JPH06107193A - 車両の操舵装置 - Google Patents

車両の操舵装置

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JPH06107193A
JPH06107193A JP23744392A JP23744392A JPH06107193A JP H06107193 A JPH06107193 A JP H06107193A JP 23744392 A JP23744392 A JP 23744392A JP 23744392 A JP23744392 A JP 23744392A JP H06107193 A JPH06107193 A JP H06107193A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 前輪の操舵時に車両に発生するヨーレイトを
目標値に制御する状態フィードバック制御と、他の第2
の制御則とを切換えて使用する場合、その制御切換時に
車両に発生するショックを軽減する。 【構成】 後輪操舵装置のモータ26は後輪を操舵す
る。LQG制御手段30は車両に発生するヨーレイトが
目標値になるように状態フィードバック制御する。車速
感応MAP制御手段31は予め記憶するマップに基いて
車速に応じてモータ26を制御し、後輪の操舵角を制御
する。制御切換手段32は、車輪のコーナリングフォー
スが車輪の横滑り角に対して比例関係にある線形領域の
ときLQG制御手段30を選択し、非線形領域のとき車
速感応MAP制御手段31を選択する。第3の制御手段
33は、制御切換手段32による制御の切換時に、LQ
G制御と車速感応MAP制御とを滑らかに繋ぐようモー
タ26を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のステアリング操
舵状態に応じて後輪又は前輪を強制的に操舵制御して、
車両の運転性や安定性を高めるようにした車両の操舵装
置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両の操舵装置して、ス
テアリング操作量に対応する前輪の操舵角に対して、後
輪の転舵比を車速に応じて決定し、該転舵比で後輪を転
舵制御するものが知られているが、このものでは、如何
なる車速でも運転者の意思に合致した操舵性能を得るこ
とが可能である反面、運転者がステアリングを操作した
直後の初期状態では、前輪と後輪とが同相になる場合が
多いため、該初期状態での車両の回頭性が低い憾みがあ
った。
【0003】そのため、従来、例えば特開平1−262
268号公報に開示されるものでは、運転者のステアリ
ング操舵量に基いて車両の制御目標ヨーレイトを演算す
ると共に、車両のヨーレイトを実測し、このヨーレイト
の実測値と制御目標値との偏差に応じたフィードバック
制御量でもって後輪の操舵角をフィードバック制御する
ことにより、ステアリング操作直後の初期状態でもヨー
レイトを素早く発生させて、この初期状態での車両の回
頭性を高めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のフィードバック制御では、ヨーレイトの実測値と制
御目標値との偏差のみに応じてフィードバック制御量を
演算して、後輪を転舵制御している関係上、実際ヨーレ
イトを制御目標値に精度良く制御するにも限界がある。
【0005】そこで、例えば、上記のフィードバック制
御に代えて、状態フィードバック制御を採用することが
考えられる。この状態フィードバック制御は、ヨーレイ
トの他、車両の複数の状態変数,例えば車輪の横滑り
角、前輪及び後輪のコーナリングフォース等を推定して
車両の運動状態を把握し、これ等複数の状態変数を用い
て制御対象を制御するものであるので、上記車両の複数
の状態変数を用いて車両に発生するヨーレイトを制御目
標値にするよう、前輪又は後輪の操舵角をフィードバッ
ク制御すれば、常に車両に目標のヨーレイトを発生させ
ることができ、ステアリング操作時当初の車両の回頭性
を向上できる等、車両の運転性及び安定性に最適な制御
が可能となる。
【0006】その場合、状態フィードバック制御は、状
態方程式として線形方程式を用い、該線形方程式に基い
て車両の複数の状態量を推定している関係上、車両の運
動特性が路面状態の変化等に起因して線形方程式から外
れた非線形の運動となった車両の動特性の変化時には、
上記推定する複数の状態量が最適値からずれを生じ、そ
の結果、車両には制御目標ヨーレイトが発生せず、不安
定になる憾みが生じる。そのため、例えば、状態フィー
ドバック制御とは別途に、非線形領域において車両を本
質的に安定にできる第2の制御則を予め用意し、非線形
領域では該第2の制御則を使用することにより、車両の
動特性が線形領域から非線形領域に移行した際にも、車
両の安定性を良好に確保することが考えられる。
【0007】しかしながら、上記の考えでは、線形領域
から非線形領域への移行時、及びその逆方向への移行時
には、制御が瞬時に切換わる関係上、この制御の切換え
に起因して車両にショックを与える憾みが生じる。
【0008】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、上記の通り前輪又は後輪の操舵制御
