JPH06128288A - ポリペプチドおよびそれを含有するウイルス感染治療用医薬組成物 - Google Patents

ポリペプチドおよびそれを含有するウイルス感染治療用医薬組成物

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JPH06128288A
JPH06128288A JP4349059A JP34905992A JPH06128288A JP H06128288 A JPH06128288 A JP H06128288A JP 4349059 A JP4349059 A JP 4349059A JP 34905992 A JP34905992 A JP 34905992A JP H06128288 A JPH06128288 A JP H06128288A
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hiv
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JP4349059A
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Sudhakar S Wagle
サッドヘイカー・エス・ワグル
S Ken Tanaka
エス・ケン・タナカ
Thomas Steinbach
トーマス・ステインバック
Carl H Lawyer
カール・エイチ・ロイヤー
William J Hermann Jr
ウィリアム・ジェイ・ハーマン・ジュニア
Ali A S Gawish
アリ・アブデル・サラム・ガウィッシュ
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KUREMAAZU AAVAN CO
Kremers Urban Co
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KUREMAAZU AAVAN CO
Kremers Urban Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリペプチドおよびそれを含有するウイルス
感染治療用医薬組成物の提供。 【構成】 哺乳動物の肝臓抽出物のアセトン不溶性画分
に由来し、抗ウイルス活性および5,000〜20,00
0ダルトンの分子量を有するポリペプチドおよびその合
成ポリペプチド、ならびに前記いずれかのポリペプチド
を有効成分として含有する、ウイルス感染治療用の医薬
学的に許容な組成物であり、特にHIV感染ならびにH
HV−6感染の治療に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、哺乳動物のウイルス感
染治療のための方法および組成物に関する。また、皮膚
科学的でないウイルス感染、特にHIV感染に効果的
な、もともとは哺乳動物の肝臓抽出物由来である特定の
ポリペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術および課題】ここ何十年の間に細菌感染の
治療は急速に進歩したが、ウイルス感染の治療は、それ
に匹敵するほどには進歩していない。事実、今日でも、
有効な抗ウイルス剤はごく僅かである。知られているそ
れらの抗ウイルス剤は、限定もしくは制限された効力し
か有しないか、または毒性である。例えば、アマンチジ
ン(amantidine)はインフルエンザを防ぐことが知られ
ているが、感染前に投与した場合にのみ有効である。ア
シクロバイア(acyclovir)はしばしばヘルペスウイル
ス感染の治療に有効であるが、これに耐性なウイルス系
統が存在するのでその投与ケースを選ぶ。また、アシク
ロバイアは、レトロウイルス並びにある種のヘルペスウ
イルス、例えばサイトメガロウイルス等を含む種々のウ
イルスに対して効力を有しない。その他の抗ウイルス
剤、例えば3'−アジド−3'−デオキシチミジン(AZ
T)は毒性であり、その活性は相対的な、絶対的でない
ウイルス生活環の選択性に依存している。インターフェ
ロンおよびインターフェロン誘導物質を含み、間接的に
作用する抗ウイルス治療法は、ウイルス感染に対する細
胞性応答性を高め、細胞が感染プロセスに干渉すること
を可能にする。しかし、インターフェロンはその登場時
に期待されたほどの治療効果を挙げていない。インター
フェロン誘導物質が登場したのは最近であり、その効力
はまだ証明されていない。
【0003】後天性免疫不全症候群(AIDS)および
AIDS関連合併症(ARC)は、レトロウイルスの一
種であるヒト免疫不全ウイルス(HIV−I)により引
き起こされる。HIV−Iウイルスは宿主の免疫細胞お
よび神経細胞等に感染する。HIV−Iウイルスに感染
した人の多くは、ウイルスにより引き起こされる免疫不
全の結果として、いつかは種々の深刻な日和見感染に対
して異常に感染し易くなる。現在の抗HIV−I薬は有
効でないか、あるいは望ましくない副作用を引き起こ
す。これらの薬には、AZT、2',3'−ジデオキシシ
チジン(ddCyd)、インターフェロン(IFN)、ミス
対合二本鎖RNA(dsRNA)およびアンフォテリシン
B(amphotericin B)が含まれる。特に、AIDS治療に
おいて幾らかの効力を示すAZTは高い割合で、患者に
非常に深刻な副作用、例えば骨髄抑圧等を引き起こす。
また、12〜18カ月間で症状を和らげるという、AZ
Tの有効性も報告されているが、患者は新たな感染に罹
るか毒性の副作用に見舞われる[Chase,“医者も患者も
AZTがスチーブのAIDSを治すことを望む(Doctor
sand Patients Hope AZT Will Help Stave Off AID
S)”, Wall Street Journal,April 28, 1988, at 14, c
ol.1.]。
【0004】哺乳動物の肝臓抽物は、尋常性アクネ[Jo
urnal Invest Dermatology, 2:205〜218 (1939)]、第一
度および第二度の熱傷[Mississippi Valley MedicalJou
rnal, 76:199 (1954)]、日焼け[Clinical Medicine,
3:245 (1956)]、ツタウルシ皮膚炎[Clin. Med., 3:42
5 (1956)]および帯状ヘルペス[SouthernMedical Jou
rnal, 50:1524 (1957)]を含む、感染性および非感染性
皮膚科学的状態(皮膚病および皮膚の傷)の治療に用い
られて来た。活性主体および機構については記述されて
いない。臨床医達が肝臓抽出物を皮膚科学的状態の治療
に用いてきたにも拘わらず、該抽出物は、皮膚治療のた
めにさえ抗ウイルス剤あるいは免疫調節剤と見なされて
いない。哺乳動物の肝臓抽出物は、潜在的にブラジキニ
ン活性を有すると報告されている[Tewksbury 等, Arc
h. Biochem. Biophys. (U.S.), 112, 453 (1965);Tewks
bury, Archives Int'l. de Pharmacodynamie et de The
rapie, 173, 426 (1968); Tewksbury, Dissertation
Abstracts International-Part II, Vol.25/04, p. 22
14 (1964)]。さらに、商品説明書によれば市販の肝臓
抽出物(商品名 KUTAPRESSIN, Kremers-Urban Co., Mi
lwaukee, Wisconsin)は、傷つけられて炎症および浮腫
を有する組織に対してだけその働きを示す。
【0005】前記抽出物は慢性疲労症候群(CFS)の
治療に有用であることが認められ(米国特許第5,055,29
6号参照)、また、約4,000ダルトンの分子量を有す
るある精製ペプチドは別のウイルス感染、例えばHIV
−I感染の治療に有用であることが認められた。このペ
プチドは、ウイルス予防のために39μg/mlの精製ペプ
チドを必要とする。このように、潜在的に、生理学的に
さらに活性なペプチド画分が、肝臓抽出物“KUTAPRESSI
N (Kremers-Urban Co.)”から分離され得るかどうか確
かめるために、該抽出物を再評価する必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、約5,000
〜40,000ダルトンの間の分子量を有し、アセトン
不溶性肝臓抽出物から得られる実質的に純粋なあるポリ
ペプチドが、水溶性型に調製したときに、HIV−Iな
らびにHIV−IIのウイルス亜類型を含むAIDSを引
き起こすウイルス(例えばAIDSウイルス)の複製お
よび病原性の進行を阻害することができるとういう知見
に基づいている。本発明の試験的研究の間、これらの水
溶性ペプチドは、試験管内で細胞未結合AIDSウイル
スによる感染からヒトリンパ球を完全にもしくは部分的
に防御できることが実証された。この防御活性は、活性
ペプチドの濃度が約12.5μg/mlであるときに強く働
いたが、活性ペプチドが5μg/ml程の少量でも認められ
た。さらに、前記活性ポリペプチドは、AIDS感染の
抑制に対してAZTと共同的に機能することができるこ
とが認められた。
【0007】図1は、試験管内において、ブタ肝臓抽出
物がHIV−Iウイルスに感染したMT−2リンパ球様
細胞の細胞溶解を減少させる能力を試験した結果を示し
ている。図2は、試験管内において、AZT、アンプリ
ゲン(ampligen)、カスタノスパーマイン(castanospe
rmine)および二種類のブタ肝臓抽出物がHIV−Iウイ
ルスに感染したMT−2リンパ球様細胞の細胞溶解を減
少させる能力を試験した結果を示している。図3は、
験管内において、活性ペプチドがHIV−Iウイルスに
感染したMT−2リンパ球様細胞の細胞溶解を減少させ
る能力を試験した結果を示している。図4は、試験管内
において、活性ペプチドがHIV−Iウイルスに感染し
たMT−2リンパ球様細胞の細胞溶解を減少させる能力
を試験した結果を示している。図5は、試験管内におい
、活性ペプチドがHIV−Iウイルスに感染したMT
−2リンパ球様細胞の細胞溶解を減少させる能力を試験
した結果を示している。図6は、試験管内において、活
性ペプチドがHIV−Iウイルスに感染したMT−2リ
ンパ球様細胞の細胞溶解を減少させる能力を試験した結
果を示している。図7は、ジーンバンクの全てのブタ(p
ig)配列を用いてHIVのコドンの偏りを示している。
図8〜図11は、活性ポリペプチドの配列決定に用いた
戦略を示している。図12は、“Ku10,260”の
pH勾配を示している。このpH勾配は、試料として同
日あるいはほぼ同日に泳動したn=4のゲルに、表面電
極を用いて測定した。二次元目の電気泳動に用いたスラ
ブゲルを広げて乾燥したところ、最終的なパターンは約
15.5cm長であった。試料にSDSを添加する場合
には、SDS−NP40のミセルがチューブゲルの酸性
側末端に移動してpH勾配を抑制する。この場合には、
最終的な二次元パターンは14.0〜14.5cm長とな
