JPH0611063A - 流体制御弁 - Google Patents

流体制御弁

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JPH0611063A
JPH0611063A JP4162551A JP16255192A JPH0611063A JP H0611063 A JPH0611063 A JP H0611063A JP 4162551 A JP4162551 A JP 4162551A JP 16255192 A JP16255192 A JP 16255192A JP H0611063 A JPH0611063 A JP H0611063A
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JP
Japan
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magnetic field
fluid
control valve
valve body
fluid control
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JP4162551A
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English (en)
Inventor
Takasuke Kaneda
敬右 金田
Osamu Yoneda
修 米田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で信頼性が高く、かつ、流体の微
量な流量制御が可能な磁歪素子を使用した流体制御弁の
提供を目的とする。 【構成】 磁歪素子の変位を利用して流体の流れを制御
する流体制御弁を、流体通路の管体1の周囲に配置され
た磁界を発生させる磁界発生部3と、この磁界発生部の
内側の前記管体内に配置され、磁界発生部3からの磁界
により管体の軸方向に伸長または収縮する最低1つの磁
歪素子2と、磁歪素子2の上流側および下流側に設けら
れ、この磁歪素子2を磁界発生部3の内側の管体1内に
位置決めする2つの位置決め部材4, 7とから構成し、2
つに位置決め部材4, 7の設置間隔は、少なくとも磁歪素
子2の最大伸長時の全長に等しくし、かつ、2つの位置
決め部材4, 7には管体1内の流体がスムーズに通過でき
る開口を設けて構成する。この結果、磁界発生量に応じ
て磁歪素子2が変位して直径が変化し、管体1を流れる
流体の流量が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体制御弁に関し、特
に、磁界が印加された時に変位する磁歪素子の変位を利
用して流体の流れを制御する流体制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、管内を流れる流体の流量を制御す
る手段としては、スプリング等で付勢されたプランジャ
で流路を閉止しておき、ソレノイドに通電することによ
ってこのプランジャをスプリングの付勢力よりも大きな
力で吸引して開弁させる電磁弁が一般的に使用されてい
た。
【0003】ところが、この電磁弁による流体の制御で
は、ソレノイドに通電した時のプランジャの移動量が大
きいので、流体のオンオフ制御は可能であるが、流体の
微量な流量制御が難しかった。また、流体が高圧流体で
ある場合には、プランジャの管体の開閉動作が緩慢にな
ったり、弁の開閉動作が困難になったりする不具合があ
った。
【0004】そこで、近年、磁界が印加された時に変位
する磁歪素子を管体内の流体の流れと垂直方向に配置
し、一方、管体内には弁座と弁体とを設けてこの弁体に
前述の磁歪素子を接続し、磁歪素子の軸方向の変位を利
用して弁体と弁座との間隔を調整することによって流体
の流量を制御する流体制御弁が提案されている。(特開
平3−9179号公報参照)。この磁歪素子を使用した
流体制御弁では、印加する磁界の大きさによって磁歪素
子の変位量が変化するので、微量な流量制御が可能であ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−9179号公報に示される従来の流体制御弁は、流
