JPH0614918B2 - 嗅覚認識判定用の臭気供給装置 - Google Patents

嗅覚認識判定用の臭気供給装置

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JPH0614918B2
JPH0614918B2 JP30152290A JP30152290A JPH0614918B2 JP H0614918 B2 JPH0614918 B2 JP H0614918B2 JP 30152290 A JP30152290 A JP 30152290A JP 30152290 A JP30152290 A JP 30152290A JP H0614918 B2 JPH0614918 B2 JP H0614918B2
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幸子 斉藤
健夫 飯田
光夫 山村
光雄 外池
眞一 吉村
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、嗅覚の判定や評価などを行うための嗅覚認
識判定装置に関し、臭物質を含む供試ガスの供給状態を
制御する臭気供給装置に改良を加えたものである。
〔従来の技術〕
嗅覚の客観的な評価を行うための嗅覚認識判定装置は、
本出願人等の提案に係る特開昭63−79636号公報
などに公知である。そこでも任意量の供試ガスを計量
し、被験者の呼気動作に同期させて供試ガス供給する臭
気供給装置を有する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記の嗅覚認識判定装置は、研究室や試験所な
どの実験用に供される大掛かりな試験設備であって、全
体装置の移動はもちろん、移設することにも無理があっ
た。また、一般病院や食品あるいは香料メーカなどで使
用するには、導入費用が高く付き、全体装置の設置に大
スペースを要するなどの点でも実用的でなかった。
装置が大形化する要因のひとつは、臭気供給装置にあっ
た。従来装置では臭物質の生成、キャリアガス(空気)
の供給、キャリアガスによる希釈濃度の調整、流量制御
など供試ガスの供給系に関する全ての処理を臭気供給装
置で行っており、しかも複数種の臭物質ごとに独立した
供給系を構成していたことによる。
ところで、各臭物質ごとに独立して設けた臭気供給系を
一本化し共用すると、臭気供給装置は小形化できる。但
し、この場合は臭気供給路に前回供給の臭気が残り、こ
れが次回供給の臭気に混入するため、嗅覚の評価および
判定を正しく行うことが困難となる。この点が従来は未
解決であった。
本発明は、かかる実情に着目して提案されたものであ
り、その目的は構造の簡素化を実現し、医学上ないし工
業上においても手軽に実用できる安価で小形の臭気供給
装置を得るにある。
本発明の他の目的は、残留臭気のクリーニング性を確保
し、ひとつの臭気供給系で異なる供試ガスを一切の支障
なく次々に供給可能とした臭気供給装置を得るにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の臭気供給装置は、第1図および第2図に示すご
とく所定濃度に調整された供試ガスGを貯蔵する臭気タ
ンク12と、この臭気タンク12から送出される供試ガ
スGの供給状態を制御する流量制御装置13とからな
る。
このうち臭気タンク12は、耐圧容器14とこれに収容
されるガス袋15とを含み、耐圧容器14とガス袋15
との間の空間を正圧力供給源18と真空ポンプ19のそ
れぞれに接続したものとする。
流量制御装置13は、本体ケース26内の臭気供給路2
7の入口28側から順に流量制御器32および逆止弁3
3と、臭気供給路27を高速度で開閉して供試ガスGを
パルス状に供給する電磁弁34とを配置し、前記機器の
動作を制御する制御回路36・37を臭気供給路27か
ら離れた位置に配置し、臭気供給路27にクリーニング
用の加熱手段35を付設したことを要件とする。
〔作用〕
所定濃度に希釈調整された供試ガスGは臭気タンク12
に貯蔵しておき、必要に応じて送出するので、臭物質の
生成、キャリアガスの供給、希釈濃度の調整等に要する
機器を省略できる。
流量制御装置13にクリーニング用の加熱手段35を設
け、この加熱手段35による加熱作用と、臭気タンク1
2の減圧作用で臭気供給路27に負圧を作用させること