る。得られた二次元電気泳動ゲル上の黒いバンドは、本
発明者らの用いた内部標準である、pl5.2、分子量
27,000のビタミンD依存カルシウム結合蛋白質
(CaBP)を示す。分子量標準として、ミオシン(2
20,000)、フォスフォリラーゼA(94,00
0)、カタラーゼ(60,000)、アクチン(43,0
00)、およびリソザイム(14,000)をアガロー
スに添加した。図13は、HIVーI CEMマウス研究
の終了時におけるp24血清濃度を示している。図14
は、試験管内において投与されたAZTと“KU10,
004”の共同作用を示している。
【0008】哺乳動物の肝臓抽出物の内、熱に安定で、
アセトン不溶性且つ水溶性の画分がウイルス感染の治療
に有効であると認められた。ここに開示の手法により調
製される肝臓抽出物は、脂肪酸類およびビタミン類、特
に肝臓で天然に生成されるビタミンB-12を含まな
い。さらなる研究により、KUTAPRESSIN (Kremers-Urban
Co.)中にはポリサッカロイドが、プロテオグルカンおよ
び/またはグリコプロテインの形で存在している可能性
が示唆された。後述の皮膚状態の治療においては、前記
と同一の肝臓抽出物を用いた。
【0009】さらには、本発明は、アセトン不溶性肝臓
抽出物から精製され、抗ウイスル活性を有し、さらに約
5,000〜40,000ダルトンの範囲の分子量により
特徴付けられる、特定のポリペプチドを提供する。本発
明のポリペプチドはまた、特定のアミノ酸配列によって
も同定することができる。特に、前記ポリペプチドは配
列番号1に示すアミノ酸配列を5'末端に有し、且つ配
列番号4または6に示すアミノ酸配列を3'末端に有し
ている。さらに本発明のポリペプチドは、配列番号2に
示すDNA配列によりコードされるアミノ酸配列を5'
末端に有し、配列番号3に示したDNA配列によりコー
ドされるアミノ酸を3'末端に有することで特徴付ける
ことができる。これらのポリペプチドの、抗ウイルス特
性を有する断片もまた、本発明は包含する。さらに、配
列番号8および9に示したアミノ酸配列を有する合成ポ
リペプチドもまた、本発明は意図している。本発明はま
た、本発明の実質的に純粋なポリペプチドを有効成分と
して含む、ウイルス感染の治療のための医薬学的に許容
な組成物を提供する。
【0010】活性ポリペプチドのDNA配列は、活性ペ
プチドの組成アミノ酸を決定して、活性ペプチドをコー
ドする遺伝子とハイブリダイゼーションし易いDNA断
片を調製し、そしてこれらのプローブとハイブリダイゼ
ーションした核酸配列を増幅して確認した[ Mullis の
米国特許第4,683,202号の教示がここに参考として取り
入れられる]。これらのポリペプチドのHIV複製阻害
活性は、公知の検定法により確認することができるが、
その検定法として以下のものが特に包含される:Montef
ioriらが J. Clin. Micro. Biol. 231〜235 (1968) に
記載した検定法、Graham らが「HIV−Iに感染したヒ
ト由来血清における抗融合活性(Anti-Fusion Activity
in Sera from Persons Infected with Human Immunode
ficiency VirusType I)」[J. of Clin. MicroBio. 2
8:2608 (1990)]に記載した検定法(MT−2細胞を用
いた抗合胞体検定法)、および Montefiori らが「低分
子量ポリサッカロイド硫酸エステル類によるHIV−I
細胞結合およびHIV−I誘導性合胞体形成の種々の阻
害(Differential Inhibition of HIV-I Cell Binding
and HIV-I Induced Syncytium Formation by Low Molec
ular Weight Sulphated Polysaccharides)」[J. Ant
i. Microb. Chemotherapy 25:315〜318 (1990)]に記載
した検定法(HIV−Iから分離したIIIBの抗合胞体検
定法および逆転写酵素阻害検定法)。
【0011】MT−2細胞検定法により測定された通
り、試験管内における有効阻害量は、溶液1ml当たり
約5〜500μg以上の範囲である。生体内における
効量も、同様であろうと考えられる。例えば、生体内に
おける活性ペプチドの望ましい血中濃度は、血清1ml
当たり約5〜500μg以上である。本発明の活性ポリ
ペプチドによる治療は、特に血清学的タイプがHIV−
Iであるウイルスを含むHIVに感染した患者に用いら
れるが、HIV−II等の他のHIVに感染した患者にも
用いることができる。本治療は、ウイルスに感染してい
るがまだAIDSの症状がない、外観上は健康な時期に
開始するのがよい。リンパ腺症症候群もしくはAIDS
関連合併症(ARS)が発現した患者もまた、治療するこ
とができる。さらに、本治療はAIDSであると診断さ
れた(AIDS症状の発現した)患者にとって価値のあ
るものであると信じる。しかしながら、本治療は、活動
性のAIDS症状が進行していない患者になされること
が好ましい。
【0012】本治療の有効性は公知の手順および観察に
よりモニタリングすることができる。例えば、最近で
は、AMS NEWS, Current Topics, 55:586〜588 1989
に、CD4を有するTリンパ細胞の血中濃度を観察する
ことを含む、検査室試験マーカー等の手順および観察が
記述されている。AIDS症状を発現した患者における
最も直接的な徴候は、臨床観察、例えば日和見感染の発
生の減少および延命等に基づいている。別の検査室測定
はHIVの抗原であるp24の試験、またはβ−2−マ
イクログロブリンおよび/またはネオプテリンを含む免
疫系の付加的成分の試験を含む。選択される徴候は、H
IV感染の段階に依存する。AIDS症状のない患者の
場合には、血中に検出されるHIV抗原の量が最も良い
尺度であろう。例えば、コールター社(Coulter Corpora
tion)のコールター免疫部門は、使用可能なHIV抗原
検定法を用意している。これは、マイクロウエル(micr
owell)ストリップ上にコーティングしたネズミの(抗H
IVコア抗原)モノクローナル抗体を用いた酵素免疫検
定法である。この検定法は血漿あるいは血清中のHIV
抗原を検出する。本発明の科学的根拠を、以下の試験的
な例によりさらに説明する。
【0013】肝臓抽出物の調製 本発明に用いる肝臓抽出物は、哺乳類の肝臓、好ましく
はブタの肝臓から画分を分離することにより調製され
る。原料は、(ボイルした肝臓抽出物が非経口的な使用
に適することが述べられている)Pharmacopeia of the
United States,Vol.15, P.379、(哺乳類の肝臓の熱安定
性画分の水性溶液について述べられている)National F
ormulary, Vol.XII, p.222、もしくは(種々の熱安定性
肝臓分離物について述べられている)National Formula
ry, Vol.XI, p.192〜194 の各々に記載されたと同様の
肝臓分離物であってもよい。原料は、代替的に、生の肝
臓、冷凍肝臓あるいは市販の肝臓分離物であってもよ
い。原料からアセトン不溶性画分を分離する。これは、
原料に過剰のアセトンを添加して混合し、生じたアセト
ン不溶性画分をアセトンから分離することにより達成す
ることができる。アセトンによる処理を反復してもよ
い。前記アセトン不溶性画分をアセトンから分離した後
に、水に溶解させる。アセトンが残っていても、例えば
蒸留により除去することができる。初老期痴呆または老
年痴呆の治療に有効な物質は水溶液中に含まれている。
【0014】代替的に、そして好ましくは、アセトン抽
出の前に、原料をフェノールと共に水に溶解させる。こ
の溶液を室温でインキュベートした後に濾過して透明に
し、そして該溶液を陽イオン交換樹脂に通す。次に、得
られたイオン交換樹脂処理溶液を蒸発して濃縮した後、
これを水で希釈して遠心分離する。続いて、アセトン不
溶性画分は大過剰のアセトンを添加することにより上澄
み液から分離され、さらに既述のように処理される。ア
セトン不溶性画分を活性炭により処理して有色色素を除
去することにより、さらに純化する。活性炭による処理
は、例えばアセトン不溶性画分を水に溶解させて、アン
モニアで活性化させた炭と接触させて行う。通常は、水
性溶液に医薬学的に許容な防腐剤を添加する。例えば、
フェノールを約0.05〜1%、好ましくは約0.5%添
加する。本発明に有用な肝臓抽出物は、以下の例に従っ
て調製することが可能である。
【0015】例1 肝臓抽出物 National Formulary XI 193頁に記載の肝臓画分Iを水に
溶解して、その濃度を16重量%とした。これにフェノ
ールを添加し、最終濃度を1%とした。溶液をよく混合
し、そして室温で7日間インキュベートした。次に、こ
れを濾過して透明とした後、水で希釈して水溶液中の固
体成分濃度を8重量%とした。続いて、この水性溶液を
陽イオン交換樹脂(スルホン化ポリスチレン)に3回通
した。イオン交換樹脂処理した溶液を濾過して透明と
し、そして65〜70℃の減圧下で蒸留することにより
濃縮して、総固体成分濃度を40重量%とした。冷水
(5〜10℃)を撹拌しながら添加し、水と肝臓溶液の
容積比を5:7とした。次に、得られた溶液を、シャー
プレスタイプ遠心機を用いて毎分1lの速度で遠心し、
上澄みを収集した。フェノールを添加して最終濃度を
0.5〜1%とした。必要に応じて塩酸または水酸化ナ
トリウムを添加して前記溶液のpHを6.0〜7.0に調
整し、濾過により透明とした後、40℃に加熱した。次
いで、肝臓溶液1l当たり20〜30lのアセトンを添
加した。アセトン沈殿性物質をそのままにして、アセト
ンをデカンタして除いた。残った懸濁液を室温で一晩イ
ンキュベートした後、水で該懸濁液を10lにまで希釈
し、これを蒸留してアセトンを除去した。次に、フェノ
ールと水を添加して、フェノールの最終濃度を0.5
%、且つ総固体成分の割合を溶液1ml当たり25mg
を越える量とした。この溶液を“KU10,000”と
した。必要に応じて塩酸あるいは水酸化ナトリウムを用
いて“KU10,000”のpHを6.0〜7.0に調整
し、水で希釈して総固体成分濃度を溶液1ml当たり2
5mg(即ち、2.5重量%固体成分)とした。次に、
この溶液を滅菌濾過して、使用に適したバイアルに入れ
た。この最終溶液を“KU10,001”とした。
【0016】試験管内試験 例1で調製した“KU10,001”を、Journal of Cl
inical Microbiology,p.231〜235, Feb. 1968 に記載の
マイクロタイター感染検定法システムを用いて試験し
た。簡単には、成育培地[16%の加熱不活性化牛胎児
血清および1ml当たり50μgのゲンタマイシン(ge
ntamicin)を含有するRPMI1640]に種々の濃度
で含まれる“KU10,001”を100μl取り、マ
イクロタイタープレートのウエルに添加した。成育培地
100μl中のMT−2細胞を、ウエル当たり3〜4×
104細胞となるように添加した。このプレートを、二
