JPH06137176A - 内燃機関における排気量及び圧縮比の可変構造 - Google Patents
内燃機関における排気量及び圧縮比の可変構造Info
- Publication number
- JPH06137176A JPH06137176A JP28467892A JP28467892A JPH06137176A JP H06137176 A JPH06137176 A JP H06137176A JP 28467892 A JP28467892 A JP 28467892A JP 28467892 A JP28467892 A JP 28467892A JP H06137176 A JPH06137176 A JP H06137176A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compression ratio
- engine
- piston
- cylinder
- displacement
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】必要に応じて排気量を可変とし、排気量の増大
に伴って圧縮比を低くし、排気量の減少に伴って圧縮比
を高くする。 【構成】シリンダブロック1をシリンダ部2とスカート
部3とに分割する。シリンダボア5内にピストン7を往
復動可能に配置し、クランクケース8内にクランクシャ
フト10を回転可能に支持する。ピストン7をコンロッ
ド13を介してクランクシャフト10に連結する。又、
シリンダ部2の揺動支軸17をスカート部3の揺動軸受
16に組み付けてシリンダ部2を揺動可能に支持する。
シリンダ部2を油圧アクチュエータ22により揺動させ
る。従って、油圧アクチュエータ22によってシリンダ
部2が揺動されることにより、ピストン7のストローク
が変えられてエンジン排気量が変えられる。又、揺動支
軸17及び揺動軸受16の位置設定によって、排気量の
増大に合わせて圧縮比が低められる。
に伴って圧縮比を低くし、排気量の減少に伴って圧縮比
を高くする。 【構成】シリンダブロック1をシリンダ部2とスカート
部3とに分割する。シリンダボア5内にピストン7を往
復動可能に配置し、クランクケース8内にクランクシャ
フト10を回転可能に支持する。ピストン7をコンロッ
ド13を介してクランクシャフト10に連結する。又、
シリンダ部2の揺動支軸17をスカート部3の揺動軸受
16に組み付けてシリンダ部2を揺動可能に支持する。
シリンダ部2を油圧アクチュエータ22により揺動させ
る。従って、油圧アクチュエータ22によってシリンダ
部2が揺動されることにより、ピストン7のストローク
が変えられてエンジン排気量が変えられる。又、揺動支
軸17及び揺動軸受16の位置設定によって、排気量の
増大に合わせて圧縮比が低められる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レシプロタイプの内
燃機関に係り、詳しくはその内燃機関における排気量及
び圧縮比を可変とするための可変構造に関するものであ
る。
燃機関に係り、詳しくはその内燃機関における排気量及
び圧縮比を可変とするための可変構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、レシプロタイプの内燃機関におい
ては、その排気量を機関の負荷に応じて変化させること
により、特に低負荷時の燃費を向上させることが可能で
ある。そこで、排気量を変化させる具体的な技術とし
て、特開平2−19621号公報において、圧縮比を無
段階に可変にすると共に、内燃機関の吸気抵抗となるス
ロットルバルブを廃して機関出力の増大を図る技術が提
案されている。この従来技術では、ピストンに連結され
たコンロッドとクランクシャフトとの間に、揺動アーム
と連結棒とからなるリンク機構が設けられている。そし
て、アクチュエータ等により揺動アームの傾きが連続的
に変えられることにより、ピストンの上死点位置及び下
死点位置が変えられ、ピストンストロークが変えられて
排気量と圧縮比とが連続的に変えられる。
ては、その排気量を機関の負荷に応じて変化させること
により、特に低負荷時の燃費を向上させることが可能で
ある。そこで、排気量を変化させる具体的な技術とし
て、特開平2−19621号公報において、圧縮比を無
段階に可変にすると共に、内燃機関の吸気抵抗となるス
ロットルバルブを廃して機関出力の増大を図る技術が提
案されている。この従来技術では、ピストンに連結され
たコンロッドとクランクシャフトとの間に、揺動アーム
と連結棒とからなるリンク機構が設けられている。そし
て、アクチュエータ等により揺動アームの傾きが連続的
に変えられることにより、ピストンの上死点位置及び下
死点位置が変えられ、ピストンストロークが変えられて
排気量と圧縮比とが連続的に変えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、排気量の変化と圧縮比の変化との対応関係の点
で問題があった。即ち、従来技術では、排気量が小さく
なったときに圧縮比が低くなり、排気量が大きくなった
ときに圧縮比が高くなる。そのため、排気量が上げられ
たときには、圧縮比が高くなってノッキングが厳しくな
り、機関の熱効率が悪くなるおそれがあった。例えば、
機関の加速時(高負荷時)には、その出力を増大させる
ために排気量を大きくすることが考えられる。しかし、
従来技術では、加速時に排気量を増大させることにより
圧縮比も高くなってしまい、ノッキングが発生して機関
のトルクダウンを招くおそれがあった。
術では、排気量の変化と圧縮比の変化との対応関係の点
で問題があった。即ち、従来技術では、排気量が小さく
なったときに圧縮比が低くなり、排気量が大きくなった
ときに圧縮比が高くなる。そのため、排気量が上げられ
たときには、圧縮比が高くなってノッキングが厳しくな
り、機関の熱効率が悪くなるおそれがあった。例えば、
機関の加速時(高負荷時)には、その出力を増大させる
ために排気量を大きくすることが考えられる。しかし、
従来技術では、加速時に排気量を増大させることにより
圧縮比も高くなってしまい、ノッキングが発生して機関
のトルクダウンを招くおそれがあった。
【0004】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、必要に応じて排気量を可変
とすることが可能で、排気量の増大に伴って圧縮比を低
くし、排気量の減少に伴って圧縮比を高くすることの可
能な内燃機関における排気量及び圧縮比の可変構造を提
供することにある。
ものであって、その目的は、必要に応じて排気量を可変
とすることが可能で、排気量の増大に伴って圧縮比を低
くし、排気量の減少に伴って圧縮比を高くすることの可
能な内燃機関における排気量及び圧縮比の可変構造を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、シリンダボアを有するシリ
ンダ部とクランクケースを有するスカート部とに分割さ
れてなるシリンダブロックと、シリンダボア内に往復動
可能に配置されたピストンと、クランクケース内に配置
されてスカート部に回転可能に支持されたクランクシャ
フトと、ピストンをクランクシャフトに連結するコンロ
ッドと、シリンダ部をスカート部に対して揺動可能に支
持しクランクシャフトと平行に形成された揺動支軸及び
揺動軸受と、シリンダ部を揺動させるためのアクチュエ
ータとを備えたことを趣旨としている。
めに、この発明においては、シリンダボアを有するシリ
ンダ部とクランクケースを有するスカート部とに分割さ
れてなるシリンダブロックと、シリンダボア内に往復動
可能に配置されたピストンと、クランクケース内に配置
されてスカート部に回転可能に支持されたクランクシャ
フトと、ピストンをクランクシャフトに連結するコンロ
ッドと、シリンダ部をスカート部に対して揺動可能に支
持しクランクシャフトと平行に形成された揺動支軸及び
揺動軸受と、シリンダ部を揺動させるためのアクチュエ
ータとを備えたことを趣旨としている。
【0006】
【作用】上記の構成によれば、レシプロタイプの内燃機
関が構成され、シリンダボアでピストンが往復動される
ことにより、その運動がコンロッドを介してクランクシ
ャフトの回転運動に変化され、内燃機関の動力が得られ
る。シリンダブロックは、シリンダボアを有するシリン
ダ部とクランクシャフトを支持するスカート部とに分割
されていることから、アクチュエータが駆動されること
により、シリンダ部が揺動支軸及び揺動軸受を中心にス
カート部に対して揺動される。そして、シリンダ部が揺
動されることにより、ピストン、コンロッド及びクラン
クシャフトの連結関係から、ピストンのストロークが変
えられ、ピストンの往復動によって得られる内燃機関の
排気量が変えられる。又、その排気量はシリンダ部の揺
動量に応じて連続的に変えられる。
関が構成され、シリンダボアでピストンが往復動される
ことにより、その運動がコンロッドを介してクランクシ
ャフトの回転運動に変化され、内燃機関の動力が得られ