とによって、流量制御装置13内における臭気供給路2
7のセルフクリーニングを可能とするので、ひとつの流
量制御装置13で異なる供試ガスを純正状態のまま繰り
返し供給できる。
〔実施例〕
第3図において嗅覚認識判定装置は、被験者Aに嗅覚刺
激を付与する刺激系統1と、被験者Aの刺激に対する反
応を測定し処理する測定系統2とに大別できる。
刺激系統1は、供試ガスGを供給する臭気供給装置3
と、脱臭処理された洗浄用の加圧空気を供給する空気供
給手段4と、供試ガスGと洗浄用空気を交互に供給する
電磁操作式の切換弁5と、被験者Aの顔面に装着される
マスク6とからなる。
測定系統2は、被験者Aが感じる臭気への官能評価量
(臭気強度、臭気質、快・不快度等)および嗅覚反応に
より生じる脳波の変動を測定し、測定された脳波データ
を呼吸センサ8からの出力信号に基づき解析し、必要な
信号処理等を行うデータ処理回路9を含む。脳波データ
は、被験者Aの頭部に固定した複数個の電極10を介し
て誘発電位の変動として取り込まれる。
臭気供給装置3は、所定濃度に希釈調整済みの供試ガス
Gを貯蔵する臭気タンク12と、このタンク12から送
出される供試ガスGの供給状態を制御する流量制御装置
13とからなり、流量制御装置13から連出されたテフ
ロン管製の送給路23を介して、マスク6内に供試ガス
Gをパルス状に供給する。なお、臭気タンク12は床面
に載置して使用する。流量制御装置13は高さ、幅、奥
行寸法がそれぞれ35cm、25cm、45cmであり、卓上
に載置して使用する。
第2図において臭気タンク12は、ステンレス製の密閉
された耐圧容器14の内部に、ガス袋15を収容してあ
り、耐圧容器14とガス袋15との間の空間は開閉弁1
6・17を介して正圧力供給源18と真空ポンプ19と
にそれぞれ接続する。耐圧容器14の外部には、前記内
部空間の圧力状態を示す圧力計20や安全弁21を備え
ている。ガス袋15はポリエステルシートからなり、内
部に充填した供試ガスGを、袋上端から導出したテフロ
ン管製のガス供給路22を介して流量制御装置13に送
出する。24はそのための開閉弁である。
正圧力供給源18としては、コンプレッサまたは圧縮空
気が充填されたボンベを使用し、ガス袋15の外周に0.
2kg/cm2の正圧力を付与し、袋内の供試ガスGを送出す
る。真空ポンプ19は、ガス袋15内に供試ガスGを充
填する際、あるいは後述するように流量制御装置13内
の臭気供給路27をクリーニングする際に、耐圧容器1
4内に負圧力を作用させる。なお、ガス袋15内の供試
ガスGは0.25kg/cm2に加圧された状態で充填する。
第1図において、流量制御装置13は箱形の本体ケース
26内にガス供給路22および送給路23と連通する臭
気供給路27を有する。この臭気供給通路27の入口2
8側から出口29側に向かって、開閉弁30、フィルタ
31、流量制御器32、逆止弁33、電磁弁34を順に
配置し、臭気供給路27および前記各部材30・31・
32・33・34の外周にセルフクリーニング用の加熱
手段35を備える。さらに、加熱手段35による熱影響
を避けるために、制御回路36・37などの電気機器類
は臭気供給路27から離して配置している。
図の臭気供給路27はステンレス製の管材からなり、そ
の外面にシーズヒータからなる加熱手段35を巻装す
る。入口28および出口29は、それぞれ喰い込み継手
やフレア継手などの管継手になっており、第3図に示す
ごとく本体ケース26の前面パネル26aの下方左右に
突出する。開閉弁30はベローズバルブからなり、必要
に応じて臭気供給路27を開閉するが、その操作つまみ
30aは前記入口28と出口29との間に配置する。
流量制御器32は、供試ガスGの流量を精密に測定し、
かつガス流量を精密に制御する。その測定原理はセンサ
ーパイプの上流側と下流側の外面2箇所に発熱感温抵抗
線を巻き付け、供試ガスGがセンサーパイプ内を流れる
ときの、両抵抗線の抵抗値の差から流量を演算し、電気
信号化するものである。第1図において、センサ部分を
符号32aで、また流量制御用の電磁操作式の制御弁部
を符号32bで示した。この流量制御器32としては市
販品(株式会社小島製作所製のサーマルマスフローコン
トローラ)を用いることができる。
電磁弁34は臭気供給路27を高速度で開閉し、供試ガ
スGをパルス状に供給する。この電磁弁34の開閉動作
