JPH06112904A - 空間光伝送装置 - Google Patents

空間光伝送装置

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JPH06112904A
JPH06112904A JP5181266A JP18126693A JPH06112904A JP H06112904 A JPH06112904 A JP H06112904A JP 5181266 A JP5181266 A JP 5181266A JP 18126693 A JP18126693 A JP 18126693A JP H06112904 A JPH06112904 A JP H06112904A
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達也 森岡
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Morichika Yano
盛規 矢野
Haruhisa Takiguchi
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    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/11Arrangements specific to free-space transmission, i.e. transmission through air or vacuum
    • H04B10/112Line-of-sight transmission over an extended range
    • H04B10/1121One-way transmission

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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動画などの情報をワイヤレスで伝送すること
を可能とする高速・高感度な空間光伝送装置を提供す
る。 【構成】 自由空間を伝播するコヒーレント光により情
報を伝送する装置であって、信号に対応して発光源から
放射されるコヒーレント光の基準周波数(波長)または
位相を変調する機能、および、変調された光を目に安全
なパワー密度を有する発散光として放射する機能を有す
る送信装置と、コヒーレントな局部発振光を発生させる
機能、信号光と局部発振光を混合した後に光電極変換す
る機能、光電変換出力の交流成分を周波数弁別する機
能、および、周波数弁別出力より信号を再生する機能を
有する受信装置からなり、送信装置または受信装置のい
ずれかが信号光と局部発振光との相対的光周波数差(波
長差)を一定に保つ機能を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空間光伝送装置に関し、
特にレーザ光のコヒーレント性を利用した伝送方式によ
る空間光伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス機器のワイヤレス化の
進展に伴い、光やマイクロ波を媒体とする空間伝送シス
テムの必要性が増している。また、今後の動画情報に対
するニーズの高揚を鑑みると、空間伝送システムの高速
化、大容量化(デジタル信号を例に取ると伝送速度=10
〜600 Mbps:デジタル信号として1秒間に送受信す
るビット数)は必須であると言える。中でも、空間光伝
送はマイクロ波のような法的規制がないため、小規模ワ
イヤレスLANの他、個別のAV機器や画像通信機器な
ど多岐にわたる応用が可能と考えられており、今後の技
術的な進歩による大容量化が望まれている。
【0003】人間が存在する場所で使用することができ
る従来の民生用空間光伝送システムとしては、発光ダイ
オード(LED)を光源としたシステムがあり、家電製
品のリモコンや比較的低速(600Kbps以下)の室内L
ANなどに適用されている。従来の空間光変調システム
の概要としては「光通信技術の現状と将来」(電気通信
技術審議会編、昭和62年)のp.94〜p.100 に詳細な説明
が記載されているが、その一例のシステム構成を図13
に示す。
【0004】送信側はLED111 とLEDドライバ112
から成り、LED111 からの光を送信すべき信号に応じ
て強度変調し、空間113 に放射する。一方、受信側はレ
ンズ114 、受光素子115 、及び信号処理回路116 から成
り、送信された強度変調光をレンズ114 により受光素子
115 の受光面上に集光し直接光強度を、電気信号に変換
した後、信号処理回路116 により信号を増幅・整形し、
所望の信号を得る。従来の空間光伝送システムにおける
光信号波形を図14に示す。信号は空間を伝搬する光の
強度の時間変化として表現され、検出機構としてはその
光信号の強度を直接検出している。すなわち、この従来
方式は光を媒体する強度変調(IM変調)−直接検波方
式であると言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高速光伝送において
は、信号に対応して送信される光パルスの時間幅(パル
ス幅)が狭くなるため、1パルス当たりの光パワーが必
然的に減少する。図13に示したIM変調−直接検波方
式での最小受光感度(受信側で信号復調に必要な最低の
S/Nを確保するための1パルス当たりの光子数)は約
104 〜105 光子/パルスであり、LED111 の発光波長
800nm、発光強度 200mW、放射角±60°、送受信間
距離5m、レンズの集光効率5倍、受光素子の実効受光
面積2mmφとすると、伝送可能速度は高々1Mbps
である。この伝送速度では、データ圧縮技術を駆使した
としても高精細な動画像を視覚上劣化なく伝送すること
は不可能である。
【0006】本従来方式での高速化を実現するために
は、発信側の発光強度を増大させる必要があるが、約10
Mbps以上の伝送速度実現のためには現状の10倍(2
W)の発光強度を要し、LEDでの実現は不可能であ
る。すなわち、従来技術では空間光伝送の高速化/長距
離化ができない。
【0007】またこの従来技術における空間光伝送にお
ける別の問題としては、背景光(太陽光や室内照明光)
が雑音として受光素子に入射するために、このような環
境下での使用が不可能であることが挙げられる。これ
は、従来の空間光伝送に利用されている信号光LEDか
ら発せられるインコヒーレント光であること、及び単色
性にも欠けることに起因している。なぜなら、自然界に
存在する光(背景光)もインコヒーレント光であるた
め、信号光と同一の波長領域に存在する背景光を信号光
から分離することが不可能な上、信号光のスペクトルが
比較的広い為に、雑音として混入する背景光パワーも必
然的に大きなるからである。
【0008】上述の如く、従来の民生用空間光伝送技術
であるIM変調−直接検波方式の空間伝送では (1)高精細な動画像データ等の情報を空間光伝送より
伝送するに十分な伝送容量を実現できない、(2)太陽
光などの強力な背景光が存在する環境では信号光が埋も
れてしまい復調不可能となる、という問題があった。
【0009】本発明は、上記問題を解決し、高精細な動
画像情報などのワイヤレス伝送を可能とする、民生用空
間光伝送装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の空間光伝送装置
