JPH06132582A - エキシマレーザ装置 - Google Patents
エキシマレーザ装置Info
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- JPH06132582A JPH06132582A JP30155192A JP30155192A JPH06132582A JP H06132582 A JPH06132582 A JP H06132582A JP 30155192 A JP30155192 A JP 30155192A JP 30155192 A JP30155192 A JP 30155192A JP H06132582 A JPH06132582 A JP H06132582A
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- Japan
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- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 フッ素ガスをレーザ媒質に用いるエキシマレ
ーザ装置において、レーザ媒質ガス中に浮遊する粉塵を
除去するため、フッ素に対して安定な除塵手段を提供す
る。 【構成】 エキシマレーザ装置のチャンバ1にダストフ
ィルタケース9を連結し、ダストフィルタケース9内に
フィルタ13を取着する。ファン2を駆動することによ
って、主電極3,4間を通ってフィルタ13に流入する
ガス流を発生させる。前記フィルタ13には、フッ素に
反応しない母材またはコーティング材、又は不働態膜、
たとえばフッ化不働態化処理を施したステンレススチー
ル製のメッシュフィルタを用いる。フィルタ13によっ
て濾過された媒質ガスはウインドウパージ室16に入
り、ラビリンス8の開口部を通過してチャンバ1内に戻
る。従来のように媒質ガスとフィルタとの反応生成物が
ウインドウの透過率を低下させたり、レーザ光出力を低
下させることがない。
ーザ装置において、レーザ媒質ガス中に浮遊する粉塵を
除去するため、フッ素に対して安定な除塵手段を提供す
る。 【構成】 エキシマレーザ装置のチャンバ1にダストフ
ィルタケース9を連結し、ダストフィルタケース9内に
フィルタ13を取着する。ファン2を駆動することによ
って、主電極3,4間を通ってフィルタ13に流入する
ガス流を発生させる。前記フィルタ13には、フッ素に
反応しない母材またはコーティング材、又は不働態膜、
たとえばフッ化不働態化処理を施したステンレススチー
ル製のメッシュフィルタを用いる。フィルタ13によっ
て濾過された媒質ガスはウインドウパージ室16に入
り、ラビリンス8の開口部を通過してチャンバ1内に戻
る。従来のように媒質ガスとフィルタとの反応生成物が
ウインドウの透過率を低下させたり、レーザ光出力を低
下させることがない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主にフッ素ガスをレー
ザ媒質に用いるエキシマレーザ装置に関する。
ザ媒質に用いるエキシマレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エキシマレーザ装置において、従来から
用いられているダスト捕捉手段として、静電除塵器(特
願昭58−59421,USP−5027366,US
P−5029177参照)によるものと、フィルタ(特
願平2−258472,CONTROL OF CON
TAMINANTS IN XeCl LASERS,
LASER FOCUS P.65〜68 OCT.1
981など)によるものとの2種類がある。図3は静電
除塵器の構造を示す図、図4は図3のA−A断面図であ
る。これらの図において、21はダストフィルタケー
ス、22はダストフィルタケースふた、23はダストフ
ィルタ入口、24はダストフィルタ出口、25はワイヤ
電極(中心電極)、26は円筒電極、27はワイヤ電極
支持板、28は電流導入端子受、29は電流導入端子、
30は集塵板、31は安定化抵抗、32は高電圧電源で
ある。静電除塵器は、高電圧を印加されるワイヤ電極2
5とアース電位の円筒電極26とで構成され、ワイヤ電
極25に対しては高電圧電源32から安定化抵抗31お
よび電流導入端子29を介して前記ダストフィルタケー
ス21内に高圧電流が導入される。ワイヤ電極25およ
び円筒電極26は、フロントとリアにそれぞれ1本ずつ
直列に、フロント・リア内では4本並列に接続されてい
る。塵を含むレーザ媒質ガスは、ダストフィルタケース
