JPH06118484A - 屋外群像特撮技法 - Google Patents

屋外群像特撮技法

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Publication number
JPH06118484A
JPH06118484A JP30025492A JP30025492A JPH06118484A JP H06118484 A JPH06118484 A JP H06118484A JP 30025492 A JP30025492 A JP 30025492A JP 30025492 A JP30025492 A JP 30025492A JP H06118484 A JPH06118484 A JP H06118484A
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JP
Japan
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screen
film
transparent
subject
blue
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Pending
Application number
JP30025492A
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English (en)
Inventor
Masuo Shimura
末寿夫 志村
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SHIMURA TOSHIKO
Original Assignee
SHIMURA TOSHIKO
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Publication date
Application filed by SHIMURA TOSHIKO filed Critical SHIMURA TOSHIKO
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Publication of JPH06118484A publication Critical patent/JPH06118484A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 映画,テレビの屋外撮影で数量に無制限の被
写体を撮影し,画面に実際の被写体の数量を複数倍に増
量した映像として表現,観衆に画面の重厚さと奥行きに
限り無き興味を覚えさせる。 【構成】 被写体1の背後に青色スクリーン2を設け,
撮影後,特殊現像方法によって,青色部分を透明画面に
変貌させ被写体を,透明画面の中に収めて,背景から分
離し特殊フイルターを使用して,他のフイルムに転写す
る際に、透明画面の背景をも透明化し、被写体と,その
足元の前景と,その拡がりの部分だけが描写された合成
用フイルムを作る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,映画,テレビの屋外撮
影に於いて,被写体の群像の数を複数倍にして画面に描
写する屋外群像特殊撮影技法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の映画,テレビの撮影に於いて,被
写体の背後に青色のスクリーンを設けて撮影し,既知の
特殊現像方法に依って,青色スクリーンの部分は透明化
されて披写体だけが映像として描写されたフイルムを,
他のフイルム画面に合成する特撮技法は衆知の事である
が,この技法は主としてスタヂオ内で行われて居るので
数に於いて無制限の群像を対象としての之の種の特殊撮
影技法は未だ且つて行われて居らない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば,数万人の軍勢
が戦った史上の著名な合戦場面を,従来の撮影技法で映
画にする場合,約千人のエキストラを雇傭しても,映像
として表現される群像の数は,やはり千人止りであっ
て,観客にとって物足りない歯痒さは,慢性となっても
はや感じないかも知れぬが,映画産業が斜陽の途を辿っ
て行く一因となっているのかも知れない。本発明の技法
を用いれば,出演するエキストラの群像の数を幾倍にで
も増量して見せる事が出来るから,画面に数万人の群像
