JPH06147406A - 給水加熱器及び発電プラント - Google Patents

給水加熱器及び発電プラント

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JPH06147406A
JPH06147406A JP30413392A JP30413392A JPH06147406A JP H06147406 A JPH06147406 A JP H06147406A JP 30413392 A JP30413392 A JP 30413392A JP 30413392 A JP30413392 A JP 30413392A JP H06147406 A JPH06147406 A JP H06147406A
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JP
Japan
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feed water
heat transfer
water heater
steam
transfer tube
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Application number
JP30413392A
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English (en)
Inventor
Kazuhide Takamori
和英 高森
Akihiko Minato
明彦 湊
Akira Susuki
晃 須々木
Kiyoshi Fujimoto
清志 藤本
Michio Murase
道雄 村瀬
Shuichi Imazu
秀一 今津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加熱器全体の熱交換効率を向上させることので
きる給水加熱器を提供する。 【構成】抽気蒸気8は蒸気入口23からバッフル板26
を通って、千鳥配列された伝熱管群24を流れる低温の
給水6aと熱交換して冷却され、ドレン水9となってド
レン水出口25から出ていく。ベント管31には不凝縮
性ガスの流れを制御しベント管31に効率よく集める役
割を有するベント管案内板32が設けられている。ベン
ト管案内板32は、水平部分32aと斜板部分32bと
から構成される。この水平部分32aの端点とベント管
31の中心との距離bと、胴体の内半径rとの比をb/
r=0.130〜0.280の範囲になるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラまたは原子炉の
発電プラントで用いられる給水加熱器に係わり、特に、
熱交換効率を向上させるのに好適な給水加熱器及びこれ
を用いた発電プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】発電プラント及び発電プラントにおける
給水加熱器に関する公知技術例として、日立評論VO
L.72NO.7(1990−7)pp15−18に記
載のものを図26〜図28により説明する。
【0003】本公知技術例における発電プラントの系統
図を図26に示す。図26において、発電プラントは、
ボイラまたは原子炉101で発生した蒸気102を使っ
てタービン103を回転させ、発電機104を駆動す
る。タービン103から出た蒸気は凝縮器105で給水
106に戻された後、再びボイラまたは原子炉101へ
流入し加熱され、サイクルを形成している。このとき凝
縮器105を出た給水106は低温である。そこで、熱
交換器である給水加熱器107a,b…を設けて、ター
ビン103から引き出した抽気蒸気108によって給水
106を加熱し熱効率を向上させている。
【0004】給水加熱器107a,b…は数段設けら
れ、例えば、後段側の給水加熱器107cの高温のドレ
ン水109cは前段の給水加熱器107bの加熱源とし
て利用され、また給水加熱器107bの高温のドレン水
109bはさらに前段の給水加熱器107aの加熱源と
して利用される。ドレン水109c,b…は、より低圧
の給水加熱器107a,b…に流入するので、減圧沸騰
によって発生した蒸気が同伴し水と空気との混合流であ
る気液二相流109aとなる。その流動状態は給水加熱
器107a,b…の熱伝達特性に大きく影響する。
【0005】給水加熱器107の構造を図27に示す。
図27において、給水加熱器107の胴体121は横置
きの円筒形状である。上部の二相流入口122から高温
の蒸気及び水の気液二相流109aが流入し、また蒸気
入口23からは抽気蒸気108が流入し、伝熱管サポー
ト127により支持される伝熱管群124を流れる低温
の給水106aと熱交換を行って冷却され凝縮する。ま
た給水106aは加熱され高温の給水106bとなって
流出する。抽気蒸気108が凝縮して生じた水は、下部
のドレン水出口125のドレン管から外部に導かれる。
二相流入口122と蒸気入口123の直下には流入の衝
撃を緩和するために、穴あきのバッフル板126が設け
られている。また、給水加熱器107の上流において抽
気蒸気108に混入された防錆用の不凝縮性ガスを抜く
ベント管131が胴体121内のほぼ中央部に設けられ
ている。
【0006】図27のA−A断面を図28に示す。図2
8において、A−A断面は左右対称であり一部を除き1
/2対称図で示す。給水加熱器107では抽気蒸気10
8は蒸気入口123からバッフル板126を通って、伝
熱管群124を流れる低温の給水と熱交換して冷却さ
れ、ドレン水109となってドレン水出口125から出
ていく。
【0007】またベント管131には不凝縮性ガスの流
れを制御するためにベント管131から延ばされたベン
ト管案内板132が設けられている。このとき、不凝縮
性ガスをもれなく効果的に集めることを考慮し、ベント
管案内板132の水平部分132aの端点とベント管1
31の中心点との距離bと胴体の内半径rとの比のb/
r=0.120に設定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、単相一様流中
におかれた単一円管まわりの強制対流熱伝達において
は、平均熱伝達率hmは、kを定数として hm・d/λ=k・Red0.6・Pr1/3 d:管径 λ:流体の熱伝導率 Red:管径基準のレイノルズ数 Pr:プラントル数 の形で表される。すなわち、温度に依存する物性値であ
る熱伝導率λ及びプラントル数Prのほか、流体の流速
を表す無次元数であるレイノルズ数Red、及び管径dで
決まる。
【0009】しかしながら円管が多数配置された管群の