21の中央部に設けられたダストフィルタ入口23から
前記ダストフィルタケース21内に入り、並列に配設さ
れた4個の円筒電極26とワイヤ電極25とによって集
塵されてクリーンなガスとなり、ダストフィルタ出口2
4から出ていく。また、フィルタによるダスト捕捉手段
では一般にステンレススチール製のメッシュフィルタが
用いられている。
用いられているダスト捕捉手段として、静電除塵器(特
願昭58−59421,USP−5027366,US
P−5029177参照)によるものと、フィルタ(特
願平2−258472,CONTROL OF CON
TAMINANTS IN XeCl LASERS,
LASER FOCUS P.65〜68 OCT.1
981など)によるものとの2種類がある。図3は静電
除塵器の構造を示す図、図4は図3のA−A断面図であ
る。これらの図において、21はダストフィルタケー
ス、22はダストフィルタケースふた、23はダストフ
ィルタ入口、24はダストフィルタ出口、25はワイヤ
電極(中心電極)、26は円筒電極、27はワイヤ電極
支持板、28は電流導入端子受、29は電流導入端子、
30は集塵板、31は安定化抵抗、32は高電圧電源で
ある。静電除塵器は、高電圧を印加されるワイヤ電極2
5とアース電位の円筒電極26とで構成され、ワイヤ電
極25に対しては高電圧電源32から安定化抵抗31お
よび電流導入端子29を介して前記ダストフィルタケー
ス21内に高圧電流が導入される。ワイヤ電極25およ
び円筒電極26は、フロントとリアにそれぞれ1本ずつ
直列に、フロント・リア内では4本並列に接続されてい
る。塵を含むレーザ媒質ガスは、ダストフィルタケース
21の中央部に設けられたダストフィルタ入口23から
前記ダストフィルタケース21内に入り、並列に配設さ
れた4個の円筒電極26とワイヤ電極25とによって集
塵されてクリーンなガスとなり、ダストフィルタ出口2
4から出ていく。また、フィルタによるダスト捕捉手段
では一般にステンレススチール製のメッシュフィルタが
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】静電除塵器を長時間運
転すると、円筒型の場合、ワイヤ電極25の消耗による
断線やダストの堆積により絶縁層を形成して放電しなく
なり、フィルタとして機能しなくなる。ワイヤ電極25
が断線すると、断線したワイヤの先端の行方によって2
通りの結果が考えられる。断線したワイヤがアース電位
の円筒電極26に接触すると、高電圧電源32の保護回
路が作動して他のワイヤ電極にも高電圧が印加されなく
なる。断線したワイヤがどこにも接触しない場合、他の
筒は静電除塵器として機能するが断線した筒は機能しな
くなるので、この筒を通過した塵はすべてクリーン側に
抜けてしまう。また、円筒電極26の内面にダストが堆
積すると、ダストが絶縁層を形成して放電しなくなり、
フィルタとして機能しなくなるのでクリーン側に塵が抜
けてしまう。このような場合の異常検出は困難であり、
たとえ異常検出装置を設けて静電除塵器の異常を検出す
ることができたとしても、ガスを循環しているクロスフ
ローファンが直ちに停止しない(停止するまでに数秒間
かかる)ため、静電除塵器のクリーン側を汚染するおそ
れがある。このような事態が発生した場合、前記クリー
ン側に付着した塵をすべて清掃する必要があり、レーザ
装置の復旧に時間がかかる。しかも、このような原因で
フィルタが機能しなくなる状況は突然発生することが十
分に考えられる。
転すると、円筒型の場合、ワイヤ電極25の消耗による
断線やダストの堆積により絶縁層を形成して放電しなく
なり、フィルタとして機能しなくなる。ワイヤ電極25
が断線すると、断線したワイヤの先端の行方によって2
通りの結果が考えられる。断線したワイヤがアース電位
の円筒電極26に接触すると、高電圧電源32の保護回
路が作動して他のワイヤ電極にも高電圧が印加されなく
なる。断線したワイヤがどこにも接触しない場合、他の
筒は静電除塵器として機能するが断線した筒は機能しな
くなるので、この筒を通過した塵はすべてクリーン側に
抜けてしまう。また、円筒電極26の内面にダストが堆
積すると、ダストが絶縁層を形成して放電しなくなり、
フィルタとして機能しなくなるのでクリーン側に塵が抜
けてしまう。このような場合の異常検出は困難であり、
たとえ異常検出装置を設けて静電除塵器の異常を検出す
ることができたとしても、ガスを循環しているクロスフ
ローファンが直ちに停止しない(停止するまでに数秒間
かかる)ため、静電除塵器のクリーン側を汚染するおそ