酸化炭素を5%含む空気条件下、湿度100%、36℃
で4時間インキュベートした。次に5〜25×104
の感染性粒子を含むHIV−Iを各ウエルに50mlづ
つ添加した。このプレートを、二酸化炭素を5%含む空
気条件下、湿度100%、36℃で3〜5日間インキュ
ベートした。前記のMT−2リンパ芽球様細胞系は、ヒ
トT細胞リンパ症ウイルスI(HTLV−I)で形質転換さ
れたT4+T-リンパ芽球様細胞系である。
【0017】次に、カルチャー(culter)の生存力およ
び治療の効力を評価するために、各試験カルチャーを1
00μl、新たなマイクロタイタープレートのポリーL
−リジン被覆ウエルに移植し、これらのウエルそれぞれ
に、成育培地中の0.014%フィンターニュートラル
レッド(Finter neutral red)を100μl添加した。
これらのプレートを36℃で1時間インキュベートし、
そのときに培地を除去し、次に融合細胞をリン酸緩衝食
塩水150μlで2回洗浄した。酸性アルコール(1%
酢酸に50%エタノールを添加)100μlを添加して
融合細胞から染料を抽出し、そして抽出された染料溶液
の波長540nmにおける吸光度を測定した。本検定法
の結果を図1に示した。この結果は、MT−2細胞のカ
ルチャーにHIV−Iを添加した4日後には、“KU1
0,001”が42%以上の細胞をHIV−Iの細胞毒性
効果から防御していたことを示している。これは“KU
10,001”肝臓抽出物の充分な抗HIV効果であ
り、他の抗HIV薬、例えばAZT、ddCyd、rI
FN−α、rIFN−β、dsRNAおよびアンフォテ
リシン B等による効果に匹敵するものであることを示
している。
【0018】予備試験の結果は、“KU10,001”
試験管内試験における現在の濃度のフェノールがMT
−2細胞に対する細胞毒性効果を示すこと、およびフェ
ノールは充分な抗ウイルス活性を有しないことを示して
いる。この細胞毒活性が“KU10,001”の抗ウイ
ルス活性を不明瞭にしているのかどうかを評価するため
に、次のものを調製してマイクロタイター感染検定法で
試験した。 1. 例1に記載の方法で調製した“KU10,00
1”。 2. “KU10,004−1”を3倍量の水で希釈し
て調製した“KU10,004−2”。“KU10,00
4−1”は、“KU10,000”を等容量のエチルエ
ーテルで二回抽出することでフェノールを除去して調製
した。最終的な水相が“KU10,004−1”であ
り、その固体成分濃度は。溶液1ml当たり80mgで
あった。 3. “KU10,006”は、“KU10,000”を
3.8倍容量のアセトンで沈殿させてフェノールを除去
し、その沈殿物を回収して乾燥させ、そして該沈殿を固
体成分濃度が溶液1ml当たり55mgとなるように水
に溶解して調製した。マイクロタイター検定法の結果を
表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】これらの結果は、MT−2試験管内検定法
は、フェノールの除去が肝臓抽出物の抗ウイルス活性を
検出する能力を実質的に改善したことを示している。マ
イクロタイター感染検定法により、“KU10,004
−1”、“KU10,004−2”、AZT、アンプリ
ゲンおよびカスタノスパーマインの活性を比較した。ア
ンプリゲン[(rIn)Xr(C12,U)n]は、ミス対合した二本
鎖RNAであり、ヒトインターフェロンを誘発し、且つ
抗HIV−I活性を有している[Montefioriand Mitchel
l, Proc. Nat'l Acad. Sci. U.S.A., 84(9), 2985〜298
9 (May 1987)]。カスタノスパーマインは以下の処方
(formula)を有する:これは、マメ科の木本、Castano
spermun australe の種子から抽出される。カスタノス
パーマインもまた、抗HIV−I活性を有している。先
に名を記した種々の物質を連続的に希釈し、マイクロタ
イター感染検定法により試験した。各物質の(希釈して
いない)原液は次のような濃度であった。
【0021】
【表2】
【0022】これらの物質のマイクロタイター感染検定
法による検定結果を図2に示した。図2から明らかな通
り、“KU10,004−1”と“KU10,004−
2”は、AZTおよびアンプリゲンと比較して充分な細
胞防御活性を与え、且つカスタノスパーマインよりも優
れた細胞防御活性を与えた。
【0023】肝臓抽出物の投与 本発明において有用なアセトン不溶性肝臓抽出物は、注
射、例えば筋肉注射により投与することが好ましい。し
かし他の投与形態もまた、意図されている。本肝臓抽出
物は、その成分の医薬学的に許容な塩類、例えばアルカ
リ金属塩類の形で用いることができる。医薬学的に許容
なアミド、低級アルキルエステル、保護された誘導体、
その他の誘導体および肝臓抽出物成分の類似物等もま
た、意図されている。すでに示した通り、本肝臓抽出物
は水性溶液として用いられることができるが、その他の
医薬学的担体、例えば食塩水等と共に用いることもでき
る。ともかく、本肝臓抽出物は注射により投与されるこ
とが望ましいので、該抽出物が水を主とする担体に含有
されることは意図されている。好ましい製品は、肝臓抽
出物の固体成分を約2.5重量%含有する水性溶液であ
る。投与量は、患者の状態に応じて変えることができ
る。しかし、一般的には、例1に記載の如く調製した
“KU10,001”を2ml、一日おきに筋肉内投与
することで、約4週間程で有益な結果を生む。
【0024】HIV−I感染患者における生体内試験 1988年8月に、ある34才の患者がHIV抗体を有
していることが判明した。その患者は過去に重病を患っ
たことがなく、また、それまで日和見感染を含むいかな
る医学的問題も経験していなかった。1990年5月2
9日に、この患者は KUTAPRESSIN (Kremers-Urban Co.)
による治療を開始し、それから毎日、該薬剤を2cc
筋肉内注射する治療を継続した。Tリンパ球機能検査の
結果、患者のリンパ球を、マイトゲン能を有するフィト
ヘマグルチニン(phytohema-glutinin;PHA)と共に
標準的な試験官内組織培養試験システムでインキュベー
トしたときに、非常に抑制された応答が表れた。標準的
な試験官内組織培養試験システムにおけるマイトゲン能
を有するフィトヘマグルチニン(PHA)は、HIV−
I感染(AIDS)による死亡原因となることが最も多
い日和見感染との戦いにおける主体である、生体の細胞
性免疫能を適確に認識する指標である。その結果を下記
の表3に示す。正常な応答は、基底線または生体内の未
刺激細胞(コントロール)の50倍であると考えられて
いる。6カ月間 KUTAPRESSIN (Kremers-Urban Co.)に
よる治療を受けた後には、患者のTリンパ球のPHAに
対する応答は、以下の表3に示す如く改善された。
【0025】
【表3】
【0026】このデータは、6カ月間の KUTAPRESSIN
(Kremers-Urban Co.)を用いた治療によるリンパ球機能
の充分な改善を示している。これは、AZTは単独では
フィトヘマグルチニン(PHA)応答を阻害するが(Mu
nch-Petersen)、このAZT投与患者に KUTAPRESSIN
(Kremers-Urban Co.)を投与したときに、[AIDS発
病の危険性の増加を示唆する(Cunningham-Rundles)]
患者の異常に強く抑圧されていた基底線に対するPHA
応答の倍数性が、正常範囲近くに改善されたことを示し
ている[このことは、KUTAPRESSIN (Kremers-Urban Co.)
治療の抗HIV−I効果により、AIDS発病の危険性
が減少したことを示唆している]。
【0027】HIV−I感染生体内試験 このケースでは、1986年に無症候の50才の白人男
性が通常のHIV検査を受けたところ、1986年12
月15日に、T4細胞の計測数が780であることから
HIV陽性であることが判明した。T4細胞の計測数レ
ベルが180にまで落ち込んだので、1989年9月
に、この患者に1日当たり6カプセルのAZTの投与を
開始したが、その時点で患者には幾らかの疲労感および
後に好酸性毛包炎と診断された軽度の肌荒れが認められ
た。また、患者にペンタミジン(Pentamidene)IPP
Bを月単位で投与することも開始した。患者は、養護施
設の最高経営責任者としての本人の通常の仕事を続け
た。T4細胞の計測数が100であった1990年1月
に、KUTAPRESSIN (Kremers-Urban Co.) を月曜日、水曜
日および金曜日毎に2ccづつ筋肉内注射する治療を開
始し、現在まで1年以上この投与量を継続している。1
990年1月には、患者の症状は、幾らかの疲労感およ
び皮膚の軽い掻痒の結果生じた好酸性毛包炎による肌荒
れだけであった。1991年5月には、患者のT4細胞
の計測数は36に落ち込んだ。患者は、時々感じる軽い
疲労感および皮膚感染に伴う軽度の症状以外には、依然
として症候を呈していない。これは、単に症状として治
療され、患者は養護施設の経営責任者として毎日働き続
けた。1991年5月に、患者にDDCを日に3回、
0.735mgづつ投与し始めた。このときにAZTの
投与を止めたが、KUTAPRESSIN (Kremers-Urban Co.) を
月曜日、水曜日および金曜日毎に2ccづつ筋肉内注射
する治療は継続した。患者はこのプログラムを継続して
現在に至っている。1991年6月には、患者のT8細
胞であるサプレッサーT細胞の数は1800と計測さ
れ、T4細胞数は36と計測された。患者には1991
年5月から、すでに概要を述べた治療を継続したが、1
992年7月には以下に示す通りの状態であった;10
種類のT細胞(そのうちの3種類は63.4%または1,
593と記録された)、ヘルパーT細胞もしくはT4細
胞は0.03%または8であり、サプレッサーT細胞も
しくはT8細胞は63.2%または1,588と計測され
た。患者の症状は、幾らかの疲労感、および掻痒と軽度
の毛包炎を特徴とする、多数の皮膚科医もやはり好酸性
毛包炎と診断した、引き続く肌荒れだけであった。患者
は毎日働き続け、一度も入院せず、通常AIDS診断の
手掛かりとなるどんな症状にも苦しめられておらず、も
し患者のT細胞計測数が200を越えていたならば、本
当にAIDS患者であるとは診断できないだろう。この
患者には薬剤として、DDCを日に3回、0.735m
gづつ投与し、KUTAPRESSIN(Kremers-Urban Co.) を月
曜日、水曜日および金曜日毎に2ccづつ筋肉内に注射
することを継続した。患者に毎日ビタミンを摂取させ、
その肌荒れのためのクリームを使用させた。最近この患
者を検査したところ、非常な健康体であった。KUTAPRES
SIN (Kremers-Urban Co.) による治療を開始してから、
患者のp−24検査の結果はずっと陰性のままである。
【0028】ヒトヘルペスウイルスー6試験管内試験 HSB2細胞における試験管内試験は、HHV−6(G
S)感染に関する KUTAPRESSIN (Kremers-Urban Co.)