る。シリンダブロックは、シリンダボアを有するシリン
ダ部とクランクシャフトを支持するスカート部とに分割
されていることから、アクチュエータが駆動されること
により、シリンダ部が揺動支軸及び揺動軸受を中心にス
カート部に対して揺動される。そして、シリンダ部が揺
動されることにより、ピストン、コンロッド及びクラン
クシャフトの連結関係から、ピストンのストロークが変
えられ、ピストンの往復動によって得られる内燃機関の
排気量が変えられる。又、その排気量はシリンダ部の揺
動量に応じて連続的に変えられる。
【0007】ここで、排気量と圧縮比との関係を考えた
場合に、その関係が揺動支軸及び揺動軸受の位置によっ
て異なることが確かめられている。そして、揺動支軸及
び揺動軸受を、シリンダボアの中心線と平行な線上の任
意の位置に設定することにより、シリンダ部の揺動に伴
った排気量の変化に合わせて任意な圧縮比の変化が得ら
れる。
場合に、その関係が揺動支軸及び揺動軸受の位置によっ
て異なることが確かめられている。そして、揺動支軸及
び揺動軸受を、シリンダボアの中心線と平行な線上の任
意の位置に設定することにより、シリンダ部の揺動に伴
った排気量の変化に合わせて任意な圧縮比の変化が得ら
れる。
【0008】
(第1実施例)以下、この発明の内燃機関における排気
量及び圧縮比の可変構造を具体化した第1実施例を図1
〜図11に基づいて詳細に説明する。
量及び圧縮比の可変構造を具体化した第1実施例を図1
〜図11に基づいて詳細に説明する。
【0009】図1は内燃機関(エンジン)を構成するシ
リンダブロック1を幅方向に破断して示す断面図及び電
気的構成等を示す図であり、図2はシリンダブロック1
を長手方向に破断して示す断面図であり、図3はシリン
ダブロック1を示す背面図である。シリンダブロック1
はシリンダ部2とスカート部3とに分割されて形成され
ている。シリンダ部2の上側には、動弁機構を有するシ
リンダヘッド4が配設されている。又、シリンダ部2に
は複数のシリンダボア5が形成され、各シリンダボア5
にはシリンダライナ6が嵌め込まれている。各シリンダ
ライナ6の内部には、ピストン7が往復動可能に配置さ
れている。一方、スカート部3の内部はクランクケース
8となっており、クランクケース8の下側には複数のク
ランク軸受9が形成されている。クランクケース8の内
部に配置されたクランクシャフト10は、複数のクラン
クジャーナル11と複数のクランクピン12とを備えて
いる。そして、各クランクジャーナル11が各クランク
軸受9にて回転可能に支持されている。各ピストン7に
はコンロッド13の先端がピストンピン14を介して連
結されている。又、コンロンド13の基端はクランクピ
ン12に連結されている。上記の構成により、レシプロ
タイプのエンジンが構成されている。
リンダブロック1を幅方向に破断して示す断面図及び電
気的構成等を示す図であり、図2はシリンダブロック1
を長手方向に破断して示す断面図であり、図3はシリン
ダブロック1を示す背面図である。シリンダブロック1
はシリンダ部2とスカート部3とに分割されて形成され
ている。シリンダ部2の上側には、動弁機構を有するシ
リンダヘッド4が配設されている。又、シリンダ部2に
は複数のシリンダボア5が形成され、各シリンダボア5
にはシリンダライナ6が嵌め込まれている。各シリンダ
ライナ6の内部には、ピストン7が往復動可能に配置さ
れている。一方、スカート部3の内部はクランクケース
8となっており、クランクケース8の下側には複数のク
ランク軸受9が形成されている。クランクケース8の内
部に配置されたクランクシャフト10は、複数のクラン
クジャーナル11と複数のクランクピン12とを備えて
いる。そして、各クランクジャーナル11が各クランク
軸受9にて回転可能に支持されている。各ピストン7に
はコンロッド13の先端がピストンピン14を介して連
結されている。又、コンロンド13の基端はクランクピ
ン12に連結されている。上記の構成により、レシプロ
タイプのエンジンが構成されている。
【0010】従って、各シリンダライナ6の中でピスト
ン7が往復動されることにより、その運動がコンロッド
13を介してクランクシャフト10の回転運動に変化さ
れ、エンジンの動力が得られる。
ン7が往復動されることにより、その運動がコンロッド
13を介してクランクシャフト10の回転運動に変化さ
れ、エンジンの動力が得られる。
【0011】シリンダブロック1では、シリンダ部2が
スカート部3に対して揺動可能となっている。即ち、ス
カート部3の前後両側には、上方へ延びるブラケット1
5が一体に形成され、そのブラケット15の上端には揺
動軸受16が形成されている。又、シリンダ部2の前後
両側には、各揺動軸受16に対応して、前後方向へ突出
する揺動支軸17が一体に形成されている。そして、各
揺動支軸17が各揺動軸受16に嵌め合わされ、ベアリ
ングキャップ18によって位置決めされている。そし
て、シリンダ部2が揺動支軸17を中心にスカート部3
に対して左右方向へ揺動可能に支持されている。ここ
で、揺動軸受16及び揺動支軸17の位置は、各シリン
ダボア5の中心線(ボア中心線)BLと平行な線上の任
意な位置に設定されている。又、図1,2に示すよう
に、シリンダ部2とスカート部3との間の接触部分には
それぞれ円弧状の滑り面19,20に形成されている。
そして、揺動支軸17を中心にしたシリンダ部2の揺動
が両滑り面19,20で摺接しながら案内される。
スカート部3に対して揺動可能となっている。即ち、ス
カート部3の前後両側には、上方へ延びるブラケット1
5が一体に形成され、そのブラケット15の上端には揺
動軸受16が形成されている。又、シリンダ部2の前後
両側には、各揺動軸受16に対応して、前後方向へ突出
する揺動支軸17が一体に形成されている。そして、各
揺動支軸17が各揺動軸受16に嵌め合わされ、ベアリ
ングキャップ18によって位置決めされている。そし
て、シリンダ部2が揺動支軸17を中心にスカート部3
に対して左右方向へ揺動可能に支持されている。ここ
で、揺動軸受16及び揺動支軸17の位置は、各シリン
ダボア5の中心線(ボア中心線)BLと平行な線上の任
意な位置に設定されている。又、図1,2に示すよう
に、シリンダ部2とスカート部3との間の接触部分には
それぞれ円弧状の滑り面19,20に形成されている。
そして、揺動支軸17を中心にしたシリンダ部2の揺動
が両滑り面19,20で摺接しながら案内される。
【0012】シリンダ部2を揺動させるために、スカー
ト部3にはブラケット21を介して油圧アクチュエータ
22が固定されている。そして、油圧アクチュエータ2
2の作動ロッド22aがボールジョイント23を介して
シリンダ部2のブラケット24に連結されている。油圧
アクチュエータ22には、タンク25に貯留された作動
油が、油圧ポンプ26により供給通路27を通じて供給
される。又、油圧アクチュエータ22から作動油を導出
するドレン通路28の途中には、電磁式の油圧制御弁2
9が設けられている。そして、この油圧制御弁29が開
閉されることにより、油圧アクチュエータ22に対する
作動油の供給が制御され、これによって油圧アクチュエ
ータ22の駆動が制御される。つまり、油圧アクチュエ
ータ22の作動ロッド22aが伸縮される。
ト部3にはブラケット21を介して油圧アクチュエータ
22が固定されている。そして、油圧アクチュエータ2
2の作動ロッド22aがボールジョイント23を介して
シリンダ部2のブラケット24に連結されている。油圧
アクチュエータ22には、タンク25に貯留された作動
油が、油圧ポンプ26により供給通路27を通じて供給
される。又、油圧アクチュエータ22から作動油を導出
するドレン通路28の途中には、電磁式の油圧制御弁2
9が設けられている。そして、この油圧制御弁29が開
閉されることにより、油圧アクチュエータ22に対する
作動油の供給が制御され、これによって油圧アクチュエ
ータ22の駆動が制御される。つまり、油圧アクチュエ
ータ22の作動ロッド22aが伸縮される。
【0013】従って、油圧アクチュエータ22が駆動さ
れることにより、シリンダ部2が揺動支軸17を中心に
スカート部3に対して揺動されると共に、両滑り面1
9,20で摺接しながら揺動方向へ案内される。そし
て、シリンダ部2が揺動されることにより、各ピストン
7、各コンロッド13及びクランクシャフト10の連結
関係から、各ピストン7のストロークが変えられ、各ピ
ストン7の往復動によって得られるエンジンの排気量D
PMが変えられる。又、その排気量DPMはシリンダ部
2の揺動量、即ち油圧アクチュエータ22の駆動量に応
じて連続的に変えられる。
れることにより、シリンダ部2が揺動支軸17を中心に
スカート部3に対して揺動されると共に、両滑り面1
9,20で摺接しながら揺動方向へ案内される。そし
て、シリンダ部2が揺動されることにより、各ピストン
7、各コンロッド13及びクランクシャフト10の連結
関係から、各ピストン7のストロークが変えられ、各ピ
ストン7の往復動によって得られるエンジンの排気量D
PMが変えられる。又、その排気量DPMはシリンダ部