れがある。このような事態が発生した場合、前記クリー
ン側に付着した塵をすべて清掃する必要があり、レーザ
装置の復旧に時間がかかる。しかも、このような原因で
フィルタが機能しなくなる状況は突然発生することが十
分に考えられる。
【0004】フィルタについては、従来からフッ素ガス
に対して耐食性があるといわれているステンレススチー
ル製のメッシュフィルタをフッ素系(主なものとしてX
eF,KrF,ArF)のエキシマレーザに用いると、
メッシュを構成するステンレススチールのファイバの表
面上のCrがレーザ媒質ガス中のF2 と反応してフッ化
クロム化合物を生成する。フッ化クロム化合物の中でも
低価のもの、たとえばCrF2 は蒸気圧が低いのでその
ままフィルタ表面に残るが、高価のもの、たとえばCr
F5 は蒸気圧が高く、通常のレーザ媒質ガス温度ではほ
とんど気体で存在するため、レーザガス中に混合してし
まう。このCrF5 を含むガスでレーザ発振を行うと、
レーザ光を透過するウインドウ近傍のガス状のCrF5
がエキシマレーザの紫外光で分解してウインドウ上にC
rを堆積させる。その結果、ウインドウを曇らせてウイ
ンドウの透過率を低下させ、ひいてはレーザ光出力が低
下する。また、有機物で造られたフィルタたとえばテフ
ロンのフィルタでは、テフロン中の水とフッ素とが反応
してHFが発生したり、レーザ光によりCF4 が発生し
てレーザの出力を低下させる。
に対して耐食性があるといわれているステンレススチー
ル製のメッシュフィルタをフッ素系(主なものとしてX
eF,KrF,ArF)のエキシマレーザに用いると、
メッシュを構成するステンレススチールのファイバの表
面上のCrがレーザ媒質ガス中のF2 と反応してフッ化
クロム化合物を生成する。フッ化クロム化合物の中でも
低価のもの、たとえばCrF2 は蒸気圧が低いのでその
ままフィルタ表面に残るが、高価のもの、たとえばCr
F5 は蒸気圧が高く、通常のレーザ媒質ガス温度ではほ
とんど気体で存在するため、レーザガス中に混合してし
まう。このCrF5 を含むガスでレーザ発振を行うと、
レーザ光を透過するウインドウ近傍のガス状のCrF5
がエキシマレーザの紫外光で分解してウインドウ上にC
rを堆積させる。その結果、ウインドウを曇らせてウイ
ンドウの透過率を低下させ、ひいてはレーザ光出力が低
下する。また、有機物で造られたフィルタたとえばテフ
ロンのフィルタでは、テフロン中の水とフッ素とが反応
してHFが発生したり、レーザ光によりCF4 が発生し
てレーザの出力を低下させる。
【0005】本発明は上記従来の問題点に着目してなさ
れたもので、従来の静電除塵器のように捕獲した塵が異
常発生時にクリーン側に放出されることがなく、かつフ
ッ素ガスに反応しない除塵手段を備えたエキシマレーザ
装置を提供することを目的としている。
れたもので、従来の静電除塵器のように捕獲した塵が異
常発生時にクリーン側に放出されることがなく、かつフ
ッ素ガスに反応しない除塵手段を備えたエキシマレーザ
装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るエキシマレーザ装置は、レーザ媒質ガ
ス中に浮遊する粉塵を除去する手段として金属あるいは
セラミックスからなるフィルタを用いるものとし、この
ようなエキシマレーザ装置において、フィルタの母材ま
たはコーティング材に、ニッケル・コバルト・鉄・銅・
アルミニウム・金・白金族の金属または前記金属を含む
合金を用いてもよく、フィルタにアルミナセラミックス
(Al2 O3 )を用いてもよい。あるいは、フィルタの
表面にフッ化不働態膜を形成したものでもよく、フィル
タの母材にステンレススチールを用い、さらにフッ化不
働態膜の形成処理を施したものでもよい。上記フィルタ
で濾過したクリーンなレーザ媒質ガスを、ウインドウの
汚染防止パージ機構に使用する構成とした。
め、本発明に係るエキシマレーザ装置は、レーザ媒質ガ
ス中に浮遊する粉塵を除去する手段として金属あるいは
セラミックスからなるフィルタを用いるものとし、この
ようなエキシマレーザ装置において、フィルタの母材ま
たはコーティング材に、ニッケル・コバルト・鉄・銅・
アルミニウム・金・白金族の金属または前記金属を含む
合金を用いてもよく、フィルタにアルミナセラミックス
(Al2 O3 )を用いてもよい。あるいは、フィルタの
表面にフッ化不働態膜を形成したものでもよく、フィル
タの母材にステンレススチールを用い、さらにフッ化不
働態膜の形成処理を施したものでもよい。上記フィルタ
で濾過したクリーンなレーザ媒質ガスを、ウインドウの