場合、個々の円管に当たる流れは、管配置の影響や流路
面積の変化のためもはや一様な流れではなく、流速の局
所的な変化を伴うためhmの値が大きく変化する。した
がって、通常上記の式に対し管群の配列方式(格子配列
もしくは千鳥配列)と配列段数に応じた補正係数を乗じ
たものが使用される。
【0010】ここにおいて、給水加熱器107において
は、単相流ではなく蒸気・高温水の二相流中におかれる
が、管群の段数は数十段にも及びまたベント管案内板1
32の存在により流路面積は大きく制限されることによ
り、ベント管案内板132の形状や寸法は二相流の流速
に極めて大きな影響を与える。したがってベント管案内
板132の形状や寸法により平均熱伝達率hmの値は大
きく変化することが予想されるから、適切な形状・寸法
を与えることによって平均熱伝達率の向上、すなわち給
水加熱器全体の熱交換効率の向上を図ることが可能であ
る。
【0011】しかしながら、上記公知技術においてはベ
ント管案内板132のb/rを0.120に設定するに
あたり不凝縮性ガスをもれなくベント管131に効果的
に集めるための考慮はされていたが、熱伝達率向上の手
段としての考慮はされていなかった。
【0012】一方、過熱蒸気中におかれた水平円管まわ
りの凝縮を伴う平均熱伝達率をhm1,また水平管群のn
番目の円管における平均熱伝達率をhmnとすると、これ
らの間には、 hmn/hm1=n3/4−(n−1)3/4 の関係がある。すなわち、2番目以下の円管には上方か
ら凝縮流下してくる液膜が加わるので、nが増加すると
ともに平均熱伝達率の値は低下する。
【0013】給水加熱器107においては管群表面で凝
縮が起こり液膜が外側に付着して流下するので、上式の
ように下方の管群ほど上方の管群から流下する液膜のた
めに熱伝達率は悪くなる。そこでこの液膜流下を防止す
ることによって下方の熱伝達率が向上し、ひいては給水
加熱器全体の熱交換効率の向上を図ることができる。
【0014】しかしながら、上記公知技術においてはこ
の液膜による下方管群の熱伝達率の低下は考慮されず、
したがってこの液膜を防止し給水加熱器全体の熱交換効
率を向上する手段は講じられていなかった。
【0015】本発明の目的は、加熱器全体の熱交換効率
を向上させることのできる給水加熱器を提供すること及
びこの給水加熱器を用いた発電プラントを提供すること
である。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、給水が内部を流れる伝熱管群と、前記伝
熱管群を収納した円筒状の胴体と、該伝熱管群の間を流
れ給水を加熱する蒸気に混入された不凝縮性ガスを前記
蒸気から除去するベント管と、前記ベント管に設けられ
前記不凝縮ガスを該ベント管に集めるベント管案内板と
を有する給水加熱器において、前記ベント管案内板は水
平部分と斜板部分とを有し、前記水平部分の端点から前
記ベント管中心までの距離bと前記円筒状の胴体の内半
径rとの比であるb/rを0.130から0.280ま
での範囲に設定する。
【0017】好ましくは、前記給水加熱器において、前
記斜板部分の長さの鉛直方向成分cと前記水平部分の端
点から前記ベント管中心までの距離bとの比であるc/
bを0.700から3.300までの範囲に設定する。
【0018】また好ましくは、前記給水加熱器におい
て、前記ベント管案内板は水平部分と斜板部分とを有
し、前記斜板部分の長さの鉛直方向成分をcと前記水平
部分の端点から前記ベント管中心までの距離bとの比で
あるc/bを1.750近傍の値に設定する。
【0019】また、本発明は、給水が内部を流れる伝熱
管群と、前記伝熱管群を収納した円筒状の胴体と、該伝
熱管群の間を流れ給水を加熱する蒸気に混入された不凝
縮性ガスを前記蒸気から除去するベント管と、前記ベン
ト管に設けられ前記不凝縮ガスを該ベント管に集めるベ
ント管案内板とを有する給水加熱器において、前記ベン
ト管案内板は水平部分と斜板部分とを有し、前記水平部
分の端点から前記ベント管中心までの距離bと前記円筒
状の胴体の内半径rとの比であるb/rを0.210近
傍の値に設定する。
【0020】さらに、本発明は、給水が内部を流れる伝
熱管群と、前記伝熱管群を収納した円筒状の胴体と、該
伝熱管群の間を流れ給水を加熱する蒸気に混入された不
凝縮性ガスを前記蒸気から除去するベント管と、前記ベ
ント管に設けられ前記不凝縮ガスを該ベント管に集める
ベント管案内板とを有する給水加熱器において、前記ベ
ント管案内板は水平部分と斜板部分とを有し、前記斜板
部分の長さの鉛直方向成分をcと前記水平部分の端点か
ら前記ベント管中心までの距離bとの比であるc/bを
1.390から2.600までの範囲に設定する。
【0021】また、本発明は、給水が内部を流れる伝熱
管群と、前記伝熱管群を収納した胴体と、前記胴体に設
けられ高温のドレン水と第1の蒸気との二相流が流入す
る二相流入口と、前記胴体に設けられ第2の蒸気が流入
する蒸気入口と、前記第1及び第2の蒸気が前記伝熱管
群表面で凝縮して生じた水を排出するドレン水出口とを
有する給水加熱器において、前記胴体の長手方向にl1
の長さを有する第1の部分とl2の長さを有する第2の
部分とを有し、かつl1,l2は、前記二相流入口におけ
るクオリテイX1、平均エンタルピーh1、質量流量G
1、前記蒸気入口におけるクオリテイX2、平均エンタル
ピーh2、質量流量G2、及び前記ドレン水出口における
クオリテイX3、平均エンタルピーh3、質量流量G3に
対し、i=1,2,3で、hgを蒸気エンタルピーと
し、hlを水エンタルピーとする条件のもとで、l1/l
2=(h1−h3)G1/((h2−h3)G2)、hi=(X
hg+(1−X)hl)iの関係にあり、前記二相流入口
の中心は前記第1の部分の前記胴体の長手方向の長さl
1を2等分する平面上に配置され、前記蒸気入口の中心
は前記第2の部分の前記胴体長手方向の長さl2を2等
分する平面上に配置される。
【0022】さらに、本発明は、内部を給水が流れる複
数段に配列された伝熱管群と、蒸気が流入する入口と、
前記蒸気が凝縮して形成される液滴が集合したドレン水
を排出するドレン水出口を有する給水加熱器において、
前記蒸気から形成された液滴を前記伝熱管群の配列の少
なくとも一段を通過させることなくバイパスして前記ド
レン水出口へ導く排出手段を設ける。
【0023】好ましくは、前記入口は高温のドレン水と
第1の蒸気との二相流が流入する二相流入口及び第2の
蒸気が流入する蒸気入口であり、かつ、前記排出手段
は、前記二相流入口と前記蒸気入口との直下にそれぞれ
設けた受け皿と、前記受け皿に一方が連通し他方が前記
給水加熱器の底部まで延ばされたドレン管とを有する。
【0024】また好ましくは、前記入口は高温のドレン
