孔質体と
して形成したものが知られている。ところが、このAl
23及びSiO2等を主成分とする多孔質体よりなる触
媒担体は、1000℃以上になると高温によって互いに焼結
し易く、予じめ高い比表面積を有したものとして形成し
ておいてもこの比表面積が低下してしまうのである。ま
た、Al23及びSiO2は熱伝導率が比較的低いた
め、発熱反応に対しては局部的に高温となって担体が溶
損し、一度でもこのような状態になると触媒担体として
の機能が著しく劣化してしまう。
また、触媒担体として要求される条件として、この触媒
担体中を反応物質が容易に通過し得るような構造のもの
でなければならないことがある。物質の化学反応速度を
早めるためには、反応物質が触媒に接触し得る速度も早
くなければならないからである。
要するに、発熱化学反応において使用される触媒担体と
して要求される特性は、少なくとも耐熱性があり、反応
物質の通過速度を遅延させることがないことである。
このような触媒担体として要求される特性を満足する物
質としては、炭化珪素が想起される。炭化珪素は、耐酸
化性、耐食性、良好な熱伝導率、低い熱膨張率、高温で
の高い強度等の化学的および物理的に優れた性質を有す
るものであるから、上述のような発熱反応を伴なう化学
反応での触媒担体とするに適した材料である。このよう
な観点に立って前述のごとき触媒担体として使用するこ
とができる炭化珪素質材料としては、 骨材となる炭化珪素粒子にガラス質フラックス、ある
いは粘土質などの結合材を加えて成形した後、その成形
体を前記結合材が溶融する温度で焼き固めて製造したも
の 粗大粒の炭化珪素粒子と微細な炭化珪素粒子を混合し
て成形した後、2000℃以上の高温で焼成して製造したも
の 特開昭48−39515号公報で開示されている「炭
化珪素粉に炭素粉を加え又は加えずに炭素質バインダー
を加えるとともに、この炭素粉及び焼成時に生成される
バインダーからの遊離炭素と反応する理論量の珪素質粉
を添加して形成し、しかる後この成形体の炭素粉中で19
00〜2400℃に加熱して成形体中の炭素分を珪素化するこ
とを特徴とする均質多孔性再結晶炭化珪素体」 が既に知られている。
前記のごとき結合材としてガラス質フラックスあるい
は粘土を加え製造した多孔質体にあっては、結合材が10
00〜1400℃で溶融するため、多孔質体はこの温度域、特
にガラス化転移温度付近で著しく強度が低下して変形す
るため、高い温度状態に曝される触媒担体としては使用
ができなくなり、触媒担体としては不十分なものとな
る。
一方、やの方法で製造された多孔質体の構造をモデ
ル的に図示すれば第5図のようであり、炭化珪素質粒子
(31)と粒子(31)を被覆して、粒子(31)同士を結合する炭
化珪素質結合材あるいは炭素質結合材(32)および間隙(3
3)とから構成されている。この多孔質体の間隙すなわち
気孔はほとんど成形時に炭化珪素粒子の配置によって決
定され、焼結体中に占める気孔率は30〜40%となり小さ
い。このため、この多孔質体中を流れる流体が通過する
際の抵抗は著しく高いものとなる。これに対して、焼結
体中の気孔率を大きくすると炭化珪素粒子(31)の接触点
が少なくなり、多孔質体の強度は著しく小さくなる傾向
がある。
また、およびの多孔質体における気孔径の制御は炭
化珪素の粒度配合により行なわれる。この方法によれ
ば、比較的大きい断面積を持つ気孔を有する多孔質体と
するためには粒径の大きな炭化珪素粒子を必要とし、こ
のため粒子の接触点が少なくなって粒子の結合強度が低
下するため、このような多孔質体によって形成した触媒
担体の強度は著しく低くなり、また比表面積も小さい。
一方、比較的小さい断面積を持つ気孔を有する多孔質体
とするためには、炭化珪素粒子の粒度配合を粗粒と中程
度の粒子、および/または微粒子と適度に混合し成形す
ることが必要であり、成形体の気孔率は著しく小さくな
って、極端な場合一部の気孔が閉塞してしまう傾向があ
る。このため、このような多孔質体によって形成した触
媒担体中を流体が通過する際の抵抗は著しく高くなるこ
とになる。
また、比較的大きな気孔断面積を有する多孔質焼結体と
して、例えば特開昭58−122016号公報によれ
ば、「高分子発泡体材料に炭化珪素素地泥漿を含浸し、
該高分子発泡体材料を熱処理により消失せしめて炭化珪
素素地スケルトン構造体を形成し、該構造体を1900〜23
00℃の温度においてアルゴン中にて一次焼成し次いで16
00〜2100℃の温度にて1〜200気圧の窒素ガス中にて
二次焼成した後その両端に耐熱電極を形成し通電可能と
してなる通電発熱可能な炭化珪素フィルタの製造法。」
が開示されており、また特開昭48−81905号公報
によれば、「微細に粉砕されたセラミック材料を含むス
ラリーを有機質発泡体に含浸させ、こうして含浸された
発泡体を乾燥し、焼成し、その際発泡体にスラリーを含
浸させるに先立ち、発泡体はスラリー中の粒子状材料が
発泡構造物の表面に粘着するに至るように処理されてい
ることを特徴とする多孔質セラミックス材料の製造方
