JPH0614772U - プレートフィン熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレートフィン熱交換器に係り、オフセット
フィンを使用したプレートフィン熱交換器における熱交
換流体の偏流を防止して熱交換効率の向上を図る。 【構成】 平行間隔を空けて配される隔離板と波形状フ
ィンとを積層状態として形成される複数の並列な熱交換
流路を有し、波形状フィンが熱交換流体の挿通方向に沿
って直列状態に配されかつ隣接するものが熱交換流体の
挿通方向に対して交差する方向にずれて配置される複数
の小区分フィンよりなるとともに、熱交換流路に、該熱
交換流路を並列状態の複数の小流路に区画する仕切板が
配設されており、各小流路に熱交換流体を均一に流通さ
せることにより、プレートフィン熱交換器全体に行き渡
らせる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プレートフィン熱交換器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

省スペースに適し、熱交換効率の高い熱交換器として、プレートフィン熱交換 器が一般に知られている。該プレートフィン熱交換器は、図４に示すように、複 数の隔離板１と複数の波形状フィン２とを交互に積層して複数の熱交換流路３を 形成し、図３に実線および破線の矢印で示すように、隣り合う熱交換流路３の各 層に高温流体および低温流体を挿通させることにより、その挿通の間に両流体間 で熱交換を行うものであり、有効な伝熱面積を広く確保することが可能となって 熱交換効率を向上することができるものである。そして、このような高い熱交換 効率に基づいて小型化を図ることができるという利点がある。図３において、符 号５は高温流体入口ヘッダ、６は高温流体出口ヘッダ、７は低温流体入口ヘッダ 、８は低温流体出口ヘッダである。

【０００３】 ところで、このようなプレートフィン熱交換器Ｘにあって、さらなる熱交換効 率の向上のために、波形状フィンを、図４に示すように、熱交換流体の挿通方向 に分割された複数の小区分フィン４を直列に接続することにより構成するととも に、隣り合う小区分フィン４を流体の挿通方向に対して直交する方向に（例えば 、小区分フィンの１／４波長分だけ）ずらすこと（このようにして形成された波 形状フィンを、以下、オフセットフィンという）により、熱交換流路３を複雑に 分岐・合流させる方式のものが提案されている。

【０００４】 このようにオフセットフィンを有するプレートフィン熱交換器Ｘにあっては、 複雑に形成された熱交換流路３に沿って熱交換流体が挿通させられるため、該熱 交換流体の流れが攪拌され、その結果、伝熱特性が改善されて熱交換効率が向上 されるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする問題点】

しかしながら、このように構成されたプレートフィン熱交換器Ｘであると、熱 交換流体の流れに偏流が生じる場合がある。すなわち、熱交換流路３が、図３に 示すような屈曲流路である場合に、熱交換流体が流れやすい方向（図に実線の矢 印で示す方向）に流れ、屈曲流路の角部Ａに流通しない現象が生じる。これによ って、該角部Ａにおける熱交換が実施されないため、熱交換器Ｘ全体として熱交 換効率の低下をきたす事態が発生することがあり、不都合であった。

【０００６】 本考案は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、オフセットフィンを 使用したプレートフィン熱交換器における熱交換流体の偏流を防止して熱交換効 率の向上を図ることを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、平行間隔を空けて配される隔離板とそ の間に配される波形状フィンとを積層状態として並列な熱交換流路を複数形成し てなるプレートフィン熱交換器であって、前記波形状フィンが、熱交換流体の挿 通方向に直列状態に配される複数の小区分フィンよりなるとともに、隣り合う小 区分フィンが、熱交換流体の挿通方向に対して交差する方向に相互にずれて配置 され、前記熱交換流路に、熱交換流体の挿通方向に沿って配され熱交換流路を並 列状態の複数の小流路に区画する仕切板が配設されているプレートフィン交換器 を提供している。

【０００８】

【作用】

本考案に係るプレートフィン熱交換器によれば、直列状態に配される複数の小 区分フィンによって形成される複雑な熱交換流路に熱交換流体が挿通させられる ことにより、該熱交換流体が攪拌される。熱交換流路には、熱交換流体の挿通方 向に沿って仕切板が配設されているので、該熱交換流路が複数の並列な小流路に 区画され、それぞれの小流路に熱交換流体が挿通させられることによって、熱交 換流体の挿通されない領域が縮小され、プレートフィン熱交換器全体において熱 交換が実施されることになる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案に係るプレートフィン熱交換器の一実施例について、図１および 図２を参照して説明する。本実施例において、図３および図４に示す従来のプレ ートフィン熱交換器Ｘと構成を共通とする箇所に同一符号を付し、説明を簡略化 する。

【００１０】 これら各図において、符号Ｙはプレートフィン熱交換器、１０は仕切板、１１ は小流路、１２は主流路、１３は入口部接続流路、１４は出口部接続流路である 。

【００１１】 本実施例のプレートフィン熱交換器Ｙは、平行間隔を空けて配される隔離板１ の間に、波形状フィン２を配することによって形成した熱交換流路３を積層状態 に配置し、該熱交換流路３を積層方向に貫通する流体入口ヘッダ５・７および流 体出口ヘッダ６・８を設けており、波形状フィン２が、熱交換流体の挿通方向に 分割されかつ直列状態に配される小区分フィン４よりなるとともに、隣り合う小 区分フィン４が熱交換流体の挿通方向に対して直交する方向に相互にずれて配さ れる、いわゆるオフセットフィンとなっている点で、図３および図４に示す従来 のプレートフィン熱交換器Ｘと共通している。しかし、本実施例のプレートフィ ン熱交換器Ｙは、熱交換流路３内に、該熱交換流路３を複数の並列な小流路１１ に区画する仕切板１０が配設されている点で従来例のプレートフィン熱交換器Ｘ と相違している。