は、自由空間を伝播するコヒーレント光の光周波数また
は位相を変調することにより情報を伝送する空間光伝送
装置であって、コヒーレント光の波長または位相を伝送
すべき信号に応じて変調し信号光を生成する生成する手
段、および前記信号光を球面波状の発散光とする発散光
放射手段を有する送信装置と、コヒーレントな局部発振
光を発生する手段、信号光と前記局部発振光と混合した
後に受光する光電変換手段、該光電変換手段出力より信
号光と局部発振光の光周波数差を検出する周波数弁別手
段、及び該周波数弁別手段の出力から信号を再生する信
号再生手段を有する受信装置とを備えており、かつ受信
装置または送信装置のいずれかに信号光の基準波長と局
部発振光の波長の差を所定の値とするように局部発振光
波長または信号光の基準波長を制御する相対的波長同調
手段を有することを特徴とする。
【0011】また、前記相対的波長同調手段と、波長同
調用時間を設定する時間設定手段、該時間設定手段によ
り設定された時間中に信号光の波長変調手段に印可する
信号を一定値とするスイッチング手段を有する送信装置
と、再生信号より前記波長同調用時間を抽出する時間抽
出手段、該時間抽出手段により出力される時間内に前記
周波数弁別手段出力と設定電圧との差を検出する波長差
検出手段、及び波長差検出手段出力を一定とすべく局部
発振レーザ素子の駆動条件を制御する制御手段を有する
受信装置とを備えてもよい。
【0012】また、前記相対的波長同調手段と、前記周
波数弁別手段出力を時間平均し周波数差の平均値に相当
する電圧を出力する平均周波数差検出手段、前記信号再
生手段出力より信号のマーク率に応じた電圧を発生させ
るマーク率検出手段、検出したマーク率に応じて基準電
圧を発生させる基準電圧発生手段、該基準電圧と前記周
波数差の平均値に相当する電圧の差に応じた制御電圧を
発生させる制御電圧発生手段、及び制御電圧値に応じて
局部発振レーザ素子の駆動条件を制御する制御手段を有
する受信装置を備えてもよい。
【0013】また、前記相対的波長同調手段と、局部発
振光の一部を空間に発散光として放射する手段を有する
受信装置と、前記拡散局部発振光と前記信号光とを混合
した後に受光する光電変換手段、該光電変換手段出力よ
り局部発振光と信号光の光周波数差を検出する周波数弁
別手段、該周波数弁別手段の出力から局部発振光と信号
光の基準光との光周波数差を検出する手段、及び該周波
数差信号と基準電圧を比較しその差を一定になるように
信号光の基準波長を制御する制御手段を有する送信装置
とを備えてもよい。
【0014】
【作用】送信装置は、信号に対応して発光源から放射さ
れるコヒーレント光の基準光周波数または位相を変調
し、変調された光を目に安全なパワー密度を有する発散
光として放射する。受信装置は、コヒーレントな局部発
振光を発生させ、信号光と局部発振光を混合した後に光
電変換し、光電変換出力の交流成分を周波数弁別し、周
波数弁別出力より信号を再生する。送信装置または受信
装置のいずれかは信号光と局部発振光との相対的光周波
数差を一定に保つ。
【0015】
【実施例】次に本発明をデジタル信号伝送系に適用した
場合を第1の実施例として図面を参照して詳細に説明す
る。図1に本実施例の空間光伝送システムの構成図を示
す。送信側は基準波長λ0 のコヒーレント光と波長λ1
(λ0 ≠λ1 )のコヒーレント光をデジタル的に切り替
えて発生させることが可能な波長可変半導体レーザ10
と、その発光強度や波長を制御する制御回路11、及びレ
ーザ光放射窓12からなっている。信号光波長は空間伝送
をする際に目に見えないことが必要であり、赤外光(760
nm以上)であることが望ましい。ここでは受光素子と
してSi系のデバイス(波長 900nm以下でのみ受光感
度を有する)を利用したため、波長を 830nmに設定し
たAlGaAs系半導体レーザを用いている。
【0016】受信側は、信号光を直線偏光に変換する偏
光フィルタ13と、背景光としての室内照明や太陽光の大
部分をカットし信号光の波長域(ここでは 830nm)の
みを透過するフィルタ14、伝送された信号光を集光する
ためのレンズ15、基準波長コヒーレント光(局部発振
光)を発する局部発振用半導体レーザ16、及び集光され
た信号光と局部発振光を混合し両者のビート信号を電圧
または電流として検出する受光素子17、および受光素子
17からの出力を増幅・整形し、信号を復調する信号処理
回路18からなる。
【0017】動作原理を以下に説明する。伝送すべきデ
ジタル信号を図2(a)に示した信号(0,1,0,
1,0)とすると、送信側ではデジタル信号の0、1を
2波長λ0 、λ1 (λ0 ≠λ1 )に対応させ波長可変レ
ーザ10の発振波長を制御回路11により図2(b)に示し
たように変調し、空間に放射する(光周波数シフトキー
イング(光FSK))。民生用の空間光伝送装置として
重要なことは、人体へのレーザ光の影響であり、特に目
(網膜)に対する安全性の確保は最も注意を払うべき事
項である。レーザビームを空間に放射する場合の安全基
準としては日本規格協会により発行されているJIS
C 6802(平成3年5月1日改正)を参照することがで
きる。
【0018】本発明における構成では、空間に放射され
た信号光はビーム内観察状態(波面の整った光が目に入
る状態)で目に達することとなるため、上記JIS資料
p.3、表1が安全基準となる。この表を参照すると最大
許容露光量(MPE:目に障害を引き起こす確立が50%
の光密度の1/10の値)は用いる信号光波長に依存して
以下のように規定されている。
【0019】(1) 0.7μm≦λ<1.05μmの場合 MPE= 3.2×10k W・m-2 但し、k=(λ−0.
7 )/0.5 (例えば、λ=0.83μmとした場合、MPE=5.8 W・
-2) (2) 1.05μm≦λ< 1.4μmの場合 MPE=16W・m-2 (3) 1.4μm≦λ<106 μmの場合 MPE=1000W・m-2 本実施例(λ= 830nm)では条件(1)にビーム発散
角による補正を施した値が適用されるため、送信装置に
半径40mmの半球状の光放射窓12を設け、空間へ放射され
た直後の光密度が2W・m-2を越えないように配慮し
た。
【0020】このようにして波長(周波数)シフトされ
た光は空間を伝幡し受信側で局部発振レーザ16からの基
準光(波長λ0 )と混合され受光素子17により電気信号
に変換される(図2(c))。このとき、局部発振光と
偏光方向の直交する信号光が雑音成分とならないよう
に、あらかじめ偏光フィルタ13により局部発振レーザ16
からの光の偏光方向と一致した信号光のみを透過させ
る。
【0021】ここで、偏光方向の一致した2つの光を 信号光 :Es =as cos{2π(ν0 +Δν)t+φs } (1) 局部発振光:E1 =a1 cos{2πν0 t+φ1 } (2) ただし、ν0 =C/λ0 ,ν0 +Δν=C/λ1 ,C:
光速 と表現すると、受光素子17での機能は両者を混合した
後、二乗検波することであるので、出力される光電流I
【0022】
【数1】
【0023】となる。ただし、時間平均することにより
2νs ,2(νs +Δν)、2νs +Δνの成分は消去
した。(3)式から分かるように、信号光と基準光の光
周波数が一致するとき(Δν=0)には光電流は直流分
のみとなるが、両者の光周波数が異なるとき(Δν≠
0)には周波数の差に当たるビート信号(周波数Δν)
が現われる。受光素子17はこのビート信号周波数Δν以