をも描写する事が可能で,映像芸術の重厚さ,この奥行
きに限り無き興味を与え,映画産業復活への途を拓くも
のと確信する。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明の第一条件は,被写
体だけが透明な画面の中に描写されている合成用フイル
ムを作り出すことにある。これに就いての考想を練り上
げるに際して,参考になった一つの例を追及し,考へ抜
いた経緯から解説する。或る外国映画で,ニューヨーク
の実写風景の空をUFOが飛び来り,摩天楼の後側を右
から左へ横切って飛ぶ場面があったが,この特撮技術
は,摩天楼及びその周辺のビルの,シエルエッドだけを
画いた特殊フイルターを作り,空の部分に該当する個所
は,青色又は,遮光性の面として,他のフイルムに転写
し,現像する際に,空の部分が透明になる様に工作す
る。一方ではセットでUFOのミニチュアを使って,そ
れの飛行する場面を撮影し,先に述べた透明化された空
の部分に合成したものである。この方法を群像を対象に
した特撮の手掛りに出来ぬものかと考えて見る。先ず最
初に考え付く事は,被写体である群像のシエルエットを
作る事であるが,群像の数が多い上に,よしんば偶像が
全く動かずに居たとしても,困難この上無く,実現の可
能性は殆んど無い。まして被写体が自由に動き廻って居
たのでは全く不可能である。ここで考え付いた案は,第
一段階として,自由に動き廻っている群像を,フイルム
面に於いて一括して,固定した透明画面(5)の中に収
めてしまう事である。第二段階として,該透明画面
(5)を媒介として特殊フイルター(6)を使用して透
明画面(5)の背景(3)を透明化せしめて消すことで
ある。前述の摩天楼のシエルエットの場合と異る点は,
透明画面(5)を媒介とした点である。然し,これだけ
では被写体の全身が透明な画面(10)の中に浮き出し
て描写されると言う映像は得られない。被写体の,地に
付いている足元と,それに続く前景(12)が画面に残
っている。この点の解決策として特殊フイルターによっ
て透明化された部分(10)と,上記の前景(12)と
の継っている部分にぼかし(11)を付ければよい事が
判る。その為には特殊フイルターの青色又は,遮光性の
面(7)の端の部分にぼかし(8)を付ければ転写され
るフイルム面でも,相対的なぼかし(11)が描写され
る。既存の特撮技術の原理として,合成されるフイルム
の画面(下になる)が,合成するフイルムの画面(上に
なる)に透き通って描写されると言う事はあり得ない。
従って,実景部分の末端がぼかされている前景(12)
を風景画面に合成する時には違和感なく,風景に溶け込
んで合成される。撮影現場の地形などの関係,即ち川,
道など線で描写され得る被写体がある様な場合には,前
景(12)の末端はぼかし(11)ではなく,線序に支
切られる事もある。以上を第三段階とする。第一段階,
第二段階,及び第三段階の3ツは,夫々が切り離せない
関係にあり,その何れが欠けても,本発明は成立しな
い。以上の手段によって,被写体と,その足元に続く前
景(12)の一部が描写された合成用フイルムが完成す
る。合成用フイルムも複数,作成して,風景が描写され
ている画面に合成すれば,本発明の目的は達成される。
【0005】
【作用】〔0004〕の内容を更に判り易く解説するに
は,撮影に必要な特殊な装置の説明から入らなければな
らないので,以下,実施例に基いて解説する。図面参
照,図12は撮影の際に,被写体の背後に設ける櫓(1
3)の立面図を示す。該櫓は,高さ約3m〜3.5m,
巾約5m程度,骨組みの主体は起立型,平盤状の格子
(14)であって,櫓の下部には前後,左右に回転可能
な転輪式車輪(15)を設け,前後左右に移動可能であ
る。櫓(13)の材質は軽金属などを使用し,組立式で
ある。図13は,櫓(13)の斜視図を示し,格子(1
4)に青色スクリーン(2)を展張した図を示す。該櫓
の裾は前方向及び後方向へ末広がり(16)になって,
櫓の安定を図る様になっている。図に示す人物像(1
7)は作業員を示し,撮影中の櫓の移動を司り,作業中
にカメラに捉えられても差支えない様に,頭の上らか足
の先まで青一色の衣裳で統一され,撮影フイルムの現像
の段階で透明化されて消されてしまう様になって居る。
図14は,櫓(13)の俯瞰図を示す。風の強い日に青
色スクリーン(2)に風圧のかかる事を避ける為に,該
スクリーンを適宜に立て割りに分割し,夫々に若干の角
度(18)をつける事によって,風の流れ(19)が,
スクリーン(2)の間隙を通り抜ける様になっている。