体の流れ方向に対して垂直方向に磁歪素子を配置し、こ
の磁歪素子の変位で弁体と弁座との間隔を調節して流量
を制御するために、装置が非常に複雑な構造となる上
に、流体のシール機構も複雑となって信頼性に欠けると
共にコストが高いという問題点があった。
【0006】そこで、本発明は、構造が簡単で信頼性が
高く、かつ、流体の微量な流量制御が可能な磁歪素子を
使用した流体制御弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明は、磁歪素子の変位を利用して流体の流れを制御する
流体制御弁であって、流体通路の管体の周囲に配置され
た磁界を発生させる磁界発生部と、この磁界発生部配置
部位の内側の前記管体内流路に配置され、前記磁界発生
部からの磁界により径方向に伸長または収縮して前記流
路を開閉する少なくとも1つの磁歪素子と、前記磁歪素
子の上流側および下流側の流路に設けられ、この磁歪素
子を前記管体内流路に位置決めする2つの位置決め部材
とを備え、前記2つに位置決め部材の設置間隔は、少な
くとも前記磁歪素子の最大伸長時の全長に等しくされ、
かつ、前記2つの位置決め部材には前記管体内の流体が
スムーズに通過できる開口が設けられていることを特徴
としている。
【0008】
【作用】本発明の流体制御弁によれば、磁界発生部から
の磁界の発生量に応じて、磁歪素子が伸長したり収縮し
たりして変位して弁体の機能は果たし、流体の流量が制
御される。すなわち、磁界発生部に磁界の発生がない時
は磁歪素子が管体の内壁に密着して流体を閉止している
ものにあっては、磁界発生部に磁界発生がある時にその
磁界発生量に応じて磁歪素子が伸長し、この伸長量に応
じて磁歪素子の直径が収縮する。この結果、直径方向に
収縮した磁歪素子と管体との隙間から、磁歪素子の収縮
度合いに応じて流体が流れ、磁界発生部からの磁界発生
量に応じて管体を流れる流体の流量が増大する方向に制
御される。また逆に、磁界発生部に磁界の発生がない時
に磁歪素子が直径方向に最大限伸長し、管体との隙間か
ら磁歪素子の収縮度合いに応じて流体が流れるものにあ
っては、磁界発生部に磁界発生がある時にその磁界発生
量に応じて磁歪素子が収縮し、この収縮量に応じて磁歪
素子の直径が増大して流量が低減される。この結果、磁
界発生部からの磁界発生量に応じて管体を流れる流体の
流量が低下する方向に制御される。
【0009】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明の流体制御弁10の一実施例
の構成を示すものである。図において、1は流体制御弁
の外管、2は磁界が印加された時に伸長する正特性の超
磁歪材料からなる弁体、3は磁界を発生させるコイル、
4は上部台座、5はスプリング、6は金具、7は下部台
座である。超磁歪材料からなる弁体2は、流体制御弁1
0の外管1の内壁に理想的にはクリアランス0で内接さ
せ、下部台座7に接着することなく固定する。また、超
磁歪材料からなる弁体2の上面には金具6を片当たりす
ることなく設け、この金具6と上部台座4との間にはス
プリング5を圧縮状態で取り付ける。このスプリング5
により超磁歪材料からなる弁体2には常に均一な圧縮過
重が印加される。
【0010】図2は上部台座4と下部台座7の形状の一
例を示すものであり、図1のA−A線およびB−B線に
おける矢視図を示している。下部台座7は超磁歪材料か
らなる弁体2を受け止め、上部台座4はスプリング5の
上端を固定するために設けられるが、外管1内の流体は
スムーズに通過させる必要がある。従って、(a) に示す
例では上部台座4と下部台座7は十文字状をしており、
外管1との隙間から流体が流れるようになっている。
(b) に示す例では円板状の板の中央部に複数個の穴7a
が設けられている。この例のものは、上部台座4として
は問題なく使用することができるが、これを下部台座7
として使用する場合には、超磁歪材料からなる弁体2の
底面に穴7aに通じる溝を設ける必要がある。
【0011】正特性の超磁歪材料としては、Tb0.3
