JPH0611935Y2 - 湾曲板状体の載置装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、瓦等の湾曲板状体の乾燥又は湿気を嫌う物品
を収納する載置装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、瓦等を製造する段階で、陶土を混練して成形した
中間製品を載置収納して乾燥させる載置棚に於いて、焼
成する前の瓦は変形し易くまた割れ易いので、棚板面上
に横伏して載置することは従来構造の単純な板状の棚で
は殆ど不可能であり、そのため湾曲面を側方に向けて立
起させた状態で、上段を棚板から下方へ突出させたダボ
等で側倒を防止して支持していたが、移動の際のガタつ
きや傾斜によってやはりねじれ等の不良品が多く、コス
ト低減の妨げになっていた。また、湿気を嫌う板状物品
を従来の棚板に載置する場合には、その物品の下面の通
気性を良くするために別途スペーサをその都度介装しな
ければならず、載置始業に手間がかかるばかりでなく、
このスペーサの高さの不揃いにより物品が撓む等の問題
をやはり有していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとするところ
は、湾曲した瓦等の未乾燥状態の変形し易い板状体でも
横置きとなし、しかも種類の異なる瓦でも所定位置の湾
曲部までの高さに応じて、該湾曲部支持用の杆体の高さ
を容易に調節できるとともに、更に湿気を嫌う物品を棚
板面又は床面から浮かせて載置収納できる湾曲板状体の
載置装置を提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前述の課題解決の為に、少なくとも湾曲板状
体の両側縁を載置する載置面を前後に有し、該載置面の
中間で両側端に設けた高さ調節手段の可動体間に、前記
湾曲板状体の両側縁間の下面適所を下方より支持する杆
体を架設してなる湾曲板状体の載置装置を構成した。

また、前記高さ調節手段を、前記載置面と連結固定され
た枠体の両側に互いに対面する内側面及び上面を開口し
た案内柱を固定し、該案内柱内に回転不能となして内装
した可動体に調節螺軸を上下に貫通させて螺設し、該回
動体の対向側に前記杆体を支持する凹所を形成して構成
した。

更に、前記可動体を互いに対面する側面に前記杆体を嵌
挿する孔を形成して構成した。

また、前記可動体を上面に前記杆体を支持する凹所を形
成して構成した。

そして、前記高さ調節手段を、前記載置面と連結固定さ
れた枠体の両側に互いに対面する内側面の両側縁を除い
た中央部及び上面を開口した案内柱を固定し、該案内柱
内に所定数の調節板を積層するとともに、最上段の調節
板の上面で前記杆体を支持するように構成した。

〔作用〕

以上の如き内容からなる本考案の湾曲板状体の載置装置
は、瓦等の湾曲板状体を湾曲突出側を上方に向けてその
両側縁を載置面上に載置することともに、該両載置面の
中間で両側端に設けた高さ調節手段の可動体間に上下高
さ調節可能となして架設した杆体により、前記湾曲板状
体の両側縁間の湾曲部適所を下方より載置支持して、少
なくとも三点で湾曲板状体を支持することで、焼成前の
変形し易い瓦もたわみ、ねじれなく収納して、乾燥させ
るものである。また、湾曲板状体に限らず、湿気を嫌う
物品を棚板状面又は床面から浮かして、通気性よく収納
できるものである。

また、案内柱内に内装した可動体に調節螺軸を螺設して
形成した高さ調節手段は、該調節螺軸を回転させること
により、前記案内柱内で回転不能となした前記可動体が
上下移動し、もって該可動体の凹所に両端を架設支持し
た杆体の高さを最適に調節して、湾曲板状体の湾曲部下
面を載置支持するものである。