の効果を示した。HHV−6はヒトヘルペスウイルスー
6である。このウイルスが初めて単離されたのはAID
S患者および他のリンパ球増殖性異常患者からであった
[Ablashi,「ヒトBリンパ球ウイルス(ヒトヘルペスウ
イルス−6)」, J. Virol. Met. 21:29〜48 (1988)]。
HSB2細胞は、100、300および500μlレベ
ルの KUTAPRESSIN (Kremers-Urban Co.) により24時
間に亙って、前処理した。KUTAPRESSIN (Kremers-Urban
Co.) は、例1で説明された通りに調製した。細胞を洗
浄し、そして溶液1ml当たりほぼ1,000のTCI
50を用いてHHV−6(GS単独)に感染させ、好ま
しくないウイルスを除去した後に KUTAPRESSIN (Kremer
s-Urban Co.) を細胞に添加した。これらの細胞に対し
て、生存能力、形態変化(巨大細胞形成)および、ヒト
のポリクローナル抗体とHHV−6に対する血清(N9
01)ならびに2種類のHHV−6モノクローナル抗体
(D12および5CEA)を用いたIFAによる抗原表
現を検査した。その結果は、以下のようにまとめられ
る:細胞を薬剤で24時間処理した。次に薬剤を除去
し、1,000のTCID50に感染させてHHV−6を
2時間吸収させた。吸収されなかったウイルスを除去
し、そして細胞に薬剤を含有する培地を与えた。HHV
−6抗体を有するヒト血清(N901)を用いて間接免
疫蛍光検査法により細胞を検査して感染を調査した。
【0029】
【表4】
【0030】これらの試験のより詳しい結果を表5〜8
に示した。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】これらの結果は、KUTAPRESSIN (Kremers-U
rban Co.) がHHV−6抗原を減少させる効果を有する
ことを示している。これらの試験のうちで最も効果的な
処理は、KUTAPRESSIN (Kremers-Urban Co.) で前処理
し、次いでウイルスを吸収させた後も KUTAPRESSIN (Kr
emers-Urban Co.) を用いた培養を継続する処理であっ
た。
【0036】CFS患者における KUTAPRESSIN の生体
内試験 CFSに罹病した131人の患者グループを、例1に記
載した通り調製した“KU10,001”を用いて治療
した。本研究に用いた患者は、Ann. Int. Medicine, 1
08:387 (1988) に記載の診察基準を満たしていることか
ら、CFSであると診断されていた。治療前に、エプス
タイン−バーウイルスの初期抗原(EA)に対するIg
G抗体試験を含む種々の実験室的試験を実施した。EA
に対する抗体の存在は、活性エプスタイン−バー感染の
存在を示す。EAに対する抗体に関する試験結果が陽性
であった(即ち、タイターが1:80かそれ以上であっ
た)、本研究グループ内の患者の数を、表9に示した。
患者には、2mlの“KU10,001”を一日おきに
筋肉内に注射した。最終的な注射回数は、患者毎に異な
っていた。患者達に、彼らの症状の改善程度を次の中か
ら選ばせた:1)改善せず;2)僅かに改善した;3)
少し改善した;4)かなり改善した;5)非常に改善し
た。これらの評点の結果を表9に示す。表9はまた、各
グループの患者の最終的な注射回数の平均も示してい
る。
【0037】
【表9】
【0038】表9に示す通り、CFSであると診断され
た患者の“KU10,001”による処理は、患者の9
4%において、その症状を少なくとも僅かに改善した。
非常に多くの患者(71%)は、その症状が「かなり」
もしくは「非常に」改善された。上記の開示は、本発明
者らの信じるものが、人も含めて、ウイルスに感染し
た、もしくはCFSに苦しむ哺乳動物を肝臓抽出物を用
いて治療するための独特且つ新規な方法であることを説
明している。肝臓抽出物の働きは、直接的なウイルス破
壊またはウイルス増殖阻止活性の結果であるかもしれ
ず、免疫応答の転形の結果であるのかもしれない。例1
の肝臓抽出物“KU10,001”は、毒性を有しない
ことを長年示しており、皮膚科学的状態の治療における
臨床例を豊富に有している。これらは、その多くが非常
に深刻な毒性を有する他の抗ウイルス薬剤よりも明らか
に優れた点である。
【0039】例2 生理的に活性なポリペプチド 例1により調製した“KU10,001”をバイアル当
たり20mlづつ、総量160ml入れた8本のバイア
ルに、充分過剰なアセトン“1800ml"を添加し、
4時間室温で放置した。ビーカーの底部に沈殿が堆積し
た後、透明なアセトン層をデカンタして移し、残った懸
濁液を3000rpmで5分間遠心した。次に、得られ
たペレットを160mlの水に溶解し、凍結乾燥させて
乾燥粉末の重量1mg当たり0.3mgのタンパク質か
らなる乾燥粉末を約4.0g製造した。これらの試料
を、それぞれ“KU10,172”、“KU10,18
5”、“KU10,211”、“KU10,244”およ
び“KU10,275”とした。1gの乾燥粉末をpH
7.5の50mMリン酸塩緩衝液7mlに溶解して10
0×2.5cmのカラムに通したが、このカラムには、
30,000以上の分子量を、分子の通過速度により分
別するのではなく、除去する分子篩としての使用に適し
たセファデックスG50、もしくは20,000以上の
分子量の分子を除去するバイオゲル(BIOGEL)p10を
詰めた。使用前に、流速毎時36mlの50mMリン酸
塩緩衝液でカラムを平衡させた。カラムを50mMリン
酸塩緩衝液で溶離させた。7mlづつの画分として収集
し、A280で読み取った。画分を、Bush, Henry および
Slasarchyk が J. of Antibiotics 37(4), 330 (1984)
で述べた手法を用いて、(フリルアクリロイルフェニル
アラニルグリシルグリシンを基質として使用する)アン
ギオテンシン変換酵素阻害試験した。アンギオテンシン
変換酵素阻害の前に溶離した全ての画分を、下記の表1
0の如くプールした。
【0040】
【表10】
【0041】プールした試料を全て濃縮し、分子量1,
000未満の分子を切り捨てるセルロース透析管で透析
して、該試料を凍結乾燥した。大きなG50(Pharmaci
a Co.)カラムに“KU10,275”を通してこれをさ
らに純化し、3,500以下の分子量の分子を切り捨て
るアミコンフィルター(amicon filter)を用いて脱塩
した。このポリペプチドを凍結乾燥した。分子量は約1
0,000ダルトン、タンパク質含量は0.72%である
と測定された。このポリペプチドを“KU10,28
0”とした。
【0042】試験管内試験 Journal of Clinical Microbiology, p.231〜235, Feb.