法。」が開示されている。
このような多孔質体は、第6図に示すような、いわゆる
スケルトン構造体と呼ばれる大小のセル状骨格(34)で構
成されている。そのため、比較的大きいセル状骨格(34)
で占められた場合、その多孔質体の気孔率を80〜90容量
%と高くでき、また流体の通過抵抗を小さくできる反
面、強度は10〜15kg/cm2と低いものである。従って、こ
のようなものから触媒担体を形成した場合、実用的な面
から見れば機械的強度に乏しく、流体との接触面積は著
しく小さい欠点があった。またこれらの製造方法によれ
ば、ポリウレタン等の高分子発泡体が構成する気泡は10
0μm以上のものになり易く、それ以下の気孔を形成す
ることは高分子の発泡性の制御、分散の点で非常に困難
であり、また一部気孔の独立気孔化や内部空隙に対して
隔壁部に生じた連続気孔径が小さくなる場合があるの
で、このようなもので形成した触媒担体中を流体を通過
せしめるには通過抵抗が大となる欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は以上のような実状に鑑みてなされたもので、そ
の解決しようとする問題点は、特に発熱反応を伴なう化
学反応に際して使用される従来の触媒担体における耐熱
性の不十分さ、及び反応物質の触媒に接触する場合の接
触障害である。
そして、本発明の目的とするところは、耐熱性に優れし
かも必要十分な反応速度が得られる触媒担体を提供する
ことにある。
(問題点を解決するための手段) 以上の問題点を解決するために本発明が採った手段は、 主として炭化珪素よりなる焼結体であって、平均アスペ
クト比が3〜50であり、かつ長軸方向の平均長さが0.
1〜1000μmの炭化珪素質板状結晶から構成されてなる
三次元網目構造を有し、この網目構造の開放気孔の平均
断面積が0.01〜250000μm2である多孔質の炭化珪素焼結
体からなる骨材と、 この骨材の表面に触媒を担持し得るように形成した酸化
物被膜層と により構成したことを特徴とする多孔質炭化珪素焼結体
からなる触媒担体 である。
以下に、本発明に係る多孔質炭化珪素焼結体からなる触
媒担体を詳細に説明する。
第1図には、本発明に係る触媒担体(10)の斜視図が示し
てあり、第2図には第1図の要部拡大断面図である。こ
の触媒担体(10)は、例えば第2図に示した如き多孔質炭
化珪素焼結体によって形成された骨材(11)と、この骨材
(11)を構成する三次元網目構造の炭化珪素焼結体の表面
に形成した酸化物被膜層(13)とからなるもので、この酸
化物被膜層(13)の表面に触媒が担持されるのである。そ
して、当該触媒担体(10)の骨材(11)は、一定方向の多数
の通気孔(12)を形成することによってハニカム構造とし
てある。
第3図は本発明に係る触媒担体(10)の骨材(11)を構成し
ている一つの多孔質炭化珪素焼結体の結晶構造の走査型
電子顕微鏡写真(×35)である。図面から明らかなよう
に、触媒担体(10)の骨材(11)は、アスペクト比が10〜
20、長さが約500μmに及ぶ炭化珪素質板状結晶が
多方向に複雑に絡み合った三次元網目構造を有し、さら
に気孔が連続しかつ直線的でない開放気孔であって、し
かも通気性に富んだものとなっている。ここでいう炭化
珪素質板状結晶の長さとは、結晶体の任意の断面におい
て観察される個々の板状結晶の最大長さ(X)であり、
同様に個々の板状結晶のアスペクト比(R)は板状結晶
の最大厚み(Y)と前記結晶長さ(X)との比として、
すなわち、 R=X/Y で表わされる。
本発明に係る触媒担体(10)の骨材(11)は、平均アスペク
ト比が3〜50の炭化珪素板状結晶で構成された三次元
の網目構造となっていることが特徴である。この骨材(1
1)を構成する炭化珪素板状結晶の平均アスペクト比を3
以上とする理由は、炭化珪素質板状結晶によって構成さ
れる気孔が、結晶の占める容積に比べて大きな多孔質
体、すなわち高い気孔率を有する多孔質体となすためで
ある。なお、従来の多孔質炭化珪素焼結体は第5図に示
したように成形時の炭化珪素粒子の配置によって決定さ
れており、本発明に係る骨材(11)の如き板状結晶を発達
した多孔質体と異なり、その結晶のアスペクト比はせい
ぜい2前後にすぎず、高い気孔率あるいは大きな気孔断
面積を有してはいない。
一方本発明に係る骨材(11)である多孔質体の平均アスペ
クト比を50以下とする理由は、平均アスペクト比が5
0よりも大きい板状結晶で構成された多孔質体は結晶相
互の接合部が少ないため、多孔質自体の強度が低いから
である。なかでも、前記板状結晶の平均アスペクト比は
5〜30であることがより好適であり、この範囲内で本
発明に係る骨材(11)はその多孔質体としての構造を適宜
選択することができる。
また、骨材(11)を構成する板状結晶の長軸方向の平均長
さは0.5〜1000μmであることが必要である。その理由
は、長軸方向の平均長さが0.5μmより小さいと、前記
板状結晶により形成される気孔が小さく、場合によって
は気孔の一部が独立気孔になっていることがあり、当該
