JPH0612624A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents
薄膜磁気ヘッドInfo
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- JPH0612624A JPH0612624A JP13158391A JP13158391A JPH0612624A JP H0612624 A JPH0612624 A JP H0612624A JP 13158391 A JP13158391 A JP 13158391A JP 13158391 A JP13158391 A JP 13158391A JP H0612624 A JPH0612624 A JP H0612624A
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Abstract
ギャップ層、コイル導体層、絶縁層及び上部磁性膜を少
くとも有する電磁変換素子とを備える薄膜磁気ヘッドに
おいて、前記基板が150Ω・cm以下の固有電気抵抗
を有する材料から成り、前記下部磁性膜が基板に直接付
着される薄膜磁気ヘッド。 【効果】電磁変換素子の下部磁性膜に帯電した静電荷が
直ちに基板を経由して薄膜磁気ヘッドを支持するアーム
等を経由して外部に放出されるので、静電荷による絶縁
層の絶縁破壊の恐れを除き、従って静電気に起因する絶
縁破壊の恐れを除いた薄膜磁気ヘッドの提供が可能とな
った。
Description
し、特に第1の見地によれば、静電気に起因する絶縁破
壊を防止可能な構造を有する薄膜磁気ヘッドに関し、第
2の見地によれば、更に薄膜磁気ヘッドの下部磁性膜の
構造の改良に関する。
度化の進展に伴い、記録信号波長の短縮及び記録トラッ
ク幅の狭小化が進み、更には記録媒体へのアクセスの高
速化も進んできており、このため従来のバルクの磁性材
料を用いた磁気ヘッドより小型で且つ高周波特性にも優
れた薄膜磁気ヘッドが多用される傾向にある。
ッドは、基板上に絶縁層を介して形成される下部磁性
膜、コイル導体層、絶縁層、ギャップ層及び上部磁性膜
から成る各層及び薄膜によって構成されている。これら
の膜及び層の厚みは例えばミクロンオーダーであり、前
述の如き各性能の一層の向上等を目的としてますます薄
膜化、薄層化が要請されている。
れ、磁気記録媒体上を浮上し或いはこれに摺接して磁気
情報を読み書きしているときには、記録媒体で発生した
静電気が磁気ヘッド側に移行したり、或いはこれらの間
で静電気が発生し、このため電磁変換素子が帯電するこ
とがしばしば生ずる。
この静電荷は電磁変換素子の構造のため、下部磁性膜に
集まりやすく、下部磁性膜に集まった静電荷は、下部磁
性膜の電位を上昇させ往々にして、基板との間に配され
る絶縁層を破壊して基板に達し、これにより薄膜磁気ヘ
ッドを損傷することとなる。
を磁気記憶装置に組込む前の単体のままでの一時貯蔵中
に、或いは運搬中においても発生し、このような静電荷
は、磁気ヘッドを磁気記憶装置に組込む際に瞬間的に放
電し、上記同様薄膜磁気ヘッドを損傷するに至ることも
知られている。
の如き下部磁性膜に帯電した静電荷による絶縁層の絶縁
破壊を防止可能な薄膜磁気ヘッドが開示されており、こ
の公報の薄膜磁気ヘッドの場合、本願添付図面の図3に
示すように基板2と電磁変換素子9の下部磁性膜24と
の間に介在する絶縁層33を短絡する金属膜14がスラ
イダの浮上面と反対側の面(反浮揚面)12側の面取り
部(A部)に設けられている。
ィスク装置用として用いられている従来の薄膜磁気ヘッ
ドを図11及び図12を参照して説明する。磁性又は非
磁性材料から成る基板2上には、軟磁性材料から成る下
部磁性膜3、有機物レジスト材料から成る絶縁層4、C
u等の導電材料から成るコイル導体層5、及び下部磁性
膜3と同様の軟磁性材料から成る上部磁性膜6が順次形
成され、上部磁性膜6から成る上部磁極と下部磁性膜3
から成る下部磁極との間には基板2の磁気記録媒体との
対向面である浮動面21側に磁気ギャップ7が形成され
ている。
基板2上に、図8に示された形状の所定の磁極パターン
を有機材料からなるレジスト(フォトレジスト)によっ
て形成し、そのパターン上にまず下部磁性膜3をメッキ