水と第1の蒸気との二相流が流入する二相流入口及び第
2の蒸気が流入する蒸気入口であり、かつ、前記排出手
段は、前記二相流入口及び前記蒸気入口の直下に設けら
れ給水加熱器の長手方向に傾斜した受け板を有する。
【0025】さらに好ましくは、前記伝熱管群は前記熱
交換器内の上半分に収納された第1の伝熱管群と下半分
に収納された第2の伝熱管群とを有し、前記排出手段は
前記第1の伝熱管群表面で形成された液滴を前記第2の
伝熱管群を通過させることなくバイパスさせる中間排出
手段を有する。
【0026】また好ましくは、前記中間排出手段は、前
記第1の伝熱管群の最下段の管群の直下に設けた液受け
を有する。
【0027】さらに好ましくは、前記伝熱管群は格子配
列に配置されており、かつ前記中間排出手段は、前記第
2の伝熱管群の最下段の管と管との間隙の直下にスリッ
ト状の穴が設けられた一体成形型の液受けを有する。
【0028】また、上記目的を達成するために、本発明
は、ボイラまたは原子炉と、凝縮器と、給水加熱器とを
備えた発電プラントにおいて、前記給水加熱器は上記の
給水加熱器を有する。
【0029】
【作用】以上のように構成した本発明においては、b/
rの値を従来より大きい0.130から0.280まで
の範囲に設定することにより、ベント管案内板が蒸気流
路面積を絞る影響によって蒸気流速が大きくなり、流速
に依存する伝熱管全面積の加熱量が従来の給水加熱器よ
り最大約0.8%増加する。
【0030】また、c/bを0.700から3.300
までの範囲に設定することにより、伝熱管全面積の加熱
量が従来の給水加熱器より最大約4%向上する。さら
に、c/bを1.750近傍の値に設定することによ
り、伝熱管全面積の加熱量が従来の給水加熱器より約4
%向上する。
【0031】また本発明においては、b/rを0.21
0近傍の値に設定することにより、伝熱管全面積の加熱
量が従来の給水加熱器より約0.8%向上する。
【0032】さらに本発明においては、c/bを1.3
90から2.600までの範囲に設定することにより、
伝熱管全面積の加熱量が従来の給水加熱器より向上す
る。
【0033】また本発明においては、l1/l2=(h1
−h3)G1/((h2−h3)G2)、hi=(Xhg+
(1−X)hl)iの関係にあるl1,l2の長さを有する
胴体の第1の部分及び第2の部分に対し、二相流入口の
中心をl1を2等分する平面上に、蒸気入口の中心をl2
を2等分する平面上に配置することにより、前記二相流
入口及び前記蒸気入口からの熱量が給水加熱器内におい
て均等に配分される。
【0034】さらに本発明においては、排出手段で蒸気
から形成された液滴をバイパスしてドレン水出口へ導く
ことにより、下方管群への液滴の流下を防止する。
【0035】また、受け皿を前記二相流入口と前記蒸気
入口の直下にそれぞれ設け、これと連通したドレン管を
前記給水加熱器の底部まで伸ばすことにより、受け皿で
集めた液滴は管群を通ることなくバイパスし伝熱管群へ
の液滴の流下を防止し、給水加熱器全体の熱交換効率が
約7.1%向上する。さらに、長手方向に傾斜した受け
板を前記二相流入口及び前記蒸気入口の直下に設けるこ
とにより、受け板で集めた液滴は管群を通ることなくバ
イパスし伝熱管群への液滴の流下を防止し、給水加熱器
全体の熱交換効率が約7.1%向上する。また、中間排
出手段で上半分の第1の伝熱管で形成された液滴をバイ
パスさせることにより、前記第1の伝熱管からの液滴が
第2の伝熱管へ流下することを防止する。さらに、前記
第1の伝熱管群の最下段の管群の直下に液受けを設ける
ことにより、熱交換効率が従来より約4.5%向上す
る。また、前記伝熱管群が格子配列されている場合にス
リット状の穴を備えた一体成形型の液受けを設けること
により、熱交換効率が従来より約4.5%向上する。
【0036】また、本発明においては、上記熱伝達率が
向上された給水加熱器を用いることにより、発電プラン
トの性能を向上させる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図25により
説明する。
【0038】本発明の第1の実施例を図1〜図11によ
り説明する。本実施例の給水加熱器の構造を図2に示
す。図2において、給水加熱器7は、胴体21が横置き
となる円筒形状である。上部の二相流入口22から高温
の蒸気及び水の気液二相流9aが流入し、また蒸気入口
23からは抽気蒸気8が流入し、伝熱管サポート27に
より支持された伝熱管群24を流れる低温の給水6aと
熱交換を行って冷却され凝縮する。また給水6aはこの
熱交換により加熱され高温の給水6bとなって流出す
る。抽気蒸気8が凝縮して生じた水は、下部のドレン水
出口25のドレン管から外部に導かれる。二相流入口2
2と蒸気入口23の直下には流入の衝撃を緩和するため
に、穴あきのバッフル板26が設けられている。また、
給水加熱器7へ導かれる前にあらかじめ抽気蒸気8に混
入された防錆用の不凝縮性ガスを抜くベント管31が胴
体21内のほぼ中央部に設けられている。
【0039】図2のA−A断面を図1に示す。A−A断
面は左右対称であるので一部を除き1/2対称図で示
す。図1において、抽気蒸気8は蒸気入口23からバッ
フル板26を通って、千鳥配列された伝熱管群24を流
れる低温の給水6aと熱交換して冷却され、ドレン水9
となってドレン水出口25から出ていく。
【0040】またベント管31には不凝縮性ガスの流れ
を制御しベント管31に効率よく集める役割を有するベ
ント管案内板32が設けられている。ベント管案内板3
2は水平部分32aと斜板部分32bとから構成され、
水平部分32aと斜板部分32bとは90゜以上の角度
をもって交差している。上記構成において、本実施例
は、ベント管案内板32の水平部分32aの端点とベン
ト管31の中心との距離bと、胴体の内半径rとの比b
/rの値が従来技術ではb/r=0.120に固定され
ていたものを、図3に示すように0.090から0.2
80までの範囲で変化させて流れの挙動を解析するもの
である。
【0041】b/rを大きくしていくと、ベント管案内
板32の影響により伝熱管群24内の蒸気が流れる流路
面積が小さくなって蒸気流速41が大きくなるが、さら
に大きくなると伝熱管群24のもたらす流路抵抗の影響
が増大して蒸気流速41は小さくなる。したがって、上
記のb/rの範囲において、より大きな流速をもたらす
b/r、もしくはより大きな熱伝達率を与えるb/rの
値の領域が存在するはずである。
【0042】以上の考察に基づき、本実施例において、
ベント管案内板32の斜板部分32bの長さの鉛直方向
成分c=一定の条件のもとで、bを変化させることによ
りb/r=0.090,0.120,0.210,0.