骨材(11)を通過する流体の通過抵抗が大きくなるためで
ある。一方、1000μmより長くなると、板状結晶の接合
部の強度が小さく、多孔質体自体の強度が低くなるため
である。なかでも、前記板状結晶の長軸方向の平均長さ
は1〜800μmであることがより好適であり、この範
囲内で本発明に係る骨材(11)はその多孔質体としての構
造を適宜選択することができる。
また、前記網目構造の開放気孔の平均断面積は0.01〜25
0000μm2であることが必要である。その理由は、開放気
孔の平均断面積が0.01μm2以下であると、開放気孔を通
過する流体の通過抵抗が大きくなるためである。一方、
開放気孔の平均断面積が250000μm2より大きいと、多孔
質体自体の強度が低く、なかでも前記網目構造の開放気
孔の平均断面積は0.25〜90000μm2であることがより好
ましく、この範囲内で本発明に係る骨材(11)はその多孔
質体としての構造を適宜選択することができる。
そして、前記多孔質体の結晶100重量部のうち3〜5
0のアスペクト比を有する板状結晶は少なくとも20重
量部を占めることが好ましい。ところで、前記板状結晶
の含有量は結晶の構造写真を解析することにより求めら
れる。ここで、前記多孔質体が20重量部以上の3〜5
0のアスペクト比を有する板状結晶で占められているこ
とが好ましい理由は、前記板状結晶が20重量部より少
ないと、アスペクト比の小さい炭化珪素結晶が多く含ま
れることになり、流体の通過抵抗が大きくなるからであ
る。なかでも、前記板状結晶は前記多孔質体の結晶10
0重量部のうち少なくとも40重量部を占めることが有
利である。
そして、骨材(11)となる多孔質炭化珪素焼結体の開放気
孔率は焼結体の全容積に対し20〜95容量%、なかで
も30〜90重量%であることが好ましい。その理由
は、開放気孔率が20容量%よりも小さいと気孔の一部
が独立気孔であり、流体が骨材(11)を通過するときの抵
抗が大きく、また流体と接触する面積が小さくなるため
である。一方、95容量%よりも大きいと流体との接触
面積は大きい半面、前記多孔質焼結体の強度が低くなっ
て触媒担体としての使用が困難となるためである。
そして、前記炭化珪素焼結体の比表面積は少なくとも0.
05m2/g以上であることが好ましい。ここで比表面積な
窒素吸着によるBET法によって求められる値である。
比表面積が0.05m2/g以上が好ましい理由は、触媒担体
の用途では焼結体と流体との接触面積が多い方が好まし
いためであり、なかでもこの触媒担体としての用途に対
しては少なくとも0.2m2/gの比表面積であることが最
も好適である。
次に、本発明に係る骨材(11)を構成する多孔質炭化珪素
焼結体の製造方法について説明する。この場合の製造方
法は次の各工程からなる。すなわち、 (a)平均粒径が10μm以下の炭化珪素粉末であってβ
型、2H型および非晶質の炭化珪素を少なくとも60重量
%含有する炭化珪素粉末を所望の形状に成形する工程;
および (b)前記(a)工程により得られた成形体を炭化珪素の揮発
を抑制しつつ1900〜2300℃の温度範囲内で焼成する工
程; によって長軸方向の平均長さが10〜1000μm、平均アス
ペクト比が3〜50の炭化珪素質板状結晶から主として構
成されてなる三次元網目構造を有し、前記網目構造の開
放気孔の平均断面積が400〜250000μm2の範囲内の平均
断面積を有する多孔質炭化珪素焼結体を得ることができ
る。
この方法によれば、出発原料は少なくとも60重量%のβ
型、2H型および非晶質の炭化珪素焼結体を含有する炭
化珪素を出発原料の1つとすることが必要である。この
理由はβ型結晶、2H型結晶および非晶質の炭化珪素結晶
は比較的低温で合成される低温安定型結晶であり、焼結
に際しその一部が4H、6Hあるいは15R型等の高温
安定型α型結晶に相転移して、板状結晶を生じやすいば
かりでなく、結晶の成長性にも優れた特性を有し、特に
60重量%以上のβ型炭化珪素からなる出発原料を用い
ることによって、本発明に係る骨材(11)としての多孔質
体を製造することができるからである。なかでも、少な
くとも70重量%のβ型、2H型および非晶質炭化珪素
を含有する出発原料を用いることが好適である。
そして、前記出発原料は平均粒径が10μm以下の微粉
末であることが必要である。平均粒径が10μmよりも
小さい粉末は、粒子相互の接触点が比較的多く、また炭
化珪素の焼成温度において熱的活性が大であり、炭化珪
素粒子間での原子の移動が著しく大きいため、炭化珪素
粒子相互の結合が極めて起こりやすい。従って、板状結
晶の成長性が著しく高い。特に、前記出発原料の平均粒
径は5μm以下であることが板状結晶の成長性により好
ましい結果を与える。
前記出発原料を所望の形状の生成形体として形成する方
法としては、種々の方法を適用することができ、例えば
加圧成形、鋳込成形、射出成形等を有利に適用すること
ができる。
そして、前記所望の形状に成形された生成形体は、焼成
中に生ずる生成形体からの炭化珪素の揮発を充分に抑制
