JPH06108140A - レーザ焼入れ方法 - Google Patents
レーザ焼入れ方法Info
- Publication number
- JPH06108140A JPH06108140A JP3016483A JP1648391A JPH06108140A JP H06108140 A JPH06108140 A JP H06108140A JP 3016483 A JP3016483 A JP 3016483A JP 1648391 A JP1648391 A JP 1648391A JP H06108140 A JPH06108140 A JP H06108140A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hardening
- laser
- steel
- absorbent
- laser hardening
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- Laser Beam Processing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ビーム吸収剤塗布なしで鋼材にレーザによる
焼入れを行う方法に関する。 【構成】 鋼材のレーザ焼入れにおいて、鋼材にビーム
吸収剤を塗布せずに、シールドガスとして25%以上の
O2 ,CO2 を混入したシールドガス雰囲気で鋼材表面
を酸化させつゝビーム照射を行うレーザ焼入れ方法。
焼入れを行う方法に関する。 【構成】 鋼材のレーザ焼入れにおいて、鋼材にビーム
吸収剤を塗布せずに、シールドガスとして25%以上の
O2 ,CO2 を混入したシールドガス雰囲気で鋼材表面
を酸化させつゝビーム照射を行うレーザ焼入れ方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ焼入れ方法に関
し、更に詳しくはビーム吸収剤の塗布なしにレーザによ
る焼入れを行う方法に関する。
し、更に詳しくはビーム吸収剤の塗布なしにレーザによ
る焼入れを行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ焼入れでは鋼材に照射され
たビームは図5に示す如く、60%以上照射されてしま
うことから、反射を防止しビーム吸収率をあげるためビ
ーム吸収剤とし、グラファイトを主成分とするビーム吸
収剤を塗布して焼入れ処理を行ってきた。
たビームは図5に示す如く、60%以上照射されてしま
うことから、反射を防止しビーム吸収率をあげるためビ
ーム吸収剤とし、グラファイトを主成分とするビーム吸
収剤を塗布して焼入れ処理を行ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のビーム吸収剤を
塗布して焼入れを実施する方法では、ビーム吸収剤塗布
及び焼入れ処理後ビーム吸収剤を除去するために多くの
時間を要し、実際にレーザ焼入れ処理に費やす時間の倍
以上の時間を要していた。
塗布して焼入れを実施する方法では、ビーム吸収剤塗布
及び焼入れ処理後ビーム吸収剤を除去するために多くの
時間を要し、実際にレーザ焼入れ処理に費やす時間の倍
以上の時間を要していた。
【0004】さらに、ビーム吸収剤は一定膜厚で塗布し
ないと、膜厚によりビーム吸収率が異なるため、焼入れ
部の形状が一定とならず均一な焼入れが困難となる等の
問題を生じていた。
ないと、膜厚によりビーム吸収率が異なるため、焼入れ
部の形状が一定とならず均一な焼入れが困難となる等の
問題を生じていた。
【0005】また、このようにビーム吸収剤を塗布しな
いと、図5に示す如くビーム吸収率が60%以上と高い
ため、ほとんどのビームが反射し、焼入れ処理が困難と
なっていた。
いと、図5に示す如くビーム吸収率が60%以上と高い
ため、ほとんどのビームが反射し、焼入れ処理が困難と
なっていた。
【0006】本発明は上記技術水準に鑑み、ビーム吸収
剤の塗布を省略し、かつ十分焼入れが行えるレーザ焼入
れ方法を提供しようとするものである。
剤の塗布を省略し、かつ十分焼入れが行えるレーザ焼入
れ方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は鋼材のレーザ焼
入れにおいて、鋼材にビーム吸収剤を塗布せずに、シー
ルドガスとして25%以上のO2 ,CO2 を混入したシ
ールドガス雰囲気で、鋼材表面を酸化させつつ、ビーム
照射を行い、ビーム吸収率向上による焼入れ処理を行う
