JPH0614533Y2 - コードレス電話機のハンドセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はコードレス電話機のハンドセットに関し、特
にたとえばアンテナを通して親機すなわち公衆回線に接
続される、コードレス電話機のハンドセットに関する。

〔従来技術〕

コードレス電話機のハンドセットには、従来は伸縮式ロ
ッドアンテナが用いられていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来技術では、ハンドセットの使用時にはロッドアンテ
ナを伸ばし、不使用時には縮めるといった動作が必要と
なり、取り扱いが面倒であった。また、アンテナの伸縮
が段階式であるので折れ易く、さらにコストが高くつく
という問題点があった。

それゆえに、この考案の主たる目的は、取り扱いが簡単
であり、構造が頑丈であり、かつ安価なアンテナを用い
た、コードレス電話機のハンドセットを提供することで
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、２つ割りの上ケースおよび下ケースを含
み、回路基板を収納した状態で上ケースおよび下ケース
をはめ合わせるコードレス電話機のハンドセットであっ
て、上ケースおよび下ケースの一方の内部表面に導電塗
料の塗布または金属蒸着等によって形成されるシート状
アンテナ、および回路基板上に設けられて給電点を構成
するばねを含み、上ケースおよび下ケースをはめ合わせ
たときに、ばねがシート状アンテナに接触するようにし
た、コードレス電話機のハンドセットである。

〔作用〕

たとえば下ケースの内部表面に、導電塗料の塗布または
金属の蒸着によって、シート状アンテナを形成する。内
部回路を構成する回路基板を収納した状態で、上ケース
と下ケースとをはめ合わせると回路基板上の給電点であ
るばねがシート状アンテナに接触する。したがって、シ
ート状アンテナに内部回路たとえばアンテナ共用器（Ｔ
Ｘ−ＲＸフィルタ）が接続される。したがって、ハンド
セットからの親機への送信および親機から受信は、シー
ト状アンテナを通して行われる。

〔考案の効果〕

この考案によれば、アンテナが定形的なシート状をして
いるので、アンテナの伸縮は不要であるとともに、ま
た、アンテナが折れるということもない。したがって、
この考案によれば、取り扱いが簡単で、構造が頑丈であ
り、かつ安価なアンテナを用いた、コードレス電話機の
ハンドセットが得られる。

また、上ケースと下ケースとをはめ合わせるだけで、シ
ート状アンテナを給電点に接続できるので、完全な送受
信回路を簡単に組み立てることができる。

この考案の上述の目的，その他の目的，特徴および利点
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。

〔実施例〕

第１Ａ図および第１Ｂ図はこの考案の一実施例を示す図
解図である。この実施例のハンドセット１０は、たとえ
ばプラスチックで形成されたケース１２を含む。ケース
１２は上ケース１２ａと下ケース１２ｂとによって形成
される。そして、下ケース１２ｂの内面一方端、たとえ
ば上ケース１２ａと下ケース１２ｂとを嵌め合わせたと
き、受話器部分と重なる位置には、たとえば銅，ニッケ
ル等の導電塗料を塗布することによって、シート状アン
テナ１４が形成される。シート状アンテナ１４は、その
平面形状はたとえば略正方形に形成される。

一方、第２図に示すように、内部回路２０を構成する回
路基板１６上には線状スプリング１８が形成され、この
線状スプリング１８が給電点として作用する。そして、
線状スプリング１８がシート状アンテナ１４に接触する
ように回路基板１６を下ケース１２ｂ内に配置し、上ケ
ース１２ａと下ケース１２ｂとがはめ合わされる。

このようにして、シート状アンテナ１４が第３図に示す
ように内部回路２０と接続される。すなわち、内部回路
２０はローディングコイル２２を含み、このローディン
グコイル２２を通して、アンテナ共用器（ＴＸ−ＲＸフ
ィルタ）２４が線状スプリング１８すなわちシート状ア
ンテナ１４に接続される。なお、アンテナ共用器２４に
は、受信回路２６および送信回路２８が接続される。そ
して、シート状アンテナ１４を通して受信された電気信
号は、受信回路２６によって復調されて、音声信号とし
て受話器に入力される。一方、送話部分から入力された
音声信号は、送信回路２８において変調されて、シート
状アンテナ１４を通して親機（図示せず）に送信され
る。

一例として、シート状アンテナ１４を、たとえば銅，ニ
ッケル等の導電塗料によって、厚み＝３０〜５０μｍ、
面積＝約５００mm²に形成して、このようなシート状ア
ンテナ１４を用いたハンドセット１０が実用に耐えられ
るかどうかを実験したところ、その結果は以下のようで
あった。

なお、実験条件としては、周波数帯：送信＝49MHz帯、
受信＝46MHz帯とし、交信可能かどうかは、平坦地で、
Ｓ／Ｎ比が実用上必要とされる２０dB以上あるかどうか
で判断した。

最伸長が約300mmの従来の５段伸縮式ロッドアンテナの
場合、その交信可能距離は250mであったのに対し、この
実施例のシート状アンテナでは交信可能距離は190mであ
り、十分実用可能であることがわかった。

なお、シート状アンテナ１４を導電塗料に代えてアルミ
ニウム等の金属の真空蒸着によって形成してもよく、こ
のようにして蒸着されたシート状アンテナ１４を用い
て、上述の実験をしたときも同様の実験結果が得られ
た。

また、上述の実施例では、給電点を形成するために線状
スプリング１８を回路基板１６上に形成した。しかしな
がら、このような給電点を形成するためには、たとえば
第４図に示すような金属片３０が用いられてもよい。

このように、この考案は上述のように多くの変形が可能
であるが、実際にはさらに異なる変形が可能である。た
とえば、シート状アンテナ１４の形成場所は、実施例に
限定されないし、またシート状アンテナ１４の平面形状
もまた略正方形に限定されない。

なお、シート状アンテナ１４はケース内部表面に形成さ
れるため、回路基板上の他の導体と接近し易くなるの
で、その影響を受けないようにするためには、シート状
アンテナ１４と他の導体との間には一定以上のエアギャ
ップが必要であろう。上述の実験では、そのようなエア
ギャップを約１５mmとした。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図および第１Ｂ図はこの考案の一実施例を示す図
解図であり、第１Ａ図は外観図、第１Ｂ図はシート状ア
ンテナを形成した状態を示す図解図である。 第２図は給電点としての線状スプリングを示す斜視図で
ある。 第３図はこの実施例の内部回路とシート状アンテナとの
接続を示すブロック図である。 第４図は給電点としての金属片を示す斜視図である。 図において、１０はハンドセット、１２はケース、１４
はシート状アンテナ、２０は内部回路を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２つ割りの上ケースおよび下ケースを含
   み、回路基板を収納した状態で前記上ケースおよび前記
   下ケースをはめ合わせるコードレス電話機のハンドセッ
   トであって、 前記上ケースおよび前記下ケースの一方の内部表面に導
   電塗料の塗布または金属蒸着等によって形成されるシー
   ト状アンテナ、および 前記回路基板上に設けられて給電点を構成するばねを含
   み、 前記上ケースおよび前記下ケースをはめ合わせたとき
   に、前記ばねが前記シート状アンテナに接触するように
   した、コードレス電話機のハンドセット。