法等で形成し、その後残されて硬化したレジスト面域と
下部磁性膜表面域とが平坦面を形成するよう同じ有機材
料から成るレジストが塗布される。この平坦面4a上に
コイル部5a及びコイル部からの一方のリード線部分5
bとからなるコイル導体層5、絶縁層4、更にコイル部
5a並びに他方のリード線部分5cと順次に形成され、
次に下部磁極3と対向する範囲に上部磁極となる上部磁
性膜6が形成される。
て、上記公報の薄膜磁気ヘッドの場合、本願図3からも
容易に理解できるように、予め基板2及び電磁変換素子
9の部分に対し機械加工によって面取りを施し、然る後
に金属膜14を形成させるという工程が必要である。こ
の面取り(A部)及び金属膜14の形成は、工程の簡素
化及び低コスト化を要請されている薄膜磁気ヘッドにお
いて、この要請に反し不可避的にコストアップを招来す
るという問題がある。
点に鑑み、上記の従来法の如き別の工程を付加すること
も或いはコストアップを招くこともなく、静電気に起因
する絶縁層の絶縁破壊によって損傷を受ける恐れのない
薄膜磁気ヘッドを提供することを目的とする。
気ヘッドでは上記の通り、コイル導体層5の各相間並び
にコイル導体層と上部及び下部の磁性膜との間の絶縁物
として有機材料から成るレジストが使用されている。有
機材料は、一般に耐熱性、耐湿性及び耐薬品性に劣る等
の欠点を有し、長年の使用により経年劣化を生じ易く、
導体層と磁性層との間で絶縁破壊に至る等の問題があ
り、このため薄膜磁気ヘッドの信頼性を損うという欠点
がある。
ヘッドの絶縁層に無機材料を使用し、ヘッドの信頼性の
向上を図るとともに従来の薄膜磁気ヘッドの構造を改良
し、製作時間や工数の増加を招いたりすることなく上記
信頼性の向上を図ることを目的とする。
いて前記目的は、基板と、該基板上に形成され下部磁性
膜、磁気ギャップ層、コイル導体層、絶縁層及び上部磁
性膜を少くとも有する電磁変換素子とを備える薄膜磁気
ヘッドにおいて、前記基板が150Ω・cm以下の固有
電気抵抗を有する材料から成り、前記下部磁性膜が基板
に直接付着されることを特徴とする薄膜磁気ヘッドによ
って達成される。
基板上に形成された上部及び下部磁性膜と、該上部及び
下部磁性膜の間に形成されるコイル導体層及び絶縁層
と、を備える薄膜磁気ヘッドにおいて、下部磁性膜が少
くともコイル導体層が形成される範囲に亘って一様な平
坦面として形成され、下部磁性膜の磁気ギャップの範囲
以外の媒体対向面側の端面の少なくとも一部が該対向面
から後退して配されており、前記絶縁層が無機材料によ
って形成されること、を特徴とする薄膜磁気ヘッドによ
って達成される。
が、磁気ギャップの範囲以外で該対向面に対して角度を
なして後退する傾斜面を有する構成を採用することによ
り、ヘッドトラック幅方向へのもれ磁束が少ない薄膜磁
気ヘッドとすることができる。
が用いられる。下部磁性膜は、好ましくは蒸着若しくは
スパッタリング法等の薄膜成形法で形成され、特に好ま
しくはスパッタリング法で形成される。
Ω・cmであるAl2O3−TiC、3.0Ω・cmである
Al2O3−TiO2、150Ω・cmであるMn−Zn
フェライト等が使用される。固有電気抵抗が1000Ω
・cm以上もある非磁性フェライト、或いは106Ω・
cm以上もあるNi−Znフェライトのような絶縁性の
基板材料の場合は、本発明の目的を達成しないので、本
発明の基板材料から除かれる。
のことを確認した。
(アルミナチタンカーバイド)、Al2O3−TiO
2(アルミナチタニア)、Al2O3−SiC、Mn−Z
nフェライト、Ni−Znフェライト及び非磁性フェラ
イト基板を用い、夫々の基板上に直接、下部磁性膜、絶
縁層、コイル導体層、磁気ギャップ層、上記磁性膜及び
保護層を順次スパッタ法や蒸着によって積層せしめるこ
とにより薄膜ヘッドを試作しHGA(ヘッドジンバルア
ッセンブリ)した後に、静電気破壊により磁気ヘッドス
ライダーに静電気を与えて薄膜磁気ヘッド素子の破壊の
有無を調べた。この結果を表1に示す。
0Ω・cm以下の基板を用いた薄膜磁気ヘッド素子は静
電気により絶縁破壊されるものが皆無であることが確認
された。基板の抵抗は、好ましくは3.0Ω・cm以下で
ある。
荷は、下部磁性膜の電位を上昇させることなく直ちに基
板側に移り、固有電気抵抗が150Ω・cm以下の導電