更に、案内柱内に調節板を適宜高さになるように所定枚
数だけ積層し、その最上段の調節板の上面に杆体を載置
して、所定高さに設定するものである。

〔実施例〕

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考案の詳細
を説明する。

第１図〜第５図は本考案の代表的実施例を示し、図中１
は枠体、２は高さ調節手段、３は杆体、４は瓦等の湾曲
板状体をそれぞれ示している。

枠体１は、断面略コ字形の両側枠５，５をその凹溝６を
互いに対向させて並設し、該両側枠５，５間に断面略Ｌ
字形の横枠７，…を所定間隔を隔てて、例えば第５図に
示したように湾曲板状体４の両側縁８，８を載置できる
間隔で、載置面９となす一側面を上方に向けて水平に溶
着して構成している。ここで、本実施例では前記横枠７
を間隔を隔てて前記側枠５の凹溝６内に溶着して、載置
面９，…を形成したが、両側枠５，５間の全面を一枚の
板で覆うことも可能であり、その場合には所定間隔で通
気用の開口を形成することも一態様である。

高さ調節手段２は、前記枠体１の両側枠５，５の上面で
あって、隣接する前記横枠７，７の略中間の位置に、互
いに対向する内側面及び上面を開口した案内柱10を、該
案内柱10の下端に前後に折曲形成した取付片11にてビス
止め固定するとともに、該案内柱10内に回転不能となし
てブロック状の可動体12を内装し、更に該可動体12の外
側一側に設けた上下に貫通した螺孔13に上方から、少な
くとも前記案内柱10の高さに該可動体12の高さを加えた
長さを有する調節螺軸14を下方へ突出させて螺合し、該
調節螺軸14の頭部に固定した蝶ナット15を回すことによ
り、該調節螺軸14下端の前記可動体12からの突出長さを
調節することにより、該可動体12の側枠５に対する高さ
が調節できるようになしたものである。そして、該可動
体12の内側面、即ち両側に設けた可動体12,12の互いに
対向する面側に後述の杆体３の端部を嵌合支持する凹所
となる孔16を穿設している。また、前記調節螺軸14には
緩み止めの蝶ナット17を適宜設け、湾曲板状体４の支持
面の高さに応じて調節した後、該蝶ナット17を前記可動
体12に締め付けて、該可動体12と調節螺軸14を締着す
る。尚、前記案内柱10は、前記調節螺軸14の下端が当接
する底面を形成したものでもよいが、本実施例では前記
側枠５の上面をそれの代用となして構成を簡単にしてい
る。

前記杆体３は、第２図に示す如く枠体１の両側枠５，５
に設けた高さ調節手段２，２のそれぞれの可動体12,12
の孔16,16に両端を嵌合支持するパイプ状のもので、そ
の断面形状は各種のものが考慮されるが、載置する湾曲
板状体４の下面形状に応じた形状に設定する。

しかして、本考案の載置装置にて瓦等の湾曲板状体４を
横伏させて支持するには、第５図の如く湾曲板状体４の
両側縁８，８を横枠７，７の載置面９，９上に載置し、
その両側縁８，８の中間部の湾曲部18下面適所を前記杆
体３で当接支持できるように前記高さ調節手段２を調節
するのであるが、その方法は第３図に示した最も可動体
12が下方に設定されている状態から、緩み止めの蝶ナッ
ト17を緩めるとともに、前記調節螺軸14の蝶ナット15を
ねじ込んでその下端を該可動体12の下面より突出させ、
もって該可動体12を上昇させて、そして所望高さ例えば
第４図に示した高さになった場合に前記蝶ナット17を可
動体12に締め付けて設定する。その調節は、前記杆体３
の上面に湾曲板状体４を載置する前でも、載置した後で
もできるが、好ましくは載置する前に予めおおよその高
さに設定しておき、載置した後で微調整すれば、変形し
易い焼成前の瓦等の変形を最小限に抑制できるのであ
る。

また、第６図に示したものは、前記湾曲板状体４の両側
縁８，８間の湾曲部18下面を二ヶ所で支持するようにな
したものであり、大型の瓦又は建築資材の場合に好適で
ある。また、湾曲したガラス板等を横伏させて載置する
場合にも使用できる。この場合の構成は、単に前記横枠
７，７間に複数の高さ調節手段２，…を付け替えるだけ
で達成できるが、第５図に示した構成でも、例えば前記
載置面９を一つおきに使用すれば、その間に二つの高さ
調節手段２，２即ち杆体３，３が存在し、第６図の構成
と同じになる。

