JPH06123839A - ライトバルブ - Google Patents

ライトバルブ

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JPH06123839A
JPH06123839A JP27318492A JP27318492A JPH06123839A JP H06123839 A JPH06123839 A JP H06123839A JP 27318492 A JP27318492 A JP 27318492A JP 27318492 A JP27318492 A JP 27318492A JP H06123839 A JPH06123839 A JP H06123839A
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隆行 八木
Tomoko Murakami
智子 村上
Kazuo Isaka
和夫 井阪
Hirotsugu Takagi
博嗣 高木
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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化でかつアレイ化が容易な機械式のライ
トバルブであり、光透過型であり、光量調節が可能であ
り、高速に光量を調節制御することが可能である。 【構成】 Si基板には、基板の裏面からの入射光が透
過する光透過部が穿設されている。Si基板の裏面より
入射される入射光は、基板に設けた光透過部を通じて基
板の表面に出る。一方、基板の上面には回転軸となる回
転支持部が形成されており、回転支持部には円板状の移
動部材としての回転部が回転可能に支持されている。回
転部には入射光を透過可能な窓が穿設されており、光透
過部を透過した入射光はこの窓を通って基板の上方に出
る。回転部の周囲には、回転部と隙間を設けた固定電極
が回転部の周りを囲むようにそれぞれ等間隔で固定され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明はライトバルブ、特に移動部
材を用いて光量制御を行なう小型のライトバルブに関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、主なライトバルブには、カメラ等
の光量調整に用いられる機械式絞り、液晶セルまたはP
LZT等の強誘電体材料の電気光学効果を用いて背面か
ら照射された光量を微小面積で制御する固体化光シャッ
ター(電子写真学会誌、第30巻、第4号、1991,
p447〜494)等がある。中でも上記光シャッター
は、光ファイバー伝送路や末端装置の切り替えのために
用いられる光スイッチ等の光偏向器、一次元にアレイ化
することにより電子写真式プリンタの光プリンタヘッ
ド、液晶セルを2次元面配置する液晶ディスプレイ等の
様々な応用が検討されている。
【0003】機械式ライトバルブは、光スイッチ等の光
通信用光学素子としては光の波長によらず偏向や遮蔽が
可能であるため、多重波長光源を使用する場合や、光源
の波長変動等がある場合において有用であるが、高速応
答性、小型化、アレイ化等の点で固体化光シャッターに
比して劣り、応用分野が限られている。
【0004】ところで、近年フォトリソプロセスを用い
た極めて小型の可動機構を有する微小機械がマイクロメ
カニクス技術により検討されている。典型的な微小機械
としてはワブルマイクロモーター(M. Mehregany et a
l.,"Operation of microfabricated harmobic and ordi
nary side-drive motors",Proxeedings IEEE Micro Ele
ctro Mechanical Systems Workshop 1990,p1-8 )やリ
ニアマイクロアクチュエータ(P. Cheung et al.,"Mode
ling and position-detection of a polysiliconlinear
microactuator",Micromechanical Sensors,Actuators,
and Systems ASME 1991,DS C-Vol.32.p269-278 )等が
提案されている。これら微小機械は、半導体フォトリソ
プロセスにより作製されアレイ化、低コスト化が容易で
あり、小型化することで高速応答性を期待できる。機械
式光学素子としては、光偏向器、干渉計が提案されてい
る。光偏向器では可撓梁を有する金属薄膜の反射を用い
た画素を平面上に複数配置したDot-matrix display(Gal
