JPH06142936A - 改善されたノズル組立体を具備するプラズマアークトーチ - Google Patents

改善されたノズル組立体を具備するプラズマアークトーチ

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JPH06142936A
JPH06142936A JP4247140A JP24714092A JPH06142936A JP H06142936 A JPH06142936 A JP H06142936A JP 4247140 A JP4247140 A JP 4247140A JP 24714092 A JP24714092 A JP 24714092A JP H06142936 A JPH06142936 A JP H06142936A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマアークトーチのノズル組立体のノズ
ルベースと下方ノズル部材との間に厳密な公差の水通路
を創出する。 【構成】 電極14、本体38、ノズル組立体12及び
外側カップシールド64を含むプラズマアークトーチ1
0において、ノズル組立体を金属製ノズルベース70と
金属製下方ノズル部材72とセラミック絶縁体110と
から構成する。金属製ノズルベース70は穿孔60を有
しそして取付け表面84及び切頭円錐外面90を有す
る。金属製下方ノズル部材72は開口62を有し、前記
取付け表面に締まり嵌めされ、ノズルベースの切頭円錐
外面から離間された内面96との間に精密な寸法の水通
路98を形成する。セラミック絶縁体110は下方ノズ
ル部材の外面に例えば接着されてダブルアーク発生を防
止しそしてトーチ作動中発生する熱及びプラズマから下
方ノズル部材を遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改善されたノズル組立
体を有するプラズマアークトーチに関するものであり、
特には金属質ノズルベース、該ノズルベースに止着され
る金属質下方ノズル部材及び該下方ノズル部材に止着さ
れそしてトーチ作動中ダブルアークの発生を防止しそし
て発生する熱及びプラズマから下方ノズル部材を遮断す
るため下方ノズル部材の表面に実質上沿って延在するセ
ラミック絶縁体を具備するプラズマアークトーチに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】工業的に利用されている先行技術のプラ
ズマアークトーチ設計例の一つにおいて、ノズル組立体
は、銅及び銅合金から作製されたノズルベース及びセラ
ミック材料から作製された下方ノズル部材を含んでい
る。下方ノズル部材は、ノズルベースに接合される。ノ
ズルベース及び下方ノズル部材は共に、電極により定義
される長手軸線と長手方向に整合する穿孔を含んでい
る。電極により発生せしめられる電気アークは、電極の
放電端から穿孔を通して下方ノズル部材の下側に位置す
る加工物まで伸延し、同時に電極とノズルベースとの間
で発生せしめられる気体渦流が穿孔を通して外方に加工
物へと流れるプラズマ流れを創出する。環状水通路が、
ノズルベースと下方ノズル部材との間に形成される。プ
ラズマアークを取り巻く関係で通路内に導入される水ジ
ェットがプラズマを絞って一層良好なトーチ操作を行わ
せる。
【0003】下方ノズル部材を構成するセラミックは、
この先行技術のプラズマアークトーチにおいては、セラ
ミックが切断中ダブルアークの発生を防止しそしてノズ
ル組立体をトーチ作動中発生する熱及びプラズマから遮
断(絶縁)することから所望される。例えば、切断中、
作業者は下方ノズル部材を加工物と不慮に接触状態に移
動する危険がある。もし下方ノズル部材が金属質材料か
ら形成されていると、トーチは接地して、アークトーチ
のアーク破損並びに熱損傷のもたらす危険がある。
【0004】追加的に、セラミック製下方ノズル部材
は、ノズル組立体からトーチ本体に取付けられる金属質
カップシールドへのダブルアークの発生を防止するため
に所望される。カップは下方ノズル部材における肩と係
合する唇を具備する前端を含んでいる。カップは、下方
ノズル部材及びノズルベースを定位置に保持する。代表
的に、カップは、電極と加工物との中間の電位にある。
