JPH061432U - 地下トンネルの排砂装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 堆積砂の固さによる作業性の低下を防止でき
る上に、トンネル底面の損傷を防止できる。さらに地下
トンネルの長さ、深度に関係なく排砂能力を維持する。 【構成】 上流側のバルブ１６を開き、下流側のバルブ
１６を閉じる一方、高圧水ポンプ４から吐出される高圧
水を高圧送水管１→高圧水ホース６→砂収集車１１の各
高圧水噴射ノズルを経て地下トンネルの砂に向かい噴射
して、堆積砂を泥水化させる。砂収集車１１の高圧水ジ
エットポンプは、上記泥水を吸引する一方、吸引した泥
水を排砂ホース７→排砂管２→上流側の逆止弁１７→外
部へ排出する。そして高圧水送水管１内を流れる高圧水
の一部を一定区間毎に設けた高圧水ジエットポンプ１０
と、地下トンネルから垂直に立ち上がった外部連絡口の
下部を通る高圧送水管１部分に設けた高圧水ジエットポ
ンプ１０とを経て排砂管２へ送り、排砂管２内の排砂圧
力を昇圧させて、排砂能力を維持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、地下トンネル、例えば送水及び貯水用地下トンネルの排砂装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の地下トンネルの排砂装置を図４により説明すると、１が小型ブルドーザ 、２がコンベアで、人力または小型ブルドーザ１により、地下トンネル内の砂を コンベア２へ渡し、それから連続的に配設した各コンベア２を経て地上へ排砂す るようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記図４に示す従来の地下トンネルの排砂装置では、地下トンネル内の砂を人 力により回収する場合、多くの作業員を必要として、作業能率が極めて悪い。 また小型ブルドーザ１を使用する場合は、掬い取った砂をその都度、コンベア ２へ渡す必要があり、回収作業を連続的に行うことができない。また排砂作業の 進行に伴いコンベア２の継ぎ足し作業を必要とし、この場合にも、作業能率が悪 くて、相当の工期を必要とするという問題があった。

【０００４】 本考案は前記の問題点に鑑み提案するものであり、その目的とする処は、作 業能率を向上できて、工期を短縮できる上に、経費を低減できる。堆積砂の固さ による作業性の低下を防止できる上に、トンネル底面の損傷を防止できる。さら に地下トンネルの長さ、深度に関係なく排砂能力を維持できる地下トンネルの排 砂装置を提供しようとする点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の地下トンネルの排砂装置は、地下トン ネル内に高圧送水管と排砂管と電源リール用レールとを設け、地下トンネル外に 高圧水ポンプとエンジン付発電機等の電源設備と高圧送水管用仮設配管と排砂管 用仮設配管とを設け、上記高圧送水管及び排砂管の一定区間毎に設けた接続点に 可撓性の高圧水ホース及び排砂ホースを着脱自在に取付け、上記高圧送水管の各 接続点の下流側にバルブを設け、上記排砂管の各接続点の下流側に逆止弁を設け 、高圧水ジエットポンプの吸引口を上記高圧送水管の各接続点の上流側に接続す るとともに同高圧水ジエットポンプの吐出口を上記排砂管に接続し、地下トンネ ルから垂直に立ち上がった外部連絡口の下部を通る高圧送水管部分に高圧水ジエ ットポンプを設け、地下トンネル内の砂収集車の後部に上記高圧水ホース及び排 砂ホースを巻取る巻取装置を設け、同砂収集車の前部に高圧水のジエット噴射に より砂を泥状にして上記高圧水ポンプの吸引力により吸引する砂吸引装置を設け 、上記電源リール用レールに複数個の仮設電源リールを移動可能に支持するとと もに上記電源設備と上記砂収集車とを接続する仮設電源ケーブルを同各仮設電源 リールにより支持している。

【０００６】

【作用】

本考案の地下トンネルの排砂装置は前記のように構成されており、上流側のバ ルブを開き、下流側のバルブを閉じる一方、高圧水ポンプから吐出される高圧水 を高圧送水管用仮設配管→高圧送水管→下流側の接続点→高圧水ホース→砂収集 車の各高圧水噴射ノズル→地下トンネルの砂に向かい噴射して、堆積砂を泥水化 させる。このとき、上記高圧水ホースは、砂収集車の高圧水ジエットポンプにも 高圧水を送っており、同高圧水ジエットポンプは、上記泥水を吸引する一方、吸 引した泥水を排砂ホース→接続点→排砂管→上流側の逆止弁→排砂管用仮設配管 →外部へ排出する。そして高圧水送水管内を流れる高圧水の一部を一定区間毎に 設けた高圧水ジエットポンプと、地下トンネルから垂直に立ち上がった外部連絡 口の下部を通る高圧送水管部分に設けた高圧水ジエットポンプとを経て排砂管へ 送り、排砂管内の排砂圧力を昇圧させて、地下トンネルの長さ、深度に関係なく 排砂能力を維持する。