lagher,"Microshutters Flipof Form Characters in Do
t-matrix display".Electronics,1983.7.14.p81-82)、
空間光変調器(特開平2−8812)等があり、干渉計
ではJ.H.Jerman等によるメンブレンの撓みを利用したフ
ァブリペロー干渉計(“A.Miniature Fabry-Perot Inte
rferometer Fabricated Using Silicon Micromachinig
Techniques”,IEEE Solid-State Sensor And Actuator
workshop 1988.p16-18 )が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、前述
の光偏向器では素子を小型化でき光シャッターとして用
いることは可能であるが、光の反射を利用する為に光源
を素子の上部より照射する必要があり、光源とレンズ系
を合わせた画像形成装置全体としての小型化が困難であ
るという問題点がある。干渉計においては波長選択をメ
ンブレンの撓み量により行うために、メンブレンを大き
く取る必要があり、干渉計を小型化しアレイ化すること
は困難であるという問題点もある。
【0006】またこれら機械式光学素子は、光量を調節
し、画素毎の諧調表現を与えることも困難であるという
問題点がある。
【0007】本発明は、以上のような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであって、小型化でかつア
レイ化が容易な機械式のライトバルブであり、光透過型
であり、光量調節が可能であり、高速に光量を調節制御
することが可能であるライトバルブを提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るライトバルブは、変位手段によって移動
部材を変位させることにより、前記移動部材背面より入
射される光量を調節して制御する小型のライトバルブに
おいて、一部に光透過部が形成され、前記移動部材を変
位可能に支持するとともに前記移動部材の端部と隙間を
介するように固定電極が複数固設された基板を有し、前
記変位手段は、前記固定電極に電圧を印加して前記移動
部材に誘導電荷を発生させ、前記移動部材を変位させる
ことにより前記光透過部を通る光の量を調節するもので
あって、また、前記基板がガラスより形成され、前記光
透過部は前記ガラスの一面に形成される遮光膜の一部を
除去して形成されているものや、前記基板がSi基板よ
り形成され、前記光透過部は前記Si基板の一部を除去
して形成されているものや、前記移動部材は回転板から
成り、該回転板は前記基板に形成された回転支持部によ
り回転可能に支持されているものや、前記移動部材は、
端部を固定した可撓梁に支持されているものや、前記基
板に固設された前記固定電極が前記移動部材を支持する
ためのガイド部と一体に形成され、該ガイド部に形成さ
れた固定電極は前記移動部材と隙間を介するように形成
されているものなどで、前記移動部材に孔が形成されて
いるものであってもよい。
【0009】
【作用】上記のとおり構成された本発明に係るライトバ
ルブは、基板の一部に光透過部を形成し、基板上に複数
固設された固定電極と隙間を介するように支持されると
ともに変位可能な移動部材を設け、変位手段によって固
定電極に電圧を印加し移動部材に誘導電荷を発生させる
ことにより、移動部材が固定電極側に変位され、固定電
極に印加する電圧を変化させれば、基板に形成された光
透過部を通った光の量が移動部材によって調節される。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例について図1乃至図14
の図面を参照して詳細に説明する。
【0011】(第1実施例)図1は本発明のライトバル
ブの第1実施例の平面図である。図2は図1のA−A線
断面図である。
【0012】図1および図2に示すようにSi基板1に
は、基板1の裏面からの入射光2を透過するための光透
過部3が穿設されている。Si基板1の裏面より入射さ
れる入射光2は、基板1に設けた光透過部3を通じて基
板1の表面に出る。一方、基板1の上面には回転軸とな
る回転支持部4が形成されており、回転支持部4には円
板状の移動部材としての回転部5が回転可能に支持され
ている。回転部5には入射光2を透過可能な孔としての
窓6が穿設されており、光透過部3を透過した入射光2
はこの窓6を通って基板1の上方に出る。回転部5の周
囲には、回転部5と隙間7を設けた固定電極8が回転部
5の周りを囲むようにそれぞれ等間隔で固定されてい
る。
【0013】回転部5と隙間7を介して固定された固定