上の応答速度を有することが必要である。本実施例では
Δν=1GHzとした。このビート信号出力を、ビート
信号が現れたときを1、現れない時を0として信号処理
することにより、λ0 、λ1 、λ0 、λ1 、λ0 の送信
光信号より0、1、0、1、0を得ることが可能となる
(図2(d))。
【0024】この局部発振レーザ16を有する検波方式
は、将来の幹線系ファイバ通信への適用が検討されてお
り、コヒーレント検波方式と呼ばれている。この検波方
式の利点としては、信号光パワーが弱い(as 2 が小さ
い)場合にも、検出すべきビート信号電力は信号光電界
と局部発振光電界とを掛け合わせた形となる(as
1)ため、従来の直接検波方式と比較して雑音に強い
ことが挙げられる(信号光が空間を伝わり発散するにつ
れて信号光のパワー密度が小さくなる空間光伝送システ
ムは、このコヒーレント検波方式の特長を活かせる応用
の一つである)。
【0025】本実施例では最小受信感度約102 光子が達
成されており、この値は従来のIM変調−直接検波方式
空間伝送における最小受信感度104 〜105 光子を2〜3
桁改善した値となっている。実際、本実施例装置では40
Mbpsの速度でデジタル信号を伝送することができ
る。40Mbpsは圧縮処理された動画データを伝送する
に十分な伝送容量である。
【0026】また、本発明の他の利点として、背景光に
よる雑音成分に比較的強いことが挙げられるがこれは、
コヒーレント検波方式では、局部発振光の波長と非常に
近い波長を有するコヒーレント光しか、ビート信号に変
換されないことによるものである(本実施例で、波長選
択フィルタを用いているのは、強力な背景光により受光
素子出力が飽和するのを防ぐためである)。また、信号
光集光用レンズ15をホログラムレンズとすることによ
り、インコヒーレント光である背景光は集光せず、コヒ
ーレントな信号光のみを集光することができる。
【0027】このように、本発明によりデジタル動画デ
ータなどの高速伝送が必要な情報を安定して空間光伝送
することが原理的に可能となったわけである。
【0028】しかしながら、送信側と受信側の基準光波
長を絶対的に安定化するために複雑なデバイス構成(特
定ガスの吸収線に発振波長をロックするための付加回路
を設ける方式や、レーザ共振器内にエタロン・回析格子
のような波長選択性のある光素子を設ける方式など)が
必要となり、不都合である。そこで本実施例では受信側
の局部発振レーザ16を波長可変型とし、送受信開始時及
び送受信中の適当な時期に、送信側から基準光を発信し
これに受信側の基準光(λ0 )を同調させる動作を実行
する「随時同調検波方式」を採用した。具体的には送信
基準光と局部発振レーザ16の光を受信時と同様に混合二
乗検波し、局部発振レーザ光の波長を走査しながら受光
素子17の出力にビート信号が出現しないよう、局部発振
レーザ16の波長をロックした。このような検波方式を採
用することによりコヒーレント検波方式空間光伝送シス
テムの簡素化、低価格化が可能となる。
【0029】また、受信側の局部発振レーザ16の波長
を安定化させるために上記の「随時同調検波方式」とは
異なる「基準光検出型検波方式」を採用した場合も同様
の光空間伝送が可能である。この場合、光FSK信号と
しては、いかなるデジタル信号(0,1列)が来ても送
信光波長の時間平均値をある一定の値とするAMI(Al
ternate Mark Inversion)方式を採用する(例えば図3
参照)。この場合、(ν1+ν3)/2=ν2と設定して
いる。受信側でビート信号用信号復調回路18の構成を
図4に示すようなものとし、遅延検波された信号を低域
透過フィルタを通すことにより時間平均された光周波数
(図3の場合ほぼν2 に等しい値)に対応した電圧を出
力することが可能となる。従って、この電圧をある一定
の値に保持するように波長可変型局部発振レーザの波長
を制御することにより送信光及び局部発振光を常に相対
的に安定化させることができる。ここでは、局部発振レ
ーザの光周波数ν0は信号光周波数の平均値ν2と一定の
周波数差を保つように制御した(ν0−ν2=一定)。
【0030】次に信号変調方式として光位相変調を利用
した場合を第2の実施例として説明する。図5にシステ
ムの構成図を示す。送信側において、半導体レーザ300
から発生された基準光(波長 1.3μm)としてのコヒー
レント光は、電気光学変調器301 に入射され信号に応じ
て駆動回路302 により発生される電圧パルスにより位相
が変調される(ここで光源としてはInGaAsP系半
導体材料からなる波長安定化レーザ用いている)。この
光位相に情報が重畳されたレーザ光が空間に放射され、
伝送される。送信装置からのレーザ光の放射立体角 120
°に設定し、送信装置の光放射窓303 を直径約60mmの
円形板とすることで、放射直後(最も光パワーが大きい
場所)における光パワー密度を2W・m-2に制御した。
この値は安全基準である16W・m-2(前述条件(2))
より十分に小さい。
【0031】空間に放射された信号光を受ける受信側に
おいては、まずホログラムレンズ304 により空間を伝幡
した信号光を集光する。ホログラムレンズ304 はコヒー
レントな光にのみ集光機能を発揮するものである(背景
光である太陽光や照明光などのインコヒーレント光は散
乱されるだけである)。したがって、集光機能をホログ
ラム304 を利用して実現することにより信号が重畳され
たコヒーレント光を選択的に集光することができる。続
いて、λ/4板305 により信号光を円偏光に変換した
後、偏光板306 により受光時に混合する局部発振光と偏
光方向が一致する直線偏光成分を選択透過する。直線偏
光変換された信号光は反射型回析格子307で回析され、
ホログラムレンズ304 の焦点位置に設置したスリット30
8 により特定の波長(信号光の波長領域)のみが抽出さ
れる。これにより、ホログラム304で散乱され信号光に
混入しているインコヒーレント光の内、信号光と波長が
異なるものがカットされる。
【0032】以上のように、ホログラムレンズ304 のコ
ヒーレント光に対する集光選択性と、回析格子307 と空
間スリット308 による波長選択性により信号光に含まれ
る雑音成分としての背景光の大部分を排除することが可
能となる。このように雑音光を除いた信号光と局部発振
レーザ309 からの基準光とが混合され受光素子310 に入
射される(受光素子310 としてはGe半導体を材料とす
るPINフォトダイオードを用いている)。受光素子31
0 で二乗検波を実行し、(3)式で表される出力を得
る。最後に、信号処理回路311 により受光素子310 から
の電気出力を処理し、元の情報を再生する。
【0033】前述の第1の実施例では絶対的に波長が安
定した半導体レーザを用いる替わりにある時間間隔で送
信側/受信側双方の基準波長を同調させコヒーレント検
波を可能とする「随時同調検波方式」を採用したが、本
実施例では受信側からまず基準光を空間へ放射し、その
光に同調した光を送信側で生成・変調し受信側へ送り返
することにより、ホモダイン検波を可能にする「自己干
渉型検波方式」を選択している。特に位相変調の場合に
は外部変調器301 による高速変調が可能でありこの方式
を適用するのに都合が良い。すなわち、第2の実施例に
おける送信側の基準光発生用の半導体レーザ300 は受信
側の局部発振レーザ309 からの光に同調しているわけで
ある。局部発振レーザから伝幡してきた光を抽出し同調