以上で,装置の説明を終る。被写体,即ち群像は,青色
スクリーン(2)の前面に於いて,監督の指示に依って
行動するので,櫓(13)は複数基を並列に並べる。そ
れ等の群像を撮影したフイルムは,既知の特殊群像方法
によって,青色部分は透明化されて,透明画面(5)に
変る。〔0004〕の項で述べた第一段階及び第二段階
の中に記述した透明画面(5)はこの様にして作り出さ
れる。
【0006】
【実施例】以下,添付図面に従って一実施例を説明す
る。図1は,ロケーションをする平野(4)の遥か遠方
に櫓(13)を複数基,並列に並べて青色スクリーン
(2)を展張し,その前面に被写体(1)(△印)てあ
る群像が集合している図を示す。青色スクリーン(2)
は,カメラから遠距離に設けられているから,これを1
0基乃至20基,並列に並べてもフイルムに写る平野の
横距離に比すれば僅かな存在にしか写らない。カメラは
若干,俯瞰する姿勢で被写体を捉いているから,群像
は,その全てが青色スクリーンの中に収る様に位置する
必要がなく,カメラから最も遠方の群像だけが青色スク
リーンの範囲内に収る様に位置すればよい訳である。図
2は,図1の構図を撮影後,既知の特殊現像方法によっ
て,青色スクリーン(2)が透明画面(5)に変貌した
図に示す。図示の如く,透明画面(5)の中に収められ
ている群像は少く,大部分は平野(4)の上に描写され
ている。それで差支えない。図3は,特殊フイルター
(6)を,図2の上に置いて,両者の関係を判り易く示
した図である。特殊フイルター(6)は,図2の透明画
面(5)をとり囲む背景(3)を,青色又は遮光性の面
(7)で覆い,他のフイルムに転写し,現像した際に背
景(3)は透明な画面(10)となって消えてしまう。
透明画面(5)の中に収められた被写体(1)の足元の
前景(12)と、背景(3)を消して,それに入れ換っ
た透明部分(10)との継りの説明は,〔0004〕の
第三段階の項で述べた通りである。図4は,図2に示す
映像を,図3に示す特殊フイルターを使用して作りあげ
た合成用フイルムを示す。図5〜図8は,カメラから比
較的,近距離の位置に青色スクリーン(2)を移動し
て,図1〜図4と同じ手順で合成用フイルム(図8)を
作りあげた図を示す。(内容の説明事項は,図1〜図4
と同じなので,同じ事,同じ物に就いての図示番号は,
図1〜図4の場合と同じ番号にダッシュを付けて区別し
た)図9は,図4の合成用フイルムと,図8の合成用フ
イルムを合成した総合合成用フイルムを示す。図10
は、図1及び図5を撮影した同じ場所の風景だけの映像
を示す。図11は,図10(風景画面)に図9(総合合
成用フイルム)を合成した完了図を示す。この場合は2
枚の合成用フイルムを使ったのであるから,被写体即ち
群像の数は2倍になっている訳である。増量せしめる倍
率に制限は無い。
【0007】上述の実施例は,群像が集合している場合
の例であるが,この方法で,合戦場面も描写することが
出来る。その他の例としては,大軍の行進場面がある
が,その場合は,上述の実施例とは少し違うので,それ
に就いて述べる。例えば500人程度のエキストラを雇
傭して,数万の大軍が行進する映像を作り出す事が出来
る。先ず,隊列を武将たち及び騎馬隊の先頭集団と,後
続部隊の徒士集団(歩兵)に分け,夫々を別個に撮影す
る。徒士集団に扮したエキストラ軍が縦に隊列を組み,
その列の直後及び左又は右側を青色スクリーン(2)で
カバーし,軍団の行進速度に合わせて移動させる。人力
で移動させる場合には,図13で示した作業員(17)
が移動作業を司る。カメラは定位置に固定し,エキスト
ラ群が,遥か地平線の彼方から,カメラの近くへ歩いて
来る迄,連続して撮影し,そのフイルムの現像段階で,
エキストラの隊列の実際の長さに相当する距離を歩き終
える毎に区切って,その分だけの合成用フイルムを作
り,それ等をつなげて合成すると,その隊列が歩いた全
距離の軌跡が連続した映像として表現される。歩いた距
離にもよるが,万単位の軍勢の行進風景を描写する事が
出来る。次に先頭集団の武将達及び騎馬隊の行進場面
は,カメラから比較的近距離から、カメラの傍を通り過
ぎる迄を連続して撮影し,先の徒士集団の場合と同じ手
順で連続した合成用フイルムを作り,徒士集団の合成用
フイルムの先に歩く様に合成して,更に風景だけを撮影
したフイルムに合成すれば,威風堂々たる行軍の描写が
完成する訳である。但し,この撮影フイルムの現像段階
に於いて使用する特殊フイルター(6)は移動する被写
体に合致させる様にフイルター面の模様が変化するの
