JPH06118193A - 原子炉炉心核特性模擬装置 - Google Patents

原子炉炉心核特性模擬装置

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JPH06118193A
JPH06118193A JP4270575A JP27057592A JPH06118193A JP H06118193 A JPH06118193 A JP H06118193A JP 4270575 A JP4270575 A JP 4270575A JP 27057592 A JP27057592 A JP 27057592A JP H06118193 A JPH06118193 A JP H06118193A
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Akio Arakawa
川 秋 雄 荒
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子炉炉心の3次元的な出力分布を、実時間
で模擬する。 【構成】 1次元炉心動特性モデルは、ボイド率計算用
のサブモデル、燃料温度計算用のサブモデル、崩壊熱計
算用のサブモデル、核定数計算用のサブモデル、1次元
中性子束計算用のサブモデル、遅発中性子計算用のサブ
モデル、およびキセノン濃度計算用のサブモデルを有し
ている。3次元炉心動特性モデルも、同様のサブモデル
を有している。3次元炉心動特性モデルは、3次元中性
子束分布計算に時間がかかる。そこで、制御棒パター
ン、炉心流量、炉圧および炉心入口エンタルピーの変更
に伴ない、核定数を変更している。また、中性子束分布
の反復計算の途中の、まだ収束していない中性子束分布
を、核計装読み値の計算のための中性子束分布として用
いている。このため、原子炉炉心の3次元的な出力分布
を、実時間で模擬できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子力発電プ
ラントの運転訓練シミュレーターの炉心モデルに係り、
特に原子炉炉心の3次元的な出力分布を実時間で模擬す
ることができる原子炉炉心核特性模擬装置に関する。
【0002】
【従来の技術】運転訓練シミュレーターは通常起動・停
止、負荷変更運転および異常・緊急状態をモデル化する
必要がある。原子炉炉心の情報としては、運転訓練シミ
ュレーターは反応度変化に伴う中性子束の応答だけでな
く、炉心内の中性子束検出器の3次元分布を模擬するこ
とが望ましい。また、運転訓練シミュレーターの精度と
しては、"Nuclear Plant Simulators for Use in Opera
tor Training,"ANSI/ANS-3.5-1981,(1981)においてその
基準が決められているが、最近のCRT(Cathode Ray
Tube)による表示を主体とした制御盤や詳細な炉心監視
システムの導入にともない、運転訓練シミュレーターも
ANSIで定められた精度の基準を満足するだけでな
く、より高い精度が必要とされてきている。
【0003】CRT表示主体の制御盤では、種々のプラ
ントデータを詳細に運転員に提示することができ、これ
に対応した運転訓練シミュレーターはプラント状態をよ
り詳細に模擬する必要がある。
【0004】さらに、最近の3次元炉心管理システムが
導入されるに従い、炉心の出力分布は詳細に監視・予測
されるようになってきた。これに伴い、運転訓練シミュ
レーターは炉心の出力分布を精度良く模擬する必要があ
る。
【0005】初期の運転訓練シミュレーターでは、炉心
は、一点近似モデルでモデル化され、フィティング式を
用いて炉心平均の熱出力から中性子検出器読み値を計算
している。従って、中性子束分布から3次元的な中性子
検出器読み値を計算し、これを精度良く模擬するには限
界があった。
【0006】例えば、炉心の出力分布は未臨界から定格
出力にかけて大きく変化し、中性子束分布は制御棒全挿
入ではミドルピークの分布をしているが、臨界達成時や
核加熱領域ではトップピークである。そして、起動時の
50%定格出力付近ではボイドの発生によりボトムピー
クとなり、最終的に定格出力ではほぼ平坦な分布とな
る。中性子束分布は原子炉炉心の物理的状態に伴い変化
するので、炉心状態をよりリアルにかつ詳細に模擬する
ためには、炉心状態の空間分布を考慮したモデルが必要
であると考えられる。
【0007】運転訓練シミュレーターにおいては通常起
動・停止、負荷変更運転および異常・緊急状態を一つの
シミュレーターで模擬できることが望ましい。しかし、
これまで通常出力運転や異常過渡変化など特定の領域や
事象についての解析プログラムは数多く開発されている
が、起動停止を含めてこれら全領域をシミュレーション
できるプログラムは少ない。
【0008】BWRの高出力領域においては、過渡変化
を解析・評価するために、一点近似炉心モデルを用いた