電極8に電圧が印加されると、回転部5と固定電極8間
に静電引力が働く。これにより、複数の固定電極8のそ
れぞれに順次に電圧を印加すると、回転部5は回転支持
部14に接しながら回転する。このとき、光透過部13
と回転部15に設けた窓16の重なり合う面積により光
の透過光量を調整することが可能となる。
【0014】本発明に係るライトバルブの第1実施例の
回転部と固定電極は、マイクロメカニクス技術により製
造される前述のワブルマイクロモーターを応用した。
【0015】ここで本発明に係るライトバルブの第1実
施例の製造工程を図3に示す工程図を参照にして説明す
る。
【0016】本実施例の製造方法は、Si基板11の両
面にシリコン窒化膜12を減圧CVD(LPCVD)に
より成膜し、片面の一部をフォトリソグラフィとエッチ
ングによりパターニングして開口部13を形成する(図
3(A))。エッチングはCF4 を反応ガスとして用い
た反応性イオンエッチング(RIF)によって行った。
【0017】次いで、Si結晶方位面のエッチング速度
差を利用する異方性エッチングによって、図3(B)に
示す様なSiメンブレン14を形成する。異方性エッチ
ングはKOH水溶液を加熱して行う。メンブレンの厚み
としてはフォトリソグラフィ等を行うに際してハンドリ
ング上で破損しない厚みであればよく数十μm程度とし
た。
【0018】ポリシリコン膜をLPCVDにより成膜し
パターニングした後にリンをイオン注入法により注入し
回転部及び回転支持部の電気シールド部15を形成する
(図3(C))。
【0019】真空スパッタリング法により第1犠牲層1
6となるSiO2 を2μm成膜した後にパターニングし
た(図3(D))。
【0020】次いでポリシリコン膜をLPCVDにて
2.5μm成膜した後にパターニングし、リンをイオン
注入することにより、移動部材としての回転部17、窓
18及び固定電極19を形成する(図3(E))。
【0021】真空スパッタリング法にて第2犠牲層21
であるSiO2 膜を形成し、ポリシリコン膜を1μm成
膜した後にパターニングし、リンをイオン注入すること
により回転支持部20を形成する(図3(F))。
【0022】Siメンブレン14を裏面よりSF6 を反
応ガスとしてRIEによりエッチングし光透過部13を
形成し、最後にフッ酸水溶液にてSiO2 膜をエッチン
グ除去することにより(図3(G))、ライトバルブを
形成した。このときRIEによるメンブレン除去時にS
iO2 膜がエッチストップ層となり回転部がエッチング
されることはなく、シリコン窒化膜を除去しても差し支
えない。ここでは、光透過部から回転部への空気流が流
入し変位動作を疎外することを防止するために、シリコ
ン窒化膜は残した。
【0023】このようにして作製したライトバルブは、
極めて小型かつ軽量にアレイ化して作製できる。回転部
の半径を100μm、空隙を1.5μmとし、回転部周
囲に固定されたの各固定電極に同期しながら順次電圧5
0V印加することにより500Hz以上の回転速度を達
成できる。これにより、定常的に入射する光に対して透
過光のオンオフを数ミリ秒以下の高速で行うことがで
き、回転部の窓と光透過部の重なり面積を窓の位置によ
り調整することで透過光の光量調節が可能となった。
【0024】図3において、光透過部としてSiメンブ
レンをエッチングした開口部分を用いたが、Siメンブ
レンの開口面積を適当な大きさにとり、電気シールド部
の一部を開口して光透過部として用いても良い。また、
ここでは、Si基板を用いたが、K. Suzuki 等("Singk
e Crysral sillcon rotational micromotors".Proceedi
ngs IEEE Micro Electro Mechanical Systems 1991,p15
-20 )のガラス基板上に移動部材としての回転部、固定
電極部等を形成したSi基板を接合することにより形成
する方法を用いればガラス基板を用いることも可能であ
る。また、本発明の第1実施例のライトバルブにおける
作製工程ではポリシリコン膜からなる移動部材とした
が、B. Frazier等("DESING AND FABRICATION OF ELECT
ROPLATED MICROMOTOR STRUCTURES", Micromechanical S
ensors,Actuators,and Systems ASME 1991,DSX-Vol.3
2.p135-146 )による電解析出による金属を用いてライ
トバルブを形成しても良いことは言うまでもない。ま
た、第1実施例のライトバルブでは図1に示すように移
動部材に1つの窓を設けたが、例えば、図4に示すよう