そして、本考案の載置装置を用いて、瓦の平乾燥用移載
装置Ａを構成した例を次に示す。第７図〜第９図は本考
案の移載装置を構成する枠体１を一段の棚板19となし
て、該棚板19を本体支持枠20の両側に並設した支持レー
ル21,21に該棚板19の両側に設けた転子22,…にて前後ス
ライド引出し可能に支持し、該棚板19の多段に設けて移
載装置Ａを構成したものである。また、本体支持枠20の
下端に設けた車輪23,…にて、レール24,24を移動できる
ようになしている。

また、第10図〜第12図に示した本考案の他の実施例は、
前記高さ調節手段２の可動体12及び杆体３の端部の形状
のみが異なり、他の構成は全く同一のものであり、同一
構成の部分は前記と同様の符号を付して説明は省略す
る。即ち、可動体12は、前記案内柱10の内部に遊挿し回
転不能且つ上下移動可動となしたブロック状のもので、
上面に前記杆体３の端部を上方から落とし込んで支持で
きるように側面視略半円状の凹所25を形成し、その底部
中心に螺孔13を上下貫通して形成したのである。また、
前記可動体12の形状に応じて、前記杆体３の端部に前記
調節螺軸14を遊挿し得る上下貫通した通孔26を形成し
た。そして、第11図及び第12図に示す如く、前記案内柱
10に内装した可動体12の凹所25に前記杆体３の端部を載
置し、該杆体３の通孔26から挿通した前記調節螺軸14を
該可動体12の螺孔13に螺合して高さ調節手段２を構成し
た。

また、第13図に示したものは、前記凹所25を可動体12の
上部内側のみに形成し、該凹所25に前記杆体３の端部を
単に載置しただけのもので、該杆体３の装着を容易とな
したものである。

更に、第14図に示した本考案の他の実施例の高さ調節手
段２は、案内柱10の内側面を両側縁27,27を残して開口
したもので、該案内柱10内には前記可動体12の代わりに
一定厚さの高さ調節用の調節板28を積層し、その枚数に
より高さを調節するものであり、前記杆体３は第15図に
示す如く案内柱10の側縁27,27間の開口から挿入して最
上段の調節板28の上面に載置する構成のものである。

更に、第16図に示したものは、第１図に示した構成と同
一の高さ調節手段２の案内柱10を、側枠５の上面29では
なく下面30に取付けて、前記杆体３の上面高さを前記横
枠７の載置面９と同一高さ又はそれよりも低い高さに下
げることが可能なものである。即ち、前記側枠５の上面
29に開口31を切欠形成し、前記案内柱10より側枠５の高
さ分だけ高い案内柱10を前記開口31に嵌合するととも
に、該案内柱10の下端の取付片11,11にて側枠５の下面3
0にビス止め固定したものである。このようにすれば、
平らな物品も載置でき、また湾曲板状体４でも湾曲部18
を下方に向けて載置することも可能になる。

〔考案の効果〕

以上にしてなる本考案の湾曲板状体の載置装置によれ
ば、前後に間隔を隔てて配した載置面の中間位置に両側
端に設けた高さ調節手段の可動体に支持された杆体を配
してなるので、瓦等の湾曲板状体の両側縁を両載置面状
に載置するとともに、該湾曲板状体の湾曲部下面を高さ
調節して設定した杆体にて載置支持し、湾曲板状体を三
ヶ所又はそれ以上で支持することができるので、焼成前
の瓦等をたわみ及び歪みなく収納して乾燥させることが
でき、また従来の縦乾燥と比較して水分が下方に下がっ
て瓦等の一側に偏り、乾燥時間が長くかかっていたのと
比較して、瓦等を横伏したので全体的に均一に速やかに
乾燥できる。更に、湿気を嫌う物品等も棚板面又は床面
から浮かして載置できるので、通気性よく収納できる。

また、高さ調節手段を、内側面及び上面を開口した案内
柱に可動体を内装し、該可動体に上下貫通させて調節螺
軸を螺設して構成したので、高さ調節は単に該調節螺軸
を回転させて、可動体の下面からの調節螺軸の突出長さ
を調節することで容易に行うことができ、もって枠体の
両側端に設けた高さ調節手段の可動体間に架設した杆体
の高さを調節でき、操作が極めて簡単である。

