JPH06145531A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH06145531A
JPH06145531A JP29568892A JP29568892A JPH06145531A JP H06145531 A JPH06145531 A JP H06145531A JP 29568892 A JP29568892 A JP 29568892A JP 29568892 A JP29568892 A JP 29568892A JP H06145531 A JPH06145531 A JP H06145531A
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JP
Japan
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flame
retardant
phenylene
resin
resin composition
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JP29568892A
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Inventor
Kenji Nagaoka
健二 長岡
Satoru Goto
覚 後藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れた、難燃性熱可塑性樹脂および
非難燃性熱可塑性樹脂またはエラストマーからなる難燃
性樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)難燃性熱可塑性樹脂、(B)非難燃性
熱可塑性樹脂および/またはエラストマーから選ばれる
非難燃性高分子化合物、並びに(C)特定の無機リン化
合物からなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性樹脂組成物に関
し、更に詳しくは、難燃性熱可塑性樹脂と非難燃性熱可
塑性樹脂および/またはエラストマーを主要な成分とす
る耐熱性と機械特性に優れた熱可塑性の難燃性樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン等にに代表される難燃
性熱可塑性樹脂は、一般に、高い難燃性を有することに
加えて高い耐熱性を備えており、高度な難燃性と耐熱性
が要求される分野で各種成形品やフィルムとして広く実
用されている。しかし、これらの難燃性熱可塑性樹脂に
は流動性、バリ特性等を含む成形性が劣ったり、あるい
は機械強度が低いという欠点があり、このことが更なる
用途拡大の大きな障害となっている。
【0003】かかる難燃性熱可塑性樹脂の欠点を改良す
る方法として、一般に該樹脂に他の熱可塑性樹脂やエラ
ストマーをブレンドすることが行なわれてきた。例え
ば、ポリフェニレンスルフィドの場合、他の熱可塑性樹
脂をブレンドする例としてはポリアリーレンスルフィド
とポリフェニレンエーテルからなる樹脂組成物(特公昭
56−34032号公報)、ポリフェニレンスルフィド
とポリスチレンおよびその共重合体からなる樹脂組成物
(特開昭51−62849号公報)、ポリフェニレンス
ルフィドとポリカーボネートからなる樹脂組成物(米国
特許第4021596号、特開昭51−59952号公
報),ポリフェニレンスルフィドおよびポリエステルか
らなる樹脂組成物(特開昭57−168945号公
報)、ポリフェニレンスルフィドとポリアミドからなる
樹脂組成物(特開昭53−69255号公報、特開昭6
1−126170号公報)等が開示されている。
【0004】中でも、ポリフェニレンエーテル樹脂は優
れた機械的、電気的特性と高い耐熱性を備えた樹脂であ
り、難燃性熱可塑性樹脂にブレンドする樹脂としては好
適な樹脂である。しかし、一般に、難燃性熱可塑性樹脂
とポリフェニレンエーテル樹脂とは互いに親和性が低い
ため、両者のブレンドによって機械的特性の優れた樹脂
組成物を得るためには相容化剤が用いられる。このよう
な樹脂組成物としてはポリフェニレンエーテル、結晶性
熱可塑性樹脂および相容化剤からなる樹脂組成物(特開
昭63−183954号公報)、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリアリーレンスルフィドおよびポリフェニレンエ
ーテル−ポリアミドポリマー混合物に用いられる相容化
剤からなるポリマー混合物(特開平2−36261号公
報)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエー
テルおよび特定部分構造を有する化合物からなる樹脂組
成物(EP0368413A2号公報)、不飽和カルボ
ン酸または不飽和カルボン酸無水物によって変性された
変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィ
ドおよびポリイソシアネート化合物からなる樹脂組成
