JPH0611445Y2 - 試料皿回転装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転機構を組み合わせて、同一の駆動源で回
転方向の異なる自転と公転させる事が出来る試料皿回転
装置に関するものである。

従来、医薬品や化学品の試験体の光による着色・脱色・
性状変化等物理的、化学的変化を、温度や湿度を付加し
て調べる試験を行う場合、目的の試験体を、試験内容に
応じた試験槽に入れ、光を照射させたり温度・湿度を付
加させたりする方法で行われるが、この場合、試験体に
光を均一に照射させて照射ムラを防ぎ、或いは温度・湿
度の分布精度を上げる為、試験体を試験槽内で回動させ
る事が好ましく、光源を中心に試験体を並べ、光源の周
囲を試験体が回転する方式、或いは光源を回転させる方
式が用いられている。これ等の回転装置としては、通常
の機械装置に用いられる各種ギヤー類の組み合わせ等に
よるものを用いるのが通例である。しかしながら、光を
照射させる場合も、単に光源を中心に試験体を回転させ
たり、或いは光源を回転させれば良いというものでな
く、試験の正確性・再現性を得る為には試験体自体を回
転させるのが尚一層好ましい。

且つ又恒温或いは恒湿を付加する場合は、恒温・恒湿の
一定条件を保持させる為、恒温・恒湿に調節した空気を
試験槽内に循環させなければならず、各種ギヤーを組み
合わせた回転装置では、装置自体が複雑で大きくなり、
それに伴う熱容量も大きくなる。その結果、恒温・恒湿
に調節した空気の循環を妨げると同時に、調節した空気
を作る調節装置も過大になり、効果的にも経済的にも不
適合である等の問題点を有している。

本考案はかかる問題点を解決し、効果的・経済的に恒温
或いは恒湿の一定条件を保持し、光源を中心に試験体が
回転すなわち公転すると同時に、試験体自体も回転すな
わち自転させて光の照射ムラを防ぎ、均一に照射させ、
光や温度・湿度に対する依存性・耐久性、安全性の評価
をし、再現性のある試験を連続して行い得る様にした試
料皿回転装置を提供するものである。

即ち、回動アームに軸受を介して支持された副軸に回転
出来る回転プーリーと、装置本体に固定し回転する事が
出来ない固定プーリーを設け、両プーリーをベルトで連
結し、主軸に固定された駆動回転プーリーをベルトを介
してモーターの回転軸に連携し、モーターを回転させる
事によって、回動アームが回転するとともに、回動アー
ムに支持された前記副軸の回転プーリーが主軸の回転と
反対の方向に回転し、したがって、副軸も主軸の回転と
反対の方向に回転するので、副軸の上部に固定した試料
皿は副軸を中心に回転（自転）しながら、同時に主軸を
中心に回転（公転）する様に構成したものである。

本考案の要旨とするところは、ベルトによる回転機構を
組み合わせ、同一の駆動手段のモーターで複数個の試料
皿がモーターの回転方向と反対方向に自転しながらモー
ターの回転方向と同方向に公転する如く構成し、試験条
件を均一にする事を特徴とする試料皿回転装置にある。

本考案を図面により説明する。

本体（５）に、駆動モーター（１）を固定し、また、本
体（５）に固定した軸受（６）（６′）と固定プーリー
（７）を介して主軸（４）を回動自在に取り付け、主軸
（４）に駆動回転プーリー（３）を取り付けて、ベルト
（２）を駆動モーター（１）の回転軸と前記駆動回転プ
ーリー（３）とに懸架して主軸（４）をモーター（１）
の回転軸と回転を連動させ、主軸（４）の上部に、複数
個のアーム（イ）（ロ）（ハ）を有する多枝状の回動ア
ーム（８）とを固定して設け、回動アーム（８）のアー
ム（イ）の端部には固定した軸受（９）を介して副軸
（１０）を設け、該副軸（１０）の上部には試料皿（１
１）を、下部には副回転プーリー（１２）と連結回転プ
ーリー（１３）を設け、副回転プーリー（１２）と固定
プーリー（７）はベルト（１４）によって連結する。