汚染防止パージ機構に使用する構成とした。
【0007】
【作用】上記構成によれば、エキシマレーザ装置のレー
ザ媒質ガス中に浮遊する粉塵を除去する手段としてメタ
ルフィルタあるいはセラミックスフィルタを用いるもの
とし、フィルタの母材またはコーティング材、又は不働
態膜をフッ素に対して安定な材料としたので、レーザ媒
質ガス中のフッ素とフィルタとが反応することがない。
このようなフィルタをフッ素を含むエキシマレーザガス
の除塵手段として用いることにより、レーザ媒質ガスに
影響を与えることなしにガス中の塵を安定的に濾過する
ことができる。そして、このようなフィルタで濾過した
クリーンなレーザ媒質ガスを、ウインドウの汚染防止パ
ージ機構に使用することにしたので、従来のように反応
生成物がウインドウの透過率を低下させたり、レーザ光
出力を低下させる不具合の発生を防止することができ
る。
ザ媒質ガス中に浮遊する粉塵を除去する手段としてメタ
ルフィルタあるいはセラミックスフィルタを用いるもの
とし、フィルタの母材またはコーティング材、又は不働
態膜をフッ素に対して安定な材料としたので、レーザ媒
質ガス中のフッ素とフィルタとが反応することがない。
このようなフィルタをフッ素を含むエキシマレーザガス
の除塵手段として用いることにより、レーザ媒質ガスに
影響を与えることなしにガス中の塵を安定的に濾過する
ことができる。そして、このようなフィルタで濾過した
クリーンなレーザ媒質ガスを、ウインドウの汚染防止パ
ージ機構に使用することにしたので、従来のように反応
生成物がウインドウの透過率を低下させたり、レーザ光
出力を低下させる不具合の発生を防止することができ
る。
【0008】
【実施例】以下に本発明に係るエキシマレーザ装置の実
施例について、図面を参照して説明する。図1はエキシ
マレーザ装置の断面図、図2はフィルタを通過するガス
の流れを模式的に示した図である。図1において、1は
チャンバ、2はファン、3,4は主電極、5はモータ、
6はウインドウ、7はウインドウホルダ、8はラビリン
スである。前記チャンバ1にはダストフィルタケース9
が連結され、チャンバ1とダストフィルタケース9と
は、光軸方向のほぼ中央に設けられたダストフィルタ入
口10と、チャンバ1の両端の壁面内に設けられたガス
導入路11とダストフィルタケース9の両端に設けられ
たダストフィルタ出口12とによって連通している。こ
のような配置においては、フィルタを設置することがで
きるスペースはダストフィルタケース9の長さ(ほぼチ
ャンバ1の長さ)の半分となる。このスペースにフロン
ト側ウインドウ用、リア側ウインドウ用のフィルタ13
がそれぞれ配設されることになる。また図2において、
15は絶縁部材、16は熱交換器である。
施例について、図面を参照して説明する。図1はエキシ
マレーザ装置の断面図、図2はフィルタを通過するガス
の流れを模式的に示した図である。図1において、1は
チャンバ、2はファン、3,4は主電極、5はモータ、
6はウインドウ、7はウインドウホルダ、8はラビリン
スである。前記チャンバ1にはダストフィルタケース9
が連結され、チャンバ1とダストフィルタケース9と
は、光軸方向のほぼ中央に設けられたダストフィルタ入
口10と、チャンバ1の両端の壁面内に設けられたガス
導入路11とダストフィルタケース9の両端に設けられ
たダストフィルタ出口12とによって連通している。こ
のような配置においては、フィルタを設置することがで
きるスペースはダストフィルタケース9の長さ(ほぼチ
ャンバ1の長さ)の半分となる。このスペースにフロン
ト側ウインドウ用、リア側ウインドウ用のフィルタ13
がそれぞれ配設されることになる。また図2において、
15は絶縁部材、16は熱交換器である。
【0009】フィルタ13の母材またはめっき材には、
Ni,Co,Fe,Cu,Al,Au,白金族のいずれ
か単独または合金、あるいは前記材質の母材とめっき材
との組み合わせで構成された材料を使用する。セラミッ
クスフィルタを使用する場合は、高純度(99.5%以
上)のAl2 O3 を用いる。これらの他に、金属にフッ
化不働態膜を形成したフィルタでもよい。フッ化不働態
膜の形成処理は、炉内で約300°Cに加熱した被処理
材すなわちフィルタをフッ素ガス雰囲気中に置くことに
よってフィルタ表面をフッ化させ、安定なフッ化物の膜
を形成したものである。高温で強制的にフッ化させるこ
とによって、レーザ装置内での使用条件でフッ素と反応
することはほとんどない。
Ni,Co,Fe,Cu,Al,Au,白金族のいずれ
か単独または合金、あるいは前記材質の母材とめっき材