に状態フィードバック制御と第2の制御則とを用い、該
両制御を線形領域と非線形領域とで切換える場合に、こ
の両制御の切換えに起因して車両に発生するショックを
軽減ないし解消することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、状態フィードバック制御と第2の制御
則とを線形領域と非線形領域とで切換えて用いる場合
に、この両制御の切換えを良好に繋ぐ第3の制御則を用
いることとする。
【0010】つまり、請求項1記載の発明の具体的な解
決手段は、図1に示すように、前輪又は後輪をステアリ
ングとは別途に操舵する操舵手段20を設けるととも
に、車輪の横滑り角に対して車輪のコーナリングフォー
スが比例的に変化する線形領域にあるか非線形領域にあ
るかを判別する領域判別手段34と、少くとも車両の実
際ヨーレイト及び車輪の推定横滑り角に基いて前輪又は
後輪操舵に対する目標制御量を演算し、車両の実際ヨー
レイトを制御目標ヨーレイトに状態フィードバック制御
する状態フィードバック制御手段30と、上記非線形領
域において安定して前輪又は後輪を操舵制御できる第2
の制御手段31と、上記領域判別手段34の出力を受
け、車輪のコーナリングフォースが線形領域にあるとき
上記状態フィードバック制御手段30により上記操舵手
段20を制御し、車輪のコーナリングフォースが非線形
領域にあるとき上記第2の制御手段31により操舵手段
20を制御するよう前輪又は後輪の操舵制御を切換える
制御切換手段32とを設ける。更に、上記制御切換手段
32による制御の切換時に状態フィードバック制御手段
30と第2の制御手段31との制御の間を滑らかに繋ぐ
ように上記制御切換手段32に優先して操舵手段20を
制御する第3の制御手段33とを設ける構成としてい
る。
【0011】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明において、線形領域と非線形領域との境
界を含んで該境界近傍に遷移領域を設定し、該遷移領域
において第3の制御手段33を動作させる構成とする。
【0012】更に、請求項3記載の発明では、請求項1
又は請求項2記載の発明において、第3の制御手段33
を特定して、状態フィードバック制御手段30による制
御量と第2の制御手段31による制御量とを単純比例に
より重み付け配分した制御量で操舵手段20を制御する
もので構成する。
【0013】加えて、請求項4記載の発明では、第3の
制御手段33を別のものに特定し、状態フィードバック
制御手段30による制御量と第2の制御手段31による
制御量とを2乗比例により重み付け配分した制御量で操
舵手段20を制御するもので構成する。
【0014】また、請求項5記載の発明では、上記請求
項2記載の発明における遷移領域の幅を、車両の走行状
態に応じて変更する幅変更手段を設ける構成とする。
【0015】更に、請求項6記載の発明では、請求項5
記載の発明の幅変更手段を特定して、遷移領域の幅を、
走行している路面の摩擦係数が大きいとき拡大するもの
で構成する。
【0016】加えて、請求項7記載の発明では、幅変更
手段を、車両に作用している横加速度が大きいとき遷移
領域の幅を拡大するもので構成している。
【0017】また、請求項8記載の発明では、幅変更手
段を、車速が高いとき遷移領域の幅を縮小するもので構
成する。
【0018】更に、請求項9記載の発明では、幅変更手
段を、前輪の操舵角が大きいとき遷移領域の幅を縮小す
るもので構成する。
【0019】加えて、請求項10記載の発明では、幅変
更手段を、車輪の横滑り角が大きいとき遷移領域の幅を
縮小するもので構成する。
【0020】更にまた、請求項11記載の発明では、幅
変更手段を、操舵手段20の制御が状態フィードバック
制御手段30から第2の制御手段31に切換えられると
き、遷移領域の幅を拡大するもので構成する。
【0021】加えて、請求項12記載の発明では、操舵
手段20の制御が第2の制御手段31から状態フィード
バック制御手段30に切換えられるとき、遷移領域の幅
を縮小するもので構成する。
【0022】
【作用】以上の構成により、請求項1記載の発明では、
線形領域では状態フィードバック制御手段30が制御切
換手段32により選択されて、操作手段20により前輪
又は後輪の操舵角が状態フィードバック制御されるの
で、車両に作用するヨーレイトが常に制御目標値に精度
良く一致して、制御の狙い通りの良好な車両の運転特性
が得られる。
【0023】一方、非線形領域では、状態フィードバッ
ク制御手段30に代えて、第2の制御手段31が制御切
換手段32により選択される。その結果、前輪又は後輪
の操舵角が第2の制御則に基いて安定して制御されるの
で、車両の運動が安定することになる。
【0024】また、前輪又は後輪の操舵角の制御が制御
切換手段32により切換えられる際には、第3の制御手
段33が動作する。従って、前輪又は後輪の操舵角の制
御は、状態フィードバック制御から第3の制御則を経て
第2の制御則に切換わり、また第2の制御則から第3の
制御則を経た後に状態フィードバック制御に切換わるの
で、て、前輪又は後輪の操舵角の制御が滑らかに繋がっ
て、車両に生じるショックが軽減ないし解消される。
