JPH06146194A - 芝生植物を原料とする製紙方法及びその方法で得られる紙 - Google Patents

芝生植物を原料とする製紙方法及びその方法で得られる紙

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JPH06146194A
JPH06146194A JP29522492A JP29522492A JPH06146194A JP H06146194 A JPH06146194 A JP H06146194A JP 29522492 A JP29522492 A JP 29522492A JP 29522492 A JP29522492 A JP 29522492A JP H06146194 A JPH06146194 A JP H06146194A
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paper
cooking liquor
raw material
alkali
lawn plant
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JP29522492A
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English (en)
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Katsuji Takeda
勝治 武田
Yoshie Hirakouchi
良恵 平河内
Yae Saito
八重 斎藤
Hideo Kato
英夫 加藤
Jun Namiki
純 並木
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より安価で豊富に供給し得る植物を原料とす
る製紙方法を提供する。 【構成】 芝生植物をアルカリ及び界面活性剤の水溶液
またはアルカリ水溶液で処理してセルロース繊維を得、
これを抄紙することを特徴とする製紙方法及びその製紙
方法で得られる紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芝生植物を原料とする
製紙方法及びその方法で得られる紙に関する。
【0002】
【従来の技術】紙は主にセルロース繊維を取り出してこ
れを水の中に分散させ、水の媒介によって薄く平板状に
繊維同士を絡み合わせて漉き上げ乾燥して作られたもの
であり、各種の木材の破砕片やコウゾ、ミツマタ、ガン
ビ等の樹皮を原料とし、パルピング、漂白、叩解、抄
紙、仕上げ等の工程を経て製造される。近年、電子化に
よる情報用紙や書籍の発刊数の急増により紙の需要は急
速に高まっているが、その原料は依然として木材に依存
しているのが現状である。多量の木材の使用は森林破壊
を引起し、生体系の破壊、災害の多発、木材による二酸
化炭素消費の低下による地球の温暖化等多くの環境問題
の原因となっている。この問題を解決するため、木材以
外の草木から紙を作ることが考えられている。草木から
紙を製造する方法として、単子葉植物網ユリ目に属する
各種の草花類の茎または葉柄をアルカリ及びアニオン活
性剤で処理してセルロース繊維を得、これを製紙する方
法が開示されているが(特開平3−294594号公
報)、木材を原料として場合と同様に叩解工程を経なけ
れば強い紙が得られず、かつ、集荷にコストがかかると
言う問題がある。一方、消臭剤を固定化して室内の悪臭
を防止する壁紙等が知られている(特開平4−3410
0号公報)製紙素材そのものまたは製紙方法に起因して
消臭効果を有する紙は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より安価で
豊富に供給し得る植物を原料とする製紙方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、公園やゴ
ルフ場で多量に刈り取られ、大量供給が可能な芝生植物
を原料として紙を製造すれば、叩解工程なしでもセルロ
ース繊維同志が絡み合い更に植物成分が繊維をコーティ
ングして紙密度が高くなるため、紙に要求される引っ張
り強度、破裂強度及びサイズ度等の性質が通常の各種草
花類の茎または葉柄から製紙した紙と比較した場合に非
常に優れた実用性の高い紙が得られ、また、特定の蒸解
液を使用すると精神安定効果があるといわれているフィ
トンチット様の強い芳香があるとともにアンモニアに対
して強い消臭効果を有する紙が得られることを見出し本
発明を完成するに至った。即ち、本発明は、芝生植物を
蒸解液で処理してセルロース繊維を得、これを抄紙する
ことを特徴とする製紙方法の発明及びその製紙方法で得
られる紙の発明である。本発明の好ましい態様において
は、蒸解液はアルカリ及び界面活性剤の水溶液である。
本発明の他の好ましい態様においては、蒸解液はアルカ
リ水溶液である。後者の態様によると、強い芳香とアン
モニア消臭能を有する紙が得られる。
【0005】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
紙に使用するセルロース繊維は、蒸解液に芝生植物を投
入し、95〜100℃で1〜5時間、好ましくは1〜3
時間処理し、冷却後80〜150メッシュのふるいを用
いてこれを水洗することにより得られる。得られたセル
ロース繊維はそのまま使用できるが、漂白を必要とする
場合はこのセルロース繊維をアルカリおよび漂白剤水溶
液に投入し、50〜80℃、好ましくは50〜60℃で
1〜3時間処理すればよい。次に、セルロース繊維を水
に浸し充分膨潤させ、更に抄紙機で漉き上げ、脱水、プ
レス、乾燥して本発明の紙とする。本発明に用いること
のできる芝生植物としては、洋芝、高麗芝、日本芝等を
挙げることができる。
【0006】本発明に使用する蒸解液は、主としてアル
カリ剤と界面活性剤の水溶液またはアルカリ剤の水溶液
からなる。アルカリ剤としては苛性ソーダ、炭酸ソーダ
及びケイ酸ソーダ等が挙げられる。また、アルカリと界
面活性剤の水溶液を蒸解液とする場合に使用する界面活
性剤としては脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、αーオレフィンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸
エステル塩、高級アルコールエトキシ硫酸エステル塩及
びジアルキルスルホサクシネート等の陰イオン活性剤;
高級アルコール、アルキルフェノール及び脂肪酸等のエ
チレンオキシド付加物等の非イオン活性剤が挙げられ
る。これらアルカリ剤及び界面活性剤は単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用してもよい。アルカリ剤の濃