2の揺動量、即ち油圧アクチュエータ22の駆動量に応
じて連続的に変えられる。
【0014】尚、この実施例では、シリンダヘッド4の
動弁機構を構成する図示しないカムシャフトが、クラン
クシャフト10に対してタイミングベルトにより駆動連
結されている。そして、シリンダ部2が揺動されること
により、カムシャフトがクランクシャフト10に対して
移動されることから、そのときのタイミングベルトの弛
みを吸収するために、シリンダブロック1には周知のオ
ートテンショナが設けられている。又、シリンダ部2が
揺動されることにより、カムシャフトとクランクシャフ
ト10との間に相対的な回動が生じることから、動弁機
構でのバルブタイミングは多少変化する。そこで、この
実施例では、シリンダ部2の揺動に伴うバルブタイミン
グの変化を補償するために、動弁機構には図示しない可
変バルブタイミング機構が設けられており、同機構がシ
リンダ部2の揺動に合わせて駆動されるようになってい
る。可変バルブタイミング機構の詳しい説明は省略す
る。
動弁機構を構成する図示しないカムシャフトが、クラン
クシャフト10に対してタイミングベルトにより駆動連
結されている。そして、シリンダ部2が揺動されること
により、カムシャフトがクランクシャフト10に対して
移動されることから、そのときのタイミングベルトの弛
みを吸収するために、シリンダブロック1には周知のオ
ートテンショナが設けられている。又、シリンダ部2が
揺動されることにより、カムシャフトとクランクシャフ
ト10との間に相対的な回動が生じることから、動弁機
構でのバルブタイミングは多少変化する。そこで、この
実施例では、シリンダ部2の揺動に伴うバルブタイミン
グの変化を補償するために、動弁機構には図示しない可
変バルブタイミング機構が設けられており、同機構がシ
リンダ部2の揺動に合わせて駆動されるようになってい
る。可変バルブタイミング機構の詳しい説明は省略す
る。
【0015】ここで、上記のエンジンにおける排気量D
PMの変化を図4のモデル図に従って説明する。このモ
デル図において、「L」は図1に対応するコンロンド長
さであり、「R」は同じく図1に対応するクランク半径
である。又、「A」はシリンダ部2の非揺動時における
ピストン7のストロークであり、「B」はシリンダ部2
の揺動時におけるピストン7のストロークである。
「C」はクランク中心点であり、「D」はシリンダ部2
の非揺動時及び揺動時におけるピストン7の上死点での
ピストンピン中心点である。「E」はシリンダ部2の非
揺動時におけるピストン7の下死点でのピストンピン中
心点であり、「F」はシリンダ部2の揺動時におけるピ
ストン7の下死点でのピストンピン中心点である。
「G」はシリンダ部2の非揺動時及び揺動時におけるピ
ストン7の上死点でのクランクピン中心点である。更
に、「H」はシリンダ部2の非揺動時におけるピストン
7の下死点でのクランクピン中心点であり、「I」はシ
リンダ部2の揺動時におけるピストン7の下死点でのク
ランクピン中心点である。
PMの変化を図4のモデル図に従って説明する。このモ
デル図において、「L」は図1に対応するコンロンド長
さであり、「R」は同じく図1に対応するクランク半径
である。又、「A」はシリンダ部2の非揺動時における
ピストン7のストロークであり、「B」はシリンダ部2
の揺動時におけるピストン7のストロークである。
「C」はクランク中心点であり、「D」はシリンダ部2
の非揺動時及び揺動時におけるピストン7の上死点での
ピストンピン中心点である。「E」はシリンダ部2の非
揺動時におけるピストン7の下死点でのピストンピン中
心点であり、「F」はシリンダ部2の揺動時におけるピ
ストン7の下死点でのピストンピン中心点である。
「G」はシリンダ部2の非揺動時及び揺動時におけるピ
ストン7の上死点でのクランクピン中心点である。更
に、「H」はシリンダ部2の非揺動時におけるピストン
7の下死点でのクランクピン中心点であり、「I」はシ
リンダ部2の揺動時におけるピストン7の下死点でのク
ランクピン中心点である。
【0016】このモデル図からも分かるように、「L+
R」を半径とする円CT1と「L−R」を半径とする円
CT2との間の斜線域が、ピストン7の動き得るピスト
ン可動範囲である。シリンダ部2の非揺動時には、クラ
ンク中心点Cの位置がボア中心線BLに合致することか
ら、そのときのピストン7のストロークは「A」とな
る。これに対し、シリンダ部2の揺動によってボア中心
線BLが所定量だけオフセットされると、そのときのピ
ストン7のストロークは「B」となる。このときのピス
トン7のストロークは以下の計算式によって求められ
る。
R」を半径とする円CT1と「L−R」を半径とする円
CT2との間の斜線域が、ピストン7の動き得るピスト
ン可動範囲である。シリンダ部2の非揺動時には、クラ
ンク中心点Cの位置がボア中心線BLに合致することか
ら、そのときのピストン7のストロークは「A」とな
る。これに対し、シリンダ部2の揺動によってボア中心
線BLが所定量だけオフセットされると、そのときのピ
ストン7のストロークは「B」となる。このときのピス
トン7のストロークは以下の計算式によって求められ
る。
【0017】 (ストローク)=cosα(L+R)−cosβ(L−R) 但し、 α=sin-1{(L+R)/(オフセット値)} β=sin-1{(L−R)/(オフセット値)} である。
【0018】そして、ボア中心線BLがオフセットを有
する場合のストロークは、「B>A」となり、オフセッ
ト値の事実上の限界は、「(オフセット値)≦(L−
R)」となる。
する場合のストロークは、「B>A」となり、オフセッ
ト値の事実上の限界は、「(オフセット値)≦(L−
R)」となる。
【0019】このように、シリンダ部2の揺動によって
ボア中心線BLがオフセットされた場合には、ピストン
7のストロークが非揺動時よりも大きくなり、それに伴
ってエンジンの排気量DPMが大きくなることが分か
る。
ボア中心線BLがオフセットされた場合には、ピストン
7のストロークが非揺動時よりも大きくなり、それに伴
ってエンジンの排気量DPMが大きくなることが分か
る。
【0020】一方、排気量DPMと圧縮比CRとの関係
を考えた場合に、その関係が揺動軸受16及び揺動支軸
17の位置によって異なることが確かめられている。図
5はシリンダ部2の非揺動時にピストン7が上死点に達
している状態を示している。ここで、ボア中心線BLと
平行な線上に付された点dは、図1,4におけるピスト
ンピン中心点Dのレベルに合致するものであり、点c
は、同じく図1,4におけるクランク中心点Cに合致す
るものである。又、点dより少し下の点bは、揺動軸受
16及び揺動支軸17の中心をそこに設定した場合に、
シリンダ部2の揺動にかかわらず圧縮比CRが常に等し
くなる等圧縮比点を示している。そして、図5におい
て、揺動軸受16及び揺動支軸17の中心をボア中心線
BLと平行な線に沿って点bよりも下げることにより、
圧縮比CRが低下する。又、ピストン7の上死点位置ま
での間で揺動軸受16及び揺動支軸17の中心をボア中
心線BLと平行な線に沿って点bよりも上げることによ
り、圧縮比CRが増大する。更に、ピストン7の上死点
から揺動軸受16及び揺動支軸17の中心を上げること
により、圧縮比CRが低下する。このように、揺動軸受
16及び揺動支軸17の中心の位置と圧縮比CRとの間
の関係が確認されている。
を考えた場合に、その関係が揺動軸受16及び揺動支軸
17の位置によって異なることが確かめられている。図
5はシリンダ部2の非揺動時にピストン7が上死点に達
している状態を示している。ここで、ボア中心線BLと
平行な線上に付された点dは、図1,4におけるピスト
ンピン中心点Dのレベルに合致するものであり、点c
は、同じく図1,4におけるクランク中心点Cに合致す
るものである。又、点dより少し下の点bは、揺動軸受
16及び揺動支軸17の中心をそこに設定した場合に、
シリンダ部2の揺動にかかわらず圧縮比CRが常に等し
くなる等圧縮比点を示している。そして、図5におい
て、揺動軸受16及び揺動支軸17の中心をボア中心線
BLと平行な線に沿って点bよりも下げることにより、
圧縮比CRが低下する。又、ピストン7の上死点位置ま
での間で揺動軸受16及び揺動支軸17の中心をボア中
心線BLと平行な線に沿って点bよりも上げることによ
り、圧縮比CRが増大する。更に、ピストン7の上死点
から揺動軸受16及び揺動支軸17の中心を上げること
により、圧縮比CRが低下する。このように、揺動軸受
16及び揺動支軸17の中心の位置と圧縮比CRとの間
の関係が確認されている。
【0021】そこで、この実施例では、上記のような関
係を考慮して、揺動軸受16及び揺動支軸17の中心
を、点bよりも若干下方に設定することにより、シリン
ダ部2の揺動に伴った排気量DPMの増大に合わせて圧
縮比CRが低下するように設定されている。即ち、排気
量DPMと圧縮比CRとの関係が、図6に示すグラフと
なるように設定されている。つまり、排気量DPMが最
小値Minとなるときに圧縮比CRが最も高くなり、排