に要する好ましい時間は0.5mm秒であり、これは従来の
電磁弁の2倍の速さである。但し、電磁弁34の開閉動
作が速いほど、臭気供給路27での圧力変動が急峻とな
り、流量制御器32での計測値に誤差を生じやすくな
る。これを避けるために逆止弁33がある。
第1図において制御回路36は、呼吸センサ8からの入
力信号に対応して電磁弁34を開閉制御し、かつ流量制
御器32用の制御回路37から流量信号を受けて供試ガ
スGを規定量ずつ必要な積算流量として取り出すための
制御を行う。例えば、一定時間当たりの積算流量を設定
することができ、あるいは時間とは無関係に積算流量を
設定できる。与えられた設定条件に応じて、流量制御器
32でガス流量を任意に変更し、電磁弁34を開閉させ
るのである。
第3図において、上記制御を行うために前面パネル26
aに、スイッチ類やカウンタなどを備える。符号39は
電源スイッチ、40は流量制御器32用の制御回路37
に流量値を入力するための流量設定ボリューム、46は
その表示器、41は時間当たりの積算流量と単なる積算
流量とのいずれかの制御を選択する切換スイッチ、42
は各制御系に対応するカウンタ、43はスタートスイッ
チ、44はストップスイッチ、45は制御状態を表示す
る表示部である。なお本体ケース26の背部には、上記
機器類のリモートコントローラを接続するための外部入
力端子47(第1図参照)を有する。
次に、臭気充填時と、供試ガスGの送給時と、クリーニ
ング時とに分けて臭気供給装置3の使用態様を説明す
る。
臭気充填時 この場合は、第3図の想像線で示すように、臭気タンク
12を流量制御装置13の出口29にガス供給路22を
介して接続し、入口28を臭気源に接続する。この状態
で流量制御装置13を作動させると、積算流量を計測し
ながら臭気がガス袋15に充填される。
次いで無臭処理された清浄空気を流量制御装置13を介
してガス袋15に充填し、臭気を必要な濃度に希釈す
る。このとき、臭気タンク12には、真空ポンプ19に
よって負圧力を作用させ、ガス袋15の展張を補助す
る。
このようにして、流量制御装置13で精密なメータリン
グを行いながらガス希釈を行い、臭気の希釈濃度を正確
に設定し、試験精度を向上することができる。
供試ガスの送給時 この場合は、第3図の実線で示すように、ガス供給路2
2を入口28に接続し、送給路23を出口29に接続す
る。そして、正圧力供給源18で加圧空気を供給し、臭
気タンク12内に正圧力を作用させる。
次いで供試ガスGの供給条件に応じて、スイッチ類の切
換えおよび設定を行い、全ての準備が完了した状態でス
タートスイッチ43をオン操作し、電磁弁34を断続的
に開閉して供試ガスGと清浄空気とを交互に被験者Aに
送る。
設定された条件で供試ガスGを供給し、その積算流量が
設定値に達すると、流量制御器32の制御弁部32bが
作動してガス供給を停止する。試験途中にガス供給を停
止したい場合には、ストップスイッチ44をオン操作す
る。
クリーニング時 臭物質を変更する場合は、流量制御装置13内の臭気供
給路27をクリーニングした後、ガス供給路22および
送給路23を清浄な管路と交換する。クリーニング時に
は入口28をプラグで密閉し、出口29を真空ポンプ1
9に接続し、臭気供給路27に真空圧を作用させた状態
で加熱手段35を作動させ、臭気供給路27およびこの
通路に設けられた各部材30・31・32・33・34
を加熱する。
この加熱によって、一続きの臭気供給路27は100度
C以上に加熱され、その内面壁に付着した臭分子の遊離
を促進する。遊離した臭分子は出口29から吸い出され
る。
ガス袋15の出入通路も同様にしてクリーニングを行
う。詳しくは、開閉弁24のガス袋15との接続口をプ
ラグで密閉し、ガス供給路22との接続口を真空ポンプ
19に接続し、開閉弁24およびこれの前後通路を加熱
手段で加熱しながら真空圧を作用させる。
このように、臭気供給路27などを減圧しながら加熱手
段35で加熱してクリーニングを行うと、臭分子を確実
に壁面から遊離できる。しかも遊離した臭分子が再付着
するのを防止し、臭気供給路27などのクリーニングを
確実に行える。また、配管を変更して加熱手段35およ
び真空ポンプ19を作動させるだけで、自動的にクリー
ニングを行え、便利である。
クリーニングが終了した後、ガス袋15内のガスを廃棄
し、ガス供給路22および送給路23を清浄な管路に変