カップを絶縁するためのセラミック製下方ノズルなしで
は、アークがカップにジャンプする可能性が大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】セラミック下方ノズル
部材は遮断(絶縁)作用を為しそしてダブルアークの発
生を防止するから有益であるけれども、セラミック材料
から形成された下方ノズル部材は幾つかの欠点を有す
る。セラミック材料は至当なコストで精密部品に機械加
工或いは成形することが困難である。厳密な公差(許容
差)が所望されるなら、高価につく成形、機械加工及び
仕上技術が採用されねばならない。こうした成形、機械
加工及び仕上技術が採用されないなら、下方セラミック
部材の望ましい同心性及び精密性を得ることが出来な
い。その結果、ノズル部材の大量生産中しばしば、下方
ノズル部材は所望されざる程の偏心度を有しそして下方
ノズル部材とノズルベースとの間の間隔は一貫せず、偏
心した不精確な水通路を形成することになる。水通路の
偏心は、トーチ作動中不定則な水スプレーパターンを生
みだし、切断表面にリップルが生じたり或いは斜切切断
縁が切断角度において変動する結果をもたらす。
【0006】追加的に、セラミック部品は、厳密な公差
の締まり嵌めに良く適合しない。従って、上記の先行技
術のトーチにおけるように、セラミック下方ノズルはノ
ズルベースに接着されねばならない。この接着は、公差
を大きくするので、金属−金属界面において一般に使用
される厳密な公差の締まり嵌めによる部材の固定程には
好ましくない。また、セラミック部品は代表的に表面仕
上げに乏しく、水スプレーパターンに不規則さを生み出
す。
【0007】本発明の課題は、ノズルベースと下方ノズ
ル部材との間に従来より一層同心性の水通路を創出する
ように、従来より厳密な製作公差をノズルベースと下方
ノズル部材との間に得ることを可能とするノズルベース
及びそれに固定される下方ノズル部材を開発することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下方ノズル部
材とノズルベースとの間に形成される水通路において従
来より小さな公差しか生じないように金属質材料から形
成された下方ノズル部材を具備するプラズマアークトー
チを提供する。
【0009】本発明は、共に金属質材料から形成された
ノズルベースと下方ノズル部材を具備しそして下方ノズ
ル部材がそれとノズルベースとを絶縁しそしてダブルア
ークの発生を防止するために下方ノズル部材の下面に止
着されるセラミック絶縁体を含むプラズマアークトーチ
を提供する。
【0010】本発明は、共に金属質材料から形成された
ノズルベースと下方ノズル部材を具備しそして下方ノズ
ル部材をノズルベースにプレス嵌めすることの出来るプ
ラズマアークトーチを提供する。
【0011】本発明は、ノズルベースと下方ノズル組立
体との間に一層厳密な作製公差を得るべく共に金属質材
料から形成されたノズルベースと下方ノズル部材を具備
するプラズマアークトーチ用のノズル組立体を提供す
る。
【0012】本発明は、下方ノズル組立体が下方ノズル
部材を遮断(絶縁)しそしてダブルアークの発生を防止
するために下方ノズル部材止着されるセラミック絶縁体
を含む、共に金属質材料から形成されたノズルベースと
下方ノズル部材を具備するプラズマアークトーチ用のノ
ズル組立体を提供する。
【0013】本発明は、下方ノズル部材をトーチ作動中
一層同心的な水通路を維持しそして不規則な水スプレー
パターンを防止するため厳密な公差で構成されるプラズ
マアークトーチを提供する。下方ノズル部材は金属質材
料から形成され、これは厳密な公差で作製できるから、
所望されざる従来技術の接着方法と比較してノズルベー
スに一層望ましい厳密な公差のプレス嵌めを可能とす
る。
【0014】詳しくは、本発明に従えば、プラズマアー
クトーチは、放電端を構成しそして長手軸線を定義する
電極を含んでいる。ノズルベースは、金属質材料から形
成されそして電極の放電端に隣り合って取付けられる。
ノズルベースは、長手軸線と整列しそしてプラズマを放
出する貫通穿孔を有する。ノズルベースは、外側取付け
表面と取付け表面に隣り合って位置決めされそして長手