【０００７】

【実施例】 次に本考案の地下トンネルの排砂装置を図１〜図３に示す一実施例により説明 すると、地下トンネル内に高圧送水管１と排砂管２と電源リール用レール３とを 設けている。 地下トンネル外に高圧水ポンプ４とエンジン付発電機等の電源設備５と高圧送 水管用仮設配管１’と排砂管用仮設配管２’とを設けている。

【０００８】 高圧送水管１及び排砂管２の一定区間毎に設けた接続点８、９に可撓性の高圧 水ホース６及び排砂ホース７を着脱自在に取付けている。 高圧送水管１の接続点８の下流側にバルブ１６を設け、排砂管２の接続点９の 下流側に逆止弁１７を設けている。 高圧水ジエットポンプ１０の吸引口を高圧送水管１の接続点８の上流側に接続 するとともに同高圧水ジエットポンプ１０の吐出口を上記排砂管２に接続してい る。

【０００９】 地下トンネルから垂直に立ち上がった外部連絡口の下部を通る高圧送水管１部 分に高圧水ジエットポンプ１０を設けている。 地下トンネル内の砂収集車１１の後部に高圧水ホース６及び排砂ホース７を巻 取る巻取装置１２を設け、同砂収集車１１の前部に高圧水のジエット噴射により 砂を泥状にして高圧水ポンプ１０の吸引力により吸引する砂吸引装置１３を設け ている。

【００１０】 電源リール用レール３に複数個の仮設電源リール１４を移動可能に支持すると ともに電源設備５と作業用機器とを接続する仮設電源ケーブル１５を同各仮設電 源リール１４により支持している。 上記高圧水送水管１は、地下トンネル内の側壁に設けた凹部に設置されており 、一定区間毎に設けた高圧水ジエットポンプ（吐出口が排砂管２に接続した高圧 水ジエットポンプ）１０と、砂収集車１１に設けた高圧水ジエットポンプ（吐出 口が排砂ホース７に接続した高圧水ジエットポンプ）１０’と、地下トンネルか ら垂直に立ち上がった外部連絡口の下部を通る高圧送水管１部分に設けた高圧水 ジエットポンプ（吐出口が排砂管２に接続した高圧水ジエットポンプ）１０とに 高圧水の一部を送るようになっている。

【００１１】 上記排砂管２は、地下トンネル内の側壁に設けた凹部に設置されており、砂収 集車１１からの泥水を外部へ連続的に排出するようになっている。 上記各仮設電源リール１４には、図２に示すように仮設電源ケーブル１５が巻 付けられている。そして各電源リール用レール３にモノレール式に懸垂支持され ており、仮設電源ケーブル１５を延長させながら排砂作業用電力を供給するよう になっている。

【００１２】 上記砂収集車１１の砂吸引装置１３は、図３に示すように上下方向（矢印参照 ）に揺動可能な案内板１１’、１１’と、同各案内板１１’から内側に向かい開 口した各高圧水噴射ノズル１８と、同各ノズル１８間の中央部に向かい開口した 高圧水ジエットポンプ１０’とにより構成されており、この高圧水ジエットポン プ１０’は、その吸引口から泥水を吸引して、吐出口から排砂ホース７へ吐出す るようになっている。そして同砂収集車１１の後部には、可撓性の高圧水ホース ６及び排砂ホース７を砂収集車１１の運行に伴い巻取ったり、繰り出したりして 、これらの高圧水ホース６及び排砂ホース７を弛ませないようにする巻取装置１ ２が設けられている。

【００１３】 次に前記図１〜図３に示す地下トンネルの排砂装置の作用を具体的に説明する 。上流側のバルブ１６を開き、下流側のバルブ１６を閉じる一方、高圧水ポンプ ４から吐出される高圧水を高圧送水管用仮設配管１’→高圧送水管１→下流側の 接続点８→高圧水ホース６→砂収集車１１の各高圧水噴射ノズル１８→地下トン ネルの砂に向かい噴射して、堆積砂を泥水化させる。このとき、上記高圧水ホー ス６は、砂収集車１１の高圧水ジエットポンプ１０’にも高圧水を送っており、 同高圧水ジエットポンプ１０’は、上記泥水を吸引する一方、吸引した泥水を排 砂ホース７→接続点９→排砂管２→上流側の逆止弁１７→排砂管用仮設配管２’ →外部へ排出する。