に移動部材としての回転部5(図1)の外周部を解放し
た複数の窓6(図1)を設けても良い。このようにする
ことにより回転方向を規定した際、光透過部3(図1)
からの入射光の遮光速度が窓の倍数分向上することが可
能となる。また、第1実施例のライトバルブにおいて入
射光は基板下面からとしたが、移動部材としての回転部
側の上方より光を入射しても良いことは言うまでもな
い。
【0025】次に本実施例のライトバルブを適用した一
応用例について説明する。
【0026】図5は本実施例を光ファイバー通信ネット
ワークに用いた場合の1×6の光スイッチの例である。
【0027】図に示すライトバルブ32は移動部材のみ
簡略して示した。図5(C)に示すように基板38に
は、光ファイバー束31から出た入射光が全部透過可能
な光透過部40が設けられている。これにより、基板3
8の下面より入射する光は回転部36の窓37の下部の
みの光を選択的に基板上に取り出すことができる。
【0028】光スイッチは光ファイバ伝送路や末端装置
の切り替えのために用いられる最も重要な光制御用部品
のひとつである。ライトバルブ32により6本の光ファ
イバー束31からの入射光33を回転部36の窓37を
通じて透過及び遮光を行うことができ(図5(C))、
このようにして選択的に取り出して光情報をロッドレン
ズ34を介して他の光ファイバー35に入射させること
が可能となる。従来の反射鏡回転型機械駆動式光スイッ
チ(石塚、National Tech. Report, 27,p118,1981 )は
挿入損失や漏和の低い長所を持つ反面、切り替え速度が
遅いという問題点があったが、本発明のライトバルブは
小型化が容易であり、機械的共振周波数を上げることが
でき切り替え速度を向上できた。
【0029】(第2実施例)図6は、本発明のライトバ
ルブの第2実施例を示す斜視図である。図7は図6のB
ーB線断面図である。
【0030】ここで示す移動部材および固定電極の形態
は、前述の従来技術の説明に示したリニアマイクロアク
チュエータとした。K. Suzuki 等の作製方法により、S
i基板上にあらかじめパターン形成した移動部材46お
よび固定電極48をガラス基板41に陽極接合方法によ
り接合し、パターン部のみを残してSiをエッチング除
去し図6に示すライトバルブを得た。
【0031】本発明のライトバルブの第2実施例を図6
および図7を参照して説明する。
【0032】図7に示すようにガラス基板41の両面の
一方には開口部43を有する遮光膜42が形成されてお
り、その反対面には開口部43と対向する位置に透過部
44を有する電気シールド部45が形成されている。ガ
ラス基板41の上方には、そのガラス基板41の一面と
水平に移動可能な移動部材46が支持されている。移動
部材46には孔としての窓47が穿設されており、ガラ
ス基板41の裏面の開口部43からの入射光が移動部材
46に設けた窓47を通過することにより、光量が調節
される。また図6に示すように移動部材46は4辺から
なる可撓梁50のうち対向する一対の中央部に支持され
ており、その移動部材46を直接支持しない対向する可
撓梁50は可撓梁固定部49としてガラス基板41に固
定してある。対向する可撓梁49に支持されていない移
動部材46の各端部の中央部には、それぞれ可撓梁固定
部49の方向に延びて櫛型部材が形成されており、この
櫛型部材と隙間を介して噛み合うようにガラス基板41
上面に櫛型の固定電極48が形成されている。
【0033】この移動部材46を可動させるには、櫛型
の固定電極48に空隙を介して電圧を印加し静電引力を
発生させることにより、可撓梁50が撓み図中Y方向に
変移する。変移することにより遮光膜42の開口部43
と静電シールド45の透過部44を通過する入射光が遮
蔽され、光量の調節を行うことが可能になる。遮光膜4
2において入射光を略遮光し、電気シールド部45に形
成された透過部44により精密に入射光量を制限する。
移動部材46および固定電極48のSi厚みを5μm、
可撓梁50の長さを500μm、櫛型の固定電極48の
数を35、空隙を1.5μm、ガラス基板41と移動部
材46のギャップを2μmとし、電圧を印加することに
より窓46はY方向に0.1μm/V変位した。これに
より、櫛型の固定電極に印加する電圧を変化させること
で窓46と透過部44との重なり面積を任意に変化させ
ることが可能となる。
【0034】上記実施例では、一方向のみ移動可能な移
動部材を有するライトバルブについて説明したが、これ
に限らず2次元方向も可能である。
【0035】図8は図示のX、Y方向に変位することが
可能なライトバルブである。上述の第2実施例と同様の
方法で移動部材51はその4辺の中央部を図8に示す可