気量DPMが最大値Maxとなるときに圧縮比CRが最
も低くなり、最小値Minと最大値Maxとの間では圧
縮比CRが連続的に変化するように設定されている。
係を考慮して、揺動軸受16及び揺動支軸17の中心
を、点bよりも若干下方に設定することにより、シリン
ダ部2の揺動に伴った排気量DPMの増大に合わせて圧
縮比CRが低下するように設定されている。即ち、排気
量DPMと圧縮比CRとの関係が、図6に示すグラフと
なるように設定されている。つまり、排気量DPMが最
小値Minとなるときに圧縮比CRが最も高くなり、排
気量DPMが最大値Maxとなるときに圧縮比CRが最
も低くなり、最小値Minと最大値Maxとの間では圧
縮比CRが連続的に変化するように設定されている。
【0022】ここで、この実施例のエンジンにおける等
燃費率曲線を図7,8に示す。図7,8は横軸をエンジ
ン回転数NE、縦軸を吸入空気量Q(負荷)とした等燃
費率曲線を示している。図7には、排気量DPMが最小
値Minのときの等燃費率曲線が破線で示され、排気量
DPMが最大値Maxのときの等燃費率曲線が実線で示
されている。そして、この実施例では、排気量DPMが
最小値Minと最大値Maxとの間で連続的に変えられ
ることから、等燃費率曲線は、図8に示すように、最小
値Minの等燃費率曲線と最大値Maxのそれとが合成
されたものとなる。
燃費率曲線を図7,8に示す。図7,8は横軸をエンジ
ン回転数NE、縦軸を吸入空気量Q(負荷)とした等燃
費率曲線を示している。図7には、排気量DPMが最小
値Minのときの等燃費率曲線が破線で示され、排気量
DPMが最大値Maxのときの等燃費率曲線が実線で示
されている。そして、この実施例では、排気量DPMが
最小値Minと最大値Maxとの間で連続的に変えられ
ることから、等燃費率曲線は、図8に示すように、最小
値Minの等燃費率曲線と最大値Maxのそれとが合成
されたものとなる。
【0023】そして、この実施例では、上記のような関
係を有する排気量DPM及び圧縮比CRがエンジンの運
転状態に応じて制御されるようになっている。即ち、図
1に示すように、油圧制御弁29が電子制御装置(以下
単に「ECU」という)41の出力側に接続され、EC
U41によって油圧制御弁29の開閉が制御されるよう
になっている。ECU41は中央処理装置(CPU)、
所定の制御プログラム等を予め記憶したメモリ等の各種
メモリ及び外部入出力回路等によって構成されている。
ECU41の入力側には、エンジン回転数NEを検出す
る回転数センサ42が接続されている。又、ECU41
の入力側には、図示しない吸気通路に設けられてエンジ
ンへの吸入空気量Qを検出するエアフローメータ43が
接続されている。又、ECU41の入力側には、同じく
吸気通路に設けられた図示しないスロットルバルブの開
度(スロットル開度)TAを検出するスロットルセンサ
44が接続されている。そして、ECU41は各センサ
42〜44から入力されるエンジン回転数NE、エンジ
ンの負荷に相当する吸入空気量Q、及びスロットル開度
TAに基づき、油圧制御弁29を好適に開閉制御する。
つまり、この実施例では、エンジン回転数NE、エンジ
ン負荷及びスロットル開度TAに基づき油圧アクチュエ
ータ22を駆動制御してシリンダ部2の揺動量を制御す
ることにより、エンジンの排気量DPM及び圧縮比CR
が連続的に制御される。
係を有する排気量DPM及び圧縮比CRがエンジンの運
転状態に応じて制御されるようになっている。即ち、図
1に示すように、油圧制御弁29が電子制御装置(以下
単に「ECU」という)41の出力側に接続され、EC
U41によって油圧制御弁29の開閉が制御されるよう
になっている。ECU41は中央処理装置(CPU)、
所定の制御プログラム等を予め記憶したメモリ等の各種
メモリ及び外部入出力回路等によって構成されている。
ECU41の入力側には、エンジン回転数NEを検出す
る回転数センサ42が接続されている。又、ECU41
の入力側には、図示しない吸気通路に設けられてエンジ
ンへの吸入空気量Qを検出するエアフローメータ43が
接続されている。又、ECU41の入力側には、同じく
吸気通路に設けられた図示しないスロットルバルブの開
度(スロットル開度)TAを検出するスロットルセンサ
44が接続されている。そして、ECU41は各センサ
42〜44から入力されるエンジン回転数NE、エンジ
ンの負荷に相当する吸入空気量Q、及びスロットル開度
TAに基づき、油圧制御弁29を好適に開閉制御する。
つまり、この実施例では、エンジン回転数NE、エンジ
ン負荷及びスロットル開度TAに基づき油圧アクチュエ
ータ22を駆動制御してシリンダ部2の揺動量を制御す
ることにより、エンジンの排気量DPM及び圧縮比CR
が連続的に制御される。
【0024】次に、ECU41により実行される各処理
内容のうち、排気量DPM及び圧縮比CRの制御のため
の処理内容について、図9に示すフローチャートに従っ
て説明する。このフローチャートのルーチンはエンジン
の運転時に周期的に実行される。
内容のうち、排気量DPM及び圧縮比CRの制御のため
の処理内容について、図9に示すフローチャートに従っ
て説明する。このフローチャートのルーチンはエンジン
の運転時に周期的に実行される。
【0025】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ101において、回転数センサ42、エアフロー
メータ43及びスロットルセンサ43の各検出値に基づ
き、エンジン回転数NE、吸入空気量Q及びスロットル
開度TAをそれぞれ読み込む。
テップ101において、回転数センサ42、エアフロー
メータ43及びスロットルセンサ43の各検出値に基づ
き、エンジン回転数NE、吸入空気量Q及びスロットル
開度TAをそれぞれ読み込む。
【0026】続いて、ステップ102において、負荷に
相当する吸入空気量Qが所定値α以上であるか否かを判
断する。ここで、吸入空気量Qが所定値α以上でない場
合には、ステップ103へ移行し、スロットル開度TA
に基づき、スロットル全閉であるか否かを判断する。そ
して、ステップ103において、スロットル全閉である
場合には、そのままその後の処理を一旦終了する。又、
ステップ103において、スロットル全閉でない場合に
は、エンジンが低負荷状態であるものとして、ステップ
104へ移行し、油圧制御弁29を開閉制御することに
より排気量DPMを最小値Minに制御した後、処理を
一旦終了する。ここで、排気量DPMが最小値Minに
制御されることにより、圧縮比CRは最も高められる。
相当する吸入空気量Qが所定値α以上であるか否かを判
断する。ここで、吸入空気量Qが所定値α以上でない場
合には、ステップ103へ移行し、スロットル開度TA
に基づき、スロットル全閉であるか否かを判断する。そ
して、ステップ103において、スロットル全閉である
場合には、そのままその後の処理を一旦終了する。又、
ステップ103において、スロットル全閉でない場合に
は、エンジンが低負荷状態であるものとして、ステップ
104へ移行し、油圧制御弁29を開閉制御することに
より排気量DPMを最小値Minに制御した後、処理を
一旦終了する。ここで、排気量DPMが最小値Minに
制御されることにより、圧縮比CRは最も高められる。
【0027】一方、ステップ102において、吸入空気
量Qが所定値α以上である場合には、ステップ105へ
移行して、負荷に相当する吸入空気量Qが所定値β(α
<β)以下であるか否かを判断する。ここで、吸入空気
量Qが所定値β以下でない場合には、ステップ106へ
移行し、スロットル開度TAに基づき、スロットル全開
であるか否かを判断する。そして、ステップ106にお
いて、スロットル全開でない場合には、エンジンが高負
荷であるものとして、ステップ107において、油圧制
御弁29を開閉制御することにより排気量DPMを最大
値Maxに制御した後、処理を一旦終了する。ここで、
排気量DPMが最大値Maxに制御されることにより、
圧縮比CRは最も低められる。
量Qが所定値α以上である場合には、ステップ105へ
移行して、負荷に相当する吸入空気量Qが所定値β(α
<β)以下であるか否かを判断する。ここで、吸入空気
量Qが所定値β以下でない場合には、ステップ106へ
移行し、スロットル開度TAに基づき、スロットル全開
であるか否かを判断する。そして、ステップ106にお
いて、スロットル全開でない場合には、エンジンが高負
荷であるものとして、ステップ107において、油圧制
御弁29を開閉制御することにより排気量DPMを最大
値Maxに制御した後、処理を一旦終了する。ここで、
排気量DPMが最大値Maxに制御されることにより、
圧縮比CRは最も低められる。
【0028】一方、ステップ105において、吸入空気
量Qが所定値β以下である場合には、ステップ108に
おいて、図10に示すようなマップを参照して油圧制御
弁29を開閉制御することにより排気量DPMを制御
し、その後の処理を一旦終了する。即ち、所定値αから
所定値βまでの吸入空気量Qの間で、排気量DPMを最