0.7 Fe1.9が使用できる。また、外管1は、非磁
性材料、例えばステンレス,SUS等で構成すれば良
く、更に、、上部台座4と下部台座7は、磁性材料、非
磁性材料のどちらを使用しても良い。なお、正特性の超
磁歪材料の組成の割合、台座4,7の形状はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0012】以上のように本発明の流体制御弁10の構
成は非常に簡素である。次に、正特性の超磁歪材料を用
いた場合について、前述のように構成された流体制御弁
10の動作を図3を用いて説明するが、この図には説明
を簡単にするために、スプリング5,金具6,上下の台
座4,7は図示を省略してある。図3(a) に示すよう
に、コイル3に通電が行われず磁界が0の時は、超磁歪
材料からなる弁体2の外周と外管1の内周がクリアラン
ス0で内接しているので、超磁歪材料からなる弁体2の
上部の外管1内に溜まっている高圧の流体8は超磁歪材
料からなる弁体2に遮断されて流体制御弁10を通過出
来ない。ここで、図3(b) に示すようにコイル3に通電
が行われて磁界が発生すると、その磁界の印加により超
磁歪材料からなる弁体2が軸方向に伸長し、径方向に収
縮する。この結果、超磁歪材料からなる弁体2の外周部
と外管1の内周部との間に隙間が生じ、この間を流体8
が流れる。この流体8の流量は磁界の大きさ、即ち、コ
イル3に流す電流の大きさによって容易に制御可能であ
る。
【0013】ここで、超磁歪材料からなる弁体2が伸長
した時の弁体2の外周部と外管1の内周部との隙間の断
面積Sについて説明する。超磁歪素子の縦歪みをλ
1 (伸び方向を正とする)、横歪みをλ2 (縮み方向を
正とする)とすると、体積磁歪は0であるので、以下の
式が成立する。 λ2 = 1/2λ1 また、超磁歪材料からなる弁体2の外径をdとすると、
隙間断面積Sは次式、 S=π/2×λ2 ×d2 の関係になり、λ1 =1000ppm、λ2 =500p
pmとすると、断面積Sと外径dの関係は図4のように
なる。例えば、PZTを用いた燃料噴射弁のノズル先端
噴口部の断面積が0.12mm2 程度であるので、φ1
3の磁歪材料を使用すれば、本発明の流体制御弁により
同様な燃料噴射弁が実現できることになる。
【0014】なお、本発明の流体制御弁の構成として
は、基本的には外管1に内接させた超磁歪材料からなる
弁体2と、外管1の外周部に設けたコイル3だけで良い
が、前述の実施例では、外管1に内接させた超磁歪材料
からなる弁体2に金具6、スプリング5、および台座4
を設けて荷重を印加するようにしている。このように、
圧縮過重を超磁歪材料からなる弁体2に印加する理由
は、荷重を印加することによって磁歪量が大きくなるか
らである。図5は圧縮応力と発生変位との関係を示す図
であり、この図分かるように、超磁歪材料の特性上、
0.5kgf/mm2〜3kgf/mm2 まで圧縮応力
が加わっている時が、超磁歪材料の伸び量が大きく、径
方向の縮みも大きくなるからである。
【0015】以上のように、本発明の流体制御弁は、流
体中で使用するため、コイル3での発熱による影響が少
なく、リニアな制御が可能である。また、オイル中、或
いは非水径で本発明の流体制御弁を使用すると、大気雰
囲気で使用される時よりも腐食条件が緩和されるので、
信頼性が向上する。以上の実施例では、磁界が印加され
た時に伸長する正特性の超磁歪材料からなる弁体2を使
用した構成について説明したが、通常は伸長しており、
磁界が印加された時に収縮する負特性の超磁歪材料から
なる弁体2′を使用して流体制御弁10′を構成するこ
ともできる。負特性の超磁歪材料としてはSmFe2
使用できる。この場合の構成は図1と全く同じで良いの
でその構成に付いては説明を省略し、その動作について
図6を用いて説明する。なお、図6も図3と同様に、図
1の構成において、スプリング5,金具6,上下の台座
4,7は図示を省略してある。
【0016】図6(a) に示すように、コイル3に通電が
行われず磁界が0の時は、負特性の超磁歪材料からなる
弁体2′は軸方向に伸長し、径方向に収縮している。従
って弁体2′の外周部と外管1の内周部との間には隙間