ことを特徴とするレーザ焼入れ方法である。
入れにおいて、鋼材にビーム吸収剤を塗布せずに、シー
ルドガスとして25%以上のO2 ,CO2 を混入したシ
ールドガス雰囲気で、鋼材表面を酸化させつつ、ビーム
照射を行い、ビーム吸収率向上による焼入れ処理を行う
ことを特徴とするレーザ焼入れ方法である。
【0008】
【作用】図4は鉄を加熱してゆく過程で、加熱開始から
の時間、材料表面の温度と、各時間、温度での鉄表面の
YAGレーザビーム反射率を実測した結果を示すもので
ある。同図中には、同一試料を同じ加熱条件にて、加熱
後室温でのYAGレーザビーム反射率を実測した結果に
ついても示している。
の時間、材料表面の温度と、各時間、温度での鉄表面の
YAGレーザビーム反射率を実測した結果を示すもので
ある。同図中には、同一試料を同じ加熱条件にて、加熱
後室温でのYAGレーザビーム反射率を実測した結果に
ついても示している。
【0009】これより、加熱による酸化層の形成によ
り、材料の反射率が減少し、ビーム吸収率が増大してゆ
くことがわかる。この結果から、シールドガスに材料酸
化に有効なO2 ,CO2 を加え、酸化を促進させるか、
十分な温度となる加熱条件を選定することにより、材料
表面を酸化させつつ焼入れ処理を行うことにより、ビー
ム吸収率を低減させ、ビーム吸収剤塗布なしのレーザ焼
入れが可能となる。
り、材料の反射率が減少し、ビーム吸収率が増大してゆ
くことがわかる。この結果から、シールドガスに材料酸
化に有効なO2 ,CO2 を加え、酸化を促進させるか、
十分な温度となる加熱条件を選定することにより、材料
表面を酸化させつつ焼入れ処理を行うことにより、ビー
ム吸収率を低減させ、ビーム吸収剤塗布なしのレーザ焼
入れが可能となる。
【0010】図3は実際にビーム吸収剤を塗布し、レー
ザ焼入れを行った際のビーム吸収率の実測結果、ビーム
吸収剤塗布なしで、酸化促進雰囲気である40%O2 +
N2,60%O2 +N2 雰囲気でレーザ焼入れを行った
際のビーム吸収率、酸化なしのAr雰囲気中でのビーム
吸収率の実測結果の比較を示した。
ザ焼入れを行った際のビーム吸収率の実測結果、ビーム
吸収剤塗布なしで、酸化促進雰囲気である40%O2 +
N2,60%O2 +N2 雰囲気でレーザ焼入れを行った
際のビーム吸収率、酸化なしのAr雰囲気中でのビーム
吸収率の実測結果の比較を示した。
【0011】図3より実際のレーザ焼入れでも酸化によ
りビーム吸収率が35%からビーム吸収剤を塗布した状
態に近い60%以上の、高ビーム吸収率が得られてい
る。
りビーム吸収率が35%からビーム吸収剤を塗布した状
態に近い60%以上の、高ビーム吸収率が得られてい
る。
【0012】
【実施例】図1に本発明の一実施例を実施する装置の構
成を、図2にその実施結果を示した。図1に示すごと
く、1kw級CW YAGレーザ発振器1より発振された
レーザ光8をファイバ入射光学系2により光ファイバ3
に集光し、レーザ光8伝送後、カライドスコープ4によ
りレーザ光8を矩形状に均一化した後、結像光学系5に
よりレーザ光8を被焼入れ材料9表面に必要な結像倍率
で結像する。
成を、図2にその実施結果を示した。図1に示すごと
く、1kw級CW YAGレーザ発振器1より発振された
レーザ光8をファイバ入射光学系2により光ファイバ3
に集光し、レーザ光8伝送後、カライドスコープ4によ
りレーザ光8を矩形状に均一化した後、結像光学系5に
よりレーザ光8を被焼入れ材料9表面に必要な結像倍率
で結像する。
【0013】この際、被焼入れ材料9を特定のシールド
雰囲気で処理するため、シールドボックス6を用い、シ
ールドガス7を供給することにより一実施例として炭素
工具鋼SK−3を表面焼入れした。
雰囲気で処理するため、シールドボックス6を用い、シ
ールドガス7を供給することにより一実施例として炭素
工具鋼SK−3を表面焼入れした。
【0014】その結果、図2に示す如く、40%O2 +
N2 ,60%O2 +N2 の酸化が促進し易いシールド雰
囲気で焼入れ処理を行うことにより、ビーム吸収剤(グ
ラファイト)を塗布せずに、ビーム吸収剤塗布した際と
同等のレーザ硬化深さが得られた。また、大気中でレー
ザ焼入れを鋼材表面温度θsが1100℃以上となる条
件により、酸化なしのAr雰囲気に比べ大幅な硬化深さ
の増大が可能となった。
N2 ,60%O2 +N2 の酸化が促進し易いシールド雰
囲気で焼入れ処理を行うことにより、ビーム吸収剤(グ