することのできる条件で、1900〜2300℃の温度範囲内で
焼成することが必要である。このように、炭化珪素の揮
発を充分に抑制することのできる条件で焼成を行なう理
由は、隣接する炭化珪素粒子同志の結合、および板状結
晶の成長を促進させることができるからである。前述の
如く炭化珪素の揮発を充分に抑制して焼成することによ
って、隣接する炭化珪素粒子同志の結合および板状結晶
の成長を促進させることのできる理由は、炭化珪素粒子
間における炭化珪素の蒸発・再凝縮および/または表面
拡散による移動を促進することができるためと考えられ
る。
前記炭化珪素の揮発を充分に抑制して焼成を行なう手段
としては、たとえば黒鉛、炭化珪素炭化珪素、炭化タン
グステン、モリブデン、炭化モリブデン等の耐熱性の容
器内に装入して外気の侵入を遮断しつつ焼成する手段が
適用できる。なお、この方法においては、炭化珪素の揮
発量が5重量%以下になるように制御して焼成すること
が好ましい。これに対し、従来知られている常圧焼結、
雰囲気加圧焼結あるいは減圧下における焼結法を試みた
ところ、板状結晶の成長が困難であるばかりでなく、炭
化珪素粒子の接合部がネック状にくびれた形状となり、
焼結体の強度が低くなった。
また、本発明に係る骨材(11)を構成する多孔質体の製造
方法において、比較的大きな平均断面積の開放気孔を有
する多孔質体を得るには、焼成時の昇温速度が比較的ゆ
っくりとした状態で焼成すること、最高温度を比較的高
くすることおよび/または最高温度での保持時間を長く
することが好ましい。この条件によれば、個々の炭化珪
素の板状結晶を大きく成長させることができ、その結果
大きな気孔断面積を有する多孔質体を得ることができ
る。
これとは逆に、本発明に係る骨材(11)を構成する多孔質
体として、すなわち比較的小さな平均断面積の開放気孔
を有する多孔質体を得るには、焼成時の昇温速度を比較
的速くすること、最高温度を比較的小さくすること、お
よび/または最高温度における保持時間を短くすること
が好ましい。この条件によれば、個々の炭化珪素の板状
結晶をそれ程成長させることがないからである。
また上記方法においては、生成形体は1900〜2300℃の温
度範囲内で焼成することが必要である。この理由は、焼
成温度が1900℃よりも低いと粒子の成長が不十分となっ
て、高い強度を有する多孔質体を有することが困難であ
り、2300℃よりも高い温度になると炭化珪素の昇華が盛
んになり、発達した板状結晶が逆にやせ細ってしまい、
その結果高い強度を持った多孔質体を得ることが困難と
なるためである。
さらに、次のような方法によっても、骨材(11)を構成す
る多孔質炭化珪素焼結体を得ることができる。
(a)平均粒径が10μm以下の炭化珪素粉末であって、
かつこの粉末はα型、β型および/または非晶質炭化珪
素と不可避的不純物とからなる炭化珪素粉末である出発
原料であって、この粉末100重量部に対し、アルミニ
ウム、二ホウ化アルミニウム、炭化アルミニウム、窒化
アルミニウム、酸化アルミニウム、ホウ素、炭化ホウ
素、窒化ホウ素、酸化ホウ素、酸化カルシウム、炭化カ
ルシウム、クロム、ホウ化クロム、窒化クロム、酸化ク
ロム、鉄、炭化鉄、酸化鉄、ホウ化ランタン、酸化ラン
タン、酸化リチウム、珪素、窒化珪素、チタン、酸化チ
タン、二酸化チタン、三酸化チタンおよび酸化イットリ
ウムのなかから選ばれるいずれか1種または2種以上の
10重量部以下を均一に混合する工程; (b)前記(a)工程により得られた混合物を成型する工程;
および (c)前記(b)工程により得られた成形体を炭化珪素の揮発
を抑制しつつ1700〜2300℃の温度範囲内で焼成する工
程; により、長軸方向の平均長さが0.5〜200μm、平均アス
ペクト比が3〜50の炭化珪素板状結晶から主として構
成されてなる三次元網目構造を有し、前記網目構造の開
放気孔の平均断面積が0.01〜10000μm2の範囲内の平均
断面積を有する多孔質炭化珪素焼結体を得ることができ
る。
上記の方法によれば、骨材(11)を構成するための出発原
料は、平均粒径が10μm以下の炭化珪素微粉末である
ことが必要である。平均粒径が10μmよりも小さい粉
末は、粒子相互の接触点が比較的多く、また炭化珪素の
焼成温度において熱的活性が大であり、炭化珪素粒子間
での原子の移動が著しく大きいため、炭化珪素粒子相互
の結合が極めて起こりやすい。従って、板状結晶の成長
性が著しく高い。特に、前記出発原料の平均粒径は5μ
m以下であることが板状結晶の成長性により好ましい結
果を与える。
また上記の方法にあっては、アルミニウム、二ホウ化ア
ルミニウム、炭化アルミニウム窒化アルミニウム、酸化
アルミニウム、ホウ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、酸化
ホウ素、酸化カルシウム、炭化カルシウム、クロム、ホ
ウ化クロム、窒化クロム、酸化クロム、鉄、炭化鉄、ホ
ウ化ランタン、酸化ランタン、酸化リチウム、ケイ素、
窒化ケイ素、チタン、酸化チタン、二酸化チタン、三酸