が有り、この間を流体8が流れる。ここで、図6(b) に
示すようにコイル3に通電が行われて磁界が発生する
と、その磁界の印加により負特性の超磁歪材料からなる
弁体2′が軸方向に収縮し、径方向に伸長する。この結
果、弁体2′の外周と外管1の内周がクリアランス0で
内接することになり、弁体2′の上部の外管1内の流体
8は弁体2′に遮断されて流体制御弁10′を通過出来
なくなる。この実施例でも流体8の流量をコイル3に流
す電流の大きさによって制御可能であるが、一般的には
この実施例の流体制御弁10′は常時は流体を流し、止
めたい時に磁界印加することで流量制御を行う用途、例
えば、ガス等の流量制御弁に使用される。この用途にお
いては負特性の超磁歪材料の使用によりエネルギーの消
費量を少なくできる。
【0017】次に、磁界が印加された時に伸長する正特
性の超磁歪材料からなる弁体2と、通常は伸長しており
磁界が印加された時に収縮する負特性の超磁歪材料から
なる弁体2′の両方を使用した流体制御弁20について
図7を用いて説明する。なお、図7にはスプリング5,
金具6,上下の台座4,7は図示を省略してある。図7
の実施例の流体制御弁20は2種類の流体AとBとを切
り換えるように構成されており、その筐体24には流体
Aの流入口21と流体Bの流入口22が対向する位置に
設けられており、その中間部分に流体AまたはBの流出
口23が設けられている。そして、流体Aの流入口21
と流出口23の間の流路内に正特性の超磁歪材料からな
る弁体2が設けられ、流体Bの流入口22と流出口23
の間の流路内に負特性の超磁歪材料からなる弁体2′が
設けられている。更に、弁体2,2′の外側の筐体24
には共通コイル3C、正特性の超磁歪材料からなる弁体
2への磁界印加用のコイル3Pと負特性の超磁歪材料か
らなる弁体2′への磁界印加用のコイル3Nとが設けら
れている。
【0018】図7(a) の流体制御弁20では、コイル3
C,3N,3Pの何れにも通電がなされず、磁界が印加
されていない時には、正特性の超磁歪材料からなる弁体
2は閉弁状態にあり、負特性の超磁歪材料からなる弁体
2′は開弁状態にある。従って、流入口22からの流体
Bが弁体2′を経て流出口23から排出される。この状
態でコイル3C,3N,3Pに通電が行われて磁界が印
加された時は、図7(b) に示すように、正特性の超磁歪
材料からなる弁体2が開弁状態となり、負特性の超磁歪
材料からなる弁体2′が閉弁状態になる。従って、流入
口21からの流体Aが弁体2を経て流出口23から排出
される。この構成の流体制御弁20は構造が簡単で、微
量の流量制御が可能である。
【0019】以上の動作では弁体2,2′が開弁状態と
閉弁状態の何れかの状態に制御されたが、図7(a) の状
態で弁体2′に磁界を印加して閉弁させるか、または図
7(b) の状態で弁体2に磁界を印加して閉弁させると、
流体A,Bが共に遮断される状態となる。また、コイル
3C,3N,3Pへの通電量を変化させることにより、
弁体2,2′の開弁量を調節すれば、流体A,Bを混合
して流出口23から排出することもでき、また、その混
合率も制御することが可能である。更に、この実施例の
流体制御弁20は、流出口23から流体を流入させ、流
入口21,22から流体を排出するようにすれば、流体
の分配器としても使用することができる。
【0020】次に、磁界が印加された時に伸長する正特
性の超磁歪材料からなる弁体2を用い、2つの流体の一
方を単独で得たり、一方の流体に他方の流体を連続的に
かつ微量精密に混合した混合流体を得ることができる流
体制御弁30について図8を用いて説明する。この実施
例の流体制御弁30は、例えば、液体医薬品等の混合器
やガスの混合器等として使用することができる。なお、
図8にはスプリング5,金具6,上下の台座4,7は図
示を省略してある。
【0021】図8の実施例の流体制御弁30の筐体34
には、流体Aの流入口31と流体Bの流入口32、およ
び流体Bのみ、または混合流体A+Bの流出口33がこ
の順にずれて設けられている。そして、流体Aの流入口
31と流体Bの流入口32との間の流路内に正特性の超
磁歪材料からなる弁体2が設けられている。更に、弁体