1968 に記載のマイクロタイター感染検定システムを用
いて、例2に従って調製したポリペプチドを試験した。
簡単には、成育培地[16%の加熱不活性化牛胎児血清
および1ml当たり50μgのゲンタマイシンを含有す
るRPMI1640]に種々の濃度で含まれる“KU1
0,001"を100μl取り、マイクロタイタープレー
トのウエルに添加した。成育培地100μl中のMT−
2細胞を、ウエル当たり3〜4×104細胞となるよう
に添加した。このプレートを、二酸化炭素を5%含み湿
度100%の空気条件下、36℃で4時間インキュベー
トした。次に、5〜25×104個の感染性粒子を含む
HIV−Iウイルスを、各ウエルに50μlづつ添加し
た。このプレートを、二酸化炭素を5%含み湿度100
%の空気条件下、36℃で3〜5日間インキュベートし
た。前記のMT−2リンパ芽球様細胞系は、ヒトT細胞
リンパ症ウイルスI(HTLV−I)で形質転換されたT
+T−リンパ芽球様細胞系である。
【0043】次に、カルチャーの生存力および治療の効
力を評価するために、各試験カルチャーを100μl、
新たなマイクロタイタープレートのポリーL−リジン被
覆ウエルに移植し、これらのウエルそれぞれに、成育培
地中の0.014%フィンターニュートラルレッドを1
00μl添加した。これらのプレートを36℃で1時間
インキュベートし、そのときに培地を除去し、次に融合
細胞をリン酸塩緩衝食塩水150μlで2回洗浄した。
酸性アルコール(1%酢酸に50%エタノールを添加)
100μlを添加して融合細胞から染料を抽出し、そし
て抽出された染料溶液の波長540nmにおける吸光度
を測定した。本検定の結果を図3〜5に示したが、これ
らは、MT−2細胞のカルチャーにHIV−Iを添加し
た後、活性ペプチドは、ほぼ8μg/ml で、HIV−Iの
細胞毒性効果から100%近い細胞を防御したことを示
している。さらに、4μg/ml程度の少量であっても、平
均で50〜60%の活性が観察された。これは、39μ
g/mlの活性ペプチド濃度で50%の活性が観察された
“KU10,001”肝臓抽出物よりも充分改良された
結果である。
【0044】例3 生理的に活性なポリペプチドのさら
なる純化 例2に従って調製した“KU10,172”を、逆相C
18 prep カラムで画分に分け、緩衝液A:pH7.0の
20mM酢酸アンモニウム、B:緩衝液Aに80%アセ
トニトリットを添加したもの、214nmで設定したグ
ラディエントラン(gradient run):ゼロから80%B
が速度8.4ml/分で80分以内、の条件で溶離し
た。画分を、試験管当たり8.4mlづつ収集した。全
ての試験管を分析 C18 逆相カラムおよびサイズ分別高
圧液体クロマトグラフィーカラムTsk125 で分析し、回
収時間に基づいて12の画分としてプールした。“KU
10,201”から“KU10,208”までの8画分に
ついて抗ウイルス活性を試験したところ、これらは充分
な細胞防御活性を示した(図6参照)。また、例3に従
って調製した“KU10,203"および“KU10,2
07"を、逆相C18 prep カラムを用いてさらに純化
し、緩衝液A:pH7.0の20mM酢酸アンモニウム、
B:緩衝液Aに80%アセトニトリットを添加したも
の、214nmで設定したグラディエントラン:ゼロか
ら80%Bが速度8.4ml/分で80分以内、の条件で
溶離した。画分を試験管当たり8.4mlづつ収集し
た。全ての試験管を分析C18逆相カラムおよびサイズ分
別高圧液体クロマトグラフィーカラム Tsk125 で分析
し、回収時間によりプールして“KU10,214"およ
び“KU10,215”を製造した。生物検定において
活性であった“KU10,214”および“KU10,2
15”のために、ラット肝臓由来cDNAを単離して、
ポリメラーゼチェイン反応技術を用いてクローニングし
た。増幅すべき所望の配列は、“KU10,214”お
よび“KU10,215”画分中のペプチドをコードす
る、ブタ肝臓細胞中の遺伝子配列である。
【0045】例4 活性画分ペプチドのアミノ末端アミ
ノ酸の配列決定 高圧液体クロマトグラフィーを取り付けた120A型オ
ンラインフェニールイソチオシアネートアナライザーを
備えた、アプライドバイオシステムズ(AppliedBiosyste
ms)社製477A型自動ペプチドシークエンサーを用い
たエドマン分離により、“KU10,214”および
“KU10,215”のアミノ端末配列のアミノ酸を測
定したところ、それは (Ala または Val または Ile) -
Glu - (His または Pro) - Gly - (Tyr または Met ま
たは Thr) - His - Gly - Pro -His - Gly[配列番号1
0]であった。より詳しくは、“KU10,214” はアミノ酸配列:(Ala または Val
または Ile) - (Glu または Gln) - (His または Pro
またはArg) - Gly - Thr - His - Xaa - Pro - His - G
ly[配列番号11]を有し、“KU10,215” はアミノ酸配列:(Ala または Val
または Ile) - (Glu または Gln) - (His または Pro)
-Gly - (Tyr または Met) - His - Gly - Xaa - His -
Gly - Xaa - Xaa- Gly -Xaa - Gln[配列番号12]を
有している。 両者の配列は類似しているので、以下の10ペプチド配
列、即ち配列番号13の Ala - Glu - His - Gly - Tyr
- His - Gly - Pro - His - Gly 配列をポリメラーゼ
チェイン反応に用いた。
【0046】ポリメラーゼチェイン反応用プライマーの
調製 5'CATGGICCICATGGI3'(I はイノシンを示す)[配列番
号14]の配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー
を、生物検定において活性な画分である“KU10,2
14”および“KU10,215”に共通する5アミノ
酸配列(HGPHG)領域配列に基づいて調製した。このプ
ライマーは、His を除いては、使用コドンにかかわら
ず、上記のアミノ酸に対応する。データバンク66にお
いて見いだされた全てのブタ遺伝子配列のコドン偏向分
析は、“CAT”His コドンが、“CAC”His コドン
の約2.5倍の頻度で用いられていることを示した。こ
のこと、および哺乳動物ゲノムのペプチドコーディング
領域におけるCGジヌクレオチドの珍しさ [Sambrook,
J., Fritsch, E.F. および Maniatis, T. (1989)、“分
子クローニング:実験の手引(Molecular Cloning: A L
aboratory Manual)",2nd edition, Cold Spring Harbor
Laboratory, Cold Spring Harbor, New York] は、5'C
ATGGICCICATGGI3'[配列番号14]のプライマー配列を
生成する本配列においては、“CAC"ではなく“CA
T"が His コドンとして使用されていることを示してい
る。このプライマーは、アプライドバイオシステムズ社
製DNAシンセサイザーを用いた従来技術により調製し
た(図7参照)。
【0047】RNAの単離 雌ブタ由来生肝臓組織1.5gを、グアニジンチオシア
ネート中で急速にホモジェネートした後にフェノールで
抽出して、総量2.5mgのRNAを単離した[Chomczy
nski, P. および Sacchi, N. (1987) Anal. Biochem 1
62, 156〜159]。イソプロパノールで2回連続して沈殿
させた後、純化したRNAを水に溶解した。次に、この
RNAをポリ(U)セファロースクロマトグラフィーに
かけ[Jacobson, A. (1987) Meth. Enzymology 152, 25
4〜261]、これにより総量1mgのRNAから21μg
のポリ(A)+RNAを得た。
【0048】cDNAの合成およびポリメラーゼチェイ
ン反応中間体の増幅 Gubler および Hoffman [Gene 25, 283 (1983)]の変法
により、ポリ(A)+RNAから二本鎖cDNAを調製
した。5μgのポリ(A)+RNAをオリゴ(dT)−
HindIIIプライマーおよびAMV逆転写酵素と共に
用いて一本目の鎖を合成し、そしてRナーゼHと大腸菌
DNAポリメラーゼIを用いて二本目の鎖を変換した。
一本目の鎖の収量が約30%、二本目の鎖の収量が10
0%であった。慣用法により、二本鎖cDNAをフェノ
ールで抽出して、エタノールを用いて沈殿させた。T4
DNAポリメラーゼにより末端部を洗浄し、当業者によ
り記載の条件下で、cDNAを UNIAMPアダプター(Clo
ntech Labs Inc. 800-662-CLON)で結合した。結合に引
き続き、当業者により記載の条件下で、Perkin Elmer C
etus GENEAMP システムにおいてシングル UNIAMP プラ
イマー(Clontech)を用たポリメラーゼチェイン反応によ
り、1:10で希釈したcDNA3μlを増幅した。こ
の反応産物の試料をエチジウムブロライドの存在下にア
ガロースゲル電気泳動して分析した。その結果は、cD
NA産物の泳動パターン分布は、増幅していないcDN
Aの泳動パターンと近似していることを示した。反応産
物残部をフェノール抽出、およびセファロース(SEPHAR
OSE, Pharmacia Co.)CL-4Bクロマトグラフィーにより
精製した。これらの中間体増幅および精製工程により、
引き続く手順に干渉しうる余分な配列を有しない、充分
な量の純性cDNAを製造した。
【0049】特異性プライマーによるポリメラーゼチェ
イン反応の増幅 増幅したcDNAをエタノールで沈殿させ、これを遠心
により収集して、20μlの水に溶解した。試料1μl
を用い、既述の特異性プライマーをオリゴ(dT)−
indIIIプライマーと組み合わせてポリメラーゼチェ
イン反応を増幅させた。ポリメラーゼチェイン反応の条
件は、まず94℃で1分間、次に72℃で2分間という
サイクルを29回、そして鎖延長の最後のサイクルは、
94℃で1分間、次に72℃で5分間のサイクル(計3
0サイクル)であった。反応産物の画分を、エチジウム
ブロマイドの存在下にアガロースゲル電気泳動して分析
した。その結果は、200bp(塩基対)、400塩基
対および500塩基対の範囲内の3種類の主DNA種を
示した。プライマーを添加しなかったコントロール反応
では、産物を検出できなかった。このDNAの配列決定
戦略を図8〜図11に示した。
【0050】ポリメラーゼチェイン反応産物のクローニ
ング T4DNAポリメラーゼでポリメラーゼチェイン反応産
物の残余を処理して末端部を洗浄し、続いて該反応産物
をフェノール抽出およびエタノール沈殿により精製し
た。標準条件下で該DNAを EcoRIリンカーと結
合した。次に、EcoRIとHindIIIでこれを消化
し、セフォロース(Pharmacia Co.) CL-4Bクロマトグラ
フィーで小分子を除去した。得られたDNAを Eco
RI/HindIII EXLOXベクター腕と結合させ、
試験管内でパッケージングして、常法により大腸菌(E.C
oli)に植え付けた。得られたライブラリは、3×105
の混合クローン(independent clones)を含んでいた
が、これを3×1010pfμ/ml のタイターに増幅させ
た。
【0051】クローンの多様化 前記ライブラリは、82mmプレート当たりほぼ1,0
00のプラークに対応する密度で植えられた。プラーク
リフトを調製して、これを常法によりランダムプライマ
ーにより標識したDNAプローブとハイブリダイゼーシ
ョンさせた。既述の特異性プライマーで増幅したDNA
由来のプローブを用いることにより、殆ど全てのプラー
クが、ハイブリダイゼーション陽性を呈した。このこと
は、前記ライブラリがポリメラーゼチェイン反応産物の
望ましい挿入を含むことを示している。DNA配列の決定 ランダムに6つのプラークを選択し、DNA配列分析の
ためのプラスミドサブクローンに変換した。制限酵素分
析により、これらの単離物の内の4つにほぼ500塩基
対の挿入が示された。プラスミドDNAを調製し、T7
DNAポリメラーゼ(promega)および鎖−末端ジデオキ
シヌクレオチド[Mierendorf, R.C.および Pfeffer, D.