化チタンおよび酸化イットリウムの中から選ばれるいず
れか1種または2種以上を添加することが必要であり、
これらの物質は炭化珪素の結晶成長の速度を著しく高め
る働きがある。また、これらの各物質を添加する理由
は、は前記炭化珪素成形体の焼成温度1700〜2300℃にお
いて各物質の蒸気および/または分解生成物の蒸気を生
成して前記炭化珪素成形体のすみずみまで拡散し、これ
によって極めて多くの板状結晶の核を形成して各々の部
分で板状結晶の発達を促がし、その結果形成される板状
結晶の大きさを制限して細かい組織の三次元網目構造と
するためである。前記化合物のうち、特にホウ素、炭化
ホウ素、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニ
ウム、炭化アルミニウム、二ホウ化アルミニウム、アル
ミニウムを有利に使用することができる。
一方、前記物質の添加量は前記炭化珪素を主体としてな
る出発原料100重量部に対し、10重量部以下である
ことが必要である。その理由は、10重量部よりも多く
添加しても、前記炭化珪素成形体の焼成温度範囲内にお
いて前記物質および/またはその分解生成物の蒸気分圧
はほとんど変らない。逆に前記物質が前記成形体内で残
留する量が多くなるため炭化珪素本来の特性が失われる
からであり、さらに板状結晶の成長に適した前記物質の
添加量は炭化珪素出発原料100重量部に対し、5重量
部以下が好適でる。
また、前記出発原料として使用される炭化珪素はα型、
β型および/または非晶質炭化珪素のいずれも使用する
ことができる。
上記の方法によれば焼成時に遊離カーボンを残す炭素源
を添加することができる。このような炭素源としては、
焼結開始時に炭素の状態で存在するものであれば使用す
ることができ、例えばフェノール樹脂、リグニンスルホ
ン酸塩、ポリビニルアルコール、コンスターチ、糖類、
コールタールピッチ、アルギン酸塩のような各種有機物
質あるいはカーボンブラック、アセチレンブラックのよ
うな熱分解炭素を有利に使用することができる。
遊離カーボンは前記物質と同時に存在すると結晶の成長
性を抑え、微細な炭化珪素質板状結晶を形成するため、
微細な気孔を有する多孔質体を得るのに効果がある。
また、前記遊離炭素分としては出発原料100重量部に
対し、5重量部以下であることが有利である。その理由
は、5重量部より多く添加してもその効果は変らず、逆
に前記多孔質体に残留する量が多くなって粒子と粒子と
の結合を阻害するため多孔質体の強度が劣化するためで
あり、なかでも3重量部以下であることがより効果的で
ある。
上記の方法によれば、前記炭化珪素の揮発を充分に抑制
して焼成する方法としては、例えば、黒鉛、炭化珪素、
窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭化タングステ
ン、炭化チタン、酸化マグネシウム、炭化モリブデン、
モリブデン、炭化タンタエウ、タンタル、炭化ジルコニ
ウム、黒鉛−炭化珪素複合体の中から選ばれるいずれか
1種からなる外気の侵入を遮断することのできる耐熱性
の容器体に装入して焼成する方法が好ましい。
これらの容器は前記焼成温度範囲内で溶融することがな
くその形を保持することが可能であり、また前記添加物
の蒸気および/または分解生成物の蒸気の系外への漏出
を抑制し、前記添加物の効果を炭化珪素成形体のすみず
みまで行きわたらせる効果がある。なかでも、黒鉛、炭
化珪素、黒鉛−炭化珪素複合体、炭化タングステン、窒
化アルミニウム、炭化チタン、モリブデン、炭化モリブ
デンを有効に使用することができる。
また本発明に係る骨材(11)を構成する多孔質体として、
すなわち比較的大きな平均断面積の開放気孔を有する多
孔質体を得るには焼成時の昇温速度を比較的ゆっくりと
した速度で焼成すること、最高温度を比較的高くするこ
とおよび/または最高温度での保持時間を長くすること
が好ましい。この条件によれば、個々の炭化珪素の板状
結晶を大きく成長させることができ、その結果大きな気
孔断面積を有する多孔質体を得ることができる。
これとは逆に、本発明に係る骨材(11)を構成する多孔質
体として、すなわち比較的小さな平均断面積の開放気孔
を有する多孔質体を得るには、焼成時の昇温速度を比較
的速くすること、最高温度を比較的小さくすることおよ
び/または最高温度における保持時間を短くすることが
好ましい。この条件によれば、個々の炭化珪素の板状結
晶をそれほど成長させることがないからである。
また、上記の方法によれば1700〜2300℃の温度範囲で焼
成することが必要である。この理由は、焼成温度が1700
℃よりも低いと粒子の成長が不十分であり、高い強度を
有する多孔質体を得ることが困難だからである。一方、
2300℃よりも高い温度になると、炭化珪素の昇華が盛ん
になって発達した板状結晶が逆にやせ細ってしまい、そ
の結果高い強度を持った多孔質体を得ることが困難とな
るためであり、なかでも1750〜2250℃の間で焼成するこ
とがより好適である。
次に、本発明に係る骨材(11)を形成する場合の実施例お
