JPH0614810B2 - 種皮付き種子及びその製造方法 - Google Patents
種皮付き種子及びその製造方法Info
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- JPH0614810B2 JPH0614810B2 JP1103053A JP10305389A JPH0614810B2 JP H0614810 B2 JPH0614810 B2 JP H0614810B2 JP 1103053 A JP1103053 A JP 1103053A JP 10305389 A JP10305389 A JP 10305389A JP H0614810 B2 JPH0614810 B2 JP H0614810B2
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- seeds
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、撤種した種子の発芽時間を短縮し、発芽の不
揃いのない種子及び種子の製造方法に関するものであ
る。
揃いのない種子及び種子の製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 撤種した種子を時間的に均一成長させ、しかも高い発芽
率で生育することは、例えば、特に成長の速いホウレン
ソウなどを収穫良く生産する上で非常に重要である。
率で生育することは、例えば、特に成長の速いホウレン
ソウなどを収穫良く生産する上で非常に重要である。
例えば、ホウレンソウなどの種子の発芽には、まず吸水
することが必要である。
することが必要である。
この種子は、その外被部が硬い果皮と呼ばれる種皮で覆
われていて、この種皮が水を吸収して、次いで種皮内部
の胚等が吸水して発芽することになるが種子によって水
の吸収状態にむらがあり、種皮に水の進行を妨げられ発
芽が遅れるとともに、同時に撒いた種子の発芽時期が一
定しないという欠点がある。
われていて、この種皮が水を吸収して、次いで種皮内部
の胚等が吸水して発芽することになるが種子によって水
の吸収状態にむらがあり、種皮に水の進行を妨げられ発
芽が遅れるとともに、同時に撒いた種子の発芽時期が一
定しないという欠点がある。
そのため通常の栽培では、発芽をスムーズになさしめる
為に、撤種する前に種子を20〜24時間水に浸漬して
種皮に十分吸水せしめてから撤種して発芽を早めること
が行われている。
為に、撤種する前に種子を20〜24時間水に浸漬して
種皮に十分吸水せしめてから撤種して発芽を早めること
が行われている。
この様な水による発芽促進の他にジベレリン、ベンジル
アデニン、カイネチン、チオ尿素、エスレル、過酸化水
素水、亜硝酸カリウム及び次亜塩素酸ソーダ等の化学物
質の存在下高温で処理することも知られている。
アデニン、カイネチン、チオ尿素、エスレル、過酸化水
素水、亜硝酸カリウム及び次亜塩素酸ソーダ等の化学物
質の存在下高温で処理することも知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、水に種子を浸漬した場合この種子を土中
や水耕栽培用のスポンジに撤種すると均一に発芽しない
ため、生育した作物は不揃いであり、収穫物を束ねると
きに成長の遅いものを除去して選別しなくてはならず生
産性及び作業性が悪かった。
や水耕栽培用のスポンジに撤種すると均一に発芽しない
ため、生育した作物は不揃いであり、収穫物を束ねると
きに成長の遅いものを除去して選別しなくてはならず生
産性及び作業性が悪かった。
また、一方化学物質によって処理を行うと種皮内部にま
で薬剤が浸透して正常な種子に却って悪影響を及ぼすこ
とがあり、好ましいものではなかった。
で薬剤が浸透して正常な種子に却って悪影響を及ぼすこ
とがあり、好ましいものではなかった。
そのため、均一に発芽し、発芽時間の短い収穫の向上す
る種子の発芽処理法が強く要望されている。
る種子の発芽処理法が強く要望されている。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上述の欠陥を解消するため鋭意研究を重
ねた結果、種皮を剥離処理することが、この目的を達成
する手段として有効なことを見出し、先に、低温で種皮
を剥離する効率的な剥離方法により得た種子がこの目的
を達成できることを発見した。
