JPH06149774A - ペトリネットに基づくシミュレーション装置 - Google Patents

ペトリネットに基づくシミュレーション装置

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JPH06149774A
JPH06149774A JP29991392A JP29991392A JPH06149774A JP H06149774 A JPH06149774 A JP H06149774A JP 29991392 A JP29991392 A JP 29991392A JP 29991392 A JP29991392 A JP 29991392A JP H06149774 A JPH06149774 A JP H06149774A
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petri net
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arcs
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JP29991392A
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Masahide Son
昌秀 孫
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の基本ペトリネットや拡張ペトリネット
では表現できない対象や、表現するため複雑な論理構成
を必要とする対象を容易に表現し、かつペトリネット図
が繁雑となることを回避すること。 【構成】 従来の拡張ペトリネットの要素のほかに、ト
ランジションに該トランジションが発火中であることを
他のトランジションに知らせるための手段を持たせたフ
ラグ付きトランジションと、トランジション同士を接続
し始点のトランジションが発火中の場合のみ終点のトラ
ンジションが発火可能或いは不可能となる許可アークま
たは抑止アークを新たに設ける。フラグ付きトランジシ
ョンは、それが発火中である場合、これに許可アークま
たは抑止アークによって接続されている全てのトランジ
ションの発火をそれぞれのアークの種類に応じて制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークステーションや
パーソナルコンピュータ等で実現されるペトリネットに
基づくシミュレーション装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加工機械、組立機械、作業者や搬送機器
等で構成される生産システム等の離散事象システムを設
計する場合、目標とする生産能力を達成するために必要
な個々の構成機器等の数量、中間バッファの配置やその
容量等を充分検討する必要がある。
【0003】また、生産システムに限らず、たとえば、
交差点に信号を新たに設ける場合、或いは、信号の点滅
周期を変更する場合には、交差点における交通量や交通
量の変化を予め把握して制御形態をを充分検討する必要
がある。
【0004】このような場合、従来から汎用言語やシミ
ュレーション専用言語を用いてシミュレーションモデル
を作成し、シミュレーションを行って色々な設計案を評
価することが行われてきた。しかし、通常の設計者にと
ってはそれらの言語の利用方法の習得が難しく、使いこ
なせない状況にあった。
【0005】この問題を解決するため、最近では特開昭
63−136249号公報,特開昭63−317805
号公報等に開示されているように、ペトリネットのグラ
フ表現を用いて、シミュレーションモデルの作成を視覚
的に容易に行える方法も数多く提案されている。
【0006】ペトリネットグラフは、システム内の要素
を条件と事象に分け、条件をプレース、事象をトランジ
ションというノードで表し、条件と事象の関係をアーク
で結ぶグラフでモデルを表現するものである。そして、
条件の成立をプレースにトークンを配置することにより
表し、このトークンの移動状態に応じてトランジション
を発火させることによりシステムのダイナミクスを検証
するものである。上記プレースは、プレースに入力する
アークのリスト,出力するアークのリスト,プレースに
置かれるトークンの数等のデータからなるプレースデー
タで表現され、トランジションは、同様にトランジショ
ンに入力するアークのリスト,出力するアークのリスト
等のデータからなるトランジションデータで表現され、
また、アークは、始点ノード及び終点ノード等のデータ
からなるアークデータで表現される。
【0007】図5は、ペトリネットの例であり、全ての
入力プレース51,52にトークンが存在する時、アー
ク55,56で接続されるトランジション54は発火可
能となり(同図(a)参照)、発火終了後、入力プレー
ス51,52からトークンを一個づつ取り去り、アーク
57で接続される出力プレース53にトークンが出力さ
れる様子(同図(b)参照)を表している。このペトリ
ネットのグラフ表現を利用することにより、各種システ
ムのシミュレーションモデルを視覚的に表現でき、複雑
なプログラミングを不要とすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】基本ペトリネットに基
づく上記従来技術のシミュレーション方法では、ペトリ