で,現像担当者は忙しい訳であるが,被写体は遠方に於
いて移動するのであるからフイルム面に於いての移動速
度は微々たるものであって,それ程忙しい作業ではな
い。
【0008】
【発明の効果】映画が発明されて以来,映像表現技術は
目覚ましい発展をとげて来ているが,本発明の目的に叶
う様な技術は,映画大国のアメリカでも未だに開発され
て居らない。日本国内で,本発明が開発されれば,全世
界に向けて,その効力を発揮する手段が可能となり,民
衆の娯楽,映画産業の発展,国益に大いなる貢献を期待
出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロケーションの場に於ける遠距離撮影の準備態
勢を示す図。
【図2】図1に示す構図を撮影後の,映像の結果を示す
図。
【図3】特殊フイルターを使用する意図を解説する図。
【図4】図2に示すフイルムに,特殊フイルターを使用
して作りあげた合成用フイルムを示す。
【図5】ロケーションの場に於ける近距離撮影の準備態
勢を示す図。
【図6】図5の構図を撮影後の,現像の結果を示す図。
【図7】特殊フイルターを使用する意図を解説する図。
【図8】図6に示すフイルムに,特殊フイルターを使用
して作りあげた合成用フイルムを示す。
【図9】図4の(合成用フイルム)に,図8(合成用フ
イルム)を合成した総合合成用フイルムを示す。
【図10】ロケーションの場の風景だけを撮影した図を
示す。
【図11】図10(風景画面)に,図9(総合合成用フ
イルム)を合成した合成完了図を示す。
【符号の説明】
1 被写体 1’被写体 2 青色スクリーン 2’青色スクリーン 3 背景 3’背景 4 ロケ地の平野 4’ロケ地の平野 5 透明画面 5’透明画面 6 特殊フイルター 6’特殊フイルター 7 青色又は遮光性の面 7’青色又は遮光性の面 8 特殊フイルターのぼかし部分 8’特殊フイルターのぼかし部分 9 特殊フイルターの透明部分 9’特殊フイルターの透明部分 10 合成用フイルムの透明部分 10’合成用フイルムの透明部分 11 合成用フイルムのぼかし部分 11’合成用フイルムのぼかし部分 12 合成用フイルムの被写体以外の描写部分 12’合成用フイルムの被写体以外の描写部分 13 櫓 14 格子 15 転輪式車輪 16 櫓の裾の末広がり部分 17 作業員 18 青色スクリーンの角度 19 風の流れ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】ロケーションの場に於ける遠距離撮影の準備態
勢を示す図。
【図2】図1に示す構図を撮影後の,映像の結果を示す
図。
【図3】特性フイルターを使用する意図を解説する図。
【図4】図2に示すフイルムに,特殊フイルターを使用
して作りあげた合成用フイルムを示す。
【図5】ロケーションの場に於ける近距離撮影の準備態
勢を示す図。
【図6】図5の構図を撮影後の,現像の結果を示す図。
【図7】特殊フイルターを使用する意図を解説する図。
【図8】図6に示すフイルムに,特殊フイルターを使用
して作りあげた合成用フイルムを示す。
【図9】図14の(合成用フイルム)に,図8(合成用
フイルム)を合成した総合合成用フイルムを示す。
【図10】ロケーションの場の風景だけを撮影した図を
示す。
【図11】図10(風景画面)に,図9(総合合成用フ
イルム)を合成した合成完了図を示す。
【図12】 図12は撮影の際に,被写体の背後に設ける
櫓(13)の立面図を示す。
【図13】 図13は,櫓(13)の斜視図を示す。
【図14】図14は,櫓(13)の俯瞰図を示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明の第一条件は,被写
体だけが透明な画面の中に描写されている合成用フイル
ムを作り出すことにある。これに就いての考想を練り上
げるに際して,参考になった一つの例を追及し,考へ抜
いた経緯から解説する。或る外国映画で,ニューヨーク
の実写風景の空をUFOが飛び来り,摩天楼の後側を右
から左へ横切って飛ぶ場面があったが,この特撮技術
は,摩天楼及びその周辺のビルの,シエルエットだけを
画いた特殊フイルターを作り,空の部分に該当する個所
は,青色又は,遮光性の面として,他のフイルムに転写
し,現像する際に,空の部分が透明になる様に工作す
る。一方ではセットでUFOのミニチュアを使って,そ
れの飛行する場面を撮影し,先に述べた透明化された空
の部分に合成したものである。この方法を群像を対象に
した特撮の手掛りに出来ぬものかと考えて見る。先ず最