よび比較例について説明する。
骨材(11)の実施例1 出発原料として使用した炭化珪素微粉末は94.6重量%が
β型結晶で残部が実質的に2H型結晶よりなり、0.39重
量%の遊離炭素、0.17重量%の酸素、0.03重量%の鉄、
0.03重量%のアルミニウムを主として含有し、0.26μm
の平均粒径を有していた。前記炭化珪素微粉末100重
量部に対し、ポリビニルアルコール5重量部、水300
重量部を配合し、ボールミル中で5時間混合した後乾燥
した。
この乾燥混合物を適量採取し、顆粒化した後金属製押し
型を用いて50kg/cm2の圧力で成型した。この生成形体の
密度は1.2g/cm3、乾燥重量は21gであった。
前記生成形体を外気を遮断することのできる黒鉛製ルツ
ボの装置内に装入し、タンマン型焼成炉を使用して1気
圧のアルゴンガス雰囲気中で焼成した。なお、前記黒鉛
製ルツボは内容積が50mlのものを使用した。焼成は
2.5℃/分で2200℃まで昇温し、最高温度2200℃で6
時間保持した。
得られた焼結体の重量は19.6gであり、その結晶構造は
第3図の走査型電子顕微鏡写真(35倍)に示したよう
に、平均アスペクト比が12で長軸方向の平均長さが3
80μmの板状結晶が多方向に複雑に絡み合った三次元
網目構造を有しており、3〜50のアスペクト比を有す
る板状結晶の含有量は多孔質体全重量の98%であっ
た。また、この多孔質体の気孔は直線的でない開放気孔
であって、その開放気孔率は全容積の64%を占めてお
り、比表面積は1.2m2/gであった。
この焼結体の曲げ強度は180kg/cm2と高く、またこの
多孔質体の通気特性を肉厚5mmの試験片を使用し、2
0℃の空気を1m/secの流速で通過させて測定したと
ころ、その圧力損失は480mm水柱以下であった。
比較例1 骨材(11)の実施例1と同様な方法であるが、成形体を黒
鉛製のルツボに入れず、そのままアルゴン雰囲気中で常
圧焼結を行なったところ、18.8gの焼結体が得られ、そ
の結晶構造は平均アスペクト比が1.8、長軸方向の平
均長さ30μmのほとんど粒状の炭化珪素からなる構造
であった。この焼結体の気孔率は全容積の67重量%で
あったが、曲げ強度は4kg/cm2であり著しく低いものと
なった。
骨材(11)の実施例2及び3 骨材(11)の実施例1と同様であるが、3000kg/cm2
10kg/cm2の成形圧で成形した生成形体をそれぞれ炭化
タングステン製のルツボおよび95%の理論密度を有す
る炭化珪素製ルツボに装入して焼成した。結果は表1に
示した。
骨材(11)の実施例4および比較例2 骨材(11)の実施例1と同様な方法であるが、出発原料と
して上記実施例1で使用した炭化珪素粉末とα型炭化珪
素粉末を、表2に示した混合比で混合して多孔質焼結体
を製造した。なお、前記α型炭化珪素粉末は市販のα型
炭化珪素粉末(GC#3000)を粉砕し、さらに精製、粒
度分級したものであって、0.4重量%の遊離炭素と0.13
重量% の酸素を含有し、平均粒径は8.4μmであった。
骨材(11)の実施例5および6 骨材(11)の実施例1と同様であるが、表3に示した如き
昇温速度、最高焼成温度、および最高温度における保持
時間でもって多孔質炭化珪素焼結体を製造した。
骨材(11)の実施例7 出発原料として使用した炭化珪素微粉末はβ型結晶が9
4.5重量%で残部が実質的に2H型結晶よりなり、0.39
重量%の遊離炭素、0.17重量%の酸素、0.03重量%の
鉄、0.03重量%のアルミニウムを主として含有し、0.28
μmの平均粒径を有していた。
前記炭化珪素微粉末100重量部に対し、0.3重量部の
非晶質ホウ素と成形用バインダーとしてポリエチレング
リコール1重量部、ポリアクリル酸エステル4重量部、
ベンゼン100重量部を配合し、ボールミル中で20時
間混合した後乾燥した。
この乾燥混合物を適量配合して顆粒化した後、金属製押
し型を用いて50kg/cm2の圧力で成型した。この生成形
体の密度は1.2g/cm2、乾燥重量は21gであった。
この生成形体を外気を遮断することのできる黒鉛製ルツ
ボに装入し、タンマン型焼成炉を使用して1気圧のアル
ゴンガス雰囲気中で焼成した。なお、前記黒鉛製ルツボ
は内容積が50mlのものを使用した。
焼成は5℃/分で2100℃まで昇温し、最適温度2100℃で
4時間保持した。
得られた焼結体の結晶構造は第4図の走査型電子顕微鏡
写真(500倍)に示したように、平均アスペクト比が
10で長軸方向の平均長さが13μmの板状結晶が多方
向に複雑に絡み合った三次元網目構造を有しており、3
〜50のアスペクト比を有する板状結晶の含有量は多孔
質体全重量の96%であった。また、この多孔質体の気
孔は直線的でない開放気孔であり、その開放気孔率は全
容積の61%を占めており、比表面積は3.8m2/gであっ
た。
この焼結体の曲げ強度は2370kg/cm2と高く、またこの多
孔質体の通気特性を肉厚5mmの試験片を使用し、20
℃の空気を1m/secの流速で通過させて測定したとこ