【００１２】 以下、仕切板１０を設置する効果の高い屈曲した熱交換流路３（図１における 低温流路）に基づいて説明する。

【００１３】 仕切板１０は、熱交換流路３の全長に渡って配設される帯板状の部材であって 、熱交換流体の挿通させられるべき方向に沿って配される。すなわち、熱交換流 路３は、プレートフィン熱交換器Ｙの長手方向に沿う主流路１２と、該主流路１ ２と入口ヘッダ７とを接続する入口部接続流路１３と、主流路１２と出口ヘッダ ８とを接続する出口部接続流路１４とを具備しており、主流路１２と入口部接続 流路１３および主流路１２と出口部接続流路１４は互いに直交して接続されてい る。従って、仕切板１０は、主流路１２、入口部接続流路１３および出口部接続 流路１４にそれぞれ配設され、その接続箇所において屈曲した小流路１１を形成 するようになっている。

【００１４】 図１に示す例では、仕切板１０は２箇所に配置され、熱交換流路３内に３筋の 小流路１１を形成するようになっている。

【００１５】 このように構成されたプレートフィン熱交換器Ｙによると、外部管路Ｇから入 口ヘッダ７に注入された熱交換流体が該入口ヘッダ７において、各熱交換流路３ に分配される。該熱交換流路３は、前記仕切板１０によって小流路１１に区画さ れているので、熱交換流体は、それぞれの小流路１１内に挿通させられることに なる。各小流路１１内には、オフセットフィンが配設されているので、熱交換流 体は、該オフセットフィンによって攪拌されつつ流通し、接触する波形状フィン ２および隔離板１との間に熱を受けわたすことになる。そして、このようにして 小流路１１を挿通させられた熱交換流体は、出口ヘッダ８において合流され、外 部管路Ｇに排出されることになる。

【００１６】 ここで、入口ヘッダ７に流入した熱交換流体は、仕切板１０によって区画され た小流路１１に強制的に分流され、各小流路１１に均一に挿通させられるので、 入口部接続流路１３と主流路１２、および出口部接続流路１４と主流路１２との 接続部のように屈曲した熱交換流路３の角部にも、隈無く挿通させられる。その 結果、熱交換の実施されない部分が縮小され、プレートフィン熱交換器Ｙ全体の 熱交換効率を向上することができることになる。

【００１７】 〈他の実施態様〉 なお、本考案に係るプレートフィン熱交換器Ｙにあっては、次の技術を採用す ることができる。 仕切板１０を２箇所に設け、該仕切板１０によって区画される小流路１１を ３筋設けることとしたが、これに代えて、任意の数の仕切板１０を配設すること 。 仕切板１０を熱交換流路３の全長に渡って配設することとしたが、これに代 えて、主流路に直交する入口部接続流路１３および出口部接続流路１４にのみ配 設すること。

【００１８】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案に係るプレートフィン熱交換器は、平行間隔を空 けて配される隔離板と波形状フィンとを積層状態として形成される複数の並列な 熱交換流路を有し、波形状フィンが熱交換流体の挿通方向に沿って直列状態に配 されかつ隣接するものが熱交換流体の挿通方向に対して交差する方向にずれて配 置される複数の小区分フィンよりなるとともに、熱交換流路に、該熱交換流路を 並列状態の複数の小流路に区画する仕切板が配設されているので、仕切板によっ て、熱交換流体がプレートフィン熱交換器全体に行き渡らせられ、熱交換効率を 向上することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るプレートフィン熱交換器の一実施
例を示す一部を破断した正面図である。

【図２】図１のプレートフィン熱交換器の熱交換流路を
示す斜視図である。

【図３】プレートフィン熱交換器の従来例を示す一部を
破断した正面図である。

【図４】図３のプレートフィン熱交換器の熱交換流路を
示す斜視図である。

【符号の説明】

Ｘ・Ｙ プレートフィン熱交換器 Ｇ 外部管路 Ａ 角部 １ 隔離板 ２ 波形状フィン ３ 熱交換流路 ４ 小区分フィン ５ 高温流体入口ヘッダ ６ 高温流体出口ヘッダ ７ 低温流体入口ヘッダ ８ 低温流体出口ヘッダ １０ 仕切板 １１ 小流路 １２ 主流路 １３ 入口部接続流路 １４ 出口部接続流路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行間隔を空けて配される隔離板とその
   間に配される波形状フィンとを積層状態として複数の並
   列な熱交換流路を形成してなるプレートフィン熱交換器
   であって、前記波形状フィンが、熱交換流体の挿通方向
   に沿って直列状態に配される複数の小区分フィンよりな
   るとともに、隣り合う小区分フィンが、熱交換流体の挿
   通方向に対して交差する方向に相互にずれて配置され、
   前記熱交換流路に、熱交換流体の挿通方向に沿って配さ
   れ熱交換流路を並列状態の複数の小流路に区画する仕切
   板が配設されていることを特徴とするプレートフィン熱
   交換器。