シミュレーションプログラムや、このプログラムを詳細
化し、1次元炉心核特性モデルを導入した過渡特性評価
用のプログラム等が開発されている。また、BWRのオ
ンライン炉心管理のため、静的な中性子特性モデルと過
渡的なキセノンモデルを用い高出力領域での炉心状態を
監視・予測する3次元炉心モデルが開発されている。
【0009】しかし、これらの詳細モデルは多くの計算
時間を必要とし、実プラントに適用できるような経済的
な計算機で実時間計算をするには適していない。
【0010】このモデルの精度と計算時間についてのト
レードオフを解決するための方法として、.N.J.H.Schuc
h, L.Skold and P. Lundin.: "A One-dimensional Real
Time BWR Core Model with Coupled Local Channnels,
"IAEA Specialist's Meeting on Training Simulators
for Nuclear Power Plants, Tronto, Canada, Sept.,
14-16, (1987) に示されているような1次元炉心モデル
に局所チャンネルモデルを結合した炉心モデルがある。
このモデルでは、グローバルな1次元炉心量の変化は1
次元炉心モデルで、制御棒操作によるローカルな分布の
変化は局所チャンネルモデルで模擬するようにしてい
る。しかし、局所チャンネルモデルはかなりの計算時間
を要するため、計算ステップ毎に全ての局所チャンネル
を計算することはできず、制御棒の動いたチャンネルの
みを計算し、実時間計算の要求に対応する必要がある。
【0011】計算時間とモデルの精度のトレードオフを
解決するもう一つの方法としては「特開昭57−147
98号;原子力発電所の炉出力予測装置」に示すよう
に、軸方向の中性子束分布を1次元炉心モデルで計算
し、半径方向の出力分布をフィッティング式で模擬する
ことである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法においては炉心半径方向の出力分布を精度よく模擬す
ることができず、ロッドブロックモニターなど炉心の3
次元的な出力分布に依存した運転制限に対する応答の精
度が低いという問題がある。
【0013】本発明は、このような点を考慮してなされ
たもので、3次元的な中性子束分布の過渡変化を、精度
よく実時間で計算でき、より現実的な炉心の出力監視装
置に対する応答や運転特性を模擬できる原子炉炉心核特
性模擬装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する手段として、固定中性子源を有し、制御棒パター
ン、炉心流量、炉心圧力および炉心入口エンタルピーの
各入力信号に基づき、炉心軸方向1次元中性子束分布お
よび炉心平均出力を模擬する1次元炉心動特性モデル
と;固定中性子源を有し、各入力信号に基づき、炉心3
次元出力分布を模擬する3次元炉心動特性モデルと;炉
心平均出力および炉心3次元出力分布に基づき、炉心内
に配置された核計装の読み値を計算する核計装モデル
と;をそれぞれ設けるようにしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明に係る原子炉炉心核特性模擬装置におい
ては、固定中性子源を有する1次元炉心動特性モデルに
より、炉心軸方向1次元中性子束分布および炉心平均出
力が連続的に計算されるとともに、固定中性子源を有す
る3次元炉心動特性モデルにより、炉心3次元出力分布
が連続的に計算される。そして、核計装モデルにより、
炉心平均出力と炉心3次元出力分布とに基づき、核計装
読み値が計算される。このため、3次元的な出力分布お
よび出力のレベルが、連続的に計算されることになり、
より現実感のある原子炉炉心の模擬が可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0017】図1は、本発明に係る原子炉炉心核特性模
擬装置の一例を示すもので、この模擬装置は、1次元炉
心動特性モデル1と、3次元炉心動特性モデル2と、核
計装モデル3とから構成されている。
【0018】1次元炉心動特性モデル1は、固定中性子
源を有し、制御棒パターン、炉心流量、炉心圧力および
炉心入口エンタルピーの各入力信号に基づき、炉心軸方
向1次元中性子束分布および炉心平均出力を模擬するよ
うになっており、また前記3次元炉心動特性モデル2
は、固定中性子源を有し、前記各入力信号に基づき、炉
心3次元出力分布を模擬するようになっている。そし
て、前記炉心平均出力および炉心3次元出力分布は、核
計装モデル3に入力され、この核計装モデル3におい
て、炉心内に配置された核計装の読み値が計算され出力
されるようになっている。
【0019】図2は、図1の装置の詳細を示すもので、
以下これについて説明する。