小値Minから最大値Maxまでの間で連続的に可変と
する。そして、排気量DPMが最小値Minから最大値
Maxの間で連続的に変えられることにより、圧縮比C
Rも高い値から低い値の間で連続的に変えられる。つま
り、エンジンの部分負荷(パーシャル)時には、図8に
示すように、所定値αと所定値βとの間で等燃費率曲線
を連続的に変化させることができて良燃費を確保するこ
とができる。
量Qが所定値β以下である場合には、ステップ108に
おいて、図10に示すようなマップを参照して油圧制御
弁29を開閉制御することにより排気量DPMを制御
し、その後の処理を一旦終了する。即ち、所定値αから
所定値βまでの吸入空気量Qの間で、排気量DPMを最
小値Minから最大値Maxまでの間で連続的に可変と
する。そして、排気量DPMが最小値Minから最大値
Maxの間で連続的に変えられることにより、圧縮比C
Rも高い値から低い値の間で連続的に変えられる。つま
り、エンジンの部分負荷(パーシャル)時には、図8に
示すように、所定値αと所定値βとの間で等燃費率曲線
を連続的に変化させることができて良燃費を確保するこ
とができる。
【0029】又、ステップ106において、スロットル
全開である場合には、ステップ109において、油圧制
御弁29を開閉制御することにより排気量DPMを最小
値Minに制御する。このとき、排気量DPMが最小値
Minに制御されることにより、圧縮比CRは最も高め
られる。続いて、ステップ110へ移行し、ステップ1
09において、排気量DPMを最小値Minに制御して
からの経過時間T1をカウントする。又、ステップ11
1において、経過時間T1に基づき、スロットル全開と
なってからのエンジン回転数NEの標準回転加速度VA
Aを算出する。この標準回転加速度VAAは、図11に
示すように、経過時間T1に対する標準回転加速度VA
Aの関係を予め定めたマップを参照して求められる。次
に、ステップ112において、エンジン回転数NEに基
づき、その時のエンジン回転数NEの実際の回転加速度
(実回転加速度)NEAを算出する。
全開である場合には、ステップ109において、油圧制
御弁29を開閉制御することにより排気量DPMを最小
値Minに制御する。このとき、排気量DPMが最小値
Minに制御されることにより、圧縮比CRは最も高め
られる。続いて、ステップ110へ移行し、ステップ1
09において、排気量DPMを最小値Minに制御して
からの経過時間T1をカウントする。又、ステップ11
1において、経過時間T1に基づき、スロットル全開と
なってからのエンジン回転数NEの標準回転加速度VA
Aを算出する。この標準回転加速度VAAは、図11に
示すように、経過時間T1に対する標準回転加速度VA
Aの関係を予め定めたマップを参照して求められる。次
に、ステップ112において、エンジン回転数NEに基
づき、その時のエンジン回転数NEの実際の回転加速度
(実回転加速度)NEAを算出する。
【0030】そして、ステップ113において、実回転
加速度NEAが標準回転加速度VAAよりも小さいか否
かを判断する。ここで、実回転加速度NEAが標準回転
加速度VAAよりも小さい場合には、ステップ114に
おいて、油圧制御弁29を開閉制御することにより排気
量DPMを最小値Minから増大させるように制御す
る。これにより、圧縮比CRも高い値から低減されるよ
うに制御される。そして、ステップ114からステップ
110へジャンプし、ステップ110〜ステップ114
の処理を繰り返す。又、ステップ113において、実回
転加速度NEAが標準回転加速度VAAよりも小さくな
い場合には、その後の処理を一旦終了する。つまり、吸
入空気量Qが所定値βを越えてスロットル全開となった
場合には、排気量DPMを最小値Minに一旦した後、
実回転加速度NEAが高まるに連れて徐々に排気量DP
Mを増大させると共に、圧縮比CRを徐々に低めていく
のである。
加速度NEAが標準回転加速度VAAよりも小さいか否
かを判断する。ここで、実回転加速度NEAが標準回転
加速度VAAよりも小さい場合には、ステップ114に
おいて、油圧制御弁29を開閉制御することにより排気
量DPMを最小値Minから増大させるように制御す
る。これにより、圧縮比CRも高い値から低減されるよ
うに制御される。そして、ステップ114からステップ
110へジャンプし、ステップ110〜ステップ114
の処理を繰り返す。又、ステップ113において、実回
転加速度NEAが標準回転加速度VAAよりも小さくな
い場合には、その後の処理を一旦終了する。つまり、吸
入空気量Qが所定値βを越えてスロットル全開となった
場合には、排気量DPMを最小値Minに一旦した後、
実回転加速度NEAが高まるに連れて徐々に排気量DP
Mを増大させると共に、圧縮比CRを徐々に低めていく
のである。
【0031】上記のようにして、エンジンの運転状態に
応じた排気量DPM及び圧縮比CRの制御が行われる。
以上説明したように、この実施例におけるレシプロタイ
プのエンジンでは、シリンダブロック1がシリンダ部2
とスカート部3とに分割されている。又、そのシリンダ
部2が、油圧アクチュエータ22により、揺動軸受16
及び揺動支軸17を中心にスカート部3に対して揺動さ
れることにより、その揺動量に応じてエンジンの排気量
DPMが可変となっている。又、シリンダ部2の揺動に
伴い排気量DPMが増大されるのに伴い圧縮比CRが低
められる。つまり、この実施例のエンジンでは、シリン
ダ部2を必要に応じて揺動させることにより、排気量D
PMを連続的に可変とすることができ、排気量DPMの
増大に伴って圧縮比CRを低くし、排気量DPMの減少
に伴って圧縮比CRを高くすることができるのである。
応じた排気量DPM及び圧縮比CRの制御が行われる。
以上説明したように、この実施例におけるレシプロタイ
プのエンジンでは、シリンダブロック1がシリンダ部2
とスカート部3とに分割されている。又、そのシリンダ
部2が、油圧アクチュエータ22により、揺動軸受16
及び揺動支軸17を中心にスカート部3に対して揺動さ
れることにより、その揺動量に応じてエンジンの排気量
DPMが可変となっている。又、シリンダ部2の揺動に
伴い排気量DPMが増大されるのに伴い圧縮比CRが低
められる。つまり、この実施例のエンジンでは、シリン
ダ部2を必要に応じて揺動させることにより、排気量D
PMを連続的に可変とすることができ、排気量DPMの
増大に伴って圧縮比CRを低くし、排気量DPMの減少
に伴って圧縮比CRを高くすることができるのである。
【0032】しかも、この実施例では、吸入空気量Qが
所定値αより小さいエンジンの低負荷状態では、排気量
DPMが最小値Minに制御されると共に、圧縮比CR
が高い値に制御される。又、吸入空気量Qが所定値βよ
り大きいエンジンの高負荷状態では、排気量DPMが最
大値Maxに制御されると共に、圧縮比CRが低い値に
制御される。従って、エンジンの加速時には、エンジン
が高負荷状態となり、エンジン出力を増大させるために
排気量DPMが最大値Maxまで制御されるのである
が、そのときの圧縮比CRは低められる。その結果、エ
ンジンの加速時には排気量DPMの増大によって大きな
出力を確保することができると共に、圧縮比CRの低下
によってノッキングの発生を防止することができ、トル
クダウンを伴うことなくノッキングの発生を防止するこ
とができる。
所定値αより小さいエンジンの低負荷状態では、排気量
DPMが最小値Minに制御されると共に、圧縮比CR
が高い値に制御される。又、吸入空気量Qが所定値βよ
り大きいエンジンの高負荷状態では、排気量DPMが最
大値Maxに制御されると共に、圧縮比CRが低い値に
制御される。従って、エンジンの加速時には、エンジン
が高負荷状態となり、エンジン出力を増大させるために
排気量DPMが最大値Maxまで制御されるのである
が、そのときの圧縮比CRは低められる。その結果、エ
ンジンの加速時には排気量DPMの増大によって大きな
出力を確保することができると共に、圧縮比CRの低下
によってノッキングの発生を防止することができ、トル
クダウンを伴うことなくノッキングの発生を防止するこ
とができる。
【0033】又、この実施例では、図1に示すようなシ
リンダ部2の非揺動時に、排気量DPMが最小値Min
となるように設定されている。従って、エンジンの元の
体格を小さくしておいて、排気量DPMをシリンダ部2
の揺動によって増大させることができる。そのため、低
負荷時には、小さい体格のエンジン構成であることか
ら、最大値Max級の大排気量を有するエンジン構成と
比べて、エンジンのフリクションを小さくすることがで
き、その分だけ燃費を向上させることができる。しか
も、エンジンのムービング系(クランクシャフト、ピス
トン、コンロッド)については、最小値Min級の小排
気量のエンジンのそれに設定することができる。そのた
め、ムービング系を小排気量並みに軽量化することがで
き、スロットル全開時のエンジンの加速性能を向上させ
ることができる。又、ムービング系で発生する振動騒音
を小排気量並みに抑えることができる。
リンダ部2の非揺動時に、排気量DPMが最小値Min