度は水溶液中0.5〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量
%である。また、界面活性剤の濃度も水溶液中0.5〜5
%、好ましくは0.5〜2重量%である。芝生植物と蒸解
液の混合比は、芝生植物が蒸解液の1〜90重量%、好
ましくは10〜50重量%となる量である。
【0007】漂白をする場合に用いられる漂白剤として
は、過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩及び次亜塩素酸
塩等が挙げられる。また、漂白剤と共に使用するアルカ
リには蒸解液の説明で列挙したものが同じく挙げられ
る。この場合の漂白剤の量は、漂白に付する乾燥セルロ
ース繊維の2〜5重量%であり、アルカリの量は漂白に
付する乾燥セルロース繊維の1〜2重量%である。蒸解
及び必要に応じて漂白をした後は、常法により抄紙機で
漉き上げ、脱水、プレス、乾燥して本発明の紙とする。
次に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0008】
【実施例】実施例1 撹拌機付きの蒸解釜に水9kg、芝(高麗芝/洋芝=1/
1)1kg、苛性ソーダ0.1kg及び界面活性剤C12H25O(C2
H5O)3Na を0.1kg投入し、100℃で3時間煮沸し、蒸
解処理を行った。次にパルプスラリーを80メッシュふ
るいで水洗し、得られたセルロースをタッピシートマシ
ーンにより坪量し100g/m2のパルプシートを作成し
た。実施例2 蒸解液に界面活性剤を添加せずかつ煮沸時間を3時間と
した以外は実施例1と同様にしてパルプシートを作成し
た。
【0009】比較例1 原料として、木材パルプ(LBKP)を使用した以外
は、実施例1同様にしてパルプシートを作成した。比較例2 チューリップの茎1kgを実施例と同様に蒸解処理した
後、パルプスラリーをミキサーにかけて叩解し、得られ
たセルロースを実施例と同様に処理してパルプシートを
作成した。以上のようにして得られたパルプシートを引
っ張り強度(JISーP−8113に準拠)、破裂強度
(JISーP−8112に準拠)、紙密度、サイズ度
(JISーP−8122に準拠)、芳香性及びアンモニ
ア消臭能について評価した。芳香性は官能評価により、
アンモニア消臭能は2L密閉容器にパルプシート1gを
添加し、アンモニアを250ppm の濃度になるように添
加して30分間放置し、北川式ガス検知管でアンモニア
濃度を測定することにより評価した。結果を表1に示
す。
【0010】
【表1】 表 1 ─────────────────────────────────── 項 目 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 ─────────────────────────────────── 引っ張り強度 Kgf 3.1 3.5 1.8 1.7 破裂強度 kg/cm2 0.8 0.9 0.25 0.23 紙密度 g/cm3 0.67 0.63 0.45 0.40 サイズ度 秒 40 50 0 0 芳 香 性 僅かな芳香臭 強い芳香臭 芳香臭なし 芳香臭なし アンモニア 検出せず 検出せず 250 250 消臭能 ppm ───────────────────────────────────
【0011】表1から明らかなように、本発明の紙は、
叩解工程を経ずとも引っ張り強度、破裂強度、紙密度及
びサイズ度ともに従来の木材パルプ及び草花類から得た
パルプの紙よりも優れている。また、蒸解に際して、界
面活性剤を添加しない場合には、芳香を有しアンモニア
消臭能をも有する特殊紙が得られる。このような性質は
従来の木材パルプ及び草花類から得たパルプの紙にはな
かったものである。
【0012】
【発明の効果】本発明により、従来の木材パルプに代え
て大量の紙を供給することができ、森林破壊による地球
環境の悪化を防止することができる。また、叩解工程を
経ることなく引っ張り強度、破裂強度、紙密度及びサイ
ズ度ともに従来の木材パルプ及び草花類から得たパルプ
を使用した場合よりも優れた紙を供給することができ製
紙工程の簡略化と上質の紙の提供が可能である。更に、
芳香剤や消臭剤を使用することなく芳香及びアンモニア
消臭能を有する特殊紙を供給することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 英夫 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 並木 純 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芝生植物を蒸解液で処理してセルロース
    繊維を得、これを抄紙することを特徴とする製紙方法。
  2. 【請求項2】 蒸解液がアルカリ及び界面活性剤の水溶
    液である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 蒸解液がアルカリ水溶液である請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 芝生植物を蒸解液で処理してセルロース
    繊維を得、これを抄紙することにより得られる紙。
  5. 【請求項5】 蒸解液がアルカリ及び界面活性剤の水溶
    液である請求項4記載の紙。
  6. 【請求項6】 蒸解液がアルカリの水溶液である請求項
    4記載の紙。
JP29522492A 1992-11-04 1992-11-04 芝生植物を原料とする製紙方法及びその方法で得られる紙 Pending JPH06146194A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002000995A1 (en) * 2000-06-29 2002-01-03 Cp & P Co. Ltd Method for preparing pulp from cornstalk

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002000995A1 (en) * 2000-06-29 2002-01-03 Cp & P Co. Ltd Method for preparing pulp from cornstalk
US7186316B1 (en) 2000-06-29 2007-03-06 Cp & P Co., Ltd. Method for preparing pulp from cornstalk

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