性基板材料を経由して、薄膜磁気ヘッドを保持するアー
ム等に導かれ接地側に流れ去る。従って、薄膜磁気ヘッ
ドの破損に至るような静電気に起因する絶縁破壊は生じ
ない。しかも、このような簡略化した構成にも拘わらず
下部磁性膜は所定の磁気特性を発揮できると共に、その
形成工程として、スパッタリング法等の気相析着法によ
り基板上に直接薄膜形成できる。
いて更に説明する。
膜磁気ヘッドを、その浮上面側を上にして空気流出端側
から見た立面図である。同図においてこの薄膜磁気ヘッ
ド1はスライダを構成する基板2と、この基板2の空気
流出端端面側に薄膜形成技術によって形成された二つの
電磁変換素子29とから構成される。基板2には双方の
電磁変換素子29の間に空気流方向の溝23が形成され
ている。各電磁変換素子29のコイル導体層は夫々の端
子36に接続されこれを経由して外部に接続できる構造
を備える。
うに、夫々の電磁変換素子29は、基板2の浮上面(対
向面)21側に磁気ギャップ層25を備えており、磁性
材料又は非磁性材料から成る基板2の空気流下流側の端
面に直接スパッタリングで形成された下部磁性膜24
と、下部磁性膜24上に形成されたコイル絶縁層30及
びコイル導体層26と、コイル絶縁層30及びコイル導
体層26上に配されると共に下部磁性体24との間に磁
気ギャップ層25が形成された上部磁性膜27と、上部
磁性膜27の上からこれを覆って形成され上記各層を全
体として保護する保護層28とから構成される。
させることをしないで、直接下部磁性膜24であるセン
ダスト又はパーマロイ等の金属磁性膜がスパッタリング
によって形成される。この場合蒸着等の薄膜成形技術も
使用可能である。しかし、メッキプロセスでこの金属膜
を形成すると基板との間で熱膨張係数が異なるため所望
の磁気特性が得られない恐れも生ずるので、好ましくな
い。
料によって各コイル相互間及び各磁性膜との間を絶縁さ
れたコイル導体層26がCu或いはCu合金等によって
形成されており、このコイル導体層26は前記の如く、
引出しリードを経て導体層26と同様に製膜技術で形成
される前記端子部36に接続されている。
質の金属磁性材料で形成されており、下部磁性膜24と
の間に形成された磁気ギャップ層25を介して、図示し
ない記録媒体との間で信号の授受を行ない、この信号は
コイル導体層26に授受され、外部端子36を介して外
部機器との間で授受される。
ては、磁気ヘッドが記録媒体上を浮上或いはこれと摺接
して記録又は再生を行っている際に記録媒体から下部磁
性膜24に進入した静電荷、或いは単体での一時貯蔵中
や運搬中にこの薄膜磁気ヘッドが互いにこすれあった
り、容器との間でこすれあったりすることにより発生し
て下記磁性膜24に帯電することとなった静電荷は、直
ちに基板2側に達し、導電性の基板を経由して外部に放
電するため、下部磁性膜と基板との間の絶縁層に絶縁破
壊が生じた従来の薄膜磁気ヘッドとは異なり、静電気に
起因する破損の恐れがない。
法を採用することなくスパッタ法等の製膜技術で形成し
ているので、下部磁性膜の磁気特性が基板との接合面で
変化する恐れがなく、下部磁性膜の磁気特性の制御が容
易となり、大量生産においても所望の磁気特性の維持が
容易な磁気ヘッドとすることが可能である。
2層のものを示したが、一層又は3層以上のコイル導体
層を有する薄膜磁気ヘッドについて本発明を適用しても
同様の効果が得られることは勿論である。
て使用されるフォトレジスト等の有機材料が経年劣化を
生じ易く薄膜磁気ヘッドの信頼性を損う原因となってい
たことに鑑み、絶縁材料として、経年劣化を生じ難い無
機材料を採用することとする。しかし、このようにレジ
ストを使用しない場合には、基板面と基板面上に形成さ
れ一定の厚み(通例約3〜6μm)を備える下部磁性膜
との間の段差を従来の薄膜磁気ヘッドのように、絶縁材
料の塗布によって平坦化することができず、次の工程で
あるコイル導体層をスパッタリング或いは蒸着法等によ
り形成するための平坦面が得られない。
てこの平坦面を得ようとすると、約7〜8μm厚みの膜
を形成し、これをエッチバック等の方法で除去しなけれ
ば上記段差を解消して平坦面とすることができず、かか
る7〜8μmもの厚みの膜をスパッタリングで得ようと