【0025】また、請求項2記載の発明では、車輪のコ
ーナリングフォースが線形領域から遷移領域に入ると、
前輪又は後輪の操舵角の制御が状態フィードバック制御
から第3の制御則に切換わり、その後、非線形領域に入
った時点で第3の制御則から第2の制御則に切換わる。
また、車輪のコーナリングフォースが非線形領域から遷
移領域に入ると、前輪又は後輪の操舵角の制御が第2の
制御則から第3の制御則に切換わり、その後、線形領域
に入った時点で状態フィードバック制御に切換わる。そ
の結果、車両に生じるショックが一層軽減ないし解消さ
れる。
【0026】更に、請求項3記載の発明では、状態フィ
ードバック制御と第2の制御則との間の切換移行時に
は、該両制御の制御量が単純比例により重み付け配分さ
れて第3の制御則の制御量となるので、制御の切換えが
滑らかに行われ、車両に発生するショックが有効に軽減
ないし解消される。
【0027】加えて、請求項4記載の発明では、上記請
求項3記載での制御切換移行時の単純比例による重み付
け配分に代えて、両制御量を2乗比例により重み付け配
分したものが第3の制御則の制御量となるので、車両に
発生するショックがより一層有効に軽減ないし解消され
る。
【0028】また、請求項5記載の発明では、上記請求
項2記載の発明での遷移領域の幅が車両の走行状態に応
じて変更されるので、車両の走行状態に応じて制御の切
換移行の速度を自在に調整することができる。
【0029】更に、請求項6及び請求項7記載の発明で
は、路面の摩擦係数が大きいとき及び車両に作用する横
加速度が大きいとき,即ち車両の安定性が高い際には、
遷移領域の幅が拡大されて、状態フィードバック制御が
長く継続し反映されるので、車両の精度良い運転性を確
保しつつ、車両に発生するショックが有効に軽減される
ことになる。
【0030】加えて、請求項8、請求項9及び請求項1
0記載の発明では、車速が高いとき、前輪の操舵角が大
きいとき、及び車輪の横滑り角が大きいとき,即ち線形
領域から非線形領域に移行し易い際には、遷移領域の幅
が縮小されて、制御の切換速度が速くなり、制御が状態
フィードバック制御から第2の制御則に素早く切換わる
ので、車両の安定性が早期に且つ良好に確保される。
【0031】また、請求項11記載の発明では、状態フ
ィードバック制御手段30から第2の制御手段31に切
換えられるとき、即ち車両が線形領域から本来不安定な
非線形領域に移行する際には、遷移領域の幅が拡大され
て、切換移行が徐々に行われるので、車両の安定性が向
上する。
【0032】更に、請求項12記載の発明では、上記と
は逆に第2の制御手段31から状態フィードバック制御
手段30に切換えられるとき、即ち車両が非線形領域か
ら本来安定な線形領域に移行する際には、遷移領域の幅
が縮小されて、切換移行が素早く行われるので、車両の
良好な安定性を確保しつつ、短時間で状態フィードバッ
ク制御が開始されて、車両の精度良い運転性が直ちに得
られる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明の車両の操舵装置よれば、線形領域では状態フィード
バック制御を選択して使用し、非線形領域では安定な第
2の制御則を選択して使用すると共に、この両制御の切
換移行時には、この切換移行を滑かにする第3の制御則
を選択して使用したので、状態フィードバック制御によ
る狙い通りの車両の運動特性を実現でき、車両の走行性
能の向上を図りつつ、車輪のコーナリングフォースが非
線形領域に移行した際にも車両を良好に安定させて車両
の安定性の向上を図ることができると共に、制御の切換
移行時に車両に生じるショックを有効に軽減ないし解消
することができる。
【0034】また、請求項2記載の発明によれば、線形
領域と非線形領域との境界を含んで該境界近傍に遷移領
域を設定し、該遷移領域で第3の制御則を選択して使用
したので、制御の切換移行をスムーズに行って、車両に
生じるショックを一層軽減ないし解消できる。
【0035】更に、請求項3及び請求項4記載の発明に
よれば、状態フィードバック制御と第2の制御則との両
制御量を単純比例及び2乗比例により重み配分して、第
3の則の制御量としたので、制御切換移行時に車両に生
じるショックを有効に軽減ないし解消できる。
【0036】加えて、請求項5〜請求項10記載の発明
によれば、車両の走行状態に応じて遷移領域の幅を変更
したので、制御切換速度を車両の走行状態に応じて変更
できて、制御切換移行時に車両に発生するショックを一
層有効に軽減ないし解消できると共に、状態フィードバ
ック制御から第2の制御則への切換えを素早く行って、
車両の安定性を早期且つ良好に確保できる等の効果を奏
する。
【0037】また、請求項11記載の発明では、状態フ
ィードバック制御から第2の制御則への本来不安定な領
域への切換移行時には,遷移領域の幅を拡大して、制御
の切換移行を徐々に行わせたので、車両の安定性の向上
を図ることができる。
【0038】更に、請求項12記載の発明によれば、第
2の制御則から状態フィードバック制御への本来安定な
領域への切換移行時には,遷移領域の幅を縮小して、制
御の切換速度を高めたので、車両の良好な安定性を確保
しつつ、短時間で素早く状態フィードバック制御を開始