ラファイト)を塗布せずに、ビーム吸収剤塗布した際と
同等のレーザ硬化深さが得られた。また、大気中でレー
ザ焼入れを鋼材表面温度θsが1100℃以上となる条
件により、酸化なしのAr雰囲気に比べ大幅な硬化深さ
の増大が可能となった。
【0015】
【発明の効果】鋼材表面が酸化し易いシールド雰囲気、
あるいは鋼材表面が酸化し得るに十分な温度となる焼入
れ条件で、レーザ焼入れを実施することにより、ビーム
吸収剤塗布なしに、第2図に示す如く、ビーム吸収剤を
塗布した際と同等な硬化深さが得られる。また第3図に
示す如く、ビーム吸収剤塗布無しに、ビーム吸収率を塗
布した際と同等な、ビーム吸収率が得られた。従って、
従来の課題となっているビーム吸収剤塗布工程が省略出
来、ビーム吸収剤塗布に起因する焼入れ品質のバラツキ
防止にも役立つ。
あるいは鋼材表面が酸化し得るに十分な温度となる焼入
れ条件で、レーザ焼入れを実施することにより、ビーム
吸収剤塗布なしに、第2図に示す如く、ビーム吸収剤を
塗布した際と同等な硬化深さが得られる。また第3図に
示す如く、ビーム吸収剤塗布無しに、ビーム吸収率を塗
布した際と同等な、ビーム吸収率が得られた。従って、
従来の課題となっているビーム吸収剤塗布工程が省略出
来、ビーム吸収剤塗布に起因する焼入れ品質のバラツキ
防止にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るレーザビーム焼入装置
の構成図
の構成図
【図2】本発明に係るレーザ焼入れ深さの比較図表
【図3】本発明に係るレーザ焼入れ時のビーム吸収率の
比較図表
比較図表
【図4】ビーム吸収剤塗布なしのビーム入射角θとビー
ム反射率との相関図表
ム反射率との相関図表
【図5】ビーム吸収剤塗布なしのビーム入射角とビーム
反射率の関係図表
反射率の関係図表
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼材のレーザ焼入れにおいて、鋼材にビ
ーム吸収剤を塗布せずに、シールドガスとして25%以
上のO2 ,CO2 を混入したシールドガス雰囲気で、鋼
材表面を酸化させつつ、ビーム照射を行い、ビーム吸収
率向上による焼入れ処理を行うことを特徴とするレーザ
焼入れ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3016483A JPH06108140A (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | レーザ焼入れ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3016483A JPH06108140A (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | レーザ焼入れ方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06108140A true JPH06108140A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=11917536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3016483A Withdrawn JPH06108140A (ja) | 1991-02-07 | 1991-02-07 | レーザ焼入れ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06108140A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010196130A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | 鋼材の表面改質方法、および表面改質装置 |
-
1991
- 1991-02-07 JP JP3016483A patent/JPH06108140A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010196130A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | 鋼材の表面改質方法、および表面改質装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980514 |