ねた結果、種皮を剥離処理することが、この目的を達成
する手段として有効なことを見出し、先に、低温で種皮
を剥離する効率的な剥離方法により得た種子がこの目的
を達成できることを発見した。
しかし、この低温剥離又はいずれの方法によっても、種
皮を完全に剥離しようとすると、内部の種子にも傷が付
きやすく正常発芽率が低下する恐れがあった。
皮を完全に剥離しようとすると、内部の種子にも傷が付
きやすく正常発芽率が低下する恐れがあった。
そこで、種皮の破損を、ひび割れ又は種皮の一部が穴開
きしている程度に止どめ、種皮を剥離しないままに残し
ておくと、内部の種子はこの破損した種皮に保護されて
いるので傷が付かない上、これを撤種した場合には種皮
を完全に剥離した場合と発芽状態が変わらないことを見
出して本発明を完成した。
きしている程度に止どめ、種皮を剥離しないままに残し
ておくと、内部の種子はこの破損した種皮に保護されて
いるので傷が付かない上、これを撤種した場合には種皮
を完全に剥離した場合と発芽状態が変わらないことを見
出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は次の各項の発明よりなるものであ
る。
る。
1 種子を−5〜−200℃に冷却後すぐに機械的衝撃
を加えて種皮の一部を破損させた種皮付き種子。
を加えて種皮の一部を破損させた種皮付き種子。
2 種子流の噴射により種子を壁に衝突させる方式又は
急激な減圧をかける方式による機械的衝撃を加えて種皮
の一部を破損させた種皮付き種子。
急激な減圧をかける方式による機械的衝撃を加えて種皮
の一部を破損させた種皮付き種子。
3 種子を−5〜−200℃に冷却後すぐに機械的衝撃
を加えて種皮の一部を破損させる種皮付き種子の製造方
法。
を加えて種皮の一部を破損させる種皮付き種子の製造方
法。
4 種子流の噴射により種子を壁に衝突させる方式又は
急激な減圧をかける方式により機械的衝撃を加えて種皮
の一部を破損させる種皮付き種子の製造方法。
急激な減圧をかける方式により機械的衝撃を加えて種皮
の一部を破損させる種皮付き種子の製造方法。
5 機械的衝撃が種子流の噴射により種子を壁に衝突さ
せる方式又は急激な減圧をかける方式である上記第3項
記載の種皮付き種子の製造方法。
せる方式又は急激な減圧をかける方式である上記第3項
記載の種皮付き種子の製造方法。
本発明の種皮付き種子及びその製造方法に用いられる種
子としては、例えばホウレンソウ、みつば、オクラ、シ
ュンギク、ビート、ソバ、ヒマワリ、豆類等のように種
子本体の上に果皮などの種子を被った種子類を使用する
ことができる。
子としては、例えばホウレンソウ、みつば、オクラ、シ
ュンギク、ビート、ソバ、ヒマワリ、豆類等のように種
子本体の上に果皮などの種子を被った種子類を使用する
ことができる。
本発明の種子は、機械的衝撃により、一部が破損され外
部に開放している種皮を被った種子である。
部に開放している種皮を被った種子である。
その機械的衝撃を与える方法としては、例えば、ロール
方式、振動篩、高速回転翼による破砕、種子流の壁への
衝突方式及び減圧方式等の機械装置を使用することがで
きる。
方式、振動篩、高速回転翼による破砕、種子流の壁への
衝突方式及び減圧方式等の機械装置を使用することがで
きる。
この内、種子のジェット流衝突方式が、種子の重量及び
種皮の厚さと固さに応じて、単に、種子流速の速さを変
えるだけで衝撃力を非常に広い範囲で正確に調節するこ
とができて、種皮の完全剥離を押さえて、ひび割れ又は
穴開き程度に種皮を破損できる点でとくに好適である。
種皮の厚さと固さに応じて、単に、種子流速の速さを変
えるだけで衝撃力を非常に広い範囲で正確に調節するこ
とができて、種皮の完全剥離を押さえて、ひび割れ又は
穴開き程度に種皮を破損できる点でとくに好適である。
このような種子流は、例えば、高速回転する中央部から
遠心力により周囲に種子を飛ばす、例えば、インペラー
方式又は空気の噴射とともに種子を飛ばすジェット気流
方式などの種子を高速で飛ばす方式を使用することがで
きる。
遠心力により周囲に種子を飛ばす、例えば、インペラー
方式又は空気の噴射とともに種子を飛ばすジェット気流
方式などの種子を高速で飛ばす方式を使用することがで
きる。
この様な装置を使用することで、種皮が剥離脱落しない
で、また、たとえ脱落しても種子本体が傷が付かないよ
うにして、種皮をひび割れ又は種皮の一部の欠落させ
