JPH06142758A - プレス用母材供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 母材に加わる振動，衝撃等の悪影響を減少さ
せて、プレス機に母材を安定供給することが出来る装置
を提供することにある。 【構成】 プレス用母材１を巻装したドラム３の回転駆
動機構と、前記ドラム３とプレス機との間に設置した母
材のたるみ検知器２３と、母材１を掛け回す受けローラ
１０に任意の押圧力で当接自在なテンションローラ１８
とから構成され、前記たるみ検知器２３の検知信号で前
記ドラム３の回転駆動機構及びテンションローラ１８の
回転，停止を制御するようにしプレス用母材供給装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プレス機に母材を供給
する装置、特にプレス機に一定量のたるみを保ちながら
母材を供給することにより、母材に加わる振動，衝撃の
悪影響を極力減少せしめ、高速でも安定して母材を供給
することが出来るプレス用母材供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種プレス用母材供給装置とし
て、図４乃至図６に示すように、母材供給部１と、該母
材供給部１と図示しないプレス機との間に配置される母
材のたるみ検知部２とから構成され、母材３はフープ材
で所定の内径をもって巻装されている。そして、前記母
材供給部１は、電動モータ４を有するギアボックス５が
基台６に直立したスタンド７上に固定されており、該ギ
アボックス５の前面から水平に突出したシャフト８には
母材装着子９が固定されている。

【０００３】この母材装着子９は、前記シャフト８に挿
入固定されるこしき１０から複数本の固定ロッド１１が
放射状に突出されており、各固定ロッド１１には上記母
材３の内周面に当接して支持する可変ロッド１２がスラ
イド自在に配置されているとゝもに、該可変ロッド１２
の後部には長尺なボルト１３が回転自在に螺合してい
る。そして、このボルト１３は上記固定ロッド１１に平
行で、その頭部１３ａは固定ロッド１１の自由端近傍に
固定された支持板１４に回転自在に支持され、ボルト１
３を所定方向に回転すると可動ロッド１２が径方向に移
動するようにして異なる内径の母材３に対応できるよう
に構成されている。

【０００４】１５は上記母材装着子９に支持された母材
３が離脱しないようにするための押え部で、上記シャフ
ト８に固定自在なこしき１６から複数本のロッド１７が
放射状に突出した構造である。

【０００５】上記たるみ検知部２は、センサースタンド
１８に上限タッチセンサー１９と下限タッチセンサー２
０とを上下に離間して配在した構造のもので、上限タッ
チセンサー１９はセンサースタンド１８から水平に固定
した支持バー２１から垂下した２本の導線２２により水
平に保持した構成となっており、上記上限タッチセンサ
ー１９と下限タッチセンサー２０とは、夫々導線２３に
より上記母材供給部１のスタンド７に固定された制御部
２４を介して電動モータ４に接続されている。

【０００６】前記母材供給部１に装着された母材３には
微弱な電圧が印加されており、この母材の端部はたるみ
検知部２の上限タッチセンサー１９と下限タッチセンサ
ー２０との間を通って図示しないプレス機に連結され、
該プレス機では一定ピッチで引き込んでプレス加工す
る。そして、母材３が上限タッチセンサー１９に接触す
ると、電動モータ４によりギアボックス５を介してシャ
フト８が矢印方向に回転して母材供給部１とプレス機と
の間の母材３ａをたるませる。

【０００７】そして、母材３ａがたるみ過ぎて下限タッ
チセンサー２０に接触すると同時に電動モータ４は停止
するが、プレス機側では母材を消費しているのでたるみ
は減少していき、再び上限タッチセンサー１９に接触す
る。上記のような一連の動作を繰り返えすことによって
母材３はプレス機に供給される。

【０００８】図７及び図８に示すものは他の従来例のプ
レス用母材供給装置で、母材１はプレス機２で接続端子
に加工されるフープ材で、ドラム３に巻装されており、
該ドラム３はドラム供給部４の左右側壁部５の内面に設
けた４個の駆動用ローラ６上に自重により載置され、該
駆動ローラ６によって回転する。また、上記側壁部５の
上面から直立したスタンド７上にはボックス８が固定さ
れ、該ボックス８の前面から水平に突出した回転自在な
シャフト９には、受けローラ１０が固定されている。

【０００９】１１は母材張力調整器で、該調整器１１の
バー１２の上方部は上記シャフト９に貫通固定され、そ
の端部にはバランスウエイト１３が移動可能に固定され
ている。また、前記バー１２の下方部には振子ローラ１
４が回転自在に設けられているとゝもに、前記バー１２
の振子ローラ１４側には側方向にバー１５を介して補助
バランスウエイト１６が固定されている。なお、上記ボ
ックス８内にはシャフト９、即ち、バー１２の回転角度
に応じて抵抗値を増減することにより、振子ローラ１４
の傾き量を検出する可変抵抗器が設置されている。