280に設定し、各設定値における流速分布と単位体積
当たり加熱量とを解析する。なお、実機の給水加熱器の
寸法例としては、r=1150mm、b=138mmであ
る。また給水加熱器内部の圧力・温度条件としては、1
4気圧、190℃程度である。
【0043】本実施例の給水加熱器内の流速ベクトルの
分布を気液二相流の数値シミュレーションにより解析し
た結果を図4〜図7に示す。図はそれぞれ、b/r=
0.090,0.120(従来技術と同じ),0.21
0,0.280の場合である。また1つの矢印→の長さ
が流速約7.5m/sを示している。図4〜図7を比較
すると、b/rを大きくするに従ってベント管案内板3
2により流路面積が絞られ、ベント管案内板32外側領
域での蒸気流速が大きくなっている。すなわち、従来技
術におけるb/rの値と同じである図4(b/r=0.
120)よりも図5(b/r=0.210)及び図6
(b/r=0.280)のほうがベント管案内板32外
側領域での流速が大きくなっている。
【0044】同様に、単位体積当たりの凝縮による加熱
量分布を気液二相流の数値シミュレーションにより解析
した結果を図8〜図11に示す。図はそれぞれ、b/r
=0.090,0.120(従来技術と同じ値),0.
210,0.280の場合である。また図8〜図11は
シミュレーション結果のCRT画面写真からのトレース
図で示している。
【0045】図8〜図11を比較すると、すべての図に
おいて上半分よりも下半分の方が単位体積当たりの加熱
量は高い。これは、下半分の伝熱管群の管内を流れる給
水の温度が上半分の伝熱管群の管内の給水の温度より低
く主に上半分よりも下半分で蒸気が凝縮するためであ
る。
【0046】また、加熱量が大きい領域(例えば2.5
2×107W/m3の等高線で示した領域)については、
従来技術と同じb/rの値である図9(b/r=0.1
20)よりもb/r値を大きくしたすなわちベント管案
内板32の水平部分32aの長さを大きくした図10
(b/r=0.210)及び図11(b/r=0.28
0)のほうがこの領域が広くなっており、熱伝達率が向
上していることを示している。
【0047】この熱伝達率の向上効果を図12に示す。
横軸にはb/rをとり、縦軸には従来技術(b/r=
0.120)における全面積の加熱量に対する本実施例
における全面積の加熱量の比をとって示したものであ
る。図12において、点A,B,C,Dがそれぞれ、図
8、図9、図10、図11に対応している。b/rが大
きくなるに伴い、ベント管案内板32の影響により伝熱
管群24内を蒸気が流れる流路面積が小さくなり蒸気流
速が大きくなって熱伝達率は増加し、これにより点Cで
従来技術との加熱量比は最高の100.8%に達する
が、さらにb/rが大きくなると伝熱管群24の抵抗が
増大し蒸気流速は小さくなるので熱伝達率が減少し、加
熱量比は減小する。
【0048】本実施例によれば、b/rが0.120を
超える範囲で伝熱管群24全面積の加熱量を最大約0.