初に考え付く事は,被写体である群像のシエルエットを
作る事であるが,群像の数が多い上に,よしんば偶像が
全く動かずに居たとしても,困難この上無く,実現の可
能性は殆んど無い。まして被写体が自由に動き廻って居
たのでは全く不可能である。ここで考え付いた案は,第
一段階として,自由に動き廻っている群像を,フイルム
面に於いて一括して,固定した透明画面(5)の中に収
めてしまう事である。第二段階として,該透明画面
(5)を媒介として特殊フイルター(6)を使用して透
明画面(5)の背景(3)を透明化せしめて消すことで
ある。前述の摩天楼のシエルエットの場合と異る点は,
透明画面(5)を媒介とした点である。然し,これだけ
では被写体の全身が透明な画面(10)の中に浮き出し
て描写されると言う映像は得られない。被写体の,地に
付いている足元と,それに続く前景(12)が画面に残
っている。この点の解決策として特殊フイルターによっ
て透明化された部分(10)と,上記の前景(12)と
の継っている部分にぼかし(11)を付ければよい事が
判る。その為には特殊フイルターの青色又は,遮光性の
面(7)の端の部分にぼかし(8)を付ければ転写され
るフイルム面でも,相対的なぼかし(11)が描写され
る。既存の特撮技術の原理として,合成されるフイルム
の画面(下になる)が,合成するフイルムの画面(上に
なる)に透き通って描写されると言う事はあり得ない。
従って,実景部分の末端がぼかされている前景(12)
を風景画面に合成する時には違和感なく,風景に溶け込
んで合成される。撮影現場の地形などの関係,即ち川,
道など線で描写され得る被写体がある様な場合には,前
景(12)の末端はぼかし(11)ではなく,線状に支
切られる事もある。以上を第三段階とする。第一段階,
第二段階,及び第三段階の3ツは,夫々が切り離せない
関係にあり,その何れが欠けても,本発明は成立しな
い。以上の手段によって,被写体と,その足元に続く前
景(12)の−部が描写された合成用フイルムが完成す
る。合成用フイルムも復数,作成して,風景が描写され
ている画面に合成すれば,本発明の目的は達成される。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】追加
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】追加
【補正内容】
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明の第一条件は,被写
体だけが透明な画面の中に描写されている合成用フイル
ムを作り出すことにある。これに就いての考想を練り上
げるに際して,参考になった一つの例を追及し,考へ抜
いた経緯から解説する。或る外国映画で,ニューヨーク
の実写風景の空をUFOが飛び来り,摩天楼の後側を右
から左へ横切って飛ぶ場面があったが,この特撮技術
は,摩天楼及びその周辺のビルの,シエルエッドだけを
画いた特殊フイルターを作り,空の部分に該当する個所
は,青色又は,遮光性の面として,他のフイルムに転写
し,現像する際に,空の部分が透明になる様に工夫す
る。一方ではセットでUFOのミニチュアを使って,そ
れの飛行する場面を撮影し,先に述べた透明化された空
の部分に合成りたものである。この方法を群像を対象に
した特撮の手掛りに出来ぬものかと考えて見る。先ず最
初に考え付く事は,被写体である群像のシエルエットを
作る事であるが,群像の数が多い上に,よしんば偶像が
全く動かずに居たとしても,困難この上無く,実現の可
能性は殆んど無い。まして被写体が自由に動き廻って居
たのでは全く不可能である。ここで考え付いた案は,第
一段階として,自由に動き廻っている群像を,フイルム
面に於いて一括して,固定した透明画面(5)の中に収
めてしまう事である。第二段階として,該透明画面
(5)を媒介として特殊フイルター(6)を使用して透
明画面(5)の背景(3)を透明化せしめて消すことで
ある。前述の摩天楼のシエルエットの場合と異る点は,
透明画面(5)を媒介とした点である。然し,これだけ
では被写体の全身が透明な画面(10)の中に浮き出し
て描写されると言う映像は得られない。被写体の,地に
付いている足元と,それに続く前景(12)が画面に残
っている。この点の解決策として特殊フイルターによっ
て透明化された部分(10)と,上記の前景(12)と
の継っている部分にぼかし(11)を付ければよい事が
判る。その為には特殊フイルターの青色又は,遮光性の