させて、車両の精度良い運転性を直ちに得ることができ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
いて説明する。
【0040】図2は本発明に係る車両の操舵装置の概略
平面図を示し、1はステアリング、2は左右の前輪、3
は左右の後輪、10は上記ステアリング1の操作により
左右の前輪2、2を操舵する前輪操舵装置、20は該前
輪操舵装置10による前輪2、2の転舵に応じて左右の
後輪3、3を操舵する操舵手段としての後輪操舵装置で
ある。
【0041】上記前輪操舵装置10は、車体幅方向に配
置されたリレーロッド11を有し、該ロッド11の両端
部は各々タイロッド12、12及びナックルアーム1
3、13を介して左右の前輪2、2に連結されている。
該リレーロッド11には、ハンドル1の操作に連動して
該リレーロッド11を左右に移動させるラック・アンド
・ピニオン機構14が配置され、ステアリング1の操作
時にその操作量に応じた角度だけ左右の前輪2、2を操
舵する構成である。
【0042】一方、後輪操舵装置20は、上記と同様に
車体幅方向に配置されたリレーロッド21を有し、該ロ
ッド21の両端部は各々タイロッド22、22及びナッ
クルアーム23、23を介して左右の後輪3、3に連結
されている。該リレーロッド21には、該ロッド21を
中立位置に付勢するセンタリングバネ22が配置されて
いると共に、ラック・アンド・ピニオン機構23が配置
され、該機構23には、クラッチ24、減速機構25、
及びモータ26が連携されていて、クラッチ24の締結
時にモータ26の回転駆動によりラック・アンド・ピニ
オン機構23を介してリレーロッド21を車幅方向に移
動させて、後輪3,3をモータ26の回転量に応じた角
度だけ操舵する構成である。
【0043】上記モータ26はコントロールユニット2
9に駆動制御される。該コントロールユニット29は、
図3に示すように、内部に、モータ26により後輪3の
舵角を車両の状態が推定できる少くとも実際ヨーレイト
及び車輪の横滑り角に基いて状態フィードバック制御
(以下、LQG制御という)する状態フィードバック手
段としてのLQG制御手段30と、第2の制御手段とし
ての車速感応MAP制御手段31と、上記LQG制御手
段30によるLQG制御と車速感応MAP制御手段31
によるMAP制御とを選択的に切換える制御切換手段3
2と、該制御切換手段32による制御切換えに際してこ
の切換えを滑らかに行い得る第3の制御則に基いて後輪
操舵装置20を用いて後輪3,3の舵角を制御する第3
の制御手段33とを有する。上記車速感応MAP制御手
段31は、車両が安定するように予め記憶したマップに
基いて後輪3の制御すべき目標舵角を車速及び前輪操舵
角に応じて一義的に決定して、後輪3の舵角をモータ2
6により上記目標舵角に制御するものであり、従って、
図5に示すように車輪の横滑り角βに対するコーナリン
グフォース特性において、コーナリングフォースの変化
が横滑り角βに比例しない非線形領域でも制御が安定す
るものである。
【0044】また、上記コントロールユニット29に
は、車両に作用する横加速度を検出する横加速度センサ
35と、車両に作用するヨーレイトを検出するヨーレイ
トセンサ36と、後輪3の舵角を検出する後輪舵角セン
サ37と、前輪2の操舵角を検出する前輪操舵角センサ
38と、車速を検出する車速センサ39とが各々入力さ
れている。
【0045】次に、上記コントロールユニット29によ
るモータ26の駆動制御を図4の制御フローに従って説
明する。同図において、ステップS1で設定周期毎の制
御タイミングになると、ステップS2で上記各センサ3
6〜39の検出信号に基いて車速Vs、前輪操舵角Fs
tg、後輪舵角Rstg、車両に発生しているヨーレイ
トψ、及び車両に作用する横加速度Ygの各車両運動状
態量を計測する。
【0046】そして、ステップS3において下記式に基
いて車両の制御目標ヨーレイトyrtを算出する。
【0047】 ここに、Aはスタビリティーファクター、Lは車両のホ
イールベースである。その後は、ステップS4で前輪操
舵角センサ38により検出した前輪操舵角Fstgの前
回値と今回値とに基いて前輪操舵速度dfを下記式より
演算する。
【0048】 df={Fstg(n)−Fstg(n−1)}*k (kは比例定数である) 続いて、ステップS5において予め車速感応MAP制御
における後輪3の舵角制御量RMAPを演算する。即
ち、同ステップに示す車速Vspに対応するマップ上の
比例定数rを算出した後、該算出した比例定数rに前輪
操舵角Fstgを乗算してMAP制御量RMAPを求め
る。
【0049】更に、ステップS6及びS7においてLQ
G制御における後輪3の舵角制御量RFBを演算する。
即ち、先ずステップS6でオブザーバー(状態観測器)
により車両の状態量及び車両の観測量を演算推定する。
ここに、車両の状態量としては、車両の横滑り角β、後
輪の舵角の変化速度dRstg/dt、前輪のコーナリ
ングフォースCff、及び後輪のコーナリングフォース
Cfrの4種を推定し、車両の推定観測量としては、上
記4種の推定状態量に、後輪の舵角Rstg、及び車両
に作用するヨーレイトdψ/dtを加えた6種を演算す
る。但し、後輪の舵角Rstg及びヨーレイトdψ/d