【0020】図に示すように、原子炉熱水力モデルは炉
心流量、炉圧及び炉心入口エンタルピーを求め、これら
の変数を1次元炉心モデルが入力する。また、制御棒位
置指示装置から制御棒のパターンデータが炉心モデルへ
入力される。
【0021】この1次元炉心動特性モデルは、(1)ボ
イド率計算モデル、(2)燃料温度計算モデル、(3)
崩壊熱計算モデル、(4)核定数計算モデル、(5)1
次元中性子束計算モデル、(6)遅発中性子計算モデル
および(7)キセノン濃度計算モデルからなる。これら
のサブモデルの計算時間は制御棒操作や炉心流量の変動
周期に比べて極めて短く炉心1次元の中性子束の変動を
実時間で模擬することができる。
【0022】以下それぞれのモデルの詳細について説明
する。
【0023】炉心ボイド率モデルは、炉圧、炉心流量、
炉心入口エンタルピーおよび炉心熱出力を入力して炉心
内のボイド率を計算し冷却材の密度を求める。冷却材密
度は核定数を計算するために用いられる。
【0024】炉心軸方向のボイド率分布α* (z,t) は、
次に示すドリフトフラックスモデルにより求められる。
(なお、符号の右肩部に付した記号* は、その平均値を
表わしている。以下同じ。)
【0025】
【数1】 ここで、 Xf * (z,t) =クオリテイ、 G=チャンネル質量流量、 Co =分布パラメーター、 Vg =ドリフト速度、 γ=比体積、 ρg =気相の密度 である。
【0026】クオリテイは冷却材エンタルピーh* (z,
t) の関数として求められる。ここで、冷却材のエンタ
ルピーh* (z,t) は、燃料表面熱流束q* (z',t)、チャ
ンネル流量Wij及び炉心入口エンタルピーhinから以
下のようにして求められる。
【0027】
【数2】 ボイド率α* (z,t) が求まれば冷却材密度ρ* (z,t) は
以下のように気相の密度ρv と水相の密度ρ1 をボイド
率について重みづけ平均をして求められる。
【0028】
【数3】 燃料温度モデルは燃料ペレット内の平均温度と燃料内で
発生した熱の燃料から被覆管へと被覆管から冷却材への
熱伝達を模擬する。
【0029】崩壊熱モデルは燃料内の熱発生を計算す
る。燃料内で発生する熱は核分裂によるものと核分裂生
成物の崩壊熱によるものがある。崩壊熱は核種を数群に
まとめたモデルによって模擬する。
【0030】炉心中性子束のモデルはエネルギー群につ
いて修正1群近似とし、空間について1次元の動特性モ
デルによって表される。
【0031】炉心内部において1次元炉心の高速群中性
子束φ1 * (z,t) は、
【0032】
【数4】 ここで、 D1 * (z,t) =高速群拡散係数 B2 (z) =炉心径方向バックリング Σ1 * (z,t) =高速群巨視除去断面積 ν=1回あたりの核分裂における中性子発生数 Σ1 * (z,t) =実効巨視核分裂発生断面積 β=全遅発中性子先行核発生割合 λi =第i群中性子先行核崩壊定数 Nd=中性子先行核群数 S* (z) =固定中性子源 keff =臨界固有値 また、Ci * (z,t) は冷却材密度、燃料温度、制御棒の
有無及びキセノン濃度の関数となっており、これらの変
数によるフィードバック効果および反応度の増減を表
す。
【0033】炉心境界では、
【0034】
【数5】 遅発中性子先行核濃度は、
【0035】
【数6】 ここで、βi は第i群遅発中性子先行核発生割合であ
る。
【0036】数4から得られた中性子束に基づき核分裂
による熱出力p(z,t) は次式で得られる。
【0037】
【数7】 ここで、Er は一回の核分裂によって生成されるエネル
ギーである。
【0038】炉心径方向バックリングB2 (z) は炉心軸
方向位置のみの関数であり、数7より求めた軸方向出力
分布が炉心3次元計算より求めた平均軸方向1次元分布
と一致するようにして求められる:
【0039】
【数8】 ここで、p3Dは3次元計算から求められた軸方向出力分
布である。炉心モデルを単純にし計算時間を短くするた
めに共通の径方向バックリングB2 (z) がすべてのシミ
ュレーションにおいて用いられる。
【0040】数4の中性子源項S* (z) は炉心軸方向中
程に配置されているBe−Sb固定中性子源の効果を模
擬するものである。未臨界領域においては中性子源の影
響が支配的となるが、中性子源の効果は臨界が達成され
た後には無視できるようになる。その結果、未臨界領域
においても高出力用のモデルと同一のモデルでシミュレ
ーションが可能となり、起動から定格出力までの炉心状
態を1つのモデル(数4)で表現し、連続なシミュレー
ションができることになる。
【0041】Xe濃度計算モデルでは、 135Iの生成崩
壊および 135Xeの生成消滅を模擬する。タイムステッ
プΔt の間では中性子束は一定として差分式としてアル
ゴリズム化すると以下の式によって求められる。
【0042】すなわち、時刻tn+1 における 135Iの濃