駆動モーター（１）が回転すると、ベルト（２）により
主軸（４）が回転し、回動アーム（８）が主軸（４）の
回転方向と同一方向に回転（公転）する。それに伴い固
定プーリー（７）に連結された副回転プーリー（１２）
は固定プーリー（７）を中心にして主軸（４）即ち回動
アーム（８）の回転方向と反対方向の駆動回転が働き試
料皿（１１）が回転（自転）する。回転アーム（８）の
他アーム（ロ）（ハ）の端部には固定した軸受（９′）
を介して上部に試料皿（１１′）を、下部に連結回転プ
ーリー（１３′）を取り付けた副軸（１０′）を設け、
該連結回転プーリー（１３′）と前記連結回転プーリー
（１３）をベルト（１５）により連結し、試料皿（１
１）が回転すると同時に複数個の試料皿（１１′）も同
じく自転する様にする。

固定プーリー（７）と副回転プーリー（１２）の直径お
よびその比を選択設計することにより、自転と公転の所
望回転速度および回転速度比をもとめることができる。

斯る如くなされた本考案の作動態様を説明する。

駆動モーター（１）を回転させる事によって、ベルト
（２）により連結された駆動回転プーリー（３）が回
り、主軸（４）が回転（Ａ方向）する。主軸（４）が回
転すれば、主軸（４）に固定した回動アーム（８）が主
軸（４）を中心に主軸（４）と共に同方向に回転する。

副軸（１０）の副回転プーリー（１２）と固定プーリー
（７）とはベルト（１４）で連結されており、固定プー
リー（７）が本体（５）に固定され回転しない為、回動
アーム（８）が回転移動するに伴い副回転プーリー（１
２）に回動アーム（８）の回転方向とは反対方向（Ｂ方
向）の駆動が働き試料皿（１１）が回転する事になる。

即ち試料皿（１１）は副軸（１０）を中心に自転〔駆動
モーター（１）、回動アーム（８）の回転方向と反対方
向〕しながら主軸（４）を中心に公転〔駆動モーター
（１）、回転アーム（８）の回転方向と同方向〕する。

回動アーム（８）を多枝状にし、各アームの端部に軸受
（９′）を介して副軸（１０′）を支持し、この副軸
（１０′）に試料皿（１１′）と連結回転プーリー（１
３′）を取り付け、該連結回転プーリー（１３′）と、
ベルト（１４）により駆動の働く副回転プーリー（１
２）を具備した副軸（１０）の連結回転プーリー（１
３）とを連結ベルト（１５）で連結する事によって、複
数個の試料皿（１１′）も同時に自転する事になる。斯
る如く同一の駆動源で試料皿を回転方向を変えて自転し
ながら公転する為、光の照射ムラを防ぎ均一に照射させ
る事ができ、且つ、回転機構がベルトの組み合わせで恒
温或いは恒湿に調節した空気の循環を阻害する事もな
く、試験槽に必要な恒温或いは恒湿の一定条件を保持す
ると共に、試料に於ける照度・放射エネルギー・温度・
湿度の各種条件の分布精度を上げる事になり、光による
着色・脱色・性状変化等、物理的・化学的変化及び温度
・湿度に対する依存性・耐久性・安定性の評価をし、再
現性のある試験を連続して行い得る事が出来るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は正
面図、第２図は平面図、第３図は斜視図、第４図は作動
態様を示す図である。 １……駆動モーター ２、１４、１５……ベルト ３……駆動回転プーリー ４……主軸 ６、６′……軸受 ７……固定プーリー ８……回動アーム ９、９′……軸受 １０、１０′……副軸 １１、１１′……試料皿 １２……副回転プーリー １３、１３′……連結回転プーリー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体（５）に、回転することのできない固
   定プーリー（７）と、軸受（６）（６′）を介して主軸
   （４）とを設け、主軸（４）の上部に回動アーム（８）
   を固定し、回動アーム（８）はその先端部で軸受（９）
   を介して副軸（１０）を支持し、副軸（１０）の上部に
   は試料皿（１１）を、下部には副回転プーリー（１２）
   を取り付け、本体（５）の固定プーリー（７）と副軸
   （１０）の副回転プーリー（１２）とをベルト（１４）
   で連結し、主軸（４）の駆動手段を備えてなり、前記駆
   動手段による主軸（４）の回転により、回動アーム
   （８）の先端および該先端により支持された副軸（１
   ０）が主軸（４）を中心として回転すると同時に、固定
   プーリー（７）にベルト（１４）で連結された副回転プ
   ーリー（１２）が回転して副軸（１０）自体も自転する
   ことにより、試料皿（１１）が副軸（１０）を中心とし
   て自転しながら更に主軸（４）を中心として回転するこ
   とを可能としたことを特徴とする試料皿回転装置。