物、またはポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンス
ルフィド、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸無
水物である変性剤およびポリイソシアネート化合物から
なる樹脂組成物(特開平2−49023号公報)等が開
示されている。
【0005】また、エラストマーをブレンドする例とし
てはイソシアネート化合物変性ポリフェニレンスルフィ
ドと酸グラフト変性オレフィン系共重合体エラストマー
からなる樹脂組成物(特開平3−54257号公報)等
が開示されている。
【0006】しかし、従来提案されているポリアリーレ
ンスルフィドと他の熱可塑性樹脂またはエラストマーか
らなる樹脂組成物は機械特性という点では満足なもの
の、難燃性という点では十分ではなく、ポリアリーレン
スルフィドが本来有する優れた特性の1つが損なわれて
たものになっている。
【0007】一方、ポリアリーレンスルフィドと他の熱
可塑性樹脂またはエラストマーからなる樹脂組成物の難
燃性の改善を目指した樹脂組成物として、ポリフェニレ
ンスルフィドと他の熱可塑性樹脂からなる組成物100
重量部に対して熱重量減少開始温度が260℃以上の有
機難燃剤を1〜50重量部からなる樹脂組成物(特開昭
63−97662号公報)が提案されている。しかし、
該樹脂組成物は難燃性は満足なものの、難燃剤を加えな
い対応の樹脂組成物に比して耐熱性が低いという欠点を
有しており、工業的に十分満足なものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、現
在のところ、ポリフェニレンスルフィドに代表される難
燃性熱可塑性樹脂と非難燃性熱可塑性樹脂またはエラス
トマーからなる樹脂組成物で耐熱性と難燃性が共に優れ
た樹脂組成物はまだ見当たらないというのが実情であ
る。従って、本発明の目的は耐熱性、難燃性等に特長を
有する難燃性熱可塑性樹脂と非難燃性熱可塑性樹脂およ
び/またはエラストマーである高分子化合物とを主要な
構成成分とする耐熱性の優れた熱可塑性の難燃性樹脂組
成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を行なった結果、特定の無機リン化
合物がモリブデン化合物等の難燃助剤の助けを借りるこ
となく、従来提案されている他の種々の難燃剤に比して
特異的に耐熱性と難燃性とのバランスの優れた樹脂組成
物を与えることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、(A)難燃性熱可塑
性樹脂、(B)非難燃性熱可塑性樹脂および非難燃性エ
ラストマーから成る群から選ばれる非難燃性高分子化合
物、難燃化有効量の(C)リン酸化物、リン酸類および
リン酸類のアンモニウム塩から成る群から選ばれる無機
リン化合物、並びに所望により(D)充填剤からなるこ
とを特徴とする難燃性樹脂組成物に関するものである。
また、本発明は、該樹脂組成物に対して、さらに成分
(A)と成分(B)の合計量100重量部当たり0.0
1〜10重量部の(E)相容化剤を配合してなることを
特徴とする難燃性樹脂組成物に関するものである。
【0011】本発明における難燃性熱可塑性樹脂(A)
とは、厚みが1/16インチの試験片について米国アン
ダーライターズ・ラボラトリーの規格のサブジェクト9
4(UL 94)に従って評価される難燃性がランクV
−0である熱可塑性樹脂である。難燃性熱可塑性樹脂
(A)は複数種でもよい。難燃性熱可塑性樹脂(A)の
具体例としては、一般式化2で表わされる構造の1種以
上から成る繰り返し単位から成る重合体を挙げることが
できる。
【0012】
【化2】
【0013】上記一般式化2において、Arは2価の芳
香族残基を表わし、Xは、−O−、−S−、−CO−、
−SO2 −、−COO−および−CONH−から成る群
から選ばれる2価の基を表わす。一般式化2において、
芳香族残基(Ar)は下記式化3〜化10から成る群か
ら選ばれるものが好ましい。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】また、上記2価の芳香族残基に加えて化1
1で表わされる三官能の基を少量含む重合体も一般式化
2で表わされる難燃性熱可塑性樹脂(A)の例に含まれ
る。
【0023】
【化11】
【0024】一般式化2で表わされる難燃性熱可塑性樹
脂の具体例としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
(ビフェニレンスルフィド)、ポリ(オキシ−フェニレ
ン−スルホニル−フェニレン)、ポリ(チオ−フェニレ
ン−スルホニル−フェニレン)、ポリ(オキシ−フェニ
レン−スルホニル−フェニレン−オキシ−フェニレン−
イソプロピリデン−フェニレン)、ポリ(オキシ−フェ
ニレン−スルホニル−ビフェニレン−スルホニル−フェ
ニレン)、ポリ(オキシ−フェニレン−カルボニル−フ