となるように設定されている。従って、エンジンの元の
体格を小さくしておいて、排気量DPMをシリンダ部2
の揺動によって増大させることができる。そのため、低
負荷時には、小さい体格のエンジン構成であることか
ら、最大値Max級の大排気量を有するエンジン構成と
比べて、エンジンのフリクションを小さくすることがで
き、その分だけ燃費を向上させることができる。しか
も、エンジンのムービング系(クランクシャフト、ピス
トン、コンロッド)については、最小値Min級の小排
気量のエンジンのそれに設定することができる。そのた
め、ムービング系を小排気量並みに軽量化することがで
き、スロットル全開時のエンジンの加速性能を向上させ
ることができる。又、ムービング系で発生する振動騒音
を小排気量並みに抑えることができる。
【0034】加えて、この実施例では、エンジンがスロ
ットル全開となったときに、排気量DPMが最小値Mi
nまで一旦下げられた後、エンジンの実回転加速度NE
Aの増大に伴って排気量DPMが徐々に増大するように
制御される。従って、スロットル全開となったときに
は、排気流量を最小限に抑えながら、エンジン回転数N
Eを徐々に上げることができる。
ットル全開となったときに、排気量DPMが最小値Mi
nまで一旦下げられた後、エンジンの実回転加速度NE
Aの増大に伴って排気量DPMが徐々に増大するように
制御される。従って、スロットル全開となったときに
は、排気流量を最小限に抑えながら、エンジン回転数N
Eを徐々に上げることができる。
【0035】併せて、この実施例では、図4に示すよう
に、シリンダ部2の非揺動時におけるピストン7の下死
点でのクランクピン中心点Hと、シリンダ部2の揺動時
におけるピストン7の下死点でのクランクピン中心点I
とが異なっている。つまり、ピストン7のストロークに
対するクランクピン12の回転角が異なっており、これ
によってピストン7が早戻り(早送り)の状態となる。
このため、ピストン7の早送り状態では圧縮行程時間が
短縮され、クランクシャフト10の回転が上昇したと同
じことになり、対ノッキング性の向上を期待することが
できる。その逆に、膨張行程時間が延長され、各シリン
ダライナ6内で燃料の完全燃焼を期待することができ、
延いてはエンジンからの炭化水素(HC)排出量の低減
を期待することができる。
に、シリンダ部2の非揺動時におけるピストン7の下死
点でのクランクピン中心点Hと、シリンダ部2の揺動時
におけるピストン7の下死点でのクランクピン中心点I
とが異なっている。つまり、ピストン7のストロークに
対するクランクピン12の回転角が異なっており、これ
によってピストン7が早戻り(早送り)の状態となる。
このため、ピストン7の早送り状態では圧縮行程時間が
短縮され、クランクシャフト10の回転が上昇したと同
じことになり、対ノッキング性の向上を期待することが
できる。その逆に、膨張行程時間が延長され、各シリン
ダライナ6内で燃料の完全燃焼を期待することができ、
延いてはエンジンからの炭化水素(HC)排出量の低減
を期待することができる。
【0036】(第2実施例)次に、この発明の内燃機関
における排気量及び圧縮比の可変構造を具体化した第2
実施例を図12〜図14に従って説明する。尚、この実
施例において、前記第1実施例の構成と同じ部材につい
ては、同一の符号を付して説明を省略し、特に異なった
点を中心に説明する。
における排気量及び圧縮比の可変構造を具体化した第2
実施例を図12〜図14に従って説明する。尚、この実
施例において、前記第1実施例の構成と同じ部材につい
ては、同一の符号を付して説明を省略し、特に異なった
点を中心に説明する。
【0037】図12はエンジンを構成するシリンダブロ
ック1を幅方向に破断して示す断面図及び電気的構成を
示す図である。この実施例において、シリンダブロック
1を中心とするエンジンのハード構成については、前記
第1実施例のそれと同じである。ここでは、エンジンの
排気量DPM及び圧縮比CRをエンジンの運転状態に応
じて制御するための電気的構成とその制御内容の点で異
なっている。
ック1を幅方向に破断して示す断面図及び電気的構成を
示す図である。この実施例において、シリンダブロック
1を中心とするエンジンのハード構成については、前記
第1実施例のそれと同じである。ここでは、エンジンの
排気量DPM及び圧縮比CRをエンジンの運転状態に応
じて制御するための電気的構成とその制御内容の点で異
なっている。
【0038】即ち、ECU41の出力側には、油圧制御
弁29の他に、点火プラグ31に高電圧を出力するため
のイグナイタ32が接続されている。又、ECU41の
入力側には、回転数センサ42及びスロットルセンサ4
4の他に、ノックセンサ45が接続されている。ノック
センサ45はシリンダブロック1に取り付けられてお
り、エンジンの燃焼室でのノッキングの発生に起因する
振動を検出して振動信号VISとして出力する。そし
て、ECU41は各センサ42,44から入力されるエ
ンジン回転数NE及びスロットル開度TAに基づき、ク
ランクシャフト10の回転角度に同期してイグナイタ3
2を制御することにより、点火プラグ31への高電圧の
出力タイミングを好適に制御する。つまり、エンジンの
点火時期制御が行われる。特に、スロットル開度TAが
急に大きくなるようなエンジンの加速時には、ECU4
1によって点火時期がある程度遅角されるようになって
いる。又、ECU41はノックセンサ45から入力され
る振動信号VISに基づき、油圧制御弁29を好適に開
閉制御する。つまり、この実施例では、振動信号VIS
に基づき油圧アクチュエータ22を駆動制御してシリン
ダ部2の揺動を制御することにより、エンジンの排気量
DPM及び圧縮比CRを制御する。
弁29の他に、点火プラグ31に高電圧を出力するため
のイグナイタ32が接続されている。又、ECU41の
入力側には、回転数センサ42及びスロットルセンサ4
4の他に、ノックセンサ45が接続されている。ノック
センサ45はシリンダブロック1に取り付けられてお
り、エンジンの燃焼室でのノッキングの発生に起因する
振動を検出して振動信号VISとして出力する。そし
て、ECU41は各センサ42,44から入力されるエ
ンジン回転数NE及びスロットル開度TAに基づき、ク
ランクシャフト10の回転角度に同期してイグナイタ3
2を制御することにより、点火プラグ31への高電圧の
出力タイミングを好適に制御する。つまり、エンジンの
点火時期制御が行われる。特に、スロットル開度TAが
急に大きくなるようなエンジンの加速時には、ECU4
1によって点火時期がある程度遅角されるようになって
いる。又、ECU41はノックセンサ45から入力され
る振動信号VISに基づき、油圧制御弁29を好適に開
閉制御する。つまり、この実施例では、振動信号VIS
に基づき油圧アクチュエータ22を駆動制御してシリン
ダ部2の揺動を制御することにより、エンジンの排気量
DPM及び圧縮比CRを制御する。
【0039】次に、ECU41により実行される各処理
内容のうち、排気量DPM及び圧縮比CRの制御のため
の処理内容について、図13に示すフローチャートに従
って説明する。このフローチャートのルーチンはエンジ
ンの運転時に周期的に実行される。
内容のうち、排気量DPM及び圧縮比CRの制御のため
の処理内容について、図13に示すフローチャートに従
って説明する。このフローチャートのルーチンはエンジ
ンの運転時に周期的に実行される。
【0040】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ201において、ノックセンサ45の検出値に基
づき振動信号VISを読み込む。そして、ステップ20
2において、振動信号VISに基づきノッキングが発生
したか否かを判断する。ここで、ノッキングが発生した
場合には、ステップ203において、油圧制御弁29を
開閉制御することにより排気量DPMを最大値Maxに
制御した後、処理を一旦終了する。そして、排気量DP
Mが最大値Maxに制御されることにより、圧縮比CR
は最も低められる。一方、ノッキングが発生していない
場合には、そのままその後の処理を一旦終了する。
テップ201において、ノックセンサ45の検出値に基
づき振動信号VISを読み込む。そして、ステップ20
2において、振動信号VISに基づきノッキングが発生
したか否かを判断する。ここで、ノッキングが発生した
場合には、ステップ203において、油圧制御弁29を
開閉制御することにより排気量DPMを最大値Maxに
制御した後、処理を一旦終了する。そして、排気量DP
Mが最大値Maxに制御されることにより、圧縮比CR
は最も低められる。一方、ノッキングが発生していない
場合には、そのままその後の処理を一旦終了する。
【0041】このようにして、エンジンのノッキングの
発生に応じた排気量DPM及び圧縮比CRの制御が行わ
れる。ここで、上記のような排気量DPM及び圧縮比C
Rの制御と点火時期制御の作用について、図14のタイ
ムチャートに従って説明する。
発生に応じた排気量DPM及び圧縮比CRの制御が行わ
