JPH0612649Y2 - 歯間清掃フロス付歯ブラシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、ブラッシングとフロッシングを兼用できる
歯間清掃用フロス付歯ブラシに関する。

〈従来の技術〉 従来の歯間清掃具付歯ブラシとしては、例えば、実開昭
５５−２０９１９（実願昭５３−１０３０８７糸掛け部
を有する歯ブラシ）に見られるように先端にブラシを形
成した握り柄の基端に所定間隔をおいて２個の突片を対
設するとともに、これら突片よりややブラシに近い適所
に内方に挟まる係止溝で糸止めを設け、更に上記突片に
は先端から一側にわたり糸止めと両突片を結ぶ線に沿っ
て切割条を刻成してなる糸掛け部を有する歯ブラシ等が
あった。

一方、実開昭５９−９６０１２号（実願昭５７−１９２
７３２号歯間清掃用具があるが、この用具は一端にデン
タルフロスを他端に歯間ブラシをそれぞれ設けたことを
特徴とするものである。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら、上記歯ブラシまたは歯間清掃用具は歯間
清掃後の糸（フロス）の取替に際し、糸止めから糸を緩
めて取り外すという面倒な手間を要して、糸の取り替え
に時間が掛るという欠点があり、また弾性のない単なる
糸を使用していたため、歯間清掃の際に緊張した糸が歯
の作用をして歯肉を傷めるという欠点があった。

そこで、この考案では、従来の単なる一本糸を清掃のた
びに握り柄に巻き替えるという手間を省き、しかも歯間
清掃の際に歯肉を傷めることがないようにした歯ブラシ
とフロスとの併用を容易にして、フロッシングの普及を
図ることのできる歯間清掃用フロス付歯ブラシを提供せ
んとしたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案は、上記欠点を解消せんとしてなされたもの
で、その要旨は握り柄の一端部に植張したブラシと、他
端部に二股の突片を対設して突片間に張設したフロスと
からなるフロッシング兼用の歯ブラシであって、前記フ
ロスを、前記突片間を含む握り柄に設けた係止溝に緊張
状態で係止されると共に係止後に歯肉を実質的に損傷さ
せない、弾性を付与した輪状のものとし、この輪状弾性
フロスを前記握り柄に設けたフロス備設用溝に複数備え
てなる歯間清掃用フロス付歯ブラシにある。

〈作用〉 本考案の歯間清掃用フロス付歯ブラシは、歯ブラシの他
にフロス器具を別途用意することなく、歯ブラシを半回
転することのみによって、容易にフロッシングを可能に
する。

この考案の歯ブラシにおけるフロスは、輪状弾性である
ために輪を広げて二股の突片間と握り柄の係止溝に簡単
に係止することができ、また使用時においても緊張状態
のフロスがわずかに弾性を有しているために歯肉に傷を
付けることなく歯間の清掃を容易に行なうことができ
る。この輪状弾性フロスはそのまま使い捨てて握り柄の
フロス備設用溝に複数備えている新たなフロスを用いる
こともできる。

〈実施例〉 第１図はこの考案に係る歯ブラシの正面図であり、第２
図は平面図である。

上記各図面において、握り柄１の一端部には歯ブラシの
ブラシ２が植設されており、他端部は歯間を清掃するに
十分な間隙をもって先方をやや広げている二股に分岐さ
せた突片３，３が対設されている。この突片３，３間と
握り柄の外周には輪状弾性フロスを係止する略半月状の
係止溝４とを設け、これら無端状のものに輪状弾性フロ
ス５が緊張状態で係止されて、突片３，３間に直径が１
００μ以下、好ましくは５０μ程度の太さに伸長変形可
能にしたラテックス素材からなる輪状弾性フロスにて歯
間を清掃するようにしている。

なお、輪状弾性フロス５は径の外周に断続的な溝を設け
ることにより、歯間の食片を容易に取り去るようにする
こともでき、またフロス中に香料を含浸することにより
清掃中に口中の雰囲気を良好にすることもできる。

一方、握り柄には、任意数の輪状弾性フロスを常備する
ためのフロス備設用溝６，６が設けてあり、これに複数
の輪状弾性フロス５を巻着することにより新たな個々の
輪状弾性フロス５を取り出すことができるようにしてい
る。

ここで輪状弾性フロスは、歯肉を傷めず食片を効率良く
取り除くために緊張状態でも多少の弾性を有し、かつ歯
間部に無理に挿入することによる歯牙、歯根膜、歯肉の
いずれかに与える損傷を防止するために１００μ以下で
ある必要がある。また、歯間部に詰まった食片を取るの
に好適な径の太さと歯牙の生理的歯根膜腔の弾性度によ
り３０〜８０μ、特に５０μ程度のものが最適である。

以上の構成からなる本考案の歯間清掃具付歯ブラシは通
常の歯ブラシと同様にブラシを用い、かつ歯ブラシを半
回転することのみによってフロッシングを可能にし、フ
ロスを上下に操作して歯間の清掃を行う。

〈考案の効果〉 以上述べたように、この考案では輪状でしかも弾性を有
するフロスを用いることにより、歯ブラシの握り柄の端
部の係止溝と二股の突片間にフロスの引き伸ばしという
動作のみによって簡単に着脱できて歯間清掃を容易にす
る。また、緊張状態で係止したフロスにも未だ多少の弾
性が残されており、この引き伸ばし分の弾性によって全
く弾性がないフロスよりも歯肉を傷めることなくフロッ
シングを行なうことができる。さらに、この考案は、通
常の歯ブラシとフロスとを握り柄の両端部に備えている
ので、ブラッシングとフロッシングを握り柄を反転させ
ることによって、今まで煩わしかったフロッシングの習
慣化を図ることにより、歯の健康を維持することができ
るようにしたものである。

【図面の簡単な説明】

添付の図面は、この考案である歯間清掃具付歯ブラシの
実施例を示したもので、第１図はその正面図、第２図は
平面図である。 １……握り柄、２……ブラシ、３……突片、４……係止
溝、５……輪状弾性フロス、６……フロス備設用溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】握り柄の一端部に植張したブラシと、他端
   部に二股の突片を対設して突片間に張設したフロスとか
   らなるフロッシング兼用の歯ブラシであって、 前記フロスを、前記突片間を含む握り柄に設けた係止溝
   に緊張状態で係止されると共に係止後に歯肉を実質的に
   損傷させない、弾性を付与した輪状のものとし、この輪
   状弾性フロスを前記握り柄に設けたフロス備設用溝に複
   数備えてなる歯間清掃用フロス付歯ブラシ。