【００１０】そこで、ドラム３に巻装した母材１の一端
は受けローラ１０に掛け回した後、母材張力調整器１１
の振子ローラ１４を介してプレス機２に連結されてい
る。そして、プレス機で母材１が消費し始めると、振子
ローラ１４はプレス機側に引かれるので、母材張力調整
器１１のバー１２は、図中時計方向に回動し、従って、
シャフト９の回転角度に応じて可変抵抗器の抵抗値が変
化し、ドラム３の回転速度を増加側に変化させて母材を
速く供給する。

【００１１】上記のように、母材の供給速度は速くなる
が、プレス機２の消費速度は一定なので、該プレス機と
振子ローラ１４との間に母材１のたるみが発生し、これ
によってバランスウエイト１３の自重で振子ローラ１４
は反時計方向に回転し、これを可変抵抗器が検知してド
ラム３の回転速度を減速する。従ってプレス機の送り速
度が一定であれば、振子ローラは一定の角度を保ちなが
ら母材を供給し、この時のドラムの回転もほぼ一定とな
る。

【００１２】

【発明が解決しようとする問題点】しかし、前記図４乃
至図６に示す第１の従来例では、シャフト８に巻装母材
３を装着するので、装着する巻装母材３の重量には限界
があり、１００kgを越える巻装母材の装着は不可能とな
り、また母材が重い場合には装着するのにクレーン等を
必要とするので装着に時間と手間がかかる。更に、上記
巻装母材３から直接的にプレス機に供給するように構成
されているので、母材１に直に振動，衝撃等が加えら
れ、安定供給することは不可能となる欠点があった。

【００１３】又、前記図７及び図８に示す第２の従来例
では、母材１の重量や種類、プレス機２での１ピッチ送
り量、プレス生産スピード等を変更するたびにバランス
ウエイト１３を微調整しなければならないので、調整作
業にかなりの時間が取られるとゝもに、上記バランスウ
エイト１３でバランス調整された振子ローラ１４の傾斜
量によりドラム３の回転速度を可変する機構なので、プ
レス機２への母材送り量が大きくなると、母材１に振
動，衝撃等の悪影響を及ぼし、母材１を安定して供給す
ることが不可能となるといった欠点があった。

【００１４】

【問題点を解決するための手段】本発明は、上記のよう
な従来の欠点を解決するために成されたもので、高い生
産速度であっても母材に加わる振動，衝撃等の悪影響を
可及的に減少させて、プレス機に母材を安定供給するこ
とが出来るものを提供することを目的としたものであ
り、その要旨は、プレス用母材を巻装したドラムの回転
駆動機構と、前記ドラムとプレス機との間に設置した母
材のたるみ検知器と、母材を掛け回す受けローラに任意
の押圧力で当接自在なテンションローラとから構成さ
れ、前記たるみ検知器の検知信号で前記ドラムの回転駆
動機構及びテンションローラの回転，停止を制御するよ
うにしたことを特徴とするプレス用母材供給装置にあ
る。

【００１５】

【実施例】以下、本発明を図１乃至図３に示す実施例に
より詳細に説明する。なお、図１は本発明に係るプレス
用母材供給装置の正面図で、図２は同母材供給装置の一
部を切除した側面図、図３は他実施例の母材供給装置の
一部を切除した側面図である。

【００１６】実施例での母材１はプレス機２で加工され
るフープ材で、ドラム３に巻装されており、該ドラム３
は母材供給部４の左右側壁部５の内面に設けた４個の駆
動用ローラ６上に自重により載置され、該駆動ローラ６
によって回転する。なお、上記プレス２は接続端子を製
造するためのプレス機である。

【００１７】７は上記側壁部５の上面から直立したスタ
ンドで、該スタンド７上にはボックス８が固定され、該
ボックス８の前面から水平に突出した回転自在なシャフ
ト９には受けローラ１０が固定されている。そして、上
記シャフト９には母材緊張器１１のバー１２の上端部が
貫通固定され、該バー１２の下端部には振子ローラ１３
が回転自在に設けられている。なお、上記バー１２には
時計方向の回転力が付勢されている。

【００１８】１４は上記ボックス８上に設けた加圧調整
部で、該加圧調整部１４にはボックス８から直立したガ
イドピン１５により可動プレート１６が上下動可能に水
平に保持され、該可動プレート１６上にはモータ１７が
固定されている。そして、該モータ１７のシャフトは上
記受けローラ１０側に水平に突出してテンションローラ
１８が固定されており、受けローラ１０と当接可能とな
っている。

【００１９】１９は前記可動プレート１６を押上げるス
プリングで、ボックス８と可動プレート１６との間に介
装されている。更に、上記モータ１７上には加圧用のエ
アシリンダ２０が設けられ、このエアシリンダ２０には
エア圧調整用のエアレギュレータ２１及び切換弁２２を
介して所定圧のエアが供給されてモータ１７、即ち、テ
ンションローラ１８を下方向に押付けるようにしてあ
る。なお、上記エアレギュレータ２１のエア圧力調整に
よって、異なる母材１の厚み，板巾に対応することが可
能となっている。