軸線に向けて電極から離れる方向にテーパ付けされた切
頭円錐外面を具備する。
【0015】金属質材料から形成された下方ノズル部材
が取付け表面に固定される。下方ノズル部材は、長手軸
線と整列しそして穿孔に隣り合って位置決めされる開口
を有する。下方ノズル部材の内面は、ノズルベースの切
頭円錐外面から離間されて斜向した水通路を形成する。
【0016】セラミック絶縁体が、下方ノズル部材に固
定されそしてダブルアーク発生を防止しそしてトーチ作
動中発生する熱及びプラズマから下方ノズル部材を遮断
するために下方ノズル部材の外面に沿って延在する。一
具体例において、セラミック絶縁体は下方ノズル部材に
接着される。別の具体例において、セラミック絶縁体
は、セラミック絶縁体の肩及び下方ノズル部材における
肩と係合するO−リングにより下方ノズル部材上に保持
される。
【0017】トーチ作動中、電気アークは、電極から穿
孔及び開口を通して下方ノズル部材の下側に隣り合って
配置される加工物まで伸延する。気体渦流は、電極とノ
ズルベースとの間に発生せしめられて、穿孔及び開口を
通して加工物まで外方に噴出するプラズマ流れを創出す
る。液体ジェットが水通路に導入されそして水通路から
プラズマに向けて外方に噴射されて、プラズマが穿孔を
通過するに際してプラズマを包囲する。
【0018】好ましい具体例において、取付け表面は、
実質上環状形態を有しそして水通路と連通しそして水を
噴射する環状空間室を形成する段付きの垂直及び水平肩
を含む。好ましくは、下方ノズル部材は、取付け表面と
締まり嵌めするよう寸法づけられた環状カラー部分を含
んでいる。ノズルベースはまた、穿孔に向け電極から離
れる方向に内方にテーパづけられた切頭円錐内面を含ん
でいる。水通路はノズルベースと下方ノズル部材との間
に形成される垂直環状部を含んでいる。ノズルベースと
下方ノズル部材との間の距離は約0.0076〜0.2
54mm(0.003〜0.010インチである。下方
開口は約4.064〜4.318mm(0.160〜
0.170インチ)の範囲の直径を有する。切頭円錐外
面と内面との間の好ましい水通路間隔は、約0.254
〜0.508mm(0.010〜0.020インチ)の
範囲にある。
【0019】プラズマアークトーチはトーチ本体を含ん
でいる。外側カップシールドが、トーチ本体に取付けら
れそして唇を有する前端部を含んでいる。セラミック絶
縁体は環状肩を含みそして唇はセラミック絶縁体、下方
ノズル部材及びノズルベースを然るべく保持するために
セラミック絶縁体の環状肩と係合する。
【0020】好ましい具体例において、電極は、トーチ
本体により支持される細長い金属質ホルダを含んでい
る。ホルダは、長手軸線に沿う前面を有する。挿入体
が、そこに電位が印加されるに際して電子を放出するた
め空洞内に取付けられる。
【0021】
【作用】従来、ノズル組立体は、金属製ノズルベース及
びセラミック製下方ノズル部材と両者間に形成される水
通路により構成されていた。しかし、セラミック製下方
ノズル部材は精密に機械加工することが困難であるため
に、下方ノズル部材は所望されざる程の偏心度を有しそ
して下方ノズル部材とノズルベースとの間の間隔は一貫
せず、偏心した不精確な水通路を形成した。セラミック
部品はまた、厳密な公差の締まり嵌めに良く適合しなか
った。そこで、本発明では、金属製ノズルベースと、同
じく金属製下方ノズル部材とを使用する。その代わり、
セラミック絶縁体が、下方ノズル部材に固定されそして
ダブルアーク発生を防止しそしてトーチ作動中発生する
熱及びプラズマから下方ノズル部材を遮断するために下
方ノズル部材の外面に沿って延在するようにされる。ノ
ズルベースは、長手軸線と整列しそしてプラズマを放出
する貫通穿孔を有する。ノズルベースは、外側取付け表
面と取付け表面に隣り合って位置決めされそして長手軸
線に向けて電極から離れる方向にテーパ付けされた切頭
円錐外面を具備する。金属製下方ノズル部材が取付け表
面に固定される。下方ノズル部材は、長手軸線と整列し
そして穿孔に隣り合って位置決めされる開口を有する。
下方ノズル部材の内面は、ノズルベースの切頭円錐外面
から離間されて精密な寸法の水通路を形成する。
【0022】
【実施例】図面、特に図1を参照すると、本発明に従う