度I* (z,tn+1 )は次式によって求められる。
【0043】
【数9】 ここで、λ1 およびγ1 はそれぞれ 135Iの崩壊定数お
よび核分裂による生成割合であり、φ2 * ,Σf2 * は熱
中性子束および熱群の核分裂断面積である。
【0044】また、時刻tn における 135Xeの濃度X
* (z,tn+1 )は以下の式によって計算される。
【0045】
【数10】 ここで、λx 135Xeの崩壊定数、σax 135Xeの
微視的吸収断面積であり、γx 135Xeの核分裂によ
る直接発生割合である。
【0046】そして、炉心核計装モデルは、中性子束検
出器位置での読み値を、この1次元炉心モデルより求め
た中性子束レベルと以下に説明する3次元炉心モデルで
求めた中性子束分布から求める。
【0047】また、図2の3次元炉心モデルも1次元炉
心モデルと同様に炉心流量、炉圧及び炉心入口エンタル
ピーを原子炉熱水力モデルから入力し、制御棒のパター
ンデータを制御棒位置指示装置から入力する。
【0048】そして、この3次元炉心動特性モデルも、
(1)′ボイド率計算モデル、(2)′燃料温度計算モ
デル、(3)′崩壊熱計算モデル、(4)′核定数計算
モデル、(5)′3次元中性子束計算モデル、(6)′
遅発中性子計算モデルおよび(7)′キセノン濃度計算
モデルからなる。しかし3次元炉心モデルにおいては、
中性子束の計算において差分化された中性子拡散方程式
を解く際に反復計算を必要とし、かなりの計算時間を要
する。中性子束を厳密に収束計算により解くときには、
数十回の反復計算を必要とし、計算時間は現在のプロセ
スコンピューターでも1分程度と制御棒操作や炉心流量
の変動周期に比べて長く、3次元炉心の中性子束の変動
を実時間で模擬することは困難である。
【0049】本モデルではこのため、図2に示すように
制御棒パターン、炉心流量、炉圧及び炉心入口エンタル
ピーの変更に伴い、核定数を変更し、プラント操作が実
時間で3次元モデルの中性子束分布計算に反映できる様
にした。さらにこのプラント状態の変更に伴う中性子束
分布の変化を実時間で核計装読み値に反映するため、中
性子束分布反復計算の途中のまだ収束していない中性子
束分布を、核計装読み値計算のための中性子束分布とし
て使用することにより、3次元的な核計装読み値の応答
を模擬できることになる。
【0050】中性子検出器の読み値は1次元炉心計算か
ら求めた中性子束レベルと3次元炉心計算から求めた上
記の中性子束分布反復計算の途中の中性子束分布の積を
用いて計算する。
【0051】ここで、中性子束反復計算の収束前の値を
使うことの妥当性は以下のように説明される。
【0052】中性子束分布は以下の拡散方程式を解くこ
とによって求められる。
【0053】
【数11】 ここで、v=中性子速度 φ1 =中性子束(3次元量) D1 =高速群拡散係数(3次元量) Σ1 =高速群巨視除去断面積(3次元量) ν=1回あたりの核分裂における中性子発生数 Σf =実効巨視核分裂発生断面積(3次元量) β=全遅発中性子先行核発生割合 S=固定中性子源(3次元量) keff =臨界固有値 また、遅発中性子による中性子源Sdは以下の式で与え
られる。
【0054】
【数12】 ここで、λi =第i群中性子先行核崩壊定数 また、遅発中性子先行核濃度Ci (3次元量)は以下の
式で計算される。
【0055】
【数13】 ここで、βi は第i群遅発中性子先行核発生割合であ
る。
【0056】数11は左辺が右辺に比べて一般的に小さ
いことから(中性子の寿命が短いことから)即発跳躍近
似をすることにより以下のように表される。
【0057】
【数14】 数値計算により解を求めるためには上式を差分化し以下
の式が得られる。
【0058】
【数15】 ただし、
【0059】
【数16】
【0060】
【数17】 ここで、Δ=径方向のメッシュ幅 Δz =軸方向のメッシュ幅 収束計算を速めるために連立一次方程式の解法として一
般的な逐次過緩和法(Succesive Over Relaxation Meth
od)が考えられている。この方法によると上式は以下の
ように表される。
【0061】
【数18】 ここで、mは反復計算の回数であり、ωは加速係数(1
≦ω<2)である。
【0062】一方、数11を差分化すると以下の式とな
る。
【0063】
【数19】 ここで、Δtはタイムステップであり、nは時間を表
す。
【0064】数18および数19の類似から連立一次方
程式を解く反復計算は時間を進めることと同等であるこ
とがわかり、炉心出力分布の模擬方法としてこの中性子
反復計算途中における中性子束を用いることができる。
【0065】また、数18におけるB1,ijk およびD
1,ijk は制御棒パターン、炉圧、炉心入口エンタルピー
及び炉心流量の関数であるので、これらの量が操作され
たときには、反復計算の途中においてもB1,ijk および
1,ijk を変更する。ただし、変更量は数18の収束が