れる。ここで、上記のような排気量DPM及び圧縮比C
Rの制御と点火時期制御の作用について、図14のタイ
ムチャートに従って説明する。
【0042】今、時刻t1から時刻t3までの間で、エ
ンジンの加速要求に伴ってスロットル開度TAが急増す
ると、その間だけ点火時期が徐々に遅角される。そし
て、その途中の時刻t2において、ノッキングの発生が
判定されると、排気量DPMが最小値Minから最大値
Maxへと増大され、圧縮比CRが最も低められる。同
図の破線は、排気量DPMを可変とする構造を備えてい
ないエンジンにおいて、ノッキング発生時に点火時期を
大幅に遅角させる場合の挙動が示されている。
ンジンの加速要求に伴ってスロットル開度TAが急増す
ると、その間だけ点火時期が徐々に遅角される。そし
て、その途中の時刻t2において、ノッキングの発生が
判定されると、排気量DPMが最小値Minから最大値
Maxへと増大され、圧縮比CRが最も低められる。同
図の破線は、排気量DPMを可変とする構造を備えてい
ないエンジンにおいて、ノッキング発生時に点火時期を
大幅に遅角させる場合の挙動が示されている。
【0043】従って、この実施例においても、第1実施
例と同様にエンジンのハード構成により、エンジンの排
気量DPMが可変となっており、シリンダ部2を必要に
応じて揺動させることにより、排気量DPMを増大させ
ることができ、それに伴ってて圧縮比CRを低くするこ
とができる。又、ノッキングが発生するような場合に
は、圧縮比CRの低下によってノッキングの発生を防止
することができる。しかも、加速要求に合わせて排気量
DPMが増大されることから、エンジントルクを円滑に
増大させることができる。つまり、加速時には、ノッキ
ングの発生を抑えながら、エンジンの出力を増大させる
ことができるのである。
例と同様にエンジンのハード構成により、エンジンの排
気量DPMが可変となっており、シリンダ部2を必要に
応じて揺動させることにより、排気量DPMを増大させ
ることができ、それに伴ってて圧縮比CRを低くするこ
とができる。又、ノッキングが発生するような場合に
は、圧縮比CRの低下によってノッキングの発生を防止
することができる。しかも、加速要求に合わせて排気量
DPMが増大されることから、エンジントルクを円滑に
増大させることができる。つまり、加速時には、ノッキ
ングの発生を抑えながら、エンジンの出力を増大させる
ことができるのである。
【0044】その他、エンジンフリクションやムービン
グ系等に係る作用及び効果については、前記第1実施例
のそれと基本的に同じである。尚、この発明は前記各実
施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で構成の一部を適宜に変更して次のように実施す
ることもできる。
グ系等に係る作用及び効果については、前記第1実施例
のそれと基本的に同じである。尚、この発明は前記各実
施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で構成の一部を適宜に変更して次のように実施す
ることもできる。
【0045】(1)前記各実施例では、シリンダ部2を
揺動させるために油圧アクチュエータ22を使用した
が、これに限られるものではない。例えば、図15に示
すように、電気的に駆動されるステップモータ33を使
用したり、図16に示すように、吸気マニホルドにおけ
る発生負圧等の導入を制御することによって駆動される
ダイヤフラム式アクチュエータ34を使用したりするこ
ともできる。
揺動させるために油圧アクチュエータ22を使用した
が、これに限られるものではない。例えば、図15に示
すように、電気的に駆動されるステップモータ33を使
用したり、図16に示すように、吸気マニホルドにおけ
る発生負圧等の導入を制御することによって駆動される
ダイヤフラム式アクチュエータ34を使用したりするこ
ともできる。
【0046】(2)前記各実施例では、エンジンの加速
時にシリンダ部2を揺動させて排気量DPMを増大させ
るような制御を行ったが、燃料カットを伴ったエンジン
の減速時に、シリンダ部を揺動させて排気量DPMを増
大させるように制御してもよい。この場合、エンジンの
減速時にシリンダ部が揺動されてピストンのストローク
が増大されることから、エンジンのフリクションが増大
して、大きなエンジンブレーキを得ることができる。
時にシリンダ部2を揺動させて排気量DPMを増大させ
るような制御を行ったが、燃料カットを伴ったエンジン
の減速時に、シリンダ部を揺動させて排気量DPMを増
大させるように制御してもよい。この場合、エンジンの
減速時にシリンダ部が揺動されてピストンのストローク
が増大されることから、エンジンのフリクションが増大
して、大きなエンジンブレーキを得ることができる。
【0047】(3)前記各実施例では、シリンダ部2と
スカート部3の両滑り面19,20の間に特別な制動手
段が設けられていないが、両滑り面19,20の一方に
油圧ブレーキ等の制動手段を設けて、必要に応じて作動
させることにより、シリンダ部2の揺動を一時的に固定
するようにしてもよい。
スカート部3の両滑り面19,20の間に特別な制動手
段が設けられていないが、両滑り面19,20の一方に
油圧ブレーキ等の制動手段を設けて、必要に応じて作動
させることにより、シリンダ部2の揺動を一時的に固定
するようにしてもよい。
【0048】(4)前記各実施例では、揺動軸受16及
び揺動支軸17の中心位置を等圧縮比となる点bよりも
やや下方に設定したが、この中心位置の設定を任意に変
更することもできる。
び揺動支軸17の中心位置を等圧縮比となる点bよりも
やや下方に設定したが、この中心位置の設定を任意に変
更することもできる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、レシプロタイプの内燃機関において、シリンダブロ
ックをシリンダ部とスカート部とに分割し、シリンダ部
をスカート部に対して揺動支軸及び揺動軸受を中心に揺
動可能としてシリンダ部をアクチュエータにより揺動さ
せるようにしている。従って、シリンダ部が揺動される
ことにより、ピストンのストロークが変えられて内燃機
関の排気量が変えられ、揺動支軸及び揺動軸受の位置を
任意に設定することにより、排気量の変化に合わせて圧
縮比が任意に変えられる。その結果、必要に応じて排気
量を可変とすることができると共に、排気量の増大に伴
って圧縮比を低くしたり、排気量の減少に伴って圧縮比
を高くしたりすることができるという優れた効果を発揮
する。
ば、レシプロタイプの内燃機関において、シリンダブロ
ックをシリンダ部とスカート部とに分割し、シリンダ部
をスカート部に対して揺動支軸及び揺動軸受を中心に揺
動可能としてシリンダ部をアクチュエータにより揺動さ
せるようにしている。従って、シリンダ部が揺動される
ことにより、ピストンのストロークが変えられて内燃機
関の排気量が変えられ、揺動支軸及び揺動軸受の位置を
任意に設定することにより、排気量の変化に合わせて圧
縮比が任意に変えられる。その結果、必要に応じて排気
量を可変とすることができると共に、排気量の増大に伴
って圧縮比を低くしたり、排気量の減少に伴って圧縮比
を高くしたりすることができるという優れた効果を発揮
する。
【図1】この発明を具体化した第1実施例においてシリ
ンダブロックを幅方向に破断して示す断面図及び電気的
構成等を示す図である。
ンダブロックを幅方向に破断して示す断面図及び電気的
構成等を示す図である。
【図2】第1実施例において、シリンダブロックを長手
方向に破断して示す断面図である。
方向に破断して示す断面図である。
【図3】第1実施例において、シリンダブロックを示す
背面図である。
背面図である。
【図4】第1実施例において、エンジンの排気量の変化
を説明するモデル図である。
を説明するモデル図である。
【図5】第1実施例において、揺動軸受及び揺動支軸の
位置設定を説明するための断面図である。
位置設定を説明するための断面図である。
【図6】第1実施例において、排気量と圧縮比との関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図7】第1実施例において、エンジンの等燃費率曲線
を示す図である。
を示す図である。
【図8】第1実施例において、同じくエンジンの等燃費
率曲線を示す図である。
率曲線を示す図である。
【図9】第1実施例において、ECUにより実行される
排気量及び圧縮比の制御のための処理内容を示すフロー
チャートである。
排気量及び圧縮比の制御のための処理内容を示すフロー
チャートである。
【図10】第1実施例において、吸入空気量の変化に対
する排気量の関係を予め定めたマップである。
する排気量の関係を予め定めたマップである。
【図11】第1実施例において、経過時間の変化に対す
る標準回転加速度の関係を予め定めたマップである。
る標準回転加速度の関係を予め定めたマップである。
【図12】この発明を具体化した第2実施例においてシ
リンダブロックを幅方向に破断して示す断面図及び電気
的構成等を示す図である。