8%向上させることができるが、製造時における誤差を
見積もり本実施例の下限としては0.130が適切であ
ると考える。また、上限については従来の加熱量以上の
加熱を達成しようとすると、0.280が適切であると
考える。よってb/r=0.130〜0.280の範囲
で給水加熱器を構成すれば、伝熱管群24全面積の加熱
量を最大約0.8%向上させることができ、したがって
給水加熱器全体としての熱交換効率を向上させることが
できる。よって給水加熱器を小型化することができる。
【0049】本発明の第2の実施例を図13〜図16に
より説明する。第1の実施例と共通の部品については共
通の番号で示す。本実施例は、第1の実施例と同様の観
点から、給水加熱器107においてb/rの値を第1の
実施例で最も熱伝達率向上効果があった0.210に固
定し、この条件のもとでcを変化させて従来1.380
に固定されていたc/bの値をc/b=0.850,
1.750,2.600に設定し、各設定値における単
位体積当たり加熱量を解析するものである。
【0050】第1の実施例と同様に単位体積当りの凝縮
による加熱量分布を気液二相流の数値シミュレーション
により解析した結果を図13〜図15に示す。図はそれ
ぞれ、c/b=0.790,1.750,2.600の
場合である。図13〜図15は第1の実施例と同様シミ
ュレーション結果のCRT画面写真からのトレース図で
ある。
【0051】図13〜図15を比較すると、加熱量が大
きい領域は、従来技術と同じc/bの値である図13
(c/b=0.790)よりも、c/b値を大きくした
図14(c/b=1.750)及び図15(c/b=
2.600)の方が広くなっており、熱伝達率が向上し
ていることを示している。
【0052】この熱伝達率の向上効果を図16に示す。
横軸にはc/bをとり、縦軸には従来技術(b/r=
0.120,c/b=1.380)における全面積の加
熱量に対する本実施例における全面積の加熱量の比をと
って示したものである。図16において、点C,E,F
がそれぞれ、図13、図14、図15に対応している。
ここで点Cは図12における点Cに該当する。c/bが
大きくなるに伴い、ベント管案内板32の影響により伝
熱管群24内を蒸気が流れる流路面積が小さくなり蒸気
流速が大きくなって熱伝達率は向上しこれにより点Fで
加熱量比は最高の104.2%に達するが、さらにc/
bが大きくなると伝熱管群24の抵抗が増大し蒸気流速
は小さくなるので熱伝達率が減少し、加熱量比は減少す
る。したがって図より、c/bの値が0.6〜3.4の
範囲において100%を上回り熱伝達率向上効果が得ら
れることがわかる。
【0053】本実施例によれば、b/r=0.210の
条件において、c/b=0.6〜3.4の範囲で伝熱管
群24全面積の加熱量を最大約4%向上させることがで
きるが、製造時における誤差を見積もり本実施例の範囲
としては0.700〜3.300が適切であると考え
る。よってこの範囲のc/bの値を用いて給水加熱器を
構成すれば、伝熱管群24全面積の加熱量を最大約4%
向上させることができる、したがって給水加熱器全体と
しての熱交換効率を向上させることができる。よって給
水加熱器を小型化することができる。
【0054】なお、上記実施例は、第1の実施例におい
て熱伝達率向上効果が最も大きかったb/r=0.21
0に固定して、c/bの変化に対する加熱量の挙動を解
析したものであった。ここにおいて、第1の実施例で分
かったようにb/rは最大でも0.8%程度の効果であ
ることから、従来通りb/r=0.120とした場合に
おいてあるいは任意のb/r値においても、c/bの変
化に対する加熱量の挙動はほぼ同様であると考えられ
る。すなわちc/bの増加と共に加熱量比は増加し、最
高値となったのちに減少する挙動である。従来技術にお
いてはc/bの値は1.38であるから、c/bが1.
38を超えて大きくなるとともに従来技術に対する加熱
量比は100%を超え増大すると思われる。一方、図1
6においてc/b=2.60のときに加熱量比は10
3.2%であるから、前記したb/rの最大の効果0.
8%分を差し引いても100%を超えていることは明白
である。したがって、任意のb/rの値において、c/
bが1.380を超え2.600までの範囲において熱
伝達率を向上させる効果を得ることができると考えられ
る。しかし下限については製造時における誤差を見積も
って、熱伝達率向上効果を得られる範囲としては1.3
90から2.600までが適切であると考える。すなわ
ち、b/r=1.390〜2.600の範囲で給水加熱
器を構成すれば、同様の効果を得る。
【0055】本発明の第3の実施例を図17により説明
する。第1の実施例と共通の部品については共通の番号
で示す。図17において、給水加熱器207は、胴体7
21の長手方向の長さがl1とl2とに分割され、二相流
入口722の中心と蒸気入口723の中心とがそれぞれ
の中点位置に配置されている。
【0056】このときl1,l2は、二相流入口722、
蒸気入口723及びドレン水出口725におけるクオリ
テイ、平均エンタルピー、質量流量をそれぞれ、X1,
h1,G1;X2,h2,G2;及びX3、h3、G3として、
以下の条件を満足している。 l1/l2=(h1−h3)G1/((h2−h3)G2) hi=(Xhg+(1−X)hl)i i=1,2,3, hg:蒸気エンタルピー hl:水エンタルピー その他の点は第1の実施例の給水加熱器7と同様であ
る。また実機ではl1/l2は0.3%程度である。
【0057】すなわち上記の構成によれば、二相流入口
722及び蒸気入口723からの熱量がバランスし、給
水加熱器207内で均等に配分される。したがって二相
流入口722からのドレン水が胴体21側壁に沿って流
れるので、伝熱管群24の液膜量が減少し熱伝達率が向
上する。したがって給水加熱器207全体の熱交換効率
を向上させることができる。
【0058】本発明の第4の実施例を図18及び図19
により説明する。図18は本実施例の給水加熱器の横断
面図、図19は図18のB−B断面図である。第1の実
施例と共通の部品については共通の番号で示す。図18
及び図19において、給水加熱器307は、二相流入口
22と蒸気入口23の直下に穴なしバッフル板に縁板を
付けて構成した受け皿51をそれぞれ設け、受け皿51
に連通するドレン管52を胴体21の底部まで引き延ば
したものである。その他の点は第1の実施例の給水加熱
器7とほぼ同様である。
【0059】上記構成において、バッフル板を兼ねた受
け皿51で二相流入口22及び蒸気入口23から入る液
滴が捕集され、蒸気のみが図中矢印で示すように受け皿
51をまわりこんで伝熱管群24へと導かれる。これに
より伝熱管群24を流下する液膜量が減少して熱抵抗が
低減する。その低下の割合は、(1−X3)(G1+G
2)/((1−X1)G1+(1−X2)G2+(1−X3)
(G1+G2))で表され、この値は実機では67%とな
る。また図4〜図8に示した流速ベクトル分布を考慮す
ればドレン管52で流路内面積が減少することによる流
速への影響は無視できる。以上により熱抵抗を考慮して
求めた管群全表面積の平均熱伝達率は従来より9.1%
向上した。
【0060】一方、当然にこのとき高温の液滴をドレン
にて捕集してしまうことによるエネルギー損失が存在す
る。したがって二相流はすべてが熱交換に係わるわけで
はなく、捕集された液滴を除く残りの部分が熱交換に寄
与する部分である。その割合は1−((1−X1)hlG
1+(1−X2)hlG2)/(h1G1+h2G2)で、実機
の場合はこの値は78%となる。すなわちこのエネルギ
ー損失を考慮しても給水加熱器307全体において9.