を取る方法としては、本実施例の受信側と同様の手法に
より背景光を除去して(図示せず)、半導体レーザ300
に入射させる方法を採用している。
【0034】次に、アナログ信号を伝送する場合を例に
取り、第2の実施例の装置の動作原理を説明する。図6
に伝送各段階における信号波形を示す。図6(a)が送
信すべきアナログ電圧強度信号を示している。この信号
を電気的にパルス化周波数変調(FM)した後に、光位
相変調することにより図6(b)に示した光信号を生成
し、空間へ放射する。この信号光を受信側で局部発振光
と混合し二乗検波することにより、前述の第1の実施例
と同様に(3)式に示した電気出力を得ることができ
る。ただし、第2の実施例においては信号光波長が変化
しているわけではない(Δν=0)ので(3)式のビー
ト成分は出現せず、位相項φs (t)−φ1 が信号に応
じて 180°反転することによる強度変調としてパルス列
を得ることができる(図6(c))。このパルス列より
元のアナログ信号(図6(d))を信号処理により再生
することが可能となる。
【0035】第2の実施例においても、受光素子から出
力される信号成分の振幅はas1と局部発振光により
信号光振幅が増幅された形態となっており、前述の第1
の実施例同様コヒーレント検波(この場合は自己干渉型
検波)の利点を発揮でき、高速の伝送が可能となる。ま
た、光位相変調方式の場合には、送信される光の波長は
一定であるため、受信側にして信号光より基準光波長
(λ0 )を読み取り局部発振レーザを同調させ検波する
「基準光検出型検波方式」も選択することができる。こ
の場合においても、高速・高感度な空間光情報伝送が実
現可能なことは言うまでもない。
【0036】第2の実施例では、アナログ信号を伝送す
るために電気的に周波数変調された電気信号パルス列で
光位相を変調する空間伝送を実施したが、一般の光伝送
で用いられる他の信号変調方式(例えば、「光通信技術
の現状と将来」昭和62年電気通信技術審議会編p.241 参
照)も十分に適用可能であり、送信すべき情報によって
その情報に最適な信号変調方式を選択すべきである。
【0037】上記のように本発明により、コヒーレント
光を空間伝幡させ動画等の大容量の情報をワイヤレス伝
送することが可能となる。次に本発明の空間光伝送装置
に用いられる各ユニットを説明する。
【0038】図7、図8に上述の実施例に適用可能な送
信用ユニット及び受信用ユニットを示す。図7の集積送
信用ユニットは分布帰還構造により波長を安定化した半
導体レーザ50の電流注入電極を分割し、それぞれに個別
の電流源を接続した形なっている。レーザ発振用電流注
入領域51と波長制御用電流注入領域52に分かれており、
波長制御領域52に注入する電流を変化させることにより
波長を変調させ、所望の波長変調された信号光を発生さ
せる。この素子により発生させた信号光(コヒーレント
光)53を自由空間へ放射・送信する。この場合にも、送
信装置より空間に放射されたレーザ光が前述の安全基準
より小さなパワー密度となるように放射窓(図示せず)
を設けて制御する。送信光の放射立体角の制御には通常
の光学系を利用している(図示せず)。
【0039】図7に示した構造は波長可変特性を得るた
めの最も簡便な構造であるが、さらに電極を分割して位
相制御領域を付加したものなど、の構造も本発明の装置
を構築するために適用することが可能である。また、波
長可変半導体レーザ素子50への戻り光による雑音を抑制
する目的で、通常のDFB構造ではなく、利得結合型D
FBレーザ素子(例えば、Y.NakanoらによるConference
Digest,12th.IEEE International Semiconductor Lase
r Conference,E-7 pp.72-73 や、工藤らによる特許出願
番号3-151546)の電極を上記例と同様に分割したデバイ
スも適用可能であり、送信光雑音低減に非常に有効であ
る。
【0040】図8は集積型受信ユニットの構造図であ
る。ただし、信号光60の直線偏光への変換機能は通常の
場合と同様に個別のλ/4板と偏光板を用いている(図
示せず)。この受光ユニットの構成は、色ガラスフィル
タ61表面の集光ホログラム62、局部発振波長安定レーザ
63、高速受光素子64、及び色ガラスフィルタ61裏面の反
射膜65からなっており、色ガラスフィルタ61はユニット
の基板としての役割も兼ねている。
【0041】次にこの受信ユニットの動作原理を説明す
る。直線偏光に変換されたコヒーレントな信号光60は色
ガラスフィルタ61表面に形成された位相ホログラムレン
ズ62により受光素子64の受光面に集光される。このと
き、インコヒーレント光である背景光(太陽光や照明光
などの雑音成分)はホログラムレンズ62では集光されな
い。この機能により、受光時の信号光対雑音比を向上さ
せている。色ガラスフィルタ61は可視光を吸収し信号光
の波長領域である赤外光は透過する特性を有するもので
あり、ホログラムレンズ62により散乱された背景光の大
部分をカットし迷光として受光素子64に入射することを
防いでいる。ホログラムレンズ62により集光された信号
光は反射膜65により反射され受光素子64の受光面へ導か
れる。波長安定局部発振レーザ63は実施例1で説明した
方法等により送信側の基準波長と同一の波長を有するコ
ヒーレント光を発生し、反射膜65での反射の後、信号光
60と混合され受光素子64へ入射される。
【0042】以上が、集積された送信/受信ユニットの
構成及び動作原理であるが、このような形態にすること
により高速・高感度な空間光伝送ユニットを小型化で
き、かつ安定した伝送特性を実現することが可能とな
る。このような空間光伝送システムの小型・軽量化は、
本システムのより広い応用(例えば、AV機器や画像通
信端末)に道を開くものである。
【0043】図9に他の集積受信ユニットの構成を示
す。このユニットは各種微小光学ユニット(ガラス基板
700 に作製されたフレネルレンズ701 、偏光ホログラム
702 、λ/4板703 、偏光子704 、ガラス板表面に形成
された光バンドバスフィルタ705 、ビームスプリッタ70
6 、レーザビーム集光用ホログラム707 、局部発振用半
導体レーザ708 、高速受光素子709 )を張り合わせ集積
した構成になっている。
【0044】上記構成を有する集積受光ユニットの動作
原理を簡単に説明する。送信されてきた信号光710 は背
景光と共にフレネルレンズ701 により収束光に変換され
る。次に、偏向ホログラム702 によりコヒーレントな信
号光のみを所望の方向に偏向し、インコヒーレントな背
景光711 は散乱または透過し受光ユニット外へ発散され
る。偏向された信号光はλ/4板703 と偏光子704 によ
り局部発信用半導体レーザ708 と同方向の直線偏光成分
のみに変換される。続いて、光バンドパスフィルタ705
により信号光のみ透過させ、信号光と波長が異なる雑音
成分光712 をカットする。さらには、ビームスプリッタ
706 により、局部発信用半導体レーザ708 と集光ホログ
ラム707 により生成された収束局部発振光と混合され、
最後に高速受光素子709 にて二乗検波される。受光素子
709 の出力電流はICからなる信号処理回路に送られ、
情報信号が再生される。
【0045】この集積受信ユニットにおいても前述の受
信ユニットと同様にレーザ光の特徴を利用したコヒーレ
ント検波方式を適用することにより高速・高感度な空間