との組み合わせで構成された材料を使用する。セラミッ
クスフィルタを使用する場合は、高純度(99.5%以
上)のAl2 O3 を用いる。これらの他に、金属にフッ
化不働態膜を形成したフィルタでもよい。フッ化不働態
膜の形成処理は、炉内で約300°Cに加熱した被処理
材すなわちフィルタをフッ素ガス雰囲気中に置くことに
よってフィルタ表面をフッ化させ、安定なフッ化物の膜
を形成したものである。高温で強制的にフッ化させるこ
とによって、レーザ装置内での使用条件でフッ素と反応
することはほとんどない。
【0010】レーザ媒質ガスはファン2の駆動によって
主電極3,4間を流れ、主電極3,4間のガスを吹き払
った後、熱交換器16で冷却されて再びファン2に戻
る。このファン2によって生じる圧力差を利用してダス
トフィルタケース9内に流れを発生させ、レーザ媒質ガ
スは前記ダストフィルタ入口10からダストフィルタケ
ース9内に入り、2個のフィルタ13たとえばフッ化不
働態形成処理を施したステンレスメッシュフィルタ内を
通過することによって濾過される。フィルタとして要求
される性能は、圧力損失が十数mmAq程度、濾過精度
は数μm(気体)である。ファンによって発生するフィ
ルタケース内の差圧は数十mmAq程度であり、フィル
タに塵が堆積するにつれてフィルタによる圧力損失が増
えてくるので、濾過面積はできるだけ大きい方がよい。
従って、フィルタは濾材をプリーツ状に折り畳んだタイ
プを使用することが望ましい。
主電極3,4間を流れ、主電極3,4間のガスを吹き払
った後、熱交換器16で冷却されて再びファン2に戻
る。このファン2によって生じる圧力差を利用してダス
トフィルタケース9内に流れを発生させ、レーザ媒質ガ
スは前記ダストフィルタ入口10からダストフィルタケ
ース9内に入り、2個のフィルタ13たとえばフッ化不
働態形成処理を施したステンレスメッシュフィルタ内を
通過することによって濾過される。フィルタとして要求
される性能は、圧力損失が十数mmAq程度、濾過精度
は数μm(気体)である。ファンによって発生するフィ
ルタケース内の差圧は数十mmAq程度であり、フィル
タに塵が堆積するにつれてフィルタによる圧力損失が増
えてくるので、濾過面積はできるだけ大きい方がよい。
従って、フィルタは濾材をプリーツ状に折り畳んだタイ
プを使用することが望ましい。
【0011】ダストフィルタ出口12を出たクリーンガ
スは、チャンバ壁面内のガス導入路11を通ってウイン
ドウパージ室14に入る。ここでいったん静圧に回復し
たガスは、ラビリンス8の開口部を通過してチャンバ1
内に戻る。なお本実施例では、高温に加熱したステンレ
スフィルタをフッ素ガス雰囲気中に置くことによってフ
ッ化不働態化処理を施したが、これに限定されるもので
はなく、金属フィルタの表面に安定なフッ化不働態膜を
生成させる方法であれば何でもよく、たとえば蒸着、電
解で行ってもよい。また、この場合母材はどんな材質で
もよい。
スは、チャンバ壁面内のガス導入路11を通ってウイン
ドウパージ室14に入る。ここでいったん静圧に回復し
たガスは、ラビリンス8の開口部を通過してチャンバ1
内に戻る。なお本実施例では、高温に加熱したステンレ
スフィルタをフッ素ガス雰囲気中に置くことによってフ
ッ化不働態化処理を施したが、これに限定されるもので
はなく、金属フィルタの表面に安定なフッ化不働態膜を
生成させる方法であれば何でもよく、たとえば蒸着、電
解で行ってもよい。また、この場合母材はどんな材質で
もよい。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、エ
キシマレーザ装置のレーザ媒質ガス中に浮遊する粉塵を
除去する手段としてフィルタを用いるものとし、フィル
タの母材またはコーティング材、又は不働態膜をフッ素
に対して安定な材料としたので、レーザ媒質ガス中のフ
ッ素とフィルタとが反応することがなく、レーザ媒質ガ
スに影響を与えずにガス中の塵を安定的に濾過すること
ができる。また、フッ化不働態化形成処理を施すことに
よって、比較的容易に入手することができるステンレス
スチールフィルタを使用することが可能となる。そし
て、このようなフィルタで濾過したクリーンなレーザ媒
質ガスを、ウインドウの汚染防止パージ機構に使用する
ことにより、従来のように反応生成物がウインドウの透
過率を低下させたり、レーザ光出力を低下させる不具合
の発生を防止することができる。本発明は、静電除塵器
のようにフィルタ機能が停止したとき捕獲した塵がクリ
ーン側に放出されるという不具合が発生しないため、エ