プラズマアークトーチ10が示される。プラズマアーク
トーチ10は、ノズル組立体12と長手軸線を定義する
チューブ状電極14とを含んでいる。電極14は好まし
くは、銅あるいは銅合金製であり、そして上方チューブ
状部材15と下方部材、即ちホルダ16から構成され
る。上方チューブ状部材15はまた、内面螺刻下方端部
分17を含んでいる。ホルダ16もまた、チューブ状構
造でありそして下方前端及び上方後端を含んでいる。横
断端壁18(図2)がホルダの前端を閉じ、外側前面2
0を形成する。ホルダの後端部は、外面を螺刻されそし
て上方チューブ状部材の下方端部分と螺合している。
【0023】ホルダ16は、後端において開放されてカ
ップ状形態をとりまた内部空洞24を構成する(図
2)。電子放射性の挿入体28が空洞24内に取付けら
れそして長手軸線と同軸に配置される。電子放射性の挿
入体28は、電位印加に際して容易に電子を放出するよ
うに好ましくは約2.7〜4.2eV範囲内の比較的低
い仕事関数を有する金属質材料から構成される。そうし
た材料の適当な例は、ハフニウム、ジルコニウム、タン
グステン及びその合金である。相対的に電子放射性でな
いスリーブ32が電子放射性の挿入体28と同軸に空洞
24内部に配置される。スリーブは、ホルダ材料よりも
大きな仕事関数を有しそしてまた挿入体材料より大きな
仕事関数を有する金属質材料より構成される。電極及び
挿入体に関してのもっと詳しい情報は米国特許第5,0
23,425号に記載されている。
【0024】図1に示した具体例においては、電極14
は、気体通路40及び液体通路42を具備するプラズマ
アークトーチ本体38内に取付けられる。トーチ本体3
8は外側絶縁ハウジング部材44により取り囲まれる。
【0025】チューブ46が、電極14の中央穿孔48
内部に電極を通して水のような液体媒体の循環のために
懸吊されている。チューブ46は、穿孔48の直径より
小さな直径を有して、水がチューブ46から放出される
に際して流れる間隙49を提供する。水は、源(図示な
し)からチューブ46を通してそして間隙49を通して
戻ってトーチ本体の開口へとそして後ドレンホース(図
示なし)へと流れる。液体通路42は、噴射水をノズル
組立体12に差し向け、ここで水は後に詳しく説明する
ようにプラズマアークを取り巻くための渦巻き流れに変
換される。
【0026】気体通路40は、気体を適当な源(図示な
し)から任意の適当な耐熱セラミック材料製の従来型式
の気体邪魔板54を通してそして入口穴58を経由して
気体空間室56内に差し向ける。入口穴58は気体を周
知の渦巻き方式で室56に流入せしめるように配列され
ている。気体は、室56からノズル組立体12のアーク
絞り穿孔60及び開口62を通して流出する。電極14
は、トーチ本体38に連結されるに際して、気体邪魔板
54及びセラミック耐熱製プラスチック絶縁部材55を
然るべく保持する。部材55がノズル組立体12を電極
14から電気的に絶縁する。外側カップシールド64
が、トーチ本体に螺着されそしてノズル組立体と係合し
て、ノズル組立体を然るべく保持すると共にノズル組立
体の構成部品を保護する。
【0027】図2を参照すると、ノズル組立体12が詳
細に例示されている。ノズル組立体12は、ノズルベー
ス70と下方ノズル部材72とを含んでいる。ノズルベ
ース70は銅乃至銅合金から形成されそして実質上円筒
状の胴体部分を含んでいる。アーク絞り穿孔60がノズ
ルベースの下端部を貫通して伸延しそして電極により定
義される長手軸線と整列している。穿孔60は、電極に
近い側に配置される第1穿孔区画76と穿孔の出口端を
構成しそして第1穿孔区画の直径より大きな直径を有す
る第2穿孔区画78を含んでいる。2つの穿孔区画7
6、78は、一層制御されたプラズマ放出流れを提供す
る。
【0028】ノズルベース70は、電極から離れる方向
に穿孔60に向けて内方にテーパづけられた、面取りさ
れた切頭円錐内面80を含んでいる。この内面80もま
た、トーチ作動中アークを絞る。ノズルベース70の上
方部分は、セラミック製気体邪魔板54と係合するよう
に寸法づけられた内部段付き肩82を含んでいる。ノズ
ルベースの外面は、段付き垂直及び水平肩部分86、8
8を含む、全体を84で示される環状取付け表面を含ん