(1987) Meth. Enzymol. 152, 556-562]を用いて直接
的に配列を決定した。
【0052】DNA配列の決定 配列決定実験により挿入cDNAの5'末端部の96塩
基対ならびに3'末端部の110塩基対を決定したとこ
ろ、それらは配列が決定された複数のクローンにおいて
は同一であることが明らかになった。5'末端部の96
塩基対[配列番号2]は、最初の4つのアミノ酸GPH
Gがプライマーの最初の4つのアミノ酸HPGHGに対
応する、32アミノ酸からなるポリペプチド[配列番号
1]をコードしていた。3'末端部の110塩基対[配
列番号3]は、3つのリーディングフレーム全てに“T
AA"または“ATG"終了コドンを有していた。即ち、
該塩基対は3つのポリペプチドをコードしていたが、該
ポリペプチドのC末端は(5'CTA3'でコードされ
た)Lであり、且つ8アミノ酸を有し[配列番号5の]
配列でコードされるポリペプチド[配列番号4]であ
り、および/または21アミノ酸を有し[配列番号7
の]配列でコードされるポリペプチド[配列番号6]で
あった。従って、これらのポリペプチドは5'末端部の
配列番号1、および配列番号4ならびに6を特徴とす
る。
【0053】例5 生理的に活性なポリペプチドの生理
および化学試験 以上のことから、生理学的に活性なポリペプチドは、そ
の生理的特性および化学的特性により特徴付けることが
できる。活性ポリペプチドは、アセトン不溶性かつ水溶
性である。該ポリペプチドは、分子篩クロマトグラフィ
ー試験による測定で、約5,000〜40,000ダルト
ンの分子量を有する。生理学的に活性なペプチドは、図
12に示したpH勾配を有し、酸性である。
【0054】ポリペプチドの投与 本発明に有用なポリペプチドは、注射、例えば筋肉内注
射により投与されることが好ましい。しかし、他の投与
形態も意図している。該ポリペプチドは、その成分の医
薬学的に許容な塩、例えばアルカリ金属塩の形態で用い
ることもできる。医薬学的に許容なアミド、低級アルキ
ルエステル、保護された誘導体、その他の誘導体および
ポリペプチド成分の類似物もまた、意図している。しか
し、既に示した如く、該ポリペプチドは水溶液として用
いることができるので、その他の医薬学的担体、例えば
食塩水とも組み合わせて用いることができる。ともか
く、該ポリペプチドは注射により投与することが好まし
いので、水基担体に含有した抽出物も意図している。好
ましい製品は、約2.5重量%のポリペプチドを含有す
るポリペプチド水溶液である。より一般的には、該ポリ
ペプチドの量は、担体1ml当たり5〜500μgの範
囲である。
【0055】HIV−I/CEM マウス試験 HIV感染細胞を移植したヌードマウスを用いて、“K
U10,280"の生体内における、抗HIV効力を評価
した[Wetherall の「AIDS291による、胸腺欠損
“ヌードマウス”におけるHIV−I p24抗原血症発
達の動物モデル(The Development of HIV-I p.24 Anti
genemia in the Athymic “Nude Mouse"Animal Models
in AIDS 291)」, 1990, Elevier Science Publishers
B.V. に記載の教示がここに参考および資料として取り
入れられる]。この試験においては、HIV感染CEM
細胞を移植した8匹の放射線照射ヌードマウスを用い
て、このモデルシステムにおいて“KU10,280”
がHIVを効果的に阻害するか否かを測定した。すでに
有効であることが示されていたAZT薬剤を、コントロ
ールとして用いた[Lie ら、「抗ウイルス剤の評価モデル
としてのHIV感染細胞移植ヌードマウス(The Nude N
ouse Transplanted With HIV Infected Cellsas a Mode
l for the evaluation of antivirals)」, Amer. Soc.
Microbiol. Abstract Number 230060 (1992) 参照]。
【0056】試験手法:細胞系およびHIV培養。CC
RF−CEMまたはCEMは、その性状がかなり明らか
にされており[Foley GE, Lazarus H, Farber S, Uzman
BG, Boone BAおよび McCarthy Re、「急性白血病小児
の末梢血由来ヒトリンパ芽球の連続培養(Continuous c
ulture of human lymphoblasts from peripheral blood
of achild with acute leukemia)」, Cancer 1965;18:
255〜529]、これは腫瘍形成性[Graham BS および Weth
rall NT、「BALB/cマウスにおけるヒト細胞系の
生長(Growth of human cell lines in BALB/c mic
e)」, Cancer Res, 1990;5 0:5943〜5946] 且つHIV許
容性[Dalgeish aG, Beverly PCL, Clapham PR, Crawfo
rd DH, Greaves MF, および WEiss RA、「CD4(T
4)抗原がAIDSレトロウイルス受容体の本質的構成
要素である(The CD4(T4) antigene is anessential co
mponent of the receptor for the AIDS retroviru
s)」, Nature1984;312:736〜767]な細胞系であり、こ
れをアメリカンタイプカルチャーコレクション [Amerca
n Type Culture Collection, Rockville, MD.(ATCC CCL
119)]より入手し、既述の如く、15%の加熱不活性化
牛胎児血清と50μg/mlのゲンタマイシンを含有するP
RMI1640培地中で維持した[Wetherall NT:「胸
腺欠損“ヌードマウス"におけるHIV−I p24抗原
血症の発達(The develop-ment of HIV-I p24 antigenem
ia in the athymic “nude mouse")」, AnimalsModels
in AIDS., Schellekens H および Horzinek MC (ed
s.), Elsevier;Amsterdam, 1990, pp. 291〜302](これ
らの文献の教示がここに参照として取り入れられる)。
これらの細胞を、37℃の湿った5%二酸化炭素雰囲気
中で増殖させた。HIV−Iの分離株、即ちHTLV−I
IIB(カタログ番号398)を、米国国立保健研究所
(NIH)の AIDS試薬の研究および寄託プログラ
ム(AIDS Research and Reference Reagent Progra
m)より入手し、慢性的に感染させたCCRF−CEM
細胞の培養から収穫した。通常の増殖においては、培養
液に含まれるウイルスを低速遠心機で細胞から分離し
て、口径0.45μmのフィルターに通して収穫した。
感染の終末点として細胞親和効果(Cytopathiceffect ;
CPE)を用いて、マイクロカルチャー中のMT−2細胞
上で感染ウイルスを計量した[Scudiero DA, Shoemaker
RH, Paull KD, Monks A, Tierney S,Nofziger TH, Cur
rens MJ, Seniff D, および Boyd MR、「ヒトおよび他種
の腫瘍細胞系を用いた培養における細胞生長および薬剤
感受性に関する可溶性テトラゾリン/ホルマザン検定法
の評価(Evaluation of a soluble tetrazolim/formaza
nassay for cell growth and drug sensitivity in cul
ture using human and other tumor cell lines)」, Can
cer Res., 1988;48;4827〜4833]。50%組織培養感染
価(TCID50)を、Reed−Muench の方法[Reed L. J.
