JPH06148322A - 液面レベル検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波送受信器の取付角度に関係なく、高精
度のレベル検出を行なうことができる液面レベル検出装
置を提供する。 【構成】 液面上に浮遊し、液面の上下動にしたがって
上下する浮遊体１と、この浮遊体１の液面から上の部分
に超音波を送信してその反射波を受信する超音波送受信
装置と、この超音波送受信装置の送受信に要する時間に
よって液面レベルを求める手段と、浮遊体１が超音波送
受信装置からの超音波を受けて前記装置の受信部へ反射
可能な位置関係を保って上下動自在とするガイド装置３
とを設けた超音波液面レベル検出器。 【効果】 送信された超音波と液面とのなす相対角度に
関係なく、常に超音波が入射角方向に反射されるので、
超音波送受信器の取付位置に関係なく、液面レベルを高
精度で検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液面レベル検出装置に
係り、特に超音波により容器内に封入された液体の液表
面位置を外部から非接触方式にて、精度よく計測するに
好適な液面レベル検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より超音波の波動特性を利用して液
体、固体の位置検出を行なう計測装置は、各分野で多数
利用されている。例えば、液面を超音波で計測する場合
には、任意の距離から液面に対し直角に超音波を送信し
さらにこの液面からの反射波を受信してこの時間差を計
測することにより超音波送受信器から液面までの距離を
計測している。

【０００３】このような従来技術を図５および図６を用
いて説明する。図５は液面レベル探知可能状態を示し、
図６は液面探知不可の状態を示す。図において、２は超
音波、４は超音波送受信器、５Ａは液面である。超音波
２の液面５Ａへの有効入射角度は超音波送受信器４の反
射波受信面積と液面間距離によって決定される。このた
め超音波送受信器４を図５の状態から図６の状態に傾け
ると超音波送受信器４で液面からの反射波を受信でき
ず、液面位置を探知できなくなる。このように従来技術
は、液面に対する超音波送受信器の取付け角度特性が限
定され、任意の角度からの測定を可能とする配慮がなさ
れていなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】すなわち上記従来技術
は、液面に対する超音波の入射角をフレキシブルにする
配慮がされていなかった。このため超音波送受信器の液
面に対する取付角度、すなわち液面への超音波入射角が
直角から傾くに従い測定誤差が増大し、さらには液面か
ら反射された超音波を探知できなくなるという問題があ
った。

【０００５】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、液面に対して発信された超音波を常に発信側に
反射させることにより、測定精度を向上させた液面レベ
ル検出装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第１の発明は、超音波により液面レベルを検出す
る装置において、液面上に浮遊し該液面の上下動に従っ
て上下動する浮遊体と、該浮遊体の液面上部に超音波を
送信してその反射波を受信する超音波送受信装置と、該
装置の前記送受信に要する時間により液面レベルを求め
る手段と、前記浮遊体が超音波送受信装置からの超音波
を受けて該装置の受信部へ反射可能な位置関係を保って
上下動自在とするガイド装置とを設けたことを特徴とす
る液面レベル検出装置に関する。

【０００７】第２の発明は、超音波により液面レベルを
検出する装置において、その上端部が超音波送受信装置
と直接または物体を介して接続され液体中に挿入される
中空筒状体と、該筒状体の下方部に開口し液体の出入自
在とした下部開口と、筒状体の上方部に設けた排気口
と、筒状体内に挿入され筒状体内の液面の上下動に従っ
て筒状体内を上下動する浮遊体と、前記超音波送受信装
置からの液面上の浮遊体部に対する超音波の送受信に要
する時間により液面レベルを算出する手段とを備えたこ
とを特徴とする液面レベル検出装置に関する。

【０００８】第３の発明は、上記第１の発明または第２
の発明において、浮遊体が球様体、または柱状体である
ことを特徴とする液面レベル検出装置に関する。

【０００９】

【作用】浮遊体は、液体との比重差により常に一定高さ
液面上に露出される。この露出された表面を液面に替え
超音波の反射体として使用する。ここで露出された表面
が平面を形成する場合はこの表面積全てが、また、表面
が球面を形成する場合は一部の微少表面積が超音波の有
効反射面を形成することになる。なお、球面において反
射有効面積を大きくしたい場合は、その表面に粒子を塗
り付けることにより増加が図れる。

【００１０】上記により超音波送受信器から送信された
超音波は、液面への入射角に関係なく常に送受信器側に
反射されることになる。

【００１１】

【実施例】本発明の具体的実施例を図１に示す。本実施
例では、液体５を所定深さ充たした容器６に任意の角度
でかつ任意の位置に液面検出用のパイプ３が取付けられ
ている。パイプ３の上端３ａには超音波送受信器４が、
また、パイプ３の中には球状の浮遊体１が挿入されてい
る。