でいる。段付き垂直及び水平型部分86、88の下側に
は、垂直表面89が伸延し、続いて電極から離れる方向
に長手軸線に向けて下方にテーパづけられた切頭円錐外
面90が伸延している。
【0029】下方ノズル部材72は、金属質材料、好ま
しくは快削黄銅から形成される円筒状胴体部を含んでい
る。下方ノズル部材の上方部分は、ノズルベースに配置
される垂直取付け用肩86と締まり嵌めするよう寸法付
けられた環状カラー部分92を含んでいる。下方ノズル
部材は、長手軸線と整列しそして穿孔に隣り合って位置
付けされるプラズマ放出のための開口62を備えてい
る。テーパ付けられた内面96が、ノズルベースの切頭
円錐外面90から離間されて、下方に傾斜した水通路9
8を形成する。下方ノズル部材は水平肩部分から離間さ
れた肩部分を含んでおり、水通路と連通する環状空間室
100を形成し、そこを通して水は、液体通路42から
そして下方ノズル部材のカラー部分92に形成された水
噴出オリフィス102を通して噴出される。
【0030】下方ノズル部材72は、ノズルベース70
と下方ノズル部材72との間に形成される水通路98に
おいて垂直環状部104が形成されるように内部垂直肩
を備えるよう形状付けられている。垂直環状部104に
おけるノズルベース70と下方ノズル部材72との間の
間隔は、約0.076〜0.254mm(0.003〜
0.010インチ)である。約0.159±0.03m
m(0.00625±0.00125インチ)の寸法を
有する構造が有益であることが見出された。下方開口6
2は約4.06〜4.32mm(0.160〜0.17
0インチ)の範囲の直径を有する。水通路の傾斜部分を
形成するノズルベース90の切頭円錐外面と下方ノズル
部材の内面との間の間隔は、約0.254〜5.08m
m(0.010〜0.200)インチの範囲である。
【0031】110で全体を示されるセラミック絶縁体
が、下方ノズル部材に止着されそして下方ノズル部材の
外面に実質上沿って延在する。セラミック絶縁体は、ダ
ブルアークの発生を防止しそして下方ノズル部材をトー
チ作動中発生する熱及びプラズマから遮断(絶縁)す
る。図1及び2に例示した具体例においては、セラミッ
ク絶縁体110は下方ノズル部材の外面に接着される。
セラミック絶縁体の内面自体は水通路を形成しないか
ら、下方ノズル部材をセラミック材料から構成した従来
のアークトーチに比較して、セラミック絶縁体は粗い荒
い公差で作製しても差し支えなく、従ってコストを低減
する。O−リング11がセラミック絶縁体と下方ノズル
部材との間のシールを創出して、接合剤が所望ほどに密
封性でない場合に放出された水が両者間に通入するのを
防止する。
【0032】外側カップ状シールド64はその前端に唇
112を有する(図1)。唇112は、セラミック絶縁
体における環状肩114と係合しそしてセラミック絶縁
体、下方ノズル部材及びノズルベースをセラミック製気
体邪魔板に当接して然るべく保持する。
【0033】図3に例示した第2の具体例においては、
セラミック絶縁体は、セラミック絶縁体と下方ノズル部
材における肩に係合するO−リング116により然るべ
く保持される。O−リングはシリコーンゴムやネオプレ
ンのような様々の材料から形成されうる。セラミック絶
縁体は、下方ノズル部材に押接され、O−リングを圧縮
してセラミック絶縁体を下方ノズル部材に密着して保持
する。外側カップシールド64が取り外されると、セラ
ミック絶縁体は容易に取り外すことができる。Oーリン
グ116は、セラミック絶縁体を然るべく保持するのみ
ならず、セラミック絶縁体と下方ノズル部材との間を密
閉して水が両者間に通入するのを防止する。
【0034】電源(図示無し)が、トーチ電極14に金
属加工物と直列回路関係で接続される。金属加工物は代
表的には接地される。操作において、プラズマアーク
は、アークのカソード端子として作用するトーチ10の
電子放射性の挿入体と加工物との間に確立される。加工
物は、電源のアノードに接続されそして下方ノズル部材
の下側に位置する。プラズマアークは、電極14とノズ
ル組立体12との間にパイロットアークを瞬時的に確立
することにより従来態様で始動される。その後、アーク
は、加工物まで移行されそしてアーク絞り穿孔及び開口
