JPH0614954U - 原位置比重測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 深度のある孔内の安定液の比重の測定におい
て各深度の安定液の比重を容易にかつ迅速に測定できる
ようにした比重測定装置を提供することを目的とする。 【構成】 重り４と、これを吊り糸７の先に連結し吊り
糸により重りを所定位置にまで送り出し又は巻き上げる
手段１と、下方に吊り糸の固定具３を設けた比重計２と
を有してなり、所定の深度に前記重りを送り出し、前記
固定具により固定後比重を読み取るようにした原位置比
重測定装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、基礎杭などに打込む掘削孔を形成する際、注入した安定液に泥の混 じった掘削孔内の泥液の比重を、孔内のその位置（本明細書では原位置という） で測定する装置に関する。 基礎杭等には掘削孔に、掘削中、孔壁の崩壊、脱落を防ぐためにベントナイト 等を含有した安定液（調泥液）が注入される。このような安定液を注入しながら 行う方法を安定液掘削工法という。

【０００２】

【従来の技術】

従来、安定液掘削工法における安定液管理として掘削終了後、孔内（溝内）の 泥の混じった安定液を各深度毎にサンプリングし安定液の比重、粘性、砂分、脱 水量等の測定を行っているが、深度のある孔内からサンプルを採取するのに時間 を要し、さらに測定に至るまで時間がかかるため、必ずしも正確な結果が得られ ない。これは孔内の安定液中の掘削時に混入した砂質分は沈降し測定値が出た段 階には孔内の安定液比重は変化してしまうことなどが理由としてあげられる。そ のため孔内安定液の深度毎の比重を測定することは難しく、手間がかかるといっ た欠点があった。 スライム検知器として安定液中に砂分が多量に混入すると、安定液の導電率が 低下することを応用して、電極をコードの先端に取付け、深度毎の導電率を連続 的に測定し、安定液の比重が高くなった地点で導電率が極端に低下した深度をス ライムの界面とする装置が開発されている。しかし、装置が高価であり、取扱い も簡単でなく、また、安定液の比重を求めることはできない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

したがって、本考案の目的は上記の深度のある孔内の安定液の比重の測定にお ける従来の測定方法の欠点を克服した各深度の安定液の比重を容易にかつ正確に 測定できるようにした比重測定装置を提供することを目的とする。より詳しくは 、孔内の所定の深度の安定液を原位置で測定できるようにした比重測定装置を提 供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記の目的は、重りと、これを吊り糸の先に連結し吊り糸により重り を所定位置にまで送り出し又は巻き上げる手段と、下方に吊り糸の固定具を設け た比重計とを有してなり、所定の深度に前記重りを送り出し、前記固定具により 固定後比重を読み取るようにしたことを特徴とする原位置比重測定装置により達 成された。

【０００５】

【実施例】

次に本考案を図示の一実施例に従って説明する。 図１は本考案に係る比重測定装置の一実施例の正面図であり、図中、１は吊り 糸７のリール、２は比重計、３は比重計の下方に設けた吊り糸固定用コック、４ は吊り糸７に連結した重りであり、その中に比重調節用鉛粒５を充填する。測定 する安定液（泥液）の比重の高低に応じて使用前にこの鉛粒の量を調節する。６ は比重計２に吊り糸固定用コック３を取り付けるコック固定金具である。８は糸 道、９は比重測定装置本体、１０はリール１の本体９への固定ボルト、１１はリ ールのフリーレバーであり、吊り糸７の送り出し時にフリーとする。１２はリー ルに設けたデジタル深度計、１３は巻き上げレバーである。 上記において比重計２は本体９に支点２ａによって回動自在に固定されている 。１４は掘削孔の液面を示す。１７は後述する収納部である。１５は本考案に係 る比重測定装置を示す。

【０００６】

【作用】

次にこの測定装置の使用方法を述べる。 上記図１とともに測定時の全体図を示す図２とともに説明する。 まず、重り４の底部を基準点にセットし、リール１に設けたでデジタル深度計 の目盛りをゼロにセットする。次にフリーレバー１３を倒しリール１をフリーに するとともに、吊り糸固定用コック３をフリーにし吊り糸７を送り出し、重り４ を降ろす。重り４が掘削孔の液面下測定したい深度まで達したらフリーレバー１ １を戻し、リール１の回転を止め、吊り糸固定用コック３を締めて吊り糸７を固 定する。この時の状態を図２に示す。図中１５は本考案の測定装置、１６は掘削 孔である。

【０００７】 次にフリーレバー１１を倒し、リール１をフリーにし、吊り糸固定用コック３ からリール１までの吊り糸７をたるませる。次いで、比重計２の指示値を直読し 記録する。 以上の操作を深度毎に行うことにより掘削孔内の安定液の比重分布を知ること ができる。 この比重測定装置の使用後の収納状態を図３に示す。図中１７は本体９に設け た収納孔であり、重り比重計２及び重り４を収納する。本考案の装置は折り畳み 式となる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案の測定装置によれば、掘削孔の掘削終了直後の、任意の深度の比重をそ の原位置で測定あるいは、時間毎の比重変化が容易に測定できることにより、ス ライム処理の管理を正確かつ迅速に行うことができる。さらに安定液に触れるこ ともなく安定液比重が測定できる。また、測定装置は収納がコンパクトに行える ので、保管、運搬等に好都合である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる比重測定装置の一実施例の正面
図である。

【図２】図１の測定装置の使用状態の説明図である。

【図３】図１の測定装置の収納状態の説明図である。

【符号の説明】

１ リール ２ 比重計 ３ 吊り糸固定用コック ４ 重り ５ 鉛粒 ６ コック固定用金具 ７ 吊り糸 ８ 糸道 ９ 比重測定装置本体 １４ 掘削孔の液面 １５ 比重測定装置 １６ 掘削孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 重りと、これを吊り糸の先に連結し吊り
   糸により重りを所定位置にまで送り出し又は巻き上げる
   手段と、下方に吊り糸の固定具を設けた比重計とを有し
   てなり、所定の深度に前記重りを送り出し、前記固定具
   により固定後比重を読み取るようにしたことを特徴とす
   る原位置比重測定装置。
2. 【請求項２】 重りの比重を調節しうるようにした請求
   項１の原位置比重測定装置。