光伝送を可能とすることができる上、受光装置自身の小
型軽量化を実現している。また、このような平板張り合
わせ型光集積ユニットの構成において、それぞれの部品
の一部に凹凸を設けることにより、ユニット作製におけ
る各光学素子の位置合わせ工程を簡略化することがで
き、ユニットの低価格化、安定化をも達成できる。
【0046】上述の各実施例では信号光と局部発振光の
偏光方向を一致させるためにある位置方向の信号光のみ
を利用している。しかしながら、送信された微弱光を復
調するという観点からは、集光されたすべての信号光を
有効にコヒーレント検波することが望ましい。そのため
には、信号光および局部発振光を直交する2方向の直線
偏光成分に分離してそれぞれの成分で独立して受光素子
により二乗検波した後、その電気出力が加算する方法を
採用することが考えられる。
【0047】図10に第3の実施例として、このような
受信方式を採用した受信システムの一部の構成を示す。
一般に、集光機能やフィルタ機能(図示した部分の前段
階に設置されており、ここでは説明を簡略化するために
図示せず)により抽出された信号光800 は空間を伝幡す
る途中で散乱や反射を受けて楕円偏光状態801 となって
いる。すなわち、位相のずれた縦偏光成分と横偏光成分
とが合成された状態である。この楕円偏光の信号光と、
信号局部発振用半導体レーザ802 から発生される直線偏
光状態803 の基準光を、ビーム合成器804 で混合し偏光
分離素子805 に入射させる。
【0048】偏光分離素子805 は縦偏光成分と横偏光成
分を空間的に分離する機能を有しており、ここでは局部
発振レーザ802 からの光の偏光方法にほぼ45°の角度で
縦成分と横成分とを分離できるように設置している。こ
のような構成にすることにより、縦成分および横成分そ
れぞれにおいて信号光と局部発振光とを混合し受光素子
808 、809 に入射させ二乗検波することが可能となる。
それぞれの受光素子808 、809 からの出力を独立の信号
処理回路810 、811 により復調し、最後に加算回路812
により両方の電気信号を足し合わせることにより、楕円
偏光の信号光パワーを有効に利用した復調を実現するこ
とが可能となる。
【0049】次に、本発明の第4の実施例を説明する。
これまで説明した各実施例の送信装置ではレーザ光を安
全に空間に放出するために、放出直後の光密度を第1の
実施例の説明中に記述したレベル以下に抑制する必要が
ある。したがって、ある程度のパワーを有するレーザ光
を送信するために送信装置の光放射窓を大きく、レーザ
光が基準パワー密度以下になるまで拡散した後に空間へ
放出していた(第1,第2の実施例を参照)。そのた
め、送信装置が大きくなるという問題がある(λ= 800
nm、出力20mWの光を送信するためには最低直径36m
mの窓が必要)。したがって、高速化と小型化を両立さ
せたシステムを構築するためには、ある程度のパワー密
度を有しても目に安全なレーザ光が必要となる。
【0050】第1の実施例で記述したJIS C 6802
を参照すると、近赤外光(0.7μm≦λ< 1.4μm)に比
べて波長 1.4μm以上の中赤外光、遠赤外光では2桁以
上の高出力に対しても安全性が確保可能であることが分
かる。これは、これらの波長域の光の水に対する吸収係
数αが非常に大きいことに起因するものであり、特に1.
5μm≦λ≦3μm(以後アイ・セーフ波長と呼ぶ)に
おいてこの現象は顕著となる(例えば、λ=1.95μm:
α= 1.1×102 cm-1、λ=2.95μm:α= 1.2×104 cm
-1、詳しくはR.C.Stonemanらによる、Optics & Photoni
cs News, Vol.1, P10(1990) を参照されたい)。また、
波長3μm以上の光を利用する場合には発光素子・受光
素子の熱的安定性の面から問題が発生することを考え合
わせると、信号光として 1.5μm≦λ≦3μmのレーザ
光を選択することが望ましいと判断される。
【0051】したがって、第4の実施例の空間光伝送装
置において、アイ・セーフ波長の信号光を用いることに
より、近赤外光に比べて2桁程度の高いパワーを有する
信号光を空間に放出・伝送することが可能となり、ひい
ては空間光伝送システムの高速化・高感度化の実現につ
ながる。
【0052】このアイ・セーフ波長光を利用した空間光
伝送装置のシステム構成は、各光部品をアイ・セーフ波
長光に適合したものに置換した以外、既述の実施例と同
様であるためにここでは図を用いた説明は省略する。こ
こでは、発光素子としてはInP基板上に作成されたI
nGaAsP系波長可変半導体レーザ(発振波長 1.6μ
m)を用い、受光素子としてはInP基板上のInGa
As系PINフォトダイオードを利用している。この波
長を利用することにより、送信装置から空間に放出され
た直後のレーザ光密度を上げることが可能となるため、
直径5mmの窓から約20mWのレーザ光を送信すること
ができるようになる(安全上、同形状の窓からλ= 800
nmでは 0.1mW、λ= 1.3μmでは 0.3mW、の出力
のレーザ光しか放出できない)。本実施例では約 1.4G
bpsデジタル信号の空間伝送を、目に障害をを与える
ことなく実現できる。
【0053】このように、アイ・セーフ波長の光を用い
ることにより、近赤外光を利用した場合よりもさらに高
速・高感度な空間光伝送装置を実現することが可能とな
る。この第4の実施例では、受発光素子としてInGa
AsP系の半導体材料を用いているが、この材料で得ら
れる最長波長は1.67μmである。光の水に対する吸収係
数についての上記記載から分かるように波長がより長い
場合の方が安全性が高いので、波長2μm以上の光を信
号光として適用することがより望ましい。発光源として
Tm:YAGなどを材料とする固体レーザ(波長2.02μ
m)やInGaAsP系からなる半導体レーザなどを適
用することが可能である。このときの受光素子として
は、InGaAsSb系フォトダイオードやHgCdT
e光電素子などが利用可能である。
【0054】以上説明したように、 1.5μm≦λ≦3μ
mの光を信号光として適用したことにより、送信光の高
出力化が可能となり、ひいては空間光伝送システムの高
速化・高感度化を実現することができるようになる。
【0055】次に本発明の第5の実施例を説明する。
【0056】光コヒーレント検波方式の空間光伝送装置
において、より高い感度での受信を実現するためには、
信号レーザ光の位相を乱すことなく送信装置から光を空
間に放射することが望ましい。そこで、光の位相を乱す
ことなく信号レーザ光を放射した送信装置の例を以下に
説明する。
【0057】送信装置の構成は図1に示したものと同様
である。送信信号に応じてGaAs/AlGaAs系波
長可変半導体レーザ素子10の発振波長(約850n
m)を変調する。半導体レーザ素子10の出力レーザ光
は立体角Φ=40°で縦横等方の発散光(光波の等位相
面が球面である球面波)として空間を伝播するようにし
た。ここでは、この立体角Φを制御する方法として、半
導体レーザ素子10自身の導波路形状により制御する方
法を採用した(一般に知られているように半導体レーザ
素子10の活性層厚さや横方向の光導波路幅を制御し
た)。
【0058】このような放射パターンで空間に放射され
たレーザ光の放射可能パワー(人体に悪影響を及ぼさな
いパワー)を図15に示す(JIS規格に準拠)。通
常、波長850nmの波長可変半導体レーザで出力する