保証される範囲で行なう。
【0066】なおこの3次元炉心モデルと1次元炉心モ
デルの結果として出力される熱出力レベルは、1次元炉
心モデルの制御棒価値あるいは炉心径方向バックリング
を3次元計算を基に決定することにより一致させること
ができる。
【0067】次に本発明による炉心出力分布の模擬結果
について示す。
【0068】図3は沸騰水型原子炉の制御棒パターン及
び局所中性子検出器(Local PowerRange Monitor )の
ストリング位置を示したものである。制御棒は1ストロ
ークが48ノッチに分かれており、図3ではその引抜ノ
ッチ数が示されている。ただし、全引抜は′**′で表
している。また、局所中性子検出器ストリングには図4
に示すように、炉心の軸方向にA,B,CおよびDの4
つの局所中性子検出器がついている。
【0069】図5は、制御棒座標19−22に位置する
制御棒を、00ノッチから48ノッチまで引抜いた場合
の制御棒密度の変化を示し、また図6はそのときの#7
の局所中性子検出器の読み値、図7は#8の局所中性子
検出器の読み値、図8は#23の局所中性子検出器の読
み値をそれぞれ示す。
【0070】図5ないし図8からも明らかなように、制
御棒引抜に伴い炉心上部から中性子束が上昇していくこ
とがわかる。また、操作した制御棒から離れた局所中性
子検出器ほどその読み値の変化が小さくなっており、炉
心の3次元的な中性子検出器読み値がよく模擬できてい
ることがわかる。
【0071】しかして、3次元的な中性子束分布の過渡
変化を精度よく実時間で計算でき、より現実的な炉心の
出力監視装置に対する応答や運転特性を模擬できる。そ
のため、より現実的な原子力発電プラントの運転訓練が
可能となり、運転の健全性や安全性をより高めることが
できる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
3次元的な中性子束分布の過渡変化を、精度よく実時間
で計算でき、より現実的な炉心の出力監視装置に対する
応答や運転特性を模擬できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る原子炉炉心核特性模擬
装置を示す全体構成図。
【図2】本発明による模擬方法を示すフローチャート。
【図3】出力運転時の制御棒パターンとLPRM位置と
を示す説明図。
【図4】制御棒およびLPRMの炉心軸方向位置を示す
説明図。
【図5】制御棒座標19−22に位置する制御棒を引抜
いた場合の制御棒密度の変化を示すグラフ。
【図6】図5の制御棒引抜き時における#7の局所中性
子検出器の読み値を示すグラフ。
【図7】図5の制御棒引抜き時における#8の局所中性
子検出器の読み値を示すグラフ。
【図8】図5の制御棒引抜き時における#23の局所中
性子検出器の読み値を示すグラフ。
【符号の説明】
1 1次元炉心動特性モデル 2 3次元炉心動特性モデル 3 核計装モデル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定中性子源を有し、制御棒パターン、炉
    心流量、炉心圧力および炉心入口エンタルピーの各入力
    信号に基づき、炉心軸方向1次元中性子束分布および炉
    心平均出力を模擬する1次元炉心動特性モデルと;固定
    中性子源を有し、前記各入力信号に基づき、炉心3次元
    出力分布を模擬する3次元炉心動特性モデルと;前記炉
    心平均出力および炉心3次元出力分布に基づき、炉心内
    に配置された核計装の読み値を計算する核計装モデル
    と;を具備することを特徴とする原子炉炉心核特性模擬
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010522319A (ja) * 2007-03-19 2010-07-01 アレバ エヌペ 原子炉炉心の三次元出力分布を決定する方法
JP2011053187A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Central Res Inst Of Electric Power Ind 連続エネルギーモンテカルロ法を用いた炉心設計方法、炉心設計装置及び炉心設計プログラム
KR101444794B1 (ko) * 2012-08-17 2014-09-26 한전원자력연료 주식회사 노내계측기 신호 기반의 반경방향 첨두계수를 이용한 노심운전제한치감시계통의 Pseudo Hot Pin 출력분포 구성 방법
CN111651944A (zh) * 2020-06-05 2020-09-11 中国原子能科学研究院 核反应堆计算系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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