面(7)の端の部分にぼかし(8)を付ければ転写され
るフイルム面でも,相対的なぼかし(11)が描写され
る。既存の特撮技術の原理として,合成されるフイルム
の画面(下になる)が,合成するフイルムの画面(上に
なる)に透き通って描写されると言う事はあり得ない。
従って,実景部分の末端がぼかされている前景(12)
を風景画面に合成する時には違和感なく,風景に溶け込
んで合成される。撮影現揚の地形などの関係,即ち川,
道など線で描写され得る被写体がある様な場合には,前
景(12)の末端はぼかし(11)ではなく,線状に支
切られる事もある。以上を第三段階とする。第一段階,
第二段階,及び第三段階の3ツは,夫々が切り離せない
関係にあり,その何れが欠けても,本発明は成立しな
い。 以上の手段によって,被写体と,その足元に続く
前景(12)の一部が描写された合成用フイルムが完成
する。合成用フイルムも複数,作成して,風景が描写さ
れている画面に合成すれば,本発明の目的は達成され
る。最初の撮影段階に於いて,特殊フイルター(6)を
使用して被写体(1)の背景(3)を全て透明にしてし
まう手段もあるが操作は,難かしい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【作用】〔0004〕の内容を更に判り易く解説するに
は,撮影に必要な特殊な装置の説明から入らなければな
らないので,以下,実施例に基いて解説する。図面参
照,図12は撮影の際に,被写体の背後に設ける櫓(1
3)の立面図を示す。該櫓は,高さ約3m〜3.5m,
巾約5m程度,骨組みの主体は起立型,平盤状の格子
(14)であって,櫓の下部には前後,左右に回転可能
な転輪式車輪(15)を設け,前後左右に移動可能であ
る。櫓(13)の材質は軽金属などを使用し,組立式で
ある。図13は,櫓(13)の斜視図を示し,格子(1
4)に青色スクリーン(2)を展張した図を示す。該櫓
の裾は前方向及び後方向へ末広がり(16)になって,
櫓の安定を図る様になっている。図に示す人物像(1
7)は作業員を示し,撮影中の櫓の移動を司り,作業中
にカメラに捉えられても差支えない様に,頭の上らか足
の先まで青一色の衣裳で統一され,撮影フイルムの現像
の段階で透明化されて消されてしまう様になって居る。
図14は,櫓(13)の俯瞰図を示す。風の強い日に青
色スクリーン(2)に風圧のかかる事を避ける為に,該
スクリーンを適宜に立て割りに分割し,夫々に若干の角
度(18)をつける事によって,風の流れ(19)が,
スクリーン(2)の間隙を通り抜ける様になっている。
以上で,装置の説明を終る。被写体,即ち群像は,青色
スクリーン(2)の前面に於いて,監督の指示に依って
行動するので,櫓(13)は複数基を並列に並べる。そ
れ等の群像を撮影したフイルムは,既知の特殊像方法
によって,青色部分は透明化されて,透明画面(5)に
変る。〔0004〕の項で述べた第一段階及び第二段階
の中に記述した透明画面(5)はこの様にして作り出さ
れる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映画,テレビの屋外撮影に於いて,撮影
    対象の被写体の背後に,青色の構造物(2)を設けて撮
    影した後,既知の特殊現像方法に依って青色の部分は透
    明化されて,被写体(1)を,透明画面(5)の中に描
    写して,背景(3)より分離せしめる。
  2. 【請求項2】 次に該透明画面(5)を媒介として,そ
    れを取り囲む背景(3)の部分を青色又は遮光性の面
    (7)で覆い,その末端はぼかされる(8)か,又は,
    線状に支切られて,透明部分(9)に継っている特殊フ
    イルター(6)を使用して,他のフイルムに転写し,現
    像した際に,背景(3)は消えて透明な画面(10)と
    なる。
  3. 【請求項3】 背景(3)が透明化された画面(10)
    の末端はぼかされる(11)か,又は線状に支切られ
    て,被写体(1)の足元の前景に続く風景の一部(1
    2)に継って,披写体(1)と,風景の一部(12)と
    が描写された合成用フイルムを作り,之の方法を,被写
    体(1)を撮影する度に,その位置を移動せしめて複数
    回行い,それ等の合成用フイルムを,風景を含む画面に
    合成して,被写体の数を,複数倍にして見せる屋外群像
    特撮技法。
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