1×0.78=7.1%の熱交換効率の向上となること
がわかる。
【0061】本実施例によれば、受け皿51により液滴
を捕集し伝熱管群24の液膜量を減少させるので、給水
加熱器307全体の熱交換効率を7.1%向上させるこ
とができる。
【0062】本発明の第5の実施例を図20及び図21
により説明する。図20は本実施例の給水加熱器の横断
面図、図21は図20のC−C断面図である。第1の実
施例と共通の部品については共通の番号で示す。図20
及び図21において、給水加熱器407は、二相流入口
22と蒸気入口23との直下に穴なしバッフル板の両端
に縁板を付けて構成した受け板53を設け、この受け板
53を給水加熱器21の長手方向に傾斜させたものであ
る。その他の点は第1の実施例の給水加熱器7とほぼ同
様である。
【0063】上記構成において、バッフル板を兼ねた受
け板53で二相流入口22及び蒸気入口23から入る液
滴が捕集され、蒸気のみが図中矢印で示すように受け板
53をまわりこんで伝熱管群24へと導かれる。また受
け板53に補集された液滴はドレン水となって端部53
aから胴体21の壁面に沿って流下する。これにより伝
熱管群24を流下する液膜量は減少し熱抵抗が低減す
る。その低下の割合は、(1−X3)(G1+G2)/
((1−X1)G1+(1−X2)G2+(1−X3)(G1
+G2))であり、この値は実機では67%となる。以
上により熱抵抗を考慮して求めた管群全表面積の平均熱
伝達率は従来より9.1%向上した。
【0064】このとき、第4の実施例と同様に高温の液
滴をドレンにて補集してしまうことによるエネルギー損
失があるので、実機において熱交換に寄与する割合は第
4の実施例と同様に78%となる。すなわちこのエネル
ギー損失を考慮しても給水加熱器407全体において
9.1×0.78=7.1%の熱交換効率の向上とな
る。
【0065】本実施例によれば、受け皿51により液滴
を捕集し伝熱管群24の液膜量を減少させるので、給水
加熱器407全体の熱交換効率を7.1%向上させるこ
とができる。
【0066】本発明の第6の実施例を図22及び図23
により説明する。図22は本実施例の給水加熱器の横断
面図、図23は図22のD−D断面図である。第1の実
施例と共通の部品については共通の番号で示す。図22
及び図23において、給水加熱器507は、伝熱管群2
4の上半分の伝熱管群24Uのうち最下段の管群列54
に液受け55が設けられている。その他の点は第1の実
施例の給水加熱器7とほぼ同様である。
【0067】上記構成において、伝熱管群24Uを流下
してくる液膜56は、液受け55により補集されドレン
水となって端部55aから胴体21の壁面に沿って流下
する。したがって蒸気のみが矢印のように液受け55の
隙間から下半分の伝熱管群24Lへと導かれる。
【0068】このとき給水加熱器507上半分の伝熱管
群24Uにおける凝縮量をGCU、下半分の伝熱管群24L
における凝縮量GCLとすると、伝熱管群24Lの液膜の
もたらす熱抵抗の割合はGCL/(2GCU+GCL)の1/
3乗であり、この値は実機では83%となる。したがっ
て、これを基に前記第4及び第5の実施例と同様にして
給水加熱器507全体の熱交換効率を求めた結果、熱交
換効率の値は従来より4.5%向上した。
【0069】本実施例によれば、液受け55により液滴
を捕集し下半分の伝熱管群24Lの液膜量を減少させる
ので、給水加熱器507全体の熱交換効率を4.5%向
上させることができる。
【0070】本発明の第7の実施例を図24により説明
する。第1の実施例と共通の部品については共通の番号
で示す。本実施例の給水加熱器は、伝熱管群が格子配列
に配置されている場合である。図24に示すように、給
水加熱器の上半分の伝熱管群34Uのうち最下段の管群
列64にスリット状の穴58を有するプレス成形加工さ
れた液受け57を設けたものである。図24(a)は液
受け57付近の詳細断面図であり、図24(b)は液受
け57の平面図である。
【0071】上記構成において、伝熱管群34Uを流下
してくる液膜は、液受け57により補集され第6の実施
例と同様にドレン水となって流下する。したがって蒸気
のみが液受け57の隙間から下半分の伝熱管群(図示せ
ず)へと導かれる。
【0072】このとき第6の実施例と同様に下半分の伝
熱管群24Lの液膜のもたらす熱抵抗の割合はGCL/
(2GCU+GCL)の1/3乗であり実機では83%であ
る。
【0073】したがって、これを基に前記第6の実施例
と同様にして給水加熱器全体の熱交換効率を求めた結
果、熱交換効率の値は従来より4.5%向上した。
【0074】本実施例によれば、液受け57により液滴
を捕集し下半分の伝熱管群24Lの液膜量を減少させる
ので、給水加熱器全体の熱交換効率を4.5%向上させ
ることができる。
【0075】本発明の第8の実施例を図25により説明
する。
【0076】本実施例は、上記第1〜第7の実施例にお
ける給水発電器のいずれかを用いた発電プラントの実施
例である。その系統図を図25に示す。図25におい
て、発電プラントは、ボイラまたは原子炉1で発生した
蒸気2を使ってタービン3を回転させ、発電機4を駆動
する。タービン3から出た蒸気は凝縮器5で給水6に戻
された後、再びボイラまたは原子炉1へ流入し加熱さ
れ、サイクルを形成している。このとき凝縮器5を出た
給水6は低温である。そこで、熱交換器である給水加熱
器7a,b…を設けて、タービン3から引き出した抽気
蒸気8によって給水6を加熱し熱効率を向上させてい
る。
【0077】給水加熱器7a,b…は数段設けられ、例
えば、後段側の給水加熱器7cの高温のドレン水9cは
前段の給水加熱器7bの加熱源として利用され、また給
水加熱器7bの高温のドレン水9bはさらに前段の給水
加熱器7aの加熱源として利用される。ドレン水9c,
b…は、より低圧の給水加熱器7a,b…に流入するの
で、減圧沸騰によって発生した蒸気が同伴し水と空気と
の混合流である気液二相流9aとなる。その流動状態は
給水加熱器7a,b…の熱伝達特性に大きく影響する。
【0078】本実施例によれば、先の第1〜第7の実施
例における熱交換効率の高い給水加熱器を用いるので、
発電プラントの性能を向上させることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、b/rの値を従来より
大きい0.130から0.280までの範囲に設定する
ので、伝熱管全面積の加熱量を最大約0.8%向上させ
ることができる。したがって給水加熱器全体の熱交換率
を向上させ、給水加熱器を小型化できる。
【0080】またc/bを0.700から3.300ま
での範囲に設定するので、伝熱管全面積の加熱量を最大
約4%向上させることができる。さらに、c/bを1.