and Muench H.、「簡単な50%終末点評価方法(a sim
ple method of estimatingfiftypercent endpoints)」,
Amer. J. Hygiene, 1938;27:493〜497]により計算し
た。ウイルス異種移植に用いたCCRF−CEM細胞
を、感染多重度[MOI;(接種時感染多重度:input M
OI)]0.1で、HIV−Iの貯蔵希釈液を用いて速やか
に感染させ、37℃で2時間吸収させた。HIV−Iの
取り扱いは全て生物学的安全基準3(Biosafety Level
3; BSL-3)の施設内において、BSL-3 のガイドラインを
順守して行った[Centers for Disease Control (CD
C)、「ヒト免疫不全ウイルスのための摘要およびヒト免
疫不全ウイルスによる研究室内感染に関する報告(Agent
summary statement for human immunodeficiency viru
s and reporton laboratory-acquired infection with
human immunodeficiency virus)」,MMWR, 1988;37 (S-
4): 11〜15]。
【0057】動物、食餌、環境、および細胞/HIV移
既に述べられている如く[Wetherall NT、「胸腺欠損
“ヌード"マウスにおけるHIV−Ip24抗原血症の発
達(The development of HIV-I p24 antigenemiainthe a
thymic “nude" mouse), Animal Models in AIDS, Sche
llekens H およびHorzinek MC (eds.), Elsevier; Amst
erdam, 1990, pp. 291〜302. Johnson MD, Davis BW,
および Wetherall NT、「 原位置におけるハイブリダイ
ゼーションおよび免疫−組織化学的研究のためのプロト
オンコジーン表現標準組織産生物(Production of prot
o-oncogene expressing control tisseus for in situh
ybridization and immuno-histochemical studies)」,
J. Environ. Path. Tox.and Onc., 1989;9:171〜19
0]、雑系で胸腺を欠損した、体温27±1℃の、抗生
物質を適用されていないマウスを、HEPAフィルター
で濾過した空気の層流下の特定の病原菌を有しない部屋
にて研究に供した。寝床、ケージ、水およびその他の前
記マウスに直接触れる物は全て、使用前にオートクレー
ブにより滅菌した。動物(マウス)には、自由に餌およ
び水を摂取させた。高濃度の熱感受性栄養素を含有する
ペレット状の餌(Purina autoclavable rodent laborat
ory chow#5010)をマウスに与えた。固い壁および床を
マイクロアイソレーター(micro-isolaters)で覆い、寝
藁を週2回取り換えた。CDCにより概要が示された B
SL-3 ガイドライン[Centers for Disease Control (CD
C)、「ヒト免疫不全ウイルスのための摘要およびヒト免疫
不全ウイルスによる研究室内感染に関する報告(Agent
summary statement for human immuno-deficiency viru
s and reportonlaboratory-acquired infection with h
uman immunodeficiency virus)」, MMWR,1988;37 (S-4):
11〜15.:Milan G, および D'Souze P、「SCIDマ
ウスにおけるHIV感染:安全に関する考察(HIV infe
ctions in SCID mice: safetyconsiderations)」, ASM
News, 1990;56:639〜642.]を順守した。試験期間中、
ケージ当たりの最大マウス個体数は10個体であった。
【0058】HIV感染の有無を問わず、CEM細胞培
養を収穫して血清を含有しない培地で洗浄し、そして再
び収穫した。血球計算器により細胞数を計測して、血清
を含有しない培地で細胞懸濁液を調整し、これにより接
種を標準化した。0.2mlの培地中に懸濁した細胞
を、22ゲージのテフロン製小児用アンギオカテーテル
にルエルロック(luer lock)で装着した注射器を用い
て、肩胛骨に挟まれた部位(intrascapular region)に
皮下注射した。このカテーテルを最初に皮下組織に通
し、接種材料の漏れを評価した。全ての操作を無菌的に
行った。試験開始期の月曜日に動物が供給され、これを
2日間かけて新しい環境に慣れさせた。次の水曜日に、
(ミネソタ大学医学部の J. L. Shepherd MarkI放射線
照射機で)500ラドの137Cs放射線を該動物に照射し
た。この照射量によりナチュラルキラー細胞の活性は減
少し、そして通常、被験動物は動けなくなる。木曜日
に、薬剤の投与を開始し、この週の金曜日に、CEM細
胞を上述の方法で動物に接種した。その後、マウスを観
察し、試験薬剤を少なくとも週に3回投与した。これら
3回の投与時毎に、動物グループを計量し、接種部位を
そっと触診して肉眼的腫瘍の生じた日付を測るか、ある
いはキャリパーにより腫瘍の大きさを二次元的に測っ
た。長球楕円体のための式、π/6 LWを用いて、腫瘍
の体積を二次元の測定値から計算した[Graham, BS お
よび Wetherall NT、「BALB/cマウスにおけるヒト
細胞系の生長(Growth of human cell lines in BALB/c
mice)」,Cancer Res., 1990;50:5943〜5946.: Skalri
n NT, Chahinian AP, Feuer EJ, Lahman LA, Szrajer L
および Holland JF、「ヌードマウスに異種移植したヒ
ト悪性中皮種における、インターフェロンによるシス
ジアミンジ−クロロプラチナム(II)およびマイトマイ
シンCの活性の増加(augmentation of activityof cis-
diamminedi-chloroplatinum (II) and mitomycin C by
interferon inhuman malignant mesothelioma xenograf
ts in nude mice)」, Cancer Res., 1988;48:64〜6
7.]。グループ間の差異の有意性を不対(unpaired)ス
チューデント式T検定により評価し、信頼値を両側検定
(two tails)により求めた。本試験の終わりに、動物
をメトキシフルラン麻酔にかけた。痛覚反応消失後、心
臓穿刺により動物を出血死させた。この方法で死亡しな
かった動物には、頸部脱臼を用いた。これらの方法は、
米国獣医学会(American Veterinary MedicalAssociati
on)の安楽死の方法群の認定に沿っている。死後、動物
を剖検して、CEM細胞試験および間接免疫免疫検定法
を用いたHIV抗原表徴[MontefioriDC および Mitche
ll WM、「HTLV−IIIと共にT細胞系であるC3を提
供するHTLV−IIの感染は高許容的且つ高細胞溶解性
である(Infection of the HTLV-II bearing T-cell lin
e C3 with HTLV-III is highly permissive and lyti
c)」, Virology 1986;155:726〜731]のために腫瘍組織
を無菌的に摘出した。動物を用いた研究を導入するにあ
たって、本発明者らは、国立研究所実験動物資源局実験
動物の飼育と使用に関する委員会により用意された「実
験動物の飼育および使用の手引(Guide for the Care a
nd Use of Laboratory Animals)」(NIH Publication
No. 86〜23, Revised 1985)を順守した。
【0059】p24酵素免疫検定法 p24酵素免疫検定法(EIA)として、コールター社
(Coulter Corporation,Hialeah, F1)から販売の方法
を改変せずに用いたが、該方法は、マイクロウエルスト
リップ上に被覆した、HIVコア蛋白質に対するマウス
モノクローナル抗体を用いる。本検定法は、培養浮遊
物、血漿および血清中のp24 gag蛋白質抗原を検
出する。本検定法においては、マウス血清との非特異的
交差反応は観察されない。
【0060】製剤の調製および投与 新鮮な“KU10,280”の投与量を、薬剤投与日毎
に調製した。毎日の注射に用いるアンプルは担当者(sp
onsor)が準備した。各アンプルは、1.2mlの蒸留水
を用いて液体状に戻し、特に断らない限り、毎日の薬剤
投与として0.1mlを注射したが、筋肉内注射は接種
前日から接種後11日目まで、皮下注射は接種後 19
日目から38日目まで実施した。コントロール動物に
は、(プラセボとして)0.1mlの水を注射した。A
ZTは、売薬である RETROVIR(商標)100mgカプセ
ルとして調達した。撹拌プレート上で1時間混合するこ
とにより、各カプセルの内容物を200mlの蒸留水に
溶解した。カプセル内容物の不活性フィラー成分を、
3,000rpmで10分間遠心して除去した。その上澄み
に蒸留水を添加して、最終濃度を0.125 mg/ml とし
た。平均消費が4mg/日/マウスとなるように毎日動物
をモニタリングして、この平均消費を達成した。本法で
は、0.5mg AZT/日/マウス、あるいは20mg
AZT/kg/日の薬剤を投与した。使用時には“KU1
0,280”およびAZTを溶解して希釈液として調製
し、AZTは、毎週新鮮なものを調製して安定性を維持
した。
【0061】試験計画 本モデルを用いた生体内検定法は、薬剤の1回分の投与
量をHIV接種の前日に投与するという、予防的方法に
よる“KU10,280”の試験からなる。被験動物お
よびコントロール動物を、休止期間(washout)も含め
て39日間の間観察した。本試験計画は、以下のグルー
プの比較からなる。
【0062】
【表11】
【0063】試験および動物の犠牲の終了時に、試験の
締めくくりとして、血清p24抗原レベルを測定した。結果 表12および13は、本試験の全てを概説している。
(明らかに過剰量の)放射線照射の問題のために、11
日目までに既に病的状態が表れ、これが全処置の休止の
原因となった。全てのマウスが、放射線照射に起因す
る、血小板減少症を含む皮膚の点状出血を様々な程度に
呈したが、AZT処理グループにおいて特に顕著であっ
た。全てのグループで死亡例が認められた(11〜20
日目、AZT処理動物は試験終了前に全例死亡)。試験
開始時の動物数を増加させることにより、死亡が与え
る、負の衝撃を最小化した。“KU10,280”で処
理した動物において、生存率が等しいか、またはより良
好であったことは、放射線照射からの何らかの防御を示
唆するものとして、記録されるべきである。第19日目
に、明らかに放射線により障害されたマウスが回復した
ので、処理を再スタートした。最初の腫瘍形成が、(グ
ループ1および3では)11日目に、(グループ4で
は)15日目に、あるいは(グループ2および5では)
18日目に生じ、そしてそれは 39日目に試験を終了
するまで進行し続けた。薬剤処理を行ったのは全部で3
1日間であった(その内訳は、異種移植前日から10日
目まで、および19日目から39日目までである)。
【0064】
【表12】
【0065】
【表13】
【0066】試験終了時に、各グループ別に体重、腫瘍
の大きさ、血清中のp24レベルを測定した。その結果
を表14〜16に示す。各グループを比較した有意性
(信頼値)のレベルを表14〜16の最も右のコラムに
示す。
【0067】
【表14】
【0068】
【表15】
【0069】
【表16】
【0070】
【表17】
【0071】HIV/CEMマウス研究終了時における
血清中のp24抗原は、6ガンマの放射線を照射し、H
IV−I IIIBに感染したCEM細胞を移植したヌード
マウスに対し、28日間にわたって8mg/日の“KU
10,280”を皮下的に投与することが、0.5mg/
kg/日のAZTを投与するよりも、ウイルスのp24
を大幅に抑制したことを示した(図13参照)。
【0072】ウイルス遮断研究 “KU10,280”の作用機構は、以下の知見から、
ウイルスの細胞侵入を遮断するものである可能性が考え
られる。HIV−I IIIBにおける“KU10,280”
の結合阻害の概略を試験した。15.625〜500m
g/mlの濃度で、“KU10,280”は活性HIV−
I IIIBのMT−2細胞との融合を、全体の50%以上
阻害した。この有効濃度範囲は、マイクロタイター検定
法を用いて観察される“KU10,280”の試験管内
における活性とよく一致している。該検定法を、活性H
IV−I IIIBのMT−2細胞との融合をブロックする
ように設計し、自然条件下での融合も検定した。ウイル
ス(2,500pg p24)を“KU10,280”と
共に、37℃で30分間、250μlの成育培地中でイ
ンキュベートした。これにMT−2細胞(成育培地25
0μl中に3.75×106個)を添加し、この混合物を
室温で2時間、回転台上でインキュベートした。5ml
の成育培地で3回洗浄して、未結合ウイルス粒子を除去
した。細胞ペレットを0.5%トリトンX−100(Tri
ton X-100)中で溶解し、アボット免疫検定法によりp
24抗原の量を測定した。ウイルスの濃度上昇に関する
先の試験により、該検定法の全ての測定値とウイルス結
合数との関係は、一次関数で表すことができることが確
認されている。
【0073】“KU10,280"は、トリトンX−10
0により活性化されたHIV−I IIIB溶解物における
逆転写を阻害せず、また、慢性的に感染したH9細胞を