て、種皮を開放することができる。
で、また、たとえ脱落しても種子本体が傷が付かないよ
うにして、種皮をひび割れ又は種皮の一部の欠落させ
て、種皮を開放することができる。
その他、皮取り器、荒挽きロールミルなどの装置によっ
ても種皮を破損することができる。
ても種皮を破損することができる。
このうち、ロール方式で押し漬す場合も種子の種類に応
じて、種子の寸法は一定しているので、ロールの間隔を
調節して種皮の破損を好適に実施することができる。
じて、種子の寸法は一定しているので、ロールの間隔を
調節して種皮の破損を好適に実施することができる。
この場合でも、衝撃力を強くすると剥離種子が多くな
り、その一部に表面に傷が付いた種子が増加して、これ
は正常な発芽をしない。
り、その一部に表面に傷が付いた種子が増加して、これ
は正常な発芽をしない。
剥離した種子と破損種皮付き種子とをふるいにより分離
して使用することができる。
して使用することができる。
さらに、急激な減圧による衝撃をかけて種皮を開放する
方式も、種子本体が傷が付かない点で好適である。
方式も、種子本体が傷が付かない点で好適である。
これは、例えば、種子の入った常圧又は1〜15気圧程
度の加圧下の容器の圧力を除去して行う。常圧の容器を
用いる場合は、これより容積の相当大きい真空容器に接
続しているコックを急激に開放することによって行うこ
とができる。
度の加圧下の容器の圧力を除去して行う。常圧の容器を
用いる場合は、これより容積の相当大きい真空容器に接
続しているコックを急激に開放することによって行うこ
とができる。
また、耐圧容器を用いる場合は、内部の圧力をゲージ圧
で1〜15気圧程度に加圧空気又は加圧窒素により昇圧
して、しばらく放置してから急にコックを開き、内部の
気体を大気中に開放して常圧までの急激な減圧によっ
て、種皮の一部を破損させることができる。
で1〜15気圧程度に加圧空気又は加圧窒素により昇圧
して、しばらく放置してから急にコックを開き、内部の
気体を大気中に開放して常圧までの急激な減圧によっ
て、種皮の一部を破損させることができる。
この急激な減圧の前に種皮を冷却しておくことができ
る。
る。
この急激な減圧の程度は、種子の種類、冷却の有無及び
冷却温度問うに依存して適宜選択することができ、最適
の減圧度、冷却条件等を種子の種類に応じて試行錯誤に
より決定することができる。
冷却温度問うに依存して適宜選択することができ、最適
の減圧度、冷却条件等を種子の種類に応じて試行錯誤に
より決定することができる。
本発明に使用する機械的衝撃用の機械として、市販のも
みすり機などの種皮剥き機械、例えば、株式会社大竹製
作所製オータケミニダップ、株式会社佐竹製作所製ライ
スマスター、株式会社新日本農機製真空式ライスペラー
などの操作条件を調節して使用することができる。
みすり機などの種皮剥き機械、例えば、株式会社大竹製
作所製オータケミニダップ、株式会社佐竹製作所製ライ
スマスター、株式会社新日本農機製真空式ライスペラー
などの操作条件を調節して使用することができる。
本発明種皮付き種子を得るには、機械的衝撃により種皮
を破損する前に、低温処理にかけておくと好適である。
を破損する前に、低温処理にかけておくと好適である。
本発明製造方法では、低温処理を行った種子に機械的衝
撃を与えて、その種皮を破損することができる。
撃を与えて、その種皮を破損することができる。
本発明製造方法において、種子を超低温処理する方法と
しては、液体ヘリウム、液体ネオン、液体アルゴン、液
体窒素、液体酸素、液化炭酸ガス、液体空気、フロン及
び上記ガスの2種以上の混合物等を使用したスプレー式
フリーザー冷気循環式フリーザー等の急速凍結装置によ
り庫内設定温度−5〜−270℃、好ましくは、−30
〜−196℃、特に好ましくは、−70〜−196℃で
30〜40秒程度の処理を行う。
しては、液体ヘリウム、液体ネオン、液体アルゴン、液
体窒素、液体酸素、液化炭酸ガス、液体空気、フロン及
び上記ガスの2種以上の混合物等を使用したスプレー式
フリーザー冷気循環式フリーザー等の急速凍結装置によ
り庫内設定温度−5〜−270℃、好ましくは、−30
〜−196℃、特に好ましくは、−70〜−196℃で
30〜40秒程度の処理を行う。
そして、本発明製造方法では、低温処理した後に種皮を
機械的衝撃で破損するため、−5℃以下の温度では種皮
が凍結して弾力を失い、特に−30℃、好ましくは、−