すると極めて長時間のスパッタリング工程を要し、製造
コストの大幅な増加を招く。
部磁性膜を、従来とは異なり上部磁性膜に比べてきわめ
て大きな平坦面として基板上に形成することとした。下
部磁性膜を、好ましくは基板の空気流出端の端面全面に
亘って、或いは少なくともコイル導体層を形成すべき範
囲の全面に亘って、一様な平坦面として形成することと
し、これにより従来の様にコイル導体層形成のための平
坦面形成の工程を要しないで済むこととした。従って、
絶縁材料である無機材料の層厚をその絶縁性能に従って
薄くすることができ、スパッタリング等の薄膜法によっ
て短時間で形成することが可能となる。
を基板上の一定範囲全面に亘って形成すると、下部磁極
の磁気ギャップ以外の部分が磁気記録媒体面に近接する
結果、磁気ギャップ端面から見た磁束Φlの様子を模式
的に示した図13に示されているように、磁気ギャップ
付近での漏洩磁束が増加する結果、磁気記録媒体の隣接
トラック上の記録との干渉が問題となる。このため本発
明においては、下部磁極の磁気ギャップの範囲以外の部
分で対向面側の端面のギャップに近接する部分を対向面
から後退させて形成する構成を採用することとし、この
構成を採用すればトラック幅方向の信号干渉に関して実
用上十分小さな薄膜磁気ヘッドとなることを確認した。
される範囲に亘って一様な平坦面として形成されること
でレジスト塗布等による平坦面形成の必要性を除き、ス
パッタリング等により下部磁性膜の平坦面上に形成され
る無機絶縁層の表面が容易に平坦面として得られ、コイ
ル導体層はこの平坦面上に直接形成可能となる。
一実施例の薄膜磁気ヘッドの構造について図4〜図6を
参照して説明する。これらの図の薄膜磁気ヘッド1は従
来例として示した図11の薄膜磁気ヘッド同様ハードデ
ィスク装置用の磁気ヘッドとして構成してある。なお、
図4はこの実施例の薄膜磁気ヘッドの姿図、図5は電磁
変換素子部分の模式的平面図、図6は図5のVI−VI断面
図としてある。
から成る基板2の空気流出端の後端面22上にはほぼ全
面に亘って下部磁性膜3がスパッタ法によって形成して
ある。下部磁性膜3上には無機材料から成る絶縁層4が
スパッタリングで形成され、その上にコイル導体層5の
内の一層が形成される。このコイル導体層5の一層は磁
極との間で信号変換を行うコイル部5a及びコイル部5
aと外部端子9、9′とを接続するリード部の一方5b
とから成る。
形成することができ、その場合絶縁層4とコイル導体層
5とが交互に薄膜法で形成される。コイル部5aの中央
部からの他方のリード線5cはコイル部5aの上層部分
が形成された後に形成される。その後媒体対向面側の下
部磁極の一部はエッチングによって除去され、傾斜面3
a及び後退面3bが形成される。コイル導体層5及び絶
縁層4が形成された後、上部磁極が形成される。下部磁
極3及び上部磁極6は最終的に磁気ギャップ7の範囲に
おいて同じ形状となるようエッチング等によって形状加
工される。
施例の薄膜磁気ヘッドの電磁変換素子部分を模式的に平
面図として示した図5に示されているように、対向面2
1とのなす角αが30度となるように形成されており、
対向面21から所定範囲離れた位置において下部磁性膜
の端面は対向面と平行な後退面3bとしてトラック幅方
向に延長している。磁気ギャップ7の各部寸法は、一例
としてトラック幅wが10μm、ギャップデプスdが2
μm、ギャップ長が0.25μmとなっている。ギャップデ
プスは、磁気記録媒体との対向面21側から上部磁性膜6
の厚み方向の屈曲点6aまでの距離として規定される。
上部磁性膜6及び下部磁性膜3の厚みは共に4〜6μ
m、対向面21と下部磁性膜の対向面に平行な後退面3
bとの離隔距離は15μmであり、また、磁気ギャップ
前端面と磁性膜のリアコンタクト部8との間の間隔は約
200μmである。
μmの値が選定される。またほぼ全面に下部磁性膜3が
形成される基板端面22のトラック幅方向の横幅は2m
m、これと直角方向の高さは 0.6mmとして選定されて
いる。図示が省略されているが、従来の薄膜磁気ヘッド
と同様電磁変換素子全体を覆って保護層が形成される。
ッドは、下記の検討を経てその形状が選定されたもので
ある。
方向全面に亘って形成した薄膜磁気ヘッドと、従来の磁
気ヘッドとについてその記録性能を電子計算機により三