ェニレン)、ポリ(オキシ−フェニレン−カルボニル−
フェニレン−オキシ−フェニレン)およびポリ〔オキシ
−(フェニレン−ビスフタルイミジール)−オキシ−フ
ェニレン−イソプロピリデン−フェニレン〕等が挙げら
れる。これらのうちで好ましい難燃性熱可塑性樹脂はポ
リフェニレンスルフィドおよびポリ(オキシ−フェニレ
ン−スルホニル−フェニレン)である。難燃性熱可塑性
樹脂(A)の分子量については特に制限はないが、一般
に、重(縮)合度で表わして20〜1000、好ましく
は50〜500である。
【0025】本発明における非難燃性高分子化合物
(B)とは、非難燃性熱可塑性樹脂および非難燃性エラ
ストマーから成る群から選ばれる高分子化合物のことで
ある。ここに、非難燃性とは上記UL94における難燃
性のランクがV−1以下であることを指す。非難燃性高
分子化合物(B)は複数種でもよい。
【0026】非難燃性熱可塑性樹脂の具体例としては、
ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂等の
スチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリ
ル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−
メチルペンテン−1等のオレフィン系樹脂;ポリオキシ
メチレン等のポリアセタール樹脂;ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレー
ト等のポリエステル樹脂;ポリアミド6、ポリアミド
4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミ
ド6,12、ポリアミドMXD,6等のポリアミド樹
脂;ポリ(オキシカルボニルオキシ−フェニレン−イソ
プロピリデン−フェニレン)等のポリカーボネート樹
脂;ポリ(オキシ−2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レン)等のポリフェニレンエーテル樹脂等を挙げること
が出来る。これらのうちで好ましい非難燃性熱可塑性樹
脂はポリフェニレンエーテル樹脂である。非難燃性熱可
塑性樹脂の分子量については特に制限はないが、一般
に、重(縮)合度で表わして20〜1000、好ましく
は50〜500、である。
【0027】非難燃性エラストマーの具体例としては、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンープロピレ
ン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン
共重合体ゴム等のオレフィン系重合体エラストマー;エ
ポキシ基、カルボキシル基および酸無水物基から成る群
から選ばれる官能基の1種以上を含有するオレフィン系
重合体エラストマー;ブタジエンースチレン共重合体ゴ
ム、ブタジエンーアクリロニトリル共重合体ゴム、水添
および非水添のアルケニル芳香族炭化水素重合体のブロ
ックおよび脂肪族炭化水素重合体のブロックから成るブ
ロックコポリマー等のスチレン系エラストマー;ポリエ
ステルエラストマー;アクリルエラストマー等およびこ
れらの変性物等を挙げることができる。これらの中で好
ましい非難燃性エラストマーは、エポキシ基、カルボキ
シル基および酸無水物基から成る群から選ばれる官能基
の1種以上を含有するオレフィン系重合体エラストマー
並びにアルケニル芳香族炭化水素重合体のブロックおよ
び脂肪族炭化水素重合体のブロックから成るブロックコ
ポリマーから成る群から選ばれるエラストマーである。
特に好ましい非難燃性エラストマーは熱可塑性の水添ま
たは非水添のスチレンー共役ジエン系ブロック共重合体
である。本発明に使用することができる非難燃性エラス
トマーの分子量は特に制限されないが、一般に、500
0〜200000である。
【0028】本発明における無機リン化合物(C)と
は、リン酸化物、リン酸類およびリン酸類のアンモニウ
ム塩から成る群から選ばれる化合物である。無機リン化
合物(C)は複数成分から成ってもよい。ここに、リン
酸化物とは三酸化リン、四酸化リン、五酸化リン等のリ
ンの酸化物のことである。好ましいリン酸化物は五酸化
リンである。また、リン酸類とはリン酸化物が種々の程
度に水化して生じる一連の酸のことであり、その具体例
としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン
酸、ピロリン酸、ポリリン酸等を挙げることができる。
好ましいリン酸類はポリリン酸である。リン酸類のアン
モニウム塩の例としては、正塩および水素塩を含む前記
リン酸類のアンモニウム塩を挙げることができる。好ま
しいリン酸類のアンモニウム塩はポリリン酸アンモニウ
ムである。
【0029】上記無機リン化合物(C)の中で最も好ま
しい化合物は、ポリリン酸アンモニウムである。
【0030】本発明の樹脂組成物はまた所望により充填
剤(D)を含むことができる。かかる充填剤の例として
はガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ロックウール、
炭素繊維等の無機繊維;芳香族ポリアミド繊維、ポリベ
ンツイミダゾール繊維等の有機繊維;ステンレス繊維、
黄銅繊維、アルミニウム亜鉛繊維等の金属繊維;ガラス
ビーズ、アスベスト、ベントナイト、ワラストナイト、
マイカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、シリカ、アルミ
ノシリケート、珪藻土等の無機化合物粒子;アルミニウ
ムフレーク、亜鉛フレーク等の金属粒子;ポリイミド粉
末等の有機化合物粒子等が挙げられる。これらの充填剤
のうち好ましい充填剤はガラス繊維である。
【0031】本発明の樹脂組成物における上記難燃性熱
可塑性樹脂(A)および非難燃性高分子化合物(B)の
配合割合は、該組成物に要求される耐熱性、流動性、耐
衝撃性、剛性等、目的に応じて任意に選ぶことができ、
特に制限はされないが、一般に、難燃性熱可塑性樹脂
(A)と非難燃性高分子化合物(B)の合計量を基準と
して表わした重量%で、難燃性熱可塑性樹脂(A)が2
0〜95%、好ましくは30〜90%、および非難燃性
高分子化合物(B)が80〜5%、好ましくは70〜1
0%である。無機リン化合物(C)の配合量は、難燃化
有効量、すなわち、得られる樹脂組成物の難燃性を高め
るに十分な量が必要であり、好ましくは上記難燃性熱可
塑性樹脂(A)と非難燃性高分子化合物(B)の合計量
100重量部当たり0.1〜30重量部、より好ましく
は0.2〜20重量部である。随意成分である充填剤
(D)は成分(A)および(B)の合計量100重量部
に対して0〜200重量部、好ましくは5〜160重量
部、の範囲で使用することができる。
【0032】本発明の樹脂組成物において使用してもよ
い相容化剤(E)とは、上記難燃性熱可塑性樹脂(A)
と非難燃性高分子化合物(B)との相溶性を高める作用
をする物質のことであり、その例としては、特公昭60
−11063号公報等に開示されているエポキシ化合
物、あるいは前記特開昭63−183954号公報、特
開平2−36261号公報等に開示されているポリフェ
ニレンエーテルとポリアミド等の結晶性熱可塑性樹脂と
のブレンドに用いられる相容化剤等が挙げられる。これ
らの明細書は引用によって本願明細書に含まれるものと
する。
【0033】これらの相容化剤(E)のうち好ましいも
のはポリイソシアネート類である。ここに、ポリイソシ
アネート類とは、一分子中に2個以上のイソシアネート
基および/またはイソチオシアネート基を有する有機化
合物のことである。かかるポリイソシアネート類の具体
例としてはm−フェニレンジイソシアネート、2,4−
トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイ
ソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’
−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、
ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニ
ルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニル
スルホン−4,4’−ジイソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネー
ト類;キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリ
イソシアネート類;4,4’−シクロヘキサンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、1,12−
ドデカンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類等およびこ
れらの混合物、並びにこれらに対応するイソチアシアネ
ート基を持った化合物を挙げることができる。また、こ
れらの2量体、3量体等の多量体型;カルボジイミド変
性型;フェノール類、ラクタム類等によってイソシアネ
ート基をマスクしたブロック型等のポリイソシアネート
変性体も本発明のポリイソシアネート類に含まれる。
【0034】上記ポリイソシアネート類のうちで好まし
いポリイソシアネート類は、芳香族ポリイソシアネート
類および脂肪族ポリイソシアネート類であり、より好ま
しいポリイソシアネート類は、2,4ートルイレンジイ
ソシアネート、2,6ートルイレンジイソシアネート、
4,4’ージフェニルメタンジイソシアネート、3,
3’ージメチルビフェニルー4,4’ージイソシアネー
ト、ジフェニルエーテルー4,4’ージイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソソアネートおよびイソホロン
ジイソシアネートであり、最も好ましいポリイソシアネ