70℃以下の温度にすると、さらに種皮が脆くなりわず
かな衝撃又は変形でも種皮が割れる。
機械的衝撃で破損するため、−5℃以下の温度では種皮
が凍結して弾力を失い、特に−30℃、好ましくは、−
70℃以下の温度にすると、さらに種皮が脆くなりわず
かな衝撃又は変形でも種皮が割れる。
常温では、種皮に弾力があり、これを無理に剥離しよう
とすると、内部の種子本体の皮に傷が付き、この傷口か
ら子葉が先に種子から突出するいわゆるアティビカル発
芽が多くなり、発根が先にでる正常なものと混在し、発
芽の均一性が乱れる。
とすると、内部の種子本体の皮に傷が付き、この傷口か
ら子葉が先に種子から突出するいわゆるアティビカル発
芽が多くなり、発根が先にでる正常なものと混在し、発
芽の均一性が乱れる。
また、剥離しないで種皮を単に破損するだけの本発明の
種皮付き種子の場合は、上記の状況は緩和されるが、低
温処理又は後述の薬液処理がないと種皮付き種子に種皮
の破損がないものが混入する率が高くなる点で、低温処
理等を行うのが望ましい。
種皮付き種子の場合は、上記の状況は緩和されるが、低
温処理又は後述の薬液処理がないと種皮付き種子に種皮
の破損がないものが混入する率が高くなる点で、低温処
理等を行うのが望ましい。
これに対して、本発明のように低温特に超低温に維持し
て種皮を破損すると、種皮が凍結し弾力を失っているの
で、軽い衝撃で種皮が割れ、内部の種子の皮を損なわず
に種皮だけを割ることが容易にできる。
て種皮を破損すると、種皮が凍結し弾力を失っているの
で、軽い衝撃で種皮が割れ、内部の種子の皮を損なわず
に種皮だけを割ることが容易にできる。
このように氷点以下の低温にすると、種皮の中の水が凍
り、種皮が固くなり小さい力でひび割れ又は穴開きが発
生して、効率的に破損した種皮付き種子が得られる。
り、種皮が固くなり小さい力でひび割れ又は穴開きが発
生して、効率的に破損した種皮付き種子が得られる。
低温処理した種子を機械的衝撃にかける場合、低温処理
の温度が比較的高い温度で行った場合は機械的衝撃処理
の際に、種子の温度があがる恐れがある。
の温度が比較的高い温度で行った場合は機械的衝撃処理
の際に、種子の温度があがる恐れがある。
このような場合には、機械的衝撃処理の機械の種子挿入
部などの温度を下げて、種子の温度が上がらないように
するのが望ましい。
部などの温度を下げて、種子の温度が上がらないように
するのが望ましい。
また、本発明製造方法において、冷却する代わりに、又
は冷却とともに、種皮を蛋白質溶解性液、例えば、フェ
ノール水溶液、水酸化ナトリウムなどの液に浸した後、
機械的衝撃により種皮を破損して本発明の種子を製造す
ることができる。
は冷却とともに、種皮を蛋白質溶解性液、例えば、フェ
ノール水溶液、水酸化ナトリウムなどの液に浸した後、
機械的衝撃により種皮を破損して本発明の種子を製造す
ることができる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例 1 ホウレンソウ種子として、ハイバック(アスグロウ社製
商品名)を用いて、液体窒素供給容器及び噴射ノズルを
備えたフリーザー装置(温度設定−150℃)内に入れ
15分間超低温処理した後、種子を取り出し、ただち
に、これを株式会社大竹製作所製オータケミニダップF
CIK−M(ファン回転数3500回転/分で回転する
遠心力で周囲の壁に種子を振り飛ばすインペラー方式の
機械)に入れて、10秒間で50gの割合で種子を処理
して、種皮付き種子と剥離種子に分離し、種皮付きホウ
レンソウ種子を1230g及び完全に剥離した種子は2
4gを得た。この剥離種子の表面には傷は発見できなか
った。
商品名)を用いて、液体窒素供給容器及び噴射ノズルを
備えたフリーザー装置(温度設定−150℃)内に入れ
15分間超低温処理した後、種子を取り出し、ただち
に、これを株式会社大竹製作所製オータケミニダップF
CIK−M(ファン回転数3500回転/分で回転する
遠心力で周囲の壁に種子を振り飛ばすインペラー方式の
機械)に入れて、10秒間で50gの割合で種子を処理
して、種皮付き種子と剥離種子に分離し、種皮付きホウ
レンソウ種子を1230g及び完全に剥離した種子は2
4gを得た。この剥離種子の表面には傷は発見できなか
った。
得られた種皮付き種子の種皮は、すべて穴あき又はひび
割れなどの破損が発生していた。
割れなどの破損が発生していた。
得られた破損種皮付き種子、完全剥離種子及び無処理種