ネット理論で定義されているプレース、トランジショ
ン、アークならびにトークンの4つのペトリネット要素
の組合せによってシミュレーションモデルの作成を行っ
ている。このため、図6に示すような信号のある交差点
を流れる交通の表現、すなわち、あるトランジションの
発火(信号機1が青になる)によって他のトランジショ
ンの発火が制御される(道路1の交通が可能になる)よ
うな場合の表現が困難であった。
【0009】このため、ペトリネットを拡張した拡張ペ
トリネットでは、許可アーク、禁止アークなどの要素を
取り入れて図6のような対象を表現可能にしている。図
7は、拡張ペトリネットにおいて使用されるペトリネッ
ト要素であるプレース61,トランジション62,アー
ク63及び制御アーク64を示している。なおプレース
61の右上の四角で囲まれた数字は、そのプレースが保
持するトークンの数量(トークンカウント)を示してい
る。また制御アークとしては、許可アークと抑止アーク
があるが、ここでは許可アークを使用している。
【0010】これら拡張されたペトリネット要素を用い
ると、図6の交差点は図8のようにプレース201,2
05,206,210,213,217,218,22
2、トランジション203,208,215,220、
アーク202,204,207,209,211,21
2,214,216,219,221、許可アーク22
3,224で表現される。破線部251が道路1、破線
部252が信号機1,2、そして破線部253が道路2
を表している。図8では、制御アークとして2つの許可
アーク223,224が使われている。
【0011】領域252の部分は簡単な信号機を表して
おり、トランジション208の発火は道路2の通行を、
また、トランジション215の発火は道路1の通行を許
可する青信号を意味する。図8の状態で、プレース20
6が保持するトークンがトランジション208の発火に
よってこのトランジション208に移動し、発火継続時
間が過ぎて発火が終了するとプレース217に移動す
る。すると今度はトランジション215が発火可能とな
るため、トランジション215の発火によってトークン
がプレース217からトランジション215に移動し、
発火継続時間が過ぎて発火が終了すると、トークンがト
ランジション215からプレース206に移動し、1サ
イクルを終了する。このサイクル中で、トランジション
208の発火によってプレース210中のトークンもト
ランジション208に移動するため、空になったプレー
ス210と許可アークで接続されているトランジション
203は発火不能の状態、すなわち、道路1の信号機1
が赤の状態となる。このとき、プレース213にはトー
クンが存在するため、トランジション220は発火可
能、すなわち、信号機2は青の状態となり、道路2の通
行すなわちプレース218中のトークンがトランジショ
ン220の発火及び発火終了を経てプレース22へ移動
することが可能となる。トランジション208の発火継
続時間が過ぎると、トークンはその出力プレースである
プレース210及びプレース217にトークンを移動す
る。このとき、トランジション215は発火可能となる
ため直ちに発火し、トークンがプレース217及びプレ
ース213からトランジション215に移動する。する
と、トランジション203は発火可能、すなわち、信号
機1が青の状態となり、プレース201中のトークンが
トランジション203の発火、発火終了を経てプレース
205へ移動が可能となり、逆にトランジション220
はプレース213にトークンが存在しないため、許可ア
ーク224の働きによって発火不能、すなわち、信号機
2が赤の状態となる。このサイクルを繰り返すことによ
り、信号機1及び信号機2が交互に青から赤へと変化
し、それに応じて道路1及び道路2の通行が交互に実現
される。
【0012】しかし、これらの許可アークや他の制御ア
ークである抑止アークを用いても複雑な制御論理の表現
が難しく、且つこれを表現した場合においてもノード数
が増加することからペトリネット図が繁雑になり、シミ
ュレーションモデルの作成に時間がかかるという欠点が
あった。このため、従来の拡張ペトリネットによって複
雑な制御を伴う生産ラインを表現するといった場合に
は、生産機械の制御論理をペトリネットで表現するため
にかなりの熟練を必要としたり、場合によっては表現が
不可能であるという欠点があった。
【0013】そこで本発明は、ペトリネットの機能を拡
張することにより、従来の基本ペトリネットや拡張ペト
リネットでは表現できない対象や、表現するため複雑な
論理構成を必要とする対象を容易に表現し、かつペトリ
ネット図が繁雑となることを回避することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、ペトリネットを作成する手段と、作成され
たペトリネットを表示する手段と、ペトリネットの中の
トランジションに対応して該トランジションが発火中で
あることを示す情報を保持させる手段と、トランジショ
ン同士を接続し、始点のトランジションの状態を終点の
トランジションに伝達する機能を持つアークを生成する
手段と、シミュレーション実行の際に、前記アークを介
して伝達される始点のトランジションの発火状態に応じ
て前記アークが接続された終点のトランジションの発火
を制御する手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明においては、ペトリネット図を構成する