ート類は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トおよびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネー
トである。
【0035】本発明の樹脂組成物において相容化剤
(E)が使用される場合、効果を有する使用割合につい
ては、その効果がそれ自身の種類に加えて、選択される
難燃性熱可塑性樹脂(A)と非難燃性高分子化合物
(B)の種類あるいはその組成等によって異なるため、
一概にその好適な範囲を定めることはできないが、一般
に、難燃性熱可塑性樹脂(A)と非難燃性高分子化合物
(B)の合計量100重量部に対して相容化剤(C)が
0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量
部、である。
【0036】本発明の樹脂組成物の製造法としては溶液
ブレンド、溶融混練等、従来公知の各種の方法が採用可
能であるが溶融混練が好ましい。溶融混練の方法として
は上記各成分をヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー、リボンブレンダー、Vブレンダー等の樹脂同士ある
いは樹脂と液体または固体の添加物を混合するために用
いられる公知の混合手段により混合し、均一な混合物と
なした後,該混合物をバンバリーミキサー、プラストミ
ル、ブラベンダープラストグラフ、一軸または二軸の押
出機等の混練手段を用いて混練する方法等を例示するこ
とができる。混練に際して、温度は150乃至400
℃、好ましくは200乃至350℃の範囲で選ばれる。
【0037】なお、相容化剤(E)を使用した場合、そ
の反応を促進せしめる触媒としての第3級アミン類、第
4級アンモニウム塩類、イミダゾール類等の添加は何ら
制限されるものではない。
【0038】本発明の樹脂組成物は所望により上記以外
の他の物質を広くこれを含むことができる。かかる他の
物質の例としては有機難燃剤、安定剤、可塑剤、滑剤等
が挙げられる。有機難燃剤の具体例としては芳香族リン
酸エステル類、臭素化エポキシ樹脂類等を、安定剤の具
体例としては立体障害性フェノール類、シュウ酸ジアジ
ド類、立体障害性アミン類等を、および滑剤の具体例と
してはポリエチレンワックス、パラフィン、長鎖脂肪
酸、長鎖脂肪酸金属塩等をそれぞれ挙げることができ
る。上記他の物質は目的に応じて任意にその配合割合を
選択できるのであるが、それらを使用する場合の一般的
な目安を示すならば、難燃性熱可塑性樹脂(A)と非難
燃性高分子化合物(B)の合計量100重量部に対して
10重量部以下である。
【0039】本発明による樹脂組成物の用途の例として
は電気・電子・OA分野における各種ケース、フレー
ム、コネクター、スイッチ、その他機構部品;自動車・
車両分野におけるマグネットフライホイール、ドアーミ
ラーステー、ランプリフレクター、シリンダーヘッドカ
バー、各種ギアー;機械分野における各種ハウジング、
プーリー、ハンドル等が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが本発明はかかる実施例によりその範囲を限定さ
れるものではない。以下の実施例および比較例で使用し
た略号の意味を次に示す。 PPE:クロロホルム中30℃で測定した極限粘度が
0.46dl/gであるポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル)。 PPS−A:直鎖型ポリフェニレンスルフィド〔東レ・
フィリップスペトローリアム(株)製:ライトンE18
80〕。 PPS−B:架橋型ポリフェニレンスルフィド〔東レ・
フィリップスペトローリアム(株)製:ライトンM29
00〕。 PES:ポリ(オキシ−フェニレン−スルホニル−フェ
ニレン)〔英国ICI社製:ビクトレクス4100
P〕。 cMDI:ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネ
ート〔住友バイエルウレタン(株)製:スミジュール4
4V20〕。 TPP:トリフェニルホスフェート。 SEBS:部分水添スチレン−ブタジエン−スチレント
リブロック共重合体〔シェル化学製:クレイトンG16
51〕。 GF:繊維長3mmのガラス繊維〔日本硝子繊維(株)
製:TP75〕。 TALC:タルク〔林化成(株)製:ミクロンホワイト
5000E〕。 C−1:五酸化リン〔試薬一級〕。 C−2:ポリリン酸〔試薬一級〕。 C−3:ポリリン酸アンモニウム〔住友化学工業(株)
製:スミセーフP〕。
【0041】なお、実施例中の各測定に供する試験片は
射出成形機を用い、成形温度320〜340℃、金型温
度140℃の条件で射出成形し作成した。アイゾット衝
撃強度は厚み3.2mmの試験片についてASTM D
256に準じて23℃で測定した値である。また、熱変
形温度(HDT)は18.6kg/cm2 荷重の条件で
ASTM D648に準じて測定した値である。難燃性
の評価は、幅1/2インチ、長さ5インチ、厚み1/3