皮付き種子とについて、次の処方により、ガラスシャー
レ置床法と土壌直撤法の両方により発芽試験を行った。
皮付き種子とについて、次の処方により、ガラスシャー
レ置床法と土壌直撤法の両方により発芽試験を行った。
I ガラスシャーレ置床法 破損種皮付き種子、低温剥皮処理種子及び無処理の果皮
付き種子をそれぞれ1区に100粒の種子を4区の水を
含ませた2枚の濾紙の床に、第1日の13時に同時に種
子を撒いた。
付き種子をそれぞれ1区に100粒の種子を4区の水を
含ませた2枚の濾紙の床に、第1日の13時に同時に種
子を撒いた。
発芽状況を2日後から午前8時と17時に観察し、結果
を第1表に示した。
を第1表に示した。
破損種皮付き種子及び剥離種子は、未処理種子より約3
日早く発芽する上に発芽の半分以上が2日目に集中して
おり、未処理種子は発芽時期がバラバラであり、処理し
た種子は第3日の8時までに殆ど発芽が終了している
が、未処理種子は6日後まで発芽がバラついている。
日早く発芽する上に発芽の半分以上が2日目に集中して
おり、未処理種子は発芽時期がバラバラであり、処理し
た種子は第3日の8時までに殆ど発芽が終了している
が、未処理種子は6日後まで発芽がバラついている。
現在、ウレタン床で水耕栽培されているホウレンソウは
29日周期で収穫するので、4日早く発芽することは収
穫サイクルを短縮して生産性を向上させ、しかも、均一
成育により、さらに2日早く収穫できることになる。
29日周期で収穫するので、4日早く発芽することは収
穫サイクルを短縮して生産性を向上させ、しかも、均一
成育により、さらに2日早く収穫できることになる。
従来は、早く収穫するために、成長の遅いものは間引い
て廃棄していた。この間引き手間が省ける上、収量も上
がる。このような効果はホウレンソウ栽培において大き
な効果である。
て廃棄していた。この間引き手間が省ける上、収量も上
がる。このような効果はホウレンソウ栽培において大き
な効果である。
II 土壌直撤法 Iと同様の種子について土壌直撤法で発芽状況を調べ
た。
た。
この場合は、未処理種皮付き種子は撒く前に24時間水
中に浸けてから、破損種皮付き種子と低温剥離処理種子
と同時に土壌を撒いた。
中に浸けてから、破損種皮付き種子と低温剥離処理種子
と同時に土壌を撒いた。
発芽の状況は第2表に示した。
この結果から、低温剥離処理種子は発芽率もよく、第5
日めまでに殆どが発芽して、しかも第4日と第3日の2
日以内で殆どが一斉に発芽していることが分かる。
日めまでに殆どが発芽して、しかも第4日と第3日の2
日以内で殆どが一斉に発芽していることが分かる。
無処理の種子付き種子は発芽率が悪い上、9日間に発芽
時期が広がり成育が不揃いである。
時期が広がり成育が不揃いである。
実施例 2 実施例1と同様の低温処理操作とアメリカ産クリムソン
・スピンレスのオクラの種子に行い、これを、株式会社
佐竹製作所ライスマスターHPS30Bを用いて、ロー
ル方式で種皮を押し潰し機械的衝撃を加えた。
・スピンレスのオクラの種子に行い、これを、株式会社
佐竹製作所ライスマスターHPS30Bを用いて、ロー
ル方式で種皮を押し潰し機械的衝撃を加えた。
この機械は、長さ30cm、直径12cmの径の僅かに相違
する2個のロールを一定間隔を空けて設置したものであ
り、これを回転させて、その間に低温処理された種子を
落として、種子をロールの間に挟んで種皮を破損させる
ものであり、ロールの回転速度1200rpmで、原種
子500gを30秒間で処理した。
する2個のロールを一定間隔を空けて設置したものであ
り、これを回転させて、その間に低温処理された種子を
落として、種子をロールの間に挟んで種皮を破損させる
ものであり、ロールの回転速度1200rpmで、原種
子500gを30秒間で処理した。
得られた種皮付き種子の種皮は、すべて、穴あきまたは
ひび割れが生じていた。
ひび割れが生じていた。
破損種皮付きオクラの種子と通常の種皮付き種子とをガ
ラスシャーレ置床法及び土壌直撤法により発芽時間の比
較を行った。
ラスシャーレ置床法及び土壌直撤法により発芽時間の比
較を行った。
結果を第3表及び第4表に示した。
第3表及び第4表の結果は実施例1と同様の結果を示し
ている。
ている。
実施例 3 (イ) 薄いフェノール水溶液(1重量%)に、実施例1
と同様のホウレンソウの種子を20分浸したのち、軽く
水洗して乾燥して、実施例1のインペラー方式の噴射に