次元のシュミレーションを行った結果を図7に示す。
幅方向全面に亘って形成した二種類の形状の下部磁性膜
を有する薄膜磁気ヘッドに、一定の記録電流(30mAp−
p)を通じた時において、トラック幅方向の中心からの
位置寸法と、その位置で且つ基板の対向面から0.15μm
離れた点における磁界の強さ(Oe)との関係として示
している。なお、同グラフ下部に示した図はこれら下部
磁性膜の形状、寸法をグラフの値と対比するために示し
た下部磁性膜の形状である。磁性膜は、流された電流で
飽和し始める。
上高さであり、従って上記点は磁気記録媒体面の位置と
して想定したものである。記録性能としてはトラック幅
の範囲内に大きな磁界を生じ、かつトラック幅以外の範
囲で小さな磁界を生ずることが好ましいことは言うまで
もない。なお、磁気ギャップのトラック幅は10μm、
ギャップデプスは2μmであり、磁性膜の厚みは全て4
μmとしてある。記録媒体の保磁力Hcは1500(O
e)として計算されている。
がほぼ同じ大きさの従来の磁気ヘッドであって図8に示
した端面形状の上部及び下部磁性膜3、6を有する磁気
ヘッドについての、一点鎖線Bは図9に示した対向面側
の端面形状を有する下部磁性膜3と図8の上部磁性膜6
とを備える本発明の一実施例の磁気ヘッド1について
の、一点鎖線C′は図10の対向面側の端面形状を有す
る下部磁性膜と図8の端面形状の上部磁性膜とを有する
本発明の実施例の磁気ヘッドについての、夫々の記録性
能についてのシュミレーションを行った結果得られた値
のグラフである。なお、図8に示した従来の磁性膜は上
部、下部共に同一形状であり、磁気ギャップに隣接する
範囲では傾斜面3a′を有している。
磁気ヘッドと本発明の図9の実施例の磁気ヘッドではほ
ぼ同等の記録性能を有しているが(曲線A及びB)、図
10に示した、下部磁極の対向面側の端面がトラック幅
の範囲外において浮動面側に対向面側の端面と同一面を
なして浮動面側に突出する露出部分3cを有する磁気ヘ
ッドの場合、露出部分3cの磁気ギャップ側端部Pの磁
気ギャップ中心からの距離w1が20μmの場合には、
露出部分3cの端部Pで強い漏洩磁界を生ずることとな
り(図7の曲線C)、薄膜磁気ヘッドとして使用した場
合には、トラック幅以外の部分の漏洩磁界が大きく、従
って隣接するトラックとの干渉が生じるため磁気ヘッド
として不適当である。このためw1≧40μmとして下
部磁極露出部3cを磁気ギャップ中心から40μm以上
はなす必要がある。なお、図7に示す通り、上記シュミ
レーションにおいて、磁気ギャップ中心からトラック幅
方向に7μmを越えて、即ちトラック幅の範囲から2μ
mを越えてなお記録磁界が大きな値を有する場合には、
記録媒体上の隣接するトラックとの干渉を避け得ない。
即ち、曲線Aは、トラック幅(光学的トラック幅)が1
0μmの従来の薄膜磁気ヘッドを表わしている。その実
効トラック幅は、両側でそれぞれ2μm広がり、14μ
m程度になる。漏洩磁界強度は、干渉を避けるために
は、7μmの距離における曲線Aの値より低い値にすべ
きである。曲線Cのピークは、7μmの距離における曲
線Aの値とほぼ同じ水準である。したがって、このピー
クのないようにすべきである。
が判明した。一点鎖線C′のグラフも記録性能として良
好であるため、保磁力Hcが1500Oeの磁気記録媒
体に使用する薄膜磁気ヘッドの場合には、下部磁性膜を
対向面から最低限2μm離せば、記録再生時において隣
接するトラックとの干渉を避けることができ、実用上使
用に耐える薄膜磁気ヘッドとすることができる。上記離
隔(後退)距離は好ましくは10μm程度であり、この
上限はコイル導体層が配される位置の離隔距離として規
定される。
合には、保磁力Hcが1500Oeの場合の類推から対
向面と下部磁性膜の前記端面との好ましい離隔(後退)
距離の値は約5μm程度となる。
体層5の形式に先立って下部磁性膜3上に、例えば1〜
2μm厚の無機材料から成る絶縁層4をスパッタリング
等により形成させることで十分であり、その後にコイル
導体層5のための平坦面形成の工程を必要としない。従
って下部磁性膜形成後、レジストを全面塗布し、これを
再度均一に除去して平坦面とする等の工程を必要として
いた従来の薄膜磁気ヘッドに比べると工程が簡素とな