を通して噴出される。アークは穴を通過するに際して増
強されそして水の渦巻き流れがプラズマを包囲する。
【0035】
【発明の効果】下方ノズル部材72が金属質材料から形
成されそしてノズルベース70に厳密な公差でもってプ
レス嵌めされるから、ノズルベースと下方ノズル部材と
の間に厳密な同心性が確保される。従って、垂直環状部
が0.381±0.114mm(0.015±0.00
45インチ)もの大きな寸法を有する幾つかの従来設計
のものに比較して、一層高水準の公差により、垂直環状
部104は約0.076〜0.254mm(0.003
〜0.010インチ)に減少される。本発明のこの狭い
環状部は、水スプレイパターンの不規則性或いは不定則
性を排除乃至軽減する働きをなす。追加的に、狭くされ
た垂直環状部は、水スプレイパターンを滑らかに整える
から、傾斜水通路98及び下方ノズル部材72の放出開
口62の直径寸法が一層良好な切断品質を得るよう最適
化されうる。これら寸法は、アークに吸引される水の量
を減じるべく他の先行技術のトーチより大きくされう
る。今や一層厳密な公差が得られるので、従来より大き
な寸法を、そうした大きな寸法の傾斜水通路において問
題を生む同心性の僅かの不整合を心配することなく実現
可能である。先行技術のように寸法が小さいと、一層大
きな割合の水がアークに侵入することを余儀なくされ、
アークを冷却しそして切断速度を落とした。本発明は、
傾斜水通路が0.254〜0.508mm(0.010
〜0.020インチ)の範囲に入ることを可能とする。
【0036】下方ノズル部材72の放出開口62は、2
60Aのアークに対して約4.06〜4.318mm
(0.160〜0.170インチ)の範囲を取りうる。
セラミック製下方ノズル部材が使用されたとき、先行技
術のトーチの一つは傾斜水通路の寸法を約0.178m
m(0.007インチ)にそして下方ノズル部材の放出
開口の直径を約3.81mm(0.150インチ)に設
定している。
【0037】追加的に、金属質下方ノズル部材は、セラ
ミック部品に比較して水通路を形成する表面を一層平滑
な表面仕上げに管理するすることを可能とする。従っ
て、水スプレイパターンは一層一定でそして規則正しく
なり、セラミック部品に比較して金属部品を使用するこ
とにより一層精細な表面切断をなすことができる。
【0038】本発明の好ましい具体例に基づいて説明し
たが、これらは例示的なものであって、本発明の範囲内
で多くの変更をなしうることを銘記されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴を具現したプラズマアークトーチ
の正面からの断面図である。
【図2】プラズマアークトーチの下方部分の拡大部分断
面図であり、本発明に従うノズル組立体を例示する。
【図3】本発明の第2の具体例に従うプラズマアークト
ーチの正面断面図であり、ここではO−リングによりセ
ラミック絶縁体を下方ノズル部材に密着して保持してい
る。
【符号の説明】
10 プラズマアークトーチ 12 ノズル組立体 14 チューブ状電極 15 上方チューブ状部材 16 ホルダ 17 内面螺刻下方端部分 18 横断端壁 20 外側前面 24 内部空洞 28 挿入体 38 プラズマアークトーチ本体 40 気体通路 44 外側絶縁ハウジング部材 46 チューブ 48 中央穿孔 49 間隙 54 気体邪魔板 55 絶縁部材 56 気体空間室 58 入口穴 60 アーク絞り穿孔 62 開口 64 外側カップシールド 70 ノズルベース 72 下方ノズル部材 76 第1穿孔区画 78 第2穿孔区画 80 切頭円錐内面 82 内部段付き肩 86、88 段付き垂直及び水平肩部分 84 環状取付け表面 89 垂直表面 90 切頭円錐外面 86 肩 92 環状カラー部分 96 テーパ付けられた内面 98 水通路 100 環状空間室 102 水噴出オリフィス 104 水通路垂直環状部 110 セラミック絶縁体 111 O−リング 112 唇 114、116 環状肩
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