よる機械的衝撃にかけた。この場合は、回転数を390
0に上げて実施例1より衝撃を強くした。
と同様のホウレンソウの種子を20分浸したのち、軽く
水洗して乾燥して、実施例1のインペラー方式の噴射に
よる機械的衝撃にかけた。この場合は、回転数を390
0に上げて実施例1より衝撃を強くした。
(ロ)0.1規定の水酸化ナトリウム溶液に20分浸し
て、(イ)と同様の操作を行った。
て、(イ)と同様の操作を行った。
(ハ) 薬液に浸さない種子を、(イ)及び(ロ)と同様の
機械的衝撃にかけた。
機械的衝撃にかけた。
(ニ) 実施例1と同様の低温処理をしたホウレンソウ
の種子を(イ)と同様の機械的衝撃にかけた。
の種子を(イ)と同様の機械的衝撃にかけた。
(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)で得られた種子を目視観察に
より、剥離種子、種皮付き種子(表の不剥離種)及び傷
付き剥離種子(表のクズ種子)に分けて調べ、さらに、
(イ)、(ロ)及び(ハ)の種皮付き種子を1000粒とり、
種皮が穴開き又は亀裂して破損している数を数えた。
より、剥離種子、種皮付き種子(表の不剥離種)及び傷
付き剥離種子(表のクズ種子)に分けて調べ、さらに、
(イ)、(ロ)及び(ハ)の種皮付き種子を1000粒とり、
種皮が穴開き又は亀裂して破損している数を数えた。
また、(ニ)によって得られた不剥離種子は殆ど全部が破
損種皮付き種子であった。
損種皮付き種子であった。
結果を第5表及び第6表に示した。
この結果より、薬液処理したものは種皮付き種子のうち
大部分の種皮が破損していることが分かり、未処理種子
は、種皮の破損が少ないにも拘わらず、傷がついたくず
種子が多いことが分かる。
大部分の種皮が破損していることが分かり、未処理種子
は、種皮の破損が少ないにも拘わらず、傷がついたくず
種子が多いことが分かる。
また、(ニ)の低温処理の種子の結果では、薬液処理の種
子に最した大きい衝撃では種皮が完全に剥離して、くず
種子が増加する。このことは、低温処理は、薬液処理よ
りも種皮の破壊処理に有効に作用するためであり、薬液
処理した場合に最適の機械的衝撃は、低温処理では大き
すぎることを示して入る。このことは、インペラーの回
転速度を実施例1のように小さく調節すれば、低温処理
は薬液処理以上の破損種皮付き種子の収率をあげること
ができることを示している。
子に最した大きい衝撃では種皮が完全に剥離して、くず
種子が増加する。このことは、低温処理は、薬液処理よ
りも種皮の破壊処理に有効に作用するためであり、薬液
処理した場合に最適の機械的衝撃は、低温処理では大き
すぎることを示して入る。このことは、インペラーの回
転速度を実施例1のように小さく調節すれば、低温処理
は薬液処理以上の破損種皮付き種子の収率をあげること
ができることを示している。
実施例 4 9.9kg/cm2に設定された銅製破裂板を上部に取り付
けた攪拌機付きの内容積100リットルの耐圧容器に5
0リットルの容積のホーレンソウ種子を入れて密閉す
る。この容器内の種をゆっくり攪拌しながら、上部のコ
ックから液体窒素を導入する。容器内の中心温度が−2
0℃になったときに液体窒素の導入を中止して、液体窒
素が気化して圧力が次第に上昇するのを圧力計を監視す
る。液体窒素の導入を停止してから約5分経過後に、内
圧が10kg/cm2になったときに、破裂板が破裂して容
器内部の圧力は急激に常圧まで低下する。
けた攪拌機付きの内容積100リットルの耐圧容器に5
0リットルの容積のホーレンソウ種子を入れて密閉す
る。この容器内の種をゆっくり攪拌しながら、上部のコ
ックから液体窒素を導入する。容器内の中心温度が−2
0℃になったときに液体窒素の導入を中止して、液体窒
素が気化して圧力が次第に上昇するのを圧力計を監視す
る。液体窒素の導入を停止してから約5分経過後に、内
圧が10kg/cm2になったときに、破裂板が破裂して容
器内部の圧力は急激に常圧まで低下する。
内部のホーレンソウ種子を攪拌して、一部を取り出して
観察したところ種皮付き種子約70%、完全剥離種子約
25%及び未剥離種子約5%が得られた。
観察したところ種皮付き種子約70%、完全剥離種子約
25%及び未剥離種子約5%が得られた。
[発明の効果] 本発明の種子は、通常の種皮付き種子と比較して、発芽
率、成育の均一性において非常にすぐれていて、完全剥
離の種子と変わらない。しかも、本発明の製造方法によ