キシマレーザ装置の保守が容易となる。
キシマレーザ装置のレーザ媒質ガス中に浮遊する粉塵を
除去する手段としてフィルタを用いるものとし、フィル
タの母材またはコーティング材、又は不働態膜をフッ素
に対して安定な材料としたので、レーザ媒質ガス中のフ
ッ素とフィルタとが反応することがなく、レーザ媒質ガ
スに影響を与えずにガス中の塵を安定的に濾過すること
ができる。また、フッ化不働態化形成処理を施すことに
よって、比較的容易に入手することができるステンレス
スチールフィルタを使用することが可能となる。そし
て、このようなフィルタで濾過したクリーンなレーザ媒
質ガスを、ウインドウの汚染防止パージ機構に使用する
ことにより、従来のように反応生成物がウインドウの透
過率を低下させたり、レーザ光出力を低下させる不具合
の発生を防止することができる。本発明は、静電除塵器
のようにフィルタ機能が停止したとき捕獲した塵がクリ
ーン側に放出されるという不具合が発生しないため、エ
キシマレーザ装置の保守が容易となる。
【図1】エキシマレーザ装置の構造を模式的に示す断面
図である。
図である。
【図2】エキシマレーザ装置のチャンバの断面図で、フ
ィルタを通過するガスの流れを模式的に示したものであ
る。
ィルタを通過するガスの流れを模式的に示したものであ
る。
【図3】エキシマレーザ装置において、従来から用いら
れている静電除塵器の構造を示す断面図である。
れている静電除塵器の構造を示す断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
1 チャンバ 2 ファン 3,4 主電極 6 ウインドウ 9 ダストフィルタケース 10 ダストフィルタ入口 12 ダストフィルタ出口 13 フィルタ 14 ウインドウパージ室
Claims (6)
- 【請求項1】 エキシマレーザ装置において、レーザ媒
質ガス中に浮遊する粉塵を除去する手段として金属ある
いはセラミックスからなるフィルタを用いたことを特徴
とするエキシマレーザ装置。 - 【請求項2】 フィルタの母材またはコーティング材
に、ニッケル・コバルト・鉄・銅・アルミニウム・金・
白金族の金属または前記金属を含む合金を用いたことを
特徴とする請求項1のエキシマレーザ装置。 - 【請求項3】 フィルタにアルミナセラミックス(Al
2 O3 )を用いたことを特徴とする請求項1のエキシマ
レーザ装置。 - 【請求項4】 フィルタの表面にフッ化不働態膜を形成
したことを特徴とする請求項1のエキシマレーザ装置。 - 【請求項5】 フィルタの母材にステンレススチールを
用い、さらにフッ化不働態膜の形成処理を施したことを
特徴とする請求項1のエキシマレーザ装置。 - 【請求項6】 上記フィルタで濾過したクリーンなレー
ザ媒質ガスを、ウインドウの汚染防止パージ機構に使用
することを特徴とする請求項1のエキシマレーザ装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30155192A JPH06132582A (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | エキシマレーザ装置 |
US08/136,448 US5373523A (en) | 1992-10-15 | 1993-10-14 | Excimer laser apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30155192A JPH06132582A (ja) | 1992-10-15 | 1992-10-15 | エキシマレーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06132582A true JPH06132582A (ja) | 1994-05-13 |
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ID=17898305
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JP (1) | JPH06132582A (ja) |
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- 1992-10-15 JP JP30155192A patent/JPH06132582A/ja active Pending
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