2の外側の筐体34にはコイル3が設けられている。
【0022】図8(a) の流体制御弁30はコイル3に通
電がなされず、磁界が印加されていない時の状態を示し
ており、正特性の超磁歪材料からなる弁体2は閉弁状態
にある。従って、流入口31からの流体Aは弁体2によ
り遮断され、流入口32からの流体Bのみが流出口33
から排出される。この状態でコイル3に通電が行われて
磁界が弁体2に印加された時は、図8(b) に示すよう
に、正特性の超磁歪材料からなる弁体2が開弁状態とな
り、流入口31からの流体Aが弁体2を経て流入口32
からの流体Bと混合され、混合流体A+Bが流出口33
から排出される。この実施例の流体制御弁30も構造が
簡単で、連続した混合ができ、かつ、微量制御が可能で
ある。
【0023】磁界が印加された時に収縮する負特性の超
磁歪材料からなる弁体2′をこの実施例に使用した場合
は、磁界の印加がない状態で混合流体A+Bが流出口3
3から排出され、磁界の印加がある状態で流体Bのみが
流出口33から排出されることになる。この実施例の流
体制御弁30は流入口31からの流体Bを、流出口33
のみ、または流出口33および流入口31の両方から排
出させるという使い方も可能である。
【0024】図9は図1の構成の流体制御弁10におい
て、弁体2を軟磁性材9で挟んだ実施例の流体制御弁4
0を示すものであり、図9(a) が磁界の印加がない状
態、図9(b) が磁界が印加された状態である。弁体2は
正特性の超磁歪材料から構成されているので、図9(a)
では弁体2が閉弁状態にあって流体8が遮断され、図9
(b) では弁体2が開弁して流体8が流れている。このよ
うに、弁体2を軟磁性材9で挟むと、小さな電流で超磁
性材を駆動でき、かつ、コイル3の巻数も少なくできる
ので、駆動系を小型軽量化できる。
【0025】ところで、以上説明した超磁歪材料の最適
な駆動方法としては、図10に示す磁場Hと磁歪との関
係特性から分かるように、点Aの近傍で磁場Hを変化さ
せると大きな変位が得られるので、磁界バイアスをして
駆動することが望ましい。この方法としては以下に示す
3通りがある。 (1) コイルによる磁界バイアス この方法は、図11(a) に示すように、弁体2を内蔵す
る外管1の外側に第1のコイル3Aを設け、この第1の
コイル3Aの更に外側に第2のコイル3Bを設けて、第
1のコイル3Aからは弁体2に交流磁界を印加し、第2
のコイル3Bから直流磁界を印加するものである。
【0026】(2) 電源回路によるバイアス この方法は、図1の構成におけるコイル3に交流電流を
流す場合、通常は0を中心にした交流電流を印加するの
に対し、図11(b) に示すように、電流値Ioだけバイ
アスさせて印加するようにして、磁界バイアスを行うも
のである。 (3) 永久磁石によるバイアス この方法は図11(c) に示すように、弁体2を永久磁石
11で挟むことで磁界にバイアスをかけるものである。
【0027】以上のような駆動方法を実現する本発明の
流体制御弁としては、図12に示すような構造が望まし
い。すなわち、流体制御弁の外管1の内部に、磁界が印
加された時に伸長する正特性の超磁歪材料からなる弁体
2をクリアランスなく内装し、外管1の外側に磁界を発
生させるコイル3を配置し、弁体2の両側には永久磁石
11を取り付け、この永久磁石11を挟むように更に軟
磁性材料9を取り付ける。そして、軟磁性材料9の一方
は流体が通過可能な開口を備えた下部台座7に接着する
ことなく固定し、軟磁性材料9の他方は同じく流体が通
過可能な開口を備えた上部台座4にスプリング5を介し
て取り付ける。この構成によれば、コイル3の巻数も少
なくできると共に、小さな電流で超磁性材を駆動できる
ので、駆動系を小型軽量化できる。
【0028】なお、以上説明した各実施例の流体制御弁
において、外管1内の内壁の形状を図13(a) ,(b) に
示すような突起1A,1Bを備えた形状、あるいはこれ
らに準ずるような形状にすれば、流体の流量の制御は容
易になる。この場合、突起1A,1Bの個数は1つに限
定されるものではなく、複数でも構わない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の流体制御