れば、種子本体を傷つけないので、正常発芽率が高い均
一発芽の種子を簡単に得ることができる利点がある。
率、成育の均一性において非常にすぐれていて、完全剥
離の種子と変わらない。しかも、本発明の製造方法によ
れば、種子本体を傷つけないので、正常発芽率が高い均
一発芽の種子を簡単に得ることができる利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野原 宏 埼玉県久喜市中央1―6―1 (72)発明者 高浜 充治 兵庫県姫路市飾磨区思案橋96番地 (72)発明者 内村 清剛 福岡県福岡市博多区那珂5丁目9―25 (56)参考文献 特開 昭64−75045(JP,A) 特開 昭49−54107(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】種子を−5〜−200℃に冷却後すぐに機
械的衝撃を加えて種皮の一部を破損させた種皮付き種
子。 - 【請求項2】種子流の噴射により種子を壁に衝突させる
方式又は急激な減圧をかける方式による機械的衝撃を加
えて種皮の一部を破損させた種皮付き種子。 - 【請求項3】種子を−5〜−200℃に冷却後すぐに機
械的衝撃を加えて種皮の一部を破損させる種皮付き種子
の製造方法。 - 【請求項4】種子流の噴射により種子を壁に衝突させる
方式又は急激な減圧をかける方式により機械的衝撃を加
えて種皮の一部を破損させる種皮付き種子の製造方法。 - 【請求項5】機械的衝撃が種子流の噴射により種子を壁
に衝突させる方式又は急激な減圧をかける方式である請
求項3記載の種皮付き種子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1103053A JPH0614810B2 (ja) | 1989-04-21 | 1989-04-21 | 種皮付き種子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1103053A JPH0614810B2 (ja) | 1989-04-21 | 1989-04-21 | 種皮付き種子及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02283201A JPH02283201A (ja) | 1990-11-20 |
JPH0614810B2 true JPH0614810B2 (ja) | 1994-03-02 |
Family
ID=14343930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1103053A Expired - Fee Related JPH0614810B2 (ja) | 1989-04-21 | 1989-04-21 | 種皮付き種子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0614810B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MX2018014746A (es) * | 2016-05-30 | 2019-04-24 | Bejo Zaden Bv | Semillas de spinacia oleracea libres de pericarpio. |
JP7080506B2 (ja) * | 2020-06-05 | 2022-06-06 | 長谷部商事株式会社 | 種子の処理装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4954107A (ja) * | 1972-09-28 | 1974-05-25 | ||
JPS6475045A (en) * | 1987-09-16 | 1989-03-20 | Takii Shiyubiyou Kk | Method for grinding and treating hard seedcase |
-
1989
- 1989-04-21 JP JP1103053A patent/JPH0614810B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02283201A (ja) | 1990-11-20 |
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