tは実測値を用いる。上記車両の状態量及び観測量の推
定は、車両の推定状態量をxob、車両の推定観測量を
yobとして、下記の状態方程式及び出力方程式に基づ
く演算によって行うものである。
【0050】dxob/dt=Aob*xob+Bob
*y+Job*RFB(n−1) yob=Cob*xob+Dob*y ここに、Aob、Bob、Cob、Dob及びJobは
オブザーバーゲイン、RFBはLQG制御量であり、y
は実測ヨーレイトdψ/dt及びLQG制御量RFB値
である。
【0051】その後は、ステップS7でLQG制御量R
FBを演算する。この演算は、先ず実測ヨーレイトdψ
/dtと制御目標ヨーレイトyrtとの偏差(dψ/d
t−yrt)の積分値Sigを式 Sig(n)=Sig(n−1)+(dψ/dt−yr
t) に基いて算出した後、LQG制御量RFBを上記積分値
Sig及び推定観測量yobを用いて下式 RFB=−F*yob−FI*Sig にて演算する。ここに、F,FIは制御ゲインである。
【0052】上記の通りLQG制御量RFBを算出した
後は、ステップS8で図5に示す線形領域と非線形領域
との境界を含む該境界近傍の遷移領域の幅に相当する前
輪操舵速度幅Δdfを図6ないし図10に基いて決定す
る。つまり、図6では走行中の路面の摩擦係数μが大き
いほど幅Δdfを拡大し、図7では車両に作用している
横加速度の絶対値|Yg|が大きいほど幅Δdfを拡大
する。また、図8では車速Vspが高くなるほど幅Δd
fを縮小すると共に、図9では前輪の操舵角の絶対値|
fstg|が大きくなるほど幅Δdfを縮小し、図10
では推定した車輪の横滑り角βが大きいほど幅Δdfを
縮小する。
【0053】そして、図4の制御フローのステップS9
及びS10で車輪のコーナリングフォースが遷移領域に
あるか否かを判定する。この判定は、具体的には、ステ
ップS9で図4の遷移領域を区画する線形領域側の横滑
り角βoに対応する設定前輪操舵速度dl1 と実際の前
輪操舵速度dfとを比較すると共に、ステップS10で
上記設定前輪操舵速度dl1 に遷移領域の幅に相当する
前輪操舵速度幅Δdfを加算した値dl1 +Δdfと実
際の前輪操舵速度dfとを比較して行う。その結果、d
f<dl1 の線形領域にある場合には、ステップS11
で後輪の舵角制御量Rを上記ステップS7で演算したL
QG制御量RFBに設定して(R=RFB)、ステップ
S14でこの制御量Rでもってモータ26を駆動制御し
て、左右の後輪3,3を操舵制御する。一方、dl1 +
Δdf<dfの非線形領域にある場合には、ステップS
12で後輪の舵角制御量Rを上記ステップS5で演算し
たMAP制御量RMAPに設定して(R=RMAP)、
ステップS14でこの制御量Rでもってモータ26を駆
動制御し、左右の後輪3,3を操舵制御する。
【0054】これに対し、dl1 <df<dl1 +Δd
fの遷移領域にある場合には、ステップS13で第3の
制御則の制御量RTRを演算する。この制御量RTR
は、下記式に基いてLQG制御領域RFBとMAP制御
量RMAPとを単純比例により実際の前輪操舵角dfが
遷移領域で取る位置で重み付け配分した制御量として計
算する。
【0055】 RTR=c*RMAP+(1−c)*RFB ここに、dl2 =dl1 +Δdfである。
【0056】そして、上記のように第3の制御則での制
御量RTRが求まると、ステップS14で後輪3,3の
舵角制御量Rをこの制御量RTRに設定して(R=RT
R)、ステップS14でこの制御量Rでもってモータ2
6を駆動制御し、左右の後輪3,3を操舵制御する。
【0057】よって、上記図4の制御フローにおいて、
ステップS6及びS7により状態フィードバック制御手
段30を構成していると共に、ステップS5により第2
の制御則として車速感応MAP制御を用いた第2の制御
手段31を構成している。また、ステップS9及びS1
0により、図5に示すように車輪の横滑り角βに対して
車輪のコーナリングフォースが比例的に変化する線形領
域にあるか、非線形領域にあるかを判別する領域判別手
段34を構成していると共に、ステップS11及びS1
2により、上記領域判別手段34の出力を受けて、車輪
のコーナリングフォースが線形領域にある場合にはLQ
G制御手段30のLQG制御量RFBによりモータ27
を制御し、非線形領域にある場合には第2の制御手段3
1の車速感応MAP制御によりモータ26を制御するよ
う後輪の操舵制御を切換えるようにした制御切換手段3
2を構成している。更に、ステップS13により、上記
制御切換手段32による制御の切換時に、LQG制御量
RFBとMAP制御量RMAPとを比例配分した第3の
制御則の制御量RTRでもってLQG制御とMAP制御
との間を滑らかに繋ぐように上記制御切換手段32に優
先してモータ26を制御するようにした第3の制御手段
33を構成している。加えて、ステップS8により、図
5の遷移領域の幅に相当する前輪操舵速度幅Δdfを車
両の走行状態としての路面の摩擦係数μ、横加速度|Y
g|、車速Vsp、前輪の操舵角|fstg|、及び車
輪の推定横滑り角βに応じて変更するようにした幅変更
手段45を構成している。
【0058】したがって、上記実施例においては、前輪
の操舵速度dfが設定値dl1 未満で遅い(df<dl