フロントページの続き (72)発明者 トミー・ザック・ターナー アメリカ合衆国サウスカロライナ州フロレ ンス、ノース・グレンデイル・ドライブ 448 (72)発明者 ラリー・ウェイド・ストークス アメリカ合衆国サウスカロライナ州フロレ ンス、サウス・ローブソン2416

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電端を構成しそして長手軸線を定義す
    る電極を含むプラズマアークトーチにおいて、 金属質材料から形成されそして電極の放電端に隣り合っ
    て取付けられるノズルベースにして、長手軸線と整列し
    そしてプラズマを放出する貫通穿孔を有しそして外側取
    付け表面と該取付け表面に隣り合って位置決めされそし
    て長手軸線に向けて電極から離れる方向にテーパ付けさ
    れた切頭円錐外面を具備するノズルベースと、 金属質材料から形成されそして前記取付け表面に固定さ
    れる下方ノズル部材にして、前記長手軸線と整列しそし
    て前記穿孔に隣り合って位置決めされる放出開口と水通
    路を形成するようノズルベースの前記切頭円錐外面から
    離間された内面とを具備する下方ノズル部材と、 前記電極から前記穿孔及び放出開口を通して前記下方ノ
    ズル部材の下側に位置する加工物まで伸延する電気アー
    クを発生する手段と、 前記電極とノズルベースとの間で前記穿孔及び放出開口
    を通して前記加工物まで外方に流れるプラズマ流を創出
    するように気体の渦流を発生せしめるための手段と、 前記プラズマが前記穿孔及び放出開口を通過するに際し
    てプラズマを包囲するよう前記水通路内へとそして該水
    通路から外方に液体ジェットを導入するための手段と、 前記下方ノズル部材の外面に固定されそしてダブルアー
    ク発生を防止しそしてトーチ作動中発生する熱及びプラ
    ズマから該下方ノズル部材を遮断するために該下方ノズ
    ル部材の外面に沿って延在するセラミック絶縁体とを備
    えることを特徴とするプラズマアークトーチ。
  2. 【請求項2】 取付け表面が全体的に環状でありそして
    水通路と連通しそして水通路に水を噴入する環状空間室
    を形成する段付き垂直及び水平肩部分を有する請求項1
    のプラズマアークトーチ。
  3. 【請求項3】 下方ノズル部材が垂直肩部分と締まり嵌
    めするよう寸法付けられた環状カラー部分を含む請求項
    2のプラズマアークトーチ。
  4. 【請求項4】 穿孔が第1穿孔区画と穿孔出口を構成し
    そして第1穿孔区画の直径より大きな直径を有する第2
    穿孔区画とを含む請求項1のプラズマアークトーチ。
  5. 【請求項5】 ノズルベースが電極から離れる方向に穿
    孔に向けて内方にテーパ付けられた切頭円錐内面を有す
    る請求項1のプラズマアークトーチ。
  6. 【請求項6】 水通路がノズルベースと下方ノズル部材
    との間に形成される垂直環状部を含みそして該垂直環状
    部を形成するノズルベースと下方ノズル部材との間の距
    離が約0.007〜0.26mm(0.003〜0.0
    10インチ)である請求項1のプラズマアークトーチ。
  7. 【請求項7】 下方放出開口が約4.06〜4.32m
    m(0.160〜0.170インチ)の範囲の直径を有
    する請求項1のプラズマアークトーチ。
  8. 【請求項8】 ノズルベースの切頭円錐外面と下方ノズ
    ル部材の内面との間の水通路間隔が約0.25〜0.5
    1mm(0.010〜0.020インチ)の範囲にある
    請求項1のプラズマアークトーチ。
  9. 【請求項9】 トーチ本体と、該トーチ本体に取付けら
    れそして唇を有する前端部を含む外側カップ状シールド
    とを更に含みそしてセラミック絶縁体が環状肩を含みそ
    して前記唇が前記セラミック絶縁体における環状肩と係
    合してセラミック絶縁体、下方ノズル部材及びノズルベ
    ースを保持する請求項1のプラズマアークトーチ。
  10. 【請求項10】 トーチ本体を含みそして電極がトーチ
    本体により支持されそして長手軸線及び放電端を構成す
    る細長い金属質チューブ状ホルダを含み、該ホルダが前
    面と該前面に長手軸線に沿って形成される空洞及び電圧