ことができるレーザパワーは20mW程度である。従っ
て、図15より本実施例装置における放射立体角Φの値
としては30°以上が必要であることが分かる。空間伝
送においては受信装置の位置に関係無く伝送を可能とす
るためには送信光の放射立体角が大きいほど望ましい
が、放射立体角を大きくすると受信装置位置における信
号光パワー密度は小さくなり伝送可能距離が短くなる。
従って、適用するシステムの要求(伝送速度、伝送距
離、受信位置の自由度、等)に応じて送信光の放射立体
角は選定することが望ましい。上述のような信号光とし
て球面波を用いることにより、光波の等位相面は球面と
なり、受信装置において受信する信号光はスムースな位
相面を有していることとなる。従って、受信の際の局部
発振光と信号光の混合効率を高く維持することが可能と
なる。また、より信号光と局部発振光の混合効率を高め
るためには、局部発振光の波面の進行方向と信号光の波
面の進行方向を一致させるように制御するための波面同
調機能を受信装置に併せ持たせることが望ましい。
【0059】また、図15から分かるように、信号光の
波長をより長波長に選定することにより安全性は向上
し、同一放射立体角条件下での放出可能レーザ光パワー
は増大する(逆に20mWの信号レーザ光を放射する場
合に最低必要となる放射立体角Φは、波長が長いほど小
さくなる)。すなわち、20mW出力の波長が1.3μ
mより長いレーザ光を信号光として用いた場合の放射立
体角Φの最小値は約20°である。
【0060】次に本発明の第6の実施例を説明する。
【0061】本発明の重要な構成要素である相対的波長
(光周波数)同調機能についてより詳細に説明する。図
16に送信装置の構成図を示す。送信装置は、ある一定
基準電流を発生させる基準電流発生回路1601、送信
すべきデジタル信号により変調を受けた電流を発生させ
る信号電流発生回路1602、基準光発生時間を設定す
るタイミング発生回路1603、タイミング発生回路1
603の出力に従って基準電流と信号電流を切り替える
機能を果すスイッチ回路1604、スイッチ回路160
2の出力電流に従って発振光周波数が変調されたレーザ
光を発生させると共にある放射立体角をもってそのレー
ザ光を空間に放射する機能を併せ有するレーザ素子16
05からなっている。
【0062】本実施例送信装置の動作原理を以下に説明
する。タイミング発生回路1603からは信号128ビ
ット送信ごとに0.5μsの時間だけ基準光発生タイミ
ング(パルス)を発生させる。スイッチ回路1604
は、このパルスがONの時のみ基準電流発生回路160
1からの基準電流をレーザ素子1605に、OFFの時
には信号電流発生回路1602からの信号電流をレーザ
素子1605に流すように制御する。これにより、図1
8に示すようにレーザ素子1605は0、1信号に対応
しν0 、ν1 の異なる光周波数を有するレーザ光を発生
させる合間に、0.5μs間だけ基準光周波数νr を有
するレーザ光を発生させることとなる。この基準光周波
数νr とはν0 、ν1 とは無関係に選択することが可能
であるが、|νr −ν0 |および|νr −ν1 |の値が
受信装置の周波数弁別範囲より小さいことが必要であ
る。ここでは|νr −ν0 |=1GHz、|νr −ν1
|=2GHzとした。ただし、図示したようにνr <ν
0 <ν1 である必要はなく、例えばν0 <νr <ν1
ν0 <ν1 <νr でも良い。
【0063】次に、受信装置について説明する。図17
に受信装置の構成図を示す。受信装置は、空間を伝播し
てきた信号光を集光するレンズ1701と、局部発振レ
ーザ光を発生させる局部発振レーザ素子1702と、信
号光と局部発振光とを混合する合波素子1703、合波
した信号光と局部発振光を光電変換する受光素子170
4、受光素子1704の出力信号の周波数を電圧に変換
する周波数弁別回路1705、周波数弁別回路1705
の出力から送信装置(図16)において設定された基準
光発生タイミングを抽出するタイミング抽出回路170
6、タイミング抽出回路1706の出力に従って周波数
弁別回路1705の出力を信号判定回路1708と比較
回路1709に切り替えるスイッチ回路1707、基準
光の光周波数により発生されるビート信号の周波数弁別
電圧と設定電圧を比較しその差に比例した電圧を発生さ
せる比較回路1709、比較回路1709の出力に従っ
て局部発振レーザ素子1702の光周波数制御電極に流
す電流値を調整する制御回路1710、および局部発振
レーザ素子1702を駆動するためのレーザ駆動回路1
711から構成されている。
【0064】以下に本実施例受信装置の動作原理を説明
する。基準光周波数を含む送信信号光と局部発振光を混
合し受光することにより両光の光周波数差に対応したビ
ート信号が検出される。局部発振レーザ光は通常一定の
電流により駆動されているため光周波数に短期的にはほ
とんど変化しない。従って、ビート信号周波数は図18
に示した光周波数と同等の変化を示し、ビート信号を周
波数弁別回路1705の出力も同様の変化を示す(図1
8の右側の縦軸)。この信号より、基準光発生期間をタ
イミング抽出回路1706により抽出し、その期間の出
力を比較回路1709により外部から設定された設定値
(基準値)と比較する。制御回路1710は比較回路1
709の出力に従ってレーザ駆動回路1711を介して
局部発振レーザ素子1702に注入する電流を調節す
る。このように信号光の基本光周波数と局部発振光の光
周波数の差を随時同調させることにより信号光の基準光
周波数と局部発振光の光周波数の差を設定した値に常に
一致させることができる(「随時同調検波方式」)。す
なわち、信号光の基準周波数と局部発振光の光周波数を
相対的に一致させることができるわけである。
【0065】上述のように光周波数を同調するための信
号期間を設定することにより、実施例1で述べたような
AMI方式符号化を実施することなく、局部発振光の光
周波数を信号光の基準光周波数と一定の差を有するよう
に制御することが可能となった。本方法では基準光発生
期間の繰り返し周期が重要なパラメータである。何故な
ら、送信レーザ素子1605と局部発振レーザ素子17
02の定電流状態駆動条件において相対的にその発振光
波長がずれる外乱の時定数と同等かまたは短い周期で光
周波数同調動作を繰り返す必要があるからである。一般
に、定電流動作下での半導体レーザ素子の光周波数(波
長)が変化する要因は素子内部の温度が微妙に変化する
からである。このような熱に起因する光周波数変化の時
定数は高々1μs程度である。従って、上記の基準光発
生の繰り返し周波数としては1MHz〜2MHz程度が
最適であり、本実施例では1MHzを選択した。
【0066】次に、本発明の第7の実施例を説明する。
【0067】当然ながら、本実施例では基準光発生期間
は信号を送信することが不可能であるため、その期間を
短くすると共にその繰り返し周波数を出来るだけ遅くす
ることが望ましい。図19(図17と同等の機能を有す
る回路には同じ番号を付した)に示した実施例装置で
は、基準光発生期間を短縮するために比較回路1709
の手前にホールド回路1901を挿入すると共に、タイ
ミング抽出回路1706の出力により信号復調のタイミ
ングおよび電圧値をホールドのタイミングを設定した。
これにより、比較回路1709や制御回路1710の応
答時間に関係無く、基準光抽出回路の応答時間とホール
ドに必要な時間の合計(30ns程度)にまで基準光放