ろ、その圧力損失は730mm水柱以下であった。
骨材(11)の実施例8 骨材(11)の実施例7と同様であるが、添加物として非晶
質ホウ素にかえてアルミニウム、二ホウ化アルミニウ
ム、炭化アルミニウム窒化アルミニウム、酸化アルミニ
ウム、炭化ホウ素、窒化ホウ素、酸化ホウ素、酸化カル
シウム、炭化カルシウム、クロム、ホウ化クロム、窒化
クロム、酸化クロム、鉄、炭化鉄、ホウ化ランタン、酸
化ランタン、酸化リチウム、珪素窒化珪素、炭化珪素、
チタン、酸化チタン、二酸化チタン、三酸化チタンおよ
び酸化イットリウムを使用して多孔質焼結体を製造し
た。これらの多孔質炭化珪素焼結体は、いずれも板状結
晶が良く発達した結晶構造を有しており、曲げ強度、通
気特性等に著しく優れていた。
以上に述べてきた方法によれば、雰囲気の制御により、
骨材(11)に適したアスペクト比、気孔径等が均一にそろ
った多孔質炭化珪素焼結体を製造することができた。
次に、この骨材(11)に酸化物被膜層(13)を形成する場合
の実施例について説明する。この骨材(11)を構成する三
次元網目構造の炭化珪素焼結体の表面に触媒を担持し得
るように形成した酸化物被膜層(13)を形成する方法とし
ては、例えば所望の酸化物を形成するための元素を含有
する溶液中に前記多孔質の炭化珪素焼結体を浸漬した後
焼成する方法を適用することができる。前記所望の酸化
物をするための元素を含有する溶液としては、例えば金
属アルコキシド、水酸化物、塩などの水溶液を使用する
ことができる。
特に、酸化珪素やアルミナについてはシリカゾルやアル
ミナゾルを使用することが有利である。
次に、上述した骨材(11)に酸化物被膜層(13)を形成して
触媒担体(10)としたものに、実際に触媒を担持した実施
例について説明する。
実施例1 上述したようにして骨材(11)の実施例1と略同様の条件
であるが、押出成形によって得られたハニカム形状の多
孔質炭化珪素焼結体である骨材(11)に10%のシリカゾ
ルを真空中で含浸、乾燥した後、1400℃で50%の水蒸気
気流中で10時間保持したところ、13.5%の重量増加と
なった。
次いで、塩化白金酸の水溶液に浸漬して乾燥し、水素中
で500℃、1時間焼成することにより、ハニカム体積の
1に対し1.3gの割合で白金触媒を担持した。これを排
気量3のディーゼル機関の消音マフラーの後部に取付
けて、500時間運転し、その前後のCO、HC、NOx
浄化率と微粒子状炭素の除去率を調べた。その結果を表
4に示す。
運転条件 回 転 数 3000rpm 空気過剰率 1.3 触媒入口温度 380℃ 触媒出口温度 890℃ この表4に示す如く、CO、HC、NOx及び微粒子状
炭素が高い効率で除去された。一方、触媒の出口温度が
900℃の高温状態になっても、ハニカムおよび触媒自
体に何ら変化がなく、極めて触媒効果の高いハニカム触
媒体であることがわかった。
実施例2 上記の実施例1と同様に形成された多孔質炭化珪素焼結
体からなるハニカム構造体である骨材(11)の表面に、表
5に示した酸化物を被覆して酸化物被膜層(13)を形成
し、その後に表5に示した触媒成分を担持させた。な
お、骨材(11)の表面に被覆した酸化物のうち、SiO2
以外の酸化物はまずSiO2被膜を実施例1と同様に形
成した後、その 上に約1.5μmまでの厚さの酸化物被覆層(13)が形成
されるように含浸濃度、焼き付け温度を適宜コントロー
ルした。
そして、表6に示した成分よりなるボイラー排気ガス中
の窒化酸化物の脱硝および脱硫試験を行ない表5にまと
めた。表5に示した結果は、初期および1000時間経過後
のものである。
比較例4 上記の実施例1及び2と同様に、コージェライト質上に
触媒を担持させ、同じ条件下で触媒体の特性を調べたと
ころ次の表7のような結果となり 単に従来のものと同じハニカム構造体に排気ガスを流し
ても充分な微粒子状炭素の除去率を得られなかった。
そこで、同じハニカム構造体の通路の一方の端面におい
て、その通路を1個おきに閉鎖し、他方の端面において
は上記閉塞した通路以外の通路をコージェライト緻密質
体で閉鎖したハニカム構造体としたところ、圧力損失は
110mm水柱となった。
このハニカム構造体を上記と同様に排気ガスの除去効率
(%)を測定したところ、次の表8のようになった。
結果が示すように、100時間の運転では除去効率が若
干向上したが、200時間では除去効率が著しく低下し
た。また、当該ハニカム構造体は一部濾過した微粒子状
炭素が酸化されることなく通路を閉塞し、濾過機能が阻
害された部分があり、他方酸化時の反応熱によりコージ
ェライト質が一部溶解損失していた。
(発明の作用及び効果) 以上のように構成した本発明に係る触媒担体(10)にあっ
ては、次のような作用及び効果がある。
すなわち、当該触媒担体(10)の骨材(11)は、主として炭
化珪素よりなる焼結体から構成され、平均アスペクト比
が3〜50であり、かつ長軸方向の平均長さが0.1〜100
0μmの炭化珪素質板状結晶となり、しかも平均断面積
が0.01〜250000μm2である三次元網目構造の多孔質体と