換すると、再び臭気の充填・希釈および試験を行うこと
ができる。なおガス袋15も必要に応じて取り替える。
上記のようにクリーニング時には、臭気供給路27が高
温に加熱される。この熱による電子素子の破壊を避ける
ために、各制御回路36・37を臭気供給路27から離
れた位置に設けている。また、電磁弁34は臭気供給路
27からの熱を受けて、コイルが焼損しやすい状態にお
かれるが、コイルの耐熱温度を220度C以上とするの
で、電磁弁34が焼損することはない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明では、所定濃度に希釈調整さ
れた供試ガスGを臭気タンク12に貯蔵しておき、これ
を必要に応じて送出し、流量制御装置13で供給状態を
精密に制御してガス供給を行うようにした。つまり、臭
物質の生成やキャリアガスの供給、希釈濃度の調整等に
要する機器を除外し、臭気供給に最低必要な臭気タンク
12と流量制御装置13で臭気供給装置3を構成し、そ
の構造の簡素化を実現した。これにより、臭気供給装置
3を小形で安価なものにでき、例えば臨床および心理評
価など医学上あるいは工業上において一般ユーザでも、
嗅覚試験を手軽に行うことができる。
臭気タンク12に正圧力供給源18と真空ポンプ19を
接続し、臭気タンク12からのガス送出と吸引を行える
ようにし、とくに臭気供給路27をこれに付設した加熱
手段35で加熱してクリーニングを行うとき、臭気供給
路27に負圧力を作用させて、残留臭気を自動的に除去
できるようにしたので、異なる臭物質を用いて嗅覚試験
を行う場合でも、流量制御装置13を繰り返し使用で
き、従来装置とは異なり流量制御装置を多数用意する必
要がないので、臭気供給装置3をコンパクト化し、その
移動や取扱いを容易なものにできる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は流量制御装置の系統説明図、 第2図は臭気タンクの断面図、 第3図は嗅覚認識判定装置の概要を示す原理説明図であ
る。 3……臭気供給装置、 8……呼吸センサ、 9……データ処理回路 12……臭気タンク、 13……流量制御装置、 14……耐圧容器、 15……ガス袋、 18……正圧力供給源、 19……真空ポンプ、 26……流量制御装置の本体ケース、 27……臭気供給路、 32……流量制御器、 33……逆止弁、 34……電磁弁、 35……加熱手段、 36・37……制御回路、 A……被験者、 G……供試ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山村 光夫 茨城県つくば市東1丁目1番4号 工業技 術院製品科学研究所内 (72)発明者 外池 光雄 兵庫県尼崎市若王寺3丁目11番46号 工業 技術院電子技術総合研究所大阪ライフエレ クトロニクス研究センター内 (72)発明者 吉村 眞一 大阪府大阪市北区天神橋8丁目8番11号 株式会社飛鳥電機製作所内 審査官 國島 明弘 (56)参考文献 特開 平4−174646(JP,A) 特開 平4−174645(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定濃度に調整された供試ガス(G)を貯
    蔵する臭気タンク(12)と、この臭気タンク(12)から送出
    される供試ガス(G)の供給状態を制御する流量制御装
    置(13)とを備えており、 臭気タンク(12)は、耐圧容器(14)とこれに収容されるガ
    ス袋(15)とを含み、耐圧容器(14)とガス袋(15)との間の
    空間が、正圧力供給源(18)と真空ポンプ(19)とのそれぞ
    れに接続されており、 流量制御装置(13)は、本体ケース(26)内の臭気供給路(2
    7)の入口(28)側から順に、流量制御器(32)および逆止弁
    (33)と、臭気供給路(27)を高速度で開閉して供試ガス
    (G)をパルス状に供給する電磁弁(34)とを配置し、前
    記機器の動作を制御する制御回路(36・37)を臭気供給路
    (27)から離れた位置に配置し、臭気供給路(27)にクリー
    ニング用の加熱手段(35)を付設してある嗅覚認識判定用
    の臭気供給装置。
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