MT−2細胞と混合した(デキストラン硫酸エステルを
コントロールとして用いた)際に、合胞体形成をブロッ
クせず、また、未感染(cell-free)ビリオンを直接的に
不活性化することもなかった。注射可能な(フェノール
を除去した) KUTAPRESSIN(Kremers-Urban Co.)(即
ち、“KU10,004”)は、試験管内において、A
ZTと共同作用した(図14参照)。
【0074】本明細書においては、主として、特別な、
好ましい態様に沿って本発明を説明したが、本発明の主
旨から離れる事なく改変することが可能であることは明
らかである。「特許請求の範囲」は、本発明の全てのバ
リエーション、実施または改作、および一般的には、本
発明の原理に従い、且つ本発明から、理解されるもの、
または当該分野において本発明に付属するもの、あるい
は当業者にとり自明なものとしての、そのような発展を
含むように意図されている。
【0075】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:32 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド 配列: Gly Pro His Gly Gln Ser Ile Met Leu Gly Leu Asn Ser Val Phe Tyr 1 5 10 15 Pro Ser Ala Ile Ile Arg Gln Ala Ala Pro Phe Phe Asp Phe Cys Trp 20 25 30
【0076】配列番号:2 配列の長さ:96 配列の型:核酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ゲノムDNA 配列: GGGCCGCATG GGCAAAGTAT TATGCTCGGC CTGAACAGTG TATTTTATCC AAGTGCAATA 60 ATACGTCAAG CTGCAGCTTT TTTTGACTTC TGCTGG 96
【0077】配列番号:3 配列の長さ:110 配列の型:核酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ゲノムDNA 配列: CTATAAATGT GCATTTATCA GAAGTTGATG TAAACACTAT TCTAGTACTG TTCCTTCATC 60 TAGATTGATC AATTTTAATT AAAATTAAGC ACTAAAAAAA AAAAAAAAAA 110
【0078】配列番号:4 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド
【0079】配列番号:5 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ゲノムDNA 配列: CTATAAATGT GCATTTATCA GAAGT 25
【0080】配列番号:6 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド 配列: Ile Asn Val His Leu Ser Glu Val Asp Val Asn Thr Ile Leu Val Leu 1 5 10 15 Phe Leu His Leu Asp 20
【0081】配列番号:7 配列の長さ:65 配列の型:核酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ゲノムDNA 配列: CTATAAATGT GCATTTATCA GAAGTTGATG TAAACACTAT TCTAGTACTG TTCCTTCATC 60 TAGAT 65
【0082】配列番号:8 配列の長さ:50 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド 配列: Gly Pro His Gly Gln Ser Ile Met Leu Gly Leu Asn Ser Val Phe Tyr 1 5 10 15 Pro Ser Ala Ile Ile Arg Gln Ala Ala Pro Phe Phe Asp Phe Cys Trp 20 25 30 Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Tyr Lys Cys Ala Phe Ile 35 40 45 Arg Ser 50
【0083】配列番号:9 配列の長さ:63 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド 配列: Gly Pro His Gly Gln Ser Ile Met Leu Gly Leu Asn Ser Val Phe Tyr 1 5 10 15 Pro Ser Ala Ile Ile Arg Gln Ala Ala Pro Phe Phe Asp Phe Cys Trp 20 25 30 Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Ile Asn Val His Leu Ser 35 40 45 Glu Val Asp Val Asn Thr Ile Leu Val Leu Phe Leu His Leu Asp 50 55 60
【0084】配列番号:10 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド
【0085】配列番号:11 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド
【0086】配列番号:12 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド 配列: Xaa Xaa Xaa Gly Xaa His Gly Xaa His Gly Xaa Xaa Gly Xaa Gln 1 5 10 15
【0087】配列番号:13 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ペプチド
【0088】配列番号:14 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:不明 トポロジー:不明 配列の種類:ゲノムDNA 配列: CATGGICCIC ATGGI 15
【図面の簡単な説明】
【図1】試験管内において、ブタ肝臓抽出物がHIV−
Iウイルスに感染したMT−2リンパ球様細胞の細胞溶
解を減少させる能力を試験した結果を示す図である。
【図2】試験管内において、AZT、アンプリゲン(am
pligen)、カスタノスパーマイン(castanospermine)
および二種類のブタ肝臓抽出物がHIV−Iウイルスに
感染したMT−2リンパ球様細胞の細胞溶解を減少させ
る能力を試験した結果を示す図である。
【図3】試験管内において、活性ペプチドがHIV−I
ウイルスに感染したMT−2リンパ球様細胞の細胞溶解
を減少させる能力を試験した結果を示す図である。
【図4】試験管内において、活性ペプチドがHIV−I
ウイルスに感染したMT−2リンパ球様細胞の細胞溶解
を減少させる能力を試験した結果を示す図である。
【図5】試験管内において、活性ペプチドがHIV−I
ウイルスに感染したMT−2リンパ球様細胞の細胞溶解
を減少させる能力を試験した結果を示す図である。
【図6】試験管内において、活性ペプチドがHIV−I
ウイルスに感染したMT−2リンパ球様細胞の細胞溶解
を減少させる能力を試験した結果を示す図である。
【図7】ジーンバンクの全てのブタ配列に用いられるH
IVのコドンの偏りを示す図である。
【図8】活性ポリペプチドの配列決定に用いた戦略の一
部を示す図である。
【図9】活性ポリペプチドの配列決定に用いた戦略の一
部を示す図である。
【図10】活性ポリペプチドの配列決定に用いた戦略の
一部を示す図である。
【図11】活性ポリペプチドの配列決定に用いた戦略の
一部を示す図である。
【図12】“Ku10,260”のpH勾配を示す図で
ある。
【図13】HIVーI CEMマウス研究の終了時におけ
るp24血清濃度を示す図である。
【図14】試験管内において投与されたAZTと“KU
10,004”の共同作用を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 15/06 8517−4H // C12N 15/12 C07K 99:00 (72)発明者 エス・ケン・タナカ アメリカ合衆国、イリノイ州、バッファロ ー・グローブ、カッパーウッド・ドライブ 156 (72)発明者 トーマス・ステインバック アメリカ合衆国、テキサス州、ヒュースト ン、バイユー・シャドウズ、ナンバー 4 (72)発明者 カール・エイチ・ロイヤー アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、メコ ン、ノース・フォンテンブロー・コート 10320 (72)発明者 ウィリアム・ジェイ・ハーマン・ジュニア アメリカ合衆国、テキサス州、シーリー、 リバー・リッジ・ロード 103 (72)発明者 アリ・アブデル・サラム・ガウィッシュ アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、メコ ン、ノース・ランターン・レイン 11920

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗ウイルス活性および5,000〜40,
    000ダルトンの分子量を有し、アセトン不溶性肝臓抽
    出物から得られる、実質的に純粋なポリペプチド。
  2. 【請求項2】 水溶性担体中にある、請求項1に記載の
    ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 (a)抗ウイルス活性および5,000
    〜40,000ダルトンの分子量を有し、アセトン不溶
    性肝臓抽出物から得られる、実質的に純粋なポリペプチ
    ド、および(b)担体を含有し、その際、該ポリペプチ
    ドの含量が5〜500μg/ml の範囲である、医薬学的
    に許容な組成物。
  4. 【請求項4】 配列番号1に示すアミノ酸配列を5'末
    端に有し、且つ配列番号4に示すアミノ酸配列を3'末
    端に有する、抗ウイルス活性を有する実質的に純粋なポ
    リペプチドまたはその断片。
  5. 【請求項5】 配列番号1に示すアミノ酸配列を5'末
    端に有し、且つ配列番号6に示すアミノ酸配列を3'末
    端に有する、抗ウイルス活性を有する実質的に純粋なポ
    リペプチドまたはその断片。
  6. 【請求項6】 配列番号2に示すDNA配列によりコー
    ドされるアミノ酸配列で5'末端が構成され、且つ配列
    番号3に示す塩基対からなるグループから選択されるD
    NA配列によりコードされるアミノ酸配列で3'末端が
    構成される、抗ウイルス活性を有する実質的に純粋なポ
    リペプチドまたはその断片。
  7. 【請求項7】 前記3'末端のアミノ酸配列が配列番号
    5のDNA配列によりコードされる、請求項6に記載の
    ポリペプチド。
  8. 【請求項8】 前記3'末端のアミノ酸配列が配列番号
    7のDNA配列によりコードされる、請求項6に記載の
    ポリペプチド。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のポリペプチドを有効成
    分として含有する、CFSを生じないウイルス感染の治
    療のための医薬学的に許容な組成物。
  10. 【請求項10】 前記ウイルス感染がHIV−Iによる
    ものである、請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記ウイルス感染がHHV−6による
    ものである、請求項9に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 請求項4、5、6、7、および8に記
    載のポリペプチドまたはその断片を有効成分として含有
    する、CFSを生じないウイルス感染の治療のための医
    薬学的に許容な組成物。
  13. 【請求項13】 前記ウイルス感染がHIV−Iによる
    ものである、請求項12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記ウイルス感染がHHV−6のよる
    ものである、請求項12に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 配列番号8に示すアミノ酸配列を有す
    る合成ペプチド。
  16. 【請求項16】 配列番号9に示すアミノ酸配列を有す
    る合成ペプチド。
  17. 【請求項17】 AZTおよび請求項1に記載の組成物
    を有効量含有する、AIDS感染の治療のための医薬学
    的組成物。
  18. 【請求項18】 AZTおよび請求項4に記載の組成物
    を有効量含有する、AIDS感染の治療のための医薬学
    的組成物。
  19. 【請求項19】 AZTおよび請求項5に記載の組成物
    を有効量含有する、AIDS感染の治療のための医薬学
    的組成物。
  20. 【請求項20】 AZTおよび請求項6に記載の組成物
    を有効量含有する、AIDS感染の治療のための医薬学
    的組成物。
  21. 【請求項21】 熱に安定で、アセトン不溶性且つ水溶
    性である肝臓抽出物を有効成分として含有する、HHV
    −6感染の治療のための医薬学的に許容な組成物。
JP4349059A 1992-10-14 1992-12-28 ポリペプチドおよびそれを含有するウイルス感染治療用医薬組成物 Pending JPH06128288A (ja)

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