2インチの試験片について、米国のアンダーライターズ
・ラボラトリーズの規格のサブジェクト94(UL 9
4)に準じて行なった。
【0042】実施例1 上流側の端および中央の二箇所に供給口を備えた50m
m径二軸押出機〔東芝機械(株)製:TEM−50〕の
上流側の供給口からPPE 30重量部およびPPS−
A 50重量部からなる配合物を、また中央の供給口か
らPPS−A20重量部およびC−1 5重量部からな
る配合物をそれぞれこの比率を保ちながら連続的に供給
し、バレル温度320℃の条件で押し出した。押し出さ
れたストランドをペレット化し、本発明の樹脂組成物を
得た。該組成物のノッチ無しアイゾット衝撃強度、HD
Tおよび難燃性を表1、表2に示す。
【0043】実施例2〜3 C−1を表2の成分(C)に代えた以外は実施例1と同
様に操作し、樹脂組成物を得た。該組成物についての実
施例1と同様の結果を表1、表2に示す。
【0044】比較例1 C−1を用いない以外は実施例1と同様に操作し、樹脂
組成物を得た。該組成物についての実施例1と同様の結
果を表1、表2に示す。
【0045】実施例4 実施例1における二軸押出機を用いて、上流側の供給口
からPPE 35重量部、PPS−A 50重量部およ
びcMDI 3重量部からなる配合物を、また中央の供
給口からPPS−A 15重量部およびC−3 5重量
部からなる配合物をそれぞれこの比率を保ちながら連続
的に供給し、バレル温度320℃の条件で押し出した。
押し出されたストランドをペレット化し、本発明の樹脂
組成物を得た。該組成物についての実施例1と同様の結
果を表1、表2に示す。
【0046】実施例5 実施例1における二軸押出機を用いて、上流側の供給口
からPPE 34重量部、PPS−A 40重量部およ
びcMDI 3重量部からなる配合物を、また中央の供
給口からPPS−A 11重量部、SEBS 15重量
部およびC−310重量部からなる配合物をそれぞれこ
の比率を保ちながら連続的に供給し、バレル温度320
℃の条件で押し出した。押し出されたストランドをペレ
ット化し、本発明の樹脂組成物を得た。該組成物につい
ての実施例1と同様の結果を表1、表2に示す。
【0047】比較例2 C−3 10重量部の代わりにTPP 10重量部を用
いた以外は実施例5と同様に操作し、樹脂組成物を得
た。該組成物についての実施例1と同様の結果を表1、
表2に示す。
【0048】実施例6 実施例1における二軸押出機を用いて、上流側の供給口
からPPE 30重量部、PES 50重量部およびc
MDI 3重量部からなる配合物を、また中央の供給口
からPES 20重量部およびC−3 5重量部からな
る配合物をそれぞれこの比率を保ちながら連続的に供給
し、バレル温度320℃の条件で押し出した。押し出さ
れたストランドをペレット化し、本発明の樹脂組成物を
得た。該組成物についての実施例1と同様の結果を表
1、表2に示す。
【0049】比較例3 C−3を用いない以外は実施例4と同様に操作し、樹脂
組成物を得た。該組成物についての実施例1と同様の結
果を表1、表2に示す。
【0050】参考例1 PPE 40重量部、PPS−B 60重量部およびc
MDI 3重量部からなる配合物を実施例1における二
軸押出機の上流側の供給口から連続的に供給し、バレル
温度320℃の条件で押し出した。押し出されたストラ
ンドをペレット化し、樹脂組成物を得た。これを予備混
練物とする。
【0051】実施例7〜9、比較例4〜5 65mm径一軸押出機を用いて参考例1で得られた予備
混練物 100重量部、並びに表3に示す成分(C)お
よび成分(D)からなる配合物をバレル温度320℃の
条件で押し出した。押し出されたストランドをペレット
化し、樹脂組成物を得た。該組成物のノッチ付きアイゾ
ット衝撃強度、HDTおよび難燃性を表4に示す。
【0052】
【表1】 a)70部のうち50部は上流の供給口から、そして2
0部は中央の供給口から供給した。 b)65部のうち50部は上流の供給口から、そして1
5部は中央の供給口から供給した。 c)51部のうち40部は上流の供給口から、そして1
1部は中央の供給口から供給した。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】以上述べたように本発明の樹脂組成物は
その優れた難燃性と耐熱性が生かされて押出し成形、射
出成形、ブロー成形等の種々の成形法によって成形さ
れ、有用な各種樹脂製品として世の中に供給されるので
あり、その工業的価値はすこぶる大である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQP 9167−4J 73/00 LQQ 9167−4J 77/00 LQR 9286−4J 81/02 LRG 7308−4J 81/06 LRF 7308−4J

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)難燃性熱可塑性樹脂、(B)非難燃
    性熱可塑性樹脂および非難燃性エラストマーから成る群