【００１２】なお、パイプ３の液体挿入側先端開口部３
ｂは、液体５全量払出し時浮遊体１が容器６内に落下す
るのを防止するため浮遊体１の外形より小さい開口孔３
ｃを設けてある。パイプ３の上端付近に空気排出孔３ｄ
を設け、パイプを液中に挿入した際の排気を行なう。図
１において、８はパルス送信回路、９は受信回路、１０
はコントロール回路、１１はカウンター回路、１２は基
準パルス発振回路である。図１の実施例ではパイプ３の
上端に直接に超音波送受信器が接続されているが、パイ
プ３と超音波送受信器を他の部材を介して所定位置関係
を保つように接続してもよい。

【００１３】図２、図３に本発明に係る原理の説明を示
す。パイプ３の中に挿入された球状の浮遊体１は、液体
５と浮遊体１の比重差により決定される高さだけ液面上
に露出する。この露出した表面を狭帯幅で見ると平面に
近似された集合面となる。このため液面上の任意の位置
から浮遊体１に向け超音波を発信した場合、常に浮遊体
に対し直角入射面が形成され反射波の探知が可能とな
る。

【００１４】また、上記直角入射面積を増加したい場合
は、図３に示すごとく浮遊体１の表面に粗粒子７を貼り
付け極部的な乱反射面を形成させることにより可能とな
る。計測手段としては、パルス反射方式を使用する。こ
の方式は、超音波の送信パルスから受信パルスまでの間
に、基準となるパルスの数をカウントして物体までの反
射時間を計測する。測定の原理は次式による。

【００１５】

【数１】Ｌ＝Ｃ・Ｔ／２ …（１） ここで、Ｌ：物体までの距離、Ｔ：超音波が発信され物
体に当たり反射波が受信されるまでの反射時間、Ｃ：音
速である。物体までの反射時間（Ｔ）を測定することに
より、物体までの距離を計測することができる。ＵＴは
約４０KHz 、測定範囲は７００〜３５００mmを使用す
る。

【００１６】図１の実施例では浮遊体に球を使用してい
るが図４に示す円柱、角柱構造の浮遊体でも同様の効果
を得ることができる。この場合、浮遊体内部には、浮遊
体の浮心、重心を調整するための粘土状の固体を入れ任
意の角度に調整することにより目的が達成される。液体
面と超音波送受信器との間の距離に比較して液体上面と
浮遊体の反射面間の距離ｄ（図２）が無視できない場合
は補正する必要があり、計測器内であらかじめ補正する
ようにしておけばよい。

【００１７】上記実施例においては、測定時に超音波発
信器（受信器も兼ねる）４から発信された超音波２が衝
突し得る範囲内に浮遊体１を留めて置くため、パイプ３
を使用した例を示したが、図７に示すように円筒状の浮
遊体１の側面に沿ってガイド溝（もしくは貫通孔）１３
を長手方向に設け、このガイド溝１３と嵌合するレール
状または棒状のガイド体１４を超音波発信器４に対し所
定の相対位置を保つよう設けることによっても同様の目
的を達成することができる。浮遊体１は液面の上下する
に従って上下動する際に、ガイド体１４に沿って自由に
移動するので、超音波発信器４から発信された超音波
は、浮遊体１の上面に衝突し、反射波は超音波発信器４
により受信される。

【００１８】

【発明の効果】本発明によれば、超音波送受信器から送
信された超音波と液面のなす相対角度に関係なく常に超
音波を入射方向に反射できる。このため超音波送受信器
の取付け角度に関係なく精度よく液面レベルの計測が可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す図。

【図２】、

【図３】本発明の作動原理を示す図。

【図４】本発明の他の実施例を示す図。

【図５】、

【図６】従来技術を示す図。

【図７】本発明の他の実施例を示す図。

【符号の説明】

１…浮遊体、２…超音波、３…パイプ、４…超音波発信
器、５…液体、６…容器、７…粗粒子、８…パルス送信
回路、９…受信回路、１０…コントロール回路、１１…
カウンター回路、１２…基準パルス発信回路。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 超音波により液面レベルを検出する装置
   において、液面上に浮遊し該液面の上下動に従って上下
   動する浮遊体と、該浮遊体の液面上部に超音波を送信し
   てその反射波を受信する超音波送受信装置と、該装置の
   前記送受信に要する時間により液面レベルを求める手段
   と、前記浮遊体が超音波送受信装置からの超音波を受け
   て該装置の受信部へ反射可能な位置関係を保って上下動
   自在とするガイド装置とを設けたことを特徴とする液面
   レベル検出装置。
2. 【請求項２】 超音波により液面レベルを検出する装置
   において、その上端部が超音波送受信装置と直接または
   物体を介して接続され液体中に挿入される中空筒状体
   と、該筒状体の下方部に開口し液体の出入自在とした下
   部開口と、筒状体の上方部に設けた排気口と、筒状体内
   に挿入され筒状体内の液面の上下動に従って筒状体内を
   上下動する浮遊体と、前記超音波送受信装置からの液面
   上の浮遊体部に対する超音波の送受信に要する時間によ
   り液面レベルを算出する手段とを備えたことを特徴とす
   る液面レベル検出装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、浮遊体が球
   様体、または柱状体であることを特徴とする液面レベル
   検出装置。