【００２０】２３は上記母材供給部４に設けた母材１の
たるみ検知器で、プレス機２側の上面において母材１の
供給経路上に設けられており、このたるみ検知器２３に
は上限センサー２４と下限センサー２５とが設けられて
いるが、実施例では上記センサー２４，２５はいずれも
左右側壁２６の対向位置の一方に設けた発光素子と、他
方に設けた受光素子とで構成されている。なお、上記セ
ンサー２４，２５は母材の状態変化を非接触で検知する
構造であるが、接触型センサーを使用してもよいことは
勿論である。

【００２１】そこで、ドラム３に巻装された母材１の一
端は、受けローラ１０とテンションローラ１８と間を挿
通した後、母材緊張器１１の振子ローラ１３を介してプ
レス機２に連結される。なお、上記受けローラ１０とテ
ンションローラ１８との間に母材１を挿通し易くするた
めに、切換弁２２の切換えによりエアシリンダ２０をフ
リーにして、スプリング１９の力のみでテンションロー
ラ１８を持ち上げて受け、ローラ１０との間に隙間を作
るようにするとよい。

【００２２】そして、母材１がプレス機２に一定量づつ
引込まれて加工消費されると、振子ローラ１３はプレス
機２側に引かれ、母材供給部４とプレス機２との間では
母材のたるみＡが小さくなって上昇し、これがたるみ検
知器２３の上限センサー２４で検知される。すると、そ
の検知信号により、母材供給部４の駆動用ローラ６が駆
動してドラム３が回転すると同時にモータ１７が回転
し、スプリング１９とエアシリンダ２０とでバランスさ
れた押付力を保ちながら、テンションローラ１８が受け
ローラ１０に母材を圧着して送出することによりたるみ
が大きくなる。

【００２３】上記母材１のたるみＡが大きくなると下限
センサー２５により検知され、その検知信号により駆動
用ローラ６及びモータ１７の回転が停止し、プレス機２
では加工消費が継続されているので、上記たるみがＡが
再び小さくなる。なお、上記モータ１７の回転停止によ
り、ドラム３と受けローラ１０間のたるみが発生しない
ように、テンションローラ１８の回転はモータより若干
後れて停止させる。

【００２４】上記のような一連の動作を繰り返すことに
より、母材１は常に所定のたるみＡを形成しながら送出
されるので、高速でも母材１に対する振動，衝撃が減少
し、安定した状態で供給することができる。なお，上記
実施例では母材１はフ─プ材であるが，これに限定され
ることなく，線状体であればよい。

【００２５】図３に示す他実施例の母材供給装置におい
ては、母材緊張器１１は可動板２７の両端部にそれぞれ
ローラ２８，２９を回転自在に設け、可動板２７の中央
部を母材供給部４の側壁５上面に直立した支柱３０に回
動自在に枢着すると共に、可動板２７に時計方向の回転
力を付勢した構成である。そして、巻装母材１の一端
は、受けローラ１０とテンションローラ１８と間を挿通
した後、母材緊張器１１の２個のローラ２８，２９にＳ
字状に掛け回した後プレス機２に連結される。その他の
点については上記実施例と同様である。

【００２６】

【発明の効果】本発明に係るプレス用母材供給装置は、
上記のように、プレス用母材を巻装したドラムの回転駆
動機構と、前記ドラムとプレス機との間に設置した母材
のたるみ検知器と、母材を掛け回す受けローラに任意の
押圧力で当接自在なテンションローラとから構成され、
前記たるみ検知器の検知信号で前記ドラムの回転駆動機
構及びテンションローラの回転，停止を制御するように
した構成であるから、ドラムの回転駆動機構とプレス機
との間には常時一定量のたるみが形成され、且つ巻装母
材から引き出された母材は受けローラとテンションロー
ラとで挟着されているので、この母材のたるみによっ
て、高速供給の場合であっても巻装母材に対する振動，
衝撃が吸収され、悪影響を及ぼすことなく安定した状態
でプレス機に母材を供給することが出来るといった効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るプレス用母材供給装置の正面図で
ある。

【図２】同母材供給装置の一部を切除した側面図であ
る。

【図３】他実施例の母材供給装置の一部を切除した側面
図である。

【図４】従来の母材供給装置の側面図である。

【図５】同母材供給装置の正面図である。

【図６】同母材供給装置のたるみ検知器の正面図であ
る。

【図７】他の従来例の母材供給装置の正面図である。

【図８】同母材供給装置の一部を切除した側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 母材 ２ プレス機 ３ ドラム ４ 母材供給部 ６ 駆動用ローラ １０ 受けローラ １１ 母材緊張器 １３ 振子ローラ １４ 加圧調整部 １６ 可動プレート １７ モータ １８ テンションローラ ２３ たるみ検知器 ２４ 上限センサー ２５ 下限センサー Ａ たるみ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレス用母材を巻装したドラムの回転駆
   動機構と、前記ドラムとプレス機との間に設置した母材
   のたるみ検知器と、母材を掛け回す受けローラに任意の
   押圧力で当接自在なテンションローラとから構成され、
   前記たるみ検知器の検知信号で前記ドラムの回転駆動機
   構及びテンションローラの回転，停止を制御するように
   したことを特徴とするプレス用母材供給装置。