    印加に際して電子を放出するための空洞内に取付けられ
    る手段とを具備する請求項1のプラズマアークトーチ。
  11. 【請求項11】 チューブ状ホルダがセラミック製気体
    邪魔板を含みそしてノズルベースが気体邪魔板と係合す
    る請求項10のプラズマアークトーチ。
  12. 【請求項12】 電圧印加に際して電子を放出するため
    の手段が空洞内に長手軸線に沿って同軸に配置される円
    柱状挿入体を含み、該挿入体が電圧印加に際して容易に
    電子を放出するよう比較的低い仕事関数を有する金属質
    材料から構成される請求項10のプラズマアークトー
    チ。
  13. 【請求項13】 空洞の壁に結合される周面を有するス
    リーブを含む請求項12のプラズマアークトーチ。
  14. 【請求項14】 金属質材料から形成されそして長手軸
    線を定義しそしてプラズマを放出するための穿孔を具備
    するノズルベースにして、外側取付け表面と該取付け表
    面に隣り合って位置決めされそして長手軸線に向けて電
    極から離れる方向にテーパ付けされた切頭円錐外面を具
    備するノズルベースと、 金属質材料から形成されそして前記取付け表面に固定さ
    れる下方ノズル部材にして、前記長手軸線と整列しそし
    て前記穿孔に隣り合って位置決めされる下方開口と、水
    ジェットを通す水通路を形成するようノズルベースの切
    頭円錐外面から離間された内面とを具備する下方ノズル
    部材とを備えるプラズマアークトーチ用ノズル組立体。
  15. 【請求項15】 前記下方ノズル部材に取付けられそし
    てノズル組立体をプラズマアークトーチに連結して作動
    するときダブルアーク発生を防止しそして発生する熱及
    びプラズマから該下方ノズル部材を遮断するために該下
    方ノズル部材の外面に沿って延在するセラミック絶縁体
    を含む請求項14のノズル組立体。
  16. 【請求項16】 セラミック絶縁体が下方ノズル部材に
    接着剤により止着される請求項15のノズル組立体。
  17. 【請求項17】 セラミック絶縁体を下方ノズル組立体
    に保持するためにセラミック絶縁体と下方ノズル組立体
    との間に配置されるO−リングを更に含む請求項16の
    ノズル組立体。
  18. 【請求項18】 取付け表面が全体的に環状形態であり
    そして水通路と連通する環状空間室を形成する段付き垂
    直及び水平肩部分を有する請求項14のノズル組立体。
  19. 【請求項19】 下方ノズル部材が環状垂直肩部分と締
    まり嵌めするよう寸法付けられた環状カラー部分を含む
    請求項18のノズル組立体。
  20. 【請求項20】 穿孔が第1穿孔区画と穿孔出口を構成
    しそして第1穿孔区画の直径より大きな直径を有する第
    2穿孔区画とを含む請求項14のノズル組立体。
  21. 【請求項21】 ノズルベースが穿孔に向けてテーパ付
    けられた切頭円錐内面を有する請求項14のノズル組立
    体。
  22. 【請求項22】 水通路がノズルベースと下方ノズル部
    材との間に形成される垂直環状部を含みそして該垂直環
    状部を形成するノズルベースと下方ノズル部材との間の
    距離が約0.007〜0.26mm(0.003〜0.
    010インチ)である請求項14のノズル組立体。
  23. 【請求項23】 下方放出開口が約4.06〜4.32
    mm(0.160〜0.170インチ)の範囲の直径を
    有する請求項14のノズル組立体。
  24. 【請求項24】 ノズルベースの切頭円錐外面と下方ノ
    ズル部材の内面との間の水通路間隔が約0.25〜0.
    51mm(0.010〜0.020インチ)の範囲にあ
    る請求項14のノズル組立体。
JP4247140A 1991-08-27 1992-08-25 改善されたノズル組立体を具備するプラズマアークトーチ Expired - Lifetime JPH07100230B2 (ja)

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