る。
ドの構成において、基板を150Ω・cm以下の固有電
気抵抗を有する材料から形成し、この基板上に直接電磁
変換素子の下部磁性膜を付着形成したことにより、電磁
変換素子の下部磁性膜に帯電した静電荷が直ちに基板を
経由して薄膜磁気ヘッドを支持するアーム等を経由して
外部に放出されるので、静電荷による絶縁層の絶縁破壊
の恐れを除き、従って静電気に起因する絶縁破壊の恐れ
を除いた薄膜磁気ヘッドの提供が可能となった。
において、下部磁性膜を少なくともコイル導体層が形成
される範囲全面に亘って一様な平坦面として形成し、こ
の平坦面上に無機材料から成る絶縁層を形成した構成に
より、コイル導体層を形成すべき平坦面が下部磁性膜の
平坦面によって容易に得られることとなり、レジスト材
料等によるコイル導体層形式のための平坦化工程を要し
ないこととなったので、耐湿性、耐薬品性に優れる無機
材料の採用によって絶縁材料の経年劣化を防止可能であ
ると共に、磁気ギャップの範囲以外の下部磁性膜の対向
面側の端面を対向面から後退させる構成を採用したこと
により、薄膜磁気ヘッドの記録再生性能を実用上十分な
範囲に維持できることとなったので、下部磁性膜形成後
の加工範囲を最小にとどめると共に所要の性能を有する
薄膜磁気ヘッドとすることができ、従って上記双方の構
成の採用により記録再生性能を一定に維持しながら構造
が簡単で経年劣化の恐れがなく信頼性の高い薄膜磁気ヘ
ッドの提供が可能となった。
型薄膜磁気ヘッドを、浮上面側を上にして空気流出端面
側から見た立面図である。
部の構造を主として示すための断面図で、図1のII−II
断面図である。
を主として示すための断面図である。
磁気ヘッドの姿図である。
電磁変換素子部分の模式的平面図である。
比較するための計算機によるシュミレーション結果のグ
ラフである。
対向面側の形状を摸した平面図である。
性膜の対向面側の端面形状を示すための平面図である。
磁性膜の対向面側の端面形状を示すための平面図であ
る。
を示すための姿図である。
当該部分の断面図である。
明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】基板と、該基板上に形成され下部磁性膜、
磁気ギャップ層、コイル導体層、絶縁層及び上部磁性膜
を少くとも有する電磁変換素子とを備える薄膜磁気ヘッ
ドにおいて、 前記基板が150Ω・cm以下の固有電気抵抗を有する
材料から成り、前記下部磁性膜が基板に直接付着される
ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項2】基板上に形成された上部及び下部磁性膜
と、該上部及び下部磁性膜の間に形成されるコイル導体
層及び絶縁層と、を備える薄膜磁気ヘッドにおいて、 下部磁性膜が少くともコイル導体層が形成される範囲に
亘って一様な平坦面として形成され、下部磁性膜の磁気
ギャップの範囲以外の媒体対向面側の端面の少なくとも
一部が該対向面から後退して配されており、 前記絶縁層が無機材料によって形成されること、 を特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項3】下部磁性膜の媒体対向面側の端面が、磁気
ギャップの範囲以外で該対向面に対して角度をなして後
退する傾斜面を有することを特徴とする請求項2記載の
薄膜磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3131583A JP2741510B2 (ja) | 1990-05-09 | 1991-05-08 | 薄膜磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11770690 | 1990-05-09 | ||
JP2-190628 | 1990-07-20 | ||
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JPH0411312A (ja) * | 1990-04-27 | 1992-01-16 | Victor Co Of Japan Ltd | 薄膜磁気ヘッド |
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