弁によれば、磁歪素子の直径方向の伸縮を利用して流体
の流量を制御しているので、流体制御弁の動作信頼性が
高くなると共に、構造が簡単になり、かつ、流体の精密
な流量制御が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体制御弁の一実施例の構成を示す断
面図である。
【図2】(a) および(b) は図1の台座の実施例を示すも
のであり、図1のA−A線またはB−B線における矢視
図である。
【図3】図1の流体制御弁の弁体を正特性の超磁歪材料
で構成した場合の動作を示すものであり、(a) は磁界を
印加しない時の状態を示す図であり、(b) は磁界を印加
した時の状態を示す図である。
【図4】本発明に使用する超磁歪材料の外径とこれを弁
体として使用した時の外管との間の隙間との関係を示す
線図である。
【図5】図1の実施例において超磁歪材料からなる弁体
に荷重を印加する理由を説明するための、圧縮応力と発
生変位との関係を示す図である。
【図6】図1の流体制御弁の弁体を負特性の超磁歪材料
で構成した場合の動作を示すものであり、(a) は磁界を
印加しない時の状態を示す図であり、(b) は磁界を印加
した時の状態を示す図である。
【図7】正特性と負特性の2種類の超磁歪材料で構成し
た2つの弁体を使用した3方流体制御弁の動作を示すも
のであり、(a) は磁界を印加しない時の状態を示す図、
(b) は磁界を印加した時の状態を示す図である。
【図8】正特性の超磁歪材料で構成した弁体を使用した
3方流体制御弁の動作を示すものであり、(a) は磁界を
印加しない時の状態を示す図、(b) は磁界を印加した時
の状態を示す図である。
【図9】図1の流体制御弁の弁体を軟磁性材料で挟んで
構成した実施例の動作を示すものであり、(a) は磁界を
印加しない時の状態を示す図、(b) は磁界を印加した時
の状態を示す図である。
【図10】磁場Hと超磁歪材料の変位との関係を示す特
性図である。
【図11】超磁歪材料に大きな変位をさせるための磁界
バイアス駆動法を示すものであり、(a) はコイルによる
磁界バイアスを示す図、(b) は電源回路によるバイアス
を示す図、(c) は永久磁石によるバイアスを示す図であ
る。
【図12】図11の駆動方法を実現する本発明の流体制
御弁の好ましい構成を示す構成図である。
【図13】本発明の各実施例の流体制御弁において、外
管内の内壁の形状例を示すものであり、(a) は断面視半
円状の突起を設けた内壁の図、(b) は断面視三角形状の
突起を設けた内壁の図である。
【符号の説明】
1…外管 1A,1B…突起 2…正特性の超磁歪材料からなる弁体 2′…負特性の超磁歪材料からなる弁体 3,3A,3B,3C,3N,3P…コイル 4…上部台座 5…スプリング 6…金具 7…下部台座 8…流体 9…軟磁性材料 10,10′,20,30,40…本発明の実施例の流
体制御弁 11…永久磁石 21,31…流入口 22,32…流入口 23,33…流出口 34…筐体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁歪素子の変位を利用して流体の流れを
    制御する流体制御弁であって、 流体通路の管体の周囲に配置されて磁界を発生させる磁
    界発生部と、 この磁界発生部配置部位の内側の前記管体内流路に配置
    され、前記磁界発生部からの磁界により径方向に伸長ま
    たは収縮して前記流路を開閉する少なくとも1つの磁歪
    素子と、 前記磁歪素子の上流側および下流側の流路に設けられ、
    この磁歪素子を前記管体内流路に位置決めする2つの位
    置決め部材とを備え、 前記2つに位置決め部材の設置間隔は、少なくとも前記
    磁歪素子の最大伸長時の全長に等しくされ、かつ、前記
    2つの位置決め部材には前記管体内の流体がスムーズに
    通過できる開口が設けられていることを特徴とする流体
    制御弁。
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