射時間を短縮することが可能となった。
【0068】次に本発明の第8の実施例を説明する。
【0069】実施例1で説明した「基準光検出型検波方
式」においてはビート信号の平均周波数が一定とするこ
とが必要なため信号変調方式としてAMI方式(図3)
を採用した。しかしながら、AMI方式の場合には3値
のデジタル信号伝送となるため同一の信号対雑音比の状
況下ではビット誤り率が2値伝送より劣化する問題があ
る。また、他の信号符号化方式(マンチェスタ方式等)
も考えられるが、その場合においても伝送すべき信号帯
域の倍以上の伝送帯域が必要となる問題点がある。ま
た、通常の2値の光周波数シフト・キーイング(FS
K)で変調された信号を伝送した場合には図4に示した
回路構成では、伝送される信号列のマーク率(0と1の
出現比率)により、検出される平均光周波数弁別出力が
変化する。そのため、信号光の基準光周波数と局部発振
光の光周波数の差を一定に保つことができなくなる。そ
こで、本実施例では信号のマーク率を別途検出し、光周
波数同調用の制御回路にフィードバックすることにより
局部発信光の光周波数を同調させる装置について説明す
る。
【0070】図20に本実施例受信装置の構成図を示
す。本実施例受信装置は、局部発振光発生用レーザ素子
2002、信号光と局部発振光とを混合するための合波
器2003、受光素子2004、周波数弁別回路200
5、信号判定回路2008、平均値検出回路2012、
2013、制御回路2010、レーザ駆動回路201
1、および演算回路2014から構成されている。
【0071】本実施例受信装置の動作について説明す
る。送信光と局部発振光は合波器2003により混合さ
れ受光素子2004にて電気信号に変換される。受光素
子2004の出力には前述のように両光の光周波数差に
対応するビート信号が検出される。このビート信号の周
波数を周波数弁別回路2005により検出し電圧として
出力する。この出力電圧を信号判定回路2008により
しきい値処理を施し0、1の信号を判定した後にその信
号列(復調信号)を出力する。一方、周波数弁別回路2
005の出力は平均値検出回路(低域通過フィルタ:L
PF)2012によりその平均値を求める。また、信号
判定回路2008の出力も同様の平均値検出回路(LP
F)2013に通し信号電圧の平均値(マーク率)を求
める。次に、このマーク率出力と一定の設定電圧を演算
回路2014に入力し、局部発振光の光周波数の設定値
を出力する。この局部発振光周波数の設定値と実際に求
められた平均周波数弁別出力との差を一定とすべく、制
御回路2010によりレーザ駆動回路2011に電圧を
出力し、局部発振レーザに注入する電流値を調節するこ
とにより、局部発振光と送信光の基準光との波長(光周
波数)同調を実現する。
【0072】本方式によれば、通常の回路構成にマーク
率検出回路(LPF2013および演算回路2014)
を付加することにより、AMI符号等の特別の符号化方
式を採用することなく送信光の基準光周波数と局部発振
レーザ光の光周波数を同調させることが可能となった。
すなわち、図20におけるシステムで「基準光検出型検
波方式」による波長同調機能を実現することができた。
【0073】上記の説明においては初期状態として光周
波数が同期下状態を仮定して説明したが、実際には伝送
開始前の初期設定動作としては、まず送信装置よりある
定まったマーク率を有する信号列(例えば000000
…や101010…)に対応する光FSK信号を発生さ
せ、復調信号出力(または周波数弁別出力)が所定の値
となる(同調する)まで局部発振レーザ光の光周波数を
走査する動作が必要である。このような動作も図20に
示した回路と外部制御装置(マイコン等:図示せず)を
用いて実現可能であった。
【0074】次に本発明の第9の実施例を説明する。
【0075】本発明における相対的波長同調手段として
局部発振光に信号光の波長を同調させる方式(実施例1
中で概要を記述した「自己干渉型検波方式」)のより具
体的な構成について説明する。図11は本実施例装置に
おける送信装置の構成図を示している。本実施例では、
送信装置側で信号光の基準波長を受信装置から空間に発
せられた局部発振光の波長に同調させるものである。こ
の場合には受信装置において発生させた局部発振光の一
部を空間放射させる(レーザ光に対する人体の安全性を
確保するために図15に示した範囲の発散光とする)。
一方、送信装置においては、空間を伝播してくる局部発
振光の一部を送信装置内に取り込み、ビーム・スプリッ
タや導波路型光波混合素子等の合波手段1103で信号
光と混合した後に受光素子1104で光電変換する。信
号光は前述までの実施例と同様に送信信号に応じてレー
ザ駆動回路1101により波長可変レーザ素子1102
に注入する電流値を変調した。信号光は2分され一方は
発散信号光として空間には放射され、残りの部分を送信
装置内部において局部発振光と混合検波した。本実施例
における信号光を2分するための手段としては、波長可
変レーザ素子1102の両共振器端面から出射される同
等の2光(前方出射光と後方出射光)をそのまま利用し
た。受光素子1104で光電変換された信号には局部発
振光と信号光との光周波数差(波長差)に応じた交流成
分が検出される。この交流成分を周波数弁別手段110
5により電圧値に変換した。次に、この周波数弁別出力
を低域通過フィルタ1106を通し、局部発振光と信号
光の基準光との平均的光周波数差に相当した信号を検出
した。本実施例ではこの平均的光周波数差がマーク率に
依存して変化しないように前述のAMI方式の信号変調
方式を採用した。差動増幅回路1107においては平均
的光周波数差信号と外部より設定する設定電圧値の差に
応じた電圧を発生させ、その電圧値を一定とすべく制御
回路1108により波長可変レーザ素子1102に注入
するバイアス電流を制御した。
【0076】このような構成の送信装置を使用すること
により、受信装置において波長同調のための帰還制御シ
ステムを利用することなく、コヒーレント検波を実現す
ることが可能となった。従って、受信装置としては図1
2に示したような帰還制御システムを必要としない構成
とした。より詳細な動作原理を以下に説明する。局部発
振レーザ素子1202を駆動回路1201により一定条
件で駆動し、局部発振光を発生させる。局部発振光を2
分し、一方は空間に発散光として放射し、他方は受信装
置内部において空間を伝播してきた信号光と合波器12
03に混合し、受光素子1204により光電変換した。
光電変換出力から信号を再生する方法は前述の実施例と
同様であり、周波数弁別回路1205と信号判定回路
(コンパレータ)1210により実現した。
【0077】送信装置および受信装置を以上のような構
成とすることにより、受信装置を簡素化し、かつ相対的
波長同調を実現することが可能となった。このような、
受信装置の簡素化は受信装置を小型、低消費電力化する
ために効果があり、受信装置を電池駆動のハンディータ
ーミナルとすることが可能となった。
【0078】また、同様の自己干渉型波長同調方式は送
信装置、受信装置を同様の構成(図11の構成)とし、
双方向伝送を実施する場合にも利用することが可能であ
った。
【0079】本実施例では、送信装置に設けた信号基準
光と局部発振光との光周波数差検出方式としてAMI符
号化方式を利用したが、図20にて説明したマーク率を
検出し設定電圧を比較する構成や、図16、図17にて
説明したような随時同調方式も、適用することも可能で