撓梁55をそれぞれ介して基板と隙間を設けて支持さ
れ、各可撓梁55は可撓梁固定部54を介して基板に固
定されている。各可撓梁55にはX、Y方向に向けて櫛
型部が形成されており、この櫛型部と隙間を介して噛み
合うように固定電極53がそれぞれ基板上に固定されて
いる。
【0036】移動部材51を変位させるには、図6に示
したライトバルブと同様に櫛型の固定電極に電圧を印加
して発生する静電引力により、可撓梁55が撓み変位す
る。これにより、変位させたい方向の固定電極を選択し
て電圧を印加することにより、移動部材51の中央部に
穿設された窓52は、X、Y方向に移動可能となる。
【0037】次に本発明のライトバルブの第2実施例の
応用例を示す。
【0038】図9は本発明の第2実施例のライトバルブ
61を一基板上にアレイ化したライトバルブアレイ62
を示した図である。このライトバルブアレイ62の静電
印刷への応用例を図10に示す。蛍光灯等の直線状の光
源63からの光をライトバルブアレイ62に照射し、各
ライトバルブへの入射光を透過部および移動部材に設け
た窓を通じて通過させ、セルフォックレンズアレイまた
はマイクロレンズアレイ等のレンズ系64により感光体
ドラム65上に入射光を結像させる。ライトバルブは3
kHz程度まで駆動制御が可能であり、これにより、従
来の液晶シャッターアレイ等の屈折率変化を利用する光
シャッターと比較しても十分な応答速度を得ることがで
き、偏光子を用いることなく直接に光量を調節すること
が可能である。
【0039】図11に各ライトバルブ毎に移動部材67
の変位量をずらし、通過した光量を変えた時の動作を説
明する図を示す。このように、ガラス基板69に形成さ
れた光透過部66から出た入射光68を、各ライトバル
ブ毎に移動部材67の変位量をずらして光量を変えるこ
とにより、レンズ系64にて感光体ドラム状に形成した
画素毎の面積諧調表現が可能と成る。
【0040】さらに、図12に示すようにガラス基板7
2の裏面に数種類のカラーフィルター73を設けること
により、蛍光灯等の光源からの入射光71がカラーフィ
ルターに通され、この光をライトバルブの移動部材74
にて制御することでカラー化することが可能になる。ま
た図9に示した1次元アレイ化を2次元に配置すること
でディスプレイ等の画像形成装置への応用も可能であ
る。
【0041】(第3実施例)図13は本発明のライトバ
ルブの第3実施例を示す平面図である。図14は図13
のAーA線断面図である。
【0042】図13に示すようにガラス基板上には、長
方形の光透過部91を有する遮光膜83が形成されてお
り、この遮光膜83の上面には移動部材81が複数のガ
イド部により移動可能に保持されている。図14に示す
ように移動部材81は、間に固定電極87を介した上ガ
イド部84および下ガイド部75に隙間を設けて支持さ
れている。同様に移動部材81は、固定電極86を有す
る上下ガイド部に支持されている。各上下ガイド部は移
動部材65が固定電極に接しないように、各固定電極よ
りも略突出しておくように配置し、空隙を形成してい
る。移動部材81には第1実施例および第2実施例に示
したライトバルブとは異なり窓を有していない。
【0043】移動部材を可動させるには、固定電極86
に電圧を印加することにより移動部材65に誘起電荷が
発生し、移動部材81が固定電極86の方に変位させ
る。移動部材81を固定電極86の方向に変位した後に
固定電極86の電圧を切り、次いで固定電極88に電圧
を印加する。これにより移動部材81は固定電極88の
方向に移動する。このように各固定電極に電圧を順次印
加していくことにより、移動部材81は遮光膜83の光
透過部91上を移動し光透過部91を介して入射する光
をさえぎる。移動部材を適当な位置に移動することによ
り、光透過部と移動部材の重なり合う面積を変化するこ
とができ、光量を調節することが可能となる。
【0044】
【発明の効果】本発明は上記のとおり構成されているの
で、以下に記載する効果を奏する。
【0045】本発明のライトバルブは基板に光透過部を
形成し、複数固設された固定電極と隙間を介するように
支持されるとともに変位可能な移動部材を設けることに
より、変位手段によって固定電極に電圧が印加されると
移動部材に誘導電荷が発生し、移動部材は固定電極方向
に移動させることができる。このため、光透過部近傍に
移動部材を形成することで、光透過部を通った光の量は
固定電極の電圧を変化させれば移動部材により調節する
ことができる。
【0046】このような本発明のライトバルブは、半導
体フォトリソプロセスにより製造されるので小型化でか
つアレイ化が容易になる。また、小型化されることで本