のに、プレース、トランジション、アーク、許可アー
ク、抑止アーク及び色付きトークンなどの従来の拡張ペ
トリネットの要素のほかに、トランジションに該トラン
ジションが発火中であることを他のトランジションに知
らせるための手段を持たせた特殊なトランジション(以
下これをフラグ付きトランジションと呼ぶ)を使用した
り、或いは、トランジション同士を接続し始点のトラン
ジションが発火中の場合のみ終点のトランジションが発
火可能となるアーク(以下これをトランジション許可ア
ークと呼ぶ)やトランジション同士を接続し始点のトラ
ンジションが発火中の場合のみ終点のトランジションが
発火不可能となるアーク(以下これをトランジション抑
止アークと呼ぶ)を使用する。
【0016】フラグ付きトランジションは、通常のトラ
ンジション同様入力プレースまたは出力プレースと通常
のアークによって接続することができるほか、他のトラ
ンジションと許可アークまたは抑止アークによって接続
することができる。フラグ付きトランジションは、それ
が発火中である場合、これに許可アークまたは抑止アー
クによって接続されている全てのトランジションの発火
をそれぞれのアークの種類に応じて制御することができ
る。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例に基づいて
本発明の特徴を具体的に説明する。
【0018】図1は、本発明の実施例の構成を示すブロ
ック図である。入力部11は、キーボード及びマウスで
構成されており、ペトリネットを構成するプレース,ト
ランジション,アーク等の位置を入力したり、或いは、
シミュレーションの実行を指示したりするために使用さ
れる。処理部12は、入力部11から入力された各種デ
ータを記憶部13に格納するとともに、これらのデータ
に基づいて、プレース生成部14でプレースデータを生
成し、トランジション生成部15でトランジションデー
タを生成し、アーク生成部16でアークデータを生成す
る。更に、処理部12は、これらのデータに基づいてシ
ミュレーションを行う。
【0019】生成されたプレース,トランジション,ア
ーク等のデータは、CRTディスプレイ等からなる表示
部17に供給され、ペトリネット図が表示される。
【0020】前記処理部12には、通常のトランジショ
ンを処理する通常トランジション処理部18と、後述す
るフラグ付きトランジションを処理するフラグ付きトラ
ンジション処理部19とを設けている。なお、処理部1
2には、他のペトリネット要素に対する処理部も含まれ
ているが、ここでは説明を省略している。
【0021】本実施例においては、通常のトランジショ
ンの他に、当該トランジションが発火中であることを他
のトランジションに知らせるための手段を持たせた特殊
なトランジション(これをフラグ付きトランジションと
呼ぶ)を設けている。
【0022】また、通常のアークの他に、トランジショ
ン同士を接続し始点のトランジションが発火中の場合の
み終点のトランジションが発火可能となるアーク(これ
をトランジション許可アークと呼ぶ)及びトランジショ
ン同士を接続し始点のトランジションが発火中の場合の
み終点のトランジションが発火不可能となるアーク(こ
れをトランジション抑止アークと呼ぶ)を設けている。
なお、トランジション許可アーク,トランジション抑止
アークは、以下に述べるように表示画面上における表示
形状を変えているだけで、その作用は、通常の許可アー
ク,抑止アークと同一である。
【0023】フラグ付きトランジションは、たとえば、
図2に符号301で示すように矩形枠内に対角線が付さ
れており、他の通常のトランジションと区別されてい
る。フラグ付きトランジション301の内部において黒
く塗りつぶされた矩形領域302は、通常のアークが接
続される部分を示しており、フラグ付きトランジション
301の右上に位置する黒く塗りつぶされた矩形領域3
03は、他のトランジションと接続するためのトランジ
ション許可アークまたはトランジション抑止アークを接
続するための領域である。トランジション許可アークま
たはトランジション抑止アークは、この矩形領域303
を始点にして他のトランジションと接続される。図2に
トランジション許可アーク304とトランジション抑止
アーク305の表現例を示す。
【0024】フラグ付きトランジションは、従来のトラ
ンジションと同様のアーク接続部(矩形領域302参
照)の他にフラグ用制御アーク接続部(矩形領域303
参照)を持っている。フラグ付きトランジションが発火
中は、フラグ用制御アーク接続部は、ここに接続されて
いる許可アーク又は抑止アークからの問い合わせに対
し、常に発火を意味するtrueを返す。逆に発火して
いない場合には、常に非発火中を意味するfalseを
返す。この戻り値は、フラグ付きトランジション中のデ
ータであるフラグデータそのものであり、フラグデータ
はフラグ付きトランジション生成時に無条件にfals
eが設定され、発火に伴いtrue、発火終了時にfa
lseが設定される。フラグ用制御アーク接続部に接続
されている許可又は抑止アークからの問い合わせは、そ
の先に接続されているトランジションが発火可能かどう
かを調べるために行われるもので、ペトリネットシミュ
レータの基本データであるのでここでは説明しない。
【0025】上述したプレースデータ、トランジション
データ及びアークデータのデータ構造の一例を表1、表
2及び表3に示す。
【0026】
【表1】