あった。
【0080】以上、様々の実施例を説明したが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではなく、実施例か
ら容易に類推させる以下のような場合にも同様の効果を
期待することができる。
【0081】(1)伝送信号の変調方式や符号化方式が
異なる場合 (2)システムの具体的構成が異なる場合(例えば、
「0 plus E」1990年1月号、pp. 82〜91、参照) (3)具体的にシステムを構成する個々のデバイスが実
施例と異なる場合(例えば「0 plus E」1990年1月
号、pp. 92〜131 、または菊池による「電子通信学会
史」1986年8月号、p.816 〜823 参照) (4)送信光パワーが人体に影響がない範囲で実施例と
異なる場合
【0082】
【発明の効果】以上説明したように本発明の空間光伝送
装置は、コヒーレント光の波長または位相を伝送すべき
信号に応じて変調し信号光を生成する生成する手段、お
よび前記信号光を球面波状の発散光とする発散光放射手
段を有する送信装置と、コヒーレントな局部発振光を発
生する手段、信号光と前記局部発振光と混合した後に受
光する光電変換手段、該光電変換手段出力より信号光と
局部発振光の光周波数差を検出する周波数弁別手段、及
び該周波数弁別手段の出力から信号を再生する信号再生
手段を有する受信装置とを備えており、受信装置または
送信装置のいずれかに信号光の基準波長と局部発振光の
波長の差を所定の値とするように局部発振光波長または
信号光の基準波長を制御する相対的波長同調手段を有す
るので、動画などの情報をワイヤレスで伝送することを
可能とする高速・高感度な空間光伝送装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の空間光伝送装置の構成
図である。
【図2】第1の実施例の空間光伝送装置における各段階
での信号波形である。
【図3】AMI符号化方式による信号変調の例を示す図
である。
【図4】ビート信号用信号復調回路の構成例を示す図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例の空間光伝送装置の構成
図である。
【図6】第2の実施例の空間光伝送装置における各段階
での信号波形である。
【図7】本発明の空間光伝送装置に適用可能な送信ユニ
ットの構成図である。
【図8】本発明の空間光伝送装置に適用可能な受信ユニ
ットの構成図である。
【図9】本発明の空間光伝送装置に適用可能な他の受信
ユニットの構成図である。
【図10】本発明の第3の実施例の空間光伝送装置の受
信ユニットの部分構成図である。
【図11】本発明の第9の実施例における送信装置の構
成図である。
【図12】本発明の第9の実施例における受信装置の構
成図である。
【図13】従来の空間光伝送装置の構成図である。
【図14】従来例装置における伝送光信号波形である。
【図15】本発明の第5の実施例の送信装置における送
信装置における送信レーザ光の空間放射可能パワーの波
長、放射立体角依存性を示すグラフである。
【図16】本発明の第6の実施例における送信装置の構
成図である。
【図17】本発明の第6の実施例における受信装置の構
成図である。
【図18】本発明の第6の実施例における送信レーザ光
の光周波数変化を示すグラフである。
【図19】本発明の第7の実施例における受信装置の構
成図である。
【図20】本発明の第8の実施例における受信装置の構
成図である。
【符号の説明】 10 波長可変半導体レーザ 11 制御回路 12 レーザ光放射窓 13 偏光フィルタ 14 フィルタ 15 集光レンズ 16 局部発振用半導体レーザ 17 受光素子 18 信号処理回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/06 8220−5K H04B 9/00 S (72)発明者 河西 秀典 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 矢野 盛規 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 瀧口 治久 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由空間を伝播するコヒーレント光の光
    周波数または位相を変調することにより情報を伝送する
    空間光伝送装置であって、 コヒーレント光の波長または位相を伝送すべき信号に応
    じて変調し信号光を生成する生成する手段、および前記
    信号光を球面波状の発散光とする発散光放射手段を有す
    る送信装置と、 コヒーレントな局部発振光を発生する手段、信号光と前
    記局部発振光と混合した後に受光する光電変換手段、該
    光電変換手段出力より信号光と局部発振光の光周波数差
    を検出する周波数弁別手段、及び該周波数弁別手段の出
    力から信号を再生する信号再生手段を有する受信装置と
    を備えており、 かつ受信装置または送信装置のいずれかに信号光の基準
    波長と局部発振光の波長の差を所定の値とするように局
    部発振光波長または信号光の基準波長を制御する相対的
    波長同調手段を有することを特徴とする空間光伝送装
    置。
  2. 【請求項2】 前記相対的波長同調手段と、 波長同調用時間を設定する時間設定手段、該時間設定手
    段により設定された時間中に信号光の波長変調手段に印
    可する信号を一定値とするスイッチング手段を有する送
    信装置と、 再生信号より前記波長同調用時間を抽出する時間抽出手
    段、該時間抽出手段により出力される時間内に前記周波
    数弁別手段出力と設定電圧との差を検出する波長差検出
    手段、及び波長差検出手段出力を一定とすべく局部発振
    レーザ素子の駆動条件を制御する制御手段を有する受信
    装置とを備える請求項1に記載の空間光伝送装置。
  3. 【請求項3】 前記相対的波長同調手段と、 前記周波数弁別手段出力を時間平均し周波数差の平均値
    に相当する電圧を出力する平均周波数差検出手段、前記
    信号再生手段出力より信号のマーク率に応じた電圧を発
    生させるマーク率検出手段、検出したマーク率に応じて
    基準電圧を発生させる基準電圧発生手段、該基準電圧と
    前記周波数差の平均値に相当する電圧の差に応じた制御
    電圧を発生させる制御電圧発生手段、及び制御電圧値に
    応じて局部発振レーザ素子の駆動条件を制御する制御手
    段を有する受信装置を備える請求項1に記載の空間光伝
    送装置。
  4. 【請求項4】 前記相対的波長同調手段と、 局部発振光の一部を空間に発散光として放射する手段を
    有する受信装置と、 前記拡散局部発振光と前記信号光とを混合した後に受光
    する光電変換手段、該光電変換手段出力より局部発振光
    と信号光の光周波数差を検出する周波数弁別手段、該周
    波数弁別手段の出力から局部発振光と信号光の基準光と
    の光周波数差を検出する手段、及び該周波数差信号と基
    準電圧を比較しその差を一定になるように信号光の基準
    波長を制御する制御手段を有する送信装置とを備える請
    求項1に記載の空間光伝送装置。
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