更に、高さ調節手段を、内側面の側縁を除いた中央部及
び上面を開口した案内柱内に所定数の調節板を積層し、
杆体の端部を最上段の調節板上に載置できるに構成した
ので、杆体の高さ調節は調節板の厚みの整数倍で行うの
で不連続ではあるが、その高さ設定は枚数のみ考慮すれ
ば精度よく行えるとともに、その再現性は当然優れてい
て、多数ある高さ調節手段の調節を速やかに行える利点
があり、また調節板を積層しただけであるので、重量の
ある湾曲板状体でも強固に支持できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の載置装置の要部を示す分解斜視図、第
２図は同じく組立てた状態の省略縦正面図、第３図はそ
の縦断側面図、第４図は高さ調節手段の可動体を上昇さ
せた状態の縦断側面図、第５図は本考案の載置装置にて
瓦等の湾曲板状体を載置支持した状態を示す部分縦断側
面図、第６図は高さ調節手段に隣接する載置面間に二ヵ
所設けた状態の部分縦断側面図、第７図は本考案の載置
装置を用いて構成した移載装置の側面図、第８図はその
正面図、第９図は移載装置の本体支持枠に本考案の載置
装置を支持した状態の要部拡大正面図、第10図は高さ調
節手段の他の実施例を示す要部の分解斜視図、第11図は
同じく組立てた状態の省略縦断正面図、第12図はその縦
断側面図、第13は第10図の高さ調節手段の可動体を変形
させた実施例を示す部分斜視図、第14図は更に高さ調節
手段の他の実施例を示す要部の分解斜視図、第15図はそ
の組立てた状態の要部の縦断側面図、第16図は第１図の
高さ調節手段の取付状態を変化させた実施例を示す部分
斜視図である。 １：枠体、２：高さ調節手段、３：杆体、４：湾曲板状
体、５：側枠、６：凹溝、７：横枠、８：側縁、９：載
置面、10：案内柱、11：取付片、12：可動体、13：螺
孔、14：調節螺軸、15：蝶ナット、16：孔、17：蝶ナッ
ト、18：湾曲部、19：棚板、20：本体支持枠、21：支持
レール、22：転子、23：車輪、24：レール、25：凹所、
26：通孔、27：側縁、28：調節板、29：上面、30：下
面、31：開口、Ａ：移載装置。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも湾曲板状体の両側縁を載置する
   載置面を前後に有し、該載置面の中間で両側端に設けた
   高さ調節手段の可動体間に、前記湾曲板状体の両側縁間
   の下面適所を下方より支持する杆体を架設してなること
   を特徴とする湾曲板状体の載置装置。
2. 【請求項２】前記高さ調節手段として、前記載置面と連
   結固定された枠体の両側に互いに対面する内側面及び上
   面を開口した案内柱を固定し、該案内柱内に回転不能と
   なして内装した可動体に調節螺軸を上下に貫通させて螺
   設し、該可動体の対向側に前記杆体を支持する凹所を形
   成してなる高さ調節手段を用いてなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の湾曲板状体の載置装置。
3. 【請求項３】前記可動体として、互いに対面する側面に
   前記杆体を嵌挿する孔を形成してなる可動体を用いてな
   る実用新案登録請求の範囲第２項記載の湾曲板状体の載
   置装置。
4. 【請求項４】前記可動体として、上面に前記杆体を支持
   する凹所を形成してなる可動体を用いてなる実用新案登
   録請求の範囲第２項記載の湾曲板状体の載置装置。
5. 【請求項５】前記高さ調節手段として、前記載置面と連
   結固定された枠体の両側に互いに対面する内側面の両側
   縁を除いた中央部及び上面を開口した案内柱を固定し、
   該案内柱内に所定数の調節板を積層するとともに、最上
   段の調節板の上面で前記杆体を支持してなる高さ調節手
   段を用いてなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の湾
   曲板状体の載置装置。