【表2】
【表3】 図3は、図6の交差点を上記したフラグ付きトランジシ
ョンを用いてペトリネット図で表現したものである。図
3に示すペトリネット図は、プレース401,405,
406,410,411,415、通常のトランジショ
ン403,408、フラグ付きトランジション413,
417、通常のアーク402,404,407,40
9,412,414,416,418、許可アーク41
9,420で表現される。破線部501が道路1、破線
部502が信号機1,2、そして破線部503が道路2
を表している。
【0027】このペトリネット図は、従来の装置と同様
に、入力部11からプレース,トランジション,アーク
等に関する情報を入力することにより各生成部14,1
5,16でプレース,トランジション,アークが作成さ
れ、各ペトリネット要素に対応したデータは記憶部13
に格納される。
【0028】図3に示すペトリネット図において、道路
1及び道路2の部分は、図8に示すペトリネット図と同
様であるが、一方の信号機を表現する部分のトランジシ
ョン208、ひとつのトークンを含むプレース210及
びアーク209が、一つのフラグ付きトランジション4
13で表現されており、他方の信号機を表現する部分の
トランジション215、ひとつのトークンを含むプレー
ス213及びアーク214が、一つのフラグ付きトラン
ジション417で表現されている。
【0029】図3の例では、許可アーク419によって
フラグ付きトランジション413と接続されているトラ
ンジション403は、フラグ付きトランジション413
が発火中の間だけ発火可能である。同様に、トランジシ
ョン408は、フラグ付きトランジション417が発火
中の間だけ発火可能である。フラグ付きトランジション
413とフラグ付きトランジション417は交互にしか
発火しないので、図3は図1の交差点モデルを表現して
いることになる。
【0030】先に説明したように、フラグ付きトランジ
ションは、従来のトランジションと同様のアーク接続部
の他にフラグ用アーク接続部を持っている。トランジシ
ョンが発火可能か否かの判定は、通常トランジション処
理部18により次のようにして行われる。
【0031】まず、当該トランジションの全ての入力ア
ークに対し、条件が満たされているかどうかを問い合わ
せる。あるアークが条件を満たしているかどうかは、こ
のアークが通常のアークの場合、アークの先のプレース
にアークデータ中の多重度分のトークンが存在するかど
うかを調べることによって行い、多重度分のトークンが
存在すればtrue、存在しなければfalseを返
す。また、このアークが許可アークであれば、アークの
先のプレースにトークンが存在すればtrueを返し、
存在しなければfalseを返す。抑止アークの場合
は、許可アークの逆の値を返す。全ての入力アークへの
問い合わせの結果が全てtrueならば当該トランジシ
ョンは発火可能と判定されるが、一つでもfalseが
返されると発火不可能と判定される。当該トランジショ
ンが通常トランジション処理部18によって発火させら
れると、トランジションデータのフラグが発火中を示す
trueにセットされ、発火終了に伴って非発火中を示
すfalseにセットされる。なお、トランジションを
生成した時点では、全てのフラグは非発火中を示すfa
lseにセットされる。
【0032】さて、当該トランジションの入力アークが
制御アークで、この制御アークの先がフラグ付きトラン
ジションであった場合、トランジションからの発火可能
か否かの問い合わせに対しては、フラグ付きトランジシ
ョンのデータであるフラグの値を返す。したがって、フ
ラグ付きトランジションが発火中ならばtrue、そう
でなければfalseを返す。
【0033】トランジションとフラグ付きトランジショ
ンをアークによって接続すると、そのアークは制御アー
クと見做され、アークの始点をフラグ付きトランジショ
ンに、また、終点をトランジションに設定する。この処
理は、フラグ付きトランジション処理部19によって行
われる。
【0034】以上の動作により、図3に示されるような
モデルの機能を実現することができる。
【0035】図4は、トランジション許可アークを用い
て図6に示す交差点を表現したものである。なお、図3
に示すペトリネット要素と対応する部分には同一符号を
付している。図4に示すペトリネット図においては、図
3のフラグ付きトランジション413,417をそれぞ
れトランジション513,517に置き換え、許可アー
ク419,420をそれぞれトランジション許可アーク
519,520としたものである。トランジション許可
アーク519,520の接続先であるトランジション4
03,408は、このアークの引き出し元のトランジシ
ョン513,517が発火中の間だけ発火可能であるの
で、図4に示すペトリネットは、図3に示すペトリネッ
トと同様な機能を果たすことができる。
【0036】上述したように、図3及び図4のいづれの
方法を用いても、図6の交差点のモデルを簡潔に表現す
ることができる。すなわち、図8に示す従来の拡張ペト
リネットによる表現では、プレースが8個、トランジシ
ョンが4個、アークが10個、制御アークが2個の計2
4個のペトリネット要素を必要としたのに対し、図3に
示す本発明による表現では、プレースが6個、トランジ
ションが2個、フラグ付きトランジションが2個、アー
クが8個、許可アークが2個の計20個のペトリネット
要素しか必要とせず、ペトリネット図が簡単化される。