発明のライトバルブは高速に光量を調節することが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライトバルブの第1実施例の平面図で
ある。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明のライトバルブの第1実施例の製造工程
を示す工程図である。
【図4】図1に示す回転部の他の実施例を示した図であ
る。
【図5】本発明の第1実施例を光ファイバー通信ネット
ワークに用いた場合の1×6の光スイッチの例を示す図
である。
【図6】本発明のライトバルブの第2実施例を示す斜視
図である。
【図7】図6のBーB線断面図である。
【図8】X、Y方向に変位することが可能な本発明のラ
イトバルブの第2実施例を示す図である。
【図9】本発明のライトバルブの第2実施例を一基板上
にアレイ化したライトバルブアレイを示した図である。
【図10】ライトバルブアレイの静電印刷への応用例を
示す図である。
【図11】図10に示すライトバルブアレイの動作を説
明するための図である。
【図12】本発明のライトバルブの第2実施例のカラー
化への応用例を示す図である。
【図13】本発明のライトバルブの第3実施例を示す平
面図である。
【図14】図13のAーA線断面図である。
【符号の説明】
1,11 Si基板 2,33,68,71 入射光 3,22,40,44,66,89 光透過部 4,20 回転支持部 5,17,36 回転部 6,18,37,47,52,75 窓 7 隙間 8,19,48,53,86,87,88 固定電極 12,39 シリコン窒化膜 13,43 開口部 14 Siメンブレン 15,45 電気シ−ルド部 16 第1犠牲層 21 第2犠牲層 31 光ファイバー束 32,61 ライトバルブ 34 ロッドレンズ 35 光ファイバ− 38 基板 41,69,72,82 ガラス基板 42,83 遮光膜 46,51,67,74,81 移動部材 49,54 可撓梁固定部 50,55 可撓梁 62 ライトバルブアレイ 63 光源 64 レンズ系 65 感光体ドラム 73 カラ−フィルタ− 84 上ガイド部 85 下ガイド部
フロントページの続き (72)発明者 高木 博嗣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変位手段によって移動部材を変位させる
    ことにより、前記移動部材背面より入射される光量を調
    節して制御する小型のライトバルブにおいて、 一部に光透過部が形成され、前記移動部材を変位可能に
    支持するとともに前記移動部材の端部と隙間を介するよ
    うに複数の固定電極が固設された基板を有し、 前記変位手段は、前記固定電極に電圧を印加して前記移
    動部材に誘導電荷を発生させ、前記移動部材を変位させ
    ることにより前記光透過部を通る光の量を調節すること
    を特徴とするライトバルブ。
  2. 【請求項2】 前記基板がガラスより形成され、前記光
    透過部は前記ガラスの一面に形成される遮光膜の一部を
    除去して形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載のライトバルブ。
  3. 【請求項3】 前記基板がSi基板より形成され、前記
    光透過部は前記Si基板の一部を除去して形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のライトバルブ。
  4. 【請求項4】 前記移動部材は回転板から成り、該回転
    板は前記基板に形成される回転支持部により回転可能に
    支持されていることを特徴とする請求項1に記載のライ
    トバルブ。
  5. 【請求項5】 前記移動部材は、端部を固定した可撓梁
    に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のラ
    イトバルブ。
  6. 【請求項6】 前記基板に固設された前記固定電極が前
    記移動部材を支持するためのガイド部と一体に形成さ
    れ、該ガイド部に形成された固定電極は前記移動部材と
    隙間を介するように形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載のライトバルブ。
  7. 【請求項7】 前記移動部材に孔が形成されていること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5または6のいず
    れか1項に記載のライトバルブ。
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