なっている。これにより、当該骨材(11)は、第1図に示
した触媒担体(10)の各通気孔(12)以外においても反応流
体の通過を充分許容あるいは可能とするだけでなく、そ
の前後における反応流体の圧力損失を極力少なくするも
のである。また、骨材(11)が炭化珪素を主体とした焼結
体であることから、その耐熱性は優れたものとなってい
る。以上のことは、当該触媒担体(10)が第1図に示した
ような所謂ハニカム構造体とした場合は勿論のこと、例
えば当該骨材(11)を板状に形成した場合についても言え
ることである。
また、この骨材(11)に酸化物被膜層(13)を形成した場合
にあっては、この酸化物被膜層(13)の層が極めて薄いも
のであるから、骨材(11)の三次元網目構造部分において
目詰りを起すようなことはない。そして、この酸化物被
膜層(13)によって、骨材(11)に対する触媒の担持をしや
すくしているのである。
さらに、この骨材(11)は比較的熱伝導性の良好でない酸
化物被膜層(13)を形成しても、極めて熱熱伝導性の良好
な炭化珪素焼結体により骨材(11)が形成されているた
め、反応温度を均一化することができるものである。す
なわち、炭化珪素焼結体からなる骨材(11)の上に酸化物
被膜層(13)を被覆させると、発熱反応によって温度が高
くなった場合、第2図に示したように、骨材(11)及び酸
化物被膜層(13)の熱膨張率の差によって酸化物被膜層(1
3)が割れる。すると、骨材(11)を構成している炭化珪素
焼結体自身が反応流体に直接曝されることになる。これ
により、骨材(11)内に熱が蓄積されていたとしても、こ
の骨材(11)の付近を流れる流体によって熱が奪われて放
散され、骨材(11)すなわち触媒担体(10)の反応温度を均
一化するのである。
従って、以上のことを総合すれば、本発明に係る触媒担
体(10)にあっては、炭化珪素焼結体によって構成するこ
とにより充分な耐熱性を備え、これによって発熱反応を
伴なう化学反応に使用するのに適したものとすることが
できる。また、当該触媒担体(10)を構成する骨材(11)自
体が三次元網目構造を有する多孔質体であることから、
反応物質の触媒に対する接触障害を起すことがなく、必
要十分な反応速度が得られる触媒担体(10)を提供するこ
とができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る触媒担体の一実施例を示す斜視
図、第2図は第1図のII−II線に沿って見た部分拡大断
面図、第3図は骨材の実施例1に記載の焼結体の走査型
電子顕微鏡写真(35倍)、第4図は実施例7に記載の
焼結体の走査型電子顕微鏡写真(500倍)、第5図は
従来法による炭化珪素多孔質焼結体の構造を示す模式
図、第6図はスケルトン構造を有する多孔質体の構造を
示す模式図である。 符号の説明 10……触媒担体、11……骨材、12……通気孔、13……酸
化物被膜層。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として炭化珪素よりなる焼結体であっ
    て、平均アスペクト比が3〜50であり、かつ長軸方向
    の平均長さが0.1〜1000μmの炭化珪素質板状結晶から
    構成されてなる三次元網目構造を有し、この網目構造の
    開放気孔の平均断面積が0.01〜250000μm2である多孔質
    の炭化珪素焼結体からなる骨材と、 この骨材を構成する三次元網目構造の炭化珪素焼結体の
    表面に触媒を担持し得るように形成した酸化物被膜層と により構成したことを特徴とする多孔質炭化珪素焼結体
    からなる触媒担体。
  2. 【請求項2】前記三次元網目構造の開放気孔率は焼結体
    の全容積に対し20〜95容積%であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の多孔質炭化珪素焼結体から
    なる触媒担体。
  3. 【請求項3】前記多孔質炭化珪素焼結体100重量部のう
    ち3〜50のアスペクト比を有する板状結晶は少なくとも
    20重量部であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    〜第2項のいずれかに記載の多孔質炭化珪素焼結体から
    なる触媒担体。
  4. 【請求項4】前記骨材はハニカム構造となっていること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれか
    に記載の多孔質炭化珪素焼結体からなる触媒担体。
  5. 【請求項5】前記焼結体の比表面積は少なくとも0.05m2
    /gであることを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第4
    項のいずれかに記載の多孔質炭化珪素焼結体からなる触
    媒担体。
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