【0037】なお、上述した実施例では、視覚的に分か
りやすくするためにフラグ付きトランジションに許可ア
ークまたは抑止アークを接続するための領域を新たに設
けているが、通常のアークと許可アーク及び抑止アーク
を区別するようにすればこれらのアークを同一の領域に
接続することが可能である。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明において
は、トランジションが発火中であることを他のトランジ
ションに伝えるための手段を設けたので、下記の効果を
奏することができる。
【0039】(1) 基本ペトリネットや従来の拡張ペ
トリネットだけでは表現できない処理を記述できる。
【0040】(2) 複雑な論理構成を容易に表現する
ことが可能となる。
【0041】(3) ペトリネット図の規模を小さくで
きる。
【0042】(4) シミュレーションモデルを迅速に
作成することが可能となる。
【0043】(5) ペトリネット図が繁雑となること
を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 本発明で新たに導入されたペトリネット要素
を示す説明図である。
【図3】 図6に示す交差点をフラグ付きトランジショ
ンを使用してモデル化した例を示す説明図である。
【図4】 図6に示す交差点をトランジション許可アー
クを使用してモデル化した例を示す説明図である。
【図5】 ペトリネットの原理を示す説明図である。
【図6】 モデル化すべき交差点の例を示す説明図であ
る。
【図7】 従来の拡張ペトリネットにおいて使用される
ペトリネット要素を示す説明図である。
【図8】 従来の拡張ペトリネットによりモデル化した
図6に示す交差点のペトリネット図である。
【符号の説明】
11:入力部、12:処理部、13:記憶部、14:プ
レース生成部、15:トランジション生成部、16:ア
ーク生成部、17:表示部、18:通常トランジション
処理部、19:フラグ付きトランジション処理部、5
1,52:入力プレース、53:出力プレース、54:
トランジション、55〜57:アーク、61:プレー
ス、62:トランジション、63:アーク、63:制御
アーク、201,205,206,210,213,2
17,218,222:プレース、202,204,2
07,209,211,212,214,216,21
9,221:アーク、203,208,215:トラン
ジション、223,224:許可アーク、251〜25
3:破線部、301:フラグ付きトランジション、30
2,303:矩形領域、304:トランジション許可ア
ーク、305:トランジション抑止アーク、401,4
05,406,410,411,415:プレース、4
02,404,407,409,412,414,41
6,418:通常のアーク、403,408:通常のト
ランジション、413,417:フラグ付きトランジシ
ョン、419,420:許可アーク、501〜503:
破線部、513,517:トランジション、519,5
20:トランジション許可アーク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペトリネットを作成する手段と、 作成されたペトリネットを表示する手段と、 ペトリネットの中のトランジションに対応して該トラン
    ジションが発火中であることを示す情報を保持させる手
    段と、 トランジション同士を接続し、始点のトランジションの
    状態を終点のトランジションに伝達する機能を持つアー
    クを生成する手段と、 シミュレーション実行の際に、前記アークを介して伝達
    される始点のトランジションの発火状態に応じて前記ア
    ークが接続された終点のトランジションの発火を制御す
    る手段とを備えていることを特徴とするペトリネットに
    基づくシミュレーション装置。
JP29991392A 1992-11-10 1992-11-10 ペトリネットに基づくシミュレーション装置 Pending JPH06149774A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0214120A2 (de) * 1985-08-28 1987-03-11 IGM Industriegeräte- und Maschinenfabriksgesellschaft mbH Verfahren zum Erfassen der Position und Geometrie von Werkstückoberflächen
WO1996023626A1 (en) * 1995-01-31 1996-08-08 British United Shoe Machinery Limited Edge detection in automatic sewing apparatus
WO2015020361A1 (ko) * 2013-08-06 2015-02-12 서울대학교산학협력단 페트리넷과 발사 추천기에 기반한 최적화 시스템 및 구현 방법
JP2016212700A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 学校法人日本大学 車両通過判定装置、車両検知システム及びプログラム

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