750近傍の値に設定することにより、伝熱管全面積の
加熱量を約4%向上させることができる。
【0081】また本発明によれば、b/rを0.210
近傍の値に設定するので、伝熱管全面積の加熱量を約
0.8%向上させることができる。したがって給水加熱
器全体の熱交換率を向上させ、給水加熱器を小型化でき
る。
【0082】さらに本発明によれば、c/bを1.39
0から2.600までの範囲に設定するので、伝熱管全
面積の加熱量を向上させることができる。したがって給
水加熱器全体の熱交換率を向上させ、給水加熱器を小型
化できる。
【0083】また本発明によれば、熱量を給水加熱器内
において均等に配分することができるので、伝熱管群の
熱伝達率が向上する。したがって給水加熱器全体の熱交
換率を向上させ、給水加熱器を小型化できる。
【0084】さらに本発明によれば、蒸気から形成され
た液滴をバイパスしてドレン水出口へ導き下方管群への
液滴の流下を防止するので、液膜形成による熱抵抗を低
減し伝熱管群の熱伝達率が向上する。したがって給水加
熱器全体の熱交換率を向上させ、給水加熱器を小型化で
きる。
【0085】また、受け皿で集めた液滴は管群を通るこ
となくバイパスし伝熱管群への液滴の流下を防止するの
で、給水加熱器全体の熱交換効率を約7.1%向上させ
ることができる。さらに、受け板で集めた液滴は管群を
通ることなくバイパスし伝熱管群への液滴の流下を防止
するので、給水加熱器全体の熱交換効率を約7.1%向
上させることができる。また、第1の伝熱管群からの液
滴が第2の伝熱管群へ流下することを防止するので、第
2の伝熱管群への液膜形成による熱抵抗の発生を低減し
熱伝達率を向上させることができる。さらに、第1の伝
熱管群の最下段の管群の直下に液受けを設けるので、熱
交換効率を約4.5%向上させることができる。また、
伝熱管群が格子配列されている場合にスリット状の穴を
備えた一体成形型の液受けを設けるので、熱交換効率を
約4.5%向上させることができる。
【0086】また、本発明の発電プラントによれば、上
記の熱交換効率が向上した給水加熱器を用いるので、発
電プラントの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の給水加熱器の縦断面図
である。
【図2】給水加熱器の横断面図である。
【図3】解析のための設定条件を示す図である。
【図4】給水加熱器内の流速ベクトルの分布を示す図で
ある。
【図5】給水加熱器内の流速ベクトルの分布を示す図で
ある。
【図6】給水加熱器内の流速ベクトルの分布を示す図で
ある。
【図7】給水加熱器内の流速ベクトルの分布を示す図で
ある。
【図8】給水加熱器内の加熱量分布を示す図である。
【図9】給水加熱器内の加熱量分布を示す図である。
【図10】給水加熱器内の加熱量分布を示す図である。
【図11】給水加熱器内の加熱量分布を示す図である。
【図12】熱伝達率の向上効果を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施例の給水加熱器内の加熱
量分布を示す図である。
【図14】給水加熱器内の加熱量分布を示す図である。
【図15】給水加熱器内の加熱量分布を示す図である。
【図16】熱伝達率の向上効果を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施例の給水加熱器の横断面
図である。
【図18】本発明の第4の実施例の給水加熱器の横断面
図である。
【図19】給水加熱器の縦断面図である。
【図20】本発明の第5の実施例の給水加熱器の横断面
図である。
【図21】給水加熱器の縦断面図である。
【図22】本発明の第6の実施例の給水加熱器の横断面
図である。
【図23】給水加熱器の縦断面図である。
【図24】本発明の第7の実施例の給水加熱器内の液受
けの詳細図である。
【図25】本発明の第8の実施例の発電プラントの系統
図である。
【図26】従来技術における発電プラントの系統図であ
る。
【図27】給水加熱器の横断面図である。
【図28】給水加熱器の縦断面図である。
【符号の説明】
6a,6b 給水 7 給水加熱器 8 抽気蒸気 9 ドレン水 21 胴体 22 二相流入口 23 蒸気入口 24 伝熱管群 24U 上半分の伝熱管群 24L 下半分の伝熱管群 25 ドレン水出口 31 ベント管 32 ベント管案内板 32a 水平部分 32b 斜板部分 51 受け皿 52 ドレン管 53 受け板 54 最下段の管群列 55 液受け 56 液膜 57 液受け 61 給水加熱器 207 給水加熱器 307 給水加熱器 407 給水加熱器 507 給水加熱器 722 二相流入口 723 蒸気入口 725 ドレン水出口 b ベント管案内板の水平部分の端点からベント管中心
までの距離 c ベント管案内板の斜板部分の長さの鉛直方向成分 r 胴体の内半径
フロントページの続き (72)発明者 藤本 清志 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 村瀬 道雄 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 今津 秀一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水が内部を流れる伝熱管群と、前記伝
    熱管群を収納した円筒状の胴体と、該伝熱管群の間を流
    れ給水を加熱する蒸気に混入された不凝縮性ガスを前記
    蒸気から除去するベント管と、前記ベント管に設けられ
    前記不凝縮ガスを該ベント管に集めるベント管案内板と
    を有する給水加熱器において、 前記ベント管案内板は水平部分と斜板部分とを有し、前
    記水平部分の端点から前記ベント管中心までの距離bと
    前記円筒状の胴体の内半径rとの比であるb/rを0.