【００１４】 このとき、高圧水送水管１内を流れる高圧水の一部を一定区間毎に設けた高圧 水ジエットポンプ１０と、地下トンネルから垂直に立ち上がった外部連絡口の下 部を通る高圧送水管１部分に設けた高圧水ジエットポンプ１０とを経て排砂管２ へ送り、排砂管２内の排砂圧力を昇圧させて、作業の進捗に伴い長くなる地下ト ンネルの長さや深度に関係なく排砂能力を維持する。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の地下トンネルの排砂装置は前記のように上流側のバルブを開き、下流 側のバルブを閉じる一方、高圧水ポンプから吐出される高圧水を高圧送水管用仮 設配管→高圧送水管→下流側の接続点→高圧水ホース→砂収集車の各高圧水噴射 ノズル→地下トンネルの砂に向かい噴射して、堆積砂を泥水化させる。このとき 、上記高圧水ホースは、砂収集車の高圧水ジエットポンプにも高圧水を送ってお り、同高圧水ジエットポンプは、上記泥水を吸引する一方、吸引した泥水を排砂 ホース→接続点→排砂管→上流側の逆止弁→排砂管用仮設配管→外部へ排出する ので、地下トンネル内の堆積砂を連続的に、自動的に排出できて、前記従来の排 砂装置に比べると、作業能率を向上できて、工期を短縮できる上に、経費を低減 できる。

【００１６】 また使用する機器が配管類、レール、高圧ジエットポンプ等であり、使用機器 に回転部がないので、耐久性を向上できる。 また砂収集車に設けた高圧水ジエットポンプからの噴流を利用して、地下トン ネル内の砂を泥水化するので、堆積砂の固さによる作業性の低下を防止できる上 に、トンネル底面の損傷を防止できる。

【００１７】 また高圧水送水管内を流れる高圧水の一部を一定区間毎に設けた高圧水ジエッ トポンプと、地下トンネルから垂直に立ち上がった外部連絡口の下部を通る高圧 送水管部分に設けた高圧水ジエットポンプとを経て排砂管へ送り、排砂管内の排 砂圧力を昇圧させるので、地下トンネルの長さ、深度に関係なく排砂能力を維持 できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の地下トンネルの排砂装置の一実施例を
示す縦断側面図である。

【図２】同排砂装置の仮設電源リール部を示す正面図で
ある。

【図３】（ａ）は同排砂装置の砂収集車を示す平面図、
（ｂ）はその側面図である。

【図４】従来の地下トンネルの排砂装置を示す縦断側面
図である。

【符号の説明】

１ 高圧送水管 １’ 高圧送水管用仮設配管 ２ 排砂管 ２’ 排砂管用仮設配管 ３ 電源リール用レール ４ 高圧水ポンプ ５ 電源設備 ６ 高圧水ホース ７ 排砂ホース ８ 高圧送水管１の接続点 ９ 排砂官２の接続点 １０ 高圧水ジエットポンプ １０’ 砂吸引装置１３の高圧水ジエットポンプ １１ 砂収集車 １１’ 砂吸引装置１３の案内板 １２ 高圧水ホース６及び排砂ホース７の巻取装置 １３ 砂吸引装置 １４ 仮設電源リール １５ 仮設電源ケーブル １６ バルブ １７ 逆止弁 １８ 砂吸引装置１３の高圧水噴射ノズル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 地下トンネル内に高圧送水管と排砂管と
   電源リール用レールとを設け、地下トンネル外に高圧水
   ポンプとエンジン付発電機等の電源設備と高圧送水管用
   仮設配管と排砂管用仮設配管とを設け、上記高圧送水管
   及び排砂管の一定区間毎に設けた接続点に可撓性の高圧
   水ホース及び排砂ホースを着脱自在に取付け、上記高圧
   送水管の各接続点の下流側にバルブを設け、上記排砂管
   の各接続点の下流側に逆止弁を設け、高圧水ジエットポ
   ンプの吸引口を上記高圧送水管の各接続点の上流側に接
   続するとともに同高圧水ジエットポンプの吐出口を上記
   排砂管に接続し、地下トンネルから垂直に立ち上がった
   外部連絡口の下部を通る高圧送水管部分に高圧水ジエッ
   トポンプを設け、地下トンネル内の砂収集車の後部に上
   記高圧水ホース及び排砂ホースを巻取る巻取装置を設
   け、同砂収集車の前部に高圧水のジエット噴射により砂
   を泥状にして上記高圧水ポンプの吸引力により吸引する
   砂吸引装置を設け、上記電源リール用レールに複数個の
   仮設電源リールを移動可能に支持するとともに上記電源
   設備と上記砂収集車とを接続する仮設電源ケーブルを同
   各仮設電源リールにより支持したことを特徴とする地下
   トンネルの排砂装置。