    から選ばれる非難燃性高分子化合物、難燃化有効量の
    (C)リン酸化物、リン酸類およびリン酸類のアンモニ
    ウム塩から成る群から選ばれる無機リン化合物、並びに
    所望により(D)充填剤からなることを特徴とする難燃
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)難燃性熱可塑性樹脂 20〜95重
    量%、および(B)非難燃性熱可塑性樹脂および非難燃
    性エラストマーから成る群から選ばれる非難燃性高分子
    化合物 80〜5重量%からなる混合物 100重量部
    に対して(C)リン酸化物、リン酸類およびリン酸類の
    アンモニウム塩から成る群から選ばれる無機リン化合物
    0.1〜30重量部、並びに(D)充填剤 0〜20
    0重量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の樹脂組成物に対し
    て、さらに成分(A)と成分(B)の合計量100重量
    部当たり0.01〜10重量部の(E)相容化剤を配合
    してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A)難燃性熱可塑性樹脂が、一般式化1
    (式中、Arは2価の芳香族残基を表わし、Xは−O
    −、−S−、−CO−、−SO2 −、−COO−および
    −CONH−から成る群から選ばれる2価の基を表わ
    す。)で表わされる構造の1種以上の繰り返し単位から
    成る重合体である請求項1または2記載の難燃性樹脂組
    成物。 【化1】
  5. 【請求項5】一般式化1で表わされる構造の1種以上の
    繰り返し単位から成る重合体が、ポリフェニレンスルフ
    ィド、ポリ(オキシ−フェニレン−スルホニル−フェニ
    レン)、ポリ(チオ−フェニレン−スルホニル−フェニ
    レン)、ポリ(オキシ−フェニレン−スルホニル−フェ
    ニレン−オキシ−フェニレン−イソプロピリデン−フェ
    ニレン)、ポリ(オキシ−フェニレン−スルホニル−ビ
    フェニレン−スルホニル−フェニレン)、ポリ(オキシ
    −フェニレン−カルボニル−フェニレン)、ポリ(オキ
    シ−フェニレン−カルボニル−フェニレン−オキシ−フ
    ェニレン)およびポリ〔オキシ−(フェニレン−ビスフ
    タルイミジール)−オキシ−フェニレン−イソプロピリ
    デン−フェニレン〕から成る群から選ばれる重合体であ
    る請求項4記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(B)非難燃性熱可塑性樹脂が、ポリフェ
    ニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボ
    ネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチ
    レン系樹脂、オレフィン系樹脂およびアクリル系樹脂か
    ら成る群から選ばれる熱可塑性樹脂である請求項1また
    は2記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】(B)非難燃性エラストマーが、エポキシ
    基、カルボキシル基および酸無水物基から成る群から選
    ばれる官能基の1種以上を含有するオレフィン系重合体
    エラストマー並びにアルケニル芳香族炭化水素重合体の
    ブロックおよび脂肪族炭化水素重合体のブロックから成
    るブロックコポリマーから成る群から選ばれるエラスト
    マーである請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(B)非難燃性高分子化合物が、ポリフェ
    ニレンエーテル樹脂並びにアルケニル芳香族炭化水素重
    合体のブロックおよび脂肪族炭化水素重合体のブロック
    から成るブロックコポリマーの混合物である請求項1ま
    たは2記載の難燃性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】(C)リン酸類のアンモニウム塩がポリリ
    ン酸アンモニウムである請求項1または2記載の難燃性
    樹脂組成物。
  10. 【請求項10】(E)相容化剤がポリイソシアネート類
    である請求項3記載の難燃性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】充填剤(D)の含有量が5〜160重量
    部である請求項2記載の難燃性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】充填剤(D)がガラス繊維である請求項
    11記載の難燃性樹脂組成物。
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