    130から0.280までの範囲に設定することを特徴
    とする給水加熱器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の給水加熱器において、前
    記斜板部分の長さの鉛直方向成分cと前記水平部分の端
    点から前記ベント管中心までの距離bとの比であるc/
    bを0.700から3.300までの範囲に設定するこ
    とを特徴とする給水加熱器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の給水加熱器において、前
    記斜板部分の長さの鉛直方向成分cと前記水平部分の端
    点から前記ベント管中心までの距離bとの比であるc/
    bを1.750近傍の値に設定することを特徴とする給
    水加熱器。
  4. 【請求項4】 給水が内部を流れる伝熱管群と、前記伝
    熱管群を収納した円筒状の胴体と、該伝熱管群の間を流
    れ給水を加熱する蒸気に混入された不凝縮性ガスを前記
    蒸気から除去するベント管と、前記ベント管に設けられ
    前記不凝縮ガスを該ベント管に集めるベント管案内板と
    を有する給水加熱器において、 前記ベント管案内板は水平部分と斜板部分とを有し、前
    記水平部分の端点から前記ベント管中心までの距離bと
    前記円筒状の胴体の内半径rとの比であるb/rを0.
    210近傍の値に設定することを特徴とする給水加熱
    器。
  5. 【請求項5】 給水が内部を流れる伝熱管群と、前記伝
    熱管群を収納した円筒状の胴体と、該伝熱管群の間を流
    れ給水を加熱する蒸気に混入された不凝縮性ガスを前記
    蒸気から除去するベント管と、前記ベント管に設けられ
    前記不凝縮ガスを該ベント管に集めるベント管案内板と
    を有する給水加熱器において、 前記ベント管案内板は水平部分と斜板部分とを有し、前
    記斜板部分の長さの鉛直方向成分をcと前記水平部分の
    端点から前記ベント管中心までの距離bとの比であるc
    /bを1.390から2.600までの範囲に設定する
    ことを特徴とする給水加熱器。
  6. 【請求項6】 給水が内部を流れる伝熱管群と、前記伝
    熱管群を収納した胴体と、前記胴体に設けられ高温のド
    レン水と第1の蒸気との二相流が流入する二相流入口
    と、前記胴体に設けられ第2の蒸気が流入する蒸気入口
    と、前記第1及び第2の蒸気が前記伝熱管群表面で凝縮
    して生じた水を排出するドレン水出口とを有する給水加
    熱器において、 前記胴体の長手方向にl1の長さを有する第1の部分と
    l2の長さを有する第2の部分とを有し、かつl1,l2
    は、前記二相流入口におけるクオリテイX1、平均エン
    タルピーh1、質量流量G1、前記蒸気入口におけるクオ
    リテイX2、平均エンタルピーh2、質量流量G2、及び
    前記ドレン水出口におけるクオリテイX3、平均エンタ
    ルピーh3、質量流量G3に対し、i=1,2,3で、h
    gを蒸気エンタルピーとし、hlを水エンタルピーとする
    条件のもとで、l1/l2=(h1−h3)G1/((h2−
    h3)G2)、hi=(Xhg+(1−X)hl)iの関係に
    あり、前記二相流入口の中心は前記第1の部分の前記胴
    体の長手方向の長さl1を2等分する平面上に配置さ
    れ、前記蒸気入口の中心は前記第2の部分の前記胴体長
    手方向の長さl2を2等分する平面上に配置されている
    ことを特徴とする給水加熱器。
  7. 【請求項7】 内部を給水が流れる複数段に配列された
    伝熱管群と、蒸気が流入する入口と、前記蒸気が凝縮し
    て形成される液滴が集合したドレン水を排出するドレン
    水出口を有する給水加熱器において、 前記蒸気から形成された液滴を前記伝熱管群の配列の少
    なくとも一段を通過させることなくバイパスして前記ド
    レン水出口へ導く排出手段を設けたことを特徴とする給
    水加熱器。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の給水加熱器において、前
    記入口は高温のドレン水と第1の蒸気との二相流が流入
    する二相流入口及び第2の蒸気が流入する蒸気入口であ
    り、かつ、前記排出手段は、前記二相流入口と前記蒸気
    入口との直下にそれぞれ設けた受け皿と、前記受け皿に
    一方が連通し他方が前記給水加熱器の底部まで延ばされ
    たドレン管とを有することを特徴とする給水加熱器。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の給水加熱器において、前
    記入口は高温のドレン水と第1の蒸気との二相流が流入
    する二相流入口及び第2の蒸気が流入する蒸気入口であ
    り、かつ、前記排出手段は、前記二相流入口及び前記蒸
    気入口の直下に設けられ給水加熱器の長手方向に傾斜し
    た受け板を有することを特徴とする給水加熱器。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の給水加熱器において、
    前記伝熱管群は前記熱交換器内の上半分に収納された第
    1の伝熱管群と下半分に収納された第2の伝熱管群とを
    有し、前記排出手段は前記第1の伝熱管群表面で形成さ
    れた液滴を前記第2の伝熱管群を通過させることなくバ
    イパスさせる中間排出手段を有することを特徴とする給
    水加熱器。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の給水加熱器におい
    て、前記中間排出手段は、前記第1の伝熱管群の最下段
    の管群の直下に設けた液受けを有することを特徴とする
    給水加熱器。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の給水加熱器におい
    て、前記伝熱管群は格子配列に配置されており、かつ前
    記中間排出手段は、前記第2の伝熱管群の最下段の管と
    管との間隙の直下にスリット状の穴が設けられた一体成
    形型の液受けを有することを特徴とする給水加熱器。
  13. 【請求項13】 ボイラまたは原子炉と、凝縮器と、給
    水加熱器とを備えた発電プラントにおいて、 前記給水加熱器は請求項1〜12のいずれか1項記載の
    給水加熱器を有することを特徴とする発電プラント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001193903A (ja) * 1999-11-04 2001-07-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 給水加熱器

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