リンダブロックを幅方向に破断して示す断面図及び電気
的構成等を示す図である。
【図13】第2実施例において、ECUにより実行され
る排気量及び圧縮比の制御のための処理内容を示すフロ
ーチャートである。
る排気量及び圧縮比の制御のための処理内容を示すフロ
ーチャートである。
【図14】第2実施例において、排気量及び圧縮比の制
御等の作用を説明するタイムチャートである。
御等の作用を説明するタイムチャートである。
【図15】この発明を具体化した別の実施例において、
シリンダ部を揺動するためのステップモータを示す図で
ある。
シリンダ部を揺動するためのステップモータを示す図で
ある。
【図16】この発明を具体化した別の実施例において、
シリンダ部を揺動するためのダイヤフラム式アクチュエ
ータを示す図である。
シリンダ部を揺動するためのダイヤフラム式アクチュエ
ータを示す図である。
1…シリンダブロック、2…シリンダ部、3…スカート
部、7…ピストン、8…クランクケース、10…クラン
クシャフト、13…コンロッド、16…揺動軸受、17
…揺動支軸、22…油圧アクチュエータ、33…ステッ
プモータ、34…ダイヤフラム式アクチュエータ。
部、7…ピストン、8…クランクケース、10…クラン
クシャフト、13…コンロッド、16…揺動軸受、17
…揺動支軸、22…油圧アクチュエータ、33…ステッ
プモータ、34…ダイヤフラム式アクチュエータ。
Claims (1)
- 【請求項1】 シリンダボアを有するシリンダ部とクラ
ンクケースを有するスカート部とに分割されてなるシリ
ンダブロックと、 前記シリンダボア内に往復動可能に配置されたピストン
と、 前記クランクケース内に配置されて前記スカート部に回
転可能に支持されたクランクシャフトと、 前記ピストンを前記クランクシャフトに連結するコンロ
ッドと、 前記シリンダ部を前記スカート部に対して揺動可能に支
持し前記クランクシャフトと平行に形成された揺動支軸
及び揺動軸受と、 前記シリンダ部を揺動させるためのアクチュエータとを
備えたことを特徴とする内燃機関における排気量及び圧
縮比の可変構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28467892A JPH06137176A (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 内燃機関における排気量及び圧縮比の可変構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28467892A JPH06137176A (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 内燃機関における排気量及び圧縮比の可変構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06137176A true JPH06137176A (ja) | 1994-05-17 |
Family
ID=17681568
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28467892A Pending JPH06137176A (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 内燃機関における排気量及び圧縮比の可変構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06137176A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5562069A (en) * | 1992-05-11 | 1996-10-08 | Saab Automobile Aktiebolag | Method and device for varying the compression of an internal combustion engine |
JP2003517535A (ja) * | 1999-12-14 | 2003-05-27 | ヨンソン,バース | ピストンエンジン内の上死点位置を決定し且つ調節する方法及び装置 |
-
1992
- 1992-10-22 JP JP28467892A patent/JPH06137176A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5562069A (en) * | 1992-05-11 | 1996-10-08 | Saab Automobile Aktiebolag | Method and device for varying the compression of an internal combustion engine |
JP2003517535A (ja) * | 1999-12-14 | 2003-05-27 | ヨンソン,バース | ピストンエンジン内の上死点位置を決定し且つ調節する方法及び装置 |
JP2010156346A (ja) * | 1999-12-14 | 2010-07-15 | Berth Jonsson | ピストンエンジン内の上死点位置を決定し且つ調節する方法及び装置 |
JP4749644B2 (ja) * | 1999-12-14 | 2011-08-17 | ヨンソン,バース | ピストンエンジン内の上死点位置を決定し且つ調節する方法及び装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6516757B2 (en) | Internal combustion engine with a supercharger and an improved piston crank mechanism | |
JP3845617B2 (ja) | ピストン式内燃機関 | |
US6792924B2 (en) | Engine control system of internal combustion engine with variable compression ratio mechanism and exhaust-gas recirculation control system | |
US6691655B2 (en) | Control system and method for an internal combustion engine | |
US7669559B2 (en) | Internal combustion engine | |
JP4134830B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比制御装置 | |
US6202623B1 (en) | Internal combustion engines | |
US7159543B2 (en) | Controlling an engine with a multi link-type piston crank mechanism | |
US6732682B2 (en) | Control system and method for an internal combustion engine | |
US6843226B2 (en) | Intake control apparatus for internal combustion engine | |
JP2002285876A (ja) | 内燃機関の燃焼制御システム | |
JP2007239555A (ja) | 内燃機関 | |
JP4135394B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
WO2018092586A1 (ja) | 内燃機関の可変システム及びその制御方法 | |
JP2009030458A (ja) | 火花点火式内燃機関 | |
JP4092476B2 (ja) | レシプロ式可変圧縮比機関 | |
RU2256085C2 (ru) | Поршневой двигатель внутреннего сгорания с переменной степенью сжатия | |
JP4586747B2 (ja) | レシプロ式エンジン | |
JPH06137176A (ja) | 内燃機関における排気量及び圧縮比の可変構造 | |
JP4978300B2 (ja) | 内燃機関 | |
JP4501584B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比制御装置 | |
JP2001263108A (ja) | 内燃機関の吸気弁駆動制御装置 | |
JP2007239508A (ja) | レシプロ式エンジン | |
JP2011247177A (ja) | 可変圧縮比内燃機関の制御装置 | |
Tomita et al. | Compact and long-stroke multiple-link VCR engine mechanism |