1 )場合には、車輪のコーナリングフォースは線形領域
にあって、後輪3,3の操舵角がLQG制御手段30に
よりLQG制御される。この場合、車両の動特性は上記
の状態方程式を満すので、オブザーバーによる状態量x
ob及び観測量yobは正確に推定され、従って車両の
ヨーレイトは制御目標値yrtに精度良く制御されて、
狙い通りの車両運動特性が得られ、車両の運転性能の向
上及び安定性の向上が図られる。
【0059】これに対し、前輪の操舵速度dfが設定値
dl2 (=dl1 +Δdf)を越えて速い(dl2 <d
f)場合には、車輪の横滑り角は非線形領域にある。こ
の場合、LQG制御では、車両の動特性が上記状態方程
式を満さず、オブザーバーによる状態量xob等に誤差
が生じ易く、このため制御が不安定となって、車両の運
動が不安定になる場合がある。しかし、この非線形領域
では、制御切換手段32がこの非線形領域で本来的に安
定している第2の制御手段31による車速感応MAP制
御を選択し、後輪3,3の操舵角が車速Vs及び前輪操
舵角Fstgに応じた制御量RMAPでもって制御され
るので、車両の走行安定性が良好に確保される.しか
も、前輪の操舵速度dfが設定値dl1 未満で遅い場合
には、運転者が車両を所望の方向に正確に導きたいと要
求する場合であって、この場合には上記の通り後輪3の
LQG制御によって車両に発生するヨーレイトが制御目
標値yrtに精度良く一致するので、車両は運転者の要
求通りに方向転換して、車両の運転性能の一層の向上を
図ることができる。一方、前輪の操舵速度dfが設定値
dl2 を越えて速い場合には、上記の通り後輪3の車速
感応MAP制御によって車両のヨーレイトが安定して発
生するので、車両の安定性が向上する。この場合、発生
するヨーレイトはLQG制御の場合に比して制御目標値
yrtに精度良くは一致しなくなるが、運転者はさほど
車両の方向転換角度の正確さを要求していないので、支
障はない。
【0060】更に、運転者のステアリング操作による前
輪操舵速度dfの変化に伴い、LQG制御からMAP制
御への切換え、及びその逆方向への切換えに際しては、
その両制御間の切換えを滑らかに繋ぐ第3の制御則の制
御量RTRでもって後輪操舵装置20のモータ26が制
御されるので、この制御切換に起因して車両に生じるシ
ョックを有効に軽減ないし解消することができる。
【0061】その際、上記第3の制御則の制御量RTR
は、実際前輪操舵速度dfが図5の遷移領域で取る位置
に応じてLQG制御の制御量RFBと車速感応MAP制
御の制御量RMAPとを単純比例により重み付け配分し
て得られるので、制御の切換え移行が比例的に進行し
て、車両に生じるショックをより一層有効に軽減ないし
解消することができる。
【0062】しかも、図5の遷移領域の幅に相当する前
輪操舵速度幅Δdfは、路面の摩擦係数μ、又は横加速
度|Yg|が大きい車両安定時には拡大されて、第3の
制御則によるモータ26の制御時間が長くなる。その結
果、LQG制御が長く反映されて、車両には制御目標ヨ
ーレイトに近いヨーレイトが発生して、車両の良好な運
転性が比較的長く確保されつつ、この制御切換時に車両
に生じるショックを有効に軽減できる。また、遷移領域
の幅に相当する前輪操舵速度幅Δdfは、車速Vsp、
前輪の操舵角|fstg|が大きい際、及び車輪の推定
横滑り角βが大きい際,即ち非線形領域に移行し易い際
ほど縮小されるので、車速感応MAP制御に素早く移行
できて、車両の安定性を早期且つ良好に確保することが
できる。
【0063】図11は他の実施例を示し、上記実施例で
は第3の制御則として、LQG制御量RFBとMAP制
御量RMAPとを単純比例配分した制御量RTRを使用
したが、これ等制御量RFB,RMAPを2乗比例によ
り配分した制御量RTRを使用したものである。
【0064】すなわち、図11においては、上記図4の
ステップS13の内容のみが異なり、下記式に基いてL
QG制御量RFBとMAP制御量RMAPとを2乗比例
により重み付け配分して第3の制御則の制御量RTRを
演算する。
【0065】 k1=2 /{c2 +(1−c)2 } k2=1−k1 RTR=k1*RMAP+k2*RFB したがって、本実施例においては、LQG制御とMAP
制御との間の重み付けは、図12に破線で示すように、
実線で示す単純比例配分の上記実施例に比べて、制御の
切換移行をより一層滑らかに行うことができる。
【0066】図13は、請求項11及び請求項12記載
の実施例を示す。同図に示す後輪操舵角制御フローは、
図4の制御フローとステップS1〜S8までは同一であ
るので、ステップS9以降の制御の切換選択について説
明する。
【0067】つまり、図13の制御フローにおいて、ス
テップS9及びS10で前輪操舵速度dfにより線形領
域、遷移領域、又は非線形領域にあるか否かを判別す
る。そして、車輪のコーナリングフォースがdf<dl
1 の線形領域にある場合には、ステップS11で後輪制
御量RをLQG制御量RFBに設定し、ステップS12
でフラグF=1に設定する。一方、dl2 =dl1 +Δ
df<dfの非線形領域にある場合には、ステップS1
3で後輪制御量RをMAP制御量RMAPに設定し、ス
テップS14でフラグF=3に設定する。
【0068】これに対し、dl1 <df<dl2 の遷移
領域にある場合には、ステップS15及びS16でフラ
グFの値を判別し、F=1のLQG制御中の場合には、
ステップS17でdl2 を大きく,即ち遷移領域の幅に
相当する前輪操舵速度幅Δdfを拡大する一方、F=3
のMAP制御中の場合には、ステップS18でdl2 を
小さく,即ち遷移領域の幅に相当する前輪操舵速度幅Δ
dfを縮小する。
【0069】その後は、ステップS19で、LQG制御
領域RFBとMAP制御量RMAPとを単純比例配分し
て、第3の制御則の制御量RTRを計算する。
【0070】そして、ステップS20でLQG制御中の
線形領域ではLQG制御量RFBにより、MAP制御中
の非線形領域ではMAP制御量RMAPにより、及び遷
移領域では第3の制御則の制御量RTRにより、各々モ
ータ26を制御して、後輪3,3を操舵制御して、ステ
ップS1に戻る。
【0071】よって、図13の制御フローのステップS
15〜S18により、図5の遷移領域の幅に相当する前
輪操舵速度幅Δdfを、後輪3の操舵角制御がLQG制
御からMAP制御に切換移行するときには拡大し、MA
P制御からLQG制御に切換移行するときには縮小する
ようにした幅変更手段45´を構成している。
【0072】したがって、本実施例においては、LQG
制御からMAP制御に切換移行するとき,即ち車両の安
定性が本来低下する方向に移行する状況では、図5の遷
移領域の幅が拡大されて、MAP制御への移行が一層緩
やかに行われるので、車両の安定性が良好に確保され
る。
【0073】これに対し、上記とは逆にMAP制御から
LQG制御に切換移行するとき,即ち車両の安定性が本
来良い方向に移行する状況では、遷移領域の幅が縮小さ
れて、LQG制御への移行が素早く行われるので、早期
に狙い通りの車両の運転特性を得ることができる。この
場合、制御の切換移行速度は速いが、車両の安定性は、
これが良くなる方向への移行時であるので良好に確保さ
れる。
【0074】図14は他の実施例を示し、上記実施例で
は後輪3,3を後輪操舵装置20を用いて操舵制御した
のに代え、前輪2,2をステアリングとは別途に電気的
に操舵制御するものに適用したものである。
【0075】すなわち、図14の操舵装置では、上記図
2に示す後輪操舵装置20を備えず、前輪操舵装置10
と並列に、リレーロッド11に配置したラック・アンド
・ピニオン機構40と、該機構40を駆動するモータ4
1とを設け、該モータ41をコントロールユニット29
により駆動制御する構成である。その他の構成は、上記
の説明と同様であるが、前輪を操舵する関係上、上記実
施例の後輪操舵で後輪を前輪と逆位相に操舵制御する場
合には本実施例では前輪の操舵角を増す側に操舵制御
し、上記実施例で後輪を同位相に操舵制御する場合には
本実施例では前輪の操舵角を減す側に操舵制御すればよ
い。
【0076】尚、以上の説明では、LQG制御におい
て、車両の推定観測量として6種、即ち車両の横滑り角
β、後輪の舵角の変化速度dRstg/dt、前輪及び
後輪ののコーナリングフォースCff、Cfr、後輪の
舵角Rstg、並びに車両に作用するヨーレイトdψ/
dtを用いて車両の状態を正確に観測したが、車両の状
態を観測するには、少くとも車両の実際ヨーレイト及び
車輪の推定横滑り角の2種を観測すれば足りる。
【0077】また、以上の説明では、第2の制御手段3
1での制御則として車速感応MAP制御を使用したが、
この第2の制御則は、要はコーナリングフォースが比例
的に変化しない非線形領域で安定して後輪3,3を制御
し得るものであれば良く、例えばMAP制御以外のフィ
ードフォワード制御、ファジィ制御、フィードバック制
御等でも良いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明のブロック構成図である。
【図2】車両の後輪をも操舵する操舵装置の全体構成を
示す図である。
【図3】後輪の操舵制御のブロック構成を示す図であ
る。
【図4】後輪の操舵制御の制御フローを示す図である。
【図5】車輪の横滑り角に対するコーナリングフォース
特性を示す図である。
【図6】路面の摩擦係数に対する遷移領域の幅の変化特
性を示す図である。
【図7】車両に作用する横加速度に対する遷移領域の幅
の変化特性を示す図である。
【図8】車速に対する遷移領域の幅の変化特性を示す図
である。
【図9】前輪の操舵角に対する遷移領域の幅の変化特性
を示す図である。
【図10】車輪の横滑り角に対する遷移領域の幅の変化
特性を示す図である。
【図11】他の実施例としての後輪の操舵制御の制御フ
ローを示す図である。
【図12】他の実施例の作動説明図である。
【図13】更に他の実施例としての後輪の操舵制御フロ
ーを示す図である。
【図14】前輪を操舵する操舵装置の全体構成を示す図
である。
【符号の説明】
1 ステアリング 3 後輪(車輪) 20 後輪操舵装置 26 モータ 29 コントロールユニット 30 LQG制御手段(状態フィードバッ
ク制御手段) 31 車速感応制御手段(第2の制御手
段) 32 制御切換手段 33 第3の制御手段 34 領域判別手段 35 横加速度センサ 36 ヨーレイトセンサ 37 後輪舵角センサ 38 前輪操舵角センサ 39 車速センサ 45,45´ 幅変更手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪又は後輪をステアリングとは別途に
    操舵する操舵手段を備えるとともに、車輪の横滑り角に
    対して車輪のコーナリングフォースが比例的に変化する
    線形領域にあるか非線形領域にあるかを判別する領域判
    別手段と、少くとも車両の実際ヨーレイト及び車輪の推
    定横滑り角に基いて前輪又は後輪操舵に対する目標制御
    量を演算し、車両の実際ヨーレイトを制御目標ヨーレイ
    トに状態フィードバック制御する状態フィードバック制
    御手段と、上記非線形領域において安定して前輪又は後
    輪を操舵制御できる第2の制御手段と、上記領域判別手
    段の出力を受け、車輪のコーナリングフォースが線形領
    域にあるとき上記状態フィードバック制御手段により上
    記操舵手段を制御し、車輪のコーナリングフォースが非
    線形領域にあるとき上記第2の制御手段により操舵手段
    を制御するよう前輪又は後輪の操舵制御を切換える制御
    切換手段とを備え、更に該制御切換手段による制御の切
    換時に状態フィードバック制御手段と第2の制御手段と
    の制御の間を滑らかに繋ぐように上記制御切換手段に優
    先して操舵手段を制御する第3の制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 【請求項2】 線形領域と非線形領域との境界を含んで
    該境界近傍には遷移領域が設定され、該遷移領域におい
    て第3の制御手段が動作することを特徴とする請求項1
    記載の車両の操舵装置。
  3. 【請求項3】 第3の制御手段は、状態フィードバック
    制御手段による制御量と第2の制御手段による制御量と
    を単純比例により重み付け配分した制御量で操舵手段を
    制御するものであることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の車両の操舵装置。
  4. 【請求項4】 第3の制御手段は、状態フィードバック
    制御手段による制御量と第2の制御手段による制御量と
    を2乗比例により重み付け配分した制御量で操舵手段を
    制御するものであることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の車両の操舵装置。
  5. 【請求項5】 遷移領域の幅を車両の走行状態に応じて
    変更する幅変更手段を備えたことを特徴とする請求項2
    記載の車両の操舵装置。
  6. 【請求項6】 幅変更手段は、遷移領域の幅を、走行し
    ている路面の摩擦係数が大きいとき拡大するものである
    ことを特徴とする請求項5記載の車両の操舵装置。
  7. 【請求項7】 幅変更手段は、遷移領域の幅を、車両に
    作用している横加速度が大きいとき拡大するものである
    ことを特徴とする請求項5記載の車両の操舵装置。
  8. 【請求項8】 幅変更手段は、遷移領域の幅を、車速が
    高いとき縮小するものであることを特徴とする請求項5
    記載の車両の操舵装置。
  9. 【請求項9】 幅変更手段は、遷移領域の幅を、前輪の
    操舵角が大きいとき縮小するものであることを特徴とす
    る請求項5記載の車両の操舵装置。
  10. 【請求項10】 幅変更手段は、遷移領域の幅を、車輪
    の横滑り角が大きいとき縮小するものであることを特徴
    とする請求項5記載の車両の操舵装置。
  11. 【請求項11】 幅変更手段は、遷移領域の幅を、操舵
    手段の制御が状態フィードバック制御手段から第2の制
    御手段に切換えられるとき拡大するものであることを特
    徴とする請求項5記載の車両の操舵装置。
  12. 【請求項12】 幅変更手段は、遷移領域の幅を、操舵
    手段の制御が第2の制御手段から状態フィードバック制
    御手段に切換えられるとき縮小するものであることを特
    徴とする請求項5記載の車両の操舵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010188978A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Nissan Motor Co Ltd 車両舵角制御装置及び車両舵角制御方法
US7871252B2 (en) 2003-05-13 2011-01-18 Lg Electronics Inc. Rotary compressor having two compression capacities

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7871252B2 (en) 2003-05-13 2011-01-18 